JP5404017B2 - 食品用包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状の食品を包装する食品用包装体に関するものである。
近年、複数の粒ガムを容器内に収納した商品が市販されている。これらの粒ガムは一個一個が包装されずに、未包装の状態で容器に収納されている。そのため、粒ガムを噛み終えた後に、それを包んで廃棄するためのティッシュペーパー等を別途用意しておく必要があった。
一方、噛み終えた後のガムを包装して廃棄できるように、噛み終えた後のガムを廃棄するための紙(以下、捨て紙という)を粒ガムと共に容器中に収納したものも知られている。しかしながら、容器中に粒ガム等の食品と共に捨て紙を収納しておくと、何度も手で触られた捨て紙が直接食品に触れるため、衛生面から好ましい方法ではない。
また、粒ガムに限らず、飴やチョコレート等の粒状の菓子類を個々に包装せずに容器に収納した場合にも、直接素手で菓子を取り出すと手が汚れるため、手拭き用の捨て紙を菓子容器に収納してほしいといった要望がある。
このような問題を解決するために、食品とは別に捨て紙を添付する方法が種々提案されており、特許文献1〜3には、包装容器或いは包装体の表面に剥離可能な捨て紙を積層したものが開示されている。また、特許文献4には、包装袋のシール部の、少なくとも一方の包装材料を延長し、弱め線を設けて切り離し可能とすることにより、捨て紙として使用できるガム包装袋が開示されている。
実開平6−67314号公報 実開平6−85271号公報 特開平7−22967号公報 特開平11−59772号公報
しかしながら、特許文献1〜3の方法では、捨て紙を包装体の表面に接着しているため、商品の見栄えが悪くなるとともに、店頭に並べた際にいたずらにより捨て紙を取り外されたり、捨て紙の剥離や破れ、或いは汚れが発生したりするおそれがあり、これを防止するために包装体の表面をフィルム等で保護することも考えられるが、製造工程が煩雑になり、部材の点数も増加するという問題点があった。また、特許文献4の方法では、捨て紙を包装袋と一体化できるという利点はあるものの、樹脂製の包装袋の一部を延長して捨て紙とするため、添付可能な捨て紙の枚数に制限があった。また、環境負荷の低減という観点からも更なる改良の余地が残されていた。
また、食品が個装されている場合の包み紙、或いはガムの場合は食べ終わったものを包んだ包み紙からなるゴミは、ゴミ箱等の適当な捨て場所が見当たらない場合には、そのまま路上や床(駅の構内等)に捨てられたり、或いはポケットに入れられたりすることが多い。特にガムの場合には、そのまま捨てられると道路や床、さらには靴の裏にくっ付いてしまい、簡単には取れない状態となり剥す作業が大変なものとなっている。そのため、ゴミを収納する機能を持たせた包装体の開発も望まれていた。
本発明は上記問題点に鑑み、粒状のガムや飴等の食品と、捨て紙やゴミ等とを分離して収納可能である簡易な構成の食品用包装体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、少なくとも基材層と最内層である熱可塑性樹脂層とを含む第1積層体により形成され、開封後に内容物を取り出し可能な開口部を有する第1収納部を備えた食品用包装体であって、前記第1積層体の内面の少なくとも一部に第2積層体を重ね合わせて2重構造とし、前記第1積層体と第2積層体との間に密封状態の第2収納部を設け、前記第1積層体の一部を切り開いて前記密封状態の第2収納部を開封する手段を設け、前記密封状態の第2収納部には何も収納されていないことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の食品用包装体において、前記第1積層体の一部を切り開いて前記第2収納部を開封する開封手段を設けたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の食品用包装体において、前記開封手段がミシン目であることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の食品用包装体において、前記開封手段がハーフカット加工された脆弱部であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の食品用包装体において、前記第2積層体は、両面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の食品用包装体において、前記開口部の内面に熱可塑性樹脂で形成された開閉用チャックを熱接着したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の食品用包装体において、前記開口部における前記第2積層体の端部は前記第1積層体の端部から内側にずれた位置に重なっており、前記開閉用チャックは前記第2積層体の端部と重なる位置に熱接着されることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、第2収納部に第1収納部から取り出した捨て紙を収納することで、何度も手で触れる捨て紙を内容物と分離して収納することができ、使用時には第2収納部から手早く取り出すことができる。