JP2000263722A - バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 - Google Patents

バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材

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JP2000263722A
JP2000263722A JP11069375A JP6937599A JP2000263722A JP 2000263722 A JP2000263722 A JP 2000263722A JP 11069375 A JP11069375 A JP 11069375A JP 6937599 A JP6937599 A JP 6937599A JP 2000263722 A JP2000263722 A JP 2000263722A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材フィルムとして、ポリプロピレンフィル
ムを使用するも、無機酸化物の蒸着薄膜との密接着性を
改良し、酸素ガスおよび水蒸気等に対するバリア性に優
れ、更に、透明性、耐熱性、柔軟性、ラミネ−ト強度等
に優れ、食品包装分野、医薬品分野、洗剤、シャンプ
−、オイル、歯磨き等の非食品分野等における種々の物
品に対する充填包装適性を有し、更に、電子レンジ適性
を備え、かつ、後加工適性に優れたバリア性フィルムお
よびそれを使用した積層材を提供することである。 【解決手段】 ポリプロピレンフィルムの一方の面に、
樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗布膜
を設け、更に、該塗布膜の上に、無機酸化物の蒸着薄膜
を設けたことを特徴とするバリア性フィルムおよびそれ
を使用した積層材に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリア性フィルム
およびそれを使用した積層材に関し、更に詳しくは、無
機酸化物の蒸着薄膜との密接着性を改良し、酸素ガスお
よび水蒸気等に対するバリア性に優れ、更に、透明性、
耐熱性、柔軟性、ラミネ−ト強度等に優れ、食品包装分
野、医薬品分野、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き等
の非食品分野等における種々の物品に対する充填包装適
性を有し、更に、電子レンジ適性を備え、かつ、後加工
適性に優れたバリア性フィルムおよびそれを使用した積
層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸素ガス、水蒸気等に対するバリ
ア性等に優れた包装用素材として、種々のものが開発さ
れ、提案されているが、それらの一つとして、近年、プ
ラスチックフィルム等の基材フィルムの一方の面に、真
空蒸着法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいは、
低温プラズマ化学蒸着法等の化学気相成長法(CVD
法)等を用いて、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム
等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムが提案さ
れている。このものは、従来のアルミニウム箔等を使用
したバリア性フィルムと比較して、透明性を有し、更
に、廃棄時に環境対応に適うものであり、かつ、酸素ガ
ス、水蒸気等に対するバリア性、あるいは、保香性等に
優れ、近年、他のプラスチックフィルム、あるいは、紙
基材等の包装用材料と積層し、種々の形態からなる積層
材を製造し、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、
その他等の種々の物品の充填包装に適し、その需要の拡
大が期待されているものである。
【0003】
【発明が解決しよとする課題】しかしながら、上記の蒸
着フィルムにおいては、確かに、酸素ガス、水蒸気等に
対するバリア性は向上するが、このことは、プラスチッ
クフィルム等の全ての種類の基材フィルムに適合すると
いうものではないものである。例えば、プラスチックフ
ィルム等の基材フィルムとして、2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムを使用し、その一方の面に、物理気相成長法
を用いて、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物
の蒸着膜を設ける場合、該基材フィルムとしての2軸延
伸ポリプロピレンフィルムは、耐熱性に劣ることから、
蒸着時の高温の熱および酸素等にさらされると、基材フ
ィルムとしての2軸延伸ポリプロピレンフィルム自身
が、劣化あるいは収縮し、その上に望ましい蒸着膜を形
成することは極めて困難である。更に、基材フィルムと
して、2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する場合
には、上記の蒸着時の高温の熱および酸素等にさらされ
ることにより、その表面の酸化分解が進み、その表面に
弱強度の異なる層を形成し、他のプラスチックフィル
ム、あるいは、紙基材等を積層して包装用材料を製造し
ても、この弱強度の異なる層より層間剥離等を起こし、
所望のラミネ−ト強度を有する包装材料を製造すること
が極めて困難である。
【0004】このため、基材フィルムとして、2軸延伸
ポリプロピレンフィルムを使用する場合には、比較的に
低温で蒸着処理できるプラズマ化学蒸着法を利用するこ
とにより、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸
着フィルムを製造することが提案され、これにより酸素
ガス等に対するバリア性を向上させた蒸着フィルムを製
造することが試みられている。しかしながら、上記のプ
ラズマ化学蒸着法で製造した蒸着フィルムと言えども、
基材フィルムとしての2軸延伸ポリプロピレンフィルム
が、活性種である酸素ガス、アルゴン、蒸着用モノマ−
ガスおよび活性放射線等からなるプラズマ雰囲気中を通
過する際に、種々の影響を受け、しばしば、黄変した蒸
着フィルム等を製造し勝ちであり、その原因は、2軸延
伸ポリプロピレンフィルム自身が、プラズマの作用によ
り黄変化すること、あるいは、蒸着膜の着色により黄変
化すること等によるものであると推定されるものであ
る。また、基材フィルムとしての2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムの表面に酸化分解が起こり、上記と同様に、
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に弱強度の異な
る層を形成し、他のプラスチックフィルム、あるいは、
紙基材等を積層して包装用材料を製造しても、この層よ
り層間剥離等を起こし、所望のラミネ−ト強度を有する
包装材料を製造することが困難である。
【0005】更に、一般に、2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルム自身は、酸素ガス等に対するバリア性が、非常に
悪く(約1000cc/m2 /day以上である)、そ
のために、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの上に、酸
化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を設けた蒸着フィルムに
おいては、その酸素ガス等に対するバリア性は、膜質状
態の影響を敏感に受け、例えば、蒸着膜に少しの欠陥が
あると、酸素ガス等に対するバリア性は、著しく低下
し、十分な酸素ガス等に対するバリア性を期待し得ない
ものである。このため、プラズマ化学蒸着法を用いて、
2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、酸化珪素等
の無機酸化物の蒸着膜を形成する場合には、例えば、蒸
着用混合ガス組成物中の蒸着用モノマ−ガスの含有量を
高めたり、あるいは、冷却・電極ドラムに供給する電力
のパワ−を高めたりして、蒸着膜を形成することも試み
られている。しかし、かかる場合には、蒸着膜の膜厚
が、厚くなり勝ちであり、その結果、耐屈曲性に富む蒸
着膜を形成することが極めて困難であり、蒸着膜にクラ
ック等が発生するという問題点がある。また、上記のよ
うに、冷却・電極ドラムに供給する電力のパワ−を高め
たりして蒸着膜を形成すると、基材フィルムとしての2
軸延伸ポリプロピレンフィルム自身が、蒸着時のプラズ
マ照射により、黄変ないし劣化等の現象を示し、更に、
2軸延伸ポリプロピレンフィルム自身に相当の衝撃を与
え、例えば、2軸延伸ポリプロピレンフィルム自身の層
内において弱強度の異なる層を形成し、その層間で凝集
破壊を生じ、その部分で層間剥離を起こし、上記の蒸着
フィルムを使用して包装用容器等を製造したとしても、
酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性等に優れた極めて
有用な包装用容器等を製造することは困難であるという
問題点がある。更に、2軸延伸ポリプロピレンフィルム
は、その表面が極めて不活性であって、その表面濡れ性
に劣り、比較的に低温で処理できるプラズマ化学蒸着法
を利用して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成し
ても、その蒸着膜との密着性が悪く、その結果、酸素ガ
ス等に対する十分に満足し得るバリア性等を得られない
という問題点もある。また、上記において、酸素ガス等
に対するバリア性を向上させるために、無機酸化物の蒸
着膜の膜厚を1000Å以上に形成するような場合に
は、耐熱性に劣るポリオレフィン系樹脂フィルムのプラ
ズマ反応による強度劣化の問題点を解決しなければなら
ないという問題点がある。更に、無機酸化物の蒸着膜の
膜厚を厚くすると、蒸着フィルム自身が、黄色味を呈
し、飲食品等を充填包装する包装用材料として使用する
場合には、商品性に影響を与えるという問題点もある。
そこで本発明は、基材フィルムとして、ポリプロピレン
フィルムを使用するも、無機酸化物の蒸着薄膜との密接
着性を改良し、酸素ガスおよび水蒸気等に対するバリア
性に優れ、更に、透明性、耐熱性、柔軟性、ラミネ−ト
強度等に優れ、食品包装分野、医薬品分野、洗剤、シャ
ンプ−、オイル、歯磨き等の非食品分野等における種々
の物品に対する充填包装適性を有し、更に、電子レンジ
適性を備え、かつ、後加工適性に優れたバリア性フィル
ムおよびそれを使用した積層材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究の結果、特定の樹脂組成
物による塗布膜に着目し、まず、基材フィルムとしての
ポリプロピレンフィルムの一方の面に、特定の樹脂をビ
ヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗布膜を設け、
更に、該塗布膜の上に、化学的気相成長法または物理的
気相成長法あるいはその両者を用いて、無機酸化物の蒸
