JP2003140465A - 滑り性及び耐摩耗性に優れる微細紛粒体のもれ防止用のシール材 - Google Patents

滑り性及び耐摩耗性に優れる微細紛粒体のもれ防止用のシール材

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JP2003140465A
JP2003140465A JP2001342333A JP2001342333A JP2003140465A JP 2003140465 A JP2003140465 A JP 2003140465A JP 2001342333 A JP2001342333 A JP 2001342333A JP 2001342333 A JP2001342333 A JP 2001342333A JP 2003140465 A JP2003140465 A JP 2003140465A
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pile
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Yoshinori Sawara
義徳 佐原
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Toyobo Co Ltd
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03G15/06Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for developing
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    • G03G15/0817Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for developing using a solid developer, e.g. powder developer on a donor element, e.g. belt, roller characterised by the lateral sealing at both sides of the donor member with respect to the developer carrying direction

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ハウジング内において微細トナー等の微細な紛
粒体と接触するマグネットローラ等の可動体の機能を損
なうことなく、可動体に接触する羽毛の繊維の保持性が
良好で抜け落ちず、かつ充分なシール性を有し、微細紛
粒体のもれ防止をなし得るシール材を提供すること。 【解決手段】摺動する毛羽となるパイル糸とそれを支え
る平織地組織の基布から構成されたパイル織物を主体と
し、毛羽のパイル糸が単糸繊度0.1〜6.0dTe
x、繊維断面の扁平率が1.1以上である平均引張強度
が22cN/dTex以上の高強度ポリエチレン繊維で
あり、かつ羽毛の高さが1.5〜4.0mmでパイル糸
部分の立毛密度が13,000〜346,000本/c
2、ベースクロス1cm2当りのパイル糸断面積が0.
02〜0.2cm2であり、基布裏面に羽毛の抜けを防
ぐコーティング層を有してなる滑り性及び耐摩耗性に優
れる微細紛粒体のもれ防止用のシール材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細粉粒体のもれ防
止用シール材に関し、詳しくは、たとえば鮮明画像をえ
るために微細トナーを用いる電子写真複写機のマグネッ
トローラとハウジングの隙間において該隙間から微細ト
ナーの飛散もれを防ぐためのシール材に係わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機や事務機器用プリ
ンターの現像室(現像器ともいわれる。)は適宜にハウ
ジングにて被って形成されており、同現像室のトナーの
帯電付着したマグネットローラから感光体のローラにト
ナーが付与されてトナーの像を形成する。次いで像の形
成された感光体に用紙が重ねられ、感光体表面のトナー
が用紙に転写される。マグネットローラの軸受け側の両
