JP4945927B2 - ボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムとその積層体 - Google Patents

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本発明は光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂層と、環状ポリオレフィン層を構成要素とする多層フィルムとその積層体、あるいは光遮断性物質を含んだフィルムまたは光遮断性物質を液剤化して基材に塗工する方法、あるいはフィルム同士をラミネートする接着剤中に光遮断性物質を装備して環状ポリオレフィン層を構成要素とした多層フィルムとの積層体を得る技術に関するものである。またボイル・レトルト殺菌処理する際に光遮断性物質そのものや包材から発せられる種々化学物質等の溶出や、酸素・水蒸気・光線などの透過を嫌う食品、飲料や医療・医薬品および電気・電子部品等を収納するクリーンでかつバリアー性を有する包装袋を製造する際に用いる貼合せフィルムの構成に関するものである。
従来、紫外線や可視光線を遮断する場合にはアルミ箔に代表されるところの金属箔で遮光する方法が採られており、金属箔を使用しない場合には隠蔽性のある色インキを透明基材に塗工する手法が多い。ただし中身を見せたい場合には、紫外線や可視光線の一部を遮断できるポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムなどを積層体とする方法や、それら透明基材にさらに光遮断性物質を液状化して塗工したり、積層する際の接着剤中に光遮断性物質を装備する方法あるいはポリオレフィン系樹脂中に光遮断性物質を混錬して、それをフィルム化してラミネートするかそのまま溶融押し出しを行いラミネートする方法などが採用されていた。
ところでボイル・レトルト殺菌処理を施した場合、あるいは加熱処理をせずとも長期間の時系列において、光遮断性物質や包材から発せられる種々物質は内容物側に溶出、移行することが知られており、それらがクリーン性を阻害していることが確認されている。
それらを回避するにはエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)やポリアクリロニトリル(PAN)などを積層することが考えられるが加熱処理を施した場合には溶出、移行することが確認されており、またそれら材料をポリオレフィン樹脂と積層するには接着性樹脂などが別途必要であったり、フィルムとして使用するなら余分な積層プロセスやコストが加わってくるので望ましくはない。
一方特許第3198065号には紫外線遮断性有機顔料が添加された環状オレフィン系重合体または該重合体の水素添加物で成形されてなることを特徴とする容器とその包装体について明記されているが、これは紫外線遮断性有機顔料と環状オレフィン系重合体または該重合体の水素添加物を混錬させてなるもので、内容物側への溶出、移行を防止する機能を備えていない。
本発明は、上記背景に基づきそれらを解決するべくなされたもので、光遮断性物質を色々な方式で多層フィルム中や積層体の中に含有しても、環状ポリオレフィンを含む多層フィルムと組み合わせることにより、ボイル・レトルト殺菌処理を施した場合にでも光遮断性物質は勿論のこと、包材から発せられる種々物質の内容物側への溶出、移行を防止することができ、それらに侵されることのない多層フィルムとその積層体を提供することにある。
請求項1の発明は、光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂層と、環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層からなるボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムにおいて、前記環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層は、前記光遮断性物質を含むポリオレフ
ィン系樹脂層より内容物側に積層されており、
前記光遮断性物質はサリシレート系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、チオフェン系、ケイ皮酸またはケイ皮酸エステル系の紫外線吸収剤であることを特徴とするボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムである。
請求項2の発明は、請求項1記載のボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムを用いた積層体である。
請求項3の発明は、光遮断性物質を含むフィルムあるいは光遮断性物質コーティング層からなるフィルムと、環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とするボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムからなることを特徴とする積層体である。
請求項4の発明は、前記光遮断性物質が前記紫外線吸収剤であり、500nmより低波長域を50%以上遮断することを特徴とする請求項1記載のボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムである。
請求項5の発明は、前記光遮断性物質が前記紫外線吸収剤であり、500nmより低波長域を50%以上遮断することを特徴とする請求項2または3に記載のボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムを用いた積層体である。
本発明によれば光遮断性物質を色々な方式で多層フィルム中や積層体の中に含有させても、環状ポリオレフィン樹脂やそれらを含む多層フィルム等と組み合わせることにより、ボイル・レトルト殺菌処理を施した場合にでも強い層間強度や高いガスバリア性を維持し、500nmより低波長域を50%以上確実に遮断することが出来る。
また内容液側へ移行する溶出物を遮蔽することも可能になるので、食品・飲料においては本来有する臭味等を大きく劣化させることなく、医療・医薬品においてはそれら自身の効能を維持し、また人体への悪影響を及ぼす可能性を少なくさせ,電気・電子部品などが本来有する機能を損なわせることの無いような包装材料であると期待できる。
本発明の多層フィルム(10)を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する(図1参照)。
