JP6516840B2 - ブリスターパック用積層体、及びそれを用いたブリスターパック - Google Patents

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Description

本発明は、ブリスターパック用積層体、及びそれを用いたブリスターパックに関する。
粉状の製剤は、薄手の紙袋又はフィルム製袋等に封入されるが、錠剤又はカプセル剤等の製剤は、PTP(プレススルーパック)と呼ばれるブリスターパックに封入される。PTPに封入されている製剤を指で押し込むことによって、シート状の蓋材を破り、そして製剤を取り出すことができる。その他、製剤を収容するポケット部を成形したバリア性積層体2枚を向い合せてシールした形状のブリスターパックに製剤が封入されることもある。この形態の場合、ブリスターパックの端部を切り取って開封するか、2枚の積層体の間で剥離して開封するので、粉状及び液体状の製剤でも使用できる。
製剤は水分を吸収することで、薬効成分が変質することがある。そのため、従来は、ブリスターパックを封入する外装袋内にシリカゲル等の乾燥剤を封入していた。しかし、外装袋内に乾燥剤を投入する作業は手間がかかり、またこれを誤飲又は誤食される恐れもあった。また、外装袋の開封後は、ブリスターパック内を低湿度に保つことができず、製剤の劣化が進行する問題もあった。さらに製剤によっては、酸化分解しやすいもの、特有のにおいを発するもの等があるので、ブリスターパック内の酸素、におい等のガスを吸収したいという要望もある。
それに対し、特許文献1は、ブリスターパックの内部に吸収剤を有する吸収層を形成することによって、製剤の長期安定性を向上させる技術を開示している。ここではまず、バリア層である基材と吸収層との積層体に、ドーム状のポケット部分を形成する。そして、そのポケット部分に錠剤である製剤を入れて、これを蓋材で封止している。この技術によれば、外装袋に乾燥剤等を同梱しなくても、乾燥状態の維持、酸化の防止、及びにおいの効率的な除去が可能となると考えられる。
また、製剤の中には、紫外線に弱いものもあり、包装容器が透明であると、薬効成分が劣化するおそれがある。これに対して、例えば特許文献2は、ブリスターパックの裏側の蓋材だけではなく、表側のブリスターパック用積層体にもアルミニウム箔層を形成する技術、いわゆるアルミブリスター包装を開示している。この技術によれば、ブリスターパックにアルミニウム箔層を形成するので製剤は視認できないが、紫外線を遮断し、バリア性をさらに高めることができる。
上記の2つの技術を単純に組み合わせた態様では、ブリスターパック用積層体にドーム状のポケットを成形する際に、ドームの天井部分が破れたり、裾の部分又は肩の部分に亀裂が発生したりする成形上の問題が発生する。特許文献2はこれに対処するために、特定のポリマーを用いたコシのある補強層をアルミニウム箔層と吸収層との間に積層して、基材層/アルミニウム箔層/補強層/吸収層を順に有するブリスターパック用積層体を開示している。
国際公開第2006/115264号 国際公開第2012/029323号
特許文献2のブリスターパック用積層体では、コシのある補強層を設けることで積層体全体の強度を向上させて、成形不良を低減している。
一方で、製剤によっては水分、有機ガス、及び無機ガスにより即時に変質するものがあるため、ブリスターパックのポケット部分に製剤を入れて、これを蓋材で封止する場合に、ポケット部分で即時に水分等を吸収して、製剤の変質を防ぎたいという要望が強くある。しかし単にブリスターパック用積層体の吸収速度を速めるだけでは、ブリスター成形前にブリスターパック用積層体を保管している時に吸収層が直ちに失活してしまい、ブリスターパックに製剤を封入した後に本来の機能を有さない。そのため、従来構成のブリスターパック用積層体では、上記要望を満たすものではなかった。
したがって本発明では、ブリスターパックに内容物を封入する場合に、ポケット部分で即時に水分等を吸収して、内容物の変質を防ぎつつ、ブリスター成形前のブリスターパック用積層体の保管時の吸収層の失活を防ぐことができるブリスターパック用積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
[1]少なくとも基材層、及び吸収層をこの順で含み、
前記吸収層が、吸収剤及びバインダー樹脂を有する吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順で含み、かつ
前記吸収層が、JIS K7127に準拠して測定した場合に、5%〜90%の引張破壊時呼びひずみを有する、
ブリスターパック用積層体。
[2]アルミニウム箔層を前記基材層と前記吸収層との間に有する、[1]に記載のブリスターパック用積層体。
[3]保護層を前記吸収層の前記内スキン層側に有する、[1]又は[2]に記載のブリスターパック用積層体。
[4]前記内スキン層が、高密度ポリエチレン及びランダムポリプロピレン樹脂の混合樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、又は高密度ポリエチレンを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
