JP4549880B2 - 透明ガスバリア性積層体 - Google Patents
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その最も代表的なものとしては、例えば、アルミニウム箔ないしその蒸着膜が、提案されているが、このものは、極めて安定したガスバリア性を発揮するものの、使用後、ゴミとして焼却処理する場合、その焼却適性に劣り、使用後の廃棄処理が容易でないという問題点があり、また、透明性に欠けるという問題点もある。
しかし、ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、その構造中に塩素原子を含有することから、使用後、ゴミとして焼却処理する場合、有害な塩素ガスが発生し、環境衛生上好ましくないという問題点がある。
一方、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体は、酸素透過性が低く、かつ、香味成分の吸着性が低いという長所を有するものの、水蒸気に接触するとガスバリア性が、著しく低下してしまうという問題がある。
このため、バリア性基材としてのエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を水蒸気から遮断するために複雑な積層構造とする必要があり、製造コストの増大を来しているというのが実状である。
而して、上記のガスバリア性基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、あるいは、ポリプロピレン系樹脂等の樹脂フィルムからなる基材フィルムの一方の面に、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて、珪素酸化物等の無機酸化物を蒸着により付着させて、その無機酸化物の薄膜を設けることにより製造さている。
具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物からなる蒸着層を形成することができる。
また、上記のガスバリア性基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、あるいは、ポリプロピレン系樹脂等の樹脂フィルムからなる基材フィルムの一方の面に、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)を用いて、珪素酸化物、酸化アルミニウム等の無機酸化物を真空蒸着により付着させて、その無機酸化物の薄膜を設けることにより製造さている。
具体的には、金属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを、基材フィルムの一方の面に蒸着する真空蒸着法、あるいは、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて、基材フィルムの一方の面に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着層を形成することができる。
上記の化学気相成長法(CVD法)において、製膜率を向上させて、その生産性を高めるためには、印加電力の増加が必要であるが、過大な電力を印加した場合、生産性ならびにガスバリア性能等の向上は得られるものの、製膜方式の都合上、蒸着と同時に基材フィルムの表面が、プラズマに晒されるため、基材フィルムに過多のプラズマエッチングによる黄変と、弱界面層(WBL)が形成されやすくなるという問題点が発生する。
このため、上記で製造されるガスバリア性基材においては、黄変による外観上の問題点と、弱界面層(WBL)の形成に伴う他の基材とのラミネ−ト加工後の剥離強度の低下という問題点が生じ、而して、これらの問題点は、包装用材料としてのガスバリア性基材としては、致命的な欠点となるものであり、その用をなさなくなるものである。
而して、上記のガスバリア性能の改善や基材フィルムと無機酸化物の薄膜との密着強度の改善を目的として、例えば、基材フィルムの表面に、予め、プラズマ前処理を施す方法が提案されているが、上記のように過多のプラズマエッチングの軽減を狙う場合、プラズマ前処理は、すでに若干ではあるが、基材フィルムの表面にダメ−ジを加えることとなり、高出力化学気相成長法(CVD法)を行う前処理としては好ましくないものである。
また、上記のガスバリア性能の改善や基材フィルムと無機酸化物の薄膜との密着強度の改善等を行うものとして、例えば、基材フィルムの表面に、予め、アンカ−コ−ト剤あるいはプライマ−剤等をコ−ティングする方法等が数多く提案されている。
また、ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に樹脂被覆層が形成された被覆ポリエステルフィルムであって、該樹脂被覆層が、エステル結合を有するセグメントを分子内に少なくとも一種含有する、水不溶性の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物により形成され、該熱可塑性樹脂がポリエステルポリウレタンであり、そして、該樹脂組成物でなるフィルムの60℃での引張り進度ε(%)が、100≦ε≦500であり、かつ、該樹脂組成物の、下式に示す微小変形回復率Rが、90%以上である、被覆ポリエステルフィルムが提案されている(式は略す。)(例えば、特許文献2参照。)。
更に、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、溶剤膨潤率が50%以下で、且つ、水膨潤率が80%以下の水系自己乳化型熱反応性ウレタンを主成分とする表面改質層を設け、更に該表面改質層上に金属蒸着層を設けたことを特徴とする金属蒸着ポリエステルフィルムも提案されている((例えば、特許文献3参照。)。
次に、透明プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に透明プライマ−層、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる薄膜層、ガスバリア性皮膜層を順次積層した構成において、該ガスバリア性被膜層が、水性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコ−ル混合溶液を主剤とするコ−ティング液を塗布し、加熱乾燥してなる層であることを特徴とする強密着ハイバリア透明積層体も提案されている(例えば、特許文献4参照。)
例えば、上記の特許文献1〜4においては、無機酸化物からなる薄膜を形成する方法としては、具体的には、物理気相成長法(PVD法)による無機酸化物からなる薄膜層の形成を例示しているものであり、化学気相成長法(CVD法)による無機酸化物からなる薄膜層の形成については全く意図されていなものである。
そこで本発明は、化学気相成長法(CVD法)による無機酸化物からなる薄膜を形成する際に、基材フィルムへのプラズマエッチングによる影響を改善し、その黄変、弱界面層の形成、基材フィルムと無機酸化物からなる薄膜層との密着強度等を改良し、例えば、印刷加工、ラミネ−ト加工、熱処理加工、その他等の加工処理後においても、基材フィルムと無機酸化物からなる薄膜との密着性に優れ、かつ、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れ、引っ張り、揉み、しごき等の物理ストレスにさらされても、そのガスバリア性の劣化が少なく、更に、透明性に優れた透明ガスバリア性積層体を提供することである。
黄色度(YI):YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(ただし、式中、X、Y、Zは、CIS−XYZ表色系の3色刺激値X、Y、Zを表す。)
また、本発明は、第1層目から極めて優れた高いバリア性に優れた炭素含有酸化珪素層を製膜化することができ、また、少なくとも2室以上の製膜室からなるプラズマ化学気相成長装置を使用して炭素含有酸化珪素層を連続的に2層以上を積層させ、かつ、それぞれの各層が、高いバリア性を有する膜を製膜化成することができることから、単層のそれよりも更に高いガスバリア性を得ることができるものである。
更に、本発明は、大気に開放ぜす連続的に製膜化することによりクラックの発生原因となる異物、塵埃等が製膜層間に混入することを防止することができ、かつ、そのガスバリア性の低下も認められないものである。
また、本発明は、各炭素含有酸化珪素層は、その膜中に炭素原子を含有し、かつ、各珪素酸化物層毎に炭素含有量が異なる不連続層であることから、酸素ガス、水蒸気等の透過を完全に阻止することができるものである。
而して、本発明は、上記のような作用効果を奏することにより、例えば、包装用材料等に使用されるバリア性基材として、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れ、更に、そのガスバリア性の性能の低下も認められない極めて有用なものである。
