JP7255280B2 - 消臭積層体 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような包装材料は、臭気だけでなく、大気中の湿気をも吸着し、且つ、一度吸着した臭気を、脱離させてしまうという問題があるため、十分な臭気吸着効果が得られていない。
無機多孔体上に化学吸着剤を担持させてなる臭気吸着剤を含有した包装材料も知られているが(特許文献2)、主な吸着対象物は特定の官能基を有する臭気成分を吸着するのみであって、樹脂材料を選定しない状況では、官能基を有さない有機物の発生量を抑制できず、臭気成分を十分に吸着し得るものではない。
1.少なくとも、基材層とガスバリア層と臭気吸着接着剤層とシーラント層とを、この順で積層された構成を有する消臭積層体であり、
該臭気吸着接着剤層は、エクストリュージョンコート法によって形成される層であり、ポリオレフィン系樹脂と臭気吸着剤とを含有し、
該臭気吸着剤は、無機化学臭気吸着剤、および/または、SiO2/AL2O3モル比が30/1以上且つ10000/1以下の疎水性ゼオライトであり、
該シーラント層は、低溶出性ポリエチレンを含み、
該消臭積層体の溶出性TOCの含有量は1.5ppm以上、250ppm以下であるこ
とを特徴とする、消臭積層体。
2.前記ポリオレフィン系樹脂は、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、LDPEおよび/またはLLDPEであることを特徴とする、
上記1に記載の、消臭積層体。
3.前記臭気吸着接着剤層中の前記臭気吸着剤の含有量が、0.5質量%以上、15質量%であることを特徴とする、上記1または2に記載の、消臭積層体。
4.前記臭気吸着接着剤層が、エクストリュージョンコート法により、250℃以上、350℃以下で積層された層であることを特徴とする、
上記1~3の何れかに記載の、消臭積層体。
5.前記低溶出性ポリエチレンの密度が、0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下であることを特徴とする、
上記1~4の何れかに記載の、消臭積層体。
6.上記1~5の何れかに記載の消臭積層体から作製されたことを特徴とする、消臭包装材料。
7.上記6に記載の消臭包装材料から作製されたことを特徴とする、消臭包装体。
本発明の消臭積層体は、少なくとも、基材層とガスバリア層と臭気吸着接着剤層とシーラント層とを、この順で積層された構成を有する消臭積層体である。
基材層には、公知公用の、樹脂フィルムや紙材等を用いることができ、1層で構成されていてもよく、組成が同一または異なる2層以上を含む多層構成であってもよい。
また、基材層1を構成する各層間または他層との間には、接着性を向上させるために、接着剤層を設けたり、各層の表面に、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けたりすることができる。
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いたる酸化処理等の前処理を任意に施して、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を形成して設けることができる。
或いは、表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層と
することもできる。
基材層に用いられる樹脂フィルムには、熱可塑性樹脂をフィルム化したものを用いることができ、化学的または物理的強度に優れ、金属酸化物の蒸着膜を形成する条件に耐え、それら金属酸化物の蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明においては、樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリプロピレン(PP)が好ましい。
例えば、1種の樹脂を使用して、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて製膜する方法、2種以上の樹脂を使用して多層共押し出し製膜する方法、2種以上の樹脂を製膜する前に混合して上記製膜法で製膜する方法、等が挙げられる。さらに、テンター方式やチューブラマ方式等を利用して1軸または2軸方向に延伸したフィルムとすることができる。
本発明においては、樹脂フィルムとしては、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸PPフィルムまたはシートが好ましく用いられる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等を使用することができる。
ガスバリア層は、本発明の消臭積層体を用いて作製した消臭包装体において、消臭包装
体の外部から内部へ、更には内容物へと、水蒸気や酸素等が浸透して来るのを抑制する層であり、内容物の加水分解や酸化による臭気物質の生成や、水分による劣化を抑制することができる。
ガスバリア層には、ガスバリア性樹脂フィルム、金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルム、ガスバリア性樹脂塗膜からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
ガスバリア性樹脂フィルムとしては、公知公用のガスバリア性を有する樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ガスバリア性フィルムとしては、具体的には、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等の樹脂からなる樹脂フィルム、上述の基材フィルムの少なくともいずれか一方の面上にシリカ蒸着膜やアルミナ蒸着膜等の蒸着膜を設けた蒸着フィルム、アルミニウム箔等の金属箔を使用することができるが、これらに限定されない。
