JP2023072878A - エチレンガス吸収性積層体保管形態物およびエチレンガス吸収性積層体 - Google Patents

エチレンガス吸収性積層体保管形態物およびエチレンガス吸収性積層体 Download PDF

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良彦 鈴木
Yoshihiko Suzuki
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Tomohiro Yonemoto
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Abstract

【課題】優れたエチレンガス吸収性を有し、青果物及び花卉等の生長や熟成を抑制して鮮度を保持することができる、エチレンガス吸収性積層体用のシート状のエチレンガス吸収性積層体保管形態物、積層体、及び積層体から作製された、青果物、花卉の生長や熟成を抑制する為のエチレンガス吸収性シート、および吸収性シート添付体を提供する。【解決手段】第1のエチレンガスバリア層4、エチレンガス吸収層2、第2のエチレンガスバリア層4を、この順で有するエチレンガス吸収性積層体保管形態物5であって、第1および第2のバリア層の少なくとも一方は、易剥離性を有し、エチレンガス吸収層は、粉体の吸収剤とバインダー樹脂とを含有し、エチレンガス吸収層中の吸収剤の分布量は、5~50g/m2であり、吸収剤の1次粒子の体積基準の粒度分布は、平均粒子径が0.1~30μmであり、D90-D10が、150μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、優れたエチレンガス吸収性を有し、果物や野菜等の青果物及び花卉の生長や熟成を抑制する為の、エチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体、エチレンガス吸収性シート、エチレンガス吸収性シート添付体に関する。
果物や野菜等の青果物、花卉の鮮度を保持する方法としては、従来は、これらの呼吸を適度に抑制する包装袋を用いる方法が知られている。
例えば、特許文献1には、包装袋内部の空気のO2、CO2、N2の濃度比を特定範囲に調整したガスで充填して青果物を収容し、外部との空気の出入りを遮断した保存方法が開示されている。しかしながら、この方法では、外部との空気の出入りが遮断されているために、収容されている青果物の呼吸によって、時間経過とともに包装袋内部の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が高くなってしまい、青果物が劣化して異臭が発生し易い等の問題があった。
特許文献2には、酸素透過量が特定範囲である樹脂フィルムから構成された包装袋を用いて、包装袋内部にO2、CO2、N2の濃度比を特定範囲に調整した空気を充填する保存方法が開示されている。しかしながら、青果物の劣化進行を抑制する効果は十分ではなかった。
特開2011-00080号公報 特開2020-79091号公報
本発明は、上記の問題点を解決して、優れたエチレンガス吸収性を有することによって、果物や野菜等の青果物及び花卉等の生長や熟成を抑制して鮮度を保持することができる、エチレンガス吸収性積層体保管形態物及びエチレンガス吸収性積層体、さらには、該エチレンガス吸収性積層体から作製された、エチレンガス吸収性シート及びエチレンガス吸収性シート添付体を提供することを課題とする。
本発明者は、種々研究の結果、不織布中に粉体のエチレンガス吸収剤と粉体の結着性樹脂、および/またはこれらの結着体を含有してなる、エチレンガス吸収性積層体を作製する為のシート状の中間体が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.第1のエチレンガスバリア層、エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、この順で隣接した層構成を有するエチレンガス吸収性積層体保管形態物であって
第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層の少なくとも一方は、易剥離性を有し、
該エチレンガス吸収層は、粉体のエチレンガス吸収剤とバインダー樹脂とを含有し、
該エチレンガス吸収層中の該エチレンガス吸収剤の分布量は、5g/m2以上、50g/m2以下であり、
該エチレンガス吸収剤の1次粒子の体積基準の粒度分布は、
平均粒子径が0.1μm以上、30μm以下であり、
D90-D10が、150μm以下である
ことを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物。
2.前記エチレンガス吸収層は、第1のエチレンガス吸収層、第1のヒートシール層、第2のヒートシール層、第2のエチレンガス吸収層を、この順で有し、
第1のヒートシール層及び第2のヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有する
ことを特徴とする、上記1に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
3.前記バインダー樹脂は、エチレンガス透過度が、0.7cc/(m2・day・atm)以上であることを特徴とする、上記1または2に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
4.前記バインダー樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含有することを特徴とする、上記1~3の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
5.前記エチレンガス吸収剤が、活性炭、金属担持活性炭、臭素化合物担持活性炭、疎水性ゼオライト、親水性ゼオライト、金属担持疎水性ゼオライト、金属担持親水性ゼオライト、金属有機構造体、炭酸カルシウム、および過マンガン酸カリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記1~4の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
6.第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層が、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記1~5の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
7.前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の全周縁の3mm以上、50mm以下の幅部分は、
前記エチレンガス吸収層が積層されておらず、
第1のエチレンガスバリア層と第2のエチレンガスバリア層とが隣接して積層されている
ことを特徴とする、上記1~6の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。8.前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の全周縁の3mm以上、50mm以下の幅部分は、前記エチレンガス吸収層の厚みが、非周縁部の前記エチレンガス吸収層の厚みの0.5%以上、95%以下、且つ1μm以上、600μm以下に、熱圧着されていることを特徴とする、上記1~6の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