本発明に用いた環状ポリオレフィン樹脂(11)の環状オレフィン成分としては、例えば、シクロペンテンまたはその誘導体、シクロヘキセンまたはその誘導体、シクロヘプテンまたはその誘導体、シクロオクテンまたはその誘導体、シクロノネンまたはその誘導体、シクロデセンまたはその誘導体、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンまたはその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセンまたはその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,10 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセンまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4ヘキサデセンまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセンまたはその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9 .14,7 .111,17 .03,8 .012,16 ]−5−エイコセンまたはその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,16 .03,8 .012,17 ]−5−ヘンエイコセンまたはその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセンまたはその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセンまたはその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3,7−デカジエンまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4,10−ペンタデカジエンまたはその誘導体、ペンタシクロ[4.7.0.12,5 .08,13.19,12]−3−ペンタデセンまたはその誘導体、ヘプタシクロ[7.8.0.13,6 .02,7 .110,17 .011,16 .112,15
]−4−エイコセンまたはその誘導体、ノナシクロ[9.10.1.14,7 .03,8 .02,10.012,21 .113,20 .014,19 .115,19 ]−5−ペンタセコンまたはその誘導体等を挙げることができ、これらから1成分でも2成分以上でもα−オレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、ブテン、1−ヘキセンや4−メチル−1−ペンテン等との共重合体を環状ポリオレフィン樹脂として挙げることができる。
さらに、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンまたはその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンまたはその誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6 .110,13 .02,7 .09,14]−4−ヘプタデセンまたはその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,10 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ドコセンまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6 .02,7 .09,14]−4ヘキサデセンまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセンまたはその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9 .14,7 .111,17 .03,8 .012,16 ]−5−エイコセンまたはその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9 .14,7 .111,16 .03,8 .012,17 ]−5−ヘンエイコセンまたはその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセンまたはその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセンまたはその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3,7−デカジエンまたはその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4,10−ペンタデカジエンまたはその誘導体、ペンタシクロ[4.7.0.12,5 .08,13.19,12]−3−ペンタデセンまたはその誘導体、ヘプタシクロ[7.8.0.13,6 .02,7 .110,17 .011,16 .112,15 ]−4−エイコセンまたはその誘導体、ノナシクロ[9.10.1.14,7 .03,8 .02,10.012,21 .113,20 .014,19 .115,19 ]−5−ペンタセコンまたはその誘導体等の開環物及びその水素添加物も環状オレフィン成分として挙げることができ、これら1成分でも2成分以上を用いて、α−オレフィン、好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンや4−メチル−1−ペンテン等との共重合体を環状ポリオレフィン樹脂として用いることが可能である。
環状ポリオレフィン樹脂の成分おいて、共重合させているエチレン成分等α−オレフィン成分に由来する構造単位は、40〜95モル%の範囲、環状オレフィン成分に由来する構造単位は、通常5〜60モル%の範囲が適当であり、開環重合体や開環共重合体の場合は環状オレフィン成分に由来する構造単位は化学量論的には25乃至50モル%となり、上記範囲に含まれる。ガラス転移温度(Tg)で言えば60〜160°Cが望まれるが、押出し製膜適性とボイル・レトルト殺菌処理時に耐えうることを考慮すると、好ましくは80〜140°Cである。
