JP2017214143A - ブリスターパック用積層体、及びそれを用いたブリスターパック - Google Patents
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《態様1》
基材層、アルミニウム箔層、補強層、及び吸収層をこの順で含む、ブリスターパック用積層体であって、前記補強層が、ポリプロピレンホモポリマー又はブロックポリプロピレンを含む無延伸フィルムを有する、ブリスターパック用積層体。
《態様2》
前記補強層が、ブロックポリプロピレンを含む、態様1に記載のブリスターパック用積層体。
《態様3》
JIS K 7129Aに準拠して、40℃、90%RHの試験条件で測定したときの前記補強層の水蒸気透過度が20g/(m2・day)以下である、態様1又は2に記載のブリスターパック用積層体。
《態様4》
JIS K7127に準拠して、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、チャック間隔50mm、引張り速度300mm/minの条件で測定したときの前記補強層の引張破壊呼びひずみが、80%以上である、態様1〜3のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
《態様5》
JIS K7127に準拠して、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、引張り速度300mm/minの条件で測定したときの前記補強層の引張弾性率が450MPa以上1500MPa以下である、態様1〜4のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
《態様6》
前記基材層が、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン系樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群より選択される樹脂を含む、態様1〜5のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
《態様7》
前記吸収層が、前記基材層側の外スキン層、吸収剤及び熱可塑性樹脂を有する吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順で含む、態様1〜6のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
《態様8》
前記外スキン層及び内スキン層の少なくとも一つが、ブロックポリプロピレンを含む、態様1〜7のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
《態様9》
態様1〜8のいずれかに記載の積層体、並びに前記アルミニウム箔層とは別のアルミニウム箔層及び樹脂層を有する蓋材を含み、前記積層体の吸収層と前記蓋材の樹脂層とが少なくとも部分的に接着しており、かつ前記積層体にポケット部が形成されて前記積層体と前記蓋材との間に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
《態様10》
態様1〜8のいずれかに記載の2つの積層体が、吸収層を向かい合わせにして少なくとも部分的に接着しており、かつ前記2つの積層体にポケット部が形成されて前記ポケット部に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
《態様11》
態様9又は10に記載のブリスターパックと、前記ポケット部に収納された内容物とを有するブリスターパック包装体。
本発明のブリスターパック用積層体は、基材層、アルミニウム箔層、補強層、及び吸収層をこの順で含む。また、基材層、アルミニウム箔層、補強層、及び吸収層のいずれか二層の間に、接着層を有してもよい。基材層の外側に追加の層が存在していてもよく、基材層が最外層であってもよい。また、吸収層の外側に追加の層が存在していてもよく、吸収層が最外層であってもよい。吸収層が最外層となる場合には、吸収層は、少なくとも補強層とは反対側に位置する面が、ヒートシール性であることができる。例えば、図1に示すように、本発明のブリスターパック用積層体10は、基材層1、アルミニウム箔層2、補強層3、及び吸収層4を有する。好ましくは、本発明のブリスターパック用の積層体10は、最外層の基材層1、アルミニウム箔層2、補強層3、及び蓋材等と接触する吸収層4をこの順で含み、又はこの順で構成される。なお、本明細書において、「A層及びB層で構成される積層体」とは、本質的にはA層とB層のみを含む積層体を意味しているが、A層及びB層の他に、本発明の有利な効果が得られる範囲又は有利な効果が失われない範囲で他の層を含んでもよいことを意味している。例えば、A層とB層との間にアンカーコート層等を含んでいたとしても、「A層及びB層で構成される積層体」と表現する場合がある。
基材層に用いられる樹脂としては、ブリスターパック用積層体に適度なバリア性及び成形性を与える樹脂であれば特に制限されない。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン系樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)等、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、外部からの水分の浸入を防ぎ、防湿性に優れているものがよく、特にポリプロピレン系樹脂、ポリアミド及び飽和ポリエステルが挙げられる。
アルミニウム箔層は、水分、有機ガス及び無機ガスに対するバリア性を付与するために用いられる。これは、純アルミニウム系のアルミニウム箔であってもよく、アルミニウム合金系のアルミニウム箔であってもよい。ブリスターパック用積層体に適切な成形性及び弾性を与えるために、アルミニウム箔層の厚みは、7μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってもよく、また60μm以下、50μm以下、又は40μm以下であってもよい。
