JP2005105247A - アガリクス茸菌糸体液体培養法によって生成されたイソフラボン−β−D−グルカン及びその製造方法ならびにそれを使用する方法 - Google Patents

アガリクス茸菌糸体液体培養法によって生成されたイソフラボン−β−D−グルカン及びその製造方法ならびにそれを使用する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アガリクス茸菌糸体液体培養物を用いてイソフラボン−β−を製造する方法及びその方法によって製造された抗癌及び免疫機能を有する物質を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法においてアガリクス茸菌糸体自体の自家分解酵素を用いて中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを製造し、製造された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンは抗癌効果だけではなく免疫増進効果を同時に有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アガリクス茸菌糸体液体培養法によって生成されたβ−D−グルカン(β−D−glucan)に係り、特にイソフラボンと結合されたイソフラボン−β−D−グルカン(isoflavone−β−D−glucan)に関する。
また、本発明は、前記イソフラボン−β−D−グルカンの製造方法に係り、特に高分子イソフラボン−β−D−グルカンをアガリクス茸菌糸体培養物の自家分解酵素を用いて中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを製造する方法に関する。
さらに本発明は、前記イソフラボン−β−D−グルカンの用途に関するもので、特に抗癌效果と免疫増進効果に関する。
癌は死亡原因第1位であって、昨年韓国の癌患者は25万名に達しているところ、抗癌は際限ない関心事である。既存の抗癌剤は癌細胞に対する選択性がないことからその毒性が極めて強くて正常細胞にまで影響を及ぼす結果、脱毛、免疫力低下、肝機能低下など色々の副作用を引き起こす問題点があった。
これに副作用が少ない各種食品から天然抗癌性成分を得ようとする研究が多様に進められてきており、その結果、茸菌糸体から得られる多糖類であるβ−D−グルカンと、大豆などに含有されているイソフラボンが、それぞれ抗癌効果があるという事実が明らかになった。
特に、β−D−グルカンは茸の主要生理活性物質であって、茸の抗癌効果はβ−D−グルカンが免疫細胞を活性化させ癌の進行を遅らせ転移を防ぐ機能を行うことから起因したことだと判明したし、このことからβ−D−グルカンを抗癌治療と並用すればその薬効が優秀であることが明らかになっている。
従って、先進各国では茸菌糸体培養物の抽出物であるβ−D−グルカンを商品化している。その例として、最近日本から輸入され販売中のAHCCは椎茸などを含む7種の茸菌糸体培養物の抽出物を混合して商品化したもので、癌患者を対象に病院営業網を通して流通しており、日本だけではなくアメリカ市場ではアラビノキシラン(arabinoxylan)が流通しているが、これも椎茸菌糸体培養物からの抽出物である。国内では桑黄茸の菌糸体抽出物がメシマ−EX(Mesima−EX、韓国新薬)という商品名として開発され、今のところ臨床試験中である。
しかし、今まで商品化された茸菌糸体培養物の抽出物はその抽出過程に費用が高くつくという問題のため一般人に広く普及していない現状である。
これは、茸菌糸体培養物の抽出物である多糖類の抽出量がまさに茸培養期間と菌糸成長速度に左右されるが、椎茸菌糸体、桑黄茸菌糸体、霊芝茸菌糸体などは培養期間が長く菌糸生長が遅いため抽出できる量も少ないからである。
また、抽出された高分子多糖類が体内で吸収しやすくなるためには分子量が小さいことが求められるため、これを中低分子多糖類に加水分解する段階を必要とするが、この加水分解酵素の購入が容易でなくて生産に費用が嵩むことが避けられず、加水分解後に生成された中低分子多糖類を分離・精製できる抽出技術が足りず、収率が極めて低いというのが実情である。
前記イソフラボンは大豆に主に含有されている物質であって、アグリコン型(aglycon)のダイゼイン(daidzein)、ゲネステイン(genestein)、グリシテイン(glycitein)と、配糖体型のダイジン(daidzin)、ゲニスチン(genistin)、グリシチン(glycitin)とそのアセチル配糖体(acetylglucose)とマロニル配糖体(malonylglucose)が、それぞれ3種ずつ殆んど配糖体として存在する。イソフラボンは抗突然変異性、抗癌性を有する物質として知られているが、この抗癌作用はほとんどアグリコン型のゲネステインによるものであり、他の物質と結合された配糖体型に存在する場合は抗癌効果が明らかになっていない。
前述したように、抗癌性物質でありながらも正常細胞には影響を与えないと同時に、免疫細胞活性化機能を兼ねる物質が求められ、またそのような物質が低費用かつ多量抽出できる方策が求められている現状である。
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、その目的は抗癌効果を有する天然成分であるイソフラボンと免疫増進効果を有する天然成分であるβ−D−グルカンの配糖体を製造して抗癌効果と免疫効果を同時に有する物質を提供するところにある。
本発明の他の目的は、前述した従来の茸菌糸体培養物から高分子β−D−グルカンを抽出した後、茸菌糸体自体が分泌する自家分解酵素を用いて效率的に中低分子β−D−グルカンに分解する方法を提供するところにある。
前述した目的を達成するための本発明のアガリクス茸菌糸体の液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法は、イソフラボンを含有する培地にアガリクス茸菌糸体を液体培養して高分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階と、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物から前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離する段階と、別個のアガリクス茸菌糸体液体培養物から自家分解酵素を分離する段階と、前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンに前記自家分解酵素を反応させ中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階、及び前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離精製する段階とを含む。
ここで、前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離する段階は、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物の熱水抽出液の濃縮溶液にエタノールを処理する段階と、前記濃縮溶液にエタノールを処理した溶液を沈澱させた後遠心分離して沈澱物を分離する段階とを含む。特に、前記エタノールは80%の濃度で処理することを含む。
前記自家分解酵素を分離する段階は、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物を減圧濾過する段階と、該減圧濾過したアガリクス茸菌糸体液体培養物にトリクロロ酢酸(trichloroacetic acid、以下'TCA'と称する)を混合し遠心分離する段階と、前記遠心分離してできた沈澱物を分離する段階とを含む。
