JP2005104064A - 酸素吸収性積層体、これを用いた包装体およびこれを用いた内容物の充填方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 包装体の材料として、熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(A)層を有する酸素吸収性積層体、あるいは、熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物とを含有する樹脂組成物(B)層、および該樹脂組成物(B)層に隣接する、熱可塑性樹脂と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(C)層を有する酸素吸収性積層体を用いる。
【選択図】 なし
Description
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」。
(2)充填した内容物自体に包装体が侵されないための「内容物耐性」。
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」。
(1)遷移金属による熱可塑性樹脂の酸化を用いたタイプ(特許文献1参照)。
(2)炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂の酸化分解あるいは酸素付加反応を用いたタイプ(特許文献2参照)。
(3)遷移金属錯体を用いた酸素配位結合タイプ(特許文献3参照)。
(4)被還元性化合物の還元/酸化反応を用いた、過酸化水素化(他ガスへの変換)(特許文献4参照)。
(5)還元鉄を熱可塑性樹脂に配合したタイプ(特許文献5参照)。
(4)の被還元性化合物の還元/酸化反応を用いた過酸化水素化については、酸素吸収後に過酸化水素を発生させる為、衛生性/安全性に問題があった。また、この反応を用いる事で熱可塑性樹脂自体が変色(色素として機能もする為)する事も課題として挙げられる。
熱可塑性樹脂の酸化を利用した(1)、(2)などのタイプは、酸化反応による分解や架橋など、酸素吸収に伴うラジカル連鎖反応の副反応に伴う膜物性の低下および臭気の発生が問題点として挙げられる。
また、最も改善が要求される内容としては、この還元鉄は水分をトリガーとして酸素の吸収能を発現する為、包装体内部の湿度が高い(内容物の水分活性値が高いもの、あるいは液物である)ことが必要とされる。
なお、還元鉄以外の酸素吸収剤としては、酸素欠陥を有する酸化チタンが知られている(特許文献6)。しかしながら、この酸素吸収剤は、密閉された容器内に入れて使用することを目的としたものであり、当然のことながらこれ自体は包装体に加工できるような材料ではなった。
また、本発明の酸素吸収性積層体は、熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物とを含有する樹脂組成物(B)層、および該樹脂組成物(B)層に隣接する、熱可塑性樹脂と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(C)層を有し、還元処理を施した無機酸化物が、樹脂組成物(B)層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であり、水分を保持可能な無機化合物が、樹脂組成物(C)層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であることを特徴とするものである。
また、前記酸素欠陥を有する無機酸化物は、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であることが望ましい。
また、前記酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合は、0.01〜25%であることが望ましい。
また、前記水分を保持可能な無機化合物は、硫酸マグネシウム、焼明礬石、粘土鉱物、アロフェン、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルからなる群より選ばれる1種以上であることが望ましい。
また、前記バリア層は、熱可塑性樹脂層、金属箔層、および蒸着層からなる群より選ばれる1種以上であることが望ましい。
また、本発明の包装体は、本発明の酸素吸収性積層体を用いたことを特徴とするものである。
また、本発明の充填方法は、本発明の包装体を高湿度下に置き、水分を保持可能な無機化合物を吸湿させる吸湿工程と、吸湿工程よりも低い湿度下で前記包装体に内容物を充填する充填工程と、内容物が充填された包装体にマイクロウェーブを照射するマイクロウェーブ照射工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物と、水分を保持可能な無機化合物とを含有し、還元処理を施した無機酸化物と水分を保持可能な無機化合物との合計量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であることを特徴とするものである。
