JP2005119892A - 低損失フェライト - Google Patents

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Abstract

【課題】 少なくとも0〜120°Cの広い温度範囲でコアロスが少なく温度特性が平坦で安定性が高く、車両等の過酷な温度環境にも好ましく適用でき、そして飽和磁束密度,透磁率が高く、直流重畳特性が良好な低損失フェライトを提供すること
【解決手段】 Fe23,MnO,ZnOを主成分とし、副成分はTiO2が0.10〜0.35wt%,CoOが0.35〜0.40wt%の組成とし、所定に成形して焼成する。主成分は、Fe23が54mol%,MnOが37mol%,ZnOが9mol%の組成にすることがよく、TiO2が0.10wt%のときは雰囲気定数aは8.0とし、TiO2が0.35wt%のときは雰囲気定数aは8.2にして焼成を行う。副成分にはCaCO3,SiO2を添加し、ZrO2やNb25を添加することもよい。図示したように、実施例1〜4ではコアロスが400kW/m3以下に得られた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、Mn−Zn系の低損失フェライトに関するもので、より具体的には、車両に搭載するスイッチング電源のコア等に適用するためコアロスを低減化するようにしたものにおける温度特性の改良に関する。
Mn−Zn系のフェライトは、特定の温度帯でコアロスが低くなる谷型の温度特性を有し、飽和磁束密度も比較的に高いという特徴からスイッチング電源等のコアに好ましく用いられている。
また近年は自動車の電装化が進められており、Mn−Zn系のフェライトについては、ハイブリッドカーや電気自動車などに装備するDC−DCコンバータ等への用途がある。しかし、そうした用途は温度環境が低温から高温まで広くて過酷であり、フェライト材料には広い温度範囲でコアロスが少なく特性の安定性が高いことが求められる。係る要求に対応しようとしたMn−Zn系のフェライトとしては、例えば特許文献1,2,3などに示されたものがある。
特許文献1では、主成分が酸化鉄(Fe23),酸化亜鉛(ZnO),酸化マンガン(MnO)であり、副成分として、酸化コバルト(Co34)を添加することを基本とし、他の副成分には酸化ケイ素(SiO2),酸化カルシウム(CaCO3),酸化ニオブ(Nb25),酸化ジルコニウム(ZrO2)などを添加する組成になっている。
特許文献2では、主成分が酸化鉄(Fe23),酸化亜鉛(ZnO),酸化マンガン(MnO)であり、副成分としては、酸化コバルト(Co34),酸化ケイ素(SiO2),酸化カルシウム(CaO),酸化ニオブ(Nb25),酸化ジルコニウム(ZrO2)を添加する組成になっている。
特許文献3では、主成分が酸化鉄(Fe23),酸化マンガン(MnO),酸化亜鉛(ZnO)であり、副成分としては、酸化カルシウム(CaO),酸化タンタル(Ta25),酸化ケイ素(SiO2),酸化コバルト(CoO)を添加する組成になっている。
特開2001−80952号公報 特開2002−231520号公報 特公平8−1844号公報
しかしながら、上記した従来のMn−Zn系のフェライトでは以下に示すような問題がある。すなわち、特許文献1〜3の何れにおいても、コアロスを広い温度範囲で低減化し得るという各成分の組成が示されているが、それは20〜120°C程度の温度範囲である。そして、車両の過酷な温度環境からは、さらにより広い温度範囲でコアロスが少なく温度特性が平坦で安定性が高いことが求められるが、特許文献1〜3に記載のMn−Zn系のフェライトでは係る要求を満足することができない。
またよく知られるように、Mn−Zn系のフェライトのコアロスは、結晶磁気異方性定数K1が零になる温度で極小になり、この結晶磁気異方性定数K1が示す温度変化に対する傾きのためにコアロスの温度特性を平坦化することが難しいという本質的な課題がある。
また、スイッチング電源等の高効率化に対応するため、磁性材料としての磁気特性が高く求められ、飽和磁束密度,透磁率が高く、直流重畳特性が良好であることが要望になっている。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、少なくとも0〜120°Cの広い温度範囲でコアロスが少なく温度特性が平坦で安定性が高く、車両等の過酷な温度環境にも好ましく適用でき、そして飽和磁束密度,透磁率が高く、直流重畳特性が良好な低損失フェライトを提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る低損失フェライトは、主成分がFe23,MnO,ZnOである低損失フェライトであって、副成分はTiO2が0.10〜0.35wt%,CoOが0.35〜0.45wt%の組成とし、雰囲気定数aを8.0〜8.2に設定して焼成し、温度範囲が0〜120℃におけるコアロスが400kW/m3程度よりも小さくするようにした。
