JP6627604B2 - 低吸着性共押出多層シーラントフィルム - Google Patents

低吸着性共押出多層シーラントフィルム Download PDF

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Description

本発明は、内容物中の芳香成分等の吸着量が低減された低吸着性のシーラントフィルム、これを用いた包装材料、並びにそれよりなる包装容器及び包装袋に関する。
より詳細には、内容物中の有機化合物の吸着量が低減されることから、内容物の品質保持に優れ、且つ、ヒートシール性及び製膜安定性に優れたシーラントフィルム、これを用いた包装材料、並びにそれよりなる包装容器及び包装袋に関する。
食品、医薬品、化成品等の包装袋において、内容物中の芳香成分や薬効成分等の有機化合物が、包装容器又は包装袋の最内層であるシーラントフィルムに吸着又は収着される現象が、従来から問題となっている。
これに対し、シーラントフィルムに吸着又は収着される量を見越して、内容物に過剰量の芳香成分や薬効成分を含有させる対策が取られている。しかしながら、これらの成分が高価である場合等は、過剰量の配合がコストアップをもたらし好ましくない。
また、例えば嗜好品の包装において、芳香成分がシーラントフィルムに吸着又は収着されることにより、商品が消費者の手元に届くかあるいは消費期限まで、充填時の香りを保持することができないという問題がある。
さらに、食品や飲料等の包装に用いられるシーラントフィルムには、流通、保存又は殺菌処理等から内容物を保護するための強度、耐殺菌性及び耐熱性、内容物を確認するための透明性、容器を密閉するためのヒートシール性等の多岐にわたる機能が要求され、これらの要求を満たすものとして、例えば、無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムが使用されるが、このシーラントフィルムは、先に述べたように、内容物中の有機化合物成分を吸着又は収着し易いことが知られている。
これらの問題に対し、ポリエステル系樹脂、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリアクリロニトリル樹脂等からなるシーラントフィルムが提案されている(特許文献1、2)。
しかしながら、ポリエステル系樹脂は、ヒートシール性が悪く、製袋時にシール不良が発生し易いため、これよりなるシーラント層を有する包装袋は、内容物が漏れる等の欠点を有する。
また、非結晶性PETは、十分なシール強度が得られず、重量物等の包装に用いることができない。一方、ポリアクリロニトリル樹脂は、高価であって材料の入手が困難であり、さらに、フィルム化するには製膜が困難であるという問題がある。
特開平5−162737号公報 特開平8−143453号公報
本発明は、上記の問題点を解決して、十分なシール強度を有し、製膜安定性及び加工適性に優れ、従来のシーラントフィルムに要求される多岐にわたる機能を保持した上で、さらに、有機化合物を吸着しにくく、すなわち低吸着性に優れたシーラントフィルム、これを用いた包装材料、並びにそれよりなる包装容器及び包装袋を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究の結果、外層、第一のポリエチレン層、第二のポリエチレン層、第一の低吸着性樹脂層、及び、内容物と接する第二の低吸着性樹脂層の5層をこの順に有する低吸着性共押出多層シーラントフィルムであって、該外層及び第一のポリエチレン層はそれぞれ、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)又は高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)からなる層であり、該第二のポリエチレン層は、LLDPEからなる層であり、該第一の低吸着性樹脂層は、80〜97質量%の環状オレフィンコポリマー(COC)と、3〜20質量%のLDPEとを含む樹脂組成物からなる層であり、該第二の低吸着性樹脂層は、15〜65質量%のCOC、30〜80質量%のLLDPE及び3〜10質量%のLDPEを含む樹脂組成物からなる層であり、上記COCは、55〜85質量%のノルボルネン単量体と、15〜45質量%のα−オレフィンとを共重合してなるコポリマーである、上記低吸着性共押出多層シーラントフィルム、及びこれを用いた包装材料、並びにそれよりなる包装容器及び包装袋が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)外層、第一のポリエチレン層、第二のポリエチレン層、第一の低吸着性樹脂層、及び、内容物と接する第二の低吸着性樹脂層の5層をこの順に有する低吸着性共押出多層シーラントフィルムであって、該外層及び第一のポリエチレン層はそれぞれ、LLDPE又はLDPEからなる層であり、該第二のポリエチレン層は、LLDPEからなる層であり、該第一の低吸着性樹脂層は、80〜97質量%のCOCと、3〜20質量%のLDPEとを含む樹脂組成物からなる層であり、該第二の低吸着性樹脂層は、15〜65質量%のCOC、30〜80質量%のLLDPE及び3〜10質量%のLDPEを含む樹脂組成物からなる層であり、上記COCは、55〜85質量%のノルボルネン単量体と、15〜45質量%のα−オレフィンとを共重合してなるコポリマーである、上記低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
