JP2008179102A - バリア性フィルム - Google Patents
バリア性フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008179102A JP2008179102A JP2007015861A JP2007015861A JP2008179102A JP 2008179102 A JP2008179102 A JP 2008179102A JP 2007015861 A JP2007015861 A JP 2007015861A JP 2007015861 A JP2007015861 A JP 2007015861A JP 2008179102 A JP2008179102 A JP 2008179102A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- carbon
- silicon oxide
- resin
- barrier
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】 ナイロン樹脂とナイロンMXD6樹脂との混合樹脂からなる二軸延伸ポリアミドフィルム1と、該二軸延伸ポリアミドフィルムの一方の面に設けた炭素含有量が異なる炭素含有酸化珪素膜2a、2b、2cからなるバリア性層2とからなることを特徴とする直線カット性を有するバリア性フィルムAに関するものである。
【選択図】図2
Description
しかし、このようなガスバリア性を備えた包材基材は、安定したガスバリア性が得られるものの、ガスバリア層としてのアルミニウム箔あるいはアルミニウムの蒸着膜を備えているため、焼却適性が劣り、使用後の廃棄処分が容易ではないという問題点がある。
また、アルミニウム箔を備えているため、透明性を有する包材基材は得られないという問題点もある。
しかし、PVDCは、塩素を含有するため、使用後に焼却することにより塩素ガスが発生し、環境衛生上好ましくないという問題点がある。
一方、EVOHは、酸素透過性が低く、かつ、香味成分の吸着性が低いという長所があるものの、水蒸気に接触するとガスバリア性が著しく低下してしまうという問題点がある。
このため、バリア層であるEVOHを水蒸気から遮断するために他の包材基材を積層し、複雑な積層構造とする必要があり、これにより製造コストの増大を来すという問題点を有するものである。
この無機酸化物の薄膜は、材料である無機酸化物を真空蒸着により基材フィルム上に付着させることにより形成され、廃棄時における環境上の問題もなく、また、ガスバリア性の湿度依存性等もないものである。
しかしながら、上述の珪素酸化物、酸化アルミ等の無機酸化物の薄膜からなるバリア層においては、無機酸化物粒子が基材上に蒸着したものであるため、無機酸化物粒子間に結晶粒界という隙間が存在しており、ガスバリア性が十分とはいえず、膜厚を厚く(500〜1000Å)する必要があること、無機酸化物の酸素原子割合が小さいほどガスバリア性は向上するが、反面、透明性が低下すること、上記のように膜厚を厚くする必要性があるので、その結果延展性に劣りクラックが生じやすいこと、基板と無機酸化物粒子との密着力が弱いこと等の種々の問題点があるものである。
特に、近年、包装用材料に強く求められる性能として、グロ−バルデザイン化など、いわゆる、ユ−ザビリティ−性能の向上が挙げられ、包装用材料の開封時のカット性もその一つであり、カッタ−、ハサミ等の開封手段を必要とせず、手で容易に、かつ、簡単に、直線的に引き裂ける直線カット性(易開封性)が望ましいものである。
而して、直線カット性(易開封性)を付与するための方法、手段等については、従来から種々の新技術が開発され、提案されている。
例えば、その一つの例として、ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部含有し(但し、Ny6+MXD6=100重量部)、MD方向(フィルムの移動方向)及びTD方向(フィルムの幅方向)の延伸倍率を共に2.8倍以上とされた易裂性のフィルムと、このフィルムの片面に形成された塩化ビニリデン系樹脂層とを有することを特徴とする易裂性フィルムが提案されている(例えば、特許文献等1参照。)。
また、別の例として、ポリアミド(PA)を40〜85重量部及びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部含有するフィルム(但し、PA+MXD6=100重量部)の少なくとも一面に、酸化アルミニウム層が100〜4000Åの厚さで形成されていることを特徴とする包装材料も提案されている(例えば、特許文献等2参照。)。
また、上記の特許文献2に係る包装材料においては、真空蒸着装置等を使用した物理気相成長法等によって、酸化アルミニウム層を製膜化していることから、基材フィルムの上に、酸化アルミニウム粒子が物理的に蒸気化付着して酸化アルミニウム層を形成しているものであり、これは、単に、堆積したガラス質の膜からなるものであり、柔軟性、可撓性、延展性等に劣るものであり、このため、例えば、フィルムの伸び対して、酸化アルミニウム層が、その伸びに追随することが困難であり、酸化アルミニウム層にクラック等が発生し、そのバリア性が劣化するという問題点を有するものである。
更に、上記の特許文献2に係る包装材料においては、酸化アルミニウム粒子が基材フィルム上に蒸気化付着したものであるため、前述のように、酸化アルミニウム粒子間に結晶粒界という隙間が存在しており、ガスバリア性が十分とはいえず、膜厚を厚く(500〜1000Å)する必要があること、酸化アルミニウムの酸素原子割合が小さいほどガスバリア性は向上するが、反面、透明性が低下すること、上記のように膜厚を厚くする必要性があるので、その結果、延展性に劣りクラックが生じやすいこと、基材フィルムと酸化アルミニウム粒子との密着力が弱いこと等の種々の問題点があるものである。
そこで本発明は、透明性、柔軟性、延展性、可撓性等を有すると共に優れたガスバリア性を備え、かつ、引き裂き性が良好で直線カット性を有し、更に、耐衝撃性、屈曲性等の諸物性に優れた直線カット性を有するバリア性フィルムを提供することである。
また、本発明に係るバリア性フィルムは、プラズマ化学気相成長法により炭素含有酸化珪素膜を積層することにより、基材フィルムと炭素含有酸化珪素膜との密着性に優れていると共にその炭素含有酸化珪素膜は、柔軟性、延展性、屈曲性、可撓性等に優れているものである。
また、本発明に係るバリア性フィルムは、第1層目から極めて優れた高いバリア性に優れた膜を製膜化することができ、また、少なくとも3室以上の製膜室からなるプラズマ化学気相成長装置を使用して炭素含有酸化珪素膜を連続的に3層以上を重層積層させ、かつ、それぞれの各層が、高いバリア性を有する膜を製膜化成することができることから、単層のそれよりも更に高いガスバリア性を得ることができるものである。
更に、本発明にかかるバリア性フィルムは、大気に開放ぜす連続的に製膜化することによりクラックの発生原因となる異物、塵埃等が製膜層間に混入することを防止することができ、かつ、そのバリア性の低下も認められないものである。
また、本発明にかかるバリア性フィルムは、各炭素含有酸化珪素膜は、その膜中に炭素原子を含有し、かつ、各炭素含有酸化珪素膜毎に炭素含有量が異なる不連続層であることから、酸素ガス、水蒸気等の透過を完全に阻止することができるものである。
而して、本発明にかかるバリア性フィルムは、上記のような作用効果を奏することにより、例えば、包装用材料等に使用されるバリア性素材として、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れ、かつ、そのガスバリア性の性能の低下も認めらず、更に、極めて良好に、直線的に引き裂ける直線カット性(易開封性)を有する極めて有用なバリア性フィルムに係るものである。
図1は、本発明に係るバリア性フィルムについてその炭素含有酸化珪素膜の製膜装置の一例の概略の構成を示す概略的構成図であり、図2は、本発明に係るバリア性フィルムについてその層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明においては、具体的には、基材フィルムとしての二軸延伸ポリアミドフィルムの一方の面に、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、かつ、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜を製膜化することによって、本発明に係るバリア性フィルムを製造することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明においては、図1に示すように、プラズマ化学気相成長装置11としては、基材フィルム供給室12、第1の製膜室13、第2の製膜室14、第3の製膜室15、および、基材フィルムの上に、炭素含有酸化珪素層を製膜化し重層した本発明に係るバリア性フィルムを巻き取る巻取り室16から構成されることを基本構造とするものである。