請求項1の光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂(12)は、ボイル・レトルト殺菌処理可能であれば、密度が0.925以上の低密度か直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは中密度、高密度ポリエチレン、またはホモ・ブロックタイプのポリプロピレンで、低温度下での落下衝撃耐性等を考慮すれば、よりブロックタイプが好ましい。
また環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層は、光遮断性物質や包材から発せられる種々物質の内容物側への溶出、移行を防止することを考慮すると、層中の環状ポリオレフィンを50%以上好ましくは80%以上含有することが必要で、その他混錬する材料としては、ボイル・レトルト殺菌処理可能であれば、密度が0.925以上の低密度か直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは中密度、高密度ポリエチレン、またはホモ・ブロックタイプのポリプロピレンで、低温度下での落下衝撃耐性等を考慮すれば、よりブロックタイプが好ましく、必要に応じて組み合わせることが可能である。
請求項3の光遮断性物質を含むフィルムあるいは光遮断性物質コーティング層からなる
フィルムについては、オレフィン系や縮重合系ポリマーで延伸、未延伸を問わず広範囲のフィルムを使用できる。また環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層については、上記と同様、光遮断性物質や包材から発せられる種々物質の内容物側への溶出、移行を防止することを考慮すると、層中の環状ポリオレフィンを50%以上好ましくは80%以上含有することが必要で、その他混錬する材料としては、ボイル・レトルト殺菌処理可能であれば、密度が0.925以上の低密度か直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは中密度、高密度ポリエチレン、またはホモ・ブロックタイプのポリプロピレンで、低温度下での落下衝撃耐性等を考慮すれば、よりブロックタイプが好ましく、必要に応じて組み合わせることができる。
また請求項4における光遮断性物質を含むラミネート用接着剤については、ドライあるいはノンソルベント用ラミネート接着剤が好ましく、光遮断性物質は接着機能を阻害することの無い添加量、接着剤樹脂固形分に対して30%以下が妥当である。さらに環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層については、上記と全く同様の樹脂系を扱うことが可能である。
本発明における光遮断性物質については、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、チオフェン系、ケイ皮酸またはケイ皮酸エステル系などの紫外線吸収剤、紫外線または可視光線透過抑制物質や有機顔料であるピグメントレッドやピグメントイエローなどが該当し、これらを組合せることで光遮断性を向上することも可能で、必要に応じてフェノール系、リン系、チオエーテル系などの酸化防止剤やその他加工助剤も適宜使用できる。
上記選択した樹脂系やフィルム等を用い、溶融押し出し法にてインフレーションあるいはキャスト製膜して得られた多層フィルムをシーラントフィルムとして、接着剤を使用して各種材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)等のプラスチックフィルム、さらに高バリアー化を求めるために無機酸化物蒸着フィルム等とラミネートを行うことにより積層体を作成することができる。
ラミネート方法としては、ポリエステル−ポリウレタン系やポリエーテル−ポリウレタン系等の接着剤を用いてのドライラミネート法やノンソルベントラミネート法、それら接着剤をアンカーコート剤として用い、ポリオレフィン樹脂を溶融状態で押し出し、同時にラミネートを行う方法も材質構成、包材の用途に応じて考慮される。
以下には実施例を挙げて本発明をさらに詳細を説明するが、これらに限定されるものではなくもっと広範囲に適用されるものである。
材質構成;PET12μm/プライマー層/酸化アルミニウム層/ガスバリア劣化防止層/PA15μm/多層フィルム70μm。
上記透明ガスバリアフィルムはPETフィルムをベース基材として、ボイル・レトルト殺菌処理を施してもガスバリア性が大きく劣化しない層構成仕様である。
ラミネート法;ドライラミネート
多層フィルム;光遮断物質+LLDPE30μm/環状ポリオレフィン10μm/LLDPE30μm(3種3層をインフレーション製膜)
LLDPE;シングルサイト系(密度;0.940)
上記層構成からなる積層体Aを作製した。但し、環状ポリオレフィンは、エチレン−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン共重合体を使用し、光遮断物質はトリアジン系UV吸収剤を使用した。
環状ポリオレフィンとしてトリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセンの開環合体の水素添加体を使用し、光遮断物質としてピグメントイエロー+ベンゾトリアゾール系UV吸収剤を使用した以外は実施例1と同じ積層体Aをベースにした実施例2の積層体を作製した。
材質構成;PET12μm/プライマー層/酸化アルミニウム層/ガスバリア劣化防止層/光遮断コート層/PA15μm/多層フィルム70μm
上記透明ガスバリアフィルムはPETフィルムをベース基材として,ボイル・レトルト殺菌処理を施してもガスバリア性が大きく劣化しない層構成仕様である。
光遮断コート層;光遮断物質溶液をグラビア法で塗工
ラミネート法;ドライラミネート
多層フィルム;環状ポリオレフィン10μm/LLDPE(密度;0.940)60μm(2層をインフレーション製膜)
上記層構成からなる積層体Bを作製した。但し、環状ポリオレフィンは、実施例1と同じエチレン−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン共重合体を使用し、光遮断物質溶液はピグメントイエロー+トリアジン系UV吸収剤を使用した。
環状ポリオレフィンとして実施例2と同じトリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセンの開環合体の水素添加体を使用し、光遮断物質溶液はピグメントレッド+ベンゾフェノン系UV吸収剤を使用した以外は実施例3と同じ積層体Bをベースとした実施例4の積層体を作製した。