また、別の解決手段としては、主成分がFe23,MnO,ZnOである低損失フェライトであって、副成分はSnO2が0.19〜0.66wt%,CoOが0.35〜0.45wt%の組成とし、雰囲気定数aを8.0〜8.2に設定して焼成し、温度範囲が0〜120℃におけるコアロスが400kW/m3程度よりも小さくすることである。
そして、前記主成分は、Fe23が52.0〜55.0mol%,MnOが31.0〜42.0mol%,ZnOが6.0〜16.0mol%の組成にするとよい。また、前記組成において、CaCO3を0.02〜0.06wt%,SiO2を0.001〜0.003wt%の組成に追加して添加したり、ZrO2を0.02〜0.06wt%,Nb25を0.02〜0.06wt%の組成に、あるいは何れか一方を追加して添加するとよい。
また、前記組成において、TiO2が0.10wt%では前記雰囲気定数aを8.0に設定して焼成したり、SnO2が0.19wt%では前記雰囲気定数aを8.0に設定して焼成したり、TiO2が0.35wt%では前記雰囲気定数aを8.2に設定して焼成したり、SnO2が0.66wt%では前記雰囲気定数aを8.2に設定して焼成したりするとよい。
また、前記組成において、CoOが0.40wt%の組成にしたり、あるいは前記主成分は、Fe23が52.0〜57.0mol%,ZnOが3.0〜16.0mol%,MnOが残り全量のmol%の組成にしたりできる。
係る構成にすることにより本発明では、主成分がFe23,MnO,ZnOであるMn−Zn系フェライトは、副成分にTiO2を添加することで、TiO2が粒内抵抗を高くし、電荷補償になるのでFe2+とFe3+のバランスを変ることができ、結晶磁気異方性定数K1が零になる温度が変わる。そして、正の結晶磁気異方性を有するCoOを添加するので、結晶磁気異方性定数K1が示す温度特性を平坦化することができる。また、焼成に係る雰囲気定数aを所定に設定するので、Fe2+とFe3+のバランス変えることができる。
すなわち、CoO,TiO2,雰囲気定数aがコアロス,飽和磁束密度,直流重畳特性,初透磁率の周波数特性を調和的に決定し得る制御因子になり、適正値を選定してやればよく、上記した各構成が概ね良好な解といえる。
また、TiO2に代えてSnO2でも同様の作用となる。そして、副成分としてCaCO3,SiO2を添加することで、粒界の電気抵抗を上げることができ、コアロスを低減化できる。さらに、副成分としてZrO2,Nb25を添加すれば、CaCO3を粒界に濃化するため電気抵抗を高くできる。また、CoOを添加することで、飽和磁束密度(Bs)が高くなり、直流重畳特性も向上し、初透磁率(μ’)の周波数特性が向上する。
本発明に係る低損失フェライトでは、Fe23,MnO,ZnOを主成分とし、副成分としてTiO2,CaCO3,SiO2,ZrO2,CoOを適正に添加して、さらに焼成は雰囲気定数aを8.0〜8.2に設定して行うことから、従来よりも広い温度範囲でコアロスを小さくでき、温度特性が平坦で安定性が高く得られる。具体的には、温度範囲が0〜120℃におけるコアロスは400kW/m3程度よりも小さくでき、そして飽和磁束密度,透磁率が高く、直流重畳特性が良好な低損失フェライトが得られる。したがって、車両等の過酷な温度環境にも好ましく適用することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、製造プロセスについて説明する。本発明に係る低損失フェライトは、酸化鉄(Fe23),酸化マンガン(MnO),酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするMn−Zn系フェライト材料に、副成分として酸化チタン(TiO2),酸化コバルト(CoO),酸化カルシウム(CaCO3),酸化ケイ素(SiO2),酸化ジルコニウム(ZrO2),酸化ニオブ(Nb25)等を選択的に添加した組成になっている。具体的には、主成分はFe23が52.0〜55.0mol%,MnOが31.0〜42.0mol%,ZnOが6.0〜16.0mol%の範囲とし、副成分のそれぞれは後述する組成に含有させる。
本実施の形態では、Fe23は54mol%,MnOは37mol%,ZnOは9mol%とし、これら各原料成分は所定に秤量して乾式混合する。例えば、秤量した各原料成分はボールミルで粉砕しつつ混ぜて混合紛体を製造し、これを次に900℃の温度で仮焼きする。そして、この仮焼きした粉体に、後述する表1に示す組成に各副成分を添加し、ボールミルを用いて純水中で湿式粉砕を5時間行ってスラリを形成する。