図1および図2は、本発明に係る透明ガスバリア性積層体についてその層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図3および図4は、本発明に係る透明ガスバリア性積層体についてその炭素含有酸化珪素層の製膜装置の一二例の概略の構成を示す概略的構成図である。
黄色度(YI):YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(ただし、式中、X、Y、Zは、CIS−XYZ表色系の3色刺激値X、Y、Zを表す。)
黄色度(YI):YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(ただし、式中、X、Y、Zは、CIS−XYZ表色系の3色刺激値X、Y、Zを表す。)
而して、本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフイン系樹脂、環状ポリオレフイン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルループタジェンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシートの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフイン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシートを使用することが好ましいものである。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシートの膜厚としては、6〜2000μm 位、より好ましくは、9〜100μm 位が望ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
而して、本発明において、上記のプラズマエッチング保護層としては、アクリル系樹脂、具体的には、水溶性もしくは水分散性アクリル系樹脂の1種ないしそれ以上と、ポリウレタン系樹脂、具体的には、水溶性もしくは水分散性ポリウレタン系樹脂の1種ないしそれ以上とを含み、かつ、固形分含有率で、前者が、50〜80重量%、後者が、20〜50重量%の配合割合で含む混合樹脂組成物による樹脂層からなるものである。
而して、上記の官能基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基またはその塩、アミド基またはアルキルメチロール化されたアミド基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アルキルメチロール化されたアミノ基またはそれらの塩、水酸基、エポキシ基などが挙げられ、特に、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基などが好ましいものである。
これらの基は、樹脂中に二種類以上含有されていてもよい。
また、スルホン酸基またはその塩を有する化合物としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらスルホン酸のナトリウム等の金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
次に、アミド基またはアルキルメチロール化されたアミド基を有する化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリレート等が挙げられる。
更に、アミノ基やアルキルメチロール化されたアミノ基またはそれらの塩を有する化合物としては、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、それらのアミノ基をメチロール化したもの、ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトン等により4級化したもの等が挙げられる。
また、水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。
更にまた、エポキシ基を有する化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
具体的には、例えば、過酸化物、アゾ化合物等の重合開始剤、熱、紫外線、放射線等によりラジカル重合を開始し、高分子量のポリマ−を製造し、而して,その重合法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、その他等によるものである。
上記の水溶性もしくは水分散性ポリウレタン系樹脂としては、水媒体との親和性を高めたり、上記のアクリル系樹脂との反応性を高めるため、例えば、カルボキシル基またはその塩を含有するものが好ましい。
また、水酸基含有カルボン酸としては、例えば、3−ヒドロキシプロピオン酸、γ−ヒドロキシ酪酸、p−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸、リンゴ酸などを使用することができ、また、アミノ基含有カルボン酸としては、例えば、β−アミノプロピオン酸、γ−アミノ酪酸、P−アミノ安息香酸などが挙げられる。
上記の混合樹脂組成物において、アクリル系樹脂とポリウレタン系樹脂とを固形分含有率で、前者を、50〜80重量%、後者を、20〜50重量%の配合割合で配合する場合、アクリル系樹脂を50重量%未満とすると、その理由は定かではないが、ガスバリア性能が低下するという傾向が見られることから好ましくなく、また、80重量%を超えると、フィルムの滑り性が良すぎて、フィルムの巻取り加工時に蛇行等の問題が発生し、また、炭素含有酸化珪素層との密着力がウレタン系樹脂より低いという問題もあることから好ましくないものである。
また、逆に、ポリウレタン系樹脂を20重量%未満とすると、プラズマエッチング後のフィルム表面の着色が濃くなるという問題があるたとから好ましくなく、また、50重量%を超えると、フィルムの滑り性が悪く、巻取り加工時に皺が入り易くなるという問題があり、また、炭素含有酸化珪素層に関しても耐熱性が不十分であり、ガスバリア性等が低下するという問題もあることから好ましくないものである。
更に、本発明においては、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料なども使用することができる。
また、本発明においては、本発明に係るプラズマエッチング保護層の膜質を改質するために、例えば、飽和ないし不飽和のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、各種のビニル系樹脂、更には、他のアクリル系樹脂あるいはポリウレタン系樹脂等を添加することもできるものである。
更に、本発明においては、必要に応じて、上記のアクリル系樹脂とポリウレタン系樹脂との反応性を高めて、樹脂層からなるプラズマエッチング保護層の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のため、エポキシ系架橋剤、メチロール化またはアルキルメチロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系などのアミノ系化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコーアルミネートカップリング剤、過酸化物、光反応性のビニル化合物や感光性樹脂等も使用することができる。
なお、本発明においては、基材フィルムに上記のようプラズマエッチング保護層を形成する場合、例えば、縦方向に一軸延伸した基材フイルムに、上記の混合樹脂組成物をコ−ティングないし印刷し、乾燥または未乾燥の状態で更に横方向に延伸し、次いで、熱処理を施すことによって、基材フィルムの一方の面に、本発明に係るプラズマエッチング保護層を形成することができる。
上記において、膜厚が、0.01μm未満の場合は、均一な樹脂層からなるプラズマエッチング保護層を形成することが困難であり、また、5μmを超える場合は、滑り性が低下して基材フイルムの取扱いが困難となる傾向にあることから好ましくないものである。 また、上記において、基材フィルムの表面には、必要ならば、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に設けたプラズマエッチング保護層の上に、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、かつ、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて珪素酸化物等からなる珪素酸化物層を製膜化することによって、本発明に係る炭素含有酸化珪素層を製造することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明においては、図3に示すように、プラズマ化学気相成長装置11としては、基材フィルム供給室12、第1の製膜室13、第2の製膜室14、第3の製膜室15、および、基材フィルムの上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、炭素含有酸化珪素層を製膜化し重層した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を巻き取る巻取り室16から構成されることを基本構造とするものである。