[5]前記吸収層が外スキン層を前記内スキン層とは逆側にさらに有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
[6]ブリスターパック成形時に押出してポケット部を形成するときに、ポケット部の前記吸収層に、ひび割れが発生する、[1]〜[5]のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
[7]アルミニウム箔層を前記基材層と前記吸収層との間に有し、かつ補強層を前記アルミニウム箔層と前記吸収層との間にさらに有する、[1]〜[6]のいずれかに記載のブリスターパック用積層体。
[8]バリアフィルム層を前記補強層と前記吸収層との間にさらに有する、[7]に記載のブリスターパック用積層体。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の積層体、並びにアルミニウム箔層及び樹脂層を有する蓋材を含み、前記積層体の吸収層又は保護層と前記蓋材の樹脂層とが少なくとも部分的に接着しており、かつ前記積層体にポケット部が形成されて前記積層体と前記蓋材との間に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の2つの積層体が、吸収層又は保護層を向かい合わせにして少なくとも部分的に接着しており、かつ前記2つの積層体にポケット部が形成されて前記ポケット部に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
[11][9]又は[10]に記載のブリスターパックと、前記ポケット部に収納された内容物とを有するブリスターパック包装体。
本発明によれば、ブリスターパックに内容物を封入する場合に、ポケット部分で即時に水分等を吸収して、内容物の変質を防ぎつつ、ブリスター成形前のブリスターパック用積層体の保管時の吸収層の失活を防ぐことができるブリスターパック用積層体を提供することができる。このような積層体を用いたブリスターパックを使用することによって、内容物を長期間安定した状態で保管することができる。
本発明のブリスターパックの一例を示す概略図である。 本発明のブリスターパックの他の例を示す概略図である。 本発明のブリスターパック用積層体の層構造の概略図である。 本発明のブリスターパック用積層体において保護層を有さないブリスターパック用積層体の吸収速度の比較を示す図である。 本発明のブリスターパック用積層体において保護層を有するブリスターパック用積層体の吸収速度の比較を示す図である。 本発明のブリスターパックのポケット部の表面観察結果を示す図である。
<ブリスターパック用積層体>
本発明のブリスターパック用積層体は、少なくとも基材層、及び吸収層をこの順で含み、吸収層が、吸収剤及びバインダー樹脂を有する吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順で含み、かつ吸収層が、JIS K7127に準拠して測定した場合に、5%〜90%の引張破壊時呼びひずみを有するブリスターパック用積層体である。
また、基材層と吸収層との間にアルミニウム箔層をさらに有していてもよく、吸収層の内スキン層側に保護層をさらに有していてもよく、吸収層が内スキン層とは逆側に外スキン層をさらに有していてもよく、アルミニウム箔層と吸収層との間に補強層をさらに有していてもよく、補強層と吸収層との間にバリアフィルム層をさらに有していてもよい。その上さらに基材層、随意のアルミニウム箔層、随意の補強層、随意のバリアフィルム層、吸収層、及び随意の保護層のいずれか二層の間に、接着層を有していてもよい。
例えば、図1に示すように、本発明のブリスターパック用積層体10は、基材層1、随意のアルミニウム箔層2、随意の補強層3、随意のバリアフィルム層4、吸収層5及び随意の保護層6を有する。好ましくは、本発明のブリスターパック用の積層体10は、最外層の基材層1、アルミニウム層2、随意の補強層3、随意のバリアフィルム層4、吸収層5、及び蓋材7と接着する随意の保護層6をこの順で含み、又はこの順で構成される。保護層6が存在しない構成では、吸収層5が蓋材7と接着してもよい
なお、本明細書において、「A層及びB層で構成される積層体」とは、本質的にはA層とB層のみを含む積層体を意味しているが、A層及びB層の他に、本発明の有利な効果が得られる範囲又は有利な効果が失われない範囲で他の層を含んでもよいことを意味している。例えば、A層とB層との間にアンカーコート層等を含んでいたとしても、「A層及びB層で構成される積層体」と表現する場合がある。
基材層、随意のアルミニウム箔層、随意の補強層、随意のバリアフィルム層、吸収層及び随意の保護層の少なくとも二層を貼り合せる方法としては、ドライラミネート法、サンドラミネート法等が挙げられる。ドライラミネート法は、接着剤を塗布し乾燥させた後、加圧し、接着剤を硬化させて貼り合せる方法である。またサンドラミネート法は、基材と、貼り合せる側のフィルムとの間に、溶融させた各層を構成する樹脂又は接着用樹脂を押出し貼り合せる方法である。