また、本発明の酸素吸収性積層体は、熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物とを含有する樹脂組成物(B)層、および該樹脂組成物(B)層に隣接する、熱可塑性樹脂と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(C)層を有し、還元処理を施した無機酸化物が、樹脂組成物(B)層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であり、水分を保持可能な無機化合物が、樹脂組成物(C)層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であるので、酸素吸収能を有するだけでなく、内容物との反応を起こさず、マイクロウェーブ適性を有し、環境湿度や内容物の水分活性に依存せずに酸素吸収能を発現できる包装体の材料として好適なものとなる。
また、前記酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合が、0.01〜25%であれば、得られる包装体の酸素吸収による物性の変化が少ない。
また、本発明の包装体は、本発明の積層体を用いたものであるので、酸素吸収能を有するだけでなく、内容物との反応を起こさず、マイクロウェーブ適性を有し、環境湿度や内容物の水分活性に依存せずに酸素吸収能を発現できるものとなる。
また、本発明の充填方法は、本発明の包装体を高湿度下に置き、水分を保持可能な無機化合物に吸湿させる吸湿工程と、吸湿工程よりも低い湿度下で前記包装体に内容物を充填する充填工程と、内容物が充填された包装体にマイクロウェーブを照射するマイクロウェーブ照射工程とを有するので、包装体の酸素吸収能を効率よく発現させることができる。
また、本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物と、水分を保持可能な無機化合物とを含有し、還元処理を施した無機酸化物と水分を保持可能な無機化合物との合計量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であるので、酸素吸収能を有するだけでなく、内容物との反応を起こさず、マイクロウェーブ適性を有し、環境湿度や内容物の水分活性に依存せずに酸素吸収能を発現できる包装体の材料として好適なものとなる。
本発明の酸素吸収性積層体は、(I)熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(A)層を有する構造を基本構造とするもの(以下、酸素吸収性積層体(I)とも記す);あるいは、(II)熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物とを含有する樹脂組成物(B)層、および該樹脂組成物(B)層に隣接する、熱可塑性樹脂と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(C)層を有する構造を基本構造とするもの(以下、酸素吸収性積層体(II)とも記す)である。
本発明における還元処理を施した無機酸化物としては、無機酸化物に還元処理を施すことによって、無機酸化物中の一部の酸素原子が除去され、格子欠陥が形成された、酸素欠陥を有する無機酸化物が挙げられる。
無機酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの光導電性無機化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明における水分を保持可能な無機化合物とは、配位水、格子水、沸石水、吸着水などの形で水分を保持する事が可能な無機化合物であり、環境中の水分と無機化合物自身が保持する水分との平衡蒸気圧の関係を保つ為に、水分を吸収したり放出したりする事が可能な材料である。
水分を保持可能な無機化合物としては、硫酸マグネシウム、焼明礬石などの硫酸塩;粘土鉱物、アロフェン、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドが挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中から最終的に求める包装体に応じて、適切な材料を選択すればよい。
オレフィン系共重合体とは、エチレン、プロピレン、およびC4以上のα−オレフィン(1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなど)からなる群より選ばれる2種以上のオレフィンからなる共重合体であり、エチレン−環状オレフィン共重合体も含まれる。
ポリα−オレフィンとしては、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられ、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられ、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物としては、エチレン−(メタ)アクリル酸の各種イオン架橋物が挙げられる。
