JP5194449B2 - 固形物包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、錠剤、カプセル剤等の医薬品や食品等の固形物を包装する包装体に関するものである。
錠剤やカプセル剤などの固形製剤や食品等の固形物を包装フィルムで密封する場合の包装形態としては、固形製剤や食品等の固形物を2枚のフィルムで挟み、4辺または3辺をシールする方法や、固形物の周辺をシールするストリップ包装等の包装形態が用いられる。これらの包装形態では、フィルム端縁のシール部に形成された開封用の切り込みの両側を把持してフィルムを引き裂くことで、固形物を取り出すようになっている。
また、プラスチック製の成型シートの凹部に固形物を収納し、アルミ箔等の蓋材を貼り合わせて密封したPTP(Press Through Pack)包装も固形物の包装に用いられている。この場合には、成型シート側から固形物を指で押すことで蓋材が破れ、内部の固形物を取り出すことができる。
しかし、上述した固形物の包装体には次のような問題があった。先ず、包装フィルムで固形物を密封する方法においては、高齢者や小児、或いは負傷者等、指先の力が弱い者の場合、シール部を十分な力で把持して引き裂くことができない場合があった。また、PTP包装においても、蓋材のコシ(強度)によっては内容物を容易に取り出せない場合があり、開封によって蓋材の小片がごみとなって散乱したり、これを固形物と共に誤飲したりするおそれもあった。また、固形物を所定数ずつ分割して携帯できるようにミシン目が形成されている場合、ミシン目に沿って破断された成型シートのエッジ部で手指を傷付けるおそれもあった。
そこで、固形物を容易且つ安全に取り出すことのできる包装体が種々提案されており、例えば特許文献1には、収納物が収納される収納部の周辺に、開封ノブが形成された開封部を設けることにより、包装フィルムの開封性を高めた携帯用包装体が開示されている。また、特許文献2には、成型シートの凹部と対向する蓋材の一部に切り込みを形成することにより内容物の取り出し性を向上させたPTP包装体が開示されている。さらに、特許文献3には、固形物の収納部の周縁を密封するシール部の少なくとも一部に弱シール部を設けておき、固形物を包装体の外側から掴んで弱シール部側に移動させることにより、弱シール部を剥離させて固形物を押し出す固形物包装体が開示されている。
実用新案登録第2605068号公報 特開平6−278768号公報 特開2002−205767号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、固形物の収納部とは別に開封ノブを設けるスペースが必要となるため包装体が大型化してしまい、コスト面や携帯性において不利となっていた。また、特許文献2の方法では、成型シートを使用するため高コストになるとともに、エッジ部で手指を傷付ける危険性は解消されていなかった。また、特許文献3の方法では、特に内容物である固形物の大きさや形状によっては弱シール部まで移動させるのに手間がかかる場合もあり、開封容易性の点で更なる改良の余地が残されていた。
本発明は上記問題点に鑑み、固形物の取り出しを容易且つ安全に行うことができ、製造面やコスト面においても優れた固形物包装体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、少なくとも基材と最内層である熱可塑性樹脂層とを含む積層体により形成され、固形物を内包する収納部と、該収納部の周縁を閉鎖するシール部とを有する固形物包装体であって、前記収納部の平面部分の少なくとも一部には、前記基材を貫通しない傷痕または貫通孔の少なくとも一方が形成され前記熱可塑性樹脂層により被覆された易開封領域が設けられており、前記収納部に内包された固形物を外部から前記易開封領域方向に押圧することにより、前記易開封領域を破断可能としたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の固形物包装体において、前記易開封領域に重なる前記熱可塑性樹脂層は、溶融押し出し法により形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の固形物包装体において、前記易開封領域に重なる前記熱可塑性樹脂層は、溶融押し出しされたポリエチレンまたは溶融押し出しされたエチレン−メタクリル酸共重合体で形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の固形物包装体において、前記積層体は、前記傷痕または貫通孔の少なくとも一方が形成される第1積層体と、前記傷痕及び貫通孔が形成されない第2積層体とから成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の固形物包装体において、前記第1積層体の前記基材と前記熱可塑性樹脂層との間に、金属または金属酸化物の薄膜から成るバリア層を設けたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の固形物包装体において、前記第2積層体の前記基材と前記熱可塑性樹脂層との間に中間層を設けたことを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、収納部の平面部分には傷痕または貫通孔が形成され破断強度が低下した易開封領域が設けられるため、易開封領域が設けられた面に向けて外部から固形物を押圧して積層体を破断することにより、包装体の開封及び固形物の