前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階は前記自家分解酵素をpH4.5〜pH5.5で反応させることを含む。
前述した目的を達成するための本発明のアガリクス茸菌糸体の液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンのもう一つの製造方法は、イソフラボンを含有する培地にアガリクス茸菌糸体を液体培養して高分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階と、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物の自家分解酵素を活性化させ中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階、及び前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離精製する段階とを含む。
前述した目的を達成するための本発明のアガリクス茸菌糸体の液体培養物を用いて生成された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンは、前記製造方法によって製造される。
前述した目的を達成するための本発明のアガリクス茸菌糸体の液体培養物を用いて生成された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンは抗癌及び免疫増進を用途とする。
本発明はアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて中低分子イソフラボン−β−D−グルカン配糖体を製造する方法及びその方法によって製造された抗癌及び免疫機能を有する物質であって、本発明に係る中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの製造方法において、アガリクス茸菌糸体自体の自家分解酵素を用いて自家分解酵素の最適活性条件下で高分子β−D−グルカンを中低分子β−D−グルカンで製造することによって従来の中低分子β−D−グルカンの製造にかかる費用及び時間を節減させ、単位時間当り生産量において優れた効果を奏し、本発明である中低分子イソフラボン−β−D−グルカンは単純に混合されている形態ではなく、結合されている物質であって、イソフラボン、β−D−グルカンそれぞれが有する抗癌機能または免疫機能を同時に有するようになって、抗癌効果をアップする効果を奏する。
以下、本発明のアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法をさらに具体的に説明する。
図1は本発明であるアガリクス茸菌糸体培養物を用いて生成された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの製造方法の過程を全体的に示した図である。
図1に示した通り、本発明は高分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階(1)を含む。
前記イソフラボンを含有する培地に液体培養する茸菌糸体はアガリクス茸菌糸体を使用することを特徴とする。これは、アガリクス、平茸、椎茸、桑黄茸、霊芝茸菌株などを液体培養して一定条件下に粘度(viscosity)変化を測定して、粘度が最低の菌株を自家分解酵素活性の指標にした時、次のような実験結果、自家分解酵素活性が最高の菌株としてアガリクスが選択された。
[実験例1]:自家分解酵素生成茸菌株の選択
表1はアガリクス、平茸(夏)、ササクレヒトヨタケ、椎茸、霊芝茸菌株などを3日間液体培養した後(培養条件:25℃、1v/v/m airation)、その培養液(10ml)とアガリクス茸菌糸体液体培養物、平茸菌糸体培養物から抽出された高分子多糖体を80%エタノールで処理したもの(以下、'80EP'と称する)を三角フラスコ(50ml)に入れ、予備実験で選抜された温度である53℃と63℃の培養器(インキュベータ)で5時間反応させた後粘度変化を測定した結果である。
自家分解酵素生成が活発な菌株を選抜した結果、アガリクスの粘度変化(Δ粘度/時間)が3,470ml/secで最高であり、平茸が120ml/sec、ササクレヒトヨタケが104ml/secの順に他の茸菌によってアガリクス茸菌糸体が一番優秀な自家分解能を示した。
Figure 2005105247
次の過程で、アガリクス茸菌糸体を、イソフラボンを含有する培地に液体培養する。
茸のような担子菌類から抗癌性多糖類を得る方法としては、子実体、固体培養された菌糸体、液体培養された菌糸体から抽出する方法がある。
固体培養の場合は培養期間が長く抗癌性多糖類の抽出工程が複雑であり、子実体から抗癌性多糖体を抽出する場合、抽出される多糖体の含量が少なく、収率が低い問題点があって大量生産が困難な実情である。
一方、液体培養法は培養期間が短く、常に一定した条件下で培養が可能なので多糖体の含量が均一な菌糸体を大量に得られ、よって固体培養より低費用で生産できるため、本発明は液体培養法を用い、特にイソフラボンを含有する培地に液体培養する。
前記イソフラボンを含有する培地は大豆、大豆粕を含む天然植物性素材になれ、これより分離されたイソフラボンまたは合成イソフラボンを含有する培地を全て使用できる。
前記イソフラボンを含有する培地は炭素源として黄砂糖と無機塩を添加し高圧滅菌して液体培地を製造する。
アガリクス茸菌糸体を、前記イソフラボンを含有する液体培地に接種した後、振盪または曝気して1〜7日間培養すれば液体培養物内に高分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成させうる。ここで、前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンは分子量3万以上を有する。
本発明に係るアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法は、図1に示した通り、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物から前記アガリクス茸菌糸体液体培養物から前記高分子イソフラボン−β−D−グルコンを分離する段階(2)を含む。
まず、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物を熱水抽出する。前記熱水抽出法は菌糸体培養物を100℃で10時間加熱抽出した後、121℃で1時間高圧滅菌する方法で行なう。
前記アガリクス茸菌糸体液体培養物の熱水抽出液をエタノール(EtOH)濃度を10〜80%別に濃度別に分画して処理した後溶液を沈澱させる。遠心分離して上澄液を除去し沈澱物を分離すれば、イソフラボンが結合された分子量10万以上の高分子β−D−グルカンを含有する沈澱物を分離することができる。
前記エタノール処理は80%エタノールで処理することを特徴とするが、80%エタノール処理の場合にその含量が最高だったからである。後述する自家分解酵素の処理は<アガリクス茸菌糸体液体培養物に80%エタノールで処理して生成された高分子イソフラボン−β−D−グルカン>(以下、'80EP'と称する)で処理するようにする。
[実験例2]:含量が最高の分画の採択:80EP
(1)実験過程
前記アガリクス茸菌糸体液体培養物の熱水抽出液をエタノール濃度別に分画して沈澱物を分離し、各分離された沈澱物をバイオセップS−2000カラム(Biosep S−2000column)を使って分離した。
(2)実験結果
図2は、横軸に時間(min)、縦軸に長さ(mAU)をとり、上段から順番に40,50,60,70,80%でエタノールを処理した沈澱物をバイオセップS−2000で分離したことをそれぞれ示した図である。最下段右側はアガリクス茸菌糸体液体培養物原液の場合を示した図である。