9.第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、および第2のエチレンガスバリア層が、インフレーション製膜層であることを特徴とする、上記1~8の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
10.第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、および第2のエチレンガスバリア層が、キャスト製膜層であることを特徴とする、上記1~7の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
11.上記1~10の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物から作製されたエチレンガス吸収性積層体であって、
該エチレンガス吸収性積層体は、第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層を有さず、
該エチレンガス吸収性積層体の、少なくとも片面の表面は前記エチレンガス吸収層である
ことを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体。
12.上記11に記載のエチレンガス吸収性積層体を用いて作製された、果物、野菜、花卉からなる群から選ばれる1種または2種以上と共に同梱、またはこれらを梱包する輸送容器に貼り付けされる為の、エチレンガス吸収性シート。
13.上記12に記載のエチレンガス吸収性シートが添付されて作製された、エチレンガス吸収性シート添付体。
14.上記1~9の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法であって、
第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、インフレーション製膜法で形成して積層することを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法。
15.上記1~8、10の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法であって、
第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、キャスト製膜法で形成して積層することを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法。
16.上記11に記載のエチレンガス吸収性積層体の製造方法であって、
上記1~10の何れかに記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の、第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層を剥離除去して、該エチレンガス吸収性積層体を製造することを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体の製造方法。
本発明によれば、優れたエチレンガス吸収性を有することによって、果物や野菜等の青果物、花卉等の生長や熟成を抑制して鮮度を保持することができる、エチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体、及び該エチレンガス吸収性積層体用から作製された、エチレンガス吸収性シート、エチレンガス吸収性シート添付体を得ることができる。
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の層構成の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の層構成の別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の層構成のさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の層構成のさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の層構成のさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の層構成のさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。 図4、5のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の上面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体の層構成の別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明のエチレンガス吸収性積層体の層構成のさらに別態様の一例を示す概略的断面図である。
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体、及び該エチレンガス吸収性積層体用から作製された、エチレンガス吸収性シート、エチレンガス吸収性シート添付体について、図面を参照しながら以下に詳しく説明する。
本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものを用いることとする。また、本発明は、以降の列記された諸々の具体例に限定されるものでは無い。
本発明においては、フィルムとシートとは同じ意味である。
≪エチレンガス吸収性積層体保管形態物≫
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物は、第1のエチレンガスバリア層、エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、この順で有する積層体である。
第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層は、それぞれ。前記エチレンガス吸収層に隣接している。
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物は、両面にエチレンガスバリア層を有していることによって、周辺のエチレンガスを吸収する作用が抑制され、使用されるまでの保管期間中にエチレンガス吸収性が劣化することを抑制できる。
第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層の少なくとも一方は、易剥離性を有しており、使用時には、両面のエチレンガスバリア層の少なくとも一方を剥離して、エチレンガス吸収層を表面に出して、エチレンガス吸収性が発現したエチレンガス吸収性積層体をその場で作製することができる。
ここで、易剥離性のエチレンガスバリア層の剥離強度は0.01~1.5N/15mm幅が好ましい。
また、本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物においては、エチレンガスバリア層の剥離モードは界面剥離が好ましく、凝集破壊剥離は好ましくない。
凝集破壊剥離モードの場合には残渣がエチレンガス吸収性積層体の表面に生じることが有り、外観不良が生じたり、エチレンガス吸収性積層体のエチレンガス吸収性を悪化させたりする場合がある。