ブリスターパック用積層体には、製剤等の内容物を入れるためのポケット部が形成される。ポケット部を成形する際の成形方法としては、平板式空圧成形法、プラグアシスト圧空成形法、ドラム式真空成型法、プラグ成形法等が挙げられる。この中でも、粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂製の先端部が丸い円柱状の棒(プラグ材)を用いたプラグ成形法が、ポケットを形成するためには好ましい。
(基材層)
基材層は、ブリスターパック用積層体の最外層となることができる。基材層に用いられる樹脂としては、ブリスターパック用積層体に適度なバリア性及び成形性を与える樹脂であれば特に制限されない。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)等、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、外部からの水分の浸入を防ぎ、防湿性に優れているものがよく、特にポリプロピレン系樹脂、ポリアミド及びポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
なお、本明細書においてポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書においてポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
基材層の厚みは、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であってもよく、また300μm以下、200μm以下、100μm以下、又は50μm以下であってもよい。
(アルミニウム箔層)
アルミニウム箔層は、水分及びガスバリア性を付与するために用いられて、基材層と吸収層との間に随意に積層される層である。これは、純アルミニウム系のアルミニウム箔であってもよく、アルミニウム合金系のアルミニウム箔であってもよい。ブリスターパック用積層体に適切な成形性及び弾性を与えるために、アルミニウム箔層の厚みは、7μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってもよく、60μm以下、50μm以下、又は40μm以下であってもよい。
(補強層)
補強層は、ブリスターパック用積層体の成形性を向上させるために用いられて、アルミニウム箔層と吸収層との間に随意に積層される層である。補強層は、ポリ塩化ビニル、飽和又は不飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド及びこれらの混合物から構成されていてもよい。補強層の厚みは、10μm以上、15μm以上、25μm以上、30μm以上、40μm以上、又は50μm以上であってもよく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、又は50μm以下であってもよい。本発明において補強層は、上記の特許文献2に記載のような補強層を用いることができる。
(バリアフィルム層)
バリアフィルム層は、補強層をアルミニウム箔層と吸収層との間に積層した場合に、積層体端面部から補強層を経由して侵入してきた水分、有機ガス及び無機ガスが吸収層に達して、予定外に吸収層が失活してしまうことを抑制するために用いられて、補強層と吸収層との間に随意に積層される層である。バリアフィルム層として用いられるフィルムとしては、例えば侵入してきた水分を防ぐ観点において、水蒸気透過度が、20g/(m・day)以下、15g/(m・day)以下、10g/(m・day)以下、7g/(m・day)以下、5g/(m・day)以下、3g/(m・day)以下又は1g/(m・day)以下であるフィルムが好ましい。
具体的には、バリアフィルム層として用いられるフィルムとしては、金属、半金属若しくはそれらの酸化物の蒸着層又はハロゲン化ポリマー層を少なくとも有する熱可塑性樹脂フィルムを挙げることができる。例えば、金属、半金属又はそれらの酸化物の蒸着層としては、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ二元蒸着膜等を挙げることができ、ハロゲン化ポリマー層としては、ポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリフッ化ビニリデンコーティング膜等を挙げることができる。これらを堆積させる樹脂フィルムとして、ポリオレフィン系樹脂(特に、延伸又は無延伸ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、飽和ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロンMXD6)を挙げることができる。
バリアフィルム層の厚みは、5μm以上、10μm以上、15μm以上、又は25μm以上であってもよく、また60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってもよい。
(吸収層)
