JP2006306110A - 低溶出包装材およびそれを用いた包装袋 - Google Patents

低溶出包装材およびそれを用いた包装袋 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、特にラミネート強度の低下を防止した、インキやラミネートに使用するドライラミネーション用接着剤由来の低分子量物質の溶出の少ない包装材であって、内容物である食品や飲料の味が劣ることなく、医薬品に対する安全衛生性の高い包装体を提供することにある。
【解決手段】環状オレフィンコポリマー層、または、環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする低溶出包装材、または、基材上に、環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする低溶出包装材、およびそれを用いた包装袋である。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品、飲料および医薬品等の包装体に用いる積層包装材に関するものであり、特に、ドライラミネーション法により積層することでラミネート強度の低下を防止し、この包装材のインキおよびラミネートに使用するドライラミネーション用接着剤由来の低分子量物質の溶出の少ない包装材に関する。
従来より、紙、アルミニウム箔、プラスチックフィルム等の積層に際し、種々のラミネート方法があるが、食品や医薬品等の包装材にはドライラミネーション法が多く使用されている。
上記ドライラミネーション法とは、例えば第1基材(外側基材)としての既に成膜されたプラスチックフィルムの成膜面またはアルミニウム箔面に、接着剤溶液を塗布、乾燥直後に接着剤表面が未硬化で多少粘着性(タック)を帯びている状態時に、第2基材(内側基材)を加圧接着させて巻き取り、接着剤の硬化を完成させて積層する方法で、レトルトの包装材料等で耐熱性を要求される場合、包装材料の「腰」を必要とする場合あるいはトータル厚みが限定される場合などに好適に利用される。
上記方法のメリットは、内容物に接する第2基材に蒸散のための通気性が要求されず、したがって広範囲のフィルムや金属箔同志の貼り合わせに適用でき、高度な耐熱性、耐水性、耐薬品性を接着機能として発揮可能である。さらに比較的低温で成膜されたフィルムを用いることにより、内側基材となる第2基材がシーラント層の特性を損なわず積層可能で、かつ製品の寸法変化が少ないなどである。
しかしながら、上記のようなメリットをもったドライラミネーション法により積層された包装材を使用して包装体とした場合、その包装体の内容物である食品や飲料は、シーラントとなる内側基材(従来はシーラント適正に優れた直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムや無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムが使用されている)を通して、グラビア印刷インキおよびドライラミネーション用接着剤から溶出する低分子量物質によって味が変わったり、医薬品においては、安全性に欠けたり不衛生的となるなどの問題があった。
特開平04―276253号公報
本発明は、従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、特にラミネート強度の低下を防止した、インキやラミネートに使用するドライラミネーション用接着剤由来の低分子量物質の溶出の少ない包装材であって、内容物である食品や飲料の味が劣ることなく、医薬品に対する安全衛生性の高い包装体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、即ち、
請求項1に係る発明は、基材上に、環状オレフィンコポリマー層、または、環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする低溶出包装材である。
請求項2に係る発明は、基材上に、環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加
体層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする低溶出包装材である。
請求項3に係る発明は、少なくとも、前記環状オレフィンコポリマー層または環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層と、シーラント層とからなる共押出フィルムを基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項1記載の低溶出包装材である。
請求項4に係る発明は、接着性樹脂層と、前記環状オレフィンコポリマー層または環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項1または3記載の低溶出包装材である。
請求項5に係る発明は、熱可塑性樹脂層と、前記環状オレフィンコポリマー層または環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項1または3記載の低溶出包装材である。
請求項6に係る発明は、少なくとも、前記環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層とシーラント層とからなる共押出フィルムを基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項2記載の低溶出包装材である。
請求項7に係る発明は、接着性樹脂層と、前記環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層とシーラント層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項2または6記載の低溶出包装材である。
請求項8に係る発明は、熱可塑性樹脂層と、前記環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層とシーラント層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項2または6記載の低溶出包装材である。
請求項9に係る発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の低溶出包装材を用いて、食品、飲料または医薬品などを包装する包装袋である。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。即ち、基材上に、環状オレフィンコポリマー層、または、環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層した包装材とすることによって、特に、ラミネート強度の低下を防止し、耐内容物性についても優れており、内容物によるラミネート強度の低下もほとんどない低溶出包装材が得られる。この包装材を使用して包装袋とした場合、グラビアインキ層やドライラミネーション用接着剤から溶出する低分子量物質の溶出が抑制される低溶出包装袋とすることができる。
また、基材上に、環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層した包装材とすることによって、特に、ラミネート強度の低下を防止し、耐内容物性についても優れており、内容物によるラミネー