(2)前記第一及び第二の低吸着性樹脂層の合計の厚さが、低吸着性共押出多層シーラントフィルムの全厚さの20〜50%の範囲である、上記(1)に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
(3)全厚さが20〜150μmである、上記(1)又は(2)に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
(4)前記第二の低吸着性樹脂層が、アンチブロッキング剤を含む、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
(5)前記COCのガラス転移温度が100℃以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルムの外層側の面に基材を積層してなる包装材料。
(7)上記(6)に記載の包装材料を、第二の低吸着性樹脂層が接内容物層となるように製函して得られる液体用紙容器。
(8)上記(6)に記載の包装材料を、第二の低吸着性樹脂層が接内容物層となるように重ね合せ、製袋して得られる包装袋。
一般的に、環状オレフィン系樹脂、例えばCOCは、その溶融製膜時に、高い分子間力が働き、ポリマー間で凝集を引き起こすことが知られている。その結果、膜の至る所で樹脂が凝集する等によりフィッシュアイが形成され、均一な膜表面を得ることが難しい。
そして、これらの傾向は、インフレーション法による製膜時には一層顕著になり、該法により得られるCOCフィルムは、その表面全体に無数のフィッシュアイが発生する。また、COCフィルムは剛性が高く、フィルムとして加工適性に欠ける。
しかしながら、本発明に従って、ポリエチレンの中でも特にLDPEをCOCとブレン
ドすることにより、COCのゲル化を防ぎ、フィッシュアイの形成を抑制することができる。
また、このCOCとLDPEとのブレンド、及び、これにさらにLLDPEを添加したブレンドを用いて、本発明の層構成とした5層共押出シーラントフィルムは、内容物中の成分を吸着せず、優れた低吸着性を示すと同時に、ヒートシール性に優れ、高いシール強度及び低温シール性を示す。
さらに、本発明のシーラントフィルムは、製膜が容易であり、厚みが均質で、良好な透明性を有する美麗な層を形成することができる。また、インフレーション法による高速製膜時にも、フィッシュアイの発生を抑えることができる。
このような本発明のシーラントフィルムにおいて、COCとLDPEとを含む樹脂組成物からなる層は、COCの高い分子間力に基づいて、分子間の距離が近い密な表面構造を形成しており、またLLDPEからなる第二のポリエチレン層は、該樹脂組成物からなる層と高い層間密着性を発揮し、良好な製膜安定性を付与する。
本発明のシーラントフィルムを示す、概略的断面図である。 本発明のシーラントフィルムを用いた包装材料の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
<1>本発明のシーラントフィルムとこれを用いた包装材料の層構成
図1は、本発明のシーラントフィルムを示す概略的断面図である。
図2は、本発明のシーラントフィルムを用いた包装材料の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
本発明のシーラントフィルムは、図1に示されるように、外層(1)、第一のポリエチレン層(2)、第二のポリエチレン層(3)、第一の低吸着性樹脂層(4)、及び、内容物と接する第二の低吸着性樹脂層(5)をこの順に設けた5層からなる共押出多層シーラントフィルム(14)である。
ここで、外層(1)及び第一のポリエチレン層(2)は、LLDPE又はLDPEからなる層であり、第二のポリエチレン層(3)はLLDPEからなる層であり、第一の低吸着性樹脂層(4)は、COCとLDPEとをブレンドした樹脂組成物からなる層であり、第二の低吸着性樹脂層(5)は、COCとLDPEとLLDPEとをブレンドした樹脂組成物からなる層である。
第二の低吸着性樹脂層(5)を形成する樹脂組成物は、フィルム表面の滑りをよくして加工適性を高めるために、少量の、例えば5質量%未満のアンチブロッキング剤を含んでもよい。
本発明のシーラントフィルム(14)の外層(1)側の面に、接着層(11、13)を介して、基材層(10)及び/又はバリア層(12)等の任意の基材を積層することにより、本発明の包装材料が得られる。積層手段は、サンドイッチラミネートやドライラミネート等の任意の方法であってよい。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものを用いる。また、本発明において、密度はJIS K7112に準拠している。
<2>シーラントフィルム
本発明の5層共押出多層シーラントフィルムにおいて、その全厚さ及び各層の厚さは、
適用する包装材料の用途に応じて適宜に設定することができるが、製函又は製袋に必要なシール強度を得るために、また安定した製膜化、低吸着性及び製品コストの観点から、全厚さは20〜150μm、より好ましくは30〜60μmであり、これより厚いとシーラントフィルムの剛度が高くなり成形不良を引き起こし、またこれより薄いと十分な接着強度が得られず、密封性が損なわれ得る。