吸収層は、吸収性の機能を有する層であり、この層によって内容物の長期安定性を向上させることができる。吸収層は、吸収剤及びバインダー樹脂を有する吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順に含み、かつ吸収層が、JIS K7127に準拠して測定した場合に、5%〜90%の引張破壊時呼びひずみを有する層である。
具体的には、JIS K7127に準拠して測定した引張破壊時呼びひずみは、例えば長さ50mmの試料が、延伸方向に100mmに伸びた時点で破断した場合に、引張破壊時呼びひずみを100%と表記するものである。なお本発明において、吸収層の引張破壊時呼びひずみは、引張り試験測定器(ストログラフVES1D、株式会社東洋精機製作所)を用いて、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、引張り速度300mm/minの条件で測定することができる。
また、外スキン層を内スキン層とは反対側の吸収剤保持層上に設けることができる。この場合、吸収剤保持層に含まれる吸収剤が製造工程で脱離することを防止し、また吸収層を製造しやすくなることから上下のスキン層でサンドイッチして用いられる。ここで、外スキン層は、ブリスターパックの内容物を収容する側とは反対側(外側)に用いられる層であり、内スキン層は、内容物を収容する側(内側)に用いられる層である。図1で示されるように、吸収層5は、本発明のブリスターパック用積層体10において、基材層1、随意のアルミニウム箔層2、随意の補強層3、随意のバリアフィルム層4及び随意の保護層6と積層して用いることができる。また例えば、図3で示されるように、吸収層5は、随意の外スキン層5a並びに吸収剤保持層5b及び内スキン層5cを有する。
内スキン層、吸収剤保持層、及び随意の外スキン層を含む吸収層は、多層インフレーション法によって製造することができる。これは複数の押出機によって同時に複数の樹脂をチューブ状に押出(共押出)して、この中に空気を送って膨らませて、多層フィルムを製造する方法である。また、吸収剤保持層をインフレーション法、Tダイ法等の押出成形又は射出成形することによりフィルム状又はシート状に形成し、外スキン層及び内スキン層を、公知の方法でフィルム化した後に、吸収剤保持層を挟んでラミネートすることによって、吸収層を製造することもできる。
吸収層の引張破壊時呼びひずみは、は5.0%以上、10.0%以上、15.0%以上、20.0%以上、25.0%以上、30.0%以上、35.0%以上、又は40.0%以上であり、また90.0%以下、80.0%以下、70.0%以下、60.0%以下、50.0%以下、40.0%以下、又は30.0%以下であってもよい。
吸収層の引張破壊時呼びひずみは、内スキン層、吸収剤保持層、及び随意の外スキン層を構成する樹脂及び吸収剤の種類及び量等によってその値を調製することができる。吸収層の引張破壊時呼びひずみを上記の範囲とすることで、ブリスターパック用積層体にポケット部を成形するためにブリスター成形した際、ポケット部のブリスターパック用積層体が部分的に引き延ばされるため、特にポケットの天面部及び肩部の吸収層に微細なひび割れや傷等が発生する。これにより、内スキン層及び吸収剤保持層の樹脂に覆われていた吸収剤が一部露出し、吸収速度が速くなる。そうすることで、ブリスターパックのポケット部に内容物を収容して封止した時、ポケット部で即時に水分等を吸収して、内容物の変質を防止することができる。また、ブリスター成形前には、吸収層にひび割れ等が発生していないため、吸収速度が遅い状態であり、ブリスターパック用積層体の保管時に吸収層が失活することを防ぐことができる。なお、吸収層の引張破壊時呼びひずみが5.0%未満である場合、吸収層が硬くなりすぎ、製造しにくくなるため好ましくない。また、吸収層の引張破壊時呼びひずみが80.0%を超える場合、ブリスター成形時に吸収層にひび割れや傷等が発生しにくくなり、特に90.0%を超える場合はほとんどひび割れや傷等が発生しないため、好ましくない。
吸収層の厚みは、適度な成形性及び弾性を得る観点から、50μm以上、60μm以上、又は70μm以上であってもよく、200μm以下、100μm以下、90μm以下、又は80μm以下であってもよい。
<外スキン層>
外スキン層は、吸収剤保持層を保護して、かつラミネートするための表面平滑性を付与するために随意に用いられる。外スキン層を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性エラストマー等並びにこれらの混合物が挙げられる。外スキン層を構成する具体的な樹脂としては、特にHDPE、ランダムPP樹脂、又はHDPEとランダムPPの混合樹脂を用いることができる。
外スキン層の厚みは、適度な成形性及び弾性を得る観点から、5μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってもよく、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってもよい。
<吸収剤保持層>
吸収剤保持層には、バインダー樹脂に吸収剤が分散されている。吸収剤保持層は、ブリスターパック内の水分、有機ガス及び無機ガスを吸収する層として機能する。