着薄膜を設けてバリア性フィルムを製造し、而して、該
バリア性フィルムに、他のプラスチックフィルム、ある
いは、紙基材、その他等の素材を任意に積層して積層材
を製造し、次に、該積層材を使用し、これを製袋ないし
製函して包装用容器を製造し、該包装用容器内に、例え
ば、飲食品、医薬品、化学薬品、日用品、雑貨品、その
他等の種々の物品を充填包装して包装製品を製造したと
ころ、無機酸化物の蒸着薄膜との密接着性を改良し、そ
の酸素ガスおよび水蒸気等に対するガスバリア性に優
れ、内容物の変質、改質等を防止して安定的に長期間の
流通、保存適性等を有し、また、透明性に優れているの
で、外から内容物を視認し得ることができ、更に、柔軟
性、耐熱性、ラミネ−ト強度等に優れ破袋等もなく、極
めて優れた良好な包装製品を安価に製造し得ることがで
きる有用なバリア性フィルムおよびこれを使用した積層
材を見出して本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、ポリプロピレンフィ
ルムの一方の面に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂
組成物による塗布膜を設け、更に、該塗布膜の上に、無
機酸化物の蒸着薄膜を設けたことを特徴とするバリア性
フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】上記の本発明について以下に図面
等を用いて更に詳しく説明する。本発明にかかるバリア
性フィルムおよびそれを使用した積層材についてその層
構成を図面を用いて更に具体的に説明すると、図1、図
2、および、図3は、本発明にかかるバリア性フィルム
の層構成についてその二三例を例示する概略的断面図で
あり、図4は、上記の図1に示すバリア性フィルムを使
用して製造した本発明にかかる積層材の層構成について
その一例を例示する概略的断面図である。
【0009】まず、本発明にかかるバリア性フィルムA
は、図1に示すように、ポリプロピレンフィルム1の一
方の面に、特定の樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組
成物による塗布膜2を設け、更に、該塗布膜2の上に、
無機酸化物の蒸着薄膜3を設けた構成からなることを基
本構造とするものである。本発明にかかるバリア性フィ
ルムについて、具体例を例示すると、図2に示すよう
に、ポリプロピレンフィルム1の一方の面に、特定の樹
脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とする樹脂
組成物による塗布膜2を設け、更に、該塗布膜2の上
に、化学気相成長法、または、物理気相成長法による無
機酸化物の蒸着薄膜3の1層、または、2層以上の多層
膜(図示せず)を設けた構成からなるバリア性フィルム
1 を挙げることができる。また、本発明にかかるバリ
ア性フィルムについて、別の具体例を例示すると、図3
に示すように、ポリプロピレンフィルム1の一方の面
に、特定の樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成
分とする樹脂組成物による塗布膜2を設け、更に、該塗
布膜2の上に、まず、化学気相成長法による無機酸化物
の蒸着薄膜3aを設け、次に、該無機酸化物の蒸着薄膜
3aの上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄
膜3bを設けた2層以上の多層膜4から構成してなるバ
リア性フィルムA2 を挙げることができる。次に、本発
明にかかる積層材についてその一例を挙げると、図4に
示すように、上記の図1に示すバリア性フィルムAを使
用した例で例示すると、上記の図1に示すバリア性フィ
ルムAの無機酸化物の蒸着薄膜3面に、必要ならば、印
刷絵柄層5を設け、更に、該印刷絵柄層5を含む全面
に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性樹脂層6を設けた構成
からなる積層材Sを挙げることができる。なお、図4に
おいて、符号1、2、3等は、前述と同じ意味である。
上記の例示は、本発明にかかるバリア性フィルムおよび
それを使用して製造した積層材についてその一二例を例
示するものであり、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。例えば、図示しないが、上記の積層材におい
ては、充填包装する内容物、その使用目的等に応じて、
他のプラスチックフィルム、紙基材、その他等を、所望
の位置に任意に積層して積層材を製造することができる
ものである。
【0010】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、および、積層材を構成する素材、材
料、製造法等について説明すると、まず、本発明にかか
るバリア性フィルム、あるいは、積層材を構成するポリ
プロピレンフィルムとしては、例えば、プロピレンの単
独重合体、または、該プロピレンとエチレン、ブテン−
1等のα−オレフィン等の他のモノマ−との共重合体等
からなるポリプロピレン系樹脂を使用し、これを製膜化
してなるフィルムないしシ−トであって、更に、テンタ
−方式あるいはチュ−ブ方式等を使用して1軸延伸ない
し2軸延伸してなるポリプピレン系樹脂のフィルムない
しシ−トを使用することができる。具体的には、上記の
ポリプロピレン系樹脂を使用し、例えば、その樹脂の1
種ないしそれ以上を使用し、インフレ−ション法、Tダ
イ法、その他等の製膜化法を用いて、上記の樹脂を単独
で製膜化する方法、あるいは、2種以上の異なる樹脂を
使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種
以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化す
る方法等により、ポリプロピレン系樹脂のフィルムない
しシ−トを製造し、更に、例えば、テンタ−方式、ある
いは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方
向に延伸してなるポリプロピレン系樹脂のフィルムない
しシ−トを使用することができる。また、上記の2軸延
伸してなるポリプロピレン系樹脂のフィルムないしシ−
トの厚さとしては、フィルムないしシ−トの製造時の安
定性等から適宜に設定することが可能であるが、約10
〜100μm位、好ましくは、15〜50μm位が望ま
しい。なお、上記において、ポリプロピレン系樹脂の製
膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐
候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離
形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改
良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加
剤等を添加することができ、その添加量としては、極く
微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加す
ることができる。また、上記において、一般的な添加剤
としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、充填剤、強化剤、補強剤、帯電防止剤、難燃
剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、その他等を使用
することができ、更には、改質用樹脂等も使用すること
がてきる。
【0011】また、本発明において、ポリプロピレン系
樹脂のフィルムないしシ−トは、必要に応じて、例え
ば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒
素ガス等を用いて低温プラズマ処理、グロ−放電処理、
化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処
理を任意に施すことができる。上記の表面前処理は、特
定の樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗
布膜を形成する前に別工程で実施してもよく、また、上
記の塗布膜を形成する前処理としてインライン処理によ
り前処理で行うことができ、このような場合は、その製
造コストを低減することができるという利点がある。上
記の表面前処理は、ポリプロピレンフィルムと塗布膜と
の密着性を改善するための方法として実施するものであ
るが、上記の密着性を改善する方法として、その他、例
えば、ポリプロピレンフィルムの表面に、予め、プライ
マ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、あるいは、蒸着
アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成することもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエス
テル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等をビヒクル
の主成分とする樹脂組成物を使用することができる。ま
た、上記において、コ−ト剤層の形成法としては、例え
ば、溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のコ
−ト剤を使用し、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−
ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法を用いてコ−
トすることができ、そのコ−ト時期としては、ポリプロ
ピレンフィルムの2軸延伸処理後の後工程として、ある
いは、2軸延伸処理のインライン処理等で実施すること
ができる。
【0012】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、および、積層材を構成する特定の樹脂
の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とする樹脂組
成物による塗布膜について説明すると、かかる塗布膜と
しては、例えば、特定の樹脂の1種ないし2種以上をビ
ヒクルの主成分とし、これに、更に、必要ならば、例え
ば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電
防止剤、架橋剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以
上を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に混練してな
る溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等からな
る樹脂組成物を調整し、而して、該樹脂組成物を使用
し、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト
法、ナイフコ−ト法、スプレイコ−ト法、キスロ−ルコ
−ト法、スクイ−ズロ−ルコ−ト法、リバ−スロ−ルコ
−ト法、カ−テンフロ−コ−ト法、その他等のコ−ティ
ング法、あるいは、オフセット印刷、グラビア印刷、シ
ルクスクリ−ン印刷、転写印刷、その他等の印刷法等を
用いて塗布ないし印刷し、次いで、加熱乾燥、更には、
エ−ジング処理等を施して、膜厚が、例えば、0.1g
/m2 〜10g/m2 (乾燥状態)位、好ましくは、
0.5g/m2 〜5g/m2 (乾燥状態)位からなる塗
布ないし印刷膜を形成して、本発明にかかる塗布膜をを
形成することができる。
【0013】上記において、特定の樹脂としては、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系
樹脂、または、フェノキシ系樹脂の1種ないし2種以上
を使用することができる。更に、上記の特定の樹脂につ
いて詳述すると、まず、上記のポリウレタン系樹脂とし
ては、例えば、多官能イソシアネ−トとヒドロキシル基
含有化合物との反応により得られるポリマ−、具体的に
は、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメ
タンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポ
リイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、ある
いは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジ
イソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官
能イソシアネ−トと、ポリエ−テル系ポリオ−ル、ポリ
エステル系ポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル等
のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一
液ないし二液型ポリウレタン系樹脂を使用することがで
きる。また、上記のポリエステル系樹脂としては、例え
ば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリ
メチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエ
チレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロ
ピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘ
キサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、
ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル
2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他等の多価ア
ルコ−ルの1種ないしそれ以上と、例えば、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエ−テル−
4、4−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、マレ
イン酸、フマ−ル酸、アジピン酸、その他等の多塩基酸
の1種ないしそれ以上との重縮合により得られるポリエ
ステル系樹脂を使用することができる。具体的には、例
えば、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエチレン
イソフタレ−ト樹脂、ポリテトラメチレンイソフタレ−
ト樹脂、マレイン酸樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、その他等の各種のポリエステル
系樹脂を使用することができる。また、上記のポリアク
リル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、その他等の
不飽和カルボン酸類、それらの不飽和カルボン酸類のア
ルキルエステル類、同酸アミド類、同ニトリル類、その
他等のモノマ−の1種ないし2種以上を重合させてなる
ポリマ−、更には、それらに他のモノマ−を添加して重
合させてなるポリマ−等を使用することができる。具体
的には、例えば、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリ
ル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルニ
トリル、熱硬化型のアクリル系樹脂、その他等の各種の
アクリル系樹脂を使用することができる。更に、上記の
フェノキシ系樹脂としては、例えば、フェノキシ酢酸ホ
ルムアルデヒド樹脂、ポリフェノキシアセトン、ポリフ
ェノキシアセチレン、ビスフェノ−ルとエピクロロヒド
リンとの縮合樹脂、その他等を使用することができる。
【0014】而して、本発明において、上記のような特
定の樹脂は、種々ある合成樹脂中から、特に、ポリプロ
ピレンフィルムとの密接着性、親和性等を有し、それを
含む樹脂組成物による塗布膜をポリプロピレンフィルム
の上に設けた場合、その両者が強固に密接着すると共
に、更に、化学気相成長法、あるいは、物理気相成長法
等を用いて、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化
物の蒸着薄膜を形成する際に、そのときの蒸着条件、例
えば、高温、酸素ガス、その他等に影響を受けない、強
靱な塗布膜を形成することが可能な化学的、物理的、そ
の他等において耐久性を有する性質を有する樹脂を選定
して使用するものである。
【0015】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、あるいは、積層材を構成する無機酸化
物の蒸着薄膜について説明すると、かかる無機酸化物の
蒸着薄膜としては、まず、例えば、プラズマ化学気相成
長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気
相成長法(Chemical Vapor Depos
ition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着
薄膜を形成することができる。本発明においては、具体
的には、ポリプロピレンフィルムの一方の面に設けた塗
布膜の上に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを
原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガス
として、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等
を利用するプラズマ化学気相成長法(CVD法)を用い
て酸化珪素等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成することが
できる。上記において、低温プラズマ発生装置として
は、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイ
クロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而
して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを
得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使
用することが望ましい。
【0016】具体的に、上記のプラズマ化学気相成長法
による無機酸化物の蒸着薄膜の形成法についてその一例
を例示して説明すると、図5は、上記のプラズマ化学気
相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜の形成法について
その概要を示すプラズマ化学気相成長装置の概略的構成
図である。上記の図5に示すように、本発明において
は、プラズマ化学気相成長装置11の真空チャンバ−1
2内に配置された巻き出しロ−ル13から特定の樹脂を
ビヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗布膜を有す
るポリプロピレンフィルム2を繰り出し、更に、該ポリ
プロピレンフィルム2を、補助ロ−ル14を介して所定
の速度で冷却・電極ドラム15周面上に搬送する。而し
て、本発明においては、ガス供給装置16、17およ
び、原料揮発供給装置18等から酸素ガス、不活性ガ
ス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等
を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整
しなから原料供給ノズル19を通して真空チャンバ−1
2内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記
の冷却・電極ドラム15周面上に搬送されたポリプロピ
レンフィルム2の塗布膜の上に、グロ−放電プラズマ2
0によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化
珪素等の無機酸化物の蒸着薄膜を形成し、製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム15
は、チャンバ−外に配置されている電源21から所定の
電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム15の
近傍には、マグネット22を配置してプラズマの発生が
促進されており、次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化
物の蒸着薄膜をその塗布膜の上に形成したポリプロピレ
ンフィルム2は、補助ロ−ル23を介して巻き取りロ−
ル24に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相
成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を製造することがで
きるものである。なお、図中、25は、真空ポンプを表
す。上記の例示は、その一例を例示するものであり、こ
れによって本発明は限定されるものではないことは言う
までもないことである。
【0017】上記において、酸化珪素等の無機酸化物の
蒸着薄膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−
ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチル
ジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリ
メチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチル
ジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチル
シラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他
等を使用することができる。本発明において、上記のよ
うな有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラ
メチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサ
ンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成
された蒸着膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0018】本発明において、上記で形成される酸化珪
素の蒸着薄膜は、有機珪素化合物等のモノマ−ガスと酸
素ガス等とが化学反応し、その反応生成物がポリプロピ
レンフィルム上の塗布膜に強固に密接着し、緻密な、柔
軟性等に富む薄膜を形成することができ、通常、一般式
SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表され
る酸化珪素を主体とする連続状の蒸着薄膜である。而し
て、上記の酸化珪素の蒸着薄膜としては、透明性、バリ
ア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.
3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜
を主体とする薄膜であることが好ましいものである。上
記において、Xの値は、モノマ−ガスと酸素ガスのモル
比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的
に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、
膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。また、上記
の酸化珪素の蒸着薄膜は、珪素(Si)と酸素(O)を
必須構成元素として有し、更に、炭素(C)と水素
(H)のいずれが一方、または、その両者の元素を微量
構成元素として含有する酸化珪素の蒸着膜からなり、か
つ、その膜厚が、50Å〜500Åの範囲であり、更
に、上記の必須構成元素と微量構成元素の構成比率が、
膜厚方向において連続的に変化しているものである。更
に、上記の酸化珪素の蒸着薄膜は、炭素からなる化合物
を含有する場合には、その膜厚の深さ方向において炭素
の含有量が減少していることを特徴とするものである。
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着薄膜に
ついて、例えば、X線光電子分光装置(Xray Ph
otoelectron Spectroscopy、
XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondar
y Ion Mass Spectroscopy、S
IMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエ
ッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素
の蒸着薄膜の元素分析を行うことより、上記のような物
性を確認することができるものである。また、本発明に
おいて、上記の酸化珪素の蒸着薄膜の膜厚としては、膜
厚1000Å位以下、更には、500Å以下であること
が望ましく、具体的には、その膜厚としては、50〜5
00Å位、より好ましくは、100〜300Å位が望ま
しく、而して、上記において、300Å、更に、500
Å、更には、1000Åより厚くなると、その膜にクラ
ック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、10
0Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を
奏することが困難になることから好ましくないものであ
る。上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学
製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を
用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定するこ
とができる。また、上記において、上記の酸化珪素の蒸
着薄膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速
度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガ
ス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等に
よって行うことができる。なお、蒸着速度としては、一
般的には、50〜200n/minの蒸着速度で蒸着膜
を形成することが好ましい。
【0019】更に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、あるいは、積層材を構成する無機酸化
物の蒸着薄膜について説明すると、かかる無機酸化物の
蒸着薄膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(P
hysical Vapor Deposition
法、PVD法)を用いて無機酸化物の蒸着薄膜を形成す
ることができる。本発明において、具体的には、金属の
酸化物を原料とし、これを加熱してポリプロピレンフィ
ルム上の塗布膜の上に蒸着する真空蒸着法、または、原
料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入
して酸化させてポリプロピレンフィルム上の塗布膜の上
に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで
助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸
着膜を形成することができる。本発明において、物理気
相成長法による無機酸化物の薄膜薄膜を形成する方法に
ついて、その具体例を挙げると、図6は、巻き取り式真
空蒸着装置の一例を示す概略的構成図である。図6に示
すように、巻き取り式真空蒸着装置51の真空チャンバ
−52の中で、巻き出しロ−ル53から繰り出す特定の
樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗布膜
を有するポリプロピレンフィルム2は、ガイドロ−ル5
4、55を介して、冷却したコ−ティングドラム56に
案内される。而して、上記の冷却したコ−ティングドラ
ム56上に案内されたポリプロピレンフィルム2の塗布
膜の上に、るつぼ57で熱せられた蒸着源58、例え
ば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等
を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口59よ
り酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク6
0、60を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機
酸化物の蒸着薄膜を成膜化し、次いで、上記において、
例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着薄膜を
塗布膜の上に形成したポリプロピレンフィルム2を、ガ
イドロ−ル55′、54′を介して送り出し、次いで、
巻き取りロ−ル61に巻き取ることによって、本発明に
かかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を形
成することができる。
【0020】上記において、無機酸化物の蒸着薄膜とし
ては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使
用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム
(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(C
a)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(N
a)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジ
ルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸
化物の蒸着薄膜を使用することができる。而して、包装
用材料等に適するものとしては、ケイ素(Si)、アル
ミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着薄膜を挙げる
ことができる。而して、上記の金属の酸化物の蒸着薄膜
は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム
酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、そ
の表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等の
ようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、
Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことな
る。)で表される。また、上記のXの値の範囲として
は、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)
は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カ
ルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜
0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)
は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン
(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニ
ウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜
1.5の範囲の値をとることができる。上記において、
X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使
用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全
に酸化した値である。本発明において、包装用材料とし
ては、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(A
