JP7178855B2 - 包装体用フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
食品や薬剤本来の臭気を感じられなくなったり、異臭を感じるようになったりすると、商品価値の低下を招くおそれがある。
すなわち、本発明の包装体用フィルムは、以下の構成を有する。
[1]バリア材と、前記バリア材の一方の面に位置するシーラント材とを備え、前記シーラント材は、ヒートシール層と、ハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)を含有するゼオライト含有層とを備え、かつ、前記バリア材側から順に、前記ゼオライト含有層と前記ヒートシール層とが位置し、前記ゼオライト含有層の厚さは10μm以上であり、前記ハイシリカゼオライト(A)は、SiO2/Al2O3で表されるモル比が500以上であり、前記ハイシリカゼオライト(A)は陽イオンとして水素イオンを含み、前記ハイシリカゼオライト(B)は、SiO2/Al2O3で表されるモル比が5.0~20であり、前記ハイシリカゼオライト(B)は陽イオンとして水素イオン又はナトリウムイオンを含み、前記ハイシリカゼオライト(A)/前記ハイシリカゼオライト(B)で表される質量比が20/80~90/10である、包装体用フィルム。
[2]前記ヒートシール層の厚さが5~100μmである、[1]に記載の包装体用フィルム。
[3]前記バリア材が、金属箔又は金属蒸着フィルムである、[1]又は[2]に記載の包装体用フィルム。
[4][1]~[3]のいずれかに記載の包装体用フィルムが製袋された包装体。
以下、本発明の包装体用フィルムについて、実施形態を挙げて説明する。
本発明の第一実施形態に係る包装体用フィルムについて、図面を参照して説明する。
図1の包装体用フィルム1は、基材10と、バリア材20と、シーラント材30とがこの順で積層されたものである。すなわち、包装体用フィルム1は、バリア材20と、バリア材20の一方の面に位置するシーラント材30とを備える。
包装体用フィルム1の厚さは、特に限定されないが、例えば、35~250μmが好ましく、40~200μmがより好ましく、50~150μmがさらに好ましい。包装体用フィルム1の厚さが上記下限値以上であると、包装体用フィルム1の強度が高められやすくなる。包装体用フィルム1の厚さが上記上限値以下であると、包装体用フィルム1の柔軟性が高められ、取り扱いが容易になる。
基材10としては、樹脂製フィルム、紙、及びこれらの積層体等が挙げられる。
樹脂製フィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート等のポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)等のポリオレフィン、二軸延伸ナイロン(ONY)等のポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等、及びこれらの積層体が挙げられる。中でも、PET、ポリプロピレン(PP)、PA、PVCが好ましく、二軸延伸PET、OPP、PVCがより好ましい。
積層体としては、上記樹脂製フィルム同士の積層体が挙げられる。
この基材10は、その表面や層間に印刷が施されていてもよい。
バリア材20は、水蒸気バリア性及びガスバリア性を有する。すなわち、本発明におけるバリア材は、水蒸気の透過と臭気の透過とを抑制する役割を有する。
バリア材20としては、水蒸気の透過と臭気の透過とを抑制できるバリア材、水蒸気の透過を抑制できるバリア材と臭気の透過を抑制できるバリア材との積層体が挙げられる。
また、バリア材20として、水蒸気の透過と臭気の透過とを抑制できるバリア材と、水蒸気の透過を抑制できるバリア材又は臭気の透過を抑制できるバリア材との積層体を用いてもよい。
水蒸気の透過と臭気の透過を抑制できるバリア材としては、アルミニウム箔、銅箔等の金属箔等が挙げられる。
水蒸気の透過を抑制できるバリア材としては、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、OPP等が挙げられる。
臭気の透過を抑制できるバリア材としては、エチレン-ビニルアルコール重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、PA、ポリアクリロニトリル(PAN)、EVOH等がPETに塗布されたアクリルコートPET等が挙げられる。