吸収剤保持層に用いることができる吸収剤としては、無機吸収剤、例えば酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等の化学吸着剤、及び酸化アルミニウム、生石灰、シリカゲル、無機の分子篩等の物理吸着剤を挙げることができる。無機の分子篩の例としては、限定されないが、アルミノケイ酸塩鉱物、クレー、多孔質ガラス、微細孔性活性炭、ゼオライト、活性炭、又は水等の小分子を拡散させることが可能な開口構造をもつ化合物を挙げることができる。このような無機吸収剤は、低湿度領域でも高い吸収性を得ることができ、ブリスターパック内部にわずかに含まれる湿分を吸収するには、このような相対湿度の低い環境下であっても高い吸収性を発揮できる吸収剤を用いることが特に好ましい。
ゼオライトとしては、天然ゼオライト、人工ゼオライト、合成ゼオライト等を使用することができる。ゼオライトは、分子の大きさの違いによって物質を分離するのに用いられる多孔質の粒状物質であり、均一な細孔をもつ構造であって、細孔の空洞に入る小さな分子を吸収して一種の篩の作用を有するため、水(蒸気、水蒸気)、有機ガス、無機ガス等を吸収することができる。合成ゼオライトの一例としてはモレキュラーシーブがあり、この中でも特に細孔(吸収口)径が0.3nm〜1nmのモレキュラーシーブを使用することができる。通常、細孔径が0.3nm、0.4nm、0.5nm、1nmのモレキュラーシーブを、それぞれモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13Xと称する。モレキュラーシーブの平均粒子径(レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径)は、例えば10μm前後のものが用いられる。本発明では、吸収する目的物や内容物の性質等に合わせて、これらのゼオライトを適宜使い分けることができる。
また、特に有機ガスを吸収する場合、疎水性ゼオライトを用いることが好ましい。疎水性ゼオライトとは、ゼオライトの結晶骨格内のアルミニウム原子を脱アルミニウム処理して減少させ、シリカアルミナ比を高めて、いわゆるハイシリカゼオライトとしたものを総称する。疎水性ゼオライトは、水等の極性物質に対する親和性を失い、非極性物質をより強く吸収するゼオライトであり、有機ガス等をより吸収しやすくなっている。疎水性ゼオライトの一例である疎水性のモレキュラーシーブとしては、細孔径0.6〜0.9nmのものを使用することができ、Abscents1000、Abscents2000、Abscents3000(以上ユニオン昭和株式会社)等が挙げられる。細孔径は、X線回折法による構造解析で確認することができる。また、疎水性ゼオライトの平均粒径(レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径)は、例えば3〜5μmのものが用いられる。
吸収剤が酸素吸収剤である場合には、無機系の酸素吸収剤、例えば酸化セリウム、酸化チタン、鉄粉等を用いてもよく、有機系の酸素吸収剤、例えば多価フェノール化合物、アスコルビン酸等を用いてもよい。多価フェノール化合物としては、フェノール、カテコール、没食子酸、レゾルシノール、ヒドロキノン、ベンゼントリオール、クレゾール、タンニン酸等が挙げられる。
吸収剤は、吸収能力の観点から、吸収剤保持層の重量に対して、0重量%より多く、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、又は50重量%以上の範囲で吸収剤保持層に含まれることができ、またバインダーへの分散性及び成形性の観点から70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、又は40重量%以下の範囲で吸収剤保持層に含まれることができる。
吸収剤保持層に用いることができるバインダー樹脂としては、有機バインダー、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル、アイオノマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
吸収剤保持層の厚みは、吸収能力、成形性、及び弾性の観点から、10μm以上、20μm以上、30μm以上、又は50μm以上であってもよく、500μm以下、300μm以下、200μm以下、150μm以下、又は100μm以下であってもよい。
<内スキン層>
内スキン層は、吸収剤保持層を保護し、蓋材又は本発明によるブリスターパック用積層体とヒートシールすることでブリスター容器を密封する。内スキン層は、JIS K7127に準拠して測定した引張破壊時呼びひずみの小さい樹脂を用いることが好ましく、それによりブリスターパック用積層体にドーム状のポケットを成形した際に、ポケット部分の内スキン層に割れ又は傷を発生させ易くすることができると考えられる。内スキン層を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、熱可塑性エラストマー等並びにこれらの混合物が挙げられる。内スキン層を構成する具体的な樹脂としては、特にHDPE、ランダムPP樹脂、又はHDPEとランダムPPの混合樹脂を用いることができる。