取り出しを容易に行うことができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の固形物包装体において、易開封領域に重なる熱可塑性樹脂層を溶融押し出し法で形成することにより、良好なヒートシール性と共に易破断性を満足する熱可塑性樹脂層となる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の固形物包装体において、易開封領域に重なる熱可塑性樹脂層を溶融押し出しされたポリエチレンまたは溶融押し出しされたエチレン−メタクリル酸共重合体で形成することにより、製造性や開封性において一層優れた包装体となる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1乃至第3のいずれかの構成の固形物包装体において、傷痕または貫通孔の少なくとも一方が形成される第1積層体と、傷痕及び貫通孔が形成されない第2積層体の2種類の積層体を用いることにより、予め用意した長尺状の第1積層体と第2積層体の間への固形物の挿入とヒートシールとを同時に行い包装体を連続的に効率良く製造することができる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の固形物包装体において、第1積層体の基材と熱可塑性樹脂層との間にバリア層を設けることにより、包装体に高い水蒸気バリア性、ガスバリア性を付与することができる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第4または第5の構成の固形物包装体において、第2積層体の基材と熱可塑性樹脂層との間に中間層を設けることにより、包装体に高い密封性、耐ピンホール性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等を付与することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の固形物包装体について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る固形物包装体に固形製剤を密封包装した状態を示す概略平面図であり、図1(b)はその断面図(図1(a)のAA′断面)である。なお、本発明の包装体1は、図1のように固形製剤11を個装する包装体1が1ピース毎に切り離されていても良いし、複数のピースが例えばミシン目を介して連なっている構成であっても良い。
図1に示すように、本実施形態の包装体1は、基材3の裏面に熱可塑性樹脂層5を設けた第1積層体7及び第2積層体9から成り、熱可塑性樹脂層5が対向するように第1積層体7及び第2積層体9を重ねた後、4辺をヒートシールすることにより、シール部10と固形製剤11を内包する収納部13とが形成されている。また、収納部13の第1積層体7側の平面部分には、基材3を貫通しない傷痕15aが多数形成された易開封領域15が、収納部13の略中央部を縦断するように形成されている。なお、ここでは収納部13に固形製剤11を1個包装する場合について例示しているが、収納部13に固形製剤11を複数個包装することもできる。
次に、本実施形態の包装体1の開封方法について説明する。図2(a)のように、指18で第2積層体9側から固形製剤11を押圧すると、固形製剤11を介して易開封領域15の内側に押圧力Fが作用する。易開封領域15は基材3に形成された傷痕15aにより破断強度が低下しているため、押圧力Fを強めていくと、図2(b)のように第1積層体7が破断する。さらに押圧を継続すると、図2(c)のように破断部が大きく広げられて固形製剤11を簡単に取り出し可能となる。
本実施形態の包装体1について更に詳細に説明する。図3は、第1積層体7の易開封領域15(図1(b)の破線円S内)の断面拡大図である。第1積層体7は、基材3の裏面にアンカーコート層17を積層し、このアンカーコート層17にさらに熱可塑性樹脂層5を積層した三層構造となっている。
基材3は、包装体を構成する基本素材となること、更に、金属または金属酸化物の薄膜からなるバリア層(後述)を設ける場合、バリア層を保持する基材となること等から、それらの形成、加工等の条件に耐え、かつ、その特性を損なうことなくそれらを良好に保持することができ、更に、包装体の製造に際し、加工作業性、耐熱性、滑り性、耐ピンホール性、水蒸気またはガスバリア性、その他の諸物性において優れたものであることが好ましい。
本発明に用いられる基材3としては、2軸延伸ナイロンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム等の単体ないしそれらの積層体が用いられ、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが特に好適に用いられる。2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの具体的な材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン−2、6−ナフタレート樹脂、ポリブチレン−2、6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂等の各種のポリエステル系樹脂を使用することができる。特に、易引き裂き性を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用することが好ましい。
