JP2022001357A - エチレンガス吸着剤 - Google Patents

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【課題】エチレンガスを除去し、鮮度を特に必要とする野菜、果実、生花などの変質若しくは腐敗または変敗などを防止して長期間保存できるようにする、エチレンガス吸着剤を提供する。【解決手段】少なくともエチレンガスを吸収するエチレンガス吸着剤1であって、エチレンガス吸着剤1は、多孔性金属錯体、または金属担持無機多孔体を含む。前記金属は、亜鉛、銅、銀からなる群から選ばれる1種以上を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、エチレンガス吸着剤に関する。
野菜、果実、生花等の生鮮品の流通過程において、その鮮度を保持する必要性、更には店頭や消費者側での保存期間の延長等の要請等から、生鮮品を長期に生鮮な状態に保つ技術が求められている。その鮮度が失われる原因として、果物や生花から発生する代謝ガス、特にエチレンガスによる成熟や老化の促進である。したがって鮮度保持の最大の問題は一定期間エチレンガスの発生抑制あるいはエチレン発生したガスの除去をすることである。
生鮮品の運搬、貯蔵において鮮度を保持させるために各種の方法が利用されている。それらのうち、野菜、果実、生花等の生鮮品の鮮度保持方法の一つとして、ゼオライト等の無機系多孔質粒子よりなるエチレンガス吸着剤を構成樹脂に練り込んでフィルム化したエチレンガス吸着フィルムが知られている。これは、微小な多数の孔を有する無機系多孔質粒子がガスを吸着するという特徴を利用して、生鮮品の代謝活動の結果発生する植物老化ホルモンと言われるエチレンガスを吸着する作用をフィルムに持たせることにより、生鮮品の成熟や老化を抑制しようとするものである。
例えば、特許文献1には、プラスチック等のシートの表面にエチレンガスを吸着させるための多孔質材料であるゼオライトの粉末を付着したエチレンガス吸着シートが提案されている。
しかしながら、特許文献1には、エチレンガス吸着剤として、ゼオライト等の多孔質材料に金属担持された金属担持無機多孔体、および金属イオンと前記金属イオンと結合可能な有機配位子によって多孔質構造を構成している多孔性金属錯体(Metal Organic Framework;MOF)を用いたエチレンガス吸着シートについては、記載されていない。
特開平10−337802号公報
従って本発明の課題は、エチレンガスを除去し、鮮度を特に必要とする野菜、果実、生花などの変質若しくは腐敗または変敗などを防止して、長期間保存できるエチレンガス吸着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のエチレンガス吸着剤を含有するエチレンガス吸着剤が、上記の目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のエチレンガス吸着剤は、少なくともエチレンガスを吸収するものであって、多孔性金属錯体、または金属担持無機多孔体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、エチレンガスを除去し、鮮度を特に必要とする野菜、果実、生花などの変質若しくは腐敗または変敗などを防止して、長期間保存できるエチレンガス吸着剤を提供する。
本発明のエチレンガス吸着剤を含むフィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸剤を含むフィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。
本発明のエチレンガス吸着剤について、以下に具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、図1、図2は本発明のエチレンガス吸着剤を含むフィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。このエチレンガス吸着剤を含むフィルム10(以下、エチレンガス吸着フィルムという)は、図1に示すように、フィルム形成材料の熱可塑性樹脂2中に混在、分散されて構成されている。
また、エチレンガス吸着フィルム10の変形例は、図2に示すように、エチレンガスを吸収するエチレンガス吸着剤1をバインダー層3を介して、基材層4の表面に付着するように構成されている。
次に、本発明のエチレンガス吸着フィルムに含まれるエチレンガス吸着剤1は、少なくとも、野菜、果実、生花等の生鮮品から発生するエチレンガスを吸着するものである。
上記のエチレンガス吸着剤は、多孔性金属錯体、または金属担持無機多孔体を含むことが好ましい。
上記の多孔性金属錯体は、金属イオンと、架橋配位子を有する化合物とからなる多孔性材料である。したがって、多孔性金属錯体は細孔を有しており、細孔内にはエチレンガスを収容することができる。
本実施形態における多孔性金属錯体が有する細孔のサイズは特に限定されないが、例えば0.1nm〜10nmであるのが好ましい。
構成する金属イオンとしては、例えば、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、アルミニウム、ジルコニウム等のイオンが好ましく、エチレンガスの吸着性、環境面から、銅、亜鉛がより好ましい。
一方、架橋配位子としては、例えば、2−メチルイミダゾール、テレフタル酸、トリメシン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、もしくは、それらにアミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基等の官能基がついている化合物等が挙げられる。