内スキン層の厚みは、適度な成形性及び弾性を得る観点から、5μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってもよく、100μm以下、70μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってもよい。
(保護層)
吸収層に割れ又は傷が発生すると、吸収層の樹脂粉及び吸収剤が脱離して、内容物に付着するおそれがある。そのため、吸収層の内スキン層側に割れ又は傷が発生しにくい保護層を積層させることができる。保護層は、吸収層の吸収能力を阻害しないものであることが好ましく、例えば吸収層が吸湿性を有する場合、保護層の水蒸気透過度は、15g/(m・day)以上、20g/(m・day)以上、30g/(m・day)、又は40g/(m・day)であることが好ましい。
保護層は、ブリスターパック用積層体にドーム状のポケット部分を成形する際に、割れ又は傷が発生しないことが望ましい。そのため、保護層の引張破壊時呼びひずみは、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、100%以上、200%以上、又は300%以上であり、また2000%以下、1000%以下、500%以下、又は400%以下である。
保護層を構成する具体的な樹脂としては、蓋材又は本発明によるブリスターパック用積層体とのヒートシールが可能な樹脂、例えばポリ塩化ビニル(PVC)を用いることができる。保護層の厚みは、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってもよく、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下であってもよい。
(接着層)
本発明のブリスターパック用積層体は、基材層、随意のアルミニウム箔層、随意の補強層、随意のバリアフィルム層、吸収層、及び随意の保護層のいずれか二層の間に、接着層を有してもよい。この接着層に用いてもよい接着剤としては、ドライラミネート法により接着する場合は、ウレタン系接着剤、オレフィン系樹脂接着剤、ブチルゴム系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤等が、サンドラミネート法により接着する場合は、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
(ブリスターパック、及びブリスターパック包装体)
本発明のブリスターパックは、上記のブリスターパック用積層体、及び蓋材を有する。ブリスターパック用積層体の吸収層又は保護層と蓋材とが、少なくとも部分的に接着する。ブリスターパック用積層体に、錠剤等の内容物を収納するためのポケット部の成形をした後に内容物をポケット部に収容し、蓋材を接着させて、ブリスターパックのポケット部に内容物を収納したブリスターパック包装体を作製することができる。
蓋材は、例えば樹脂層と金属層とを含む。その樹脂層としては、熱可塑性樹脂を用いることができる。また、金属層としては、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等のアルミニウム箔を用いることができる。好ましくは、蓋材は、アルミニウム箔に熱可塑性樹脂層がコーティングされた形態であり、蓋材の熱可塑性樹脂層と、ブリスターパック用積層体の接着する層(吸収層又は保護層)とは、接着性を高める観点から、同じ樹脂を含むことができる。また、アルミニウム箔にポリオレフィン系ポリマーアロイ等のイージーピール性樹脂がコーティング、またはイージーピールフィルムが積層された形態とすることもできる。この場合、ブリスターパックと蓋材との接着界面で剥離させることで、内容物を取り出すことができる。
本発明のブリスターパックのその他の態様として、上記のブリスターパック用積層体から選択される2つの積層体が、吸収層又は保護層を向かい合わせにして少なくとも部分的に接着する。2つのブリスターパック用積層体の両方に、錠剤等の内容物を収納するためのポケット部の成形をした後に内容物をポケット部に収容し、2つのブリスターパック用積層体の吸収層又は保護層を向かい合わせにして接着させて、ブリスターパックのポケット部に内容物を収納したブリスターパック包装体を作製することができる。
本発明のブリスターパックの内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、製剤の他、食品、化粧品、医療機器、電子部品等を挙げることができる。また、製剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
図1は、ブリスターパック100の概略図である。ここでは、順に基材層1、随意のアルミニウム箔層2、随意の補強層3、随意のバリアフィルム層4、吸収層5、及び随意の保護層6が積層してなるブリスターパック用積層体10に、蓋材7が接着されており、積層体10に形成されたドーム状のポケット部に、内容物300が内包されている。図示していないが、各層間には、接着層が存在する。