l)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)
は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5
〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。本
発明において、上記のような無機酸化物の薄膜の膜厚と
しては、使用する金属、または金属の酸化物の種類等に
よって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好まし
くは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して
形成することが望ましい。また、本発明においては、無
機酸化物の蒸着薄膜としては、無機酸化物の蒸着薄膜の
1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した積
層体の状態でもよく、また、使用する金属、または金属
の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用
し、異種の材質で混合した無機酸化物の薄膜を構成する
こともできる。
【0021】更にまた、本発明において、本発明にかか
るバリア性フィルム、あるいは、積層材を構成する無機
酸化物の蒸着薄膜としては、前述の化学気相成長法と、
物理気相成長法とを併用して、その両者による無機酸化
物の蒸着薄膜の2層以上の多層膜からなる無機酸化物の
蒸着薄膜を形成することができる。而して、本発明にお
いては、上記の無機酸化物の蒸着薄膜としては、まず、
化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富む無機酸化
物の蒸着薄膜を設け、次に、該無機酸化物の蒸着薄膜の
上に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着薄膜を
設けて、クラック等の発生を防止した2層以上の多層膜
を構成することが望ましいものである。なお、本発明に
おいては、上記の無機酸化物の蒸着薄膜の面には、該無
機酸化物の蒸着薄膜の上に、更に、他の基材を積層する
際に、その密接着性、親和性等を向上させるために、例
えば、無機酸化物の蒸着薄膜面に、酸素ガス等を含む不
活性プラズマガス等を使用し、プラズマ放電処理してプ
ラズマ処理面を形成したり、または、コロナ放電処理を
行ってコロナ処理面等を形成することもできる。
【0022】次にまた、本発明において、本発明にかか
る積層材を構成する印刷絵柄層としては、例えば、上記
のコ−ティング膜の上に、通常のグラビアインキ組成
物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、スク
リ−ンインキ組成物、その他等のインキ組成物を使用
し、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、
凸版印刷方式、シルクスクリ−ン印刷方式、その他等の
印刷方式を使用し、例えば、文字、図形、絵柄、記号、
その他等からなる所望の印刷絵柄を形成することにより
構成することができる。而して、本発明において、上記
のようなビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、
これに、染料・顔料等の着色剤の1種ないし2種以上を
加え、更に、必要ならば、例えば、充填剤、安定剤、可
塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散
剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤、その
他等の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に
混練してなる各種の形態からなるインキ組成物を使用す
ることがてきる。
【0023】次にまた、本発明において、本発明にかか
る積層材を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層を形成するヒ
−トシ−ル性樹脂としては、例えば、熱によって溶融し
相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹
脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポ
リマ−、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その
他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし
それ以上からなる樹脂を使用することができる。而し
て、本発明において、ヒ−トシ−ル性樹脂層としては、
上記のような樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、例え
ば、インフレ−ション法、Tダイ法、その他等の方法で
製膜化してなる樹脂のフィルムないしシ−ト、あるい
は、上記のような樹脂の1種ないしそれ以上をビヒクル
の主成分として含む樹脂組成物によるコ−ティンイグ膜
等の状態で使用することができる。その膜厚としては、
5〜100μm位、好ましくは、10〜50μm位が望
ましい。
【0024】ところで、本発明にかかる積層材において
は、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な
条件におかれることから、包装用容器を構成する積層材
には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下
衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全
性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求さ
れ、このために、本発明においては、上記のような諸条
件を充足する材料を任意に選択して使用し、これらを前
述の本発明にかかる積層材を構成する材料の他に、更
に、任意に加えて積層して所望の積層材を構成すること
ができる。而して、上記において、具体的には、例え
ば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタク
リル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリア
クリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹
脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、
ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィ
ルムないしシ−トから任意に選択して使用することがで
きる。その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙
等も使用することができる。本発明において、上記のフ
ィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に
延伸されたもの等のいずれのものでも使用することがで
きる。また、その厚さは、任意であるが、数μmから3
00μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとして
は、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティン
グ膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0025】次に、本発明において、本発明にかかるバ
リア性フィルム、印刷絵柄層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、
更に、その他の材料等を使用して、本発明にかかる積層
材を製造する方法としては、例えば、ラミネ−ト用接着
剤によるラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライ
ラミネ−ション法、あるいは、溶融押し出し接着性樹脂
による溶融押し出し樹脂層を介して積層する押し出しラ
ミネ−ション法等で行うことができる。上記において、
ラミネ−ト用接着剤としては、例えば、1液、あるい
は、2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メ
タ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
エ−テル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、そ
の他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等
のラミネ−ト用接着剤を使用することができる。而し
て、上記のラミネ−ト用接着剤のコ−ティング法として
は、例えば、ダイレクトグラビアロ−ルコ−ト法、グラ
ビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、リバ−スロ−ルコ
−ト法、フォンテン法、トランスファ−ロ−ルコ−ト
法、その他等の方法で塗布することができ、そのコ−テ
ィング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)
位、より好ましくは、1〜5g/m2 (乾燥状態)位が
望ましい。なお、本発明においては、上記のラミネ−ト
用接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着
促進剤を任意に添加することができる。次にまた、上記
において、溶融押し出し接着性樹脂としては、前述のヒ
−トシ−ル性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂を同
様に使用することができる。而して、本発明において、
溶融押し出し接着性樹脂としては、特に、低密度ポリエ
チレン、特に、線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリエ
チレンを使用することが好ましいものである。上記の溶
融押し出し接着性樹脂による溶融押し出し樹脂層の膜厚
としては、5〜100μm位、より好ましくは、10〜
50μm位が望ましい。なお、本発明において、上記の
積層を行う際に、より強固な接着強度を得る必要がある
場合には、必要ならば、例えば、アンカ−コ−ト剤等の
接着改良剤等をコ−トすることもできる。上記のアンカ
−コ−ト剤としては、具体的には、例えば、アルキルチ
タネ−ト等の有機チタン系アンカ−コ−ト剤、イソシア
ネ−ト系アンカ−コ−ト剤、ポリエチレンイミン系アン
カ−コ−ト剤、ポリブタジエン系アンカ−コ−ト剤、そ
の他等の水性あるいは油性等の各種のアンカ−コ−ト剤
を使用することができる。而して、本発明においては、
上記のアンカ−コ−ト剤を、例えば、ロ−ルコ−ト、グ
ラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイ
コ−ト、その他のコ−ティング法でコ−ティングし、溶
剤、希釈剤等を乾燥して、アンカ−コ−ト剤層を形成す
ることができる。上記のおいて、アンカ−コ−ト剤の塗
布量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望
ましい。
【0026】上記のようにして製造した本発明にかかる
積層材の酸素透過度は、温度23℃、相対湿度90%R
Hにおいて、5.0cc/m2 ・day・atm以下で
あるという極めて優れた効果を有するものである。上記
の酸素透過度の測定は、前述の、例えば、米国、モコン
(MOCON)社製の酸素透過度測定機〔機種名、オク
ストラン(OX−TRAN)2/20〕を用いて23
℃、90%RHの条件で測定することができる。
【0027】上記のようにして製造した本発明にかかる
積層材は、これを使用して製袋あるいは製函して、種々
の物品を充填包装するに適した有用な種々の形態からな
る包装用容器を製造可能とするものである。すなわち、
本発明においては、本発明にかかる積層材を使用して製
袋ないし製函して種々の形態からなる包装用容器を製造
し、而して、上記で製造した包装用容器は、酸素、水蒸
気等に対するガスバリア性、透明性、耐熱性、耐衝撃性
等に優れ、更に、ラミネ−ト加工、印刷加工、製袋ない
し製函加工等の後加工適性を有し、例えば、飲食品、医
薬品、洗剤、シャンプ−、オイル、歯磨き、接着剤、粘
着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の
充填包装適性、保存適性等に優れているものである。上
記において、製袋ないし製函する方法について説明する
と、例えば、軟包装袋の場合、上記で製造した積層材を
使用し、その内層のヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向さ
せて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね合わ
せ、更にその周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を設
けて袋体を構成することができる。すなわち、その製袋
方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向さ
せて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更
にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方
シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−
ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ
−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−
トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる
種々の形態の包装用容器を製造することができる。その
他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等
も製造することが可能であり、更に、本発明において
は、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造する
ことができる。上記において、ヒ−トシ−ルの方法とし
ては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルト
シ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−
ル等の公知の方法で行うことができる。なお、本発明に
おいては、上記のような包装用容器には、例えば、ワン
ピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出
口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けること
ができる。
【0028】次にまた、本発明において、包装用容器と
して、紙基材を含む場合には、例えば、積層材として、
紙基材を積層した積層材を製造し、これから所望の紙容
器を製造するブランク板を製造し、しかる後該ブランク
板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、
ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲ−ベルトッ
プタイプの液体用紙容器等を製造することができる。ま
た、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等の
いずれのものでも製造することができる。本発明におい
て、上記のようにして製造した包装用容器は、例えば、
各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医
薬品、雑貨品、その他等の種々の物品の充填包装に使用
されるものである。
【0029】
【実施例】上記の本発明について以下に実施例を挙げて
更に具体的に説明する。 実施例1 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、まず、該2軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの上に、酢酸エチル溶媒中で固形分15%
のフェノキシ樹脂(ビスフェノ−ルとエピクロロヒドリ
ンとの縮合樹脂)を含む樹脂組成物を使用し、これを、
グラビアロ−ルコ−ト法により塗布、乾燥して、膜厚
1.0g/m2 の塗布膜を形成した。 (2).次に、上記で塗布膜を形成した2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムをプラズマ化学気相成長装置の送り出
しロ−ルに装着し、40KHZの高周波により反応ガス
混合物をプラズマ化して、下記の条件で厚さ150Åの
酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムの塗布膜の上に形成して、本発明にかかるバリア
性フィルムを製造した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:5:5(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:80m/分 (3).次に、上記のバリア性フィルムの酸化珪素の蒸
着薄膜面に、グラビア印刷機を用いて、グラビアインキ
組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。
次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出しロ
−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ルコ
−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト
用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工し
て、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。しかる後、上記
のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの低密度ポ
リエチレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明に
かかる積層材を製造した。
【0030】実施例2 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、まず、該2軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの上に、トルエン/メチルエチルケトン=
1/1の溶媒中で固形分12%のポリエステルウレタン
樹脂を含む樹脂組成物を使用し、これを、グラビアロ−
ルコ−ト法により塗布、乾燥して、膜厚0.8g/m2
の塗布膜を形成した。 (2).次に、上記で塗布膜を形成した2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムをプラズマ化学気相成長装置の送り出
しロ−ルに装着し、40KHZの高周波により反応ガス
混合物をプラズマ化して、下記の条件で厚さ150Åの
酸化珪素の蒸着薄膜を上記の2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムの塗布膜の上に形成して、本発明にかかるバリア
性フィルムを製造した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:5:5(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:6.5×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:80m/分 (3).次に、上記のバリア性フィルムの酸化珪素の蒸
着薄膜面に、グラビア印刷機を用いて、グラビアインキ
組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成した。
次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出しロ
−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−ルコ
−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト
用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗工し
て、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。しかる後、上記
のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの低密度ポ
リエチレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明に
かかる積層材を製造した。
【0031】実施例3 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、まず、該2軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの上に、酢酸エチル溶媒中で固形分15%
のフェノキシ樹脂(ビスフェノ−ルとエピクロロヒドリ
ンとの縮合樹脂)を含む樹脂組成物を使用し、これを、
グラビアロ−ルコ−ト法により塗布、乾燥して、膜厚
1.0g/m2 の塗布膜を形成した。 (2).次に、上記で塗布膜を形成した2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムを巻き取り式真空蒸着装置の送り出し