材質構成;PET12μm/プライマー層/酸化アルミニウム層/ガスバリア劣化防止層/PA15μm/押出し層30μm/多層フィルム40μm
ラミネート法;押出しラミネート
多層フィルム;環状ポリオレフィン層10μm/LLDPE(密度;0.940)30μm(2層をインフレーション製膜)
押出し層;光遮断物質+LLDPE(密度;0.930)
上記層構成からなる積層体Cを作製した。但し、環状ポリオレフィンは、実施例1と同じ、エチレン−テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン共重合体を使用し、光遮断物質も実施例1と同じトリアジン系UV吸収剤を使用した。
環状ポリオレフィンとして実施例2と同じトリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセンの開環合体の水素添加体を使用し、光遮断物質も実施例2と同じピグメントイエロー+ベンゾトリアゾール系UV吸収剤を使用した以外は実施例5と同じ積層体Cをベースとした実施例6の積層体を作製した。
以下、実施例7〜10は比較例としての実施例である。
材質構成;PET12μm/プライマー層/酸化アルミニウム層/ガスバリア劣化防止層/PA15μm/多層フィルム70μm
上記透明ガスバリアフィルムはPETフィルムをベース基材として,ボイル・レトルト殺
菌処理を施してもガスバリア性が大きく劣化しない層構成仕様である。
ラミネート法;ドライラミネート
多層フィルム;光遮断物質+LLDPE30μm/LLDPE40μm(2層をインフレーション製膜)
LLDPE;シングルサイト系(密度;0.940)
上記層構成からなり第1の比較例となる積層体Dを作製した。但し、環状ポリオレフィンは、使用せず、また、光遮断物質は実施例1と同じトリアジン系UV吸収剤を使用した。
光遮断物質として実施例2と同じピグメントイエロー+ベンゾトリアゾール系UV吸収剤を使用した以外は実施例7と同じ積層体Dをベースにした第2の比較例である実施例8の積層体を作製した。
材質構成;PET12μm/プライマー層/酸化アルミニウム層/ガスバリア劣化防止層/PA15μm/押出し層30μm/LLDPEフィルム40μm
ラミネート法;押出しラミネート
LLDPE;シングルサイト系(密度;0.940)
押出し層;光遮断物質+LLDPE(密度;0.930)
上記層構成からなり第3の比較例となる積層体Eを作製した。但し、環状ポリオレフィンは、使用せず、また、光遮断物質は実施例1と同じトリアジン系UV吸収剤を使用した。
光遮断物質として実施例2と同じピグメントイエロー+ベンゾトリアゾール系UV吸収剤を使用した以外は実施例9と同じ積層体Eをベースにした第4の比較例である実施例10の積層体を作製した。
このようにした作製した実施例1〜実施例10の積層体から内表面積;300cm2 の三方製袋品を作成し内容物として高速液体クロマトグラフ用蒸留水を200ミリリットル充填、シールして密封した後に120°Cで30分間レトルト殺菌処理を施す。室温まで放冷した後に、殺菌処理前と殺菌処理後のフィルム層間のラミネート強度と酸素透過度、殺菌処理後の光線透過率、また、殺菌処理後の水溶液を固相抽出、溶媒抽出あるいは凍結乾燥法等により濃縮させ、酸素吸収剤あるいは包装材由来の溶出物をガスクロマグラフ−水素炎イオン化検出器およびガスクロマトグラフ−質量検出器を用いて測定した。その結果を表1に示す。
ラミネート強度;引っ張り試験機にて、PA/シーラント層間の強度を測定
引っ張り速度;300mm/min.
酸素透過度 ;MOCON法にて、30°C×70%RH環境下
光線透過率 ;波長200〜500nmの平行透過光にて測定
溶出評価 ;GCによるピーク面積値より実施例7の溶出量を1.0とし
た際の比較値
Figure 0004945927
表1の結果から、光遮断性物質を色々な方式で多層フィルム中や積層体の中に含有させても、環状ポリオレフィン樹脂やそれらを含む多層フィルム等と組み合わせることにより、レトルト殺菌処理を施した場合にでも強い層間強度や高いガスバリア性を維持し、500nmより低波長域を50%以上確実に遮断することが出来ることが分かる。
本発明の多層フィルムの一実施例を示す、断面説明図である。
符号の説明
10‥‥多層フィルム
11‥‥環状ポリオレフィン樹脂
12‥‥光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂層

Claims (5)

  1. 光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂層と、環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層からなるボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムにおいて、前記環状ポリオレフィン樹脂を構成要素とする層は、前記光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂層より内容物側に積層されており、
    前記光遮断性物質はサリシレート系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系、チオフェン系、ケイ皮酸またはケイ皮酸エステル系の紫外線吸収剤であることを特徴とするボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルム。
  2. 請求項1記載のボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムを用いた積層体。
  3. 前記光遮断性物質を含むポリオレフィン系樹脂層は、光遮断性物質を含むフィルムあるいは光遮断性物質コーティング層を有するフィルムであることを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 前記光遮断性物質が前記紫外線吸収剤であり、500nmより低波長域を50%以上遮断することを特徴とする請求項1記載のボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルム。
  5. 前記光遮断性物質が前記紫外線吸収剤であり、500nmより低波長域を50%以上遮断することを特徴とする請求項2または3に記載のボイル・レトルト殺菌処理用多層フィルムを用いた積層体。
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