また、第一及び第二の低吸着性樹脂層の合計の厚さは、シーラントフィルムの全厚さの20〜50%であり、より好ましくは30〜40%である。低吸着性樹脂層の合計が全厚さの20%より薄いと、十分な低吸着性が得られ難い。逆に50%より厚いと、低吸着性は高まるが、フィルムの柔軟性や、基材等とのラミネート強度が確保できない恐れがある。
第一の低吸着性樹脂層は、例えば3〜7μmであることが好ましい。また、第二の低吸着性樹脂層は、少なくとも5μm以上、例えば5〜15μmであることが好ましい。
COC及びLDPEに加えてLLDPEを含む第二の低吸着性樹脂層が最内層に位置し、これに隣接して、COCを高濃度で含有する第一の低吸着性樹脂層が、薄い層厚で存在することにより、本発明のシーラントフィルムは、優れた低吸着性、柔軟性、製膜安定性及びヒートシール性を併せ持つことができる。
(i)外層
本発明のシーラントフィルムにおいて、外層は、シーラントフィルムの表面に位置し、基材との貼合面を形成する層である。
外層を構成する樹脂としては、LLDPE又はLDPEが使用される。これにより、サンドイッチラミネーション等で基材と貼合する際に、高い層間接着強度が得られる。ここで、LLDPEを使用することにより、フィルムの強靭性を高めることができる。
一方、LDPEを使用することにより、製膜性を高めることができ、また、紙容器のシーラントに適用する場合に、段差に生じる空隙を埋めて容器の密封性を高めることができる。必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
外層の厚さとしては、好ましくは5〜20μmであり、薄過ぎると、基材との十分な層間接着強度が確保されない。
以下、本発明において、LLDPEは、密度0.900〜0.940g/cm3の直鎖状
ポリエチレンであって、メタロセン触媒等のシングルサイト触媒又はチーグラー・ナッタ触媒等のマルチサイト系触媒を用いて、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを低温、低圧で共重合させて得られるコポリマーである。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。また、共重合方法としては、エチレン及びα−オレフィンを、低圧法、スラリー法、溶液法、気相法等の重合方法が挙げられる。
本発明のLLDPEは、短鎖分岐として炭素数1000個あたり、3〜25個の短鎖分岐を有するが、炭素数約20個を超える長鎖分岐を有しない点で、LDPEと区別される。
通常、LLDPEにおいて、エチレン由来の構造単位は約99.9〜90モル%であり、α−オレフィン由来の構造単位は約0.1〜10モル%である。
本発明において使用するのに好適なLLDPEとしては、株式会社プライムポリマー製の「ウルトゼックス(R)」等が挙げられる。
一方、LDPEは、高圧法によって生成される密度0.910以上、0.930未満のエチレン単独重合体である。本発明において使用するのに好適なLDPEとしては、日本ポリエチレン株式会社製の「ノバテック(R)」等が挙げられる。
(ii)第一のポリエチレン層
第一のポリエチレン層は、外層と第二のポリエチレン層との間に位置し、これらの層間接着強度を確保しつつ、フィルムの厚みや層比のバランスを調整し、成膜安定性を向上させる層である。シーラントの用途に応じて、第一のポリエチレン層を構成する樹脂や層厚を調整することが可能であるため、本発明のシーラントフィルムは高い汎用性を有する。
これらの機能を果たすために、第一のポリエチレン層を構成する樹脂として、LDPE又はLLDPEを好適に使用することができる。ここで、LLDPEを使用することにより、フィルムの強靭性を高めることができる。
一方、LDPEを使用することにより、製膜性を高めることができ、また、紙容器のシーラントに適用する場合に、段差に生じる空隙を埋めて容器の密封性を高めることができる。必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
第一のポリエチレン層の厚さは、好ましくは5〜20μmである。第一のポリエチレン層が薄過ぎたり、厚過ぎると、製膜安定性が悪化し好ましくない。
(iii)第二のポリエチレン層
第二のポリエチレン層は、第一のポリエチレン層と第一の低吸着性樹脂層との間に位置し、これらの層間接着強度を確保しつつ、フィルムの厚みを調整すると共に、製膜安定性を高める層である。
これらの機能を果たすために、第二のポリエチレン層は、LLDPEからなる。必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
第二のポリエチレン層の厚さは、好ましくは5〜20μm、より好ましくは7〜15μmである。第二のポリエチレン層が薄過ぎると、層間強度が弱くなり、好ましくない。逆に厚過ぎると、製膜安定性が悪化し好ましくない。
(iv)第一の低吸着性樹脂層
第一の低吸着性樹脂層は、LLDPEからなる第二のポリエチレン層と、最内層となる第二の低吸着性樹脂層との間に位置し、内容物中の有機化合物の浸透や吸着、収着を阻止するための第一の層であり、COC及びLDPEを含む樹脂組成物からなる。