2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムは、例えば、上記のポリエステル系樹脂の1種ないし2種以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、或いは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を製膜化する前に予め混合して製膜化する方法等により、ポリエステル系樹脂フィルムを製造し、更に、例えばテンター方式、或いはチューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを使用することができる。基材3の膜厚としては、3〜50μm程度、より好ましくは、5〜30μm程度が望ましい。
なお、基材3の製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、ごく微量から数十%まで、その目的に応じて任意に添加することができる。上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
なお、静電気の発生に伴う不具合を防止して、ラミネート適性、製袋性、充填包装適性等を向上させるために、基材3の表面に帯電防止コート層を設けても良い。帯電防止コート層の形成方法としては、例えば、樹脂をビヒクルの主成分とし、これに帯電防止剤の1種ないし2種以上を添加し、更に、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、充填剤、着色剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、溶剤・希釈剤等で十分に混練して樹脂組成物を調製する。次いで、該樹脂組成物を使用し、これを基材3の表面に、通常のコーティング法、或いは、印刷法等を用いて、コーティングないし印刷して、帯電防止コート層を形成する。
帯電防止剤としては、例えば、陰イオン系活性剤、陽イオン系活性剤、非イオン系活性剤、両性表面活性剤等の界面活性剤、金属粉やカーボン等の無機系帯電防止剤、シリコーン系帯電防止剤、高級脂肪酸およびそのエステル類、酸アミド類、塩類、パラフィン系炭化水素類、ワックス類等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。
ビヒクル樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、基材3の原料であるポリエステル系樹脂のペレットに、上記のような帯電防止剤の1種ないし2種以上を添加し、これを十分に混練した後、製膜することにより、基材3に帯電防止性を付与することもできる。
また、基材3の表面には多数の傷痕15aが形成されている。傷痕15aを収納部13(図1参照)の所定箇所に形成して易開封領域15とすることにより、包装体1の開封時(図2参照)における基材3の破断強度を低下させている。
傷痕15aを形成する方法としては、例えば、適当な粒度分布を有する砥粒を埋め込んで砥粒面が形成された砥石ローラや砥石板を圧着する方法、サンドブラスト加工、ワイヤーブラシ等を圧接する方法、レーザー加工法、コロナ放電加工法、プラズマ放電加工法等を用いることができる。特に、砥石ローラとゴム製の受けローラとの間に2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを挿入する方法が好ましい。砥石ローラは、例えば粒度#60〜120の粒度分布を有するダイヤモンド粉を、エポキシ樹脂等をバインダーとして金属ローラの外周面に塗布した後、エポキシ樹脂を硬化させて製造できる。
なお、図3においては基材3を貫通しない傷痕15aを設けているが、傷痕15aに代えて基材3を貫通する多数の貫通孔を設けても良い。即ち、上記のような粗面加工により、図3のような貫通しない傷痕15aのみからなる粗面、或いは、図4(a)のような貫通孔15bのみからなる粗面、更には、図4(b)のような貫通しない傷痕15aと貫通孔15bとが混在している粗面を任意に形成することができる。
傷痕15aのみからなる粗面とするか、貫通孔15bのみからなる粗面とするか、或いは両者が混在した粗面とするかは、砥石ローラの砥粒面の凹凸深さにより調整可能である。貫通孔15bを含む粗面とした場合は、第1積層体7の破断強度をより低下させることができる反面、第1積層体7の水蒸気バリア性、ガスバリア性が低下するため、基材3の裏面側に後述するバリア層21(図6(b)参照)を設けることが好ましい。
易開封領域15は、収納部13を平面的に見て少なくとも固形製剤11と重なる領域に形成されていれば良く、図1のように収納部13を縦断するパターンに形成する他、例えば図5(a)に示すように固形製剤11上で重なる十字形に形成しても良いし、図5(b)に示すように固形製剤11と重なる収納部13の略中央部分のみに形成しても良い。即ち、内包される固形製剤11の形状や大きさに応じて易開封領域15の形成パターンを変化させることにより、包装体1に最適な開封性を付与することができる。易開封領域15の形成パターンは、砥石ローラの砥粒面の形状により所望の大きさ及び形状に設定可能である。
なお、第1積層体7の破断方向は、易開封領域15を構成する傷痕15a或いは貫通孔15bの形状によって決まる。例えば包装体1を図1(a)の左右方向に破断させて固形製剤11を取り出す場合、傷痕15aを破断面に対し平行、即ち図1の上下方向に伸びる直線状に形成しておけば良い。従って、傷痕15a或いは貫通孔15bを直線状とし、且つその方向を固形製剤11の形状に応じて任意に設定することにより、易開封領域15の破断方向を固形製剤11が取り出し易い方向とすることができる。また、傷痕15a或いは貫通孔15bの形成間隔としては、0.6mm〜1.0mm程度が好ましい。