図2は、その他態様のブリスターパック200の概略図である。2つのブリスターパック用積層体10の吸収層又は保護層を向かい合わせにして接着されており、積層体10に形成されたポケット部に、内容物300が内包されている。
図3は、本発明のブリスターパックの層構造の概略図である。この図においては、ブリスターパック100のポケット部が形成されていない端部を示しており、順に、基材層1、随意のアルミニウム箔層2、随意の補強層3、随意のバリアフィルム層4、吸収層5、及び随意の保護層6が積層されてなるブリスターパック用積層体10に、蓋材7が接着されている。吸収層5は、随意の外スキン層5a、吸収剤保持層5b、及び内スキン層5cから構成され、また蓋材7は熱可塑性樹脂層7a及び金属層7bから構成される。
(サンプル作製)
実施例1〜5並びに比較例1及び2のブリスターパック用積層体を、吸収層及び保護層の構成を変更して、以下の表1に記載の構成とした。以下、ブリスターパック用積層体のサンプルの作製方法を説明する。
(吸収層の作製)
内外スキン層用の材料として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(エボリューSP2520、株式会社プライムポリマー)、ポリプロピレン(ノバテックPP FG3DC、日本ポリプロ株式会社)、高密度ポリエチレン(HD5110、東ソーニッケミ株式会社)、及び高密度ポリエチレン(HD5110、東ソーニッケミ株式会社)とポリプロピレン(ノバテックPP FG3DC、日本ポリプロ株式会社)を50質量%ずつ混合したブレンド樹脂の4種類の樹脂ペレットを用意した。吸収剤保持層用の材料として、低密度ポリエチレン(LDPE)(ペトロセン202、東ソー株式会社)と水分吸収剤であるゼオライト(モレキュラーシーブ4A、ユニオン昭和株式会社)を混練押出機に入れ、樹脂を加熱溶融しながら混練した後、これを押出機で押し出して冷却することによって、吸収剤保持層用樹脂ペレットを得た。吸収剤保持層用樹脂ペレットにおけるゼオライトの含有量は、当該ペレットの重量に対して46質量%とした。そして、表1に記載の実施例及び比較例の構成となるように、内外スキン層用樹脂ペレットと吸収剤保持層用樹脂ペレットを用いて、空冷方式インフレーション成形機による共押出成形で吸収層となるフィルムを成膜した。インフレーション成形は、内外スキン層及び吸収剤保持層の樹脂温度170℃、引取速度10m/minで、三層インフレーション成形機(TUL−600R、株式会社プラコー)により行った。
(積層体の作成)
基材層としてポリアミドフィルム(ナイロン)、補強層としてポリ塩化ビニル樹脂(PVC、スミライト(商標)VSS−6701、住友ベークライト株式会社)を用いて、基材層、アルミニウム箔層、補強層を順に、全てドライラミネート法により積層させた。その際には、接着剤として、主剤(タケラック(商標)XA1151、三井化学株式会社)、硬化剤(タケネート(商標)A12、三井化学株式会社)をそれぞれ9:1の重量比で含むウレタン系接着剤を用いた。なお、各層間の接着剤の塗工量は0.8g/mで行った。積層後、接着剤を硬化させるため、40℃の環境下で7日間保存してエージングを行った。
バリアフィルム層としてアルミニウム蒸着PET(VM−PET 1310、東レフィルム加工株式会社)、保護層としてポリ塩化ビニル(PVC、スミライト(商標)VSS−6701、住友ベークライト株式会社)を用いて、上記で得られた積層体の補強層上にバリアフィルム層、吸収層、及び随意の保護層とを、順次接着層を介してサンドラミネートすることにより、表1に記載の実施例1〜5並びに比較例1及び2のブリスターパック用積層体を得た。サンドラミネートは、接着層として低密度ポリエチレン(型番:サンテックL1850K、旭化成ケミカルズ株式会社製)を用いて、樹脂温度300℃、押出し樹脂厚み15μm、引取速度30〜45m/minで、サンドラミネーター(RP45.45、株式会社プラコー)を用いることにより行った。
〈評価1:吸収試験〉
(成形サンプルのポケット部の作成)
実施例1〜5並びに比較例1及び2のブリスターパック用積層体に、室温で深さ5.0mmのポケット部を成形した。成形機は、日本オートマチックマシン株式会社のハイスピード油圧プレス(HYP505H)を用いた。プラグ材質は、粘度平均分子量550万の超高分子量ポリエチレン樹脂(製品名:ニューライト(商標)NL−W、作新工業株式会社)であり、プラグ径は13mm、成形速度は200mm/s、成形圧力は7.7MPa、押込み保持時間は1秒とした。ここでは、成形される部位の周囲が圧を掛けながら固定された後、プラグ(凸部分)が設定された長さだけ押し出されることで、積層体がドーム型に成形される。
各例について、上記で得られた成形サンプルのポケット部分を、ポンチを用いて切り出した。得られた成形サンプルのポケット部分及びポケット部分ではないフラット部分を、23℃、50%RHの環境下で保管した。重量増加を経時測定することにより、吸収量を測定した。試験結果を表1並びに図4及び5に示す。