端部に対応するハウジング部位にはシール材が取付けら
れ、マグネットローラの両端部とハウジングとの隙間が
シールされ、トナーの飛散もれが防止されている。
【0003】従来のシール材は、(イ)フッ素繊維のフ
ェルト層に羊毛・合成繊維フェルト又はスポンジを接着
した層体構造、(ロ)フッ素繊維のベルベット層体、
(ハ)フッ素繊維のベルベット層にスポンジ層を接着し
た層体構造、が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た(イ)の層体構造のシール材は摺動部分がフェルト層
のため、繊維のほつれ、抜け落ち、および復元性に乏し
く長期間使用するとシール性が低下し、トナー漏れが生
ずる問題があった。また、ハウジングの曲面に貼付けた
場合、摺動部材にシワが生じて隙間ができ、トナーが漏
れる場合があった。
【0005】前記(ロ)のベルベット層体のシール材は
ハウジングとロール間のシールをするためには羽毛の長
さが、5mm以上必要とし、フッ素系繊維を用いる場
合、コスト高となる問題がある。
【0006】そして、前記(ハ)の層体構造よりなるシ
ール材は現像室のトナーが10μ以下の微細トナーの場
合には、シール材にてシールしたにもかかわらず、微細
トナーが漏れる問題があった。また、最近は鮮明画像を
えるために電子写真複写機や事務機器用プリンターのト
ナーは、たとえば粒径が10μ以下の微細トナーが用い
られる。
【0007】そこで、本発明の課題は、上記した従来の
シール材における各問題点を解決すべくなされたもので
あって、ハウジング内において微細トナー等の微細な紛
粒体と接触するマグネットローラ等の可動体の機能を損
なうことなく、可動体に接触する羽毛の繊維の保持性が
良好で抜け落ちず、かつ充分なシール性を有し、たとえ
ば粒径10μより小さい微細紛粒体のもれ防止をなし得
るシール材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は下記の構成
からなる。 1.微細紛粒体に接触する可動体と該可動体のハウジン
グとの所定の隙間を、可動体あるいはハウジング面に接
着して該可動体の可動を妨げることなく前記紛粒体のも
れをシールするシール材であって、摺動する羽毛となる
パイル糸とそれを支える平織地組織の基布から構成され
たパイル織物を主体とし、羽毛のパイル糸が単糸繊度
0.1〜6.0dTex、繊維断面の扁平率が1.1以
上である平均引張強度が22cN/dTex以上の高強
度ポリエチレン繊維であり、かつ羽毛の高さが1.5〜
4.0mmでパイル糸部分の立毛密度が13,000〜3
46,000本/cm2、ベースクロス1cm2当りの式
1から求められるパイル糸断面積が0.02〜0.2c
2であり、基布裏面に羽毛の抜けを防ぐコーティング
層を有してなることを特徴とする。
【0009】この第1発明によれば、シール材は可動体
とハウジングとの隙間に介在させて取付けられる。平織
地組織、コーティング層は柔軟性であり、可動体あるい
はハウジングの取付け部位形状に対応させ得て、取付け
易い。羽毛のパイル糸は平織地組織に支持される。パイ
ル糸はコーティング層にて抜け防止される。1.5〜
4.0mmのパイル糸により可動体とハウジングの隙間が
ふさがれる。単糸繊度0.1〜6.0dTex、パイル
糸部分の立毛密度が13,000〜346,000本/
cm2、ベースクロス1cm2当りの式1から求められる
パイル糸断面積が0.02〜0.2cm2のパイル糸は
微細紛粒体のもれ防止をなす。パイル糸は平均引張強度
が22cN/dTex以上の高強度ポリエチレン繊維か
らなり低磨耗係数と耐磨耗性有し、長期の使用に対応し
得る。
【0010】上記した課題を解決するために、第2の発
明は上記第1において、3〜30倍発泡でかつ25%圧
縮荷重値が0.1〜0.6kg/cmのクッション層がコー
ティング層の下面に接着されてなることを特徴とする。
【0011】第2の発明は、柔軟性のクッション層によ
り曲面への取付けを一層良好になし得る。すなわち、平
織地組織、コーティング層にシワを生ずることなくシー
ル材を曲面状のハウジング面に取付けることができる。
【0012】上記した課題を解決するために、上記第1
又は第2において、パイル糸をブッラッシング加工し、
一定方向に毛倒しされてなることが望ましい(第3発
明)。
【0013】この第3発明において、一方向に毛倒した