さらに捨て紙が第1積層体で保護されるため、捨て紙の剥離や破れ、汚れ等を効果的に防止することができる。また、製造時に第2収納部に捨て紙を挿入しておけば、内容物への紙粉の付着、及び内容物から発生する粉末の捨て紙への付着を防止できる。また、第2収納部をゴミ収納部としても使用できる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の食品用包装体において、第1積層体の一部を切り開いて第2収納部を開封する開封手段を設けることにより、第2収納部が切り込み線等で開放されている構成に比べて商品の見栄えも良くなるとともに、包装体の輸送時や店頭での陳列時に第1積層体が破断するおそれもなくなる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の食品用包装体において、開封手段としてミシン目を設けることにより、別途タックシール等で第2収納部を封止する必要がなくなる。また、包装体の製造工程において第1積層体が分断されず連続形成が容易になる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2の構成の食品用包装体において、開封手段としてハーフカット加工により形成された脆弱部を設けることにより、脆弱部を開封する前においては、第2収納部を密封状態に維持できる。これにより、第2収納部に埃等の異物が侵入することを確実に防止することができる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成の食品用包装体において、第2積層体の両面に熱可塑性樹脂層を積層しておくことにより、包装体を構成する第1積層体の間に第2積層体を挟んだ状態で第2積層体の両面をヒートシール可能となるため包装体の製造が容易となる。
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1乃至第5のいずれかの構成の食品用包装体において、開口部の内面に開閉用チャックを熱接着することにより、包装体の開封後も第1収納部を繰り返し密封及び開封することができ、内容物を長期間保存可能となる。
また、本発明の第7の構成によれば、上記第6の構成の食品用包装体において、開口部における第2積層体の端部を第1積層体の端部から内側にずれた位置に重ね、開閉用チャックを第2積層体の端部と重なる位置に熱接着することにより、第1積層体の端部と第2積層体の端部とが分離して開口部から露出せず開封後の見栄えが良くなる。また、ヒートシール幅を広げることなく第1積層体、第2積層体、及び開閉用チャックを同時にヒートシールすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の食品用包装体について説明する。図1は、本発明の食品用包装体の概略平面図であり、図2は、本発明の食品用包装体の部分断面図(図1のXX'断面)である。
包装体1は、図1及び図2に示すように、第1積層体10で形成される第1収納部2と、第1収納部2の四辺を密封するシール部3とから成る平面視矩形状であり、第1収納部2には粒状の内容物4と捨て紙5が収納されている。ここでは、粘着剤により複数枚の紙の一端を仮止めした冊子状の捨て紙5を用いている。なお、ハーフカット加工やミシン目加工により複数の切れ目を入れた紙シートを切れ目において折り畳むことにより形成した紙束を捨て紙5とすることもでき、或いは、個別の複数の紙を単に積層してまとめたものを捨て紙5とすることもできる。シール部3の一辺ないしは二辺(図1の両側上部)には開封用ノッチ6が形成されており、第1収納部2の内側且つ開封用ノッチ6の近傍には熱可塑性樹脂で形成された開閉用チャック7が設けられている。開封用ノッチ6からシール部3を引き裂いて包装体1の上端を切り取ることにより、図2のように開口部9が形成され、さらに開閉用チャック7を開くことで、開口部9から内容物4及び捨て紙5の取り出しが可能となる。
また、包装体1の片面(図2では上面側)は、第1積層体10の内面に第2積層体11が重ね合わされた2重構造を有しており、第1積層体10と第2積層体11との間に第2収納部15が形成されている。なお、第1積層体10のうち第2収納部15側を第1積層体10a、反対側を第1積層体10bとする。第1積層体10aには第1収納部2を横断するようにミシン目13が形成されている。このミシン目13から第1積層体10aを切り開くことで、第2収納部15が開封される,