而して、本発明においては、まず、巻き出しロ−ル17に巻き取られている基材フィルム1を第1の製膜室13に繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル18を介して所定の速度で冷却・電極ドラム19周面上に搬送する。
次に、本発明においては、原料揮発供給装置20、および、ガス供給装置21等から有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を供給し、それらからなる製膜用混合ガス組成物を調整しながら、原料供給ノズル22を通して第1の製膜室13内に上記の製膜用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム19周面上に搬送された基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ23によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素酸化物等からなる第1層の炭素含有酸化珪素層を製膜化する。
しかる後、上記と同様に、本発明においては、原料揮発供給装置27、および、ガス供給装置28等から有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を供給し、それらからなる製膜用混合ガス組成物を調整しながら、原料供給ノズル29を通して第2の製膜室14内に上記の製膜用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム26周面上に搬送された第1層の炭素含有酸化珪素膜を製膜化した基材フィルム1の第1層の炭素含有酸化珪素膜の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素酸化物等からなる第2層の炭素含有酸化珪素膜を製膜化する。
しかる後、上記と同様に、本発明においては、原料揮発供給装置34、および、ガス供給装置35等から有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を供給し、それらからなる製膜用混合ガス組成物を調整しながら、原料供給ノズル36を通して、第3の製膜室15内に上記の製膜用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム33周面上に搬送された第1層と第2層の炭素含有酸化珪素膜を製膜化し、重層した基材フィルム1の第2層の炭素含有酸化珪素膜の上に、グロ−放電プラズマ37によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素酸化物等からなる第3層の炭素含有酸化珪素膜を製膜化する。
次いで、本発明においては、上記で第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素膜を製膜化し、それらを重層した基材フィルム1を、補助ロ−ル38を介して、巻取り室16に繰り出し、次いで、巻取りロ−ル39に巻き取って、第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素膜が重層した本発明に係るバリア性フィルムを製造することができるものである。
なお、図示しないが、上記のプラズマ化学気相成長装置には、真空ポンプ等が設けられ、各製膜室等は真空に保持されるように調製し得ることは勿論である。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
例えば、上記の例においては、第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素膜を重層した本発明に係るバリア性フィルムを製造しているが、炭素含有酸化珪素膜は、製膜室を任意に調製し、4層、あるいは、それ以上等のように炭素含有酸化珪素膜の層を任意に製膜化し、それらを重層した構造に製膜化し得るものであり、本発明は、上記の第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素膜が重層した本発明に係るバリア性フィルムを製造する例だけに限定されるものではないものである。
一方、各冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、各製膜室内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、製膜用混合ガス組成物なかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜を製膜化することができるものである。
なお、このときの各製膜室内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
なお、本発明において、各製膜室内の真空度は、各室において同じないし異なっていてもよいものである。
この場合、製膜用混合ガス組成物の各ガス成分のガス混合比としては、有機珪素化合物の1種からなる製膜用モノマ−ガスの含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、0.1〜70%位、不活性ガスの含有量は、1〜60%位の範囲として調製することが好ましいものである。
而して、本発明においては、各製膜室毎に、各製膜室に導入される製膜用混合ガス組成物の各ガス成分のガス混合比を変えて調製した製膜用混合ガス組成物を使用し、各製膜室毎に製膜化して、珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜を重層して、本発明に係るバリア製フィルムを製造するものである。
すなわち、本発明においては、少なくとも、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、および、不活性ガスを含有する製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変えて3以上の製膜用混合ガス組成物を調製し、次いで、その製膜用混合ガス組成物を各製膜室毎に変えて使用し、それらの各製膜用混合ガス組成物を使用した3層以上のプラズマ化学気相成長法による炭素含有酸化珪素膜を製膜化し、重層することができるものである。
而して、本発明においては、上記のような製膜用混合ガス組成物を任意に組み合わせて、第1、第2、あるいは、第3の製膜室に、製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変えた製膜用混合ガス組成物を使用して製膜化することができるものである。
また、本発明において、第2の製膜用混合ガス組成物を使用すると、製膜化した炭素含有酸化珪素層中に適度の炭素量を含有することができ、また、Si−CH3 結合も適度に含有することができ、それにより、柔軟性が高く、更に、酸素に対して高いバリア性を持つ炭素含有酸化珪素層を製膜化可能とすることができる。
更に、本発明において、第3の製膜用混合ガス組成物を使用すると、製膜化した炭素含有酸化珪素層中に炭素量の含有が減少する傾向にすることができ、また、Si−CH3 結合も少なくすることができ、それにより、柔軟性は劣るが、更に、酸素等に対して高いガスバリア性を持つ炭素含有酸化珪素膜を製膜化可能とすることができる。
而して、本発明において、上記のような製膜用混合ガス組成物を使用し、製膜化する場合、その製膜用混合ガス組成物を使用する順序としては任意であるが、例えば、第1、第2、第3の製膜用混合ガス組成物の順、第1、第2、第1の製膜用混合ガス組成物の順、第3、第1、第2の製膜用混合ガス組成物の順、第3、第1、第1の製膜用混合ガス組成物の順、または、第3、第3、第1の製膜用混合ガス組成物の順等で各製膜用混合ガス組成物を各製膜室に導入して製膜化することができる。
なお、本発明においては、第3、第1、第2の製膜用混合ガス組成物の順で製膜化することが好ましいものである。
上記において、第1の製膜用混合ガス組成物を2室で使用することにより、柔軟性が高く、水蒸気に対して高いバリア性を持つ炭素含有酸化珪素膜を製膜化可能とするという利点を有するものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより、基材フィルムの表面が、清浄化され、その表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、製膜化される珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜の製膜化時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素膜を製膜化する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
