JP7155667B2 - 消臭包装材料及び消臭包装体 - Google Patents
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Description
1.少なくとも、基材層、消臭接着層、シーラント層を含む消臭積層体であって、
前記消臭接着層は、接着剤と消臭体とを含有し、ドライラミネーション法によって形成された層であり、前記消臭体は、SiO2/Al2O3モル比が30/1~8000/1の疎水性ゼオライト、化学吸着剤担持無機多孔体、無機臭気分解剤なる群から選ばれる、1種または2種以上を含み、前記無機臭気分解剤は、金属酸化物または金属塩を、無機物に混錬または担持させたものであり、前記消臭接着層を含む接着層中の前記消臭体の含有率が
、0.2質量%以上、30質量%以下である、消臭積層体。
2.シーラント層が、ヒートシール性熱可塑性樹脂と、前記消臭体とを含有し、
前記シーラント層中の前記消臭体の含有率が、0.2質量%以上、15質量%以下である、上記の消臭積層体。
3.化学吸着剤担持無機多孔体が、銅、亜鉛、銀、白金、鉄、コバルトなる群から選択される、1種または2種以上の元素を含有する、上記の消臭積層体。
4.無機臭気分解剤が、銅、亜鉛、銀、白金、鉄、コバルトなる群から選択される、1種または2種以上の元素を含有する、上記の消臭積層体。
5.消臭体は、前記疎水性ゼオライト、前記化学吸着剤担持無機多孔体、前記無機臭気分解剤なる群から選ばれる2種または3種を含有し、前記消臭接着層を含む接着層中の前記消臭体の合計の含有量が、0.2質量%以上、20質量%以下である、上記の消臭積層体。
6.消臭体は、前記疎水性ゼオライト、前記化学吸着剤担持無機多孔体、前記無機臭気分解剤なる群から選ばれる2種または3種を含有し、前記シーラント層中の前記消臭体の合計の含有量が、0.2質量%以上、10質量%以下である、上記の消臭積層体。
7.基材層が、紙材を含む、上記の消臭積層体。
8.さらに、中間層を含み、中間層は、金属箔、金属蒸着膜、金属酸化物蒸着膜、なる群から選ばれる、1種または2種以上の、ガスバリア層を含む、上記の消臭積層体。
9.さらに、中間層として、アルミニウム箔を含む、上記の消臭積層体。
10.さらに、中間層は、前記ガスバリア層上に、バリアコート樹脂層を含む、上記の消臭積層体。
11.上記の消臭積層体から作製された、消臭包装材料。
12.上記の消臭包装材料から作製された、消臭包装体。
13.上記の消臭包装材料から作製された、液体内容物用消臭包装体。
14.上記の消臭包装材料から作製された、酒類用消臭包装体。
<消臭積層体の層構成>
本発明の消臭積層体は、図1に示すように、少なくとも基材層、消臭接着層、シーラント層を含む。さらには、必要に応じて、中間層等の他の層を含むこともできる。
本発明における基材層は、熱可塑性樹脂、紙材等を含むことができるが、これらには限定されない。さらに基材層は、上記を含む層のそれぞれを、1層または2層以上含むこともできる。
また、基材層を構成する各層間には、接着性を向上させるために、接着剤層を設けたり、各層の表面に、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けたりすることができる。
或いは、表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の要件を満たす基材層用のフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、東洋紡株式会社製の二軸延伸PETフィルムE5100(厚さ12μm、片面コロナ処理)、二軸延伸PETフィルムE5200(厚さ12μm、両面コロナ処理)、ユニチカ株式会社製の二軸延伸ナイロンフィルムONBC(厚さ15μm、両面コロナ処理)が挙げられる。
基材層に用いられる熱可塑性樹脂は、フィルム状に成型されて用いられるもの、あるいは紙材等に塗布、含浸、コーティング等されて用いられるものであり、化学的または物理的強度に優れ、金属酸化物の蒸着膜を形成する条件に耐え、それら金属酸化物の蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
トリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂が挙げられる。
本発明において、基材層に用いられる熱可塑性樹脂は、公知公用の各種製膜法でフィルム化することができる。