ミシン目13の切れ目と繋ぎ部分(刃止め)の寸法は、第1積層体10の層構成や厚み等によって適宜設定すれば良いが、切れ目が短く、繋ぎ部分が長くなるほど開封が困難となる。良好な開封性を付与するためには、切れ目の長さを2〜30mm、繋ぎ部分の長さを0.5〜1mm程度とすることが好ましい。なお、ミシン目13に代えて切り込み線を形成しても良いが、後述する包装体1の製造工程(図5参照)において第1積層体10aが長尺方向に分断されるため、包装体1の連続形成が困難となる。また、包装体1の輸送時や店頭での陳列時に切り込み線が引っ掛かって第1積層体10aが破断するおそれもある。また、切り込み線にタックシール等を貼付して開封手段としても良いが、製造工程数や部材点数の増加に繋がる。従って、開封手段としてはミシン目13が好ましい。
そして、開封された第2収納部15に第1収納部2から取り出した捨て紙5を収納することで、何度も手で触れる捨て紙5を内容物4と分離して収納することができ、使用時には開閉用チャック7を開けることなく第2収納部15から手早く取り出すことができる。さらに捨て紙5が第1積層体10aで保護されるため、捨て紙5の剥離や破れ、汚れ等を効果的に防止することができる。
なお、ミシン目13を設けることにより第1積層体10aのバリア性が失われることになるが、後述するように第2積層体11にバリア層を設けておけば、内容物4を充填する第1収納部2の密閉性は確保されるため問題はない。
次に、本実施形態の包装体1を構成する第1積層体10及び第2積層体11について詳細に説明する。図3は、第1積層体10の積層槽造の一例を示す模式断面図である。第1積層体10は、基材層20、印刷層21、バリア層23、熱可塑性樹脂層25、及び接着層27が積層されたものである。
基材層20は、包装体1を構成する基本素材となることから、包装体1の形成、加工等の条件に耐えうるとともに、加工作業性、耐熱性、滑り性、耐ピンホール性、水蒸気またはガスバリア性、その他の特性に優れ、その特性を損なうことなくそれらを良好に保持できるものであることが好ましい。
本発明に用いられる基材層20としては、2軸延伸ナイロンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム等の単体ないしそれらの積層体が用いられ、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムが特に好適に用いられる。2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムの具体的な材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂等の各種のポリエステル系樹脂を使用することができる。
2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムは、例えば、上記のポリエステル系樹脂の1種ないし2種以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、或いは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を製膜化する前に予め混合して製膜化する方法等により、ポリエステル系樹脂フィルムを製造し、更に、例えばテンター方式、或いはチューブラー方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを使用することができる。基材層20の層厚としては、3〜50μm程度、より好ましくは、5〜30μm程度が望ましい。
なお、基材層20の製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、ごく微量から数十%まで、その目的に応じて任意に添加することができる。上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
なお、静電気の発生に伴う不具合を防止して、ラミネート適性、製袋性、充填包装適性等を向上させるために、基材層20の表面に帯電防止コート層を設けても良い。帯電防止コート層の形成方法としては、例えば、樹脂をビヒクルの主成分とし、これに帯電防止剤の1種ないし2種以上を添加し、更に、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、充填剤、着色剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、溶剤・希釈剤等で十分に混練して樹脂組成物を調製する。次いで、該樹脂組成物を使用し、これを基材層20の表面に、通常のコーティング法、或いは、印刷法等を用いて、コーティングないし印刷して、帯電防止コート層を形成する。
帯電防止剤としては、例えば、陰イオン系活性剤、陽イオン系活性剤、非イオン系活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、金属粉やカーボン等の無機系帯電防止剤、シリコーン系帯電防止剤、高級脂肪酸およびそのエステル類、酸アミド類、塩類、パラフィン系炭化水素類、ワックス類等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。