酸素吸収性積層体(I)における樹脂組成物(A)層は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、還元処理を施した無機酸化物および水分を保持可能な無機化合物を、合計で1〜100質量部配合した樹脂組成物(A)からなる層である。還元処理を施した無機酸化物および水分を保持可能な無機化合物の合計の配合量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し1質量部未満では、酸素吸収能に劣る。還元処理を施した無機酸化物および水分を保持可能な無機化合物の合計の配合量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し100質量部を超えると、包装体の性能(機械的強度、ヒートシール強度など)に影響が生じる。
本発明における樹脂組成物は、押出ラミネーション成形、押出キャスト成形、インフレーション成形、インジェクション成形、ダイレクトブロー成形など各種成形法を用いて、樹脂組成物の単膜フィルムあるいは樹脂組成物層を有する酸素吸収性積層体とすることが可能である。
また、得られたフィルム(インフレーションフィルムなど)については、後工程でドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーションなどによって酸素吸収性積層体とすることも可能である。
また、インジェクション成形で得られたプリフォームを、延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルにすることも可能である。なお、成形法は、これらの成形法に限られるものではない。
バリア層としては、熱可塑性樹脂層、金属箔層、蒸着層が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属箔層の材料としては、アルミ箔などが挙げられる。
さらには、これらの蒸着層、特にPVD蒸着法による蒸着層において、そのガスバリア性を向上させる為、ポリビニルアルコール/シラン化合物系のオーバーコート層を設けても構わない。また、蒸着層と熱可塑性樹脂層の密着性を向上させる為の各種プライマー層を設けていても構わない。
また、水分を保持可能な無機化合物が、水分トリガー性の、還元処理を施した無機酸化物の酸素吸収能を発現させる為の水分を蓄積しているので、水分を保持可能な無機化合物から水を放出させる事で酸素吸収を開始させることができる。
すなわち、従来の酸素吸収能を有する樹脂組成物における還元鉄から酸化鉄への酸化反応は、結晶構造を著しく変化させ、比重の変化を伴う。還元鉄の比重は酸化鉄の比重より大きく、かつ酸化反応により還元鉄から酸化鉄への反応は重量増をもたらす。この内容は、酸素吸収能を有する樹脂組成物の体積膨張を示唆するものであり、樹脂組成物中におけるこの反応は、樹脂組成物としての物性や、積層体、包装体にした時の物性(カールや、樹脂層の破壊など)、あるいは体積膨張に伴う酸化鉄相の接触から、マイクロウェーブ時においてスパークを引き起こす恐れがある。また、含硫黄食品については酸化還元反応により硫化水素を発生させ、異臭を放つ。このような意味で、本発明の酸素吸収性積層体は、ショットキー型欠陥を有する無機酸化物が酸素吸収前後で大きな結晶構造の変化を伴わない事、それに伴い比重の変化も少ないこと、光導電性を示す場合はUVなどの高エネルギー線が必用であること、含硫黄食品と酸化還元反応しないなどの理由から、還元鉄の時に確認されていた懸念事項などを回避する事が可能である。
これらの積層体を用いて包装体に展開した場合の例を以下に示す。特に酸素吸収性積層体(II)について説明する。
ここで、A:ポリオレフィン樹脂、B:酸無水物グラフト変性ポリオレフィン樹脂、C:エチレン−ビニルアルコール共重合体、D:アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、E:アルミ箔、F:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、G:ポリビニルアルコール系オーバーコート層、H:ウレタン系接着剤、I:ポリエステルフィルムである。
成形法:押出成形、射出成形、ブロー成形、など。
用途:シート、ボトル、カップ、トレーなど。
(構成例−2):D/G/H/A/樹脂組成物(B)/樹脂組成物(C)/A
成形法:押出ラミネート、ドライラミネートなど。
用途:軟包装体、蓋材。
(構成例−3):I/H/E/F/樹脂組成物(B)/樹脂組成物(C)/A
成形法:押出ラミネート、など。
用途:インナーキャップなど。
(構成例−4):紙/A/D/G/H/A/樹脂組成物(B)/樹脂組成物(C)/A
成形法:押出ラミネートなど。
用途:複合紙容器など。
本発明の包装体に、酸素吸収を開始させる方法は、大きく二つの方法が挙げられる。一つは、内容物充填前に、高湿度環境下(具体的には湿度65%以上)に包装体を保管し、事前に水分を保持可能な無機化合物を吸湿させておく。水分が還元処理を施した無機酸化物に到達する前に水分を保持可能な無機化合物が水分を保持するため、この段階で水分が還元処理を施した無機酸化物に影響を与える事はない。そして、比較的低い湿度環境下で水分活性の低い内容物を包装体に充填すると、水分を保持可能な無機化合物と包装体内内部環境との平衡蒸気圧のバランスを保つ為に、水分を保持可能な無機化合物から水分が放出され、その水分をトリガーとして還元処理を施した無機酸化物が酸素吸収を開始する事が可能となる。