または、紙材や樹脂フィルム上に、1種または2種以上の樹脂を、塗布及び乾燥してコーティングしたり、Tダイ法等によって溶融した樹脂を積層することもできる。
本発明の消臭積層体が液体内容物用紙容器を構成する場合、特に、液体内容物がアルコールを含有している場合には、紙材を該紙容器を構成する基本素材と用いることができる。
紙材としては、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができ、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙材、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙、その他等の各種の紙材を使用することができる。また、これらの紙を複数層重ねたものであってもよい。
本発明の消臭積層体における接着層は、消臭接着層を含むことができ、接着層は、消臭接着層のみからなる接着層、消臭接着層と非消臭接着層からなる接着層、非消臭接着層のみからなる接着層、の何れであってもよい。
本発明における消臭接着層は、接着剤と消臭体とを含有し、ドライラミネーション(DL)法により形成された層である。
接着層がドライラミネーション法で形成されることにより、消臭接着剤層中の消臭体の含有率を高くすることが容易であり、厚みが同一であっても、多量の消臭体が積層体内に含有され、消臭効果を高めることができる。
アンカーコート剤としては、例えば、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、酸変性ポリエチレン系、ポリブタジエン系等のアンカーコート剤を使用することができる。
消臭体と接着剤とを混練する方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。
可能である。
消臭接着層は、ドライラミネーション法によって形成される。
ドライラミネーションコートする際は、例えば、消臭接着層形成組成物を一方の層上に塗布し乾燥させて、もう一方の接着対象層を重ねて積層した後に、30~120℃で数時間~数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層することができる。
非消臭接着層は、接着剤は含有するが、消臭体を含まない接着層である。
本発明では、図2に示すように、非消臭接着層を併用して、各層間を接着することも可能である。
例えば、汎用のポリエチレンや、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物等が好適であるが、これらの樹脂に限定されない。
本発明において、消臭体は、消臭作用を奏する化合物であり、SiO2/Al2O3モル比が、30/1~8000/1の疎水性ゼオライト、化学吸着剤担持無機多孔体、無機臭気分解剤なる群から選ばれる、1種または2種以上を含む。
本発明において用いられる疎水性ゼオライトは、SiO2/Al2O3モル比が、30/1~8000/1であることが好ましい。ゼオライトは、一般的にSiO2/Al2O3モル比が高い程、疎水性が高くなる。
本発明において、化学吸着剤担持無機多孔体とは、無機多孔体に化学吸着剤を担持させたものであり、溶出性の有機物や、UV照射、γ線照射、EB照射や、ホットパック、ボイル等の殺菌・滅菌処理時に包装体から発生する臭気物質を吸着する機能を有するものである。
性も期待できる。
本発明において、無機多孔体としては、その表面に多数の細孔を有する任意の無機化合物を用いることができ、例えば、ゼオライト、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、活性炭、チタニア、燐酸カルシウム等の無機燐酸塩、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明において、化学吸着剤とは、溶出性の有機物や、殺菌・滅菌処理時に樹脂の分解等により発生する臭気物質と化学反応を起こして結合する反応性官能基を有し、且つ、上記無機多孔体上に担持され得る化合物である。
例えば、吸着対象物質が酸系臭気物質である場合は、図4(a)に示すように、化学吸着剤として、例えばヒドロキシル基を有する化合物を無機多孔体上に担持してなる化学吸着剤担持無機多孔体を用いることができる。これにより、カルボキシル基とヒドロキシル基とが化学反応を起こして結合し、吸着対象物質が吸着される。