図2に示した通り、70EP(70%エタノールで処理して生成された高分子イソフラボン−β−D−グルカン、以下'70EP'と称する)と80EPで殆んど類似したクロマトグラムパターン(RT2.2と3)を示したが、80EPでRT(Retention time)3ピークがRT2.2ピークより大きかったが、70EPでは二つのピークが殆んど類似であった。他の濃度の場合はアガリクス茸菌糸体液体培養物原液に含有されているものと類似であった(RT2.2,3,3.6ピーク)。
従って、80EPには抽出量の含量が異なるEP(エタノールで処理して生成された高分子イソフラボン−β−D−グルカン(ethanol precipitate)、以下'EP'と称する)に比べて多いのみならず、不要なピーク(RT3.6、他のEPには発見される)を無視できて80EPを対象にするとき、究極的に本発明のイソフラボン−β−D−グルカンの収得率が高められる。
本発明に係るアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法は、図1に示した通り、本発明はアガリクス茸菌糸体液体培養物から自家分解酵素を分離する段階(3)を含む。
本発明は、アガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて抽出される高分子β−D−グルカンの体内吸収を容易にするため、中低分子β−D−グルカンで製造することが目的であるが、中低分子β−D−グルカンに分解する加水分解酵素をアガリクス茸菌糸体自体が分泌する自家分解酵素にし、特に本自家分解酵素の最適活性条件下で反応させることを特徴とするもので、従来の加水分解酵素の適切な選択の難しさを解決したものである。多様な茸菌株のうちアガリクス茸菌糸体を採択したことは、前述したようにアガリクス自家分解酵素活性が最大の茸菌株であるからである。
前記自家分解酵素の分離は、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物を減圧濾過して濾液に最終濃度が10%になるようTCAを混合して、4℃で24時間放置した後、遠心分離(10,000rpm、15min、4℃)して沈澱物を分離して行なうことができる。
[実験例3]:自家分解酵素のUVスペクトル測定
図3はアガリクス茸菌糸体液体培養物を10%TCA溶液で沈澱させ、その沈澱物をジエチルアミノエチル(diethylaminoethyl、以下‘DEAE'と称する)カラムクロマトグラフィで分画した後のUV(280nm)スペクトルである。
図3の横軸は各分画物の番号、縦軸はそれぞれの分画物について280nmにおける吸光度を示した図である。
分画物のモニタリングをUV(280nm)で行なった結果8個のピークを得た。二番目のピークである8番分画物がUV280nmで最高の吸光度を示したところが、前記280nmで最高吸光を示す分画物(以下、‘チューブ#8'と称する)を図1の(2)段階で分離した80EPに処理して後述する中低分子イソフラボンβ−D−グルカンを生成するのに使用される。
図4は前記チューブ#8のUVスペクトル(225〜445nm)を示した図である。横軸は波長、縦軸は吸光度を示したものであり、左側には波長対吸光度を具体的な数値で示したものである。図4に示した通り、最高吸光度は270nmであった。
[実験例4]:自家分解酵素活性確認
自家分解酵素の活性を確認するため、自家分解酵素が含有されていると推定されるDEAEカラムクロマトグラフィ分画物を80EPに処理した後、TSKカラム(移動相:H2O)、C18カラム(移動相:メタノール(MeOH):1mMアンモニウムアセテート(ammoniumacetate 6:4))を使って高分子β−D−グルカンが中低分子β−D−グルカンに変ったことを確かめた。このとき、流速は全て1ml/minであり、ピークの検出はイソフラボンを確かめるためにUV257mm,267mmを使用したし、β−D−グルカンを確かめるためにRI検出器(detector)を使用した。
[実験例5] :自家分解酵素の分子量測定
(1)実験内容
前記チューブ#8が自家分解活性試験で最高の活性を示したところ、以下これに含まれたプロチン(protein)の分子量をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(sodium dodecyl sulfate−polyacrylamide gel electrophoresis、以下‘SDS−PAGE'と称する)で測定した。
(2)実験過程
自家分解酵素が含まれているDEAEカラムクロマトグラフィ分画物(チューブ#8)から溶媒を除去した後少量のSDS−PAGEサンプルバッファで溶かした後、Laemmli法によって12%SDS−PAGEで電気泳動した。
分子量標準タンパク質としてはβ−ガラクトシダーゼ(β−galactosidase)(175KDa)、パラミオシン(Paramyosin)(83KDa)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(Glutamicdehydrogenase)(62KDa)、アルドラーゼ(Aldolase)(48KDa)、トリオースリン酸イソメラーゼ(Triosephosphate isomerase)(33KDa)、β−ラクトグロブリンA(β−Lactoglobulin A)(25KDa)、リソザイム(Lysozyme)(17KDa)、アプロチニン(Aprotinin)(7KDa)を用いた。
(3)実験結果
図5は前記チューブ#8と#14のSDS−PAGEパターンを示した図である。横軸のSM(サイズ標識、size marker、以下'SM'と称する)は前記分子量標準タンパク質の分子量サイズの基準標識であり、縦軸は分子量サイズを示す。
図5に示した通り、チューブ#8の分子量は縦軸下段の7KDaで濃い色を示すところ、自家分解酵素の分子量は約7KDaであることが分かる。
本発明に係るアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法は、図1に示したように、アガリクス茸菌糸体液体培養物から分離した自家分解酵素を前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンに反応させ、中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階(4)を含む。
前記80%エタノールで処理した高分子イソフラボン−β−D−グルカン(80EP)をpH5.5に調整した後、前記DEAEカラムから分離された自家分解酵素を10ml加えて53℃で1時間反応させ加水分解させることによって中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する。ここで、前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンは分子量3万未満の分子量を有する。
後述する自家分解酵素の最適活性条件はpH4.5または5.5、53℃、3時間反応に現れ、粘度の変化は3時間反応が最適であったが、高分子中低分子生成に与える効果は1時間と3時間反応にさほど差がないため、1時間反応でも殆んど同一な結果が得られる。
[実験例6]:自家分解酵素の活性化最適条件
(1)実験過程
アガリクス茸菌糸体培養物自体の自家分解酵素活性化(activation)の最適条件を求めるためにアガリクス茸菌糸体培養物と前記80EPを1,3,5,15,24時間の反応時間別に反応温度53℃、63℃の反応温度で反応pH4.5,5.5,6.5,7.5の条件下で培養し粘度の変化を測定した。
(2)実験結果
表2はアガリクス茸菌糸体培養物の粘度変化結果である。
実験の結果、アガリクス茸菌糸体培養物の自家分解酵素活性は培養物のpH4.5〜5.5、53℃で3時間反応したときが最適であった。