該剥離強度を調整する方法としては、エチレンガスバリア層の積層条件(温度、圧力等)を調整したり、エチレンガスバリア層用の樹脂フィルムに含有されるガスバリア性樹脂種を選択したり、接着される側の面にプラズマ処理やコロナ処理等の高密着化表面処理を行われていない、または剥離ニス層を有する、エチレンガスバリア層用の樹脂フィルムを用いたりする方法等が挙げられる。
逆に、エチレンガスバリア層と隣接するエチレンガス吸収層とに、例えばポリピロピレンとポリエチレンのような接着性の低い樹脂の組み合わせを用いて、表面の微細な凹凸を調節し、適度な高温で熱圧着することによって、適度な剥離強度に調節することもできる。
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の厚さは、特に制限は無いが、30μm以上、800μm以下が好ましく、60μm以上、600μm以下がより好ましい。上記範囲よりも小さいとエチレンガス吸収性積層体が十分なエチレンガス吸収性を示すことが困難になり易く、上記範囲よりも大きいとエチレンガス吸収性積層体保管形態物及びエチレンガス吸収性積層体の剛性が強くなり過ぎて取り扱い性が低下し易い。
本発明の、エチレンガス吸収性積層体保管形態物は、使用前状態であることから、エチレンガス吸収性が低いことが好ましい。
例えば、150×200mmの大きさのエチレンガス吸収性積層体保管形態物を、例えば75×100mmの4枚に切り分けて試験片を作製し、全4枚の試験片を、エチレンガスを200ppm含む空気160ccとともに、160×100mmの大きさの四方パウチ(例えば、ジーエルサイエンス株式会社製PAバッグ)内に入れて封止して、常温(25℃)にて24時間静置後のパウチ内空気のエチレンガス濃度減少率が、0以上、15%以下であることが好ましい。
上記範囲よりも低いエチレンガス濃度減少率を得ることは困難であり、上記範囲よりもエチレンガス濃度減少率が高いと、エチレンガス吸収性積層体を作製した際のエチレンガス吸収性が保管中に劣化してしまうおそれがある。
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物は、例えば図1のような、本発明のエチ
レンガス吸収性積層体の片面に第1のエチレンガスバリア層を、他方の片面に第2のエチレンガスバリア層を積層した層構成を有する。第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層は、組成、厚さ等が同一であってもよく、異なっていてもよい。
エチレンガス吸収性積層体保管形態物は、図1に示されるような、両面のエチレンガスバリア層及びエチレンガス吸収層が略同程度の幅で構成されていてもよい。
あるいは、図4、図5に示されるように、エチレンガス吸収性積層体保管形態物は、第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層の外側に、さらにエチレンガスバリア層を有し、全周縁において、エチレンガス吸収層が無い層構成であってもよい。
このようなエチレンガス吸収性積層体保管形態物は、例えば、インフレーション製膜法によって作製された、第1のエチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層/第2のエチレンガスバリア層なる層構成のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の両面に、それよりも大きなエチレンガスバリア層用樹脂フィルムを、接着剤等を用いて積層することによって、(第1のエチレンガスバリア層B/接着剤層/第1のエチレンガスバリア層A)/エチレンガス吸収層/(第2のエチレンガスバリア層A/接着剤層/第2のエチレンガスバリア層B)のような層構成で作製することができる。
ここで、図4、図5に示されるように、エチレンガス吸収層がエチレンガス吸収性積層体保管形態物の全周縁部で積層されていない場合には、両面のエチレンガスバリア層が直接ヒートシールされている構造になる。
また、エチレンガス吸収性積層体保管形態物は、図6に示されるように、周縁部のエチレンガス吸収層の厚みが、非周縁部のエチレンガス吸収層の厚みの0.5%以上、95%以下であり、且つ1μm以上、600μm以下であってもよい。
このようなエチレンガス吸収性積層体保管形態物は、例えば、インフレーション製膜法によって一旦作製された、第1のエチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層/第2のエチレンガスバリア層なる層構成のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の全周縁部を熱(熱)圧して、作製することができる。
このように、エチレンガス吸収性積層体部の全周縁において、エチレンガス吸収層が無い、または薄くなっている構造を有することによって、側面外部からエチレンガス吸収層への種々のガスの吸収を抑制して、保管中のエチレンガス吸収性の劣化をより抑制することができる。
該全周縁部の幅は、3mm以上、100mm以下が好ましく、3mm以上、50mm以下がより好ましく、5mm以上、50mm以下が更に好ましい。
第1のエチレンガスバリア層、第2のエチレンガスバリア層の厚さは、特に制限は無いが、それぞれ、5μm以上、80μm以下が好ましく、8μm以上、50μm以下がより好ましい。上記範囲よりも薄いと十分なエチレンガスバリア性を示すことが困難になり易く、上記範囲より厚くてもエチレンガスバリア性はさほど向上せず、エチレンガス吸収性積層体の剛性が強くなり過ぎて取り扱い性が低下し易い。
第1のエチレンガスバリア層の厚さと第2のエチレンガスバリア層の厚さとは、同一であっても、異なっていてもよい。
第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層エチレンガス吸収層のそれぞれが2層以上から形成されている場合には、それぞれの合計の厚さが上記であることが好ましく、各層の厚さは同一であっても、異なっていてもよい。
エチレンガス吸収層の厚さは、特に制限は無いが薄い方が好ましく、5μm以上、300μm以下が好ましく、10μm以上、200μm以下がより好ましい。上記よりも薄いと十分なエチレンガス吸収性を有することが困難になり易く、上記範囲よりも厚くてもエ
チレンガス吸収性はさほど向上しない。
エチレンガス吸収層が2層以上ある場合には、合計の厚さが上記であることが好ましく、それぞれの厚さは同一であっても、異なっていてもよい。
本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物を構成する各層には、必要に応じて、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良あるいは改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、他の性能に悪影響を与えない範囲で、目的に応じて、任意に含有することができる。
<エチレンガス吸収性積層体保管形態物の作製方法>
エチレンガス吸収性積層体保管形態物を構成する各層の方法は特に限定されず、例えば、インフレーション製膜および積層されて作製されてもよく、キャスト製膜および積層されて作製されてもよい。
そして、エチレンガス吸収性積層体保管形態物に、接着剤等を介して、さらに樹脂フィルムを積層してもよく、エチレンガス吸収性積層体保管形態物同士をヒートシールや接着剤によって接着して、層構成を追加されたエチレンガス吸収性積層体保管形態物を作製してもよい。