バリア材20としては、金属箔が好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。
なお、本発明における水蒸気透過度は、JIS K7129:2008の感湿センサ法により求められる値である。
バリア材20の水蒸気透過度は、基材10の材質や、後述するゼオライト含有層34の厚さや、これらの組合せにより調整できる。
なお、本発明におけるガス透過度は、JIS K7126-2:2006の電界センサ法により求められる値である。
バリア材20のガス透過度は、基材10の材質や、後述するゼオライト含有層34の厚さや、ゼオライト含有層34に含まれるゼオライトの種類、量、及びこれらの組合せにより調整できる。
バリア材20として樹脂製フィルムを用いる場合、バリア材20の厚さは、例えば、10~30μmが好ましく、12~15μmがより好ましい。バリア材20の厚さが上記下限値以上であると、水蒸気バリア性、臭気バリア性の低下を抑制でき、内容物の変質、劣化を抑制しやすくなる。加えて、バリア材20の厚さが上記下限値以上であると、内容物の本来の臭気が維持されやすくなる。バリア材20の厚さが上記上限値以下であると、包装体用フィルム1の柔軟性が高められ、取り扱いが容易になる。
本実施形態において、シーラント材30は、バリア材20側から順に、ラミネート層32と、ゼオライト含有層34と、ヒートシール層36とが配された積層体である。
ラミネート層32は、主にシーラント材30とバリア材20との接着性を高める役割を有する。
ラミネート層32を構成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状LDPE(LLDPE)、MDPE、HDPE、PP等のポリオレフィン、EVOH、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、アイオノマー等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゼオライト含有層34は、ハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)を含有する樹脂フィルムである。
ゼオライト含有層34を構成する樹脂としては、ラミネート層32を構成する樹脂と同様のものが挙げられる。
ハイシリカゼオライト(A)のSiO2/Al2O3比の上限値は特に限定されず、例えば、3000以下が好ましい。
ハイシリカゼオライト(A)は、水素イオン以外の陽イオンを含んでいてもよく、水素イオン以外の陽イオンとしては、ナトリウムイオン(Naイオン)、カリウムイオン(Kイオン)、カルシウムイオン(Caイオン)、マグネシウムイオン(Mgイオン)等が挙げられる。
ハイシリカゼオライト(A)の市販品としては、例えば、疎水性モレキュラーシーブ(商品名、ユニオン昭和株式会社製)、ハイシリカゼオライト(商品名、東ソー株式会社製)等が挙げられる。
ハイシリカゼオライト(B)は、水素イオン又はナトリウムイオン以外の陽イオンを含んでいてもよく、水素イオン又はナトリウムイオン以外の陽イオンとしては、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。
ハイシリカゼオライト(B)の市販品としては、例えば、疎水性モレキュラーシーブ(商品名、ユニオン昭和株式会社製)、ハイシリカゼオライト(商品名、東ソー株式会社製)等が挙げられる。
ヒートシール層36は、包装体用フィルム1のシール性を高める。
ヒートシール層36としては、ラミネート層32と同様のものが挙げられる。この中でも、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPEが好ましく、LDPE、LLDPEがより好ましい。
ヒートシール層36とラミネート層32とは、同じでもよく、異なっていてもよい。
また、ヒートシール層36は、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。
包装体用フィルム1の製造方法は、上記バリア材とシーラント材から積層フィルムを製造する工程(積層フィルム製造工程)と、上記積層フィルムに加熱処理を施す工程(加熱処理工程)とを備える。
積層フィルム製造工程では積層フィルムが製造される。積層フィルムの製造方法としては、従来公知の製造方法が挙げられ、例えば、以下の方法が挙げられる。