また、吸着対象物質がアルデヒド類である場合は、図4(b)に示すように、化学吸着剤として、例えばアミノ基を有する化合物を無機多孔体上に担持してなる化学吸着剤担持無機多孔体を用いることができる。これにより、アルデヒド基とアミノ基とが化学反応を起こして結合し、吸着対象物質が吸着される。
本発明における前記無機臭気分解剤は、金属酸化物または金属塩を、無機物に混錬または担持させたものであり、好ましくは、少なくとも、酸化銅(II)と、酸化珪素と、酸化アルカリ金属とを含む無機臭気分解剤組成物から形成されたものである。
、金、鉄、コバルトなる群から選ばれる1種または2種以上の元素を含むことが好ましく、特に、銅、亜鉛、銀なる群から選ばれる1種または2種以上の元素を含むことが好ましい。それぞれの元素は、金属、金属酸化物、金属イオン、金属錯体等として無機臭気分解剤組成物に含有されることが好ましい。
がより好ましい。
本発明におけるシーラント層は、ヒートシール性熱可塑性樹脂を含有する。そして、好ましくは、消臭体を含有することができる。
ヒートシール性熱可塑性樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルメタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等の低溶出化されたもの及びそれらの樹脂の混合物が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。
ましい。
本発明におけるシーラント層中の非消臭シーラント層は、ヒートシール性熱可塑性樹脂を含有するが、消臭体を含有しないシーラント層である。
消臭シーラント層は、消臭体とヒートシール性熱可塑性樹脂とを含有するシーラント層である。
(消臭体のヒートシール性熱可塑性樹脂への分散方法)
消臭体とヒートシール性熱可塑性樹脂とを混練する方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。
消臭体を直接、ヒートシール性熱可塑性樹脂と混合して混練することも可能であり、或いは、消臭体を高濃度で熱可塑性樹脂と混合した後に溶融混練(メルトブレンド)してマスターバッチを作製し、これを、目標含有率に応じた比率でヒートシール性熱可塑性樹脂と混合、溶融混練する、いわゆるマスターバッチ方式によっても可能である。
マスターバッチ中の、化学吸着剤担持無機多孔体の含有率は、0.5質量%以上、40質量%以下が好ましく、1質量%以上、20質量%以下がより好ましい。
マスターバッチ中の、無機臭気分解剤の含有率は、0.5質量%以上、40質量%以下が好ましく、1質量%以上、20質量%以下がより好ましい。
本発明において、シーラント層中の各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
MFRが0.2g/分未満、又は50g/分超では加工適正の面で有効になり難い。
MFRが0.2g/10分未満、又は10g/10分超の場合は加工適正の面で劣る傾向にある。
本発明の消臭積層体は、図2に示すように、必要に応じて様々な機能を付与する為の中間層を含むことができる。
本発明の消臭包装材料は、本発明の消臭積層体から作製されるものであり、必要に応じて、公知の印刷層や他の層や他の積層体を公知の方法で積層して用いることができる。
本発明の消臭包装体は、例えば、本発明の消臭包装材料を製袋してなるものであり、ヒートシール性が良好な面が対向するように、包装材料を折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部を例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより作製することができる。
ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、
インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
本発明の消臭包装体は、液体内容物を充填するための液体内容物用消臭包装体として用いることができ、特に液体内容物が酒類である酒類用消臭包装体として用いることができる。
本発明において、液体内容物とは、飲料水、ジュース類、酒類、点滴用輸液、醤油やソース等の調味液体、つゆ、はちみつ、タレ、ドレッシング等の液体全般を指すものである。