而して、本発明においては、まず、巻き出しロ−ル17に巻き取られている、その一方の面にプラズマエッチング保護層を設けた基材フィルム1を第1の製膜室13に繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル18を介して所定の速度で冷却・電極ドラム19周面上に搬送する。
次に、本発明においては、原料揮発供給装置20、および、ガス供給装置21等から有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を供給し、それらからなる製膜用混合ガス組成物を調整しながら、原料供給ノズル22を通して第1の製膜室13内に上記の製膜用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム19周面上に搬送された基材フィルム1の上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、グロ−放電プラズマ23によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素酸化物等からなる第1層の炭素含有酸化珪素層を製膜化する。
しかる後、上記と同様に、本発明においては、原料揮発供給装置27、および、ガス供給装置28等から有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を供給し、それらからなる製膜用混合ガス組成物を調整しながら、原料供給ノズル29を通して第2の製膜室14内に上記の製膜用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム26周面上に搬送された第1層の炭素含有酸化珪素層を製膜化した基材フィルム1の第1層の炭素含有酸化珪素層の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素酸化物等からなる第2層の炭素含有酸化珪素層を製膜化する。
しかる後、上記と同様に、本発明においては、原料揮発供給装置34、および、ガス供給装置35等から有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、不活性ガス、その他等を供給し、それらからなる製膜用混合ガス組成物を調整しながら、原料供給ノズル36を通して、第3の製膜室15内に上記の製膜用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム33周面上に搬送された第1層と第2層の炭素含有酸化珪素層を製膜化した基材フィルム1の第2層の炭素含有酸化珪素層の上に、グロ−放電プラズマ37によってプラズマを発生させ、これを照射して、珪素酸化物等からなる第3層の炭素含有酸化珪素層を製膜化する。
次いで、本発明においては、上記で第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素層を製膜化し、それらを重層した基材フィルム1を、補助ロ−ル38を介して、巻取り室16に繰り出し、次いで、巻取りロ−ル39に巻き取って、第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素層が重層した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を製造することができるものである。
勿論、第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素層は、基材フィルムの上に設けたプラズマエッチング保護層の上に重層されているものである。
なお、図示しないが、上記のプラズマ化学気相成長装置には、真空ポンプ等が設けられ、各製膜室等は真空に保持されるように調製し得ることは勿論である。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
例えば、上記の例においては、第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素層を重層した本発明にかかる透明ガスバリア性積層体を製造しているが、炭素含有酸化珪素層は、製膜室を任意に調製し、2層、あるいは、4層以上等のように炭素含有酸化珪素層の層を任意に製膜化し、それらを重層した構造に製膜化し得るものであり、本発明は、上記の第1層、第2層、および、第3層の炭素含有酸化珪素層が重層した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を製造する例だけに限定されるものではないものである。
一方、各冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、各製膜室内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、製膜用混合ガス組成物なかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素層を製膜化することができるものである。
なお、このときの各製膜室内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
なお、本発明において、各製膜室内の真空度は、各室において同じないし異なっていてもよいものである。
この場合、製膜用混合ガス組成物の各ガス成分のガス混合比としては、有機珪素化合物の1種からなる製膜用モノマ−ガスの含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、0〜70%位、不活性ガスの含有量は、1〜60%位の範囲として調製することが好ましいものである。
而して、本発明においては、各製膜室毎に、各製膜室に導入される製膜用混合ガス組成物の各ガス成分のガス混合比を変えて調製した製膜用混合ガス組成物を使用し、各製膜室毎に製膜化して、珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素層を重層して、本発明に係る透明ガスバリア性積層体を製造するものである。
すなわち、本発明においては、少なくとも、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、および、不活性ガスを含有する製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変え、少なくとも2以上の製膜用混合ガス組成物を調製し、その製膜用混合ガス組成物を各製膜室毎に変えて使用し、それらの各製膜用混合ガス組成物を使用した2層以上のプラズマ化学気相成長法による炭素含有酸化珪素層を製膜化することができるものである。
而して、本発明においては、上記のような製膜用混合ガス組成物を任意に組み合わせて、第1、第2、あるいは、第3の製膜室に、製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変えた製膜用混合ガス組成物を使用して製膜化することができるものである。
また、本発明において、第2の製膜用混合ガス組成物を使用すると、製膜化した炭素含有酸化珪素層中に適度の炭素量を含有することができ、また、Si−CH3 結合も適度に含有することができ、それにより、柔軟性が高く、更に、酸素に対して高いバリア性を持つ炭素含有酸化珪素層を製膜化可能とすることができる。
更に、本発明において、第3の製膜用混合ガス組成物を使用すると、製膜化した炭素含有酸化珪素層中に炭素量の含有が減少する傾向にすることができ、また、Si−CH3 結合も少なくすることができ、それにより、柔軟性は劣るが、更に、酸素等に対して高いガスバリア性を持つ炭素含有酸化珪素層を製膜化可能とすることができる。
而して、本発明において、上記のような製膜用混合ガス組成物を使用し、製膜化する場合、その製膜用混合ガス組成物を使用する順序としては任意であるが、例えば、第1、第2、第3の製膜用混合ガス組成物の順、第1、第2、第1の製膜用混合ガス組成物の順、第3、第1、第2の製膜用混合ガス組成物の順、第3、第1、第1の製膜用混合ガス組成物の順、または、第3、第3、第1の製膜用混合ガス組成物の順等で各製膜用混合ガス組成物を各製膜室に導入して製膜化することができるが、本発明においては、第3、第1、第2の製膜用混合ガス組成物の順で製膜化することが好ましいものである。