而して、上記の各製膜室で製膜化される炭素含有酸化珪素膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される珪素酸化物を主体とする炭素含有酸化珪素層の薄膜であることが好ましいものである。 上記において、Xの値は、有機珪素化合物の1種以上からなる蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、製膜化過程の条件等を変化させることにより、各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素層中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができるものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素膜の耐衝撃性、延展性、屈曲性、可撓性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素膜において、上記の化合物の含有量が、各炭素含有酸化珪素膜の表面から深さ方向に向かって増加させることが好ましく、これにより、各炭素含有酸化珪素膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が多いために、基材フィルムと炭素含有酸化珪素層との密着性、あるいは、各炭素含有酸化珪素層間の密着性等が強固なものとなるという利点を有するものである。
而して、本発明において、各製膜室において製膜化される上記の炭素含有酸化珪素層について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチング等により分析する方法を利用して、各炭素含有酸化珪素層の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
而して、上記のようなことは、炭素含有酸化珪素層中に炭素成分が含まれており、C−C結合、Si−CH3 結合が多く含まれているため、Si−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収のピ−ク位置が、減少する方へシフトしていることを示しているものである。
すなわち、柔軟性の高い、水蒸気に対して高いバリア性を持つ撥水性の膜であることを確認することができるものである。
更に、本発明において、上記の第2の製膜用混合ガス組成物を使用して製膜化した炭素含有酸化珪素層は、Si原子数100に対し、O原子数100〜150、C原子数100以下の成分割合からなり、更に、1045cm-1〜1075cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とするものである。
而して、上記のようなことは、炭素含有酸化珪素層中の炭素成分が少なく、Si−CH3 結合のみが含まれているため、Si−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収のピ−ク位置が、シフトしないことを示しているものである。
すなわち、柔軟性の高い、酸素に対して高いバリア性を持つ膜であることを確認することができるものである。
また、本発明において、上記の第3の製膜用混合ガス組成物を使用して製膜化した炭素含有酸化珪素層は、Si原子数100に対し、O原子数150〜190、C原子数80以下の成分割合からなり、更に、1045cm-1〜1075cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とするものである。
而して、上記のようなことは、炭素含有酸化珪素層中の炭素成分が少なく、Si−CH3 結合のみが含まれているため、Si−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収のピ−ク位置が、シフトしないことを示しているものであり、より酸化度が高く、密な膜であり、柔軟性は低下するものの酸素に対して高いバリア性を持ち、かつ、基材フィルムとの密着性に優れる膜であることを確認できるものである。
また、本発明において、バリア性層を構成する各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素膜の各層の膜厚としては、まず、第1層を構成する炭素含有酸化珪素膜の膜厚としては、20Å〜200Å位、好ましくは、30Å〜100Å位が望ましく、また、第2層を構成する炭素含有酸化珪素膜の膜厚としては、20Å〜200Å位、好ましくは、30Å〜100Å位が望ましく、更に、第3層を構成する炭素含有酸化珪素膜の膜厚としては、20Å〜200Å位、好ましくは、30Å〜100Å位が望ましいものである。
上記において、20Å以下であると、それ自身のバリア性が発現しないことから好ましくなく、また、200Åを越えると、膜にクラック等が入りやすく、特に、製膜中に、基材フィルムが巻き取られる間にクラックが入りやすい傾向にあることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の炭素含有酸化珪素層の膜厚を変更する手段としては、その層の体積速度を大きくすること、すなわち、製膜用モノマ−ガスと酸素ガスの量を多くする方法や製膜する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、本発明において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
而して、本発明において、具体的には、例えば、ナイロン6樹脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン46樹脂、ナイロン610樹脂、ナイロン612樹脂、その他のナイロン樹脂の1種ないし2種以上とナイロンMXD6樹脂とを、前者30〜85重量部、後者15〜70重量部(但し100重量部)の配合割合で混練してなる混合樹脂を使用し、これを主成分とする樹脂組成物によるポリアミド樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
本発明においては、上記のポリアミド樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、ナイロン6樹脂とナイロンMXD6樹脂とを混練してなる樹脂組成物によるポリアミド樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
上記において、ナイロンMXD6樹脂が、15重量部より少ない場合には、易引き裂き性、直線カット性等に劣るようになることから好ましくなく、また、ナイロンMXD6樹脂が、70重量部より多い場合には、耐衝撃強度が大幅に低下して実用性に乏しくなることから好ましくないものである。
なお、本発明において、延伸倍率が、2.5倍より小さい場合には、易引き裂き性、直線カット性等に劣るようになることから好ましくなく、また、耐衝撃強度が低下することから好ましくないものである。
本発明において、二軸延伸ポリアミド樹脂のフィルムないしシートの膜厚としては、6〜2000μm位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと炭素含有酸化珪素膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン或いはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
また、本発明に係るバリア性フィルムは、プラズマ化学気相成長法により炭素含有酸化珪素膜を積層することにより二軸延伸ポリアミドフィルムと炭素含有酸化珪素膜との密着性に優れていると共にその炭素含有酸化珪素膜は、柔軟性、延展性、屈曲性、可撓性等に優れ、第1層目から極めて優れた高いバリア性に優れた膜を製膜化することができ、また、少なくとも3室以上の製膜室からなるプラズマ化学気相成長装置を使用して炭素含有酸化珪素膜を連続的に3層以上を積層させ、かつ、それぞれの各層が、高いバリア性を有する膜を製膜化することができることから、単層のそれよりも更に高いガスバリア性を得ることができ、更に、大気に開放ぜす連続的に製膜化することによりクラックの発生原因となる異物、塵埃等が製膜層間に混入することを防止することができ、かつ、そのバリア性の低下も認められず、更にまた、各炭素含有酸化珪素膜は、珪素酸化物を主体とし、炭素、水素、珪素、および、酸素の中の1種類または2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類含有し、かつ、各炭素含有酸化珪素膜毎に上記の化合物の含有量が異なる不連続層であることから、酸素ガス、水蒸気等の透過を完全に阻止することができるという種々の利点を有するものである。