必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
本発明において、COCは、ノルボルネン単量体とα−オレフィンとを共重合してなるコポリマーである。
ノルボルネン単量体は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)骨格を有するものであって、具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン及びその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン及びその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン及びその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン及びその誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの環状オレフィンは、置換基として、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸無水物基等の極性基を有していてもよい。
上記のノルボルネン単量体と共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンを使用することができ、具体的には、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、好ましくはエチレンである。
本発明において、COCの製造は、15〜45質量%のα−オレフィンと、55〜85質量%のノルボルネン単量体とを、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒やマルチサイト系触媒を用いてランダム重合させることによりなされる。
この比率で共重合させたコポリマーは、本発明にしたがって製膜することにより、本発明の効果を発揮することができる。また、低吸水性であり、水蒸気に対するバリア性を有し、低複屈性であって光学特性に優れているため、透明性に優れる。さらには、良好な耐熱性及び寸法安定性を示す。
好適には、ガラス転移温度が100℃以下であり、より好ましくは85℃以下のCOCを用いることが好ましい。本発明にしたがって、ガラス転移温度が低いCOCを用いて製膜することにより、シワの発生を防ぐことができ、製膜安定性が高まる。
本発明において好適に使用されるCOCとしては、例えばポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS(R)」等が挙げられる。
上記COCにLDPEをブレンドすることにより、他のポリエチレンをブレンドする場合に比して特に好適に、製膜時のCOC同士の凝集によるフィッシュアイの発生を防ぐことができる。
LDPEのブレンド量としては、低吸着性樹脂層を構成する樹脂組成物中に、3〜20質量%の割合で、例えば3〜10質量%の割合でブレンドされる。LDPEの割合が多過ぎると、低吸着性が損なわれ得る。一方、LDPEの割合が少な過ぎると、製膜安定性が損なわれ、フィッシュアイが発生し易くなる。
本発明の好適な態様において、LDPEとしては、190℃でのメルトフローレート(MFR)が10〜80g/10分のもの、特に15g/10分以上、さらには20g/10分以上、例えば25〜80g/10分のものを特に好適に使用することができる。
この範囲のMFRを有するLDPEは、COCと均質にブレンドされ、製膜安定性を一層高めることができる。なお、本発明において、メルトフローレートは、JIS−K−7210(190℃、荷重2.16kg)に準拠して測定する。
第一の低吸着性樹脂層の厚さは、好ましくは3〜7μmである。第一の低吸着性樹脂層が薄過ぎると、内容物中の有機化合物の浸透を十分に防ぐことができない。逆に、この層が厚過ぎると、柔軟性が損なわれ、フィルムとしての取り扱い性及び加工適性に劣る。
(v)第二の低吸着性樹脂層
第二の低吸着性樹脂層は、シーラントフィルムの表面に位置し、製袋又は製函時に内容物と接する最内層となる層であり、同時に、内容物中の有機化合物の浸透や吸着、収着を阻止するための第二の層である。
第二の低吸着性樹脂層は、COC、LLDPE及びLDPEを含む樹脂組成物からなる。フィッシュアイを防ぐ少量のLDPEに加えて、さらにLLDPEをブレンドすることにより、優れた低温シール性及び所望のシール強度が得られる。COC、LLDPE及びLDPEはそれぞれ、上述の外層及び第一の低吸着性樹脂層において挙げられた樹脂を好適に使用することができる。
樹脂組成物中の各樹脂の割合は、所望のシール強度や低吸着性に応じて当業者が適宜に決定することができるが、1つの態様において、COCは、15〜65質量%であり、さらに好ましくは40〜50質量%である。
また、LLDPEは、30〜80質量%であり、さらに好ましくは40〜50質量%である。さらに、LDPEは、3〜10質量%であり、さらに好ましくは5〜10質量%で
ある。
COCの割合が多過ぎると、製膜安定性が損なわれると共に、ヒートシール性が損なわれ、所望のシール強度及び低温シール性が得られない恐れがある。LLDPEが多過ぎると、低吸着性が損なわれ、逆に少な過ぎると、ヒートシール性が損なわれる。