表2に示した通り、同一条件下で、アガリクス茸菌糸体培養物は3時間反応(pH4.5、53℃)で粘度を18,750から1,500に12.5倍減少させた。
実験結果を通して自家分解酵素はpH4.5〜5.5、53℃で3時間反応するとき、もっとも活性化されることが分かる。
Figure 2005105247
前述したような実験を通して自家分解酵素の最適活性条件を究明した。その究明された条件に基づき前述した分離された自家分解酵素(チューブ#8)を高分子イソフラボン−β−D−グルカン(80EP)に反応させ、中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成させることができる。
以下、前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンが生成されたかを、次のような実験を通して確認した。
[実験例7]:中低分子イソフラボン−β−D−グルカン生成確認
[1]薄層クロマトグラフィ(thin−layer chromatography、以下'TLC'と称する)分離による確認
図6は自家分解酵素を80EPに反応させたものに対するTLCパターンを示した図である。
横軸のDP7はマルトヘプタオース(maltoheptaose)、DP4はマルトテトラオース(maltotetraose)、DP3はマルトトリオース(maltotriose)、DT5,000はデキストラン5,000(dextran 5000)、DT12,000はデキストラン12,000(dextran 12000)、DT25,000はデキストラン25,000(dextran 25000)、P+80%エタノールは80EPに自家分解酵素処理したもの、80%エタノールは自家分解酵素処理しない80EPを示す。縦軸はRfであってクロマトグラムで物質の分離を示す単位である。
遊離糖または高分子糖は、UV吸光度を有しない物質である。従って、TLCで分離された区域が、UV吸光度だけを有する物質であるか、糖化合物なのか、それともUV吸光度を有する糖化合物(糖とUVを吸収できる物質の複合物)であるかを調べるため、TLCで分離されたバンドをUVランプでも確認し、ジフェニルアミンアリジンホスフェート(diphenylamine aridine phosphate、以下'DAP'と称する)で発色(糖確認発色物)して確かめた。
図6に示した通り、使われたTLCシステムでは低分子多糖体(DP7以下)は移動したが、中分子多糖体(MWが5,000)以上の多糖体は移動しなかった。しかし、自家分解酵素で処理された高分子多糖体には、DAPで発色される低分子糖(DP3以下)とDAPに発色されながらUV吸光度を有する物質が混合されていた。
特に、全く移動しない中分子以上の多糖体もUV吸光度を有しており、DP7程度の糖化合物もUV吸光度を有していた。また、これにはUV吸光度だけを有する物質も含有されていた。
このような結果は、自家分解によって高分子多糖体が中低分子に転換されることが分かり、これら分子には、糖以外にUV吸光度を有する物質が結合されていることを意味する。
[2]高性能液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography 、以下'HPLC'と称する)による分離
図7a及び図7bは、80EPにHPLC(TSK column)から分離した分画(自家分解酵素)を反応させ反応物に含有されている分解物をHPLCで分析したものを示した図である。
横軸は時間(min)、縦軸は長さ(mAU)を示し、左側は分画物#2、#8、#14、#25、#35、#65、#83に80EPを反応させた後のHPLCクロマトグラムであり、右側は各分画物自体のHPLCクロマトグラムである。
最上段の80EPのクロマトグラムをみれば、4個のピークを含有していることが分かる。しかし、自家分解酵素をDEAEクロマトグラフィ(図3)で分離した各分画物をHPLCで確認した後80EPと反応させた時、チューブ#8分画によっては元々の80EPの4個のピークが全く異なる様相に現われることから、新たな物質が生成されたことと見られる。一方、他の分画によっては自家分解酵素を反応させない80EP自体のピークの様相がほとんどそのまま維持されたことから、分解されないことが分かる。
すなわち、80EPにチューブ#8分画を反応させた時、80EPに含有された高分子多糖体が中低分子多糖体(分子量約30,000〜9,000)に分解されたことが確認できる。
80EPに自家分解酵素(チューブ#8)を処理した分解物をHPLCで分離しつつ、UVとRI検出器で同時にモニタリングした。
図8aはRI検出結果、図8bはUV検出結果(267nm)を示した図である。
図8aおよび図8bに示した通り、RT8.8ピークだけUVとRI検出の両側に全て反応があったし、他のピークはUV吸光度を有したりRI検出にだけ反応を有することが分かる。
従って、RT8.8ピークの反応様相からみて、多糖体が他の物質(UV吸光度を有する物質)と結合しているという事実が確認でき、この物質はUV吸光度を有する物質であるイソフラボンを意味する。
[実験例8]:中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの生成が加水分解酵素によることの確認
[1]80EPの差異
中低分子イソフラボン−β−D−グルカンが、アガリクス茸菌糸体を培養する途中に、自家分解酵素の作用を受けて生成されたものであることを立証するための実験である。
培地の一部構成分である大豆粕(以下、'SP'と称する)をエタノール濃度(10,20,30,40,50,60,70,80%)別に分画して沈澱物を分離した。
その結果、SP分解物は10〜60%エタノールによって形成される沈澱物はほとんどなく、70EPで最多の沈澱物が形成されたし、80EPは少量であった。
従って、アガリクス茸菌糸体液体培養物から由来した沈澱物は80EPで最多であったため、この沈澱物に含有された物質はSPに含有されていた物質ではなく、アガリクス茸菌糸体を培養する過程において生成された生物学的元素転換(bioconversion)された物質であることが推測できる。
[2]TLCによる確認
図9は培地原料として使用されたSPとその酸加水分解物(以下、'SPH'と称する)をTLCに分離した後そのパターンを示した図である。
横軸のAPはアガリクス茸菌糸体液体培養物から得た80EPを再び80%エタノールで処理した沈澱物、APHはAPを酸加水分解したもの、ASは前記80EPの上澄液、ASHはASを加水分解したもの、SPは中間構成成分、SPHはSPを加水分解したものを示し、G、D及びGTを標識として使った。ここで、Gはゲネステイン、Dはダイドザイン、GTはゲニスタイン標準フォームであり、縦軸はこれらそれぞれに対するRfを示す。
SPから得た全ての試料にはUVだけ吸光度を有する物質(Rf0.999,0.542,0.306)だけ確認され(特にG及びDなど)、UVランプとDAPで同時に反応する物質は分離されなかった。
従って、SPではUV吸光度だけ有する物質が培養液に供給されることが分かった。しかし、APから得た分画物ではUVとDAPで同時に反応する物質(Rf0.542,0.014)があった。
従って、これら物質は原料に含有された物質ではなく、培養過程中で原料の成分が酵素によって生物学的元素転換された事実が分かる。
図10はこれら分離された物質に対するUVスペクトル結果を示した図であり、図11a,図11b,図11cはIRスペクトル結果を示した図である。
これらスペクトルは全てGやDのスペクトルと非常に類似であった。
従って、これらの物質は全てGやDのグリコサイド(glycoside)であることが分かった。
よってこれらは培養のうち酵素によって生物学的元素転換がなされたことが分かった。
前記実験例7,8によって、高分子β−D−グルカンが中低分子β−D−グルカンに分解され、その分解が自家分解酵素によるものであり、また中低分子β−D−グルカンだけで構成されることではなく、多糖体でない他のいずれの物質(この物質は後述する実験で確認)が結合されている形態に生成されたことを確認した。