具体的な多孔性金属錯体としては、例えば、亜鉛イオンと2−メチルイミダゾールから構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite(登録商標)Z1200)、アルミニウムイオンとテレフタル酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite(登録商標)A100)、銅イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite(登録商標)C300)、鉄イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体(BASF社製Basolite(登録商標)F300)等を用いることができる。
金属担持無機多孔体は、金属元素を金属、金属イオン、金属酸化物の状態で担持した無機多孔体である。金属担持無機多孔体は、金属担持無機多孔体中の金属成分がイオン化して、エチレンガスの吸着反応を促進する触媒作用を発揮することができる。
担持される金属種としては、銅、亜鉛、銀、白金、鉄、コバルトなる群から選択される1種または2種以上を含有することが好ましく、エチレンガスの吸着性、環境面から、銅、亜鉛がより好ましい。
上記の無機多孔体は、表面上に多数の微細孔を有し、この表面上に金属化合物を備えた多孔材であって、金属化合物は、微細孔を塞ぐことなく、表面上に分散した状態で担持されていることが好ましい。
ここで、上記の無機多孔材とは、表面に多数の微細孔を有する基材をいい、例えば、ゼオライト、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、活性炭、チタニア、燐酸カルシウム等の無機燐酸塩、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を使用することができる。また、これらのうち少なくとも1種以上を組み合わせてもよい。
このような多孔材としては、特に、エチレンガスの分子サイズに対して有効な孔サイズの多孔状態を有する点や安全面の観点から、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイ酸塩を適用することが好ましい。
また、無機多孔材の外形形状は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、金属化合物を担持して金属担持無機多孔体とした後で、上記製膜性や均一な分散や混練特性等の観点から、粉体状が好ましい。
無機多孔体は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、上記、金属担持無機多孔体の平均粒子径を達成するために、平均粒子径1μm〜100μmのものが好ましく、より好ましくは、5μm〜50μmのである。平均粒子径が上記範囲よりも小さい場合には、金属担持無機多孔体の凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。一方、平均粒子径が上記範囲よりも大きい場合には上記製膜性が劣るために、金属担持無機多孔体を多くは含有し難い傾向となり、十分なエチレンガスの吸着効果が得られないおそれがある。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
具体的な金属担持無機多孔体としては、例えば、酸化銅、酸化亜鉛担持無機多孔体(シナネンゼオミック社製ダッシュライト(登録商標)CZU)等を用いることができる。
エチレンガス吸着フィルムに含有される熱可塑性樹脂2としては、エチレンガス吸着剤の分散性やヒートシール性、さらには他のヒートシール性の樹脂との混合を考慮すると、ポリオレフィン系樹脂を含有することが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
上記のポリオレフィン系樹脂の中でも、ポリエチレン系の樹脂が好ましく、ポリエチレン系の樹脂の中でも、LDPE、LLDPE、汎用PE、PE系共重合体等がより好ましい。
本実施形態のエチレンガス吸着フィルムは、必要に応じて、ヒートシール性樹脂をさらに含有することによってヒートシール性、製袋性を付与することができる。また、エチレンガス吸着フィルムは、フィルムの剛性を補強する為に、片面に支持層を有することもできる。
エチレンガス吸着フィルムに含有されるヒートシール性樹脂としては、熱によって溶融して融着し得るものであれば、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体、オレフィンとビニル化合物との共重合体、オレフィンと各種(メタ)アクリル化合物との共重合体、オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体、アイオノマー樹脂、オレフィンと各種(メタ)アクリル化合物と各種不飽和カルボン酸との三元共重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記の中でも、ヒートシール性という点では、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体が好ましく、オレフィン系共重合体がより好ましい。
上記のエチレンガス吸着フィルムの厚みは30μm以上、150μm以下であるのが好ましく、より好ましくは30μm以上、100μm以下である。エチレンガス吸着フィルムの厚みが薄すぎると多孔性金属錯体、金属担持無機多孔体の含有量を増加させ難く、充分な鮮度保持効果を発揮できず、ヒートシール性が不十分になるおそれがある。一方、厚すぎると、剛性が強すぎて、包装材料や包装資材としての使い勝手が悪くなるおそれがある。