熱可塑性樹脂層5は、熱によって溶融して第1積層体7と第2積層体9とを相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。
本発明においては、第1積層体7を構成する熱可塑性樹脂層5は、上記の熱可塑性樹脂を溶融押し出し樹脂として用いる溶融押し出し法により基材3の裏面に積層して形成されることを特徴とする。熱可塑性樹脂製の単層ないし多層フィルムで熱可塑性樹脂層5を形成した場合、多層フィルムの破断強度や厚さにもよるが、一般に熱可塑性樹脂層5の破断強度が高くなり、易開封領域15からの固形製剤11の取り出しが困難となる。熱可塑性樹脂層5を溶融押し出しで形成することにより、破断強度が低くなって易開封領域15の開封が容易となる。熱可塑性樹脂層5の厚さとしては、ヒートシール性、易開封性等を考慮すると、10μm〜50μm程度、特に15μm〜25μm程度であることが好ましい。
また、例えば加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度その他を改良、改質する目的で、熱可塑性樹脂層5を構成する溶融押し出し樹脂に、前述の帯電防止剤の1種ないし2種以上を添加し、更に、その製膜化に際して、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を挙げることができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
アンカーコート層17は、基材3と熱可塑性樹脂層5との接着強度を高めるために、基材3の裏面を化学的に処理するものである。アンカーコート層17の厚さは、通常、0.1〜2.0μm程度が好ましい。アンカーコート層17を構成するアンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコート剤を使用することができる。
具体的には、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート、或いは、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリレートポリオール等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、またはポリアクリレートポリウレタン系樹脂を主成分とするアンカーコート剤が挙げられる。
図6は、第1積層体7の他の構成例を示す断面拡大図である。第1積層体7は、図6(a)に示すように、基材3とアンカーコート層17との間に文字、図形、記号、模様等の所望の印刷模様から成る印刷層19を形成することもできる。
印刷層19の形成方法としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種または2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整する。そして、このインキ組成物を用いてグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式により基材3の裏面に所望の印刷模様を印刷して印刷層19を形成する。
インキビヒクルとしては、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム等の、公知のインキビヒクルから選ばれた1種または2種以上を使用することができる。
また、内包される固形製剤11が水分や酸素により変質し易い場合、包装体1には高い水蒸気バリア性、ガスバリア性が要求される。そのような場合、図6(b)に示すように、基材3と熱可塑性層5との間にバリア層21を形成することもできる。
バリア層21としては、基本的には、金属箔や金属または金属酸化物を蒸着した蒸着膜であれば使用可能であり、その材質としては、例えばケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属またはその酸化物を使用することができる。好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)の酸化物を挙げることができる。
上記の金属酸化物の表記は、例えばSiOx、AlOx 、MgOx等のようにMOx (ただし、式中、Mは金属元素を表し、Xの値は金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合は完全な金属であり、包装体1に透明性が要求される場合は使用することができないが、透明性が要求されない場合は使用可能である。また、Xの範囲の上限値は、金属が完全に酸化した状態の値である。本発明において、一般的にケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲のものを使用することができる。
上記のようなバリア層21の膜厚としては、バリア層21が金属箔である場合は5〜30μm、また蒸着膜である場合には使用する金属または金属酸化物の種類等によって異なるが、例えば50〜2000Å位、好ましくは100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。また、バリア層21として使用される金属または金属酸化物を2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した金属または金属酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