本実施例においては、以下の材料を用いた。
[樹脂組成物]
<熱可塑性樹脂>
A−1:エチレン−ヘキセン−1共重合体(密度0.920g/cm3 、MI=4.0、宇部興産(株)製「ユメリット(商品名)」)。
B−1:アナターゼ型二酸化チタン(格子欠陥率(酸素欠陥の割合)7.5%、B−2の二酸化チタンを水素熱還元することにより得られ、アナターゼ型の結晶構造を保持する低次酸化チタン、TiO1.85)。
B−2:アナターゼ型二酸化チタン(格子欠陥率(酸素欠陥の割合)0%、比表面積280m2 /gでTiO2 の純度93%を有するアナターゼ型の結晶構造を有する粉末状二酸化チタン。なお、不純物のほとんどは水分)。
C−1:焼明礬(硫酸塩化合物、関東化学(株)製)。
C−2:活性アルミナ(関東化学(株)製)。
C−3:酸化カルシウム(関東化学(株)製)。
<熱可塑性樹脂>
D−1:エチレン−ヘキセン−1共重合体(密度0.920g/cm3 、MI=4.0、宇部興産(株)製「ユメリット(商品名)」)。
E−1:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/ポリウレタン系接着剤(4μm)/アルミ箔(7μm、東洋アルミ(株)製)。
E−2:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/アルミナ蒸着層/オーバーコート層(酸素透過度0.5cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)、凸版印刷(株)製「GL−AE(商品名)」)。
熱可塑性樹脂(A−1)100質量部に対し、無機酸化物(B−1)30質量部、無機化合物(C−1)30質量部、ポリオレフィン系分散剤0.2質量部を加え、これらをドライブレンドによりプレミックスした混合物を、2軸押出機(φ=30、L/D=49)により吐出9kg、180℃、50rpmの条件で混練し、酸素吸収能を有する樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は、空冷ペレタイズし、図1に示すような、熱可塑性樹脂(A−1)(熱可塑性樹脂1)中に、無機酸化物(B−1)(還元処理を施した無機酸化物2)および無機化合物(C−1)(水分を保持可能な無機化合物3)が分散したペレットを得た。
樹脂組成物のペレット3gをあらかじめ25℃−65%相対湿度下で24時間保管することで、水分を保持可能な無機化合物を吸湿させた。その後、樹脂組成物をアルミパウチ中に封入した。湿度20%RHの恒温槽中で空気を75mlサンプリングし、この空気をアルミパウチ中に充填した。経時におけるアルミパウチ中の酸素濃度を酸素濃度計により測定した。結果を図2に示す。
無機化合物(C−1)の代わりに無機化合物(C−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、酸素吸収能を評価した。結果を図2に示す。
無機化合物(C−1)を用いず、無機酸化物(B−1)の配合量を熱可塑性樹脂(A−1)100質量部に対し16質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、酸素吸収能を評価した。結果を図2に示す。
無機酸化物(B−1)の代わりに無機酸化物(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、酸素吸収能を評価した。結果を図2に示す。
無機化合物(C−1)の代わりに無機化合物(C−3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、酸素吸収能を評価した。結果を図2に示す。
熱可塑性樹脂(A−1)100質量部に対し、無機酸化物(B−1)33質量部、ポリオレフィン系分散剤0.2質量部を加え、これらをドライブレンドによりプレミックスした混合物を、2軸押出機(φ=30、L/D=49)により吐出9kg、180℃、50rpmの条件で混練し、樹脂組成物(B)を得た。得られた樹脂組成物(B)は、空冷ペレタイズした。
また、熱可塑性樹脂(A−1)100質量部に対し、無機化合物(C−1)33質量部、ポリオレフィン系分散剤0.2質量部を加え、これらをドライブレンドによりプレミックスした混合物を、2軸押出機(φ=30、L/D=49)により吐出9kg、180℃、50rpmの条件で混練し、樹脂組成物(C)を得た。得られた樹脂組成物は、空冷ペレタイズした。
(内)樹脂組成物(B)層(30μm)/樹脂組成物(C)層(30μm)/熱可塑性樹脂(D−1)層(外)
バリア基材(E−1)/接着剤/LDPE(40μm)/LDPE(20μm)/樹脂組成物(B)層/樹脂組成物(C)層/熱可塑性樹脂(D−1)層