金属箔としてはアルミニウム箔が好ましく、金属蒸着層付き樹脂フィルムとしてはアルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムが好ましく、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムとしては酸化アルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムが好ましく、ガスバリア性樹脂塗膜としては、金属アルコキシドと水溶性高分子とから形成されたゾルゲル法加水分解重縮合物を含有する塗膜が好ましい。
あるいは、金属蒸着層付き樹脂フィルムまたは金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムの樹脂フィルムに、基材層用の樹脂フィルムを用いて、基材層への積層を省略することもできる。
臭気吸着接着剤層は、エクストリュージョンコート法によって形成された層であり、ポリオレフィン系樹脂と臭気吸着剤とを含有する層である。
臭気吸着接着剤層は、臭気吸着作用を奏する接着剤層であり、1層構成であってもよく、組成が同一または異なる2層以上であってもよい。
臭気吸着接着剤層中の臭気吸着剤の含有量は、0.5質量%以上、15質量%以下が好ましく、0.8質量%以上、15質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも少ないと消臭効果が発現し難く、上記範囲よりも多いと製膜性が悪化し易い。
本発明において、臭気吸着接着剤層の積層方法は、250℃以上、350℃以下のエクストリュージョンコート法で他の層上に積層する方法が好ましい。上記のエクストリュージョンコート法によって形成することで、高い接着性を得ることができる。
エクストルージョンコート法により積層する場合の、臭気吸着接着剤層に含まれる樹脂
成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2~50g/10分が好ましく、0.5~30g/10分がより好ましい。なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210に準拠した手法から測定された値である。
MFRが0.2g/10分未満、又は50g/10分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
臭気吸着剤は、臭気物質を吸着する作用を有する化合物である。臭気物質の由来は、内容物、積層体、外部の何れでもよい。
臭気吸着剤が含有される臭気吸着接着剤層が、エクストリュージョンコート法により、250℃以上、350℃以下で積層されることから、臭気吸着剤としては、この高温に耐えて、臭気吸着性能を劣化させ難いものが好ましく、有機化合物を含むものは耐熱性が低い為に好ましくなく、無機化合物のみからなるものが好ましい。
具体的には、SiO2/AL2O3モル比が30/1以上且つ10000/1以下の疎水性ゼオライト、および/または無機化学臭気吸着剤が好ましい。
本発明において、臭気吸着剤の平均粒子径は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、平均粒子径0.01μm~10μmのものが好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が0.01μmよりも小さい場合には臭気吸着剤の凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。また、平均粒子径が10μmよりも大きい場合には、臭気吸着剤を含む層の製膜性が劣る傾向になる為に、臭気吸着剤を多くは添加し難い傾向となり、更に表面積も減少する為に、十分な消臭効果が得られない可能性が生じる。
疎水性ゼオライトのSiO2/Al2O3モル比は、30/1~10000/1が好ましく、35/1~9000/1がより好ましく、40/1~8500/1がさらに好ましい。
一般的にゼオライトはSiO2/Al2O3モル比が高い程、疎水性が高くなる。そして、疎水性が高くなることによって、極性の高い水分子等を吸着し難くなり、逆に極性の低い臭気物質、疎水性ガス、親油性ガス(溶剤系ガスも含む)との親和性が高くなり、これらを吸着し易くなる。更に、ゼオライト表面に存在する、Ca、Na、K等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の効果によりゼオライト表面は塩基性を示し、酸性ガスは中和反応によって吸着され易くなる。
本発明においては、臭気物質の吸着性能と入手し易さのバランスから、上記範囲のモル比の疎水性ゼオライトが好ましく用いられる。
また、疎水性ゼオライトは耐熱性が高く、230℃以上の高温に晒されても、臭気物質の吸着効果を維持することができる。
無機化学臭気吸着剤は、ゼオライト以外の無機系化合物からなる吸着剤である。
具体的には、銅、亜鉛、銀、白金、金、鉄、コバルトからなる群から選ばれる1種または2種以上の元素の、酸化物および/または塩が好ましい。金属酸化物としては、例えば、CuO、Cu2O、ZnO、Ag2O、PtO2、Au2O3、FeO、Fe3O4、Fe2O3、CoO、Co2O3、Co3O4等、及び各種酸化金属を含んだアルミノケイ酸、が挙げられる。これらの中で、酸化銅・酸化亜鉛複合化アルミノケイ酸が好ましく用いられる。
臭気吸着接着剤層に含有されるポリオレフィン系樹脂は、臭気吸着剤の分散性と接着性に優れたものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルメタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等の低溶出化されたもの及びそれらの樹脂の混合物が挙げられる。