上記において、第1の製膜用混合ガス組成物を2室で使用することにより、柔軟性が高く、水蒸気に対して高いバリア性を持つ炭素含有酸化珪素層を製膜化可能とするという利点を有するものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより、基材フィルムの上に設けたプラズマエッチング保護層の表面が、清浄化され、その表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、製膜化される珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素層と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素層の製膜化時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により珪素酸化物等からなる炭素含有酸化珪素層を製膜化する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
而して、上記の各製膜室で製膜化される炭素含有酸化珪素層としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される珪素酸化物を主体とする炭素含有酸化珪素層の薄膜であることが好ましいものである。 上記において、Xの値は、有機珪素化合物の1種以上からなる蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、製膜化過程の条件等を変化させることにより、各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素層中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができるものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素層の耐衝撃性、延展性、屈曲性、可撓性、柔軟性等が不十分となり、曲げなどにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素層において、上記の化合物の含有量が、各炭素含有酸化珪素層の表面から深さ方向に向かって増加させることが好ましく、これにより、各炭素含有酸化珪素層の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムの上に設けたプラズマエッチング保護層との界面においては、上記の化合物の含有量が多いために、基材フィルムの上に設けたプラズマエッチング保護層と炭素含有酸化珪素層との密着性、あるいは、各炭素含有酸化珪素層間の密着性等が強固なものとなるという利点を有するものである。
而して、本発明において、各製膜室において製膜化される上記の炭素含有酸化珪素層について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチング等により分析する方法を利用して、各炭素含有酸化珪素層の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
而して、上記のようなことは、炭素含有酸化珪素層中に炭素成分が含まれており、C−C結合、Si−CH3 結合が多く含まれているため、Si−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収のピ−ク位置が、減少する方へシフトしていることを示しているものである。
すなわち、柔軟性の高い、水蒸気に対して高いバリア性を持つ撥水性の膜であることを確認することができるものである。
更に、本発明において、上記の第2の製膜用混合ガス組成物を使用して製膜化した炭素含有酸化珪素層は、Si原子数100に対し、O原子数100〜150、C原子数100以下の成分割合からなり、更に、1045cm-1〜1075cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とするものである。
而して、上記のようなことは、炭素含有酸化珪素層中の炭素成分が少なく、Si−CH3 結合のみが含まれているため、Si−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収のピ−ク位置が、シフトしないことを示しているものである。
すなわち、柔軟性の高い、酸素に対して高いバリア性を持つ膜であることを確認することができるものである。
また、本発明において、上記の第3の製膜用混合ガス組成物を使用して製膜化した炭素含有酸化珪素層は、Si原子数100に対し、O原子数150〜190、C原子数80以下の成分割合からなり、更に、1045cm-1〜1075cm-1の間にSi−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収があり、かつ、1274±4cm-1にSi−CH3 伸縮振動に基づくIR吸収があることを特徴とするものである。
而して、上記のようなことは、炭素含有酸化珪素層中の炭素成分が少なく、Si−CH3 結合のみが含まれているため、Si−O−Si伸縮振動に基づくIR吸収のピ−ク位置が、シフトしないことを示しているものであり、より酸化度が高く、密な膜であり、柔軟性は低下するものの酸素に対して高いバリア性を持ち、かつ、基材フィルムとの密着性に優れる膜であることを確認できるものである。
また、本発明において、バリア性層を構成する各製膜室において製膜化される炭素含有酸化珪素層の各層の膜厚としては、まず、第1層を構成する炭素含有酸化珪素層の膜厚としては、20Å〜200Å位、好ましくは、30Å〜100Å位が望ましく、また、第2層を構成する炭素含有酸化珪素層の膜厚としては、20Å〜200Å位、好ましくは、30Å〜100Å位が望ましく、更に、第3層を構成する炭素含有酸化珪素層の膜厚としては、20Å〜200Å位、好ましくは、30Å〜100Å位が望ましいものである。
上記において、20Å以下であると、それ自身のバリア性が発現しないことから好ましくなく、また、200Åを越えると、膜にクラック等が入りやすく、特に、製膜中に、基材フィルムが巻き取られる間にクラックが入りやすい傾向にあることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の炭素含有酸化珪素層の膜厚を変更する手段としては、その層の体積速度を大きくすること、すなわち、製膜用モノマ−ガスと酸素ガスの量を多くする方法や製膜する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、本発明において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
例えば、本発明においては、炭素含有酸化珪素層中の炭素原子含有量を増加させることにより、水蒸気透過度は減少する一方、酸素透過度は増大する炭素含有酸化珪素層を形成することができるものである。
また、例えば、炭素原子含有量を極めて低い炭素含有酸化珪素層を形成した場合、高い酸素ガスバリア性能を得られるが、引っ張りや揉み等という物理ストレスを加えた場合のバリア性能の劣化が大きいという炭素含有酸化珪素層を形成するものである。
上記のように、これらのガス成分の混合比の異なる各製膜用混合ガス組成物は、一長一短があり、而して、従来においては、要求性能に合わせて、適度な組成比を調製して製膜化していたものであり、このため、炭素含有酸化珪素層は、中庸な性能を有するものにならざるを得なかったものである。
本発明においては、各製膜室における各製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変えることにより、炭素原子含有率の異なる炭素含有酸化珪素層を形成することができ、ガスバリア性能、物理ストレス耐性、その他等に優れた炭素含有酸化珪素層を形成することを可能とするものである。
本発明においては、基材フィルム側へ密着性が良好であり、酸素ガスバリア性能に優れた炭素含有量の少ない炭素含有酸化珪素層を設け、連続して、可撓性に富み、水蒸気バリア性能に優れた炭素含有量の多い炭素含有酸化珪素層を設け、更に、密着性、酸素ガスバリア性能および水蒸気バリア性能が中庸である炭素含有量の中間の炭素含有酸化珪素層を設け、これらの各炭素含有酸化珪素層を組み合わせて重層することにより、ガスバリア性能、密着性、物理ストレス耐性、その他等に優れている本発明に係る透明ガスバリア性積層体を製造することができるものである。
黄色度(YI):YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(ただし、式中、X、Y、Zは、CIS−XYZ表色系の3色刺激値X、Y、Zを表す。)
上記において、ΔYI(YIa−YIb)が、0.6を超えると、フィルムの黄色度が高く、外観上の問題が発生し、例えば、白色の粉が黄色を帯びて見えることとなり、包装用材料としてのバリア性基材として十分に使用することが困難になるものである。
なお、上記の黄色度の測定は、分光測色計を用いてYIを測定した(ASTM E313、ASTM D1925)。
上記において、エッチングレ−トが95%を超えると、弱界面層の形成によるラミネ−ション後の剥離強度低下、フィルムの黄色化、バリア性低下等のの理由で好ましくないものである。