このため、本発明に係るバリア性フィルムは、例えば、包装用材料等に使用されるバリア性素材として、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れ、かつ、そのガスバリア性の性能の低下も認められず、更に、直線的に引き裂ける直線カット性(易開封性)を有する極めて有用なバリア性フィルムにかかるものである。
上記の積層材の製造法について例示すれば、例えば、前述の本発明に係るバリア性フィルムを構成するバリア性層を形成する炭素含有酸化珪素膜の面に、まず、プライマ−剤層を形成し、次いで、該プライマ−剤層の面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、該プライマ−剤層およびラミネ−ト用接着剤層等を介して、プラスチックチフィルム等の基材をドライラミネ−ト積層法を用いて積層することにより、種々の形態からなる積層材を製造することができる。
あるいは、本発明においては、例えば、本発明係るバリア性フィルムを構成するバリア性層を形成する炭素含有酸化珪素膜の面に、まず、プライマ−剤層を形成し、次いで、該プライマ−剤層の面に、アンカ−コ−ト剤層を形成し、しかる後、該プライマ−剤層およびアンカ−コ−ト剤層等を介して、各種の樹脂等を溶融押出して所望の基材を積層する押出ラミネ−ト積層法を用いて積層することにより、各種の形態からなる積層材を製造することができる。
なお、本発明においては、上記と同様にして、上記の層間に更に他の基材を任意に挿入して積層することもでき、また、本発明に係るバリア性フィルムを構成する二軸延伸ポリアミドフィルムの面にも、上記と同様にして、所望の他の基材を任意に積層して種々の形態からなる積層材を製造し得るものであり、本発明においては、その使用目的、使用形態、用途、その他等によって、他の基材を任意に積層して、種々の形態の積層材を設計して製造することができるものである。
而して、本発明においては、図示しないが、上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
なお、本発明においては、上記に図示した例示の包装用容器に限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、軟包装用袋、液体紙製容器、紙缶、その他等の種々の形態の包装用容器を製造することができることは言うまでもないことである。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、本発明に係るバリア性フィルムを構成するバリア性層を形成する炭素含有酸化珪素膜と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における本発明に係るバリア性フィルムを構成する炭素含有酸化珪素膜のクラック等の発生を防止するものである。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用することにより、珪素酸化物層とヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における珪素酸化物層のクラック等の発生を防止するものである。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
而して、本発明において、上記のようなポリエステル系樹脂を使用することにより、その密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における珪素酸化物層のクラック等の発生を防止するものである。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、印刷模様層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の印刷模様層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、炭素含有酸化珪素膜と、印刷模様層、接着剤層あるいはアンカ−コ−ト剤層を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
而して、上記の充填剤は、ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
なお、上記の溶融押出積層方式において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
而して、上記のフィルムないしシ−トは、その樹脂を含む組成物によるコ−ティング膜の状態で使用することができる。
その膜もしくはフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μmないし300μm位が好ましくは、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
而して、上記の印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述のコ−ティング薄膜の上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
而して、本発明においては、特に、例えば、醤油、ソ−ス、ス−プ等を充填包装する液体用小袋、餅を充填包装する小袋、生菓子等を充填包装する軟包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品等を充填包装する軟包装用袋等の飲食物等を充填包装する包装用容器として有用なものである。
そして、本発明においては、上記の包装用容器に内容物を充填包装した後、その開封に際しては、内容物の保護性能と共にその利便性としての易開封性等の機能を有するものである。
すなわち、本発明においては、包装用材料に強く求められる性能としてのグロ−バルデザイン化など、いわゆる、ユ−ザビリティ−性能の向上の一つとしての包装用材料の開封時のカット性について、カッタ−、ハサミ等の開封手段を必要とせず、手で容易に、かつ、簡単に、直線的に引き裂ける直線カット性(易開封性)を有するものである。
上記の本発明について以下に実施例を挙げて更に具体的に説明する。
次に、下記の表1に示す製膜条件により製膜化した。
(製膜条件)
(表1)
┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐ │ │ 出力 │ He │HMDSO│ O2 │ Ar │ 圧力 │ │ │[kW]│[slm]│[slm]│[slm]│[slm]│[mTo│ │ │ │ │ │ │ │ rr]│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第1室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 0.5 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第2室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 0.5 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第3室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 0.5 │ 0.5 │50.0│ └───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘ まず、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガス(O2 )および不活性ガスであるヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等と混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガス、第2の製膜室で使用する原料ガス、および、第3の製膜室で使用する原料ガスについて、上記の表1に示す原料ガスの混合比とした。
なお、表中、単位;slmは、スタンダ−ドリッタ−ミニットの意味である。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記の厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムをライン速度150m/minで搬送させながら、製膜出力10kWの電力を印加させ、上記の二軸延伸ナイロンフィルムの一方のコロナ処理面の上に、第1層の膜厚3nm、第2層の膜厚3nm、第3層の膜厚3nm、総膜厚9nmからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、本発明に係るバリア性フィルムを製造した。
(2).上記で製造したバリア性フィルムについて、そのバリア性層を構成する最表面の炭素含有酸化珪素膜の面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、炭素含有酸化珪素膜の膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。