次に、湿式粉砕したスラリは乾燥させて有機バインダを1wt%添加して造粒し、造粒した粉体に成形のための圧力を加えて所定の形状(トロイダル)に成形し、この後、雰囲気焼成炉等で焼成を行う。
焼成は1310℃のトップ温度Tを3時間保持することとし、このとき酸素分圧Po2は、
logPo2=−14540/T[K]+a
という関係式に制御するものであり、上記式に示す雰囲気定数aを8.0〜8.2に設定し、これにより焼成体を製造する。なお、上記した酸素分圧Po2の関係式は、例えばIEEE Tans.Magn.MAG−11[5](1975)に記載がある。
次に、試料の製作について説明する。上記した製造プロセスにより複数の試料を製造した。つまり、本発明の効果を実証するため、製造条件を替えて各種の試料を製造し、それら各試料についてコアロスを測定した。
各試料は表1に示すように、副成分の組成を変更して製作してあり、配合比が相違する設定で試料1〜試料11までの11種類とし、リング形状であり外径25mm,内径15mm,高さ5mmのものとした。
Figure 2005119892
試料4,5は実施例1,2であり、試料8,9は実施例3,4であって、他の試料1〜3,6,7,10,11はそれぞれ比較例1〜7になっている。これら各試料は、副成分の添加量,焼成に係る雰囲気定数aをそれぞれに変更しており、焼成については試料1〜6は雰囲気定数aを8.0にして焼成し、試料7〜11は雰囲気定数aを8.2にして焼成した。
図1(a),(b)は、各試料についてコアロス(Pcv)の温度特性を示すグラフ図であり、(a)は試料1〜6、(b)は試料7〜11をそれぞれ示している。
コアロス(Pcv)の測定は、周波数100kHz,磁束密度200mTの正弦波交流磁界を加えて励磁し、−10〜120°Cの温度範囲について行った。
その結果、試料4(実施例1)は、図1(a)からわかるように、0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが約300kW/m3程度になっていて極めて低く、温度特性が平坦で温度変化に対して安定であることを確認した。また、試料9(実施例4)についても、図1(b)からわかるように、0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが約300kW/m3程度になっていて極めて低く、温度特性が平坦で温度変化に対して安定であることを確認した。
また一般に、スイッチング電源等の用途には、周波数100kHz,磁束密度200mTでのコアロスは400kW/m3以下が望ましい。その点から見ると、試料4,5(実施例1,2)および試料8,9(実施例3,4)の何れにおいても0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが400kW/m3以下であり、良好な特性であることを確認した。
ここに本発明にあっては、CoOが0.40wt%ではTiO2を0.10〜0.35wt%とし、焼成時の雰囲気定数aを8.0〜8.2の範囲に制御することにより、コアロスは400kW/m3以下を得ることができ、0〜120℃の広い温度範囲で平坦化した特性が得られる。
副成分としたコバルト(Co)は、正の結晶磁気異方性を有し、このため酸化コバルト(CoO)を添加することでは、コアロスの極小点を低温側にずらすことができ、温度特性を平坦化する作用がある。しかし、0〜120℃の広い温度範囲においてコアロスを少なくするには、CoOの添加量を単純に設定するだけでは不十分であって、TiO2を合わせて添加するとともに、焼成の制御条件(雰囲気定数a)を適正に設定する必要があり、これらが複合的に作用する調和点を見いだすことがポイントになる。
結晶磁気異方性定数K1を制御し得る成分要素は、CoOの他には2価の鉄イオンFe2+があり、TiO2や焼成時の酸素濃度(酸素分圧)によってもFe2+とFe3+のバランスを変えることができ、Fe2+の含有量により結晶磁気異方性定数K1の温度依存性が変わる。つまり、Fe2+とFe3+のバランスがコアロスの極小点を決める要素になるので、TiO2(4価のイオン)を添加することによって電荷補償となり、TiO2の添加量を増すとFe2+が発生してコアロスの極小点が低温側にズレていく。また、酸素分圧を低くし、いわゆる還元性にすることではFe2+が発生するので、コアロスの極小点を低温側にずらすことができる。したがって、CoO,TiO2の添加量と、焼成時の酸素分圧Po2の制御要素である雰囲気定数aとを適正に設定することで本発明が目的とする効果を発現できる。
TiO2の添加は0.35wt%の組成とし、このとき雰囲気定数aは8.2で焼成することがよく、コアロスをさらに低減するには、TiO2の添加は0.10wt%の組成として雰囲気定数aは8.0がよい。