ビヒクル樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、基材層20の原料であるポリエステル系樹脂のペレットに、上記のような帯電防止剤の1種ないし2種以上を添加し、これを十分に混練した後、製膜することにより、基材層20に帯電防止性を付与することもできる。
印刷層21は、第1積層体10に文字、図形、記号、模様等の所望の印刷模様を形成する。印刷層21の形成方法としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種または2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調製する。そして、このインキ組成物を用いてグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷方式により基材層20の裏面に所望の印刷模様を印刷して印刷層21を形成する。
バリア層23は、基材層20と熱可塑性樹脂層25との間に形成され、特に内包される内容物4が水分や酸素により変質し易い場合、包装体1に水蒸気バリア性、或いはガスバリア性を付与するものである。
バリア層23としては、基本的には、金属箔や金属または金属酸化物を蒸着した蒸着膜であれば使用可能であり、その材質としては、例えばケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属またはその酸化物を使用することができる。好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)の酸化物を挙げることができる。
上記の金属酸化物の表記は、例えばSiOX、AlOX、MgOX等のようにMOX(ただし、式中、Mは金属元素を表し、Xの値は金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム (Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1.5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合は完全な金属であり、包装体1に透明性が要求される場合は使用することができないが、透明性が要求されない場合は使用可能である。また、Xの範囲の上限値は、金属が完全に酸化した状態の値である。本発明において、一般的にケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲のものを使用することができる。
バリア層23の膜厚としては、バリア層23が金属箔である場合は5〜30μm、また蒸着膜である場合には使用する金属または金属酸化物の種類等によって異なるが、例えば50〜2000Å位、好ましくは100〜1000Å位の範囲内で任意に選択してポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム表面に蒸着することが望ましい。また、金属または金属酸化物を2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した金属または金属酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、金属または金属酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、樹脂フィルムに蒸着する真空蒸着法、原料として金属を使用し、酸素を導入して酸化させて樹脂フィルムに蒸着する酸化反応蒸着法、酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)等を用いることができる。蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等が挙げられる。なお、印刷層21を形成しない場合は基材層20の裏面に金属または金属酸化物の蒸着膜を直接形成してバリア層23としても良い。
熱可塑性樹脂層25は、熱によって溶融して第1積層体10を相互に、或いは第1積層体10及び第2積層体11を融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等から選ばれた1種ないし2種以上を使用することができる。
熱可塑性樹脂層25の形成方法としては、上記の熱可塑性樹脂を溶融押出し法により積層する方法や、熱可塑性の単層ないし多層フィルムを積層する方法が用いられる。熱可塑性樹脂層25の層厚としては、ヒートシール性等を考慮すると、10μm〜100μm程度、特に15μm〜50μm程度であることが好ましい。