次に、上記で形成したプラズマ処理面の面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−剤組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−剤層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を使用し、これを、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次に、上記で形成したラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−ト積層して、積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部からお菓子を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して本発明に係るお菓子包装食品を製造した。
次に、下記の表2に示す製膜条件により製膜化した。
(製膜条件)
(表2)
┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐ │ │ 出力 │ He │HMDSO│ O2 │ Ar │ 圧力 │ │ │[kW]│[slm]│[slm]│[slm]│[slm]│[mTo│ │ │ │ │ │ │ │ rr]│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第1室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 3.5 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第2室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 3.5 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第3室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 3.5 │ 0.5 │50.0│ └───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘ まず、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガス(O2 )および不活性ガスであるヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等と混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガス、第2の製膜室で使用する原料ガス、および、第3の製膜室で使用する原料ガスについて、上記の表1に示す原料ガスの混合比とした。
なお、表中、単位;slmは、スタンダ−ドリッタ−ミニットの意味である。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記の厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムをライン速度150m/minで搬送させながら、製膜出力10kWの電力を印加させ、上記の二軸延伸ナイロンフィルムの一方のコロナ処理面の上に、第1層の膜厚3nm、第2層の膜厚3nm、第3層の膜厚3nm、総膜厚9nmからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、本発明に係るバリア性フィルムを製造した。
(2).上記で製造したバリア性フィルムについて、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様に、本発明に係るお菓子包装食品を製造した。
次に、下記の表3に示す製膜条件により製膜化した。
(製膜条件)
(表3)
┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐ │ │ 出力 │ He │HMDSO│ O2 │ Ar │ 圧力 │ │ │[kW]│[slm]│[slm]│[slm]│[slm]│[mTo│ │ │ │ │ │ │ │ rr]│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第1室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 6.0 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第2室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 6.0 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第3室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 6.0 │ 0.5 │50.0│ └───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘ まず、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガス(O2 )および不活性ガスであるヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等と混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガス、第2の製膜室で使用する原料ガス、および、第3の製膜室で使用する原料ガスについて、上記の表1に示す原料ガスの混合比とした。
なお、表中、単位;slmは、スタンダ−ドリッタ−ミニットの意味である。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記の厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムをライン速度150m/minで搬送させながら、製膜出力10kWの電力を印加させ、上記の二軸延伸ナイロンフィルムの一方のコロナ処理面の上に、第1層の膜厚3nm、第2層の膜厚3nm、第3層の膜厚3nm、総膜厚9nmからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、本発明に係るバリア性フィルムを製造した。
(2).上記で製造したバリア性フィルムについて、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様に、本発明に係るお菓子包装食品を製造した。
次に、下記の表4に示す製膜条件により製膜化した。
(製膜条件)
(表4)
┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐ │ │ 出力 │ He │HMDSO│ O2 │ Ar │ 圧力 │ │ │[kW]│[slm]│[slm]│[slm]│[slm]│[mTo│ │ │ │ │ │ │ │ rr]│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第1室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 6.0 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第2室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 0.5 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第3室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 3.0 │ 0.5 │50.0│ └───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘ まず、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガス(O2 )および不活性ガスであるヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等と混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガス、第2の製膜室で使用する原料ガス、および、第3の製膜室で使用する原料ガスについて、上記の表1に示す原料ガスの混合比とした。