一方、TiO2に代えて酸化スズ(SnO2)を添加することでも同様な作用を期待でき、Snは4価のイオンでありSnO2の添加量は0.19〜0.66wt%がよい。
また、他の副成分、CaCO3,SiO2,ZrO2,Nb25は、コアロスのうち渦電流に起因する損失を低減する作用がある。つまり、CaCO3,SiO2がガラス質(カルシウムシリケート)を作るので、焼成時に粒界に析出し、このガラス質が電気抵抗を上げて渦電流を遮断するためコアロスがよくなる。しかし、CaCO3は0.06wt%よりも多いと、透磁率が低下しコアロスが大きくなり、逆に0.02wt%よりも少ないと、電気抵抗が低下するため、渦電流に起因する損失が増大してしまい、コアロスは大きくなる。
ZrO2やNb25はCaを粒界に濃化する作用があり、粒界の電気抵抗の向上に寄与し、コアロスを小さくするには、0.02〜0.06wt%の範囲がよい。
SiO2はCaCO3と共に粒界に析出して抵抗をあげる作用があり、添加量は0.001〜0.003wt%がよく、0.003wt%を越えると異常粒成長が生じてコアロスが増大する。
ところで、飽和磁束密度(Bs)は、図2(a),(b)に示すように温度に対しては負の相関になり、CoOを添加することで高くできる。そして、これは図3(a),(b)に示すように、共に添加するTiO2に関して性状が変化し、飽和磁束密度(Bs)は、TiO2の添加が0.35wt%よりも0.10wt%のときの方が高くなり、CoOが0.40wt%の組成で最も高くなる。
また、CoOを添加することでは、図4(a),(b)に示すように、直流重畳特性も向上し、CoOの添加が0.40wt%のときに良好と言える。
さらにまた、CoOを添加することでは、図5(a),(b)に示すように、初透磁率(μ’)の周波数特性が向上し、CoOの添加が0.40wt%のときに初透磁率(μ’)が最も高くなり周波数特性が良好と言える。
つまり、CoOを添加することでは、図3(a),(b)に示すように25〜120℃で飽和磁束密度(Bs)が高くなり、また、図4(a),(b)に示すように直流重畳特性も向上する。さらにCoOの添加により、図5(a),(b)に示すように初透磁率(μ’)の周波数特性も向上する。これらの特性は他の副成分であるTiO2や焼成の制御条件(雰囲気定数a)の影響も受けて値が変わる。すなわち、CoO,TiO2,雰囲気定数aがコアロス,飽和磁束密度,直流重畳特性,初透磁率の周波数特性を調和的に決定し得る制御因子になり、適正値を選定してやればよく、ここに記載した実施例1〜4が概ね良好な解といえる。
したがって、コアロスは、従来のMn−Zn系フェライトに比べて格段に広い温度範囲で低値となり、温度特性が平坦化することから、従来のように適用対象の動作温度に応じてそれぞれ対応した特性の部材を用意する必要がなく、さまざまな動作温度の用途を、当該フェライト材料だけによる単一部材により材質を変えることなくカバーでき、動作温度の範囲が広い車両等の過酷な温度環境にも好ましく適用できる。
ところで、主成分にあっては、Fe23が52.0〜55.0mol%,MnOが31.0〜42.0mol%,ZnOが6.0〜16.0mol%の範囲であればよく、好ましくは、Fe23が54mol%,MnOが37mol%,ZnOが9mol%の組成にすることがよい。
また、直流重畳特性を良好にするには、主成分は、Fe23が52.0〜57.0mol%,ZnOが3.0〜16.0mol%,MnOは残り全量のmol%の範囲がよい。
実施例1の低損失フェライトは試料4のものであり、主成分はFe2O3:54mol%,MnO:37mol%,ZnO:9mol%の組成とし、副成分はCaCO3:0.04wt%,SiO2:0.002wt%,ZrO2:0.04wt%,TiO2:0.1wt%,CoO:0.40wt%の組成になっている。そして、焼成は雰囲気定数a:8.0にして行った。
その結果、図1(a)からわかるように、0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが約300kW/m3程度であり極めて低く、温度特性が平坦で温度変化に対して安定であることを確認した。また、図4(a)に示すように直流重畳特性も向上し、図5(a)に示すように初透磁率(μ’)の周波数特性も向上することを確認した。
実施例2の低損失フェライトは試料5のものであり、実施例1との相違は副成分でCoO:0.45wt%の組成とした点であって、その結果、図1(a)からわかるように、0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが約300〜370kW/m3程度であり極めて低く、温度特性が平坦で温度変化に対して安定であることを確認した。