ト強度の低下もほとんどない低溶出包装材が得られる。この包装材を使用して包装袋とした場合、グラビアインキ層やドライラミネーション用接着剤から溶出する低分子量物質の溶出が抑制される低溶出包装袋とすることができる。
従って、本発明の低溶出包装材を用いて、食品、飲料あるいは医薬品等を包装する包装体とすることによって、食品や飲料の味が劣るようになることがなく、医薬品に対する安全衛生性の高い低溶出包装材として、優れた実用上の効果を発揮する。
以下、本発明の一実施例としての実施形態について説明する。本発明の低溶出包材は、図1に示すように、グラビアインキ等で印刷を施した外側基材(10)にドライラミネーション用接着剤層(20)を介して、環状オレフィンコポリマー、または、環状オレフィンコポリマーに低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂をブレンドしたブレンドポリマーによる環状オレフィンコポリマー層(32)と低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂によるシーラント層(34)との共押出2層フィルムを積層したもので、シーラント適正のあるシーラント層(34)を最内側層シーラント層としてラミネートし、低溶出包装材(1)としたものである。この低溶出包装材(1)を使用して包装体とした場合、グラビアインキ層(図示せず)やドライラミネーション用接着剤層(20)から溶出する低分子量物質を抑制する。この層構成の場合、外側基材(10)が特許請求の範囲でいう基材(11)となる。
図2は、本発明の他の実施の形態を説明した断面図であって、グラビアインキ等で印刷を施した外側基材(10)にドライラミネーション用接着剤層(20)を介して、接着層(36)を中間層として、環状オレフィンコポリマー、または、環状オレフィンコポリマーに低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂をブレンドしたブレンドポリマーによる環状オレフィンコポリマー層(32)と低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂によるシーラント層(34)との共押出3層フィルムを積層したもので、シーラント適正のあるシーラント層(34)を最内側層シーラント層としてラミネートし、低溶出包装材(1)としたものである。この低溶出包装材(1)を使用して包装体とした場合、グラビアインキ層(図示せず)やドライラミネーション用接着剤層(20)から溶出する低分子量物質を抑制する。なお、接着層としては、低分子量の少ない酸無水物グラフトポリマーを使用できる。この層構成の場合、外側基材(10)が特許請求の範囲でいう基材(11)となる。
図3は、本発明の他の実施の形態を説明した断面図であって、グラビアインキ等で印刷を施した外側基材(10)にドライラミネーション用接着剤層(20)を介して、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂層(38)と、環状オレフィンコポリマー、または、環状オレフィンコポリマーに低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂をブレンドしたブレンドポリマーによる環状オレフィンコポリマー層(32)と低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂によるシーラント層(34)との共押出3層フィルムを積層したもので、シーラント適正のあるシーラント層(34)を最内側層シーラント層としてラミネートし、低溶出包装材(1)としたものである。この低溶出包装材(1)を使用して包装体とした場合、グラビアインキ層(図示せず)やドライラミネーション用接着剤層(
20)から溶出する低分子量物質を抑制する。この層構成の場合、外側基材(10)、ドライラミネーション用接着剤層(20)、熱可塑性樹脂層(38)が特許請求の範囲でいう基材(11)となる。
環状オレフィンコポリマーの環状オレフィン成分としては、例えばシクロヘキセンまたはその誘導体、シクロヘプテンまたはその誘導体、シクロオクテンまたはその誘導体、シクロノネンまたはその誘導体、シクロデセンまたはその誘導体、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体,テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンまたはその誘導体,ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンまたはその誘導体,オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,10.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4ヘキサデセンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,16.03,8012,17]−5−ヘンエイコセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.3.0.12,5]−3,7−デカジエンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエンまたはその誘導体,ペンタシクロ[4.7.0.12,5 .08,13.19,12]−3−ペンタデセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセンまたはその誘導体,ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,19]−5−ペンタセコンまたはその誘導体等をあげることができ、これら1成分でも2成分以上でもよい。
さらに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体,テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンまたはその誘導体,ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンまたはその誘導体,オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,10.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4ヘキサデセンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.3.0.12,5]−3,7−デカジエンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエンまたはその誘導体,ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセンまたはその誘導体,ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,19]−5−ペンタセコンまたはその誘導体等の開環物及びその水素添加物をあげることができ、これら1成分でも2成分以上でもよい。