なお、表中、単位;slmは、スタンダ−ドリッタ−ミニットの意味である。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記の厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムをライン速度150m/minで搬送させながら、製膜出力10kWの電力を印加させ、上記の二軸延伸ナイロンフィルムの一方のコロナ処理面の上に、第1層の膜厚3nm、第2層の膜厚3nm、第3層の膜厚3nm、総膜厚9nmからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、本発明に係るバリア性フィルムを製造した。
(2).上記で製造したバリア性フィルムについて、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様に、本発明に係るお菓子包装食品を製造した。
(1).基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルム(ユニチカ株式会社製、商品名、エンブレムON)を準備し、これを図1に示すような3チャンバ−構成で、電源がAC 40kHからなるプラズマ化学気相成長装置に装着した。
次に、下記の表4に示す製膜条件により製膜化した。
(製膜条件)
(表4)
┌───┬────┬─────┬─────┬─────┬─────┬────┐ │ │ 出力 │ He │HMDSO│ O2 │ Ar │ 圧力 │ │ │[kW]│[slm]│[slm]│[slm]│[slm]│[mTo│ │ │ │ │ │ │ │ rr]│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第1室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 6.0 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第2室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 0.5 │ 0.5 │50.0│ ├───┼────┼─────┼─────┼─────┼─────┼────┤ │第3室│10.0│ 0.5 │ 1.0 │ 3.0 │ 0.5 │50.0│ └───┴────┴─────┴─────┴─────┴─────┴────┘ まず、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガス(O2 )および不活性ガスであるヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等と混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガス、第2の製膜室で使用する原料ガス、および、第3の製膜室で使用する原料ガスについて、上記の表1に示す原料ガスの混合比とした。
なお、表中、単位;slmは、スタンダ−ドリッタ−ミニットの意味である。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記の厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムをライン速度150m/minで搬送させながら、製膜出力10kWの電力を印加させ、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムの一方のコロナ処理面の上に、第1層の膜厚3nm、第2層の膜厚3nm、第3層の膜厚3nm、総膜厚9nmからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、バリア性フィルムを製造した。
(2).上記で製造したバリア性フィルムについて、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1と同様に、お菓子包装食品を製造した。
上記の実施例1〜4、および、比較例1で製造したバリア性フィルム、積層材について、酸素透過度、水蒸気透過度、剥離強度、および、直線カット性について測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、バリア性フィルムについて、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN2/20)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、バリア性フィルムについて、温度40℃、湿度100%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN3/31)〕にて測定した。
(3).剥離強度(ラミネ−ト強度)の測定
これは、テンシロン測定器を使用し、試験片15mm幅、T字剥離、剥離速度50mm/minの条件で測定した。
(4).直線カット性の測定
これは、テンシロン測定器を使用し、中央にノッチとして切れ込みを入れた30mm幅の試験片のノッチ部両端を剥離速度1000mm/minでHD方向に引き裂き、引き裂き抵抗が、100gf以下で、かつ、50mm以上直線にカットされたものを良品とした。
上記の測定結果について、下記の表5に示す。
┌────┬────────────────┬───────────────┐ │ │ バリア性フィルム │ 積層材 │ │ ├───────┬────────┼───────┬───────┤ │ │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度 │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度│ ├────┼───────┼────────┼───────┼───────┤ │実施例1│ 10.0 │ 3.0 │ 9.5 │ 2.5 │ ├────┼───────┼────────┼───────┼───────┤ │実施例2│ 3.5 │ 8.5 │ 3.5 │ 4.8 │ ├────┼───────┼────────┼───────┼───────┤ │実施例3│ 2.2 │ 16.4 │ 2.2 │ 7.3 │ ├────┼───────┼────────┼───────┼───────┤ │実施例4│ 2.5 │ 3.4 │ 2.5 │ 3.0 │ ├────┼───────┼────────┼───────┼───────┤ │比較例1│ 2.5 │ 3.5 │ 2.5 │ 3.0 │ └────┴───────┴────────┴───────┴───────┘
┌─────┬──────────┬────────┐ │ │ 剥離強度[gf] │ 直線カット性 │ ├─────┼──────────┼────────┤ │実施例1 │ 320 │ 良 │ ├─────┼──────────┼────────┤ │実施例2 │ 480 │ 良 │ ├─────┼──────────┼────────┤ │実施例3 │ 430 │ 良 │ ├─────┼──────────┼────────┤ │実施例4 │ 460 │ 良 │ ├─────┼──────────┼────────┤ │比較例1 │ 460 │ 不可 │ └─────┴──────────┴────────┘ 上記の表5において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・100%RH〕である。
特に、上記の表5に示すように、HMDSOに対し、酸素量が少ない実施例1は、水蒸気透過度が良好であるが、酸素透過度が悪く、剥離強度もやや低い値となっていた。
また、HMDSOに対し、酸素量が中程度の実施例2は、酸素、水蒸気透過度共に中間の値を示しており、剥離強度は最も良いものであった。
更に、HMDSOに対し、酸素量が多い実施例3は、水蒸気透過度が悪いものの、酸素透過度は良好であった。
次に、実施例1〜3の各膜のそれぞれ条件を採用した形からなる実施例4は、最も高次元でバランスの取れたバリア性、密接着性を有するものであった。
また、直線カット性は、基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名、エンブレムNC#15)を使用したものは良好であったが、基材フィルムとして、単に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用したものは、直線カット性は悪い結果であった。
上記の実施例1〜4、および、比較例1で製造した本発明に係るバリア性フィルムについて、ゲルボフレックステスタ−で屈曲試験を行った後、上記の実験例1と同様にして、酸素透過度および水蒸気透過度を測定した。