パイル糸群は微細紛粒体をパイル糸内に取り込み得るた
め、強固なシール層となし得る。毛倒しにより微細紛粒
体の補足性が増し、微細紛粒体のもれを防止し得る。ブ
ッラッシング加工により羽毛の不均一な倒れ及び自然な
ウェーブがなくなるため、開繊性が増しシール性が安定
し、微細紛粒体の漏れがなくなる。特に10μ以下の微
細紛粒体のシール性が良好となる。
【0014】羽毛となるパイル糸の単糸繊度、羽毛の高
さ、羽毛の立毛密度は、微細トナーのもれない範囲を試
験した結果、次の適当範囲を得た。羽毛となるパイル糸
の単糸繊度は実用上、0.1〜6dTex、繊維断面の
扁平率が1.1以上が好ましい。羽毛の高さは1.5〜
4.0mmが適当である。1.5mmより短いものは製造上
困難であり、4.0mmを超えた場合はシール性は差し支
えないが、コスト高となる。羽毛の立毛密度は13,0
00〜346,000本/cm2、ベースクロス1cm2
当りの式1から求められるパイル糸断面積が0.02〜
0.2cm2の範囲が適する。13,000本/cm2
よび0.02cm2より少ないと微細紛粒体のもれが生
じ、346,000本/cm2および0.2cm2より多
くするのはコスト高となる。上記の如く、本実施の形態
における羽毛は経済性の良い実用的範囲を選んでいる。
【0015】クッション層はポリウレタンの発泡体が用
いられる。このクッション層はハウジング面に対して良
好に接着させ得る適度な柔軟性を必要とする。試験によ
れば、3〜30倍に発泡させ、かつ25%圧縮荷重値が
0.1〜0.6kg/cm2の物性のものが適当であっ
た。25%圧縮荷重値が0.1kg/cm2より小さい
と、クッション層が柔らかすぎ、また、0.6kg/c
2より大きいと硬すぎて曲がりにくく、曲面状のハウ
ジング面になじみにくくシール材のシール性を悪くす
る。なお。クッション層の材質はポリウレタンに限ら
ず、ゴム、エラストマーなどの材質であってもよい。
【0016】羽毛の毛倒しはブッラッシング加工により
糸を一定方向に倒すことにより行い得る。ブッラッシン
グ加工より不均一な毛倒れと糸のウェーブがなくなる。
【0017】次に、本発明の第1の実施の形態について
説明する。なお、本実施の形態のシール材は解像度の高
い画像を得るために、粒径10μ以下の微細トナーを用
いた電子写真複写機の現像室におけるマグネットローラ
に適用する場合である。図1にシール材1の斜視状態を
示し、図2にシール材1の拡大した断面構造を示す。
【0018】このシール材1は羽毛3を有する基布2
と、基布2裏面のコーティング層5と、柔軟でかつ弾力
性を有するクッション層6とが接合された構造よりな
り、クッション層6の下面には上記構造を適用部分に固
定するために取付け用接着層7が設けられている。図2
に示すように、平織地組織の基布2は緯糸2Aと経糸2
Bに対し、単糸繊度が0.1〜6dTex、繊維断面の
扁平率が1.1以上である平均引張強度が22cN/d
Tex以上の高強度ポリエチレン繊維を基布2の片面に
パイル糸の羽毛3としてパイル繊して形成されている。
なお、この羽毛3は後述のマグネットローラに接触し摺
動する部材となる。
【0019】図1及び図2に示すように、羽毛3は基布
2に対し一定方向に斜めに毛倒しされている。毛倒しは
パイル織した織物すなわち図3(イ)に示す直立の羽毛
3を有する基布2を、ブラッシング加工することにより
容易になされる。すなわち、溝深さ1〜3mmの多数の溝
を有する溝ローラと、フットローラの間に、羽毛3側を
溝ローラー側にして通すことにより図3(ロ)に示す毛
倒しされた羽毛3の状態の基布2に、加工することがで
きる。なお、毛倒しのブラッシングはこの形式のものに
限定するものではない。
【0020】基布2に使用する緯糸2A及び経糸2Bは
複写機の温度、たとえば60℃に長時間保持しても耐え
得る耐熱性と、接着剤で接着可能な材質であることが望
ましい。この好ましい材質としては、綿、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン及びウレタン
等であり、本実施の態様の基布2は経糸2Bがポリエス
テル、緯糸2Aがポリエステルとされている。
【0021】平均引張強度が22cN/dTex以上の
高強度ポリエチレン繊維は摩擦係数が低いので羽毛3と
しては好ましい材質である。この平均引張強度が22c