本発明に係るアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法は、図1に示したように、本発明は前記生成された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離・精製する段階(5)を含む。
生成されたイソフラボンを含有した中低分子β−D−グルカンをDEAEカラムクロマトグラフィに分離し、前記DEAEカラムクロマトグラフィで分離された分画物を真空濃縮器で濃縮させた後、再びシリカゲル(silicagel)カラムクロマトグラフィを使って分離する。
[実験例9]:中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの存在の確認
前記分画物中に中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの存在はTLCとHPLCを使って確認した。
[1]TLCによる確認
シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離された分画物を再びTLC(Silica 60F−254プレート、5×10cm)を使用して分離した。このとき、ブタノール(Butanol):エタール(Ethanol):水(H2O)を5:3:3(v/v/v)を展開溶媒として使った。
分離されたバンドが糖化合物であることを確認するためDAPで発色させ、UV吸光物質の存在を確認するためにUVランプ(短波)で照射した。
[2]HPLC
バイオセップS−2000カラム(移動相;20mM リン酸ナトリウム)、TSKカラム(移動相;H2O)、C18カラム(移動相;メタノール(MeOH):1mMアンモニウムアセテート(ammonium acetate)6:4)を使用した。流速は全て1ml/minであった。このとき、ピークの検出はUV257nm,267nm,280nmとRI検出器を使用した。
[実験例10]:最終物質にイソフラボンが含有されているのかの確認
表3は、最終的に分離・精製された本発明のイソフラボン−β−D−グルカン(A)とイソフラボン−β−D−グルカンを自家分解酵素で加水分解したもの(B)のそれぞれの場合に、遊離ゲネステインとダイドザインの含量を比較したものである。
Figure 2005105247
イソフラボン−β−D−グルカン(A)とイソフラボン−β−D−グルカンを酵素(β−グルコシダーゼ(β−glucosidase):メガザイムキット(Megazyme kit)で加水分解させたもの(B)それぞれについてHPLCで分析した(C18カラム、移動相メタノール:1mMアンモニウムアセテート=6:4、流速:1ml/min)。
その結果、Aでは遊離ゲネステインとダイドザインが測定されず、Bではゲネステインは150mg/g dry weight、ダイドザインは28.2mg/g dry weightの含量を示した。
これは本発明の最終産物のAではイソフラボンのアグリコン型であるゲネステインとダイドザインが検出されなかったが、加水分解させた後(B)にだけ検出されたもので、第1に最終産物にイソフラボンが含有されていることを示し、第2に、本発明の最終産物であるAのイソフラボンとβ−D−グルカンは単純に混合されたことではなく、配糖体として存在する新物質であることが分かる。
本発明のアガリクス茸菌糸体の液体培養物を用いて生成された抗癌性イソフラボン−β−D−グルカンのもう一つの製造方法は次の通りである。
図12に示された(6)段階は図1の(1)段階、図12の(8)段階は図1の(5)段階と同様な過程によってなされる。
図12の(7)段階は自家分解酵素を分離して80EP(アガリクス茸菌糸体液体培養物から抽出液に80%エタノールで処理した高分子イソフラボンを含有したβ−D−グルカン)に処理することではなく、前述した自家分解酵素の活性最適条件であるpH5.5〜6.5で1〜3時間反応させた後高圧加熱して抽出する方法よりなる。前記高圧加熱して抽出する方法は前述した図1の(2)段階で行われる方法と同様である。
本発明の前記製造方法によって製造された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの分子量と構造は次の通りである。
[実験例11]:中低分子 イソフラボン−β−D−グルカンの分子量測定
TSKカラムが装着されたHPLC(Dionex社PDA−100UV探知機とRI探知機、P−680ポンプ(pump)、ASI−100フラクションコレクタ(fraction collector))を使って分子量を測定した。このときの移動相は3次蒸溜水を使用し、流速は1ml/minであった。
図13はデキストラン(Dextran)標準フォームと比較してログスケール(log scale)で概略の分子量を計算したもので、中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの分子量は約25,000の結果が出た。
[実験例12]:中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの構造
製造用HPLC(TSKカラム、移動相;H2O)を使って中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを再び分離し、その中から抗癌効果が最大のピークを収集(collection)して構成糖とイソフラボン(ゲネステイン、ダイドザイン)、IR、H−NMR、UVスペクトルを分析した。
図14は前記実験結果現れたIRスペクトルを示した図である。
IR分析で特徴的なスペクトルは495−656cm-1(強、広い)、1014cm-1(強、狭い)、1109cm-1(弱、狭い)、1402.0、1450.8、1472.7cm-1(弱、広い)、1642.6cm-1(強、狭い)、2097.0−2112.0cm-1(中弱、広い)、2390cm-1(極弱、広い)、2843cm-1(中、OH吸収付近で狭い〜3000cm-1)、3173.0−3648cm-1(OH吸収広い〜3000cm-1)であった。
これは、標準フォームGやDのIRスペクトルと比較したとき、標準フォームが示す特徴的な作用時のIR吸光を示した。
図15は前記実験の結果、現われたH−NMRを示した図である。
図16は前記実験の結果、現われたUVスペクトルを示した図である。
UVは267nmで最大吸光度を示したが、これもGの最大吸光度と同一であった。
これより、RT8.8ピークはイソフラボンのうちGを主に含有するβ−D−グルカンであることが分かる。
[実験例13]:構成糖の調べ
試料にリン酸ナトリウムバッファ(buffer)(20mM、pH6.5)5mlを入れ、メガザイムキット(β−glucosidase)(0.2U、0.1ml)とリケナーゼ(licnenase)(10U、0.2ml)に分解した後、HPLCでカラム(RezoRCM−Monosaccharide column)、200×10mm)で糖を分析した。
図17は前記実験結果、RT8.8の単糖類の構成を示した図である。
RT8.8の構成糖を調べたところ、β−D−グルコース、D−フルクトース(D−fructose)リボース(ribose)で構成糖とするβ−D−グルカンであることが分かる。
本発明の前述した製造方法によって製造された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンは抗癌剤及び免疫増進剤として使われる。
本発明の製造方法によって製造され分離されたイソフラボン−中低分子β−D−グルカンは癌細胞について強い殺害効果を示す一方、一般細胞にはほとんど毒性がないことが特徴である。本発明はイソフラボン含有培地にアガリクス茸菌糸体を液体培養したものを用いるもので、イソフラボンのアグリコン型で抗癌効果があることが判明された事実であるが、本発明のように、イソフラボン−β−D−グルカン配糖体が、抗癌効果があるということは報告されたことがない。