バリア層21としての蒸着膜の形成方法としては、例えば、金属または金属酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、基材3の一方の面に蒸着する真空蒸着法、原料として金属を使用し、酸素を導入して酸化させて基材3の一方の面に蒸着する酸化反応蒸着法、酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition 法、PVD法)等を用いることができる。蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等が挙げられる。
なお、バリア層21と、その両面に積層される基材3及び熱可塑性樹脂層5との密着性等を向上させ、終局的には、その両者を強固に密着させて層間剥離(デラミネーション)の発生を防止するために、図5(b)においては基材3の裏面にアンカーコート層17を介してバリア層21を蒸着させた後、さらにアンカーコート層17を介して熱可塑性樹脂層5を形成している。
この柔軟性及び屈曲性に富むアンカーコート層17は、金属箔や金属または金属酸化物の薄膜からなるバリア層21に対し柔軟性、屈曲性等を有する被膜として積層されることにより、例えば、ラミネート加工、印刷加工、或いは製袋加工等の後加工時におけるバリア層21の加工適性を向上させ、後加工時におけるバリア層21へのクラック等の発生等を防止する役割も果たしている。
また、アンカーコート層17に代えて、基材3の裏面にプラズマ処理面を形成することにより密着性を高めることもできる。プラズマ処理面は、気体をアーク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行うプラズマ表面処理法等を利用して形成することができる。プラズマ処理に用いるガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用することができ、これらの不活性ガスに、更に酸素ガスを添加した混合ガスを使用することもできる。また、プラズマを発生させる方法としては、例えば、直流グロー放電、高周波放電、マイクロ波放電等の装置を利用することができる。
図7は、第2積層体9の一部を拡大した図である。第2積層体9は、基材3の裏面にドライラミネート層23を介して熱可塑性樹脂層5を積層した三層構造となっている。基材3及び熱可塑性樹脂層5については第1積層体7と同様であるため説明を省略する。なお、第2積層体9は破断強度を低くする必要はないため、熱可塑性樹脂層5は熱可塑性樹脂製の単層ないし多層フィルムを用いて形成しても良いし、溶融押し出し法により形成しても良い。溶融押し出し法により熱可塑性樹脂層5を形成する場合は、ドライラミネート層23に代えて前述のアンカーコート層17を積層すれば良い。
ドライラミネート層23を構成するラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、或いは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等を使用することができる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。ドライラミネート層23の形成方法としては、積層する両者の一方の面に、上記のラミネート用接着剤を、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法等のコート法或いは印刷法等によって塗布し、次いで溶剤等を乾燥させて形成することができ、そのコーティングないし印刷量としては、乾燥状態で0.1〜10g/m2程度が望ましい。
図8は、第2積層体9の他の構成例を示す断面拡大図である。第2積層体7は、図8(a)に示すように、基材3とドライラミネート層23との間に文字、図形、記号、模様等の所望の印刷模様から成る印刷層19を形成することもできる。印刷層19の組成及び形成方法については第1積層体7と同様であるため説明を省略する。なお、包装体1に固形製剤11を内包する際に充填不良等の検査を容易に行うため、収納部13の表面または裏面の少なくとも一方は透明であることが望ましい。そのため、印刷層19は第1積層体7若しくは第2積層体9のいずれか一方に形成するか、或いは固形製剤11が視認可能な透明部分(窓部)を設けておくと良い。
また、包装体1は物理的及び化学的に過酷な条件におかれる場合も想定されるため、包装体1を構成する第2積層体9にも高い密封性、耐ピンホール性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等が要求される。そこで、上記のような諸条件を充足するため、図8(b)に示すように、基材3と熱可塑性層5との間にドライラミネート層23を介して中間層25を積層することもできる。
中間層25としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂フィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。その他、着色剤や紫外線吸収剤等の所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性フィルムないしシート等を使用することもできる。