N/dTex以上の高強度ポリエチレン繊維はたとえ
ば、フッ素樹脂繊維、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等
を用いることができる。
【0022】なお、羽毛3とする繊維はフッ素樹脂繊
維、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、アラミドであってもよい。羽毛は低摩擦係数と耐
磨耗性と適度な耐熱性を有する繊維を適用することがで
きる。羽毛3とする繊維は柔軟性を必要とするので、平
均引張強度が22cN/dTex以上の高強度ポリエチ
レン繊維繊維の場合、単糸繊度が0.1〜6.0dTe
x、繊維断面の扁平率が1.1以上が望ましい。本実施
の形態の基布は、羽毛3に高強度ポリエチレン(商品名
「ダイニーマ」東洋紡社製)165dTex,140フ
ィラメントを用い、基布2のタテ糸2Aに、ポリエステ
ル230dTex、48フィラメントをヨコ糸Bに、ポ
リエステルの紡績糸の番手20/2を使用し、パイル織
機で表1の条件にて織った織物からなる。
【0023】
【表1】
【0024】毛倒し加工した羽毛3を有する基布2は裏
面にコーティング層5が形成される。コーティング層5
は硬化した層が柔軟性(可撓性)を有する、水系エマル
ジョンタイプ樹脂、ゴム系溶剤型接着剤、ホットメルト
型接着剤、あるいは接着性樹脂等が使用される。これら
の接着剤は基布2の繊維間に含浸して、羽毛3を強固に
保持させる。また基布2の裏面側にはスチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、エチレン−酢酸ビニル(EV
A)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のラテッ
クスコーティングを施してもよい。コーティング層5に
ラテックスコーティングを使用する場合は、図2に示す
シール材1Aのようにコーティング層5とクッション層
6が接着層5Aで接合される。接着層5Aは、一般の接
着剤、ゴム糸、接着剤、アクリル糸、接着剤、感圧接着
剤が用いられる。
【0025】コーティング層5の下面には、クッション
層6が接合される。このクッション層6はへたりに対す
る耐久性、長期のたとえば60℃の高温に耐える耐熱性
及び接着剤で接着可能な材質とされる。このためクッシ
ョン層6の材質はポリウレタン、スチロール。ポリプロ
ピレンなどの樹脂、EPDM(エチレンプロピレンゴ
ム)、クロロプレンなどの合成ゴム、あるいは天然ゴ
ム、またオレフィン系、スチレン系などの熱可塑性エラ
ストマー等であることが望ましく、かつ可動対に対して
十分密着し、かつ回転を阻害しないための柔軟性と弾力
性を得るため3〜30倍程度の発泡体であることが望ま
しい。なお、試験によればクッション層6の反発物性は
25%圧縮荷重が0.1〜0.6Kg/cm2程度が好
ましい。
【0026】本実施形態のクッション層6は厚さ2mm
でかつ25%圧縮荷重が0.5Kg/cm2のポルウレ
タンフォームを用いている。基布2裏面とクッション層
6の接合は基布2裏面のコーティング層5の形成の際
に、塗布した未硬化のコーティング層5に対してクッシ
ョン層6を重ねることにより接着させることができる。
また、基布2の裏面にコーティング層5の形成後にクッ
ション層6を接合する場合は、コーティング層5を形成
する前記した各種の接着剤を介して接着させることがで
きる。
【0027】クッション層6を適用部位に取付け固定す
るための取付け用接着剤層7は前記したゴム系、アクリ
ル系等の感圧接着剤が用いられるが、通常の接着剤を使
用することもできる。本実施形態のコーティング層5及
び取付け用接着剤7はアクリル系の感圧接着剤を用いて
いる。
【0028】本実施形態のシール材1の摩擦係数(動摩
擦係数)は試験の結果、表2に示す通りであった。な
お、試験は滑り速度1000mm/minにて行った。
表1中における対照(従来品)のシール材Aは、ポリテ
トラフルオロエチレンよりなる厚さ1.0mmのフェル
トを摺動部とし、これに厚さ1.5mmの羊毛フェルト
のクッション層をアクリル系接着剤にて接着した構成
(前記した従来(イ)の層体構造、図示せず)のもので
ある。対照のシール材Bは、パイル糸に単糸繊度6.6
dTex、繊維断面積の扁平率が1.1未満の高分子量