以下、本発明の製造方法によって製造された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの抗癌効果と免疫効果を、実験例を通して裏付ける。
[中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを含有する自家分解物または分離精製された中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの抗癌効果]
[実験例14]:S−180細胞に対する毒性実験
(1)実験
10mg/mlダブル蒸溜水(double distilled water、以下‘DDW'と称する)で調製した試料を再びダルベッコMEM培地(Dulbecco's modified Eagle's medium、以下‘DMEM'と称する)で再び10倍稀釈して処理はDDW(100μl)+DMEM(900μl)、試料処理は試料稀釈液(100μl)+DMEM(900μl)濃度になるよう構成した。予め培養されたS−180細胞を1.5×105細胞/mlになるよう稀釈して、表5のように3ml体積で処理した後(5×104cell/ml DMEMで稀釈)、処理されたウェルプレート(well plate)を5%CO2培養器(incubator)(37℃)で48時間培養してからトリフェインブルー(tryphane blue)で細胞を染色してヘマサイトメーター(haemacytometor)で生細胞数を調べてED50値を求めた。
(2)結果
表4は80EPを自家分解酵素(チューブ#8)で処理した試料のS−180腹水癌細胞に対する細胞毒性を調べた結果を示したものである。
48時間培養後対照群の細胞は、23.7×104cell/mlに成長した。自家分解した試料(自家分解されたAB)は添加濃度別(10,20,30μg/ml)にそれぞれ7.5,6.0,5.5×104cell/mlに成長してED50(μg/ml)値は0.9であり、自家分解しない試料(AB)は添加濃度別(10,20,30μg/ml)にそれぞれ11.0,9.5,8.0×104細胞/mlに成長してED50(μg/ml)値は2.1であった。
従って、自家分解酵素を処理した試料の細胞毒性が増加した。
これは自家分解酵素によって80EPから癌細胞に毒性を示す物質が生成されたことを意味する。
Figure 2005105247
[実験例15]:マウスに対する抗腹水癌性
(1)動物及び材料
癌研究所(Institute for Cancer Research、以下‘ICR'と称する)雌マウス(mouse)(6〜7週齢)は‘生命科学'(Life Science)(大邱)で、S−180は'遺伝子銀行'(ソウル)で購入して継代しつつ使用した。S−180培養に必要な培地はGIBCO BRL社で、その他使用された一般試薬は特急ないし1級以上を使った。
(2)マウス抗腹水癌実験
雌マウス(6〜7週齢)をケージ(cage)当り10匹ずつ入れた(このとき、ケージ当り平均重さが同じくなるよう任意的に入れる)。温度と湿度が調節される施設に水と食べ物を自由に食べさせて1週間飼育した。ICR雌マウス腹腔で継代培養されたS−180細胞(1×107cell/ml PBS)を各マウスに0.1mlずつ腹腔に注射して腹水癌を誘発した。
腹水癌誘発後2日毎に試料0.1mlをマウスの腹腔に注射した。S−180細胞腹腔投与後3日間隔にマウスの重さと飼料摂取量を調べ、40日間生存したマウスの匹数と生存日数を記録した。
(3)結果
表5は、S−180腹水癌細胞をICR雌マウスの腹腔に投与した1日後に試料(自家分解酵素を処理した80EP)を処理した後、40日間生存したマウスの数と生存日数を調べたことを示している。
対照群マウスの平均寿命は19.2日であった。しかし、自家分解された80EP処理群(AB自家分解)の寿命は26.9日に延びて40%の寿命延長効果を示したし、40日まで3匹が生存した。自家分解されない80EP処理群(AB)の寿命延長効果はコントロール区よりは強かったが、AB自家分解処理群よりは弱かった。
Figure 2005105247
[実験例16]:ヒト癌細胞株(Human cancer cell lines)に対する細胞毒性
(1)用意1−培地調製
DMEM培地1袋を900mlの3次蒸溜水に入れ完全に溶かしてペニシリン−ストラプトマイシン(phenicillin-straptomicin)1mlを添加した。これに、重炭酸ナトリウム(sodium bicarbonate)(2g)を添加しウシ胎児血清(fetal bovine serum、以下'FBS'と称する)100mlを添加した後濾過紙(0.22μm)でろ過させ4℃に保管した。
(2)用意2−前培養
実験開始24時間前にヒト癌細胞株 (MCF−7、乳ガンとヘラ細胞(breastcencer and Hela)、子宮頸部癌細胞(uterine cervix cencer cell))をDMEM培養液(5%CO2培養器、37℃、24時間)に継代培養した。
継代培養されたヒト癌細胞株 (MCF−7、 breast cencer and Hela、uterine cervix cencer cell)にTrypsin−EDTA(Trypsin-ethylenediamine tetraacetic acid)1mlを処理して5%C02培養器、37℃に10分ほど反応させ、セルが培地から取れるようにしてから、遠心分離(1,500rpm、2min)してセルを回収した後、回収されたセルを前記製造した培地12ウェルプレートにそれぞれ1mlずつ分柱し、5×104セルになるように調節した。
(3)ヒト癌細胞株に対する細胞毒性
[1]ヘラ細胞(Hela cell)とMCF−7cell
表6は、80EPを自家分解酵素(チューブ#8)で処理する前後のヒト癌細胞株[ヘラ細胞(Hela cell:子宮頸部癌細胞株(uterine cervis cancer cell line)]に対する細胞毒性を調べた結果を示したものである。
ヘラ細胞は、48時間培養後各20.1x104cell/mlに成長した。ヘラ細胞で自家分解されたABとABのED50値は、それぞれ0.9と5.6μg/mlで自家分解されたABが強い細胞毒性を示した。
この癌細胞株について自家分解されたABがABより強い細胞毒性を示して、自家分解によって80EPから毒性が強い物質が生成されたことを意味する。
Figure 2005105247
表7は、前記ヘラ細胞の場合と同じく、80EPを自家分解酵素(チューブ#8)で処理する前後のヒト癌細胞株MCF−7細胞(乳癌細胞株)に対する細胞毒性を調べた結果を示したものである。
MCF−7細胞は48時間培養後、21.5x104cell/mlに成長した。MCF−7について自家分解されたABとABのED50値はそれぞれ1.2、5、8μg/mlであって、ヘラ細胞に対する毒性と類似であった。
Figure 2005105247
[2]Caco−2(大腸癌細胞)
ヒト癌細胞株Caco−2に対する自家分解酵素(チューブ#8またはHPLCによって分画された自家分解酵素、図5)を処理した80EPをDEAEカラムクロマトグラフィで6分画(Tube 4,14,25,32,68,83)を得た。
図18は各分画についてCaco−2に対する細胞毒性を調べたことを示した図である。グラフの横軸は‘対照群',‘β−グルカン',‘#4',‘#14'など各サンプルを表示したものであり、縦軸は自家分解酵素を処理した後の細胞数を対照群に対するパーセンテージで示したものである。
図18から分かるように、対照群に比べて自家分解酵素を処理しない80EPは85.7%の生存率を示し、14%の細胞毒性を示したが、80EPに自家分解酵素を処理して分離した分画チューブ#4と#14はそれぞれ約37%と33%の細胞毒性を示した。他の分画でも細胞毒性はあったが、チューブ#4や#14より弱かった。