また、例えば加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度その他を改良、改質する目的で、熱可塑性樹脂層25に、前述の帯電防止剤の1種ないし2種以上を添加し、更に、その製膜化に際して、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等を挙げることができ、更には、改質用樹脂等も使用することができる。
接着層27は、基材層20、バリア層23、熱可塑性樹脂層25の層間接着強度を高めるために積層される。接着層27としては、熱によって溶融して基材層20、バリア層23及び熱可塑性樹脂層25を相互に熱接着可能な樹脂であれば良く、前述した熱可塑性樹脂層25と同様の樹脂が使用できる。
なお、接着層27に代えてドライラミネート層を積層しても良い。ドライラミネート層を構成するラミネー卜用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマー、或いは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等を使用することができる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。ドライラミネート層の形成方法としては、積層する両者の一方の面に、上記のラミネート用接着剤を、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法等のコート法或いは印刷法等によって塗布し、次いで溶剤等を乾燥させて形成することができ、そのコーティングないし印刷量としては、乾燥状態で0.1〜10g/m2程度が望ましい。
なお、基材層20とバリア層23との接着強度を高めるために、基材層20の裏面にアンカーコート層を積層し、このアンカーコート層に接着層27若しくはドライラミネート層を介してバリア層23を積層した構造としても良い。アンカーコート層は、基材層20の裏面を化学的に処理するものである。アンカーコート層の厚さは、通常、0.1〜2.0μm程度が好ましい。アンカーコート層を構成するアンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコート剤を使用することができる。
具体的には、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート、或いは、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート等の多官能イソシアネートと、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリレートポリオール等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、またはポリアクリレートポリウレタン系樹脂を主成分とするアンカーコート剤が挙げられる。
また、包装体1は物理的及び化学的に過酷な条件におかれる場合も想定されるため、包装体1を構成する第1積層体10にも高い密封性、耐ピンホール性、耐熱性、耐光性、品質保全性、作業性、衛生性等が要求される。そこで、上記のような諸条件を充足するため、基材層20と熱可塑性樹脂層25との間に中間層を積層することもできる。
中間層としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロース等の公知の樹脂フィルムないしシートを任意に選択して使用することができる。その他、着色剤や紫外線吸収剤等の所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性フィルムないしシート等を使用することもできる。
上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。また、中間層の層厚は任意であるが、数μm〜300μm程度の範囲から選択して使用することができる。更に、中間層の積層方法としては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜、ドライラミネート等のいずれでもよい。
図4は、第2積層体11の積層構造の一例を示す模式断面図である。第1積層体11は、バリア層23の両面に熱可塑性樹脂層25が積層されたものであり、第1積層体10aの内面にヒートシール可能であるとともに、第1積層体10bにもヒートシール可能となっている。バリア層23及び熱可塑性樹脂層25の材質は第1積層体10と同様である。
なお、上記各層の積層方法は好ましい一例に過ぎず、例えば第1積層体10及び第2積層体11の製造方法として、通常の包装材料を製造するときに使用する積層法、例えば、ウェットラミネーション法、無溶剤ラミネーション法、共押出ラミネーション法、その他の方法を用いることもできる。また、必要ならば上記各層の積層を行う際に、被積層基材の表面に、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、ブラスト処理等の前処理を任意に施すことができる。