ポリエチレン繊維を使い、パイル密度4,900本/c
2で羽毛とし以下本実施形態のシール材1と同じ加工
を施したものである。
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果より、本実施形態のシール材1
および対照のシール材Bは対照のシール材Aすなわち、
従来品より摩擦係数が小さくて良好なことが認められ
た。なお、シール材1Aも同様に良好であった。このこ
とによれば、超高強力ポリエチレン繊維を用いた本実施
形態のパイル織物および対照のシール材Bは従来のフェ
ルトと異なり、各繊維が回転方向へ配列されているため
低い摩擦係数となり、また荷重が高いほど、摩擦係数が
低くなるため、シール性をあげるためにマグネットロー
ラへの密着力を上げることが可能となる。
【0031】また、本実施形態のシール材1は対照のシ
ール材Bより、トナーのシール性が良好なことが認めら
れた。
【0032】繊維断面の扁平率1.1以上の繊維をパイ
ル糸として使用した場合、同繊度で1.1未満の繊維と
比べ繊維の表面積が大きくなり、トナーとの接触面積が
増える事によりシール性を上げることが可能となる。
【0033】現像室の近傍は、感光体のローラ及び用紙
が設置された構造よりなり、本実施の形態のシール材1
は、電子写真複写機の現像室におけるマグネットローラ
のシールに用いられる。すなわち、現像室のハウジング
内においてマグネットローラは、水平状に設置され、両
端の支軸で現像室のハウジングの軸受けに回転駆動可能
に軸受けされていて、複写時のローラ面には微細トナー
が帯電付着され回転され、微細トナーが感光体に付与さ
れるようになっている。なお、感光体の微細トナーの像
は用紙に転写される。
【0034】前記マグネットローラの両端部に対応する
ハウジング部分は、マグネットローラより大径の円形凹
部(凹曲面)とされていて、シール材1はマグネットロ
ーラの端部外周と該円形凹部の周面との隙間を塞ぐべく
羽毛3を微細トナーの接触する方向(マグネットローラ
の回転方向)に向けて円形凹部内に取付けられる。シー
ル材1の取付けはその取付け用接着剤7を円形凹部の周
面に接着することによりなされる。クッション層6は柔
軟かつ弾力性を有することにより円形凹部の曲面に対応
させ易くクッション層6の接着に都合がよい。なお、取
付け接着剤7にはアクリルフォーム、ポリウレタンフォ
ーム、合成ゴム、エラストマーを芯材とした両面テー
プ、または芯材なしの両面テープのいずれかを使用する
ことにより、シール材1のシワを防ぐことができ、マグ
ネットローラの回転をスムースになし得る。
【0035】しかして、現像室のマグネットローラは通
常と同様に使用して電子写真複写が行われるが、シール
材1はそのクッション層6が円形凹部の周面に接着支持
され、摺動部となる弾性を有する羽毛3がマグネットロ
ーラの端部に接触状態とされていることによりマグネッ
トローラの回転を妨げることなく隙間をシールし微細ト
ナーのハウジング外へのもれを防止する。
【0036】ハウジングとマグネットローラの隙間に取
けたシール材1の羽毛3はマグネットローラーの回転方
向に毛倒ししてあるため、マグネットローラーの回転に
関連してシール材1側へ送られる微細トナーは、羽毛3
に包み込まれ、微細トナーの隙間からの漏れが防がれ
る。羽毛3に包み込まれた微細トナーと羽毛3で強固な
シール層ができ、後からシール材1側へ送られる微細ト
ナーを押しもどすことにより、微細トナーのシール性が
良い。
【0037】前記した第1の実施の形態のシール材1
は、図1,図2に示すように、基布2のコーティング層
5の下面にクッション層6及び取付け用接着層7を取付
けた構成としたが、第2の実施形態のシール材1は図4
に示すシール材1Bのように、基布2の下面に軟質のコ
ーティング層5を設け、クッション層6及び取付け用接
着層7を設けない構成よりなる。適用場所によっては、
この構成のシール材1Bで微細トナーのもれ防止をする
ことができる。この図4の構成のシール材1Bとした場
合は構造を簡単になし得て製造し易い。
【0038】本各実施の形態のシール材は電子写真複写
機や事務器用プリンターのマグネットローラに適用して
マグネットローラとハウジングとの隙間からの微細トナ
ーの飛散を防止したが、本発明のシール材はこのマグネ
ットローラの場合に限るものではなく、たとえば電子写