実施例3の低損失フェライトは試料8のものであり、実施例1,2との相違は副成分でTiO2:0.35wt%,CoO:0.35wt%の組成とした点であって、焼成は雰囲気定数a:8.2にして行った。
その結果、図1(b)からわかるように、0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが約300〜350kW/m3程度であり極めて低く、温度特性が平坦で温度変化に対して安定であることを確認した。
実施例4の低損失フェライトは試料9のものであり、実施例3との相違はCoO:0.40wt%の組成とした点であって、焼成は雰囲気定数a:8.2にして行った。
その結果、図1(b)からわかるように、0〜120℃の広い温度範囲でコアロスが約300kW/m3程度であり極めて低く、温度特性が平坦で温度変化に対して安定であることを確認した。また、図4(b)に示すように直流重畳特性も向上し、図5(b)に示すように初透磁率(μ’)の周波数特性も向上することを確認した。
各試料についてコアロス(Pcv)の温度特性を示すグラフ図であり、(a)は試料1〜6、(b)は試料7〜11をそれぞれ示している。 各試料について飽和磁束密度(Bs)の温度特性を示すグラフ図であり、(a)は試料1〜6、(b)は試料7〜11をそれぞれ示している。 CoOの添加量と飽和磁束密度(Bs)との関係を示すグラフ図であり、(a)は温度が25°Cでの特性、(b)は温度が100°Cでの特性をそれぞれ示している。 CoOの添加量をパラメータにした直流バイアス磁界(Hdc)と透磁率(permeability)との関係を示す直流重畳特性のグラフ図であり、(a)はTiO2が0.10wt%での特性、(b)はTiO2が0.35wt%での特性をそれぞれ示している。 各試料について初透磁率(μ’)の周波数特性を示すグラフ図であり、(a)は試料1,2,4,6、(b)は試料7,9,11をそれぞれ示している。

Claims (11)

  1. 主成分がFe23,MnO,ZnOである低損失フェライトであって、
    副成分はTiO2が0.10〜0.35wt%,CoOが0.35〜0.45wt%の組成とし、雰囲気定数aを8.0〜8.2に設定して焼成し、温度範囲が0〜120℃におけるコアロスが400kW/m3程度よりも小さいことを特徴とする低損失フェライト。
  2. 主成分がFe23,MnO,ZnOである低損失フェライトであって、
    副成分はSnO2が0.19〜0.66wt%,CoOが0.35〜0.45wt%の組成とし、雰囲気定数aを8.0〜8.2に設定して焼成し、温度範囲が0〜120℃におけるコアロスが400kW/m3程度よりも小さいことを特徴とする低損失フェライト。
  3. 前記主成分は、Fe23が52.0〜55.0mol%,MnOが31.0〜42.0mol%,ZnOが6.0〜16.0mol%の組成にすることを特徴とする請求項1または2に記載の低損失フェライト。
  4. 前記組成において、CaCO3を0.02〜0.06wt%,SiO2を0.001〜0.003wt%の組成に追加して添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の低損失フェライト。
  5. 前記組成において、ZrO2を0.02〜0.06wt%,Nb25を0.02〜0.06wt%の組成に、あるいは何れか一方を追加して添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低損失フェライト。
  6. 前記組成において、TiO2が0.10wt%では前記雰囲気定数aを8.0に設定して焼成することを特徴とする請求項1または3に記載の低損失フェライト。
  7. 前記組成において、SnO2が0.19wt%では前記雰囲気定数aを8.0に設定して焼成することを特徴とする請求項2または3に記載の低損失フェライト。
  8. 前記組成において、TiO2が0.35wt%では前記雰囲気定数aを8.2に設定して焼成することを特徴とする請求項1または3に記載の低損失フェライト。
  9. 前記組成において、SnO2が0.66wt%では前記雰囲気定数aを8.2に設定して焼成することを特徴とする請求項2または3に記載の低損失フェライト。
  10. 前記組成において、CoOが0.40wt%の組成にすることを特徴とする請求項6または8に記載の低損失フェライト。
  11. 前記主成分は、Fe23が52.0〜57.0mol%,ZnOが3.0〜16.0mol%,MnOが残り全量のmol%の組成にすることを特徴とする請求項1,2,4〜10のいずれか1項に記載の低損失フェライト。
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