図5は、本発明の食品用包装体の製造工程を示す概略図である。図5を用いて本発明の食品用包装体の製造方法について説明する。先ず、図3及び図4に示したような構成の第1積層体10、及び第2積層体11を製造しておく。
次に、ロール状に巻かれた長尺の第1積層体10を順次繰り出すとともに、長尺方向に二つ折りにしながらスリッター(図示せず)でカットして、第1積層体10a及び10bに分割する。このとき、第1積層体10aは熱可塑性樹脂層25が下向き、第1積層体10bは熱可塑性樹脂層25が上向きとなる。なお、予め所定幅にスリットされた第1積層体10a及び10bを別々のロールから繰り出しても良い。
次に、ミシン目形成ローラ30により第1積層体10aの長尺方向の所定位置にミシン目13を形成する。そして、ロール状に巻かれた長尺の第2積層体11を順次繰り出して第1積層体10aの裏面に重ね合わせ、第2積層体11に第1積層体10bを重ね合わせる。さらに、ロール状に巻かれた長尺の開閉用チャック7を繰り出して、第2積層体11と第1積層体10bとの間の所定位置(図2の開口部9となる側)に挟み込み、ヒートシールバー31aを備えた第1シール形成部31でヒートシールする。第1シール形成部31を下流側(図5の左側)から見た状態を図6に示す。
図6に示すように、開閉用チャック7は上チャック7aと下チャック7bから成り、開閉用チャック7をヒートシールバー31aの配置に合わせて供給することにより、上チャック7aは第1積層体10aに、下チャック7bは第1積層体10bにヒートシールされる。また、上チャック7aと下チャック7bの間に断熱板35を介在させることにより、上チャック7aと下チャック7bの熱融着を防止している。また、第2積層体11の端部11aは第1積層体10aの端部10aaよりも内側であり、且つ上チャック7aと重なっている。これにより、第1積層体10aと第2積層体11及び上チャック部7aとを同時に連続してヒートシールすることができる。
図7(a)のように第1積層体10aの端部10aaと第2積層体11の端部11aとを揃えた場合、図6のように上チャック7a部分のみをヒートシールすると、端部10aaと端部11aとが分離して開口部9から露出し、包装体1の開封時の見栄えが悪くなる。そのため、図6のように、第2積層体11の端部11aを第1積層体10aの端部から内側にずれるように重ね合わせ、上チャック7aは端部11aと重なる位置にヒートシールすることが好ましい。
なお、図7(a)の構成でも、端部10aaと端部11aとが密着するように上チャック7aから端部10aa(端部11a)までをヒートシール領域w1とすれば問題はない。或いは、図7(b)のように上チャック7aを端部11aよりも外側にヒートシールしても良いが、この場合もヒートシール領域w2は図6に比べて広くなる。
次に、ヒートシールバー32aを備えた第2シール形成部32において、開閉用チャック7の外側の第1積層体10aと第1積層体10bを連続してヒートシールする。一方、開閉用チャック7と反対側は、図8に示すように、第1積層体10bの端部10bbと第2積層体11の端部11bとの間に断熱板35を介在させ、第1積層体10aの端部10abと第2積層体11の端部11bのみを連続してヒートシールすることにより未シール部37が形成される。
その後、第3シール形成部33において長尺の幅方向に所定間隔でヒートシールし、開封用ノッチ6を入れ、シール部において幅方向にカットする。第3シール形成部33におけるヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。このようにして、図9に示すように、未シール部37を残して3方にシール部3が形成された包装体1の半製品を製造する。
最後に未シール部37から第1収納部2内に所定量の内容物4及び捨て紙5を充填し、未シール部37をヒートシールして、図1に示したような本発明の包装体1となる。なお、図8に示すように、未シール部37においては予め第1積層体10aの端部10abと第2積層体11の端部11bとがシールされているため、誤って第2収納部15に内容物4や捨て紙5を充填するおそれがない。
こうして得られた本発明の包装体1は、ガムや飴、チョコレート等の粒状の食品と共に捨て紙を収納する食品用包装材として、捨て紙の収納性及び取り出し性、製造性等の優れた特性を有することから、使用性及びコスト等を著しく改良した食品用包装体を提供できるものである。
また、第1積層体10における開封手段が、線状のミシン目であることから、第2収納部15を開封した場合、第1積層体10を形成するフィルム材の一部をゴミとして処分する必要が無いため、使用者の利便性をより一層高めることが可能になる。
図10は、本発明の包装体1を用いた他の使用形態を示す側面断面図である。図10では、捨て紙5が予め第2収納部15内に収納されている。この構成とすれば、包装体1の開封前においても第1収納部2内で内容物4と捨て紙5とが混在しないため、捨て紙5から発生する紙粉の内容物4への付着や、内容物4から発生する粉末の捨て紙5への付着を防止することができる。