更に、酒類とは、日本酒、焼酎、ビール、発泡酒、ワイン、洋酒等のエチルアルコールを含有する飲料や、みりん等の調味液体、更には低アルコール濃度またはノンアルコールの酒類風飲料等を指す。
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
[基材層]
・PETフィルム1:東洋紡(株)社製PETフィルム、エスペットT4102。厚さ12μm。
・板紙1:坪量380g/m2の紙基材。
[中間層]
・アルミニウム箔1:厚さ7μm。
・IB-PET-PIR:大日本印刷(株)社製。バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム。厚さ12μm。
[疎水性ゼオライト]
・ミズカシーブスEX-122:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL2O3モル比=32/1、平均粒子径=2.5~5.5μm。
・シルトンMT400:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL2O3モル比=400/1、平均粒子径=5~7μm。
・シルトンMT-8000:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL2O3モル比=8000/1、平均粒子径=0.8μm。
[化学吸着剤担持無機多孔体]
・ダッシュライトCZU1721:(株)シナネンゼオミック社製。酸化銅・酸化亜鉛複合化アルミノケイ酸、平均粒子径=3~5μm。
[無機臭気分解剤]
・無機臭気分解剤1:石塚硝子(株)社製。酸化銅混錬硝子、平均粒子径=3~4μm。[EC用接着剤]
・EMAA系接着剤1:三井・デュポンポリケミカル(株)社製、N0908C。
・ノバテックLC600A:日本ポリエチレン(株)社製。LDPE、密度=0.918g/cm3、MFR=7.0。
[ドライラミネート用接着剤]
・ポリエステル系接着剤1:ロックペイント(株)社製、アドロックRU004/H1。・ポリエーテル系接着剤1:ロックペイント(株)社製アドロックRU-3900/H-789。
[ヒートシール性熱可塑性樹脂]
・ウルトゼックス1520L:プライムポリマー(株)社製。LLDPE、密度=0.916g/cm3、MFR=2.3。
・ノバテックLC600A:日本ポリエチレン(株)社製。LDPE、密度=0.918g/cm3、MFR=7.0。
消臭接着層形成組成物は下記の様に調整して作製した。
ポリエステル系接着剤1にミズカシーブスEX-122を下記の割合で分散させ、消臭接着層形成組成物1を得た。
ポリエステル系接着剤1 70質量部
ミズカシーブスEX-122 30質量部
表1の配合に従って、消臭接着層形成組成物1と同様に、ドライラミネート用接着剤に消臭体を分散させ、消臭接着層形成組成物を得た。
消臭シーラント層用マスターバッチを下記のように調整した。
下記原料をメルトブレンドし、消臭シーラント層用マスターバッチ1(MB1)を得た。
ノバテックLC600A 90質量部
シルトンMT400 10質量部
表2の配合に従って、消臭シーラント層用マスターバッチ1と同様に、熱可塑性樹脂と消臭体をメルトブレンドし、消臭シーラント層用マスターバッチ2~4(MB2~4)を得た。
[消臭シーラント層組成物1の調整]
ウルトゼックス1520Lとマスターバッチ1(MB1)とマスターバッチ2(MB2)とを下記の割合でメルトブレンドし、消臭シーラント層組成物1を得た。
ウルトゼックス1520L 90質量部
MB1 5質量部
MB2 5質量部
表3の配合に従って、消臭シーラント層組成物1と同様に、ヒートシール性熱可塑性樹脂とマスターバッチとをメルトブレンドし、消臭シーラント層組成物2、3を得た。
基材層用のPETフィルム1と、中間層用のアルミニウム箔1とを、ポリエステル系接着剤1を乾燥塗布量3.5g/m2で用いて、ドライラミネート法積層し、下記構成の積層体前駆体を得た。
PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/アルミニウム箔1(7μm)
PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/アルミニウム箔(7μm)/消臭接着層(3.5g/m2)/非消臭シーラント層(40μm)
表5に記載に従って消臭接着層形成組成物を選択し、実施例1と同様に操作して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表5~7