例えば、インフレーション法によって、外層/中層/内層=エチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層/ヒートシール層という層構成の筒状積層体を作製して、面方向に押しつぶして積層して、エチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層/ヒートシール層/ヒートシール層/エチレンガス吸収層/エチレンガスバリア層という層構成のエチレンガス吸収性積層体保管形態物を作製することができる。
<エチレンガスバリア層>
エチレンガスバリア層は、エチレンガス吸収層を外部環境から保護し、エチレンガスの透過を抑制する層である。
エチレンガスバリア層によってエチレンガスはエチレンガス吸収性積層体を透過せずに、エチレンガス吸収性積層体中のエチレンガス吸収剤に吸収され易くなる。また、内包装材として用いる場合には、エチレンガスバリア層を外側にして包装することで、内容物からのエチレンガスのみを吸収し、他の包装体からのエチレンガスの侵入を抑制することができる。
エチレンガスバリア層は、エチレンガス透過度が低いガスバリア性樹脂を含有することが好ましい。
ガスバリア性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
第1のエチレンガスバリア層と第2のエチレンガスバリア層とは、層構成、組成、層厚が同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、第1のエチレンガスバリア層と第2のエチレンガスバリア層のそれぞれは、多層構成であってもよい。
例えば、ポリプロピレン系樹脂を含有するエチレンガスバリア層Aの外側に、ドライラミネーション用接着剤等を介して、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含む樹脂フィルムを貼り付けてエチレンガスバリア層Bを形成し、エチレンガス吸収性積層体保管形態物のエチレンガスバリア性を高めて保管性を高めたり、エチレンガス吸収性積層体保管形態物の表面の耐熱性を高めて更なる加工を実施しやすくしたりすることができる。
上記の貼り付ける樹脂フィルムは、無延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれでもよい。
<エチレンガス吸収層>
エチレンガス吸収層はエチレンガスを吸収する層であり、粉体のエチレンガス吸収剤とバインダー樹脂とを含有する。ここで、エチレンガス吸収層は、粉体のエチレンガス吸収剤とバインダー樹脂とを含有するエチレンガス吸収樹脂組成物から形成されることが好ましい。
エチレンガス吸収層は、図1で示すようなエチレンガス吸収層が1層のみで構成されていてもよく、組成や厚さが同一または異なる2層以上で構成されていてもよい。
例えば、図2で示すように、2層エチレンガス吸収層が、2層のヒートシール性樹脂を含有する接着層を介して積層されていてもよい。
エチレンガス吸収層内で、微粒のエチレンガス吸収剤は、微粒のまま、凝集物が少ない状態で分散していることが好ましい。そして、層厚方向には、均一に分散していてもよく、濃度濃淡を有して分布していてもよいが、層面方向には均一に分散していることが好ましい。
合算されたエチレンガス吸収層中のエチレンガス吸収剤の分布量は、5g/m2以上、50g/m2以下が好ましい。この分布量は、エチレンガス吸収性積層体のエチレンガス吸収効率の指標であり、エチレンガス吸収剤含有層の単純なエチレンガス吸収剤含有率及び/または層厚よりもエチレンガス吸収効率と相関性が高い。
該分布量が上記範囲よりも少ないとエチレンガス吸収性積層体のエチレンガス吸収性が不十分になる虞があり、上記範囲よりも多くてもエチレンガス吸収性積層体のエチレンガス吸収性はさほど向上せず、エチレンガス吸収性積層体の剛性が強くなり過ぎたり、脆くなったりする虞がある。
エチレンガス吸収剤を含有する層中の、エチレンガス吸収剤含有量は、10質量%以上、70質量%以下が好ましく、15質量%以上、60質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも小さいと十分なエチレンガス吸収性が得られ難くなり、上記範囲よりも大きいとエチレンガス吸収層の剛性が強くなり過ぎたり、脆くなったり、安定で均一なエチレンガス吸収性が得られ難くなり易い。
[エチレンガス吸収樹脂組成物]
エチレンガス吸収樹脂組成物は、少なくとも、粉体のエチレンガス吸収剤とバインダー樹脂とを含有する。
樹脂組成物の調製においては、エチレンガス吸収剤とバインダー樹脂とを溶融混合(メルトブレンド)または粉体混合(ドライブレンド)して調製することができる。
あるいは、均質性を高める為に、エチレンガス吸収剤と熱可塑性樹脂とを溶融混合して、高エチレンガス吸収剤含有率のマスターバッチを作製し、所望されるエチレンガス吸収樹脂組成物中のエチレンガス吸収剤含有率に応じた比率で、マスターバッチとバインダー樹脂とを混合して、樹脂組成物を調製してもよい。
上記において、マスターバッチに混合される熱可塑性樹脂は、バインダー樹脂であってもよい。
また、マスターバッチとバインダー樹脂との混合は、粉体混合による調製が好ましい。
[エチレンガス吸収剤]
エチレンガス吸収剤の具体例としては、活性炭、金属担持活性炭、臭素化合物担持活性炭、疎水性ゼオライト、親水性ゼオライト、金属担持疎水性ゼオライト、金属担持親水性ゼオライト、金属有機構造体、炭酸カルシウム、過マンガン酸カリウム等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。これらの中
でも、活性炭、金属担持疎水性ゼオライトが好ましい。
エチレンガス吸収剤の性状は粉体が好ましく、エチレンガス吸収剤の粒子の形状は、特に制限は無いが、真球状、楕円球状、破砕状、鱗片状等の多種多様の形状のものを用いることができる。これらの形状のものを1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エチレンガス吸収剤中には1次粒子及び凝集物が存在しているが、エチレンガス吸収剤の粒度分布は、体積基準で、平均粒子径は、0.1μm以上、30μm以下が好ましく、1μm以上、20μm以下がより好ましい。上記範囲より小さいものは取り扱いが困難であり、上記範囲よりも大きなものは比表面積が小さくなることによりエチレンガス吸収性が低くなり易く、エチレンガス吸収層中での分散性が低下するおそれがある。
そして、D90-D10が、150μm以下であることが好ましい。
エチレンガス吸収樹脂組成物に含有される前のエチレンガス吸収剤の粒度分布は、粉体のエチレンガス吸収剤とバインダー樹脂との相性、質量比、混錬状態等によって凝集状態が変化するため、上記の、エチレンガス吸収樹脂組成物に含有される前のエチレンガス吸収剤の粒度分布とは、異なった値を示すことが多い。
そして、エチレンガス吸収性積層体に有されるエチレンガス吸収層中におけるエチレンガス吸収剤の粒度分布は、さらに、製膜及び積層条件等の影響を受けて、凝集状態がさらに変化することが多い。
しかしながら、エチレンガス吸収層中のエチレンガス吸収剤の粒度分布を、凝集状態を含めて、原料単独状態の場合と同じ方法で測定することは困難である。
したがって、エチレンガス吸収層中のエチレンガス吸収剤の含有率が高く、分散度が高く、エチレンガス吸収層が厚いほど、エチレンガス吸収層が不透明になることを利用して、全光線透過率を測定して、適切な含有率、分散度、層厚の指標とすることが好ましい。
エチレンガス吸収剤のエチレンガス吸収性は、高いことが好ましい。