ロ−ルに装着し、これをコ−ティングドラムの上に繰り
出し、下記の条件で、アルミニウムを蒸着源に用い、酸
素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加
熱方式による反応真空蒸着法により、上記の2軸延伸ポ
リプロピレンフィルムの塗布膜の上に、膜厚300Åの
酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成して、本発明にかか
るバリア性フィルムを製造した。 (蒸着条件) 蒸着源:アルミニウム 真空チャンバ−内の真空度:7.5×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:2.1×10-6mbar EB出力:40KW フィルム搬送速度:600m/分 (3).次に、上記のバリア性フィルムの酸化アルミニ
ウムの蒸着薄膜面に、グラビア印刷機を用いて、グラビ
アインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形
成した。次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送
り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビア
ロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラ
ミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合
で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。しかる
後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの
低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして、
本発明にかかる積層材を製造した。
【0032】実施例4 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、まず、該2軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの上に、トルエンとメチルエチルケトンの
混合溶媒中で固形分15%の熱硬化型のアクリル系樹脂
を含む樹脂組成物を使用し、これを、グラビアロ−ルコ
−ト法により塗布し、乾燥して、膜厚1.0g/m2
塗布膜を形成した。 (2).次に、上記で塗布膜を形成した2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムをプラズマ化学気相成長装置の送り出
しロ−ルに装着し、下記の条件で厚さ150Åの酸化珪
素の蒸着薄膜を上記の2軸延伸ポリプロピレンフィルム
の塗布膜の面に形成して、本発明にかかるバリア性フィ
ルムを製造した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度:5.2×10-6mbar 蒸着チャンバ−内の真空度:5.1×10-2mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:70m/分 (3).次に、上記のバリア性フィルムの酸化珪素の蒸
着薄膜の上に、グラビア印刷機を用いて、グラビアイン
キ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形成し
た。次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリ
プロピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送り出
しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビアロ−
ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラミネ
−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合で塗
工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。しかる後、
上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの無延
伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして、本
発明にかかる積層材を製造した。
【0033】実施例5 (1).基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを使用し、まず、該2軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの上に、○○○○○溶媒中で固形分15%
のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂を含む樹脂組成物を
使用し、これを、グラビアロ−ルコ−ト法により塗布
し、乾燥して、膜厚1.0g/m2 の塗布膜を形成し
た。 (2).次に、上記で塗布膜を形成した2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムを使用し、上記の実施例1の(2)と
同様にして、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出
しロ−ルに装着し、厚さ150Åの酸化珪素の蒸着薄膜
を上記の2軸延伸ポリプロピレンフィルムの塗布膜面に
形成した。 (3).次に、上記で酸化珪素の蒸着薄膜を形成した2
軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、上記の実施例
3の(2)と同様にして、これを巻き取り式真空蒸着装
置の送り出しロ−ルに装着し、これをコ−ティングドラ
ムの上に繰り出して、アルミニウムを蒸着源に用い、酸
素ガスを供給しながら、エレクトロンビ−ム(EB)加
熱方式による反応真空蒸着法により、上記で酸化珪素の
蒸着薄膜を形成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムの
酸化珪素の蒸着薄膜の上に、膜厚300Åの酸化アルミ
ニウムの蒸着薄膜を形成した。 (4).次に、上記で酸化アニミニウムの蒸着薄膜を形
成した2軸延伸ポリプロピレンフィルムの酸化アルミニ
ウムの蒸着薄膜面に、グラビア印刷機を用いて、グラビ
アインキ組成物を使用し、所望の多色の印刷絵柄層を形
成した。次いで、上記で印刷絵柄層を形成した2軸延伸
ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−ト機の第1送
り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層面に、グラビア
ロ−ルコ−ト法を用いて2液硬化型のポリウレタン系ラ
ミネ−ト用接着剤を4.5g/m2 (乾燥重量)の割合
で塗工して、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。次い
で、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ70μmの
無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トし
て、本発明にかかる積層材を製造した。
【0034】実施例6 上記の実施例1の(3)において、印刷絵柄層を形成し
た2軸延伸ポリプロピレンフィルムの印刷絵柄層面に、
ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの低密度
ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層材を
製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポリ
プロピレンフィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送り
出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押し
出し用低密度ポリエチレンを使用し、厚さ20μmにこ
れを溶融押し出ししながら、厚さ70μmの低密度ポリ
エチレンフィルムを押し出しラミネ−トし、それ以外
は、上記の実施例1と全く同様にして、本発明にかかる
積層材を製造した。
【0035】実施例7 上記の実施例3の(3)において、印刷絵柄層を形成し
た2軸延伸ポリプロピレンフィルムの印刷絵柄層面に、
ラミネ−ト用接着剤層を介して、厚さ70μmの無延伸
ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−トして積層材
を製造する代わりに、印刷絵柄層を形成した2軸延伸ポ
リプロピレンフィルムを押し出しラミネ−ト機の第1送
り出しロ−ルに装着し、その印刷絵柄層の面に、溶融押
し出し用低密度ポリエチレンを使用し、厚さ20μmに
これを溶融押し出ししながら、厚さ70μmの低密度ポ
リエチレンフィルムを押し出しラミネ−トし、それ以外
は、上記の実施例3と全く同様にして、本発明にかかる
積層材を製造した。
【0036】比較例1 基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムを使用し、上記の実施例1と同様にして、該2軸
延伸ポリプロピレンフィルムの一方の面に、酸化珪素の
蒸着薄膜を形成して、バリア性フィルムを製造した(塗
布膜は形成しなかった。)。次いで、上記の酸化珪素の
蒸着薄膜面に、上記の実施例1と全く同様にして、グラ
ビア印刷機を用いて、グラビアインキ組成物を使用し、
所望の多色の印刷絵柄層を形成し、しかる後、印刷絵柄
層面に、ラミネ−ト用接着剤層を形成した。他方、厚さ
70μmの低密度ポリエチレンフィルムを用意し、その
一方の面にコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理
面に、上記の2軸延伸ポリプロピレンフィルムのラミネ
−ト用接着剤層面を対向させ、その両者をドライラミネ
−ション法により積層して、積層材を製造した。
【0037】比較例2 基材として、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムを使用し、まず、該2軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムの上に、下記の(イ)から(ハ)に例示する樹脂を
使用し、その樹脂をビヒクルとして含む固形分15%か
らなる樹脂組成物を使用し、これを、グラビアロ−ルコ
−ト法により塗布し、乾燥して、膜厚1.0g/m2
塗布膜を形成した。次に、上記で塗布膜を形成した2軸
延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、上記の実施例1
と全く同様にし、酸化珪素の蒸着薄膜を形成して、バリ