本実施形態の積層フィルムの製造方法は、基材10を得る工程(基材製造工程)と、シーラント材30を得る工程(シーラント材製造工程)と、基材10とバリア材20とシーラント材30とを積層する工程(積層工程)とを備える。
シーラント材30を得る方法としては、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を用いた共押出法によって、ラミネート層32とゼオライト含有層34とヒートシール層36との積層体であるシーラント材30を得る方法が挙げられる。
ドライラミネート法では、例えば、積層しようとする一方の材に接着剤を塗布し、乾燥後にこれを他の材に圧着して積層フィルムが得られる。得られた積層フィルムは、例えば、ロール状に巻き取られる。
上記のようにして積層フィルムを製造した後、積層フィルムに加熱処理を施す加熱処理工程を行う。
積層フィルムを加熱処理することで、ゼオライト含有層中のハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)が活性化される。ハイシリカゼオライト(A)が活性化されることで、異臭成分の吸着性が高められる。ハイシリカゼオライト(B)が活性化されることで、内容物の本来の臭気が維持されやすくなる。
すなわち、ゼオライト含有層が、直接、外気(水蒸気)と接触しない構成とされている。これにより、加熱処理が施された際に、ゼオライト含有層のハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)が充分に活性化される。また、ハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)が活性化された状態が保持されやすくなる。
加熱処理の温度が上記下限値以上であると、ハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)が充分に活性化され、異臭成分の吸着性が充分に得られやすい。加えて、内容物の本来の臭気を充分に維持しやすい。加熱処理の温度が上記上限値以下であると、積層体を構成するフィルムが熱により損傷を受けることを抑制しやすい。
積層フィルムの加熱処理は、従来公知の恒温室等で行うことができる。
なお、この加熱処理が施された積層フィルムと、そうでない積層フィルムとは、例えば、両者の接着剤の硬化状態の分析を行うこと等で判別できる。
本実施形態の包装体は、本実施形態の包装体用フィルム1が製袋されたものである。包装体としては、例えば、包装体用フィルム1のヒートシール層36同士をヒートシールして製袋された袋が挙げられる。
包装体の形態としては、例えば、合掌貼り袋、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンド袋、これらのチャック付き袋等が挙げられる。
また、例えば、包装体としては、開口部を有する容器本体と、包装体用フィルム1からなる蓋体とを備え、容器本体の開口部周縁にヒートシール層36を当接し、上記包装体用フィルム1を容器本体にヒートシールした容器が挙げられる。この場合の容器本体の材質としては、特に限定されず、例えば、PET、金属、紙等が挙げられる。
包装体用フィルム1から製造された包装体は、包装体内に存在する異臭成分を吸収でき、内容物の本来の臭気が異臭成分によって変質されるのをより抑制できる。その結果、内容物の本来の臭気の維持が図れる。
また、本発明の包装体用フィルムから製袋されてなる包装体によれば、上記の食品や薬剤等を包装して保管した場合でも、保管中の食品や薬剤の本来の臭気が維持され、異臭が抑制されるため、保管後に包装体を開封した際に、食品や薬剤の本来の臭気が充分に感じられる。
本発明の第二実施形態に係る包装体用フィルムについて、図面を参照して説明する。
図2の包装体用フィルム100は、バリア材120と、シーラント材30とがこの順で積層されたものである。すなわち、包装体用フィルム100は、バリア材120と、バリア材120の一方の面に位置するシーラント材30とを備える。
本実施形態において、第一実施形態と異なる点は、バリア材120が基材を兼ねている点である。
バリア材120としては、PET、OPP、CPP、HDPE、MDPE等、第一実施形態における基材10と同様の樹脂製フィルムに、アルミニウム等の金属が蒸着された金属蒸着フィルム又はシリカが蒸着されたシリカ蒸着フィルム等が挙げられる。この中でも金属蒸着フィルムが好ましく、金属蒸着PETがより好ましく、アルミニウム蒸着PETがさらに好ましい。