この結果は前述した結果(自家分解酵素処理による細胞毒性物質の生成)を裏付けられる資料になる。
図19は、チューブ#8を濃度別に処理した結果を示している。
横軸は‘対照群'と‘自家分解酵素を処理しない80EP'(サンプルA)、‘自家分解酵素を処理した80EP'(サンプルB)を示したものであり、縦軸は細胞数を対照群に対するパーセンテージで示したものである。白棒の濃度は1mg、点文様棒は5mg、黒棒は10mgである。
自家分解酵素を処理しない80EP(サンプルA)は、濃度が増加するほど大した効果がなかった。しかし、自家分解酵素を処理した80EPを1,5,10mg処理した時のCaco−2に対する細胞毒性は対照群に比べてそれぞれ約2,23,42%であった。
従って、この分解物は細胞毒性が強く、分解によって細胞毒性物質が生成されたことを意味する。
本発明のイソフラボン−中低分子β−D−グルカンは前述した抗癌効果だけではなく、免疫効果を同時に有することを特徴とする。免疫機能は抗癌機能と並行するとき、抗癌効果を一層アップすることができる。以下、実験例を通して本発明のイソフラボン−中低分子β−D−グルカンが有する免疫効果を説明する。
[実験例17]:イソフラボン−β−D−グルカンを含有する自家分解物または分離精製されたイソフラボン−β−D−グルカンの免疫増進効果
(1)動物、材料及び実験条件
ICR雌マウス(6〜7週齢、4匹/ケージ/群)で、マウス用ペレット(pellet)飼料で1週間予備飼育して、体重が28±1gであるものを実験に使用した。水と飼料は自由に提供し、照明は12時間間隔の明暗サイクル(light−and−dark cycle)を維持して自然照明に近くし、飼育室の温度は22±1℃、湿度は50%に調節して飼育した。
(2)実験内容
試料をそれぞれ1,2,4mg/g体重/0.2ml D・W濃度で調剤して経口を通して強制に投与した。最後の試料処理の次の日に各マウスの重さを計って、リポポリサッカライド[(lipopolysaccharide、以下‘LPS'と称する)1mg/kg無菌ヘペス(HEPES)]をマウスの腹腔に注射した。LPS注射した直後迅速にマウスの体重を調べた。そして4,8,12,24,48時間経過後それぞれマウスの体重を調べた。
(3)実験結果
図20は、LPSを処理することによってICR雌マウスの体重を減量させることについて、自家分解酵素が処理された80EPの効果を示した図である。
横軸は時間、縦軸は体重減量を示したものである。
図20の(1)は対照群、(2),(3),(4)は自家分解されたAZ処理群をそれぞれ1,2,4mg処理したもの、(5),(6),(7)は自家分解処理しない80EPをそれぞれ1,2,4mg処理したことを示す。
LPSは一般に共有結合によって結合された脂質と多糖の複合体であるが、主にグラム陰性菌の外膜成分として存在する内毒素の本体である。LPSは色々の生物活性を示すので、内毒素(エンドトキシン)とも呼ばれ、病源細菌のリポ多糖は宿主の免疫系によって感染の信号として認識される。従って、LPSを処理して体重が減少する程度を観察することによって免疫力を推定できる。
本実験においてLPSを処理したマウスは、全て体重が減少した。試料を処理しない対照群マウスはLPS処理後経時的に体重が急激に減少して、LPS処理24時間後にはLPS処理前より2.4g減少した。
自家分解された80EP処理群(自家分解されたAZ)も、LPS処理後経時的に体重が減少したが、対照群よりはその体重減少の程度が少なかった。
対照群の場合、体重の減少が著しかったLPS処理24時間の体重減少程度は、自家分解されたAZ処理群の場合1mg,2mg,4mg処理についてそれぞれ−1.77,−1.22g,−0.75gであって体重変化があった。すなわち、自家分解されたAZ処理群はLPSの効果を減少させることができた。
自家分解を処理しない80EP処理群(80%EtOH)も、処理濃度(1,2,4mg)によって体重の減少を減らしたが、その効果は自家分解されたAZ処理群より低かった。
これによって80EPを自家分解酵素で処理した場合、ICR雌マウスでLPSの効果を軽減させうる物質が生成されたことを意味し、すなわちイソフラボン−中低分子β−D−グルカンに免疫効果があることを示す。
以下、本発明のアガリクス茸菌糸体を液体培養して生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法に対する実施例を通して、本発明をさらに詳述する。但し、これら実施例は本発明を例示するためのもので、本発明がこれらのみに限定されることではなく、それぞれ実施例は反復実施してその結果の再現性を確認した。
[実施例]
1.イソフラボンを含有する培地にアガリクス茸菌糸体を液体培養して高分子イソフラボン−β−D−グルカン(分子量3万以上)の生成
大豆(40g)または大豆粕(40g)を水にふやかしてミキサーで十分に磨砕させた後、プロテアーゼ(10g)及びセルラーゼ(10g)を添加して60C、200rpmで1−5時間処理して酵素分解させた。これをそのまま使用することもできるが、天然植物性素材から分離されたイソフラボン(イソフラボン含量10−1000mg)または合成イソフラボン(10−1000mg)を添加することができる。これに、炭素源として黄砂糖(220g)、リボース(ribose)(3g)と無機塩(MgSO4:10g、KH2PO4:10g)を添加して水を加えて1リットルにした。これを高圧滅菌(121℃、1時間)して液体培地として使用した。アガリクス茸菌糸体を液体培地に接種した後、25〜35℃で振盪または曝気して1−7日間培養した。
2.高分子イソフラボン−β−D−グルカンの分離
前記培養液を高圧抽出(121℃、1時間)した後、硅藻土ろ過した濾液を真空濃縮(10倍)した試料200gに80%エタノール溶液になるようエタノールを添加し、均一に振った後、4℃で24時間放置して沈澱させた。
沈澱物と上澄液を分離するために10,000rpmで10分間遠心分離した後、上澄液を除去し、その後、分子量10万以上のβ−D−グルカンを含有する沈澱物(80EP:3.8g)を分離した。
3.アガリクス茸菌糸体液体培養物から自家分解酵素の分離/精製
(1)TCA沈澱
アガリクス茸菌糸体培養物を減圧濾過して、濾液にTCAを混合(最終濃度が10%になるよう)して4℃で24時間放置してから、遠心分離(10,000rpm、15min、4℃)して沈澱物を分離した。
(2)DEAEコラムクロマトグラフィ(column chromatography)
前記沈澱物を50mMソジウムアセテートバッファ(pH.5.0)に溶かしてDEAEカラム(2cm、110cm)で分離して10mlずつ収集した。
このとき使われた移動相は、20mMリン酸ナトリウムバッファ(20mM NaH2PO4と20mM Na2HPO4、pH7.0)であった。
4.中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階
前段階で製造された80EPをpH5.5に調整した後、DEAEカラムから分離された自家分解酵素10mlを添加して、振動培養器(shaking incubator)で反応(53℃、1時間)させた。自家分解酵素によって中・低分子イソフラボン−β−D−グルカン(分子量3万未満)が生成されたかを確認するため、TLCとHPLCを使って分離/確認した実験例は前述した通りである。
5.中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの分離・精製
(1)DEAEカラムクロマトグラフィ
前記実施例3で製造された自家分解物3mlを5mMリン酸ナトリウムバッファ(pH7.7)が充填されたDEAEカラム(2cm,110cm)に充填した後、310ドロップ(10ml)ずつ収集(collection)した。このとき、使われた移動相は、5mMリン酸ナトリウムバッファ(5Mm NaH2PO4と5mM Na2HPO4、pH7.7)にした。