上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。また、中間層25の厚さは任意であるが、数μm〜300μm程度の範囲から選択して使用することができる。更に、中間層25の積層方法としては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜、ドライラミネート等のいずれでもよい。
図9(a)は、本発明の第2実施形態に係る固形物包装体に固形製剤を密封包装した状態を示す概略平面図であり、図9(b)はその断面図(図9(a)のBB′断面)である。第1実施形態の図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態においては、第1積層体7の基材3に、収納部13の中央を縦断するように形成された1本の傷痕(ハーフカットライン)15aから成る易開封領域15が設けられている。
本実施形態においても、図2に示したように第2積層体9側から固形製剤11を押圧すると、固形製剤11を介して易開封領域15の内側に押圧力Fが作用する。易開封領域15は破断強度が低下しているため、押圧力Fを強めていくと傷痕15aに沿って第1積層体7が破断し、固形製剤11を簡単に取り出し可能となる。傷痕15aの形成方法としては、例えば、傷痕15aの深さに応じた適当な突出量となるようにカッター刃を埋め込んだカッターローラやカッター板を圧着する方法、レーザー加工法等が挙げられる。
なお、易開封領域15(傷痕15a)は、固形製剤11の押圧により破断可能な位置であれば図9に示した位置に限らず、例えば収納部13の中央を横断するように形成しても良いし、縦横に十字に形成しても良い。或いは、収納部13の固形製剤11と重なる部分のみに形成しても良い。また、傷痕15aに代えて基材3を貫通する貫通孔15bを、収納部13を縦断するようにスリット状に形成しても良い。その他、第1積層体7及び第2積層体9を構成する各層の材質や厚み、積層方法等についても第1実施形態と全く同様である。
次に、本発明の固形物包装体の製造方法について説明する。先ず、一面にアンカーコート層17が形成された基材3を巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着する。次いで、アンカーコート層17の表面に、所定の蒸着条件により金属または金属酸化物のバリア層21を形成する。
次いで、バリア層21が形成された基材3を、砥石ローラ(またはカッターローラ)と受けローラとの間に、バリア層21が形成されていない面が砥粒面(カッター面)に対向するように通して圧接し、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム層3の所定箇所に傷痕15aを形成する。
次に、傷痕15aを形成した二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム層3のバリア層21の表面にアンカーコート層17を積層した後、溶融押し出し法により熱可塑性樹脂層5を積層して第1積層体7を製造する。一方、別途用意した基材3にドライラミネート層23を積層し、必要に応じて中間層25及びドライラミネート層23を積層した後、熱可塑性樹脂層5を積層して第2積層体9を製造する。
このようにして製造した第1積層体7及び第2積層体9の熱可塑性樹脂層5の面を対向して重ね合わせ、固形製剤11を挿入した後、その周辺端部をヒートシールしてシール部10及び収納部13を形成することにより、包装体1を製造する。このとき、第1積層体7の傷痕15aが形成された箇所が収納部13の平面部分に配置されるようにして易開封領域15を設ける。ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
本発明の包装体1は、連続的に、或いはバッチ式に製造することができる。例えば連続的に製造する場合、ロール状に巻かれた長尺の第1積層体7及び第2積層体9を順次繰り出し、両方の積層体7、9間に固形製剤11を挿入すると同時に周囲をヒートシールする工程を連続して行うことにより、平面部分に易開封領域15が形成された複数の収納部13がマトリクス状に連なる長尺の包装体1を製造する。その後、包装体1はスリッターにより長尺方向にカットされ、さらに所定数ずつ幅方向にカットされる。
また、バッチ式に製造する場合は、第1積層体7及び第2積層体9を重ね合わせて熱可塑性樹脂層5を対向させ、さらにその周辺端部を、例えば側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型等のヒートシール形態によりヒートシールして、収納部13の平面部分に易開封領域15を有する種々の形態の包装体1を製造することができる。
また、傷痕15aに代えて、或いは傷痕15aと共に貫通孔15bを形成する場合は、バリア層21による水蒸気バリア性、ガスバリア性を確保するために、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム層3に予め貫通孔15bを形成した後、バリア層21を積層する。
さらに、第2積層体9を用いずに第1積層体7のみで包装体1を製造することも可能である。即ち、第1積層体7を折り曲げて二方シール型、三方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)等のヒートシール形態によりシール部10と収納部13とを形成したとき、傷痕15a及び/または貫通孔15bが多数形成された易開封領域15が収納部13のいずれかの平面部分に配置されるようにすれば良い。