エチレンガス吸着フィルムに含有される支持層としては、エチレンガス吸着フィルムの剛性を補うものであれば、特に限定されない。支持層は、エチレンガス吸着フィルムの外面層に配置され、エチレンガス吸着フィルムを巻いたり重ねたりした際に、ブロッキングを防ぐために、粘着性が無いことが好ましい。上記の中でも、支持層に含有される樹脂としては、例えば、LDPEやLLDPEが好ましい。
支持層の厚みに特に制限は無いが、1μm以上、50μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いと剛性を補強する効果を発揮し難く、上記範囲よりも厚いと剛性が強すぎて、包装材料や包装資材としての使い勝手が悪くなり易い。支持層は、ヒートシール性樹脂を含有することができる。
また、エチレンガス吸着剤を基材に付着させるため基材層4としては、剛性を有するフィルムであれば特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン系フィルム、紙、ポリアミド系フィルム、ポリエステルフィルムを用いることができる。基材層4の厚みは、特に制限はないが、30μm以上、100μm以下が好ましい。
なお、エチレンガス吸着フィルムのガスバリア性を高めたい場合には、シリカ蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム箔を用いることが好ましく、上記樹脂フィルムの少なくとも片面上にシリカ蒸着膜や酸化アルミニウム蒸着膜等を形成して作製することができる。
エチレンガス吸着フィルムは、エチレンガス吸着剤をフィルムに付着させるために基材となるフィルムの片面にバインダー層3を更に形成することができる。バインダー層3としては、常温硬化型、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型の接着剤または塗料、粘着剤、ホットメルト接着剤または塗料等が挙げられるが、これらに限定されない。
バインダー層3の厚みは、特に制限はないが、1μm以上、10μm以下が好ましい。上記範囲より薄いとエチレンガス吸着剤をフィルムに担持しにくく、上記より厚くても粘着性は向上しない。
バインダー層3のうち、粘着層を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、EVA、NBRゴム、SBRゴム等の粘着性を有するグレードが好ましく、ポリオレフィン系樹脂の粘着性を有するグレードがより好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンの粘着性を有するグレードがさらに好ましい。
上記の粘着性を有する直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.88g/cm3以上、0.915g/cm3以下であることが好ましい。密度が上記範囲よりも小さいと、粘着性が強すぎたり、軟化点が低すぎて、層構造を維持することが困難になり易い。密度が上記範囲よりも大きいと、充分な粘着性を発揮することが困難になり易い。
また、エチレンガス吸着フィルムは、予め作製された各層を接着層を介して積層してもよく、予め作製された層上に溶融した樹脂組成物を押出によって積層してもよく、複数層を同時に作製しながら溶融圧着によって積層してもよく、他の層上に、1種または2種以上の樹脂を、塗布及び乾燥してコーティングしてもよい。
また、エチレンガス吸着フィルムを構成する各層間には、接着性を向上させるために、各層の表面に、必要に応じて、予め、所望の表面処理を施すことができる。
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いたる酸化処理等の前処理を任意に施して、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を形成して設けることができる。また、各層の表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
なお、エチレンガス吸着フィルムは、臭気吸着性積層体の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々の改質用樹脂やプラスチック配合剤や添加剤等を含有することができる。この場合、これら添加剤を基材層に、極微量〜数10質量%まで、その目的に応じて任意に含有させればよい。本実施形態においては、一般的な添加剤としては、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸着剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤等を任意に含有させることができる。
次に、エチレンガス吸着剤を含むフィルムを製造する方法について説明する。
次に、エチレンガス吸着フィルムは、特に限定されないが、例えば、表面に接着剤をコーティングした基材層4の表面にエチレンガス吸着剤の粉末を万遍無く散布接着することで製造することができる。
基材層4が、熱可塑性基材の場合、フィルムを形成する樹脂を押し出し成形した直後にエチレンガス吸着剤の粉末を散布してもよいし、または、−旦成形した後に再び加熱してから散布してもよい。その後はそのまま放置してもよいし、必要に応じて熱圧着もしくは熱風炉等で加熱してもよい。