また、本発明に係るバリア性フィルムについて、基材フィルムとしての二軸延伸ポリアミドフィルムを2%引っ張った後、上記と同様に、酸素透過度および水蒸気透過度を測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、積層材について、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN2/20)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、積層材について、温度40℃、湿度100%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN3/31)〕にて測定した。
上記の測定結果について、下記の表6に示す。
┌─────┬────────────────────────┐ │ │ バリア性フィルム │ │ ├────────────┬───────────┤ │ │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度 │ │ ├─────┬──────┼─────┬─────┤ │ │ゲルボ0回│ゲルボ50回│ゲルボ0回│ルボ50回│ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例1 │ 9.5 │ 10.5 │ 2.5 │ 2.6 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例2 │ 3.5 │ 3.8 │ 4.8 │ 5.0 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例3 │ 2.2 │ 4.5 │ 7.3 │ 7.8 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例4 │ 2.5 │ 2.6 │ 3.0 │ 3.2 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │比較例1 │ 2.5 │ 2.5 │ 3.0 │ 3.2 │ └─────┴─────┴──────┴─────┴─────┘
┌─────┬────────────────────────┐ │ │ バリア性フィルム(2%引っ張り) │ │ ├────────────┬───────────┤ │ │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度 │ │ ├─────┬──────┼─────┬─────┤ │ │ 0% │ 2% │ 0% │ 2% │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例1 │ 9.5 │ 9.8 │ 2.5 │ 2.6 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例2 │ 3.5 │ 3.5 │ 4.8 │ 5.1 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例3 │ 2.2 │ 2.9 │ 7.3 │ 7.5 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │実施例4 │ 2.5 │ 2.7 │ 3.0 │ 3.5 │ ├─────┼─────┼──────┼─────┼─────┤ │比較例1 │ 2.5 │ 2.7 │ 3.0 │ 3.5 │ └─────┴─────┴──────┴─────┴─────┘ 上記の表6において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・90%RH〕である。
1 二軸延伸ポリアミドフィルム
2 バリア性層
2a 炭素含有酸化珪素膜
2b 炭素含有酸化珪素膜
2c 炭素含有酸化珪素膜
Claims (13)
- ナイロン樹脂とナイロンMXD6樹脂との混合樹脂からなるナイロンフィルムであって、更に、縦及び横方向に延伸してなる二軸延伸ポリアミドフィルムと、該二軸延伸ポリアミドフィルムの一方の面に設けたバリア性層とからなり、更に、該バリア性層は、少なくとも3室以上の製膜室を使用し、かつ、各室毎に、少なくとも、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、および、不活性ガスを含有する製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変えて調製した3以上の製膜用混合ガス組成物を使用し、その各製膜用混合ガス組成物を使用して製膜した3層以上のプラズマ化学気相成長法による炭素含有酸化珪素膜からなり、更に、該各炭素含有酸化珪素膜は、その膜中に炭素原子を含有し、かつ、各酸化珪素膜毎に炭素含有量が異なることを特徴とする直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 二軸延伸ポリアミドフィルムが、ナイロン6樹脂とナイロンMXD6樹脂との混合樹脂からなるナイロンフィルムであって、更に、縦及び横方向に延伸してなる二軸延伸ポリアミドフィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 有機珪素化合物が、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、または、オクタメチルシクロテトラシロキサンの1種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 不活性ガスが、アルゴンガス、または、ヘリウムガスからなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 1の製膜用混合ガス組成物が、1の製膜用混合ガス組成物中の製膜用モノマ−ガス(M)と酸素ガス(O)との体積比VO/VM をRとしたとき、0.1≦R <2.5の範囲であることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 2の製膜用混合ガス組成物が、2の製膜用混合ガス組成物中の製膜用モノマ−ガス(M)と酸素ガス(O)との体積比VO/VM をRとしたとき、2.5≦R <5.0の範囲であることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 3の製膜用混合ガス組成物が、2の製膜用混合ガス組成物中の製膜用モノマ−ガス(M)と酸素ガス(O)との体積比VO/VM をRとしたとき、5.0≦R <15.0の範囲であることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 炭素含有酸化珪素膜は、Si原子数100に対し、O原子数80〜120、C原子数100〜150の成分割合からなり、更に、1030cm-1〜1060cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とする上記の請求項5に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 炭素含有酸化珪素膜は、Si原子数100に対し、O原子数100〜150、C原子数100以下の成分割合からなり、更に、1045cm-1〜1075cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とする上記の請求項6に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 炭素含有酸化珪素膜は、Si原子数100に対し、O原子数150〜190、C原子数80以下の成分割合からなり、更に、1045cm-1〜1075cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とする上記の請求項7に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 炭素含有酸化珪素膜は、第1層を膜厚20Å〜200Å、第2層を20Å〜200Å、第3層を20Å〜200Åに調製して製膜した炭素含有酸化珪素膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- 炭素含有酸化珪素膜は、その膜中に炭素原子を含有し、かつ、その膜中の炭素含有量が膜表面から深さ方向に向かって増加していることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