こうして得られた本発明の包装体1は、錠剤或いはカプセル状の医薬品、菓子等の固形状の食品、日用品、玩具等の固形物の包装材として、易開封性、印刷性、製造性等の優れた特性を有し、防湿性及びガスバリア性等にも優れることから、使用性、保存性、コスト等を著しく改良した包装体を提供できるものである。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第2積層体9にバリア層21を設けても良いし、易開封領域15の開封性を損なわない範囲で第1積層体7に中間層25を設けても良い。また、上記の製造方法は好ましい一例に過ぎず、例えば第2積層体9の製造方法として、通常の包装材料を製造するときに使用する積層法、例えば、ウエットラミネーション法、無溶剤ラミネーション法、共押出ラミネーション法、インフレーション法、その他の方法を用いることもできる。
また、必要ならば上記各層の積層を行う際に、被積層基材の表面に、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、ブラスト処理等の前処理を任意に施すことができる。以下、実施例を用いて本発明の構成を更に具体的に説明する。
(1)基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、片面にポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布して厚さ0.4μmのアンカーコート層を形成した。これを巻き取り式真空蒸着装置の巻き出しロールに装着し、次いで、ライン速度600mm/minで搬送し、次いで、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのアンカーコート面に、アルミニウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法により、バリア層として膜厚20nmの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;600m/min
(2)他方、粒度#60〜120の粒度分布を有するダイヤモンド粉を、エポキシ樹脂をバインダーとして金属ローラ(直径5インチ、幅8mm)の外周面の所定箇所に塗布し、エポキシ樹脂を硬化させて砥石ローラを製造した。次いで、上記砥石ローラを使用し、これと受けローラとの間に、上記(1)で酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの面が砥石ローラに対向するように通して圧接し、これにより粗面化加工処理を施して、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの所定箇所に貫通しない多数の傷痕を形成した。
(3)次に、上記(2)で傷痕を形成した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜に、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤を塗布して厚さ0.4μmのアンカーコート層を形成し、次いで、該アンカーコート層の表面に、熱可塑性樹脂層として溶融押し出し法により厚さ20μmの溶融ポリエチレン樹脂層を積層して第1積層体を製造した。
(4)一方、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を、グラビアロールコート法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコーティングしてドライラミネート層を形成し、次いで、該ドライラミネート層の表面に、熱可塑性樹脂層として厚さ20μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネートして第2積層体を製造した。
(5)次に、上記(3)、(4)で製造した第1積層体及び第2積層体を使用し、両方の熱可塑性樹脂層を内面になるようにして対向させ、且つ第1積層体の傷痕が収納部の一部となって易開封領域を構成するように、収納部の外周端部をヒートシールしてシール部及び収納部を形成し、一端に開口部を有する三方シール型の分包袋を製造した。次いで、上記で製造した三方シール型の分包袋内に、開口部から錠剤状の医薬品を充填包装し、最後に開口部をヒートシールして包装体を製造した。
上記で製造した本発明の包装体1は、防湿性と共にガスバリア性にも優れ、更に、外部から錠剤を易開封領域に向けて押圧することにより第1積層体を破断して、錠剤を簡単に取り出すことができた。
本発明は、少なくとも基材と最内層である熱可塑性樹脂層とを含む積層体により形成され、固形物を内包する収納部と、該収納部の周縁を閉鎖するシール部とを有する固形物包装体であって、収納部の平面部分の少なくとも一部には、基材を貫通しない傷痕または貫通孔の少なくとも一方が形成され熱可塑性樹脂層により被覆された易開封領域が設けられており、収納部に内包された固形物を外部から易開封領域方向に押圧することにより易開封領域を破断可能としたものである。
これにより、易開封領域に向けて外部から固形物を押圧するだけで積層体が破断されるため、包装体の開封及び固形物の取り出しを容易且つ安全に行うことができ、製造面やコスト面においても優れた固形物包装体を提供することができる。