バリア材120として金属蒸着フィルムを用いることで、水蒸気の透過と臭気の透過とを抑制することができる。
なお、第一実施形態における基材10のうち、PET、PVCをバリア材120としてもよい。
包装体用フィルム100の製造方法としては、従来公知の製造方法を採用できる。例えば、バリア材120として金属蒸着フィルムを得、バリア材120の蒸着面とラミネート層32とが当接するように、バリア材120とシーラント材30とを重ね、これを押圧しつつ加熱する方法が挙げられる。
本発明の包装体は、包装体用フィルム100が製袋されたものである。包装体としては、例えば、包装体用フィルム100のヒートシール層36同士をヒートシールして製袋された袋が挙げられる。包装体の形態としては、例えば、合掌貼り袋、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンド袋等が挙げられる。
上述の実施形態では、シーラント材がラミネート層を備えるが、本発明はこれに限定されず、ラミネート層を省略し、ゼオライト含有層がラミネート層を兼ねてもよい。ただし、バリア材とシーラント材との接着性をより高める観点からは、ラミネート層を備えることが好ましい。
本実施例において使用した材料は下記のとおりである。
≪基材≫
・PET:ルミラー(商品名)、東レフィルム加工株式会社製。
・PVC:スミライト(商品名)、住友ベークライト株式会社製。
・OPP:二軸延伸ポリプロピレン、パイレンOT(商品名)、東洋紡株式会社製。
・AL:アルミニウム箔、株式会社UACJ製。
・AL蒸着PET:VM-PET(商品名)、東レフィルム加工株式会社製。
・PE:LLDPE、リックス(商品名)、東洋紡株式会社製。
・ゼオライトA-1:ハイシリカゼオライト(A)、平均粒子径=10μm、Hイオン、SiO2/Al2O3比=1500、結晶水量=16モル。
・ゼオライトA-2:ハイシリカゼオライト(A)、平均粒子径=10μm、Hイオン、SiO2/Al2O3比=500、結晶水量=29モル。
・ゼオライトA-3:ハイシリカゼオライト(A)、平均粒子径=0.05μm、Hイオン、SiO2/Al2O3比=1500、結晶水量=16モル。
・ゼオライトA’-1:ハイシリカゼオライト(A)の比較成分、平均粒子径=10μm、Naイオン、SiO2/Al2O3比=1500、結晶水量=16モル。
・ゼオライトB-1:ハイシリカゼオライト(B)、平均粒子径=0.4μm、Hイオン、SiO2/Al2O3比=6.5、結晶水量=29モル。
・ゼオライトB-2:ハイシリカゼオライト(B)、平均粒子径=0.4μm、Hイオン、SiO2/Al2O3比=15、結晶水量=29モル。
・ゼオライトB-3:ハイシリカゼオライト(B)、平均粒子径=0.4μm、Naイオン、SiO2/Al2O3比=6.5、結晶水量=29モル。
・ゼオライトB-4:ハイシリカゼオライト(B)、平均粒子径=1.0μm、Hイオン、SiO2/Al2O3比=6.5、結晶水量=29モル。
表1に示す基材、バリア材及びシーラント材を積層して実施例1~8、比較例1~6の構成に従った包装体用フィルムを製造した。シーラント材は、各層の構成原料が共押出機により成形されたものである。また、ラミネート層がバリア材と当接するように基材とバリア材とシーラント材とを重ねてドライラミネートした。ただし、実施例3は、参考例である。
なお、実施例2、4、6は、バリア材が基材を兼ねる構成であり、バリア材のPETが最外層となる配置である。実施例8は、バリア材が基材を兼ねる構成であり、バリア材のPVCが最外層となる配置である。
また、表中「-」は、その成分が含まれていないことを示す。
各例で得られた包装体用フィルムを用い、200mm×300mmの平袋を作製した。
次いで、ジアセチル溶液(ジアセチル/純水=5/1000)100gを上記の平袋に入れ密封した後、50℃、湿度50%RHの環境下において1ヶ月間保管した。
保管後の平袋のヘッドスペースにシリンジを刺して平袋内の気体を採取し、ガスクロマトグラフィーでジアセチルの残存濃度(ppb)を測定した。1ppbは、10億分の1の濃度である。
なお、実施例2は、ジアセチルに代えてアセトンで同様の測定をした。
また、比較例1は、ジアセチル及びアセトンの封入は行わず、平袋内の気体に含まれる酢酸エチルの濃度を測定したものである。
臭気残存度の評価は、下記評価基準に従って行った。結果を表1に示す。