- プラズマ化学気相成長法が、低温プラズマ化学気相成長法からなることを特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載する直線カット性を有するバリア性フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007015861A JP2008179102A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | バリア性フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007015861A JP2008179102A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | バリア性フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008179102A true JP2008179102A (ja) | 2008-08-07 |
Family
ID=39723367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007015861A Pending JP2008179102A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | バリア性フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008179102A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011144438A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Toppan Printing Co Ltd | ガスバリア性フィルムの製造方法 |
KR20160102215A (ko) | 2013-12-26 | 2016-08-29 | 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 | 적층 필름, 유기 일렉트로 루미네선스 장치, 광전 변환 장치 및 액정 디스플레이 |
JP2021017905A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06305068A (ja) * | 1993-04-21 | 1994-11-01 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 包装材料 |
JPH07113015A (ja) * | 1993-10-18 | 1995-05-02 | Unitika Ltd | 2軸配向ポリアミドフイルム及びその製造法 |
JP2005088422A (ja) * | 2003-09-18 | 2005-04-07 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
JP2005096275A (ja) * | 2003-09-25 | 2005-04-14 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
JP2006192858A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
-
2007
- 2007-01-26 JP JP2007015861A patent/JP2008179102A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06305068A (ja) * | 1993-04-21 | 1994-11-01 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 包装材料 |
JPH07113015A (ja) * | 1993-10-18 | 1995-05-02 | Unitika Ltd | 2軸配向ポリアミドフイルム及びその製造法 |
JP2005088422A (ja) * | 2003-09-18 | 2005-04-07 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
JP2005096275A (ja) * | 2003-09-25 | 2005-04-14 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
JP2006192858A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Dainippon Printing Co Ltd | バリア性フィルム |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011144438A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Toppan Printing Co Ltd | ガスバリア性フィルムの製造方法 |
KR20160102215A (ko) | 2013-12-26 | 2016-08-29 | 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 | 적층 필름, 유기 일렉트로 루미네선스 장치, 광전 변환 장치 및 액정 디스플레이 |
JP2021017905A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
JP7047820B2 (ja) | 2019-07-18 | 2022-04-05 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006192858A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4549880B2 (ja) | 透明ガスバリア性積層体 | |
JP2007075368A (ja) | 輸液バッグ用外装袋 | |
JP4949542B2 (ja) | 透明バリアフィルム、それを使用した積層材および包装用容器 | |
JP2005088431A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4402414B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した液体充填包装用小袋 | |
JP4402412B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用袋 | |
JP2005096275A (ja) | バリア性フィルム | |
JP2006224408A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4357912B2 (ja) | バリア性フィルム | |
JP2008179104A (ja) | バリア性フィルム | |
JP2008179102A (ja) | バリア性フィルム | |
JP4357913B2 (ja) | バリア性フィルム | |
JP2002337885A (ja) | 自立性袋 | |
JP2007075363A (ja) | 輸液バッグ用外装袋 | |
JP2008105283A (ja) | 直線引き裂き性ガスバリア性積層フィルム | |
JP2007111974A (ja) | バリア性フィルム | |
JP2002308285A (ja) | レトルト用パウチ | |
JP2002210858A (ja) | レトルト用パウチ | |
JP5208443B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP4372953B2 (ja) | 透明バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 | |
JP4043799B2 (ja) | 軟包装袋 | |
JP2002144465A (ja) | バリア性フィルム | |
JP2004160815A (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用袋 | |
JP4549872B2 (ja) | 透明ガスバリア性積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091030 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110629 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110929 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120606 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120831 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20120907 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20121026 |