例えば、約1gのエチレンガス吸収剤を、エチレンガスを200ppm含む空気160ccとともに、160mm×100mmの大きさの四方パウチ(例えば、ジーエルサイエンス株式会社製PAバッグ)内に入れて封止して、常温(20~35℃)にて24時間静置させた後のパウチ内空気のエチレンガス濃度減少率が、55%以上、100%以下であることが好ましく、65%以上、100%以下であることがより好ましい。
エチレンガス濃度減少率が上記範囲よりも低いと、花卉、果物、野菜等の生長や熟成を抑制する効果が不十分になり易く、上記範囲よりも高くても、得ることが困難な割に該抑制する効果はさほど向上しない。
(活性炭)
活性炭は、吸着効率を高めるために化学的または物理的な処理(活性化、賦活)を施した、微細孔を有する多孔質の炭素を主な成分とする物質であり、90%以上が炭素であり、他に、酸素、水素、Na,Si,K,Ca,Fe等を含んでもよい。
活性炭の表面は非極性の性質を持つため、水のような極性分子に対しては吸着力が低く、エチレンガスのような、活性炭が持つ微細孔よりも小さな分子サイズの非極性の有機物を選択的に吸着しやすい。
微細孔は、直径1~20nmであり、炭素内部に網目状に構成されており、微細孔の壁が大きい表面積(500~2500m2/g)となり、その表面にエチレンガスを吸着する。
(金属担持活性炭)
金属担持活性炭は、活性炭に金属、金属イオン、金属酸化物を含む溶液を、散布、含浸
、浸漬によって、または気体状の金属または金属化合物を活性炭に接触させることによって、金属、金属イオン、金属酸化物を担持させて、ガス吸収性能を高めた活性炭である。
活性炭部の細孔径を変更することによって、細孔径サイズに応じた分子サイズのガスを吸収することができ、エチレンガス及びそれ以外のガスの吸収が可能である。また、比表面積を大きくすることによってガス吸収量を高めることができる。
(臭素化合物担持活性炭)
臭素化合物担持活性炭は、活性炭に液体状の臭素化合物を、あるいは臭素化合物を含む溶液を、散布、含浸、浸漬によって、または気体状の臭素化合物を活性炭に接触させることによって、臭素化合物を担持させて、エチレンガスの吸収性能を高めた活性炭である。
(ゼオライト)
ゼオライトは、SiO2/Al23の組成を有する多孔体である。
ゼオライトには、SiO2/Al23モル比が高い疎水性ゼオライトと、該モル比が低い親水性ゼオライトとがあるが、本発明においては、どちらでも用いることができる。
(金属担持ゼオライト)
金属担持ゼオライトは、Si、Alとは異なる金属を担持したゼオライトである。
担持される金属は、実際には金属酸化物の形または金属原子そのままの形でゼオライトに担持していると考えられるが、本発明では、金属酸化物担持ゼオライトと金属原子担持ゼオライトの両種の総称として、金属担持ゼオライトと表記する。
担持される金属種としては、水分と反応し難いものが好ましく、具体的には、銅、亜鉛、銀、白金等が好ましく、銅、亜鉛、銀がより好ましい。金属担持ゼオライトは、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上なる群から選ばれる1種または2種以上を担持することができる。
上記の金属担持ゼオライトの中でも、銅担持ゼオライト、銀担持ゼオライト等が好ましい。
本発明においては、ゼオライトには、疎水性ゼオライト及び親水性ゼオライトのどちらでも用いることができ、各々、金属担持疎水性ゼオライト、金属担持親水性ゼオライトを形成する。
(金属有機構造体)
金属有機構造体(MOF:Metal Organic Frameworks)は、金属イオンと有機配位子とからなる塩が好ましく用いられる。
上記の金属有機構造体は、一般的な活性炭やゼオライトと比較して、より小さな細孔径と、より大きな比表面積を有する多孔質構造を有することができる。
本発明における有機金属構造体の具体例としては、フマル酸アルミニウム、フマル酸ジルコン、トリメシン酸銅、トリメシン酸アルミニウム、トリメシン酸ジルコン、トリメシン酸鉄、テレフタル酸アルミニウム、テレフタル酸ジルコン、2-メチルイミダゾール亜鉛、ギ酸マグネシウム、ベンゼン-1,3,5-トリ安息香酸亜鉛、2,6-ナフタレン-ジカルボン酸亜鉛、アミノベンゼン-1,4-ジカルボン酸アルミニウム、2,5-ジオキシドベンゼン-1,4-ジカルボキレートマグネシウム、4,4-ジオキシドビフェニル-3,3-ジカルボキシレートマグネシウム等が挙げられ、これらの群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
有機金属構造体の細孔径は、0.3nm以上、3.0nmが好ましく、0.3nm以上、2.0nm以下がより好ましい。
有機金属構造体の比表面積は、BET比表面積またはLangmuir比表面積で表すことができ、BET比表面積の場合は、400m2/g以上、4000m2/g以下が好ましく、900m2/g以上、2100m2/g以下がより好ましい。
Langmuir比表面積の場合は、500m2/g以上、5000m2/g以下が好ましく、1200m2/g以上、2400m2/g以下がより好ましい。
上記の有機金属構造体は、その細孔径に応じた分子サイズ、比表面積に応じた量のガスを吸収できる。
例えば、2-メチルイミダゾール亜鉛塩は、エチレンのような低級炭化水素、二酸化炭素を、トリメシン酸銅は、低級炭化水素と二酸化炭素を、テレフタル酸アルミニウムは、メタン、水、二酸化炭素を吸収する能力に優れ、フマル酸アルミニウムとトリメシン酸ジルコンは、水を吸収する能力に優れ、トリメシン酸アルミニウムは、低級炭化水素と水を吸収する能力に優れる。
本発明においてはエチレンガスを高効率で吸着させるために、上記の有機金属構造体の中でも、2-メチルイミダゾール亜鉛塩、トリメシン酸銅、トリメシン酸アルミニウムからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
[バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、エチレンガス吸収剤を分散し、30℃近辺で粘着せず、75℃以上、150℃以下の温度でインフレ―ション製膜されやすくいものが好ましい。
エチレンガス吸収性積層体外部からのエチレンガスはバインダー樹脂を透過して、エチレンガス吸収剤へと容易に到達することが好ましいことから、バインダー樹脂は高いエチレンガス透過度を有することが好ましい。
バインダー樹脂のエチレンガス透過度は、0.5cc/(m2・day・atm)以上が好ましく、1.5cc/(m2・day・atm)以上がより好ましい。バインダー樹脂のエチレンガス透過度に上限は特に無い。
上記のエチレンガス透過度は、15μm厚の樹脂フィルムを用いて測定されることが好ましい。
エチレンガス透過度が上記範囲よりも低いとエチレンガス吸収剤へのエチレンガスの到達が抑制されて、エチレンガス吸収性積層体のエチレンガス吸収性が不十分になる虞がある。
バインダー樹脂は、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。
ポリエチレン系樹脂とは、エチレンを原料とする重合体または共重合体である。具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体、その他等が挙げられる。不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、その他等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂のエチレンガス透過度は、ポリエチレン系樹脂の詳細な種類によっても異なるが、少なくとも、0.7cc/(m2・day・atm)以上である。現状の測定装置では測定限界である為、上記より正確な値を求めることは困難である。