ア性フィルムを製造し、更に、該バリア性フィルムを使
用し、上記の実施例1と全く同様にして、積層材を製造
した。 (イ).塩素化ポリプロピレン樹脂 (ロ).マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂 (ハ).カルボキシ変性ポリプロピレン樹脂
【0038】実験例1 上記の実施例1〜7、および、比較例1〜2で製造した
各バリア性フィルム、および、積層材について、下記の
デ−タを測定した。 (1).酸素透過度の測定 これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクスト
ラン(OXTRAN)〕にて測定した。 (2).水蒸気透過度の測定 これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マト
ラン(PERMATRAN)〕にて測定した。 (3).色評価の測定 これは、目視による着色観察による測定で評価した。目
視による着色観察は、試料を10枚重ねて目視により、
直接観察した。 (4).ラミネ−ト強度の測定 これは、実施例1〜7、および、比較例1〜2で製造し
た積層材を使用し、これから巾15mmの試験片を作
り、引っ張り試験機(株式会社オリエンテック製)によ
り測定した。 上記の測定結果について、下記の表1に示す。表1は、
バリア性フィルム、および、積層材についての酸素透過
度および水蒸気透過度、更に、積層材についてのラミネ
−ト強度の測定結果である。なの、表1中、酸素透過度
の単位は、cm3 /m2 ・day・atmであり、ま
た、水蒸気透過度の単位は、g/m2 ・day・atm
あり、更に、ラミネ−ト強度の単位は、g/15mm
巾である。
【0039】
【0040】上記の表1に示す結果より明らかなよう
に、実施例1〜7にかかる積層材は、酸素透過度が、
5.0cc/m2 ・day・atm以下である。これに
対し、比較例1〜2にかかる積層材は、酸素透過度が、
桁違いとなるものであった。また、ラミネ−ト強度につ
いては、実施例1〜7にかかる積層材は、比較例1〜2
にかかる積層材よりも優れていた。上記の結果は、実施
例1〜7にかかる積層材が、塗布膜を設けることにより
酸素透過度、ラミネ−ト強度を改善できることを示して
いるものである。なお、比較例1〜2のものは、層間剥
離現象も示した。次に、水蒸気透過度については、実施
例1〜7にかかる積層材は、比較例1〜2にかかる積層
材よりも優れているものであった。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、特定の樹脂組成物による塗布膜に着目し、まず、基
材フィルムとしてのポリプロピレンフィルムの一方の面
に、特定の樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物に
よる塗布膜を設け、更に、該塗布膜の上に、化学的気相
成長法または物理的気相成長法あるいはその両者を用い
て、無機酸化物の蒸着薄膜を設けてバリア性フィルムを
製造し、而して、該バリア性フィルムに、他のプラスチ
ックフィルム、あるいは、紙基材、その他等の素材を任
意に積層して積層材を製造し、次に、該積層材を使用
し、これを製袋ないし製函して包装用容器を製造し、該
包装用容器内に、例えば、飲食品、医薬品、化学薬品、
日用品、雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装して
包装製品を製造して、無機酸化物の蒸着薄膜との密接着
性を改良し、その酸素ガスおよび水蒸気等に対するガス
バリア性に優れ、内容物の変質、改質等を防止して安定
的に長期間の流通、保存適性等を有し、また、透明性に
優れているので、外から内容物を視認し得ることがで
き、更に、柔軟性、耐熱性、ラミネ−ト強度等に優れ破
袋等もなく、極めて優れた良好な包装製品を安価に製造
し得ることができる有用なバリア性フィルムおよびこれ
を使用した積層材を製造することができるというもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかるバリア性フィルムについてその
一例の層構成の概略を示す概略的断面図である。
【図4】本発明にかかる積層材についてその一例の層構
成の概略を示す概略的断面図である。
【図5】化学気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を
形成する方法についてその概要を示すプラズマ化学気相
成長装置の概略的構成図である。
【図6】物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜を
形成する方法についてその概要を示す巻き取り式真空蒸
着装置の概略的構成図である。
【符号の説明】
A バリア性フィルム A1 バリア性フィルム A2 バリア性フィルム S 積層材 1 ポリプロピレンフィルム 2 塗布膜 3 無機酸化物の蒸着薄膜 3a 無機酸化物の蒸着薄膜 3b 無機酸化物の蒸着薄膜 4 多層膜 5 印刷絵柄層 6 ヒ−トシ−ル性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/06 C08J 7/06 Z C23C 14/10 C23C 14/10 16/40 16/40 16/50 16/50 Z Fターム(参考) 3E086 AD01 AD02 BA04 BA14 BA15 BA24 BA33 BA40 BB01 BB22 BB31 BB41 BB51 CA01 CA11 CA28 CA35 4F006 AA12 AB32 AB35 AB37 AB43 AB74 AB76 BA05 DA01 DA04 4F100 AA17C AA17D AA19C AA19D AA20C AA20D AA36C AA36D AA37C AA37D AB11C AB11D AH06C AH06D AK01B AK06 AK07A AK25B AK41B AK51B AK51G AK54B AL05B AR00E AS00B BA03 BA04 BA05 BA07 BA26 BA44 CB01 EH46B EH66C EH66D EJ38A GB15 HB00 JD02 JD02C JJ03 JK06 JK17 JL00 JL11 JL11E JM02C JM02D JN01 4K029 AA11 AA25 BA44 BB02 BC08 BC10 BD00 CA02 DB03 DB21 JA10 KA03 4K030 AA11 BA44 BB12 CA07 CA12 FA01 LA00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンフィルムの一方の面に、
    樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗布膜
    を設け、更に、該塗布膜の上に、無機酸化物の蒸着薄膜
    を設けたことを特徴とするバリア性フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレンフィルムが、2軸延伸ポ
    リプロピレンフィルムからなることを特徴とする上記の
    請求項1に記載するバリア性フィルム。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が、ポリウレタン系樹脂、ポ
    リエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、または、フェ
    ノキシ系樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分
    とする樹脂組成物からなることを特徴とする上記の請求
    項1〜2に記載するバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】 無機酸化物の蒸着薄膜が、化学気相成長
    法による無機酸化物の蒸着薄膜の1層、または、2層以
    上の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜
    3に記載するバリア性フィルム。
  5. 【請求項5】 無機酸化物の蒸着薄膜が、プラズマ化学
    気相成長法による酸化珪素の蒸着薄膜からなることを特
    徴とする上記の請求項4に記載するバリア性フィルム。
  6. 【請求項6】 無機酸化物の蒸着薄膜が、有機珪素化合
    物を蒸着用モノマ−ガスとして使用し、プラズマ化学気
    相成長法による酸化珪素の蒸着薄膜からなることを特徴
    とする上記の請求項4〜5に記載するバリア性フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 無機酸化物の蒸着薄膜が、珪素(Si)
    と酸素(O)を必須構成元素として有し、更に、炭素
    (C)と水素(H)のいずれが一方、または、その両者
    の元素を微量構成元素として含有する酸化珪素の蒸着薄
    膜からなり、かつ、その膜厚が、50Å〜500Åの範
    囲であり、更に、上記の必須構成元素と微量構成元素の
    構成比率が、膜厚方向において連続的に変化しているこ
    とを特徴とする上記の請求項4〜6に記載するバリア性
    フィルム。
  8. 【請求項8】 無機酸化物の蒸着薄膜が、物理気相成長
    法による無機酸化物の蒸着薄膜の1層、または、2層以
    上の多層膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜
    3に記載するバリア性フィルム。
  9. 【請求項9】 無機酸化物の蒸着薄膜が、真空蒸着法に
    よる無機酸化物の蒸着薄膜からなることを特徴とする上
    記の請求項8に記載するバリア性フィルム。
  10. 【請求項10】 無機酸化物の蒸着薄膜が、真空蒸着法
    による酸化アルミニウムの蒸着薄膜からなることを特徴
    とする上記の請求項8〜9に記載するバリア性フィル
    ム。
  11. 【請求項11】 無機酸化物の蒸着薄膜が、化学気相成
    長法および物理気相成長法による無機酸化物の蒸着薄膜
    の2層以上の多層膜からなることを特徴とする上記の請
    求項1〜3に記載するバリア性フィルム。
  12. 【請求項12】 無機酸化物の蒸着薄膜が、化学気相成
    長法による無機酸化物の蒸着薄膜を設け、次に、該無機
    酸化物の蒸着薄膜の上に、物理気相成長法による無機酸
    化物の蒸着薄膜を設けた2層以上の多層膜からなること
    を特徴とする上記の請求項11に記載するバリア性フィ
    ルム。
  13. 【請求項13】 ポリプロピレンフィルムの一方の面
    に、樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による塗
    布膜を設け、更に、該塗布膜の上に、無機酸化物の蒸着
    薄膜を設けたバリア性フィルムの無機酸化物の蒸着薄膜
    の上に、少なくとも、ヒ−トシ−ル性樹脂層を設けたこ
    とを特徴とする積層材。
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