上記の中でも、ポリエチレン系の樹脂が好ましく、ポリエチレン系の樹脂の中でも、LDPEおよび/またはLLDPEがより好ましく、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、LDPEおよび/またはLLDPEが更に好ましい。
本発明におけるシーラント層は、ヒートシール性を有する層であり、ヒートシール性の樹脂を含有する。そして、シーラント層は、必要に応じて、さらに、滑剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、その他の添加剤を含むこともできる。
ヒートシール性の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルメタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等の低溶出化されたもの及びそれらの樹脂の混合物が挙げられる。
また、内容物の臭味変化を抑える為には、消臭積層体の溶出性TOCの含有量は1.5ppm以上、250ppm以下であることが好ましい。
その為には、内容物に接するシーラント層に含有されるポリオレフィン系樹脂は、溶出性TOCの含有量が少ないものが好ましい。
具体的には、シーラント層は、ポリオレフィン系樹脂として、低溶出性ポリエチレンを含むことが好ましい。そして、低溶出性ポリエチレンの密度は、0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下であることが好ましい。
本発明において、シーラント層またはシーラント層を構成する各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
シーラント層は、押出しまたは共押出しで、他の層上に、エクストルージョンコート法で積層したり、インフレーション法やキャスト法により製膜後に接着層を介して積層したりすることもできる。エクストルージョンコート法の場合でも、必要に応じて接着層を介して、積層してもよい。
または、予め製膜されたシーラント層のフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着層を介して積層、接着してもよい。
本発明の消臭包装材料は、本発明の消臭積層体から作製された包装材料である。
消臭包装材料は、必要に応じて、消臭積層体に各種の機能層を追加して含むこともでき
る。
本発明の消臭包装体は、本発明の消臭包装材料から作製された包装体である。
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
[低溶出性ポリエチレン及び汎用ポリエチレン]
・PETフィルム1:エスペットT4102、膜厚:12μm、東レフィルム加工社。
[疎水性ゼオライト]
・ミズカシーブスEX-122:水澤化学工業(株)製。SiO2/AL2O3モル比=32/1、平均粒子径=2.5~5.5μm。
・シルトンMT400:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL2O3モル比=400/1、平均粒子径=5~7μm。
・シルトンMT2000:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL2O3モル比=2000/1、平均粒子径=2~4μm。
・シルトンMT-8000:水澤化学工業(株)製。SiO2/AL2O3モル比=8000/1、平均粒子径=0.8μm。
[無機化学臭気吸着剤]
・ダッシュライトCZU=(株)シナネンゼオミック製。酸化銅・酸化亜鉛複合化アルミノケイ酸、平均粒子径=3~5μm。
・AC剤1:三井化学ポリウレタン(株)製、アンカーコート剤A3210/A3075、希釈溶媒は酢酸エチル。
・アルミニウム箔1:7μm厚
・ミズカシーブス5AP:水澤化学工業(株)製、親水性ゼオライト。
・ケスモンNS-241:東亞合成(株)社製、有機化学臭気吸着剤担持無機多孔体、アミノ基含有。平均粒子径3.5μm。
[マスターバッチ1の調製]
LDPEであるノバテックLC600Aと、疎水性ゼオライトであるミズカシーブスEX-122とを下記割合でメルトブレンドし、マスターバッチ1(MB1)を得た。
ノバテックLC600A 90質量部
ミズカシーブスEX-122 10質量部
表2の配合に従って、マスターバッチ1と同様に、メルトブレンドし、マスターバッチ2~10(MB2~10)を得た。
(シーラント層用フィルムの作製)
低溶出性LLDPEであるウルトゼックス1520Lを用いて、160℃でインフレーション製膜によって50μm厚のシーラント層用フィルムを得た。
(臭気吸着接着剤層用の樹脂組成物の作製)
上記で得たマスターバッチ1と汎用LDPEであるノバテックLC520とを下記の割合でドライブレンドして、臭気吸着接着剤層樹脂組成物を得た。
マスターバッチ1 30質量部
ノバテックLC520 70質量部
PETフィルム1の積層面にAC剤1を、乾燥後の塗布量が0.3g/m2になるように塗布および乾燥して、AC層を形成した。
上記のPETフィルム1のAC層側面にLC600AをEC(エクストリュージョンコーティング、押出温度:280℃)法で押出し、アルミニウム箔1を積層してロールで加圧して積層し、積層体前駆体を得た。
上記で得た積層体前駆体のアルミニウム箔面に、上記で得た臭気吸着接着剤層用樹脂組成物をEC(エクストリュージョンコーティング、押出温度:280℃)法で押出し、上記で得たシーラント層用フィルムを積層してロールで加圧して積層し、下記の層構成を有する臭気吸着積層体を得た。
基材層(12μm)/AC層(0.3g/m2)/接着剤層(15μm)/アルミニウム箔(7μm)/AC層(0.3g/m2)/臭気吸着接着剤層(15μm)/シーラント層(50μm)