なお、上記のエッチングレ−トは、基材を平板式PE−CVD装置に設置し、減圧環境で、酸素プラズマを照射し、所定時間照射前後の基材の厚みを厚み計で測定し、下記式から求めた。
エッチングレ−ト:R=(照射前基材厚み(μm)−照射後基材厚み(μm)/照射時間(min)
印加出力:300W
酸素流量:60sccm
真空度:30mT
照射時間:5min
このため、本発明に係る透明ガスバリア性積層体は、例えば、包装用材料等に使用されるバリア性基材として、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れ、更に、そのガスバリア性の性能の低下も認められない極めて有用なバリア性フィルムにかかるものである。
上記の積層材の製造法について例示すれば、例えば、前述の本発明に係る透明ガスバリア性積層体を構成するバリア性層を形成する炭素含有酸化珪素層の面に、まず、必要ならば、プラズマ処理等の前処理を施した後、プライマ−剤層を形成し、次いで、該プライマ−剤層の面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、該プライマ−剤層およびラミネ−ト用接着剤層等を介して、プラスチックチフィルム等の基材をドライラミネ−ト積層法を用いて積層することにより、種々の形態からなる積層材を製造することができる。
あるいは、本発明においては、例えば、本発明係る透明ガスバリア性積層体を構成するバリア性層を形成する炭素含有酸化珪素層の面に、まず、必要ならば、プラズマ処理等の前処理を施した後、プライマ−剤層を形成し、次いで、該プライマ−剤層の面に、アンカ−コ−ト剤層を形成し、しかる後、該プライマ−剤層およびアンカ−コ−ト剤層等を介して、各種の樹脂等を溶融押出して所望の基材を積層する押出ラミネ−ト積層法を用いて積層することにより、各種の形態からなる積層材を製造することができる。
なお、本発明においては、上記と同様にして、上記の層間に更に他の基材を任意に挿入して積層することもでき、また、本発明に係る透明ガスバリア性積層体を構成する基材フィルムの面にも、上記と同様にして、所望の他の基材を任意に積層して種々の形態からなる積層材を製造し得るものであり、本発明においては、その使用目的、使用形態、用途、その他等によって、他の基材を任意に積層して、種々の形態の積層材を設計して製造することができるものである。
而して、本発明においては、図示しないが、上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
なお、本発明においては、上記に図示した例示の包装用容器に限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、軟包装用袋、液体紙製容器、紙缶、その他等の種々の形態の包装用容器を製造することができることは言うまでもないことである。
なお、本発明において、プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.1g/m2 〜1.0g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、本発明に係る透明ガスバリア性積層体を構成するバリア性層を形成する炭素含有酸化珪素層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における本発明に係る透明ガスバリア性積層体を構成する炭素含有酸化珪素層のクラック等の発生を防止するものである。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、印刷模様層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の印刷模様層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、炭素含有酸化珪素層と、印刷模様層、接着剤層あるいはアンカ−コ−ト剤層を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
而して、上記の充填剤は、ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
なお、上記の溶融押出積層方式において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
而して、上記のフィルムないしシ−トは、その樹脂を含む組成物によるコ−ティング膜の状態で使用することができる。
その膜もしくはフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μmないし300μm位が好ましくは、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
而して、上記の印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述のコ−ティング薄膜の上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
而して、本発明においては、特に、例えば、醤油、ソ−ス、ス−プ等を充填包装する液体用小袋、餅を充填包装する小袋、生菓子等を充填包装する軟包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品等を充填包装する軟包装用袋等の飲食物等を充填包装する包装用容器として有用なものである。
上記の本発明について以下に実施例を挙げて更に具体的に説明する。
他方、下記に示す組成に従って、各組成成分を十分に攪拌し、混合して塗工液を得た。 (塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(日本純薬株式会社製、商品名
「ジュリマ−FC−60」) 75(wt%)
水溶性ポリウレタン樹脂(楠本化成株式会社製 商品名
「NeoRez R−9637) 25
水溶性エポキシ硬化剤 5
合 計 105(wt%)
次に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、上記で製造した塗工液を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、巻取り速度100m/min、乾燥温度100℃で処理して、厚さ0.1μm(乾操状態)のプラズマエッチング保護層を形成した。
(2).次に、上記の(1)でプラズマエッチング保護層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを図1に示すような3室からなるプラズマ化学気相成長装置に装着した。
次に、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガスおよび不活性ガスであるヘリウム、アルゴンと混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:6.0:0.5:0.5(単位;slm、スタンダ−ドリッタ−ミニット)とし、また、第2の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:0.5:0.5:0.5(単位;slm)とし、更に、第3の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:3.0:0.5:0.5(単位;slm)とした。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記のプラズマエッチング保護層を設けた厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをライン速度200m/minで搬送させながら、電力を印加させ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方のコロナ処理面の上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、第1層の膜厚30Å、第2層の膜厚30Å、第3層の膜厚30Å、総膜厚90Åからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、本発明に係る透明ガスバリア性積層体を製造した。
(塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(実施例1と同じ) 80(wt%)
水溶性ポリウレタン樹脂(実施例1と同じ) 20
水溶性エポキシ硬化剤 5
合 計 105(wt%)
(塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(実施例1と同じ) 50(wt%)
水溶性ポリウレタン樹脂(実施例1と同じ) 50
水溶性エポキシ硬化剤 5
合 計 105(wt%)
他方、下記に示す組成に従って、各組成成分を十分に攪拌し、混合して塗工液を得た。 (塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(実施例1と同じ) 75(wt%)