また、易開封領域に重なる熱可塑性樹脂層を溶融押し出し法により形成したので、ヒートシール性が良好で破断し易い熱可塑性樹脂層となる。さらに、溶融押し出し樹脂として溶融押し出しされたポリエチレンまたは溶融押し出しされたエチレン−メタクリル酸共重合体を用いたので、製造性や開封性において一層優れた固形物包装体となる。
また、傷痕や貫通孔が形成される第1積層体と、傷痕や貫通孔が形成されない第2積層体とを予め用意しておけば、長尺状の第1積層体と第2積層体の間への固形物の挿入と同時にヒートシールを行うことにより包装体を連続的に製造することができ、製造コストが安くなる。さらに、第1積層体に金属または金属酸化物の薄膜から成るバリア層を設け、第2積層体に中間層を設けておけば、水蒸気及びガスバリア性、耐ピンホール性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等が付与された、特に医薬製剤用として好適な固形物包装体となる。
は、本発明の第1実施形態に係る包装体の平面図及び断面図である。 は、第1実施形態の包装体の開封方法を示す断面図である。 は、第1実施形態の包装体を構成する第1積層体の部分断面図である。 は、傷痕に代えて貫通孔を形成した例(図4(a))、及び傷痕と貫通孔とを形成した例(図4(b))を示す部分断面図である。 は、易開封領域の他の形成パターンを示す平面図である。 は、第1積層体の他の構成例を示す部分断面図である。 は、第1実施形態の包装体を構成する第2積層体の部分断面図である。 は、第2積層体の他の構成例を示す部分断面図である。 は、本発明の第2実施形態に係る包装体の平面図及び断面図である。
符号の説明
1 包装体
3 基材
5 熱可塑性樹脂層
7 第1積層体
9 第2積層体
10 シール部
11 固形製剤
13 収納部
15 易開封領域
15a 傷痕
15b 貫通孔
17 アンカーコート層
19 印刷層
21 バリア層
23 ドライラミネート層
25 中間層

Claims (5)

  1. 固形製剤または食品のいずれかから成る固形物を密封状態で包装する包装体のみから構成され、それ単体で使用される固形物包装体であって、
    前記包装体は、
    少なくとも矩形状の基材と最内層である矩形状の熱可塑性樹脂層とを含む矩形状の積層体により形成され、固形物を内包する収納部と、該収納部の四方の周縁を閉鎖するシール部とを有しており、
    前記包装体の表裏面の一方を構成する積層体においては、前記基材を貫通しない傷痕または貫通孔の少なくとも一方が多数形成され前記熱可塑性樹脂層により被覆された易開封領域が設けられており、前記易開封領域は、前記易開封領域を備えた積層体の対向する二辺の間で中央寄りの一部を一方の辺から他方の辺にまで帯状に形成されており、前記傷痕または貫通孔の形状が前記易開封領域を備えた積層体の対向する前記二辺と直交する方向に間欠的に延伸する直線状であり、
    前記固形物包装体において、前記包装体の前記収納部に内包された固形物を前記包装体の外部から前記易開封領域を備えた積層体の方向に押圧することにより、前記包装体の前記易開封領域を破断することにより、前記包装体の開封及び固形物の取り出しを行うことを特徴とする固形物包装体。
  2. 固形製剤または食品のいずれかから成る固形物を密封状態で包装する包装体のみから構成され、それ単体で使用される固形物包装体であって、
    前記包装体は、
    少なくとも矩形状の基材と最内層である矩形状の熱可塑性樹脂層とを含む矩形状の積層体により形成され、固形物を内包する収納部と、該収納部の四方の周縁を閉鎖するシール部とを有しており、
    前記包装体の表裏面の一方を構成する積層体においては、前記基材を貫通しない傷痕または貫通孔の少なくとも一方が多数形成され前記熱可塑性樹脂層により被覆された易開封領域が設けられており、前記易開封領域は、前記易開封領域を備えた積層体の対向する二辺の間で中央寄りの一部を一方の辺から他方の辺にまで帯状に形成されており、前記傷痕または貫通孔の形状が前記易開封領域を備えた積層体の対向する前記二辺と直交する方向に間欠的に延伸する直線状であり、
    前記積層体は、前記包装体の表裏面の一方を構成する前記傷痕または貫通孔の少なくとも一方が形成される第1積層体と、前記包装体の表裏面の他方を構成する前記傷痕及び貫通孔が形成されない前記第1積層体とは別体の第2積層体とから成り、
    前記第1積層体の前記基材と前記熱可塑性樹脂層との間に、金属または金属酸化物の薄膜から成るバリア層を設けており、
    前記固形物包装体において、前記包装体の前記収納部に内包された固形物を前記包装体の外部から前記易開封領域を備えた積層体の方向に押圧することにより、前記包装体の前記第1積層体の前記易開封領域を破断することにより、前記包装体の開封及び固形物の取り出しを行うことを特徴とする固形物包装体。
  3. 前記第2積層体の前記基材と前記熱可塑性樹脂層との間に中間層を設けたことを特徴とする請求項2に記載の包装体。
  4. 前記易開封領域に重なる前記熱可塑性樹脂層は、溶融押し出し法により形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装体。
  5. 前記易開封領域に重なる前記熱可塑性樹脂層は、溶融押し出しされたポリエチレンまたは溶融押し出しされたエチレン−メタクリル酸共重合体で形成されることを特徴とする請求項4に記載の包装体。
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