に示す。
実施例1と同様に操作して、積層体前駆体を得た。
次に、非消臭シーラント層用にヒートシール性熱可塑性樹脂であるウルトゼックス1520Lを、消臭シーラント層用に消臭シーラント層用樹脂組成物1を用いて、160℃でインフレーション製膜により、下記構成のシーラントフィルムを作製した。
非消臭シーラント層1(10μm)/消臭シーラント層(20μm)/非消臭シーラント層3(10μm)
シーラントフィルムを、消臭シーラント層用に消臭シーラント層用樹脂組成物2を用いて作製した以外は、実施例1と同様に操作して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表6に示す。
基材層用の板紙1の片面に、ノバテックLC600Aをエクストルージョンコーティングにより20μm厚で積層した。
上記の板紙1のLC600Aが積層されていない面と、IB-PET-PIRのバリアコート樹脂層面とを対向させて、EMAA系接着剤1を乾燥塗布量3.5g/m2で用いて、ドライラミネート法により積層し、下記構成の積層体前駆体を得た。
ノバテックLC600A(20μm)/板紙1/N0908C(3.5g/m2)/IB-PET-PIR
非消臭シーラント層1(40μm)/非消臭シーラント層2(20μm)/非消臭シーラント層3(10μm)
実施例11と同様に操作して積層体前駆体を得た。
そして、表5に記載に従って消臭接着層形成組成物を選択し、実施例11と同様に操作して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表6、7に示す。
IB-PET-PIRの非バリアコート樹脂層面を基材層に対向させて接着した以外は、実施例11と同様に操作して積層体を得た。
次に、実施例11と同様に操作して、シーラントフィルムを得て、積層体前駆体と積層して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表7に示す。
IB-PET-PIRをアルミニウム箔1に変えた以外は、実施例11と同様に操作して積層体前駆体を得た。
次に、実施例11と同様に操作して、シーラントフィルムを得て、積層体前駆体と積層して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表7に示す。
消臭接着層形成組成物1をRU004/H1に変えて、消臭接着層は形成せず非消臭接着を形成した以外は、実施例1と同様に操作して、シーラントフィルムを得て、積層体前駆体と積層して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表7に示す。
消臭接着層形成組成物1の代わりに消臭接着層形成組成物11を用い、ウルトゼックス1520Lの代わりに消臭シーラント層組成物3を用いて消臭シーラント層からなるシーラントフィルムを作製した以外は、実施例1と同様に操作して、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表7に示す。
[接着層の接着性]
実施例及び比較例で得られた包装材料を15mm巾にカットし、剥離界面に対しT字型剥離となるようにして、引張試験機に装着して剥離強度を測定した。なお、単位は、〔N/15mm〕である。
(引張強度試験条件)
試験速度:50mm/分
荷重レンジ:20N
(合否判定基準)
○:3N/15mm以上であり、合格。
×:3N/15mm未満であり、不合格。
実施例及び比較例で得られた包装材料を10cm×10cmに切り分け、半分に折って重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP-701-A)を用いて、1cm×10cmの領域をヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態のサンプルを作製した。
(ヒートシール条件)
温度:160℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
(引張強度試験条件)
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
(合否判定基準)
○:30N/15mm以上であり、合格。
×:30N/15mm未満であり、不合格。