(2)シリカゲル(Silicagel)カラムクロマトグラフィ
DEAEカラムクロマトグラフィによって分離された分画物を真空濃縮器で濃縮させた後、再びシリカゲルカラムクロマトグラフィを使って分離した。
このとき、ブタノール(Butanol):エタノール(Ethanol):水(H2O)を5:3:3(v/v/v)を溶離剤として使った。分劃物中に中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの存在はTLCとHPLCと確認したことは実験例で述べた通りである。
本発明は、抗癌効果を有する天然成分であるイソフラボンと免疫増進効果を有する天然成分であるβ−D−グルカンの配糖体を製造する分野および医療分野において利用することができる。
本発明である中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの製造工程を示した図である。 アガリクス茸菌糸体液体培養物にエタノール処理したものに対するHPLCクロマトグラムを示した図である。 アガリクス茸菌糸体液体培養物の沈澱物をDEAEカラムクロマトグラフィで分画した後のUVスペクトルを示した図である。 チューブ#8のUVスペクトルを示した図である。 チューブ#8とチューブ#14のSDS−PAGEパターンを示した図である。 自家分解酵素を80EPに反応させたものに対するTLCパターンを示した図である。 各分画物に80EPを反応させる前後のHPLCクロマトグラムを示した図である。 各分画物に80EPを反応させる前後のHPLCクロマトグラムを示した図である。 80EPにチューブ#8を処理したものに対するRI検出結果を示した図である。 80EPにチューブ#8を処理したものに対するUV検出結果を示した図である。 大豆粕とその酸加水分解物をTLCで分離した後そのパターンを示した図である。 前記分離された物質に対するUVスペクトルを示した図である。 前記分離された物質に対するIRスペクトルを示した図である。 前記分離された物質に対するIRスペクトルを示した図である。 前記分離された物質に対するIRスペクトルを示した図である。 本発明に係るイソフラボン−β−D−グルカンの他の製造方法の工程図である。 中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの分子量をログスケールで示した図である。 中低分子イソフラボン−β−D−グルカンのIRスペクトルを示した図である。 中低分子イソフラボン−β−D−グルカンのH−NMRスペクトルを示した図である。 中低分子イソフラボン−β−D−グルカンのUVスペクトルを示した図である。 中低分子イソフラボン−β−D−グルカンの単糖類の構成を示した図である。 各分画についてCaco−2に対する細胞毒性を示した図である。 チューブ#8を濃度別に処理した結果を示した図である。 LPSの処理とICR雌マウスの体重感量関係を自家分解酵素処理と関連して示した図である。
符号の説明
1 高分子イソフラボン−β−D−グルカン生成
2 高分子イソフラボン−β−D−グルカン分離
3 自家分解酵素分離
4 中低分子イソフラボン−β−D−グルカン生成
5 中低分子イソフラボン−β−D−グルカン分離
6 高分子イソフラボン−β−D−グルカン生成
7 中低分子イソフラボン−β−D−グルカン生成
8 中低分子イソフラボン−β−D−グルカン分離

Claims (9)

  1. イソフラボンを含有する培地にアガリクス茸菌糸体を液体培養して高分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階と、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物から前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離する段階と、別個のアガリクス茸菌糸体液体培養物から自家分解酵素を分離する段階と、前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンに前記自家分解酵素を反応させ中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階と、前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離精製する段階とを含むアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法。
  2. 前記高分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離する段階は、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物の熱水抽出液の濃縮溶液にエタノールを処理する段階と、前記濃縮溶液にエタノールを処理した溶液を沈澱させた後遠心分離して沈澱物を分離する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載のアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法。
  3. 前記エタノールは80%の濃度で処理することを特徴とする請求項2に記載のアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生成されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法。
  4. 前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階は、前記自家分解酵素をpH4.5〜pH5.5で反応させることを特徴とする請求項1に記載のアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生産されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法。
  5. 前記自家分解酵素を分離する段階は、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物を減圧ろ過する段階と、該減圧ろ過したアガリクス茸菌糸体液体培養物にTCAを混合し遠心分離する段階と、前記遠心分離してできた沈澱物を分離する段階とを含むことを特徴とするアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生産された請求項1に記載のイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法。
  6. イソフラボンを含有する培地にアガリクス茸菌糸体を液体培養して高分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階と、前記アガリクス茸菌糸体液体培養物の自家分解酵素を活性化させ中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを生成する段階、及び前記中低分子イソフラボン−β−D−グルカンを分離・精製する段階とを含むアガリクス茸菌糸体液体培養物を用いて生産されたイソフラボン−β−D−グルカンの製造方法。
  7. 請求項1ないし6のうちいずれか1項の製造方法によって製造されたイソフラボン−β−D−グルカン。
  8. 請求項7のイソフラボン−β−D−グルカンを抗癌剤として使用する方法。
  9. 請求項7のイソフラボン−β−D−グルカンを免疫増進剤として使用する方法。
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