表1及び図4の結果から分かるように、比較例1では、成形サンプルのポケット部分及びフラット部分の吸収速度は変わらなかったのに対し、実施例1〜3では、成形サンプルのフラット部分と比較して、成形サンプルのポケット部分の吸収速度が速くなっている。
表1及び図5の結果から分かるように、吸収層の内スキン層側に保護層を積層した場合においても、比較例2では、成形サンプルのポケット部分及びフラット部分の吸収速度は変わらなかったのに対し、実施例4及び5では、成形サンプルのフラット部分と比較して、成形サンプルのポケット部分の吸収速度が速くなっている。
〈評価2:成形サンプルのポケット部分の表面観察〉
実施例1及び2、並びに比較例1について、上記で得られた成形サンプルのポケット部分の天面部及び肩部を、内スキン層側から光学顕微鏡を用いて観察した。写真を図6に示す。
図6で示されるように、比較例1では、成形サンプルのポケットの天面部及び肩部において、割れ又は傷が観察されなかったのに対して、実施例1及び2では、天面部及び肩部において、うろこ状のひび割れが観察された。
〈評価3:各例で用いている吸収層の引張り試験〉
JIS K7127に準拠して、各例で用いている吸収層の延伸方向に対する引張破壊点時呼びひずみを測定した。引張り試験測定器(ストログラフVES1D、株式会社東洋精機製作所)を用いて、サンプル幅15mm、サンプル長さ150mm、引張り速度300mm/minの条件で測定した。その結果を表1に示す。
表1及び図6の結果から、比較例1では、吸収層が引張破壊時呼びひずみが大きい柔軟な層であったために、成形サンプルのポケット部分の吸収層に割れ又は傷が発生せず、成形サンプルのフラット部分とで吸収速度が変わらなかったのに対して、実施例1〜3では、吸収層が引張破壊呼びひずみが小さい硬質な層であったため、ポケット部分の吸収層に割れ又は傷が発生したために、成形サンプルのフラット部分と比較して吸収速度が速まったと考えられる。
100、200 ブリスターパック
300 内容物
10 ブリスターパック用積層体
1 基材層
2 アルミニウム箔層
3 補強層
4 バリアフィルム層
5 吸収層
6 保護層
7 蓋材
5a 外スキン層
5b 吸収剤保持層
5c 内スキン層
7a 熱可塑性樹脂層
7b 金属層

Claims (11)

  1. 少なくとも基材層、アルミニウム箔層、バリアフィルム層、及び吸収層をこの順で含み、
    前記吸収層が、吸収剤及びバインダー樹脂を有する吸収剤保持層、並びに内スキン層をこの順で含み、かつ
    前記吸収層が、JIS K7127に準拠して測定した場合に、5%〜90%の引張破壊時呼びひずみを有する、
    ブリスターパック用積層体。
  2. 前記吸収層が、JIS K7127に準拠して測定した場合に、10%〜60%の引張破壊時呼びひずみを有する、請求項1に記載のブリスターパック用積層体。
  3. 保護層を前記吸収層の前記内スキン層側に有する、請求項1又は2に記載のブリスターパック用積層体。
  4. 前記内スキン層が、高密度ポリエチレン及びランダムポリプロピレン樹脂の混合樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、又は高密度ポリエチレン樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
  5. 前記吸収層が外スキン層を前記内スキン層とは逆側にさらに有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
  6. ブリスターパック成形時に押出してポケット部を形成するときに、ポケット部の前記吸収層に、ひび割れが発生する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
  7. 強層を前記アルミニウム箔層と前記前記バリアフィルム層との間にさらに有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
  8. 前記バリアフィルム層が金属、半金属若しくはそれらの酸化物の蒸着層又はハロゲン化ポリマー層を少なくとも有する熱可塑性樹脂フィルムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のブリスターパック用積層体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体、並びにアルミニウム箔層及び樹脂層を有する蓋材を含み、前記積層体の吸収層又は保護層と前記蓋材の樹脂層とが少なくとも部分的に接着しており、かつ前記積層体にポケット部が形成されて前記積層体と前記蓋材との間に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の2つの積層体が、吸収層又は保護層を向かい合わせにして少なくとも部分的に接着しており、かつ前記2つの積層体にポケット部が形成されて前記ポケット部に内容物が収納可能になっている、ブリスターパック。
  11. 請求項9又は10に記載のブリスターパックと、前記ポケット部に収納された内容物とを有するブリスターパック包装体。
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