また、ポリエチレン系樹脂は、軟化点が70℃以上、150℃以下、密度が0.850~0.930g/cm3のものが好ましい。
<ヒートシール層>
ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有する層であり、熱圧によってヒートシールすることが可能である。
また、ヒートシール性を大きく阻害しない範囲内で、ヒートシール性樹脂以外の熱可塑性樹脂や、各種添加剤を含有してもよい。
また、ヒートシール層のエチレンガス透過度が高ければ、2つのエチレンガス吸収層間でエチレンガスが移動できる為、エチレンガスを効率的に吸収することができることから
、ヒートシール性樹脂または該熱可塑性樹脂には、エチレンガス透過度が高い樹脂を用いることが好ましい。
(ヒートシール性樹脂)
ヒートシール性樹脂は、通常のインフレーション製膜法やヒートシール条件(150~200℃、1~5kgf/cm2、0.5~3秒)によって溶融して融着し得る熱可塑性樹脂であれば特に制限は無いが、150~200℃において、MFR1~10g/10分のものが扱い易く、好ましい。
上記を満たすヒートシール性樹脂として、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
ポリエチレン系の樹脂の中でも、LDPE、LLDPE、エチレン系プラストマーがより好ましく、LLDPEが更に好ましい。
≪エチレンガス吸収性積層体≫
本発明のエチレンガス吸収性積層体は、本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物から作製されるフィルムであり、優れたエチレンガス吸収性を有する。
エチレンガス吸収性積層体は、図8、9で示すように、両面の表面がエチレンガス吸収層であってもよく、図10で示すように、片面の表面がエチレンガス吸収層で、他方の片面の表面がエチレンガスバリア層であってもよい。
各面のエチレンガスバリア層を、第1のエチレンガスバリア層、第2のエチレンガスバリア層と区別して表現すると、具体的には、下記の3種類の層構成の場合が有る。各層構成は、記載された順に積層した構成を有している。
層構成1:第1のエチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層
層構成2:エチレンガス吸収層/第2のエチレンガスバリア層
層構成3:エチレンガス吸収層
エチレンガス吸収性積層体は片面にエチレンガスバリア層を有することによってエチレンガス吸収性を調節可能である。そして、エチレンガス吸収層のエチレンガス吸収性が非常に高い場合には、片面のみからで、充分にエチレンガスを吸収することができる。
また、片面のみにエチレンガスバリア層が積層されているエチレンガス吸収性積層体においては、エチレンガス吸収層面からエチレンガス吸収性積層体に入ったエチレンガスは、反対面のエチレンガスバリア層で反射されるため、他方の片面にエチレンガスバリア層が積層されていない、あるいは非エチレンガスバリア性の層が片面に接している場合よりも、エチレンガス吸収の効率が高まる場合も有る。
さらに、内包装材として用いる場合には、エチレンガスバリア層を外側にして包装することで、内容物からのエチレンガスのみを吸収し、外部や他の包装体からのエチレンガスの吸収を抑制することができる。
エチレンガス吸収性積層体の厚さは、特に制限は無いが、200μm以上、600μm以下が、エチレンガス吸収性と剛性のバランスを採り易く、好ましい。
本発明のエチレンガス吸収性積層体のエチレンガス吸収性は、高いことが好ましい。
例えば、150mm×200mmの大きさのエチレンガス吸収性積層体を、エチレンガスを200ppm含む空気160ccとともに、160mm×100mmの大きさの四方パウチ(例えば、ジーエルサイエンス株式会社製PAバッグ)内に入れて封止して、常温(25℃)にて24時間静置後のパウチ内空気のエチレンガス濃度減少率が、45%以上、100%以下であることが好ましく、55%以上、100%以下であることがより好ましい。
エチレンガス濃度減少率が上記範囲よりも低いと、花卉、果物、野菜等の生長や熟成を
抑制する効果が不十分になり易く、上記範囲よりも高いものは得ることが困難な割に該抑制する効果はさほど向上しない。
<エチレンガス吸収性積層体の作製方法>
本発明のエチレンガス吸収性積層体は、本発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物から、エチレンガスバリア層を剥離することによって作製されることが好ましい。
剥離されるエチレンガスバリア層は、易剥離性のエチレンガスバリア層であることが好ましい。
エチレンガス吸収層が無いまたは薄くなっている全周縁部は、切断して除去してもよい。
≪エチレンガス吸収性シート≫
本発明のエチレンガス吸収性積層体は、エチレンガス吸収性シートとして、花卉、果物、野菜等と共に同梱して用いることができる。
あるいは、これらを収容した輸送容器(段ボール等のボックス)の内部または外部に貼り付けて用いることができる。貼り付ける際には、エチレンガス吸収性シートの、易剥離性のエチレンガスバリア層が剥離されて、エチレンガス吸収層面が見えるように貼り付けることが好ましい。
≪エチレンガス吸収性添付体≫
本発明のエチレンガス吸収性添付体は、本発明のエチレンガス吸収性シートを同梱、または貼り付け等によって添付されて作製された包装体である。
また、本発明のエチレンガス吸収性貼付体は、本発明のエチレンガス吸収性シートが、果物、野菜、花卉等からなる群から選ばれる1種または2種以上と共に同梱、またはこれらを梱包する輸送容器に貼り付けされた添付体であり、さらに外包装されていてもよい。
本発明のエチレンガス吸収性添付体においては、エチレンガス吸収性シートの、エチレンガスバリア層が剥離されて表面に出ているエチレンガス吸収層面が内容物側に向けて添付されていることが好ましい。
<原材料>
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
[エチレンガス吸収剤]
・エチレンガス吸収剤1:株式会社クラレ製活性炭、クラレコールPGW-BF。体積基準の平均粒子径=10~13μm、D90-D10=15μm。
・エチレンガス吸収剤2:株式会社シナネンゼオミック製疎水性ゼオライト、ダッシュライト10F。体積基準の平均粒子径=1.5μm、D90-D10=130μm。
・エチレンガス吸収剤3:株式会社クラレ製活性炭、クラレコールGW32/60。体積基準の平均粒子径=250~500μm、D90-D10=350μm。
[バインダー樹脂]
・バインダー樹脂1:日本ポリエチレン株式会社製LDPE、ノバテックLC522。密度0.923g/cm3、MFR4.0g/10min。エチレンガス透過度0.7cc/(m2・day・atm)以上(機器の測定限界オーバー)。
[ヒートシール性樹脂]
・ヒートシール性樹脂1:日本ポリエチレン株式会社製LLDPE、カーネルKS240T。密度0.880g/cm3、MFR2.2g/10min。エチレンガス透過度0.7cc/(m2・day・atm)以上。
[接着剤]
・DL接着剤1:ロックペイント株式会社製、ドライラミネーション用2液硬化型ポリウレタン系汎用接着剤、RU-004/H-4。
[エチレンガスバリア層用樹脂]