表中「a」は、ガスクロマトグラフィーの測定対象となる物質の種類がジアセチルであることを示す。表中「b」は、ガスクロマトグラフィーの測定対象となる物質の種類がアセトンであることを示す。表中「c」は、ガスクロマトグラフィーの測定対象となる物質の種類が酢酸エチルであることを示す。
《評価基準》
臭気a(ジアセチル)
0点:残存濃度が0.001ppb未満。
1点:残存濃度が0.001ppb以上0.010ppb未満。
2点:残存濃度が0.010ppb以上0.100ppb未満。
3点:残存濃度が0.100ppb以上1.000ppb未満。
4点:残存濃度が1.000ppb以上。
臭気b(アセトン)
0点:残存濃度が1ppm未満。
1点:残存濃度が1ppm以上5ppm未満。
2点:残存濃度が5ppm以上10ppm未満。
3点:残存濃度が10ppm以上50ppm未満。
4点:残存濃度が50ppm以上。
臭気c(酢酸エチル)
0点:残存濃度が0.1ppm未満。
1点:残存濃度が0.1ppm以上0.5ppm未満。
2点:残存濃度が0.5ppm以上1.0ppm未満。
3点:残存濃度が1.0ppm以上5.0ppm未満。
4点:残存濃度が5.0ppm以上。
保管後の平袋を開封し、その際に感じる臭気及び異臭を、パネラー5名が下記判断基準に従って採点した。パネラー5名の採点結果の平均値の小数点以下第一位を四捨五入して官能評価の点数とした。結果を表1に示す。
《評価基準》
0点:異臭を全く感じない。
1点:異臭をわずかに感じる。
2点:弱い異臭を感じる。
3点:やや強い異臭を感じる。
4点:非常に強い異臭を感じる。
上記臭気残存度の評価、官能評価の評価結果に基づき、各例の包装体用フィルムを下記評価基準に従って総合評価した。総合評価が「◎」又は「○」のものを合格とした。
《評価基準》
◎:臭気残存度の評価が2点以下、かつ、官能評価が0点。
○:臭気残存度の評価が2点以下、かつ、官能評価が1点又は2点。
×:臭気残存度の評価が3点以上、又は、官能評価が3点以上。
一方、バリア材を備えない包装体用フィルムを用いた比較例1は、外部からの異臭(酢酸エチル)の透過をバリアできず、総合評価が「×」だった。ゼオライト含有層の厚さが本発明の範囲外である包装体用フィルムを用いた比較例2は、臭気残存度が3点で、異臭成分(ジアセチル)を充分に吸収できていなかった。
ハイシリカゼオライト(A)が陽イオンとして水素イオンを含まない包装体用フィルムを用いた比較例3は、臭気残存度が3点で、異臭成分(ジアセチル)を充分に吸収できていなかった。
ハイシリカゼオライト(A)を含まない包装体用フィルムを用いた比較例4は、臭気残存度が3点で、異臭成分(ジアセチル)を充分に吸収できていなかった。
ハイシリカゼオライト(B)を含まない包装体用フィルムを用いた比較例5は、臭気残存度が3点で、異臭成分(ジアセチル)を充分に吸収できていなかった。
A/B比が本発明の範囲外である包装体用フィルムを用いた比較例6は、臭気残存度が4点で、異臭成分(ジアセチル)を充分に吸収できていなかった。
10 基材
20、120 バリア材
30 シーラント材
32 ラミネート層
34 ゼオライト含有層
36 ヒートシール層
Claims (4)
- バリア材と、前記バリア材の一方の面に位置するシーラント材とを備え、
前記シーラント材は、ヒートシール層と、ハイシリカゼオライト(A)及びハイシリカゼオライト(B)を含有するゼオライト含有層とを備え、かつ、前記バリア材側から順に、前記ゼオライト含有層と前記ヒートシール層とが位置し、
前記ゼオライト含有層の厚さは10μm以上であり、
前記ハイシリカゼオライト(A)は、SiO2/Al2O3で表されるモル比が1000以上であり、
前記ハイシリカゼオライト(A)は陽イオンとして水素イオンを含み、
前記ハイシリカゼオライト(B)は、SiO2/Al2O3で表されるモル比が6.5~15であり、
前記ハイシリカゼオライト(B)は陽イオンとして水素イオン又はナトリウムイオンを含み、
前記ハイシリカゼオライト(A)/前記ハイシリカゼオライト(B)で表される質量比が20/80~90/10である、包装体用フィルム。 - 前記ヒートシール層の厚さが5~100μmである、請求項1に記載の包装体用フィルム。
- 前記バリア材が、金属箔又は金属蒸着フィルムである、請求項1又は2に記載の包装体用フィルム。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の包装体用フィルムが製袋された包装体。
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