また、環状オレフィン成分と共重合させるオレフィン成分としては、例えば、エチレン,及びプロピレン,1−ブテン,1ーペンテン,4−メチル−ペンテン,3−メチル−ペンテン,1−ヘキセン,1−ヘプテン,1−オクテン,1−ノネン,1−デセン等をあげることができ、これら1成分でも2成分以上でも良い。
環状オレフィン成分を共重合させた環状オレフィンコポリマーにおいて、エチレン成分
等オレフィン成分に由来する構造単位は40〜95モル%の範囲、環状オレフィン成分に由来する構造単位は、通常5〜60モル%の範囲が適当である。
さらに、環状オレフィン(コ)ポリマーとして、環状オレフィンを開環(共)重合した開環(共)重合体及びその水素添加体を用いることができる。例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体,テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンまたはその誘導体,ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンまたはその誘導体,オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,10.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4ヘキサデセンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセンまたはその誘導体,トリシクロ[4.3.0.12,5]−3,7−デカジエンまたはその誘導体,ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエンまたはその誘導体,ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセンまたはその誘導体,ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセンまたはその誘導体,ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,19]−5−ペンタセコンまたはその誘導体等の単独開環重合体または2成分以上の開環共重合体及びこれらの水素添加体をあげることができる。
上記環状オレフィンコポリマー層を構成するブレンドポリマーに用いられる、ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)もしくはポリプロピレン(PP)を用いることができ、上記環状オレフィンコポリマーとのブレンド率を含め接着性、低分子量の溶出量等を考慮して適宜選定できるものである。環状オレフィンコポリマーのブレンド率(重量比)は、30〜95%、ポリオレフィン樹脂がポリエチレン系の場合、好ましくは、50〜95%である。また、前記低密度ポリエチレンは、密度が0.915〜0.930、直鎖状低密度ポリエチレンは、密度が0.915〜0.950、中密度ポリエチレンは、密度が0.930〜0.940、高密度ポリエチレンは、密度が0.940〜0.975、ポリプロピレンは、ホモあるいはブロックタイプのいずれでもよいが、ホモタイプの方が好ましい。
外側基材(10)としては、厚さ12μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや、このPETフィルムにガスバリア層として酸化珪素や酸化アルミニウム等のセラミックを蒸着したものや、アルミニウム箔を積層したものが一般的に使用され、その表面にグラビア印刷法等によって絵柄や文字等のインキ層を施すものである。
上記のような環状オレフィンコポリマー層を含む構成の包装材とすることによって、低分子量物質の溶出の影響の大きいドライラミネーション用接着剤を用いたものであっても、溶出する低分子量物質の少ない包装材とすることができる。
まず、下記の実施例1〜25および比較例1〜3にて本発明における実施例および比較例について具体的に説明する。
〈実施例1〉
ドライラミネーション用接着剤A−515/A−50(武田薬品社製)を、図2に示すように、グラビアインキを用いて印刷を施した外側基材(10)としての厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにグラビア法により1.0g/m2〜3.0g/m2の範囲の塗布量で塗布、乾燥し、接着剤表面がまだ粘着状態時に、その上に厚さ5μmの酸無水物グラフトポリマーでなる接着層(36)を中間層として、厚さ20μmのエチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)(32)と厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(34)との共押出3層フィルムを、シーラント適正のある直鎖状低密度ポリエチレン(34)(LLDPE)側を最内側層となるように加圧接着して低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例2〉
図1に示すように、接着層(36)を用いず、厚さ20μmのエチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)(32)と厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)(34)との共押出2層フィルムとした以外は、実施例1と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例3〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例2と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例4〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、このエチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)と高密度ポリエチレン(HDPE、密度;0.960)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例2と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例5〉
図2に示すように、シーラント層(34)を無延伸ポリプロピレン(CPP、ブロックタイプ)とした以外は、実施例1と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例6〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)とポリプロピレン(PP、ホモタイプ)とのブレンドポリマー(30:70wt%)とし、シーラント層(34)を無延伸ポリプロピレン(CPP、ブロックタイプ)とした以外は、実施例2と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例7〉
図2に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とした以外は、実施例1と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例8〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とした以外は、実施例2と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例9〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロ
ドデセン共重合体(COC−B)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例3と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例10〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)と高密度ポリエチレン(HDPE、密度;0.960)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例4と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例11〉
図2に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とした以外は、実施例5と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例12〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とポリプロピレン(PP、ホモタイプ)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例6と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例13〉
図3に示すように、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、実施例1と同様にドライラミネート用接着剤(20)を介して、熱接着剤樹脂層(38)として、厚さ20μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、環状オレフィンコポリマー層(32)として、厚さ20μmのエチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とのブレンドポリマー(30:70wt%)と、シーラント層(34)として、厚さ40μmの直鎖状低密度ポリプロピレン(LLDPE)の共押出3層フィルムを、シーラント適正のある直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(34)側を最内側層となるように加圧接着して低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例14〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例15〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)と高密度ポリエチレン(HDPE、密度;0.960)とのブレンドポリマー(30:70wt%)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例16〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)と高密度ポリエチレン(HDPE、密度;0.960)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例17〉
図3に示すように、熱可塑性樹脂層(38)をポリプロピレン、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とポリプロピレン(PP、ホモタイプ)とのブレンドポリマー(30:70wt%)とし、シーラント層(34)を無延伸ポリプロピレン(ブロックタイプ)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例18〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とポリプロピレン(PP、ホモタイプ)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例17と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例19〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体(COC−B)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例20〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、ジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例3と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例21〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、ジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と高密度ポリエチレン(HDPE、密度;0.960)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例3と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例22〉
図1に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、ジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)とポリプロピレン(PP、ホモタイプ)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例12と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例23〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、ジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例24〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、ジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と高密度ポリエチレン(HDPE、密度;0.960)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例13と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例25〉
図3に示すように、環状オレフィンコポリマー層(32)を、ジシクロペンタジエンの
開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)とポリプロピレン(PP、ホモタイプ)とのブレンドポリマー(50:50wt%)とした以外は、実施例18と同様にして低溶出包装材(1)を得た。
〈比較例1〉