・エチレンガスバリア樹脂1:サンアロマー株式会社製ポリプロピレン、PC480A。密度0.9g/cm3、MFR2.0g/10min。
・エチレンガスバリア樹脂2:宇部興産株式会社製ポリアミド6/66共重合体、5033B。
・エチレンガスバリア樹脂3:株式会社クラレ製エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂、エバールE173B。エチレン含有率44mol%、密度1.14g/cm3、MFR2.5g/10min。
[エチレンガスバリア層用樹脂フィルム]
・エチレンガスバリア樹脂4フィルム:東洋紡株式会社社製二軸延伸PETフィルム、E5100。厚さ12μm。
<エチレンガス吸収樹脂組成物の調製>
[エチレンガス吸収樹脂組成物1の調製]
下記の原料をメルトブレンドして、エチレンガス吸収樹脂組成物1を調製した。
エチレンガス吸収剤1 30質量部
バインダー樹脂1 70質量部
[エチレンガス吸収脂組成物2~5の調製]
表1の配合に従って、エチレンガス吸収樹脂組成物1と同様に操作して、エチレンガス吸収樹脂組成物2~5を調製した。
Figure 2023072878000002
<エチレンガス吸収性積層体保管形態物及びエチレンガス吸収性積層体の作製と評価>
[実施例1]
第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層用にエチレンガスバリア樹脂1、エチレンガス吸収層用にエチレンガス吸収樹脂組成物1、ヒートシール層用にヒートシール性樹脂1を用いて、インフレーション法によって、略1:2:1の体積比で押し出し、エチレンガスバリア樹脂1/エチレンガス吸収樹脂組成物1/ヒートシール性樹脂1の層構成の筒状の積層体を作製し、連続して、高温状態の筒内壁のヒートシール性樹脂1同士を圧着してヒートシールして、下記層構成の、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物を作製した。
エチレンガスバリア樹脂1はポリプロピレンを含有し、エチレンガス吸収樹脂組成物1はポリエチレンを含有していることから、第1及び第2のエチレンガスバリア層は適度な剥離強度、すなわち易剥離性を有する。
層構成:第1のエチレンガスバリア層/第1のエチレンガス吸収層/ヒートシール層1/ヒートシール層2/第2のエチレンガス吸収層/第2のエチレンガスバリア層=エチレンガスバリア樹脂1(30μm)/エチレンガス吸収樹脂組成物1(60μm)/ヒートシール性樹脂1(30μm)/ヒートシール性樹脂1(30μm)/エチレンガス吸収樹脂組成物1(60μm)/エチレンガスバリア樹脂1(30μm)
そして、得られたエチレンガス吸収性積層体保管形態物から、片面のエチレンガスバリア層が剥離されたエチレンガス吸収性積層体と、両面のエチレンガスバリア層が剥離されたエチレンガス吸収性積層体とを作製して、各種評価を行った。
[実施例2~4、比較例3]
表2の記載にしたがって、エチレンガス吸収樹脂組成物またはエチレンガスバリア樹脂を変更したこと以外は、実施例1と同様に操作して、同様に、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体を得て、同様に評価した。
[実施例5、6]
表2の記載にしたがって、エチレンガス吸収樹脂組成物を変更し、エチレンガス吸収層の厚さを変更したこと以外は、実施例1と同様に操作して、同様に、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体を得て、同様に評価した。
[実施例7]
第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層用にエチレンガスバリア樹脂1、エチレンガス吸収層用にエチレンガス吸収樹脂組成物1を用いて、インフレーション法によって略1:2:1の体積比で押し出し、下記層構成の、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物を得た。
層構成:第1のエチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層/第2のエチレンガスバリア層=エチレンガスバリア樹脂1(30μm)/エチレンガス吸収樹脂組成物1(60μm)/エチレンガスバリア樹脂1(30μm)
そして、得られたエチレンガス吸収性積層体保管形態物から、片面のエチレンガスバリア層が剥離されたエチレンガス吸収性積層体と、両面のエチレンガスバリア層が剥離されたエチレンガス吸収性積層体とを作製して、各種評価を行った。
[実施例8、9]
表2の記載にしたがって、エチレンガスバリア樹脂を変更したこと以外は、実施例7と同様に操作して、同様に、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体を得て、同様に評価した。
[実施例10]
実施例7で得たエチレンガス吸収性積層体保管形態物の両面に、エチレンガスバリア樹脂4フィルムを、DL接着剤1を用いたドライラミネーションによって接着して、エチレンガスバリア層が多層化された下記層構成の、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易
剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物を作製した。
層構成:[第1のエチレンガスバリア層B/第1のエチレンガスバリア層A]/エチレンガス吸収層/[第1のエチレンガスバリア層A/第1のエチレンガスバリア層B]=[エチレンガスバリア樹脂4フィルム(12μm)/DL接着剤1(3.5g/m2)/エチレンガスバリア樹脂1(30μm)]/エチレンガス吸収樹脂組成物1(60μm)/[エチレンガスバリア樹脂1(30μm)/DL接着剤1(3.5g/m2)/エチレンガスバリア樹脂4フィルム(12μm)]
そして、得られたエチレンガス吸収性積層体保管形態物から、片面のエチレンガスバリア層が剥離されたエチレンガス吸収性積層体と、両面のエチレンガスバリア層が剥離されたエチレンガス吸収性積層体とを作製して、各種評価を行った。
[比較例1]
エチレンガス吸収層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様に操作して、同様に、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物、エチレンガス吸収性積層体を得て、同様に評価した。
[比較例2]
エチレンガス吸収層を形成しなかったこと以外は実施例7と同様に操作して、同様に、第1及び第2のエチレンガスバリア層が易剥離性を有する、エチレンガス吸収性積層体保管形態物を得て、同様に評価した。
<評価方法>
[エチレンガス吸収性]
先ず、作製したエチレンガス吸収性積層体保管形態物またはエチレンガス吸収性積層体を150mm×200mmの大きさに切り取って、さらに75mm×100mmの4枚の試験片に切り分けた。
そして、160mm×100mmの大きさの四方パウチ(ジーエルサイエンス株式会社製PAバッグ)内に、作製した全4枚の試験片を入れ、約200ppmのエチレンガスを160cc充填して封止した。そして、25℃にて24時間静置後に、パウチ内のエチレンガス濃度を、検知管式期待測定器(株式会社ガステック製)を用いて測定し、エチレンガス濃度減少率(%)を算出した。
[エチレンガスバリア層の易剥離性]
(エチレンガスバリア層/エチレンガス吸収層間)