水溶性ポリウレタン樹脂(実施例1と同じ) 25
合 計 100(wt%)
次に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、上記で製造した塗工液を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、巻取り速度100m/min、乾燥温度100℃で処理して、厚さ0.1μm(乾操状態)のプラズマエッチング保護層を形成した。
(2).次に、上記の(1)でプラズマエッチング保護層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを図2に示すような各室に導入する流量を独立制御できる二つの供給パイプを設置したプラズマ化学気相成長装置に装着した。
次に、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガスおよび不活性ガスであるヘリウム、アルゴンと混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:6.0:0.5:0.5(単位;slm、スタンダ−ドリッタ−ミニット)とし、また、第2の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:0.5:0.5:0.5(単位;slm)とし、更に、第3の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:3.0:0.5:0.5(単位;slm)とした。
次に、上記のガス混合比からなる原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室および第3の製膜室にそれぞれに独立制御できる二つの供給パイプから導入し、次いで、上記のプラズマエッチング保護層を設けた厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをライン速度200m/minで搬送させながら、電力を印加させ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方のコロナ処理面の上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、第1層の膜厚30Å、第2層の膜厚30Å、第3層の膜厚30Å、総膜厚90Åからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、本発明に係る透明ガスバリア性積層体を製造した。
(塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(実施例1と同じ) 80(wt%)
水溶性ポリウレタン樹脂(実施例1と同じ) 20
合 計 100(wt%)
(塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(実施例1と同じ) 50(wt%)
水溶性ポリウレタン樹脂(実施例1と同じ) 50
合 計 100(wt%)
基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(実施例1と同じ)を準備し、これを図1に示すような3室からなるプラズマ化学気相成長装置に装着した。
次に、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガスおよび不活性ガスであるヘリウム、アルゴンと混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:6.0:0.5:0.5(単位;slm、スタンダ−ドリッタ−ミニット)とし、また、第2の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:0.5:0.5:0.5(単位;slm)とし、更に、第3の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:3.0:0.5:0.5(単位;slm)とした。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記の厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをライン速度200m/minで搬送させながら、電力を印加させ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方のコロナ処理面の上に、第1層の膜厚30Å、第2層の膜厚30Å、第3層の膜厚30Å、総膜厚90Åからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、透明ガスバリア性積層体を製造した。
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(実施例1と同じ)を準備した。
他方、下記に示す組成に従って、各組成成分を十分に攪拌し、混合して塗工液を得た。 (塗工液組成)
水溶性アクリル樹脂(実施例1と同じ) 100(wt%)
水溶性エポキシ硬化剤 5
合 計 105(wt%)
次に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、上記で製造した塗工液を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、巻取り速度100m/min、乾燥温度100℃で処理して、厚さ0.1μm(乾操状態)のプラズマエッチング保護層を形成した。
(2).次に、上記の(1)でプラズマエッチング保護層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを図1に示すような3室からなるプラズマ化学気相成長装置に装着した。
次に、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガスおよび不活性ガスであるヘリウム、アルゴンと混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:6.0:0.5:0.5(単位;slm、スタンダ−ドリッタ−ミニット)とし、また、第2の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:0.5:0.5:0.5(単位;slm)とし、更に、第3の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:3.0:0.5:0.5(単位;slm)とした。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記のプラズマエッチング保護層を設けた厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをライン速度200m/minで搬送させながら、電力を印加させ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方のコロナ処理面の上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、第1層の膜厚30Å、第2層の膜厚30Å、第3層の膜厚30Å、総膜厚90Åからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、透明ガスバリア性積層体を製造した。
(1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム(実施例1と同じ)を準備した。
他方、下記に示す組成に従って、各組成成分を十分に攪拌し、混合して塗工液を得た。 (塗工液組成)
水溶性ポリウレタン樹脂(実施例1と同じ) 100(wt%)
水溶性エポキシ硬化剤 5
合 計 105(wt%)
次に、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面の面に、上記で製造した塗工液を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、巻取り速度100m/min、乾燥温度100℃で処理して、厚さ0.1μm(乾操状態)のプラズマエッチング保護層を形成した。
(2).次に、上記の(1)でプラズマエッチング保護層を形成した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、これを図1に示すような3室からなるプラズマ化学気相成長装置に装着した。
次に、プラズマ化学気相成長装置のチャンバ−内を減圧した。
一方、原料である有機珪素化合物であるヘキサメチルジシロキサン(以下、HMDSOという。)を原料揮発供給装置おいて揮発させ、ガス供給装置から供給された酸素ガスおよび不活性ガスであるヘリウム、アルゴンと混合させて原料ガスとした。