補強層は、ブリスターパック用積層体の成形性及び弾性を向上させ、かつ端面からの被吸収成分の侵入を防ぐように選択される。本発明において、補強層に用いられる樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー(ホモPP)又はブロックポリプロピレン(ブロックPP)であり、好ましくはブロックPPである。ここで、ホモPPとは、実質的に全てがプロピレン単位からなるポリプロピレンである。また、ブロックPPは、ホモポリプロピレンの中にポリエチレン及び/又は炭素数4以上のα−オレフィン系ポリマーが分散している海島構造を有する樹脂であり、島状に存在するポリエチレン及び/又は炭素数4以上のα−オレフィン系ポリマーの周りにはEPR相(ゴム相)が存在している。補強層としては、適度な弾性を与える観点から、これらの樹脂を含む無延伸フィルムが用いられる。
吸収層は、吸収性の機能を有する層であり、この層によって内容物の長期安定性を向上させることができる。吸収層は、吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む吸収剤保持層単層であってもよいが、好ましくは外スキン層、吸収剤及び熱可塑性樹脂を含む吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順で含む。この場合、吸収剤保持層に含まれる吸収剤が使用中に脱離することを防止し、また吸収層を製造しやすくなることから上下のスキン層でサンドイッチして用いられる。
内スキン層及び外スキン層は、主に樹脂を含み、吸収剤保持層よりも少ない量の吸収剤を含むことができるが、ブリスターパックの製造中及び使用中に吸収剤が脱離する可能性、及び吸収層の製造しやすさを考慮すると、吸収剤を含まない方が好ましい。内スキン層及び外スキン層に用いられる樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性エラストマー等並びにこれらの混合物が挙げられる。
吸収剤保持層は、熱可塑性樹脂中に吸収剤が分散されている構造を有する。吸収剤保持層は、ブリスターパック内の水分、有機ガス及び無機ガス(例えば、酸素、二酸化炭素、アンモニア、硫化水素、塩素、塩化水素等)を吸収する層として機能する。
本発明のブリスターパック用積層体は、基材層、アルミニウム箔層、補強層、及び吸収層のいずれか二層の間に、本発明の効果が得られる範囲で、随意の他の層が存在していてもよく、基材層、アルミニウム箔層、補強層及び吸収層が複数の層で構成されていてもよい。例えは、随意の他の層として、接着層が存在していてもよい。この接着層に用いてもよい接着剤としては、ドライラミネート法により接着する場合は、ウレタン系接着剤、オレフィン系樹脂接着剤、ブチルゴム系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等が、サンドラミネート法により接着する場合は、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
本発明のブリスターパックは、上記のブリスターパック用積層体、及び蓋材を有する。ブリスターパック用積層体の吸収層と蓋材は、少なくとも部分的に接着する。ブリスターパック用積層体に、製剤等の内容物を収納するためのポケット部の成形をした後に内容物をポケット部に収容し、蓋材を接着させて、ブリスターパックのポケット部に内容物を収納したブリスターパック包装体を作製することができる。
(吸収層の作製)
内外スキン層用の材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(エボリューSP2520、株式会社プライムポリマー)の樹脂ペレット、及びランダムPP(FG3DC、日本ポリプロ株式会社)とブロックPP(BC6DRF、日本ポリプロ株式会社)とを重量比1:1でドライブレンドした樹脂ペレットを用意した。吸収剤保持層用の材料として、低密度ポリエチレン(LDPE)(ペトロセン202、東ソー株式会社)と水分吸収剤であるゼオライト(モレキュラーシーブ4A、ユニオン昭和株式会社)を混練押出機に入れ、樹脂を加熱溶融しながら混練した後、これを押出機で押し出して冷却することによって、吸収剤保持層用樹脂ペレットを得た。吸収剤保持層用樹脂ペレットにおけるゼオライトの含有量は、当該ペレットの重量の46質量%とした。そして、内外スキン層用樹脂ペレットと吸収剤保持層用樹脂ペレットを用いて、空冷方式インフレーション成形機による共押出成形で吸収層となるフィルムを成膜した。インフレーション成形は、樹脂温度200℃で、三層インフレーション成形機(TUL−600R、株式会社プラコー)により行った。これにより、それぞれ20μmの内外スキン層で90μmの吸収剤保持層がサンドイッチされた吸収層を得た。
基材層として25μmのポリアミドフィルムを用いた。また、アルミニウム箔層として40μmのアルミニウム箔を用いた。さらに、補強層として表1に記載の各種のフィルムを用いて、基材層、アルミニウム箔層、補強層及び吸収層を順に、全てドライラミネート法により積層させて、実施例1〜4及び比較例1〜3のブリスターパック用の積層体を得た。その際には、接着面の濡れ性を確認し、必要に応じてコロナ処理を実施した。また、接着剤として、主剤(タケラック(商標)XA1151、三井化学株式会社)、硬化剤(タケネート(商標)A12、三井化学株式会社)をそれぞれ9:1の重量比で含むウレタン系接着剤を用いた。なお、各層間の接着剤の塗工量は5g/m2で行った。