真複写機事務器用プリンタのクリーニング部や微細紛粒
体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機等の紛
粒体送りローラに適用して、該送りローラとハウジング
との隙間からの薬剤の飛散を防止するなどの、微細紛粒
体のもれ防止用のシール材として広く使用することがで
きる。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明は、繊維をパイル織した
パイル糸を羽毛としかつパイル織の基布裏面に柔軟性の
コーティング層を接着してなるので、可動体に接触する
羽毛は保持性良好であり、抜け落ちない。シール材のパ
イル織したパイル糸の羽毛は可動体とハウジングとの隙
間に介在させ、接着層をハウジングあるいは可動体側に
接着することにより、隙間をシールすることができ、ハ
ウジング内の微紛トナー等の微紛紛粒体のシール性を十
分になし得る。すなわち、微細紛粒体を羽毛内に包み込
み、微細紛粒体の漏れを防止することができる。シール
材の羽毛は、低摩擦係数と耐摩擦性を有する繊維よりな
るので摺動させる羽毛として好ましく、また、羽毛は適
度な柔軟性を有することより、可動部材の可動機能には
支障を生じない。羽毛パイル糸の単糸繊度、高さ、立毛
密度が微細紛粒体をとらえ易い条件にされていることよ
り、たとえば10μ以下の微細紛粒体のもれを防止する
ことができる。請求項2の発明は、柔軟性のクッション
層を設けたことにより、シール材を曲面部にシワなく接
着させることができる。請求項3の発明は微細紛粒体が
羽毛の毛倒し方向にて接触するように配置して使用され
ることにより、微細紛粒体が羽毛内に包み込まれ、微細
紛粒体の漏れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシール材の一態様(シ−ル材1
A)の模式斜視図。
【図2】本発明に係るシール材の拡大断面構造の模式
図。
【図3】パイル織物の断面模式図。(イ)毛倒し前の状
態、(ロ)毛倒し後の状態。
【図4】本発明に係るシール材の一態様(シ−ル材1
B)の模式斜視図。
【符号の説明】
1:シール材、2:基布、2A:緯糸、2B:経糸、
3:羽毛、5:コーティング層、5A:接着層、6:ク
ッション層、7:接着層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細粉粒体に接触する可動体と該可動体の
    ハウジングとの所定の隙間を、可動体あるいはハウジン
    グ面に接着して該可動体の可動を妨げることなく前記紛
    粒体のもれをシールするシール材であって、摺動する毛
    羽となるパイル糸とそれを支える平織地組織の基布から
    構成されたパイル織物を主体とし、毛羽のパイル糸が単
    糸繊度0.1〜6.0dTex、繊維断面の扁平率が
    1.1以上である平均引張強度が22cN/dTex以
    上の高強度ポリエチレン繊維であり、かつ羽毛の高さが
    1.5〜4.0mmでパイル糸部分の立毛密度が13,
    000〜346,000本/cm2、ベースクロス1c
    2当りの式1から求められるパイル糸断面積が0.0
    2〜0.2cm2であり、基布裏面に羽毛の抜けを防ぐ
    コーティング層を有してなることを特徴とする滑り性及
    び耐摩耗性に優れる微細紛粒体のもれ防止用のシール
    材。 S = f×d÷ρ÷1,000,000 … 式1 S : 断面積(cm2) f : 単糸繊度(dTex) d : 立毛密度(本/cm2) ρ : 比重(g/cm3
  2. 【請求項2】3〜30倍発泡でかつ25%圧縮荷重値が
    0.1〜0.6kg/cm2のクッション層がコーティ
    ング層の下面に接着されてなることを特徴とする請求項
    1に記載の滑り性及び耐摩耗性に優れる微細紛粒体のも
    れ防止用のシール材。
  3. 【請求項3】パイル糸をブッラッシング加工し、一定方
    向に毛倒しされてなることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の滑り性及び耐摩耗性に優れる微細紛粒体
    のもれ防止用のシール材。
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