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、シーラント層として、実施例1と同様にドライラミネート用接着剤を介して、厚さ60μmの直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを加圧接着して包装材(1)を得た。
〈比較例2〉
シーラント層として、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムとした以外は、比較例1と同様にして包装材(1)を得た。
〈比較例3〉
シーラント層として、合計厚さ80μmの、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、酸無水物グラフトポリマーでなる接着層、無延伸ポリプロピレン(CPP、ブロックタイプ)の共押出3層フィルムを用い、比較例1と同様に、無延伸ポリプロピレン(CPP)側を最内側層となるように加圧接着して包装材(1)を得た。
上記の本発明における実施例1〜25および比較例1〜3で得られた(低溶出)包装材(1)を40℃〜60℃下で、2日以上エージングを施し、エージング終了後室温まで放冷し、シーラント層(34)面を内側として130mm×170mmサイズ(シール幅10mm)の包装体(袋)とし、内容物として水を200ml封入し、120℃、30minの熱水・静置式レトルト殺菌処理を行った。これらの包装体の評価として、殺菌処理後、室温まで放冷し、内容物である水のUV吸収スペクトルを、さらに水を凍結乾燥あるいは固相抽出あるいは有機溶媒抽出した後に濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析計にて低分子量物質の抽出量を測定した。その結果を、実施例1〜25、比較例1〜3を表1に示す。なお、表1のGC−MS値は、表1の比較例1熱時充填のGC−MS値を1として表した。
Figure 2006306110
上記表1より、実施例1〜25で得られた低溶出包装材に相対して、比較例1〜3で得られた従来の包装材では、低分子量物質の溶出が多くなっていた。特にレトルト処理では、実施例1〜25で得られた低溶出包装材は、比較例1〜3で得られた従来の包装材に対して、低分子量物質の溶出が極端に少なくなっていた。また、環状オレフィンコポリマーとして、実施例1〜6で使用したエチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)に比較し、実施例7〜12で使用したエチレン−テトラドデセン共重合体(COC−B)や実施例20〜25で使用したジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)は、低分子量物質の溶出が極端に少ないものであった。
また、表1より、実施例1と実施例2の比較から酸無水物グラフトポリマーでなる接着層(36)を中間層とすることによって、エチレン−ノルボルネン共重合体(COC−A)とシーラント適正のある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)との共押出しによる接着性(ラミネート強度)は上がる(データはない)が、低分子量物質の溶出抑制効果では僅かに劣るものであった。
また、表1より、実施例2と実施例3の比較から、環状オレフィンコポリマー単独層とシーラント適正のある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)との共押出しの場合に比べ、環状オレフィンコポリマーと直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)とのブレンドポリ
マーとシーラント適正のある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)との共押出しとすることにより接着性(ラミネート強度)は上がる(データはない)が、低分子量物質の溶出抑止効果では僅かに劣るものであった。即ちポリマー同志の共押出しによる接着性(ラミネート強度)を上げるには、酸無水物グラフトポリマーによる接着層(36)を介在させるか、環状オレフィンコポリマーにポリオレフィンをブレンドしたブレンドポリマーとすることが有効であるが、低分子量物質の溶出抑制効果では僅かに劣るものであった。
また、表1より、実施例13と実施例14、実施例15と実施例16の比較から、環状オレフィンコポリマーを直鎖低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンに50重量%ブレンドしたブレンドポリマーより30重量%ブレンドしたブレンドポリマーの方が、低分子量物質の溶出防止効果では僅かに劣るのものであった。一方、ポリプロピレンにブレンドした、実施例17、18では、環状オレフィンコポリマーが30重量%でも低分子量物質の溶出抑制効果は十分にあった。また、直鎖低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンを比較した場合(実施例13と実施例15の比較)、高密度ポリエチレンにブレンドした方が、低分子量物質の溶出防止効果は僅かに優れている。
次いで、ヒートシール強度と、内容物に対する吸着の影響を調べるため、以下の実験を行った。下記の本発明における実施例51〜54、実施例62〜64および比較例6、9について具体的に説明する。
〈実施例51〉
図1に示すように、厚さ12μmのPETフィルムの表面にグラビア印刷によりインキ層(図示せず)を施し、その裏面に接着剤を介して厚さ7μm厚のアルミニウム箔を積層した外側基材フィルム(10)のアルミニウム箔面に、ドライラミネーション用接着剤A−515/A−50(武田薬品社製)を塗布量4.0g/m2 で塗布し、ドライラミネーション用接着剤層(20)を得た。
一方、ジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE、密度;0.940)を50対50(重量比)の割合でブレンドしたブレンドポリマー(32)とシーラント層となる厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度;0.940)(34)との共押出2層フィルムをシーラント適正のある低密度ポリエチレン(34)(LLDPE)側を最内側層となるように加圧接着して低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例52〉
図1に示す環状オレフィンコポリマー(32)を厚さ20μmのジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE、密度;0.940)を70対30(重量比)の割合でブレンドしたブレンドポリマーとした以外は、実施例51と同様の材料、操作にて低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例53〉
図1に示す環状オレフィンコポリマー(32)を厚さ20μmのジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)と高密度ポリエチレン樹脂(HDPE、密度;0.960)を50対50(重量比)の割合でブレンドしたブレンドポリマーとした以外は、実施例51と同様の材料、操作にて低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例54〉