この場合、未シール部37において第1積層体10aと第2積層体11をヒートシールせずに第2収納部15へ捨て紙5を挿入し、さらに第1収納部2へ内容物4を充填した後第1積層体10a,10b、及び第2積層体11を一度にヒートシールすれば良い。
なお、上記実施形態では第2収納部15を捨て紙5を収納するために用いたが、例えば内容物4が包み紙で個別に包装されている場合、内容物4を食した後の包み紙を収納するゴミ収納部としても使用できる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図1に示した包装体1の構成は好ましい一例に過ぎず、内容物4が1回で食べきれる量である場合等は開閉用チャック7を設けなくてもよい。
また、図3及び図4に示した第1積層体10及び第2積層体11の積層構造も適宜変更可能である。例えば、印刷層21、バリア層23等は必須の構成ではなく、内容物や用途に応じて省略することができる。さらに、図3ではバリア層23に接着層27を介して熱可塑性樹脂層25を積層したが、接着層27を省略してバリア層23に熱可塑性樹脂層25を直接積層しても良い。
また、上記実施形態においては、開封手段としてミシン目13を採用しているが、例えば、開封手段をハーフカット加工により形成した線状の脆弱部により構成してもよい。ここで、ハーフカット加工とは、第1積層体10の厚み方向に対して、切り残し部分を存在させて第1積層体10に切れ目を形成する切断方法のことをいう。
このようにして形成された食品用包装体1は、使用に際して 例えば、図11に示すように、脆弱部24が外側となるように折り曲げて、脆弱部24の短手方向に沿う引っ張り力を当該脆弱部24に付与する。これにより、脆弱部24がその長手方向に沿って引き裂かれ、第2収納部15が開封される。
また、上記実施形態においては、開封手段が、ミシン目13により構成されており、その形態が線状となるように形成されているが、このような構成に特に限定されず、開封手段がミシン目13や、ハーフカット加工等により帯状の形状となるように形成してもよい。開封手段を帯状に形成した場合、当該帯状の開封手段をつまんで引き裂くことにより密封状態の第2収納部15を開封することができる。
また、図5に示した包装体1の製造工程も好ましい一例に過ぎず、例えばバッチ式に製造することもできる。その場合、第1積層体10a,10bの間に第2積層体11を挟み込んで重ね合わせ、さらにその周辺端部をヒートシールすることにより、二方シール型、三方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、スタンディングパウチ等の、種々の形態の包装体1を製造することができる。以下、実施例を用いて本発明の構成を更に具体的に説明する。
(1)基材層20として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この基材層20の表面にグラビア印刷により印刷層21を形成し、さらに接着層27として溶融押し出し法により厚さ15μmの溶融ポリエチレン樹脂層を積層し、バリア層23として厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した。さらに、バリア層23の表面に接着層27として厚さ15μmの溶融ポリエチレン樹脂層を積層し、熱可塑性樹脂層25として厚さ30μmのポリエチレンフィルムを積層して第1積層体10を製造した。また、バリア層23となる厚さ12μmのアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に熱可塑性樹脂層25として厚さ20μmの溶融ポリエチレン樹脂層を積層して第2積層体11を製造した。
(2)次に、上記(1)で製造した第1積層体10、第2積層体11、及びポリエチレン樹脂製の開閉用チャック7を用いて、図5に示した製造工程により、外寸60mm×130mm、シール幅5mm、包装体の上端から開閉チャック下端までの長さが20mmの、図9に示すような包装体1の半製品を製造した。なお、ミシン目13は切れ目を10mm、繋ぎ部分を0.5mmとした。
(3)上記(2)で製造した包装体1内に未シール部37から内容物4としての粒ガム及び捨て紙5を充填し、未シール部37をシール幅5mmでヒートシールして図1に示すような包装体1を製造した。
上記で製造した本発明の包装体1は、開封用ノッチ6を把持してシール部3を破断した後、開閉用チャック7を開いて第1収納部2から内容物4及び捨て紙5を簡単に取り出すことができた。また、ミシン目13を切り開いて第2収納部15を開封し、取り出した捨て紙5を収納することにより、手で触れた捨て紙5を内容物4とは別個に収納でき、使用時には開閉用チャック7を開かずに捨て紙5を容易に取り出すことができた。