実施例及び比較例で得られた包装材料(11cm×15cm×2枚)をガスサンプリングバッグ(テドラーバック)で作製したパウチ(13cm×17cm)に入れ、下記の評価ガスをパウチ袋内に注射器で注入した評価パウチを各評価ガス毎に作製し、2日間25℃で放置した後に、各評価パウチ袋内の空気を注射器で採取して、ジメチルトリスルフィド、硫化水素、アセトアルデヒドの濃度をGC及び検知管で測定して、パウチ袋内のジメチルトリスルフィド、硫化水素、アセトアルデヒドの各々の濃度を測定した。
(評価ガス)
ジメチルトリスルフィド:35ppm
硫化水素:25ppm
アセトアルデヒド:30ppm
その他成分:空気
全ての実施例は、優れた接着層の接着性とシーラント層のシール強度と、優れた臭気濃度の減少を示した。
しかし、消臭接着層と消臭シーラント層を含まない比較例1は、シール強度は優れているものの、臭気濃度はほとんど減少しなかった。接着層とシーラント層に消臭体を多く含み過ぎる比較例2は、消臭効果は高かったが、接着層の接着性とシーラント層のヒートシール性に劣る結果を示した。
2 基材層
3 非消臭接着層
4 中間層
4a 蒸着膜支持層
4b 蒸着膜層
4c 金属箔層
5 消臭接着層(ドライラミネーション法)
6 シーラント層
6a 非消臭シーラント層
6b 消臭シーラント層
7 バリアコート樹脂層
20 化学吸着剤担持無機多孔体
Claims (12)
- 少なくとも、基材層、消臭接着層、シーラント層をこの順に有する消臭積層体であって、
前記消臭接着層は、接着剤と消臭体とを含有し、ドライラミネーション層であり、
前記シーラント層は、ヒートシール性熱可塑性樹脂と、消臭体とを含有し、
前記接着剤は、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリオレフィン系接着剤から選択される、ドライラミネーション用接着剤であり、
前記消臭体は、前記積層体が元から含有している臭気有機物と、殺菌・滅菌処理の際に積層体を構成する樹脂の分解等により発生する臭気と、包装袋充填体を作製した場合における内容物自体から生じる臭味成分を吸着または分解するためのものであって、
前記消臭体は、SiO 2 /Al 2 O 3 モル比が30/1~8000/1の疎水性ゼオライトと化学吸着剤担持無機多孔体と無機臭気分解剤とからなるか、または、化学吸着剤担持無機多孔体と無機臭気分解剤とからなるか、または、無機臭気分解剤からなり、
前記化学吸着剤担持無機多孔体は、銅、銀、コバルトからなる群から選択される、1種または2種以上の元素を含有し、
前記無機臭気分解剤は、金属酸化物または金属塩を、無機物に混錬したものであって、白金、コバルトからなる群から選択される、1種または2種の元素を含有し、
前記消臭接着層を含む接着層中の前記消臭体の合計の含有率が、0.2質量%以上、30質量%以下である、消臭積層体。 - 前記シーラント層が、ヒートシール性熱可塑性樹脂と、前記消臭体とを含有し、
前記シーラント層中の前記消臭体の含有率が、0.2質量%以上、15質量%以下である、
請求項1に記載の、消臭積層体。 - 前記消臭体は、前記化学吸着剤担持無機多孔体、前記無機臭気分解剤を含有し、
前記消臭接着層を含む接着層中の前記消臭体の合計の含有量が、0.2質量%以上、20質量%以下である、
請求項1または2に記載の、消臭積層体。 - 前記消臭体は、前記化学吸着剤担持無機多孔体、前記無機臭気分解剤なる群から選ばれる2種または3種を含有し、
前記シーラント層中の前記消臭体の合計の含有量が、0.2質量%以上、10質量%以下である、
請求項2または3に記載の、消臭積層体。 - 前記基材層が、紙材を含む、請求項1~4の何れか1項に記載の、消臭積層体。
- さらに、中間層を含み、
前記中間層は、金属箔、金属蒸着膜、金属酸化物蒸着膜、なる群から選ばれる、1種または2種以上の、ガスバリア層を含む、
請求項1~5の何れか1項に記載の、消臭積層体。 - さらに、中間層として、アルミニウム箔を含む、
請求項1~6の何れか1項に記載の、消臭積層体。 - さらに、前記中間層は、前記ガスバリア層上に、バリアコート樹脂層を含む、
請求項6に記載の、消臭積層体。 - 請求項1~8の何れか1項に記載の消臭積層体から作製された、消臭包装材料。
- 請求項9に記載の消臭包装材料から作製された、消臭包装体。
- 請求項9に記載の消臭包装材料から作製された、液体内容物用消臭包装体。
- 請求項9に記載の消臭包装材料から作製された、酒類用消臭包装体。
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