エチレンガス吸収性積層体保管形態物を15mm×100mmの短冊状に切り分け、端部の易剥離性のエチレンガスバリア層とエチレンガス吸収層との層間にカミソリを入れ、約10mmの剥離を生じさせて二股に分け、各端部を引張試験機に装着して下記条件で引き剥がし強度(N/15mm)を測定した。
試験条件
試験速度:50mm/分
荷重レンジ:50N
<評価結果>
Figure 2023072878000003
[評価結果まとめ]
本願発明のエチレンガス吸収性積層体保管形態物は優れた保管性を示し、エチレンガスバリア層を剥離して作製されたエチレンガス吸収性積層体は、優れたエチレンガス吸収性
を示した。
ガス吸収層を有していない比較例1及び2は、エチレンガス吸収層が測定不可な高い剥離強度示したため、評価を中断した。
本願発明とは異なるエチレンガス吸収剤を含有する比較例3は、積層体を作製できず、評価を中断した。
1 エチレンガス吸収性積層体
2 エチレンガス吸収層
3 ヒートシール層
4 エチレンガスバリア層(エチレンガスバリア層A)
5 エチレンガス吸収性積層体保管形態物
6 接着剤層(ドライラミネート)
7 エチレンガスバリア層B
8 エチレンガス吸収性積層体保管形態物周縁部
L 断面線

Claims (16)

  1. 第1のエチレンガスバリア層、エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、この順で隣接した層構成を有するエチレンガス吸収性積層体保管形態物であって
    第1のエチレンガスバリア層および第2のエチレンガスバリア層の少なくとも一方は、易剥離性を有し、
    該エチレンガス吸収層は、粉体のエチレンガス吸収剤とバインダー樹脂とを含有し、
    該エチレンガス吸収層中の該エチレンガス吸収剤の分布量は、5g/m2以上、50g/m2以下であり、
    該エチレンガス吸収剤の1次粒子の体積基準の粒度分布は、
    平均粒子径が0.1μm以上、30μm以下であり、
    D90-D10が、150μm以下である
    ことを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  2. 前記エチレンガス吸収層は、第1のエチレンガス吸収層、第1のヒートシール層、第2のヒートシール層、第2のエチレンガス吸収層を、この順で有し、
    第1のヒートシール層及び第2のヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  3. 前記バインダー樹脂は、エチレンガス透過度が、0.7cc/(m2・day・atm)以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  4. 前記バインダー樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  5. 前記エチレンガス吸収剤が、活性炭、金属担持活性炭、臭素化合物担持活性炭、疎水性ゼオライト、親水性ゼオライト、金属担持疎水性ゼオライト、金属担持親水性ゼオライト、金属有機構造体、炭酸カルシウム、および過マンガン酸カリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  6. 第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層が、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  7. 前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の全周縁の3mm以上、50mm以下の幅部分は、
    前記エチレンガス吸収層が積層されておらず、
    第1のエチレンガスバリア層と第2のエチレンガスバリア層とが隣接して積層されている
    ことを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  8. 前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の全周縁の3mm以上、50mm以下の幅部分は、前記エチレンガス吸収層の厚みが、非周縁部の前記エチレンガス吸収層の厚みの0.5%以上、95%以下、且つ1μm以上、600μm以下に、熱圧着されていることを特徴とする、請求項1~6の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  9. 第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、および第2のエチレンガスバリア層が、インフレーション製膜層であることを特徴とする、請求項1~8の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  10. 第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、および第2のエチレンガスバリア層が、キャスト製膜層であることを特徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物。
  11. 請求項1~10の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物から作製されたエチレンガス吸収性積層体であって、
    該エチレンガス吸収性積層体は、第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層を有さず、
    該エチレンガス吸収性積層体の、少なくとも片面の表面は前記エチレンガス吸収層である
    ことを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体。
  12. 請求項11に記載のエチレンガス吸収性積層体を用いて作製された、果物、野菜、花卉からなる群から選ばれる1種または2種以上と共に同梱、またはこれらを梱包する輸送容器に貼り付けされる為の、エチレンガス吸収性シート。
  13. 請求項12に記載のエチレンガス吸収性シートが添付されて作製された、エチレンガス吸収性シート添付体。
  14. 請求項1~9の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法であって、
    第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、インフレーション製膜法で形成して積層することを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法。
  15. 請求項1~8、10の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法であって、
    第1のエチレンガスバリア層、前記エチレンガス吸収層、第2のエチレンガスバリア層を、キャスト製膜法で形成して積層することを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体保管形態物の製造方法。
  16. 請求項11に記載のエチレンガス吸収性積層体の製造方法であって、
    請求項1~10の何れか1項に記載のエチレンガス吸収性積層体保管形態物の、第1のエチレンガスバリア層および/または第2のエチレンガスバリア層を剥離除去して、該エチレンガス吸収性積層体を製造することを特徴とする、前記エチレンガス吸収性積層体の製造方法。
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