本発明は、少なくとも基材層と最内層である熱可塑性樹脂層とを含む第1積層体により形成され、開封後に内容物を取り出し可能な開口部を有する第1収納部を備えた食品用包装体であって、第1積層体の内面の少なくとも一部に第2積層体を重ね合わせて2重構造とし、第1積層体と第2積層体との間に第2収納部を設けたものである。
これにより、第1収納部に内容物と共に捨て紙が収納される場合、第2収納部に第1収納部から取り出した捨て紙を収納することで、何度も手で触れる捨て紙を内容物と分離して収納することができ、使用時には第2収納部から手早く取り出すことができる食品用包装体を提供することができる。また、製造時に第2収納部に捨て紙を挿入しておけば、内容物への紙粉の付着、及び捨て紙への内容物から発生する粉末の付着を防止できる食品用包装体となる。さらに、捨て紙を収納しない場合は第2収納部をゴミ収納部として使用できる。
また、第2収納部を開封する開封手段としてミシン目を設けておけば、包装体の製造工程において第1積層体が分断されず連続形成が可能となり、包装体の輸送時や店頭での陳列時に切り込み線が引っ掛かるおそれもなくなるため、製造性及び取り扱い性にも優れた食品用包装体となる。
また、第2収納部を開封する開封手段としてハーフカット加工により形成された脆弱部を設けておけば、消費者の手元に粒状食品が収容された食品用包装体1が届く前の製品製造過程や製品流通過程等において、第2収納部15を密封状態に維持でき、第2収納部15に埃等の異物が侵入することを確実に防止することができ、食品が収容された食品用包装体1に係る製品を高品質の状態に維持することが可能になる。
また、開口部に開閉用チャックを設ける場合、第2積層体の端部を第1積層体の端部から内側にずれた位置に重ね、開閉用チャックを第2積層体の端部と重なる位置に熱接着することにより、第1積層体の端部と第2積層体の端部とが分離して開口部から露出せず、ヒートシール幅を広げることなく第1積層体と第2積層体及び開閉用チャックとを同時にヒートシール可能となるため、包装体の外観及び製造性がさらに向上する。
本発明の食品用包装体の概略平面図である。 本発明の食品用包装体の部分断面図である。 本発明の食品用包装体を構成する第1積層体の積層構造の一例を示す模式断面図である。 本発明の食品用包装体を構成する第2積層体の積層構造の一例を示す模式断面図である。 本発明の食品用包装体の製造工程を示す概略図である。 図5の第1シール形成部を下流側から見た拡大図である。 第2積層体及び上チャックの他の配置例を示す断面図である。 図5の第2シール形成部における開閉用チャックと反対側を下流側から見た拡大図である。 内容物充填前の本発明の食品用包装体を示す平面図である。 本発明の食品用包装体の、他の使用形態を示す側面断面図である。 本発明の食品包装体における第2収納部の開封方法を示す説明図である。
符号の説明
1 包装体
2 第1収納部
3 シール部
4 内容物
5 捨て紙
6 開封用ノッチ
7 開閉用チャック
7a 上チャック
7b 下チャック
9 開口部
10、10a、10b 第1積層体
11 第2積層体
13 ミシン目(開封手段)
15 第2収納部
20 基材層
21 印刷層
23 バリア層
25 熱可塑性樹脂層
27 接着層
30 ミシン目形成ローラ
31 第1シール形成部
32 第2シール形成部
33 第3シール形成部
35 断熱板
37 未シール部

Claims (6)

  1. 少なくとも基材層と最内層である熱可塑性樹脂層とを含む第1積層体により形成され、開封後に内容物を取り出し可能な開口部を有する第1収納部を備えた食品用包装体であって、
    前記第1積層体の内面の少なくとも一部に第2積層体を重ね合わせて2重構造とし、
    前記第1積層体と第2積層体との間に密封状態の第2収納部を設け
    前記第1積層体の一部を切り開いて前記密封状態の第2収納部を開封する手段を設け、
    前記密封状態の第2収納部には何も収納されていないことを特徴とする食品用包装体。
  2. 前記開封手段が、ミシン目であることを特徴とする請求項1に記載の食品用包装体。
  3. 前記開封手段が、ハーフカット加工された脆弱部であることを特徴とする請求項1に記載の食品用包装体。
  4. 前記第2積層体は、両面に熱可塑性樹脂層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の食品用包装体。
  5. 前記開口部の内面に熱可塑性樹脂で形成された開閉用チャックを熱接着したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の食品用包装体。
  6. 前記開口部における前記第2積層体の端部は前記第1積層体の端部から内側にずれた位置に重なっており、前記開閉用チャックは前記第2積層体の端部と重なる位置に熱接着されることを特徴とする請求項5に記載の食品用包装体。
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