実施例1〜4及び比較例1〜2について、ブリスターパック用積層体と密封用積層体とを、熱ラミネート機を用いて接着させ、吸収速度試験用積層体を得た。密封用積層体は、PET(厚さ12μm)、アルミニウム箔(9μm)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)をこの順にドライラミネートして得た。なお、本試験では、ブリスターパック用積層体の端面からの吸収速度を測定することを目的としているため、ブリスターパック用積層体にポケット部を成形せず、ブリスターパック用積層体と密封用積層体とを全面一様に貼り合せた。
(吸収速度試験)
上記試験用積層体を100mm×10mmのサイズに10本を切り出して、ブリスターパック用積層体の吸収層が失活していない端面を露出させた。乾燥剤(1g×30個)が入ったアルミニウム袋に上記積層体を入れて3時間シーズニングを行った後、切り出した試験用積層体の重量を速やかに測定し、初期値を得た。その後すぐに、上記切り出した試験用積層体を40℃、75%RHの環境下の恒温恒湿槽に保管した。測定期間の日数経過後に、上記切り出した試験用積層体を恒温恒湿槽から取り出し、乾燥剤(1g×30個)が入ったアルミニウム袋に入れて密閉シールした。アルミニウム袋を室温で3時間シーズニングを行った後、切り出した試験用積層体をアルミニウム袋から取り出して、その重量を測定した。吸収量(mg/シート)は、経過日数ごとの重量測定値から初期値を減算することにより求めた。それぞれ3回ずつ測定し、その平均値を求めた。それらの結果を表1に示す。
各種補強層の水蒸気透過度を、40℃、90%RHの試験条件で透湿度測定装置(PERMATRAN−W398 MA、モコン社製)を用いて、測定した。それらの結果を表1に示す。
実施例1〜4並びに比較例1〜3の積層体に、室温で深さ4.75〜5.75mmのポケット部を成形した。成形機は、日本オートマチックマシン株式会社のハイスピード油圧プレス(HYP505H)を用いた。プラグ材質は、粘度平均分子量550万の超高分子量ポリエチレン樹脂(製品名:ニューライト(商標)NL−W、作新工業株式会社)であり、プラグ径は13mm、成形速度は200mm/s、成形圧力は7.7MPa、押込み保持時間は1秒とした。ここでは、成形される部位の周囲に圧を掛けながら固定された後、プラグ(凸部分)が設定された長さだけ押し出されることで、積層体がドーム型に成形される。
JIS K7127に準拠して、各積層体に用いた補強層の引張弾性率及び引張破壊ひずみを測定した。ここでは、引張り試験測定器(ストログラフVES1D、株式会社東洋精機製作所)を用いて、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、チャック間隔50mm、引張り速度300mm/minの条件で測定した。その結果を表1に示す。
300 内容物
10 ブリスターパック用積層体
1 基材層
2 アルミニウム箔層
3 補強層
4 吸収層
5 蓋材
4a 外スキン層
4b 吸収剤保持層
4c 内スキン層
5a 熱可塑性樹脂層
5b 金属層
Claims (11)
- 基材層、アルミニウム箔層、補強層、及び吸収層をこの順で含む、ブリスターパック用積層体であって、前記補強層が、ポリプロピレンホモポリマー又はブロックポリプロピレンを含む無延伸フィルムを有する、ブリスターパック用積層体。
- 前記補強層が、ブロックポリプロピレンを含む、請求項1に記載のブリスターパック用積層体。
- JIS K 7129Aに準拠して、40℃、90%RHの試験条件で測定したときの前記補強層の水蒸気透過度が20g/(m2・day)以下である、請求項1又は2に記載のブリスターパック用積層体。
- JIS K7127に準拠して、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、チャック間隔50mm、引張り速度300mm/minの条件で測定したときの前記補強層の引張破壊呼びひずみが、80%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
- JIS K7127に準拠して、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、引張り速度300mm/minの条件で測定したときの前記補強層の引張弾性率が450MPa以上1500MPa以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
- 前記基材層が、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン系樹脂、飽和ポリエステル、ポリアミド及びこれらの混合物からなる群より選択される樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
- 前記吸収層が、前記基材層側の外スキン層、吸収剤及び熱可塑性樹脂を有する吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順で含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
- 前記外スキン層及び内スキン層の少なくとも一つが、ブロックポリプロピレンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体、並びに前記アルミニウム箔層とは別のアルミニウム箔層及び樹脂層を有する蓋材を含み、前記積層体の吸収層と前記蓋材の樹脂層とが少なくとも部分的に接着しており、かつ前記積層体にポケット部が形成されて前記積層体と前記蓋材との間に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の2つの積層体が、吸収層を向かい合わせにして少なくとも部分的に接着しており、かつ前記2つの積層体にポケット部が形成されて前記ポケット部に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
- 請求項9又は10に記載のブリスターパックと、前記ポケット部に収納された内容物とを有するブリスターパック包装体。
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