次に、本実施形態のエチレンガス吸着フィルムの製造方法の変形例を説明する。例えば、エチレンガス吸着剤を他のエチレンガス吸着フィルムの構成成分と直接に混合して溶融混練してもよいが、エチレンガス吸着剤を高濃度で熱可塑性樹脂と混合した後に溶融混練してマスターバッチを作製しておき、これを、目標含有率に応じた比率で他のエチレンガス吸着フィルムの構成成分と混合して溶融混練する、いわゆるマスターバッチ方式によって、エチレンガス吸着剤のエチレンガス吸着フィルムを製造することができる。マスターバッチ方式を採用することで、凝集が発生し易いエチレンガス吸着剤を用いた場合であっても、エチレンガス吸着剤をエチレンガス吸着フィルム中に、効率的且つ均質に分散させることができる。
上記のマスターバッチ中の、エチレンガス吸着剤の含有量は、5質量%〜50質量%であるのが好ましく、7質量%〜40質量%であるのがより好ましい。この範囲の含有量であれば、エチレンガス吸着剤との溶融混錬が容易であり、エチレンガス吸着フィルム中にエチレンガス吸着剤を分散させ易く、エチレンガス吸着フィルムにエチレンガス吸着剤を十分に担持させることができる。
また、エチレンガス吸着フィルムは、例えば、(共)押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等従来から使用されている製膜化法により行うことができる。
また、エチレンガス吸着フィルムの各層は、無延伸でもよいが、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等による1軸ないし2軸方向への延伸によって、強度、寸法安定性、耐熱性を向上して用いることもできる。
本実施形態のエチレンガス吸着フィルムを用いた包装袋の作製方法について、以下に説明する。
まず、エチレンガス吸着剤を含有するシーラント層が対向するように、エチレンガス吸着フィルムを折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部をヒートシールすることにより作製することができる。
包装袋の形態としては、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等が挙げられる。
ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
なお、本発明のエチレンガス吸着剤およびエチレンガス吸着フィルムは、食品のみでなく、エチレンガス吸収能を要求されるすべての包装対象に適用できる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[エチレンガス吸着剤(試験体)]
・金属担持無機多孔体1:(株)シナネンゼオミック社製、ダッシュライトCZU、CuO、ZnO担持ゼオライト
・金属担持無機多孔体2、シナネンゼオミック社製、ゼオミックAg10D、銀担持ゼオライト
・金属担持無機多孔体3、シナネンゼオミック社製、ゼオミック4Ag1MH、銀担持ゼオライト
・多孔性金属錯体1:BASF社製、BasoliteC300、銅イオンとトリメシン酸から構成される多孔性金属錯体
・無機多孔体1:水澤化学工業株式会社製、ミズカシーブスY−420、疎水性ゼオライト、SiO2/Al23モル比=3.8/1
・無機多孔体2:水澤化学工業株式会社製、シルトンMT−100、疎水性ゼオライト、SiO2/Al23モル比=100/1
・無機多孔体3:水澤化学工業株式会社製、シルトンMT−400、疎水性ゼオライト、SiO2/Al23モル比=400/1
・無機多孔体4:水澤化学工業株式会社製、シルトンMT−2000、SiO2/Al23モル比=2000/1
実施例1
金属担持無機多孔体1の粉末(平均粒子径3μm〜5μm)1.0gを用いた。
実施例2
金属担持無機多孔体2の粉末(平均粒子径3μm〜5μm)1.0gを用いた。
実施例3
金属担持無機多孔体3の粉末(平均粒子径3μm〜5μm)1.0gを用いた。
実施例4
多孔性金属錯体1の粉末(平均粒子径1μm〜10μm)1.0gを用いた。
比較例1
試験体を用いなかった。
比較例2
無機多孔体1の粉末(平均粒子径5μm)1.0gを用いた。
比較例3
無機多孔体2の粉末(平均粒子径3μm〜4.5μm)1.0gを用いた。
比較例4
無機多孔体3の粉末(平均粒子径5μm〜7μm)1.0gを用いた。
比較例5
無機多孔体4の粉末(平均粒子径2μm〜4μm)1.0gを用いた。
[エチレンガス吸着試験]
各試験体の粉末をガスサンプリングバック(ジーエルサイエンス(株)社、SMART BAG PA AKK−10、パウチ100mm×160mm)に入れ、さらに、上記ガスサンプリングバック内に、エチレンガス、50ppmを160ml充填し、密封した。そして、エチレンガスで充満させた常温環境下で5日間静置し、これを飽和状態にした。しかる後、エチレンガス成分の濃度を測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 2022001357
表1に示されるように、実施例1および2はエチレンガスの残存濃度は低下しており、エチレンガスの除去性能が高いことがわかった。これに対し、比較例1乃至5は、エチレンガスの残存濃度は殆ど低下しておらず、エチレンガスの除去性能が低いことがわかった。
1 エチレンガス吸着剤
2 熱可塑性樹脂
3 バインダー層
4 基材層
10 エチレンガス吸着フィルム

Claims (2)

  1. 少なくともエチレンガスを吸収するエチレンガス吸着剤であって、
    前記エチレンガス吸着剤は、多孔性金属錯体、または金属担持無機多孔体を含むことを特徴とするエチレンガス吸着剤。
  2. 前記金属は、亜鉛、銅、銀からなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載のエチレンガス吸着剤。
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