図1に示す環状オレフィンコポリマー(32)を厚さ20μmのジシクロペンタジエンの開環重合体に水素添加をしたポリマー(COC−C)とポリプロピレン樹脂(PP、ブ
ロックタイプ)を50対50(重量比)の割合でブレンドしたブレンドポリマーとした以外は、実施例51と同様の材料、操作にて低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例62〉
図1に示す外側基材(10)を酸化アルミニウムを蒸着した厚さ12μmのPETフィルムの蒸着面にポリビニルアルコールをマトリックスとし、アルコキシシランとの(架橋反応)ハイブリッド化によるゾル−ゲルコート層を設けたもの(GL−Al23+ゾル−ゲルコート層、ゾル−ゲルコート層面にドライラミネート用接着剤を塗布する)とした以外は、実施例51と同様の材料、操作にて低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例63〉
図1に示す外側基材(10)を酸化アルミニウムを蒸着した厚さ12μmのPETフィルムの蒸着面にポリビニルアルコールをマトリックスとし、アルコキシシランとの(架橋反応)ハイブリッド化によるゾル−ゲルコート層を設けたもの(GL−Al23+ゾル−ゲルコート層、ゾル−ゲルコート層面にドライラミネート用接着剤を塗布する)とした以外は、実施例53と同様の材料、操作にて低溶出包装材(1)を得た。
〈実施例64〉
図1に示す外側基材(10)を酸化アルミニウムを蒸着した厚さ12μmのPETフィルムの蒸着面にポリビニルアルコールをマトリックスとし、アルコキシシランとの(架橋反応)ハイブリッド化によるゾル−ゲルコート層を設けたもの(GL−Al23+ゾル−ゲルコート層、ゾル−ゲルコート層面にドライラミネート用接着剤を塗布する)とした以外は、実施例54と同様の材料、操作にて低溶出包装材(1)を得た。
〈比較例6〉
図1に示す環状オレフィンコポリマー層(32)とシーラント層(34)を厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE、密度;0.940)の1層とした以外は、実施例51と同様の材料、操作にて包装材を得た。
〈比較例9〉
図1に示す環状オレフィンコポリマー層(32)とシーラント層(34)を厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE、密度;0.940)の1層とした以外は、実施例62と同様の材料、操作にて包装材を得た。
上記の実施例51〜54および62〜64で得られた低溶出包装材および比較例6、9で得られた包装材をシーラント層同士を160℃、1.0kg/cm2、1.0secの条件でヒートシールを行いヒートシール強度の測定(JIS Z 0238に従って測定)を行った。また、内容物によるラミネート強度の変化を測定するため、各包装材をシーラント層面を内側として70mm×110mmサイズの三方シール袋(シール幅10mm、内面の薬効成分と接触する面積;100cm2)の包装体(袋)とし、内容物としてオイゲノール(50cc)、クミンアルデヒド(50cc)、60%エタノール(50cc)、入浴剤(含香料、植物抽出エキス、30g)、プロピレンカーボネート(50cc)を入れ密封し、40℃、10日間保存し、外側基材フィルムとシーラント層のラミネート強度を測定(JISZ 0238に準拠して測定)した(但し、プロピレンカーボネートは85℃保存)。なお、内容物を入れる前のラミネート強度は、1250g/15mm幅程度である。実施例51〜54および62〜64と比較例6、9の各測定結果を表2に示した。
Figure 2006306110
各実施例ともヒートシール強度は5.5kg/15mm幅以上有り、問題はない。さらにラミネート強度についても、比較例は極端に低下し10.0g/15mm幅以下となりシーラント層に浮きが発生しているものもある。一方、シーラント層に環状オレフィンコポリマーをブレンドした実施例は、ラミネート強度の低下はあまりみられなかった。
また、環状オレフィンコポリマーの重量比を多くした方が、ラミネート強度の低下をより防止することができる(実施例51と52の比較から)。
本発明に係わる一般的な包装材の一実施の形態を側断面で表した説明図である。 本発明の低溶出包装材の一実施の形態を側断面で表した説明図である。 本発明の低溶出包装材の他の実施の形態を側断面で表した説明図である。
符号の説明
1・・・(低溶出)包装材
10・・・外側基材
11・・・基材
20・・・ドライラミネーション用接着剤
32・・・環状オレフィンコポリマー
34・・・シーラント層
36・・・接着層
38・・・熱可塑性樹脂層

Claims (9)

  1. 基材上に、環状オレフィンコポリマー層、または、環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする低溶出包装材。
  2. 基材上に、環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層を介してシーラント層をドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする低溶出包装材。
  3. 少なくとも、前記環状オレフィンコポリマー層または環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層と、シーラント層とからなる共押出フィルムを基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項1記載の低溶出包装材。
  4. 接着性樹脂層と、前記環状オレフィンコポリマー層または環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項1または3記載の低溶出包装材。
  5. 熱可塑性樹脂層と、前記環状オレフィンコポリマー層または環状オレフィンコポリマーとポリオレフィン樹脂とのブレンドポリマー層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項1または3記載の低溶出包装材。
  6. 少なくとも、前記環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層とシーラント層とからなる共押出フィルムを基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項2記載の低溶出包装材。
  7. 接着性樹脂層と、前記環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層とシーラント層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項2または6記載の低溶出包装材。
  8. 熱可塑性樹脂層と、前記環状オレフィンの開環重合体層またはその水素添加体層とシーラント層と、シーラント層とからなる共押出3層フィルムを、前記基材上に前記シーラント層が最内層となるようにドライラミネーション法により積層してなることを特徴とする請求項2または6記載の低溶出包装材。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の低溶出包装材を用いて、食品、飲料または医薬品などを包装する包装袋。
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