酸素吸収性積層体を220×220mmサイズにカットし、さらに二つ折りをした後にシール幅10mmのヒートシーラーにてシールを施す事で、有効面積40000mm2 の220×110mmサイズのパウチを作製した。このパウチを25℃−65%相対湿度下で24時間保管した後、パウチ中に水分活性が0.3〜0.4の茶葉150gと共に、4%酸素濃度に調整した窒素ガスを100ml充填した。経時におけるヘッドスペース酸素濃度の推移を酸素濃度計により測定した。パウチのヘッドスペース酸素濃度を図4に示す。
バリア性基材(E−1)の代わりにバリア性基材(E−2)を用いた以外は、実施例3と同様にしてパウチを作製した。このパウチを25℃−65%相対湿度下で24時間保管した後、パウチ中に水分活性が0.3〜0.4の茶葉150gと共に、4%酸素濃度に調整した窒素ガスを100ml充填した。その後、マイクロウェーブを発生可能なバッチ式の装置内にパウチをセットし、パウチが破体しない条件でマイクロウェーブを照射した。経時におけるヘッドスペース酸素濃度の推移を酸素濃度計により測定した。パウチのヘッドスペース酸素濃度を図4に示す。
2 還元処理を施した無機酸化物
3 水分を保持可能な無機化合物
11 樹脂組成物(B)層
12 樹脂組成物(C)層
14 バリア層
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(A)層を有し、
還元処理を施した無機酸化物と水分を保持可能な無機化合物との合計量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であることを特徴とする酸素吸収性積層体。 - 熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物とを含有する樹脂組成物(B)層、および該樹脂組成物(B)層に隣接する、熱可塑性樹脂と、水分を保持可能な無機化合物とを含有する樹脂組成物(C)層を有し、
還元処理を施した無機酸化物が、樹脂組成物(B)層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であり、
水分を保持可能な無機化合物が、樹脂組成物(C)層の熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であることを特徴とする酸素吸収性積層体。 - 前記還元処理を施した無機酸化物が、酸素欠陥を有する無機酸化物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素吸収性積層体。
- 前記酸素欠陥を有する無機酸化物が、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3記載の酸素吸収性積層体。
- 前記酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合が、0.01〜25%であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の酸素吸収性積層体。
- 前記水分を保持可能な無機化合物が、硫酸マグネシウム、焼明礬石、粘土鉱物、アロフェン、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の酸素吸収性積層体。
- 前記熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、および脂肪族ポリアミドからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一項に記載の酸素吸収性積層体。
- 酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を有することを特徴とする請求項1ないし7いずれか一項に記載の酸素吸収性積層体。
- 前記バリア層が、熱可塑性樹脂層、金属箔層、および蒸着層からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項8記載の積層体。
- 請求項1ないし9いずれか一項に記載の酸素吸収性積層体を用いたことを特徴とする包装体。
- 請求項10記載の包装体を高湿度下に置き、水分を保持可能な無機化合物を吸湿させる吸湿工程と、
吸湿工程よりも低い湿度下で前記包装体に内容物を充填する充填工程とを有することを特徴とする充填方法。 - 請求項10記載の包装体を高湿度下に置き、水分を保持可能な無機化合物を吸湿させる吸湿工程と、
吸湿工程よりも低い湿度下で前記包装体に内容物を充填する充填工程と、
内容物が充填された包装体にマイクロウェーブを照射するマイクロウェーブ照射工程とを有することを特徴とする充填方法。 - 熱可塑性樹脂と、還元処理を施した無機酸化物と、水分を保持可能な無機化合物とを含有し、
還元処理を施した無機酸化物と水分を保持可能な無機化合物との合計量が、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であることを特徴とする酸素吸収能を有する樹脂組成物。
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