第1の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:6.0:0.5:0.5(単位;slm、スタンダ−ドリッタ−ミニット)とし、また、第2の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:0.5:0.5:0.5(単位;slm)とし、更に、第3の製膜室で使用する原料ガスとして、原料ガスの混合比を、HMDSO:O2 :He:Ar=1.2:3.0:0.5:0.5(単位;slm)とした。
上記のような原料ガスを使用し、その原料ガスをそれぞれ第1の製膜室、第2の製膜室、および、第3の製膜室にそれぞれ導入し、次いで、上記のプラズマエッチング保護層を設けた厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをライン速度200m/minで搬送させながら、電力を印加させ、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの一方のコロナ処理面の上に設けたプラズマエッチング保護層の上に、第1層の膜厚30Å、第2層の膜厚30Å、第3層の膜厚30Å、総膜厚90Åからなる3層重層の炭素含有酸化珪素層を製膜化して、透明ガスバリア性積層体を製造した。
上記の実施例1〜6、および、比較例1〜3で製造した透明ガスバリア性積層体について、酸素透過度および水蒸気透過度を測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN2/20)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN3/31)〕にて測定した。
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
┌─────┬────────────────┐ │ │ 透明ガスバリア性積層体 │ │ ├───────┬────────┤ │ │ 酸素透過度 │ 水蒸気透過度 │ ├─────┼───────┼────────┤ │実施例1 │ 1.2 │ 1.5 │ ├─────┼───────┼────────┤ │実施例2 │ 1.2 │ 1.6 │ ├─────┼───────┼────────┤ │実施例3 │ 1.4 │ 1.8 │ ├─────┼───────┼────────┤ │実施例4 │ 1.3 │ 1.5 │ ├─────┼───────┼────────┤ │実施例5 │ 1.3 │ 1.6 │ ├─────┼───────┼────────┤ │実施例6 │ 1.5 │ 1.8 │ ├─────┼───────┼────────┤ │比較例1 │ 3.4 │ 6.0 │ ├─────┼───────┼────────┤ │比較例2 │ 1.2 │ 1.5 │ ├─────┼───────┼────────┤ │比較例3 │ 4.7 │ 4.0 │ └─────┴───────┴────────┘ 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 /day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・90%RH〕である。
上記の実施例1〜6、および、比較例1〜3で製造した透明ガスバリア性積層体について、黄色度を測定した。
これは、分光測色計を用い、蒸着前のフィルムの測定値YIb 、蒸着後のフィルムの測定値YIa として、YIa−YIbの値を求めた。
上記の測定結果について、下記の表2に示す。
┌─────┬────────────────┐ │ │ 透明ガスバリア性積層体 │ │ ├────────────────┤ │ │ 黄色度 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例1 │ 0.5 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例2 │ 0.4 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例3 │ 0.3 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例4 │ 0.5 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例5 │ 0.4 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例6 │ 0.3 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例1 │ 3.9 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例2 │ 1.7 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例3 │ 0.3 │ └─────┴────────────────┘
上記の実施例1〜6、および、比較例1〜3で製造した透明ガスバリア性積層体について、まず、その炭素含有酸化珪素層の表面に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、炭素含有酸化珪素層の膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
次に、上記で形成したプラズマ処理面の面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−剤組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−剤層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を使用し、これを、グラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成した。
次に、上記で形成したラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−ト積層して、積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材について、剥離強度(ラミネ−ト強度)を測定した。
これは、テンシロン測定器を使用し、試験片15mm幅、T字剥離、剥離速度50mm/minの条件で測定した。
上記の測定結果について、下記の表3に示す。
┌─────┬────────────────┐ │ │ 剥離強度[gf] │ ├─────┼────────────────┤ │実施例1 │ 380 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例2 │ 580 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例3 │ 600 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例4 │ 490 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例5 │ 640 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例6 │ 720 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例1 │ 30(層間剥離) │ ├─────┼────────────────┤ │比較例2 │ 30(層間剥離) │ ├─────┼────────────────┤ │比較例3 │ 600 │ └─────┴────────────────┘
上記の実施例1〜3、および、比較例1〜3で製造した透明ガスバリア性積層体において、プラズマ化学気相成長法による炭素含有酸化珪素層を形成する前のプラズマエッチング保護層被覆基材フィルム(実施例1〜3、比較例2〜3)および基材フィルム(比較例1)について、酸素プラズマによるエッチングレ−トを測定した。
これは、基材を平板式プラズマ化学気相成長装置に設置し、減圧環境で、酸素プラズマを照射し、所定時間照射前後の基材の厚みを厚み計で測定し、下記式から求めた。
エッチングレ−ト:R=[照射前基材厚み(μm)−照射後基材厚み(μm)]/照射時間(min)
なお、印加出力:300W、酸素流量:60sccm、真空度:30mT、照射時間:5minであった。
上記の測定結果について、下記の表4に示す。