次いで、得られた消臭積層体について、各種評価を行った。
シーラント層の構成を、表4~6の記載の内容に変更した以外は、実施例1と同様に操作して、消臭積層体または積層体を得て、同様に評価した。
本願発明の実施例の消臭積層体及びそれから作製した包装袋は、良好な製膜性、製袋性、ヒートシール性、消臭効果を示した。
一方、比較例の、本願発明に該当しない積層体及びそれから作製した包装袋は、不十分な製膜性、製袋性、ヒートシール性、または不十分な消臭効果を示した。
[製袋性]
○:包装袋が容易に作製できた。
×:包装袋が容易に作製できず、未融着部分や皺が多数生じた。
積層体を10cm×10cmに切り分け、シーラント層面を重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP-701-A)を用いて、1cm×10cmの領域をヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態のサンプルを作製した。
このサンプルを、15mm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して引張強度(N/15mm)を測定して、合否判定した。
(ヒートシール条件)
温度:160℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
(引張強度試験条件)
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
(合否判定基準)
○:20N/15mm以上であり、合格。
×:20N/15mm未満であり、不合格。
積層体を20×20cmにカットし、各臭気ガス1000mlをガスサンプリングバッ
ク(IB-PET-PIR12μm/接着層/ONy15μm/接着層/LLDPEフィルム60μm)に入れ、2日放置後の臭気変化を官能評価により測定した。臭気成分としては、アセトアルデヒドを200ppm、酢酸を30ppmとなる様に調整した。
臭気官能評価の評価基準は以下のとおりである
・1=初期と変化無く臭い
・2=初期から多少臭いが緩和された
・3=初期と比較して大幅に臭いが緩和された
・4=全く臭いがしない
樹脂フィルムまたは実施例及び比較例で作製した積層体を用いて、パウチ袋(15cm×44cm)の包装体を作製した。パウチ袋の内面には予めUV照射殺菌処理を施した。
そして、得られた包装体に、65℃の水(高速液体クロマトグラフィー用蒸留水、純正化学)1000gを充填して包装体液体充填物を作製し、35℃、2週間保管後に、(株)島津製作所社製TOC-L全有機体炭素計により充填水のTOC濃度を測定した。
次いで、充填前の水についても同様にTOC濃度を測定した。
各包装体におけるTOC増加濃度を下記式から求めた。
TOC増加濃度=保管後の充填水TOC濃度-充填前の水のTOC濃度
充填前の水のTOC濃度:0.02ppm
UV照射殺菌処理条件
UV波長:253.7nm
照射時間:10秒
温度:25℃
2 基材層
3 ガスバリア層
4 臭気吸着接着剤層
5 シーラント層
Claims (7)
- 少なくとも、基材層とガスバリア層と臭気吸着接着剤層とシーラント層とを、この順で積層された構成を有する消臭積層体であり、
該臭気吸着接着剤層は、エクストリュージョンコート法によって形成される層であり、ポリオレフィン系樹脂と臭気吸着剤とを含有し、
該臭気吸着剤は、無機化学臭気吸着剤、および/または、SiO2/AL2O3モル比が30/1以上且つ10000/1以下の疎水性ゼオライトであり、
該シーラント層は、低溶出性ポリエチレンを含み、
該消臭積層体を用いて作成したパウチ袋を、以下に示す測定方法(1)により測定した際の充填水TOC増加濃度が、0.04~0.55ppmであることを特徴とする、消臭積層体。
測定方法(1)
積層体を用いてパウチ袋(15cm×44cm)の包装体を作製し、パウチ袋の内面には予めUV照射殺菌処理を施す。得られた包装体に、65℃の水(高速液体クロマトグラフィー用蒸留水)1000gを充填して包装体液体充填物を作製し、35℃、2週間保管後に、TOC-L全有機体炭素計により充填水のTOC濃度を測定する。
次いで、充填前の水についても同様にTOC濃度を測定し、包装体におけるTOC増加濃度を下記式から求める。
TOC増加濃度=保管後の充填水TOC濃度-充填前の水のTOC濃度
充填前の水のTOC濃度:0.02ppm、
UV照射殺菌処理条件
UV波長:253.7nm、照射時間:10秒、温度:25℃ - 前記ポリオレフィン系樹脂は、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、LDPEおよび/またはLLDPEであることを特徴とする、
請求項1に記載の、消臭積層体。 - 前記臭気吸着接着剤層中の前記臭気吸着剤の含有量が、0.5質量%以上、15質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の、消臭積層体。
- 前記臭気吸着接着剤層が、エクストリュージョンコート法により、250℃以上、350℃以下で積層された層であることを特徴とする、
請求項1~3の何れか1項に記載の、消臭積層体。 - 前記低溶出性ポリエチレンの密度が、0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下であることを特徴とする、
請求項1~4の何れか1項に記載の、消臭積層体。 - 請求項1~5の何れか1項に記載の消臭積層体から作製されたことを特徴とする、消臭包装材料。
- 請求項6に記載の消臭包装材料から作製されたことを特徴とする、消臭包装体。
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