┌─────┬────────────────┐ │ │ R[μm/min] │ ├─────┼────────────────┤ │実施例1 │ 0.17 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例2 │ 0.14 │ ├─────┼────────────────┤ │実施例3 │ 0.12 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例1 │ 0.22 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例2 │ 0.20 │ ├─────┼────────────────┤ │比較例3 │ 0.08 │ └─────┴────────────────┘
(1).次に、上記の実施例1で製造した透明ガスバリア性積層体の炭素含有酸化珪素層の面に、まず、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、炭素含有酸化珪素層の膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
次に、上記で形成したプラズマ処理面の面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−剤組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−剤層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から水200ccを充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品を温度、95℃で60分間からなるボイル処理条件でボイル処理を行い、本発明にかかるボイル処理包装食品を製造した。
上記で製造したボイル処理包装食品は、その包装用袋が、耐熱性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。 (2).次にまた、上記の実施例1で製造した透明ガスバリア性積層体の炭素含有酸化珪素層の面に、上記と同様にして、プラズマ処理面、プライマ−剤層、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した2軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から水200ccを充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、135℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明にかかるレトルト包装食品を製造した。
上記で製造したレトルト包装食品は、その包装用袋が、耐熱性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
上記の実施例2で製造した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を使用し、上記の参考例1と全く同様にして、上記の参考例1と同様に、ボイル処理包装食品およびレトルト包装食品を製造した。
上記の実施例3で製造した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を使用し、上記の参考例1と全く同様にして、上記の参考例1と同様に、ボイル処理包装食品およびレトルト包装食品を製造した。
(1).次に、上記の実施例4で製造した透明ガスバリア性積層体の炭素含有酸化珪素層の面に、まず、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-5Torr、処理速度420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、炭素含有酸化珪素層の膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
次に、上記で形成したプラズマ処理面の面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマ−剤組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコ−ティングしてプライマ−剤層を形成した。
更に、上記で形成したプライマ−層の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から水200ccを充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品を温度、95℃で60分間からなるボイル処理条件でボイル処理を行い、本発明にかかるボイル処理包装食品を製造した。
上記で製造したボイル処理包装食品は、その包装用袋が、耐熱性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。 (2).次にまた、上記の実施例4で製造した透明ガスバリア性積層体の炭素含有酸化珪素層の面に、上記と同様にして、プラズマ処理面、プライマ−剤層、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
次に、上記で積層した2軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層して、本発明に係る積層材を製造した。
次に、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から水200ccを充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次いで、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、135℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、60分間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本発明にかかるレトルト包装食品を製造した。
上記で製造したレトルト包装食品は、その包装用袋が、耐熱性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
上記の実施例5で製造した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を使用し、上記の参考例4と全く同様にして、上記の参考例4と同様に、ボイル処理包装食品およびレトルト包装食品を製造した。
上記の実施例6で製造した本発明に係る透明ガスバリア性積層体を使用し、上記の参考例4と全く同様にして、上記の参考例4と同様に、ボイル処理包装食品およびレトルト包装食品を製造した。
1 基材フィルム
2、2a プラズマエッチング保護層
3、3a、3b、3c 炭素含有酸化珪素層
Claims (3)
- 基材フィルムの一方の面に、プラズマエッチング保護層、炭素含有酸化珪素層を順次に積層した積層体からなり、
更に、上記のプラズマエッチング保護層が、水溶性もしくは水分散性アクリル系樹脂の1種ないしそれ以上と、水溶性もしくは水分散性ポリウレタン系樹脂の1種ないしそれ以上とを使用し、これらを、固形分含有率で、前者を、50〜80重量%、後者を、20〜50重量%の配合割合で混合し、更に、水あるいは水を含む溶液を加えて十分に攪拌混合してなる混合樹脂組成物による樹脂層からなり、
また、上記の炭素含有酸化珪素層が、少なくとも2室以上の製膜室を使用し、かつ、各室毎に、少なくとも、有機珪素化合物の1種以上からなる製膜用モノマ−ガス、酸素ガス、および、不活性ガスを含有する製膜用混合ガス組成物の各ガス成分の混合比を変えて調製した2以上の製膜用混合ガス組成物を使用し、その各製膜用混合ガス組成物を使用して製膜した2層以上のプラズマ化学気相成長法による炭素含有酸化珪素層からなり、
更に、該各炭素含有酸化珪素層は、その膜中に炭素原子を含有し、かつ、各炭素含有酸化珪素層毎に炭素含有量が異なる炭素含有酸化珪素層からなり、
更に、下記の式より得られる上記の積層体の黄色度(YIa )とし、同じく下記の式より得られる上記のプラズマエッチング保護層被覆基材フィルムの黄色度(YIb )とした場合、ΔYI(YIa −YIb )<0.6を満たすこと
を特徴とする透明ガスバリア性積層体。
黄色度(YI):YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
(ただし、式中、X、Y、Zは、CIE−XYZ表色系の3色刺激値X、Y、Zを表す。) - 基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフイン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1に記載する透明ガスバリア性積層体。
- プラズマエッチング保護層が、膜厚0.01〜5.0μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する透明ガスバリア性積層体。
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