また、LDPEが多過ぎると、低吸着性及びヒートシール性が損なわれ、逆に少な過ぎると、フィッシュアイが発生し易くなる。
上記樹脂組成物には、必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃化剤、着色剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。特に、加工時の滑り性を改善するために、アンチブロッキング剤として無機系フィラーを含んでもよい。
最内層となる第二の低吸着性樹脂層が予めアンチブロッキング剤を含むことにより、後から滑剤を吹き付けることができない液体用包装袋としても、好適に適用することができる。
無機系フィラーの添加量は、第二の低吸着性樹脂層に対して0.5〜5質量%、望ましくは1〜3質量%程度である。無機系フィラーの添加量がこれより小さいと、シーラントフィルム表面上にフィラーが露出しにくく滑り不良を改善する効果が少ない。
また、5質量%を超えた場合は、シーラントフィルム表面において、フィラーが飽和状態になるため、それ以上フィラーを添加しても、かかるコストに見合う効果は得られない。
また、透明性を著しく低下させ視認性が悪くなる。無機系フィラーは、マスターバッチとしてブレンドすることにより、樹脂組成物中に均質に分散させることができる。
好適に使用できる無機系フィラーとしては、SiO2、AL23、TiO2、ZnO、Fe23、SnO2、CeO2、NiO、PbO、S2Cl2、ZnCl2、FeCl2、CaCO3、B23等からなり、平均粒径が2〜15μmのフィラーを使用することができ、好ましくは、酸化珪素SiO2のフィラーが用いられる。
無機系フィラーの平均粒径が2μm未満の場合は滑り性の改良に効果がなく、また、前記平均粒径が15μmを超えると、製膜フィルムの表面に突出する無機系フィラーにより容器表面を摩擦し、傷つけることがある。
なお、本発明において、平均粒径とは、粒度分布測定より、最も多く存在する粒子の粒径を意味する。粒度分布は、コールターカウンター法により計測できる。
第二の低吸着性樹脂層の厚さは、好ましくは5〜15μm、さらに好ましくは5〜10μmである。第二の低吸着性樹脂層が薄過ぎると、十分なシール強度が得られず、密封性が損なわれる。逆に厚過ぎると、内容物中の有機化合物の吸着量が増加し、低吸着性が損なわれる。
(vi)シーラントフィルムの製造方法
本発明において、シーラントフィルムは、各層を構成する樹脂及び樹脂組成物を用いて、共押出法によって製膜される。共押出法により製膜することにより、高い層間密着性及び製膜安定性が得られ、低吸着性が向上し、また美麗な膜が得られる。特に、フィッシュアイの発生を抑制することができる。
また、特に、シーラントフィルムは、共押出インフレーション法により製膜することもできる。共押出インフレーション法で製膜することにより、低温にて製膜加工が可能であり、加熱による樹脂臭によるトラブルが減少する。
<3>包装材料
本発明のシーラントフィルムを、その内層が最内層となるように、外層側の表面を任意の基材と対向させて積層することにより、低吸着性包装材料が得られる。
ここで用いる基材としては、紙、基材フィルム、又は基材フィルム上にガスバリア層を設けたバリアフィルム等の任意のフィルムを使用することができる。
紙としては、適用する紙容器の用途に応じて、種々の賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する任意の紙を使用することができる。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。
基材フィルムとしては、PET、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルの二軸延伸フィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)等のポリアミドの二軸延伸フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムを好適に使用できる。
これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
また、ガスバリア層は、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化インジウムスズ等の無機酸化物やアルミニウム等の金属の蒸着層であってよい。又は、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロンMXD6等のフィルムのほか、アルミニウム箔等の金属フィルム、或いは、PVDCやポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸(PAA)等の塗膜層を設けた二軸延伸ナイロンフィルム(ONフィルム)、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)等のガスバリアフィルムを、接着剤層を介して基材フィルム上に貼り合せたものであってもよい。
ガスバリア層の積層方法としては、ガスバリア層が蒸着層である場合は、化学気相成長法及び物理気相成長法等の任意の蒸着法によって、基材フィルム上に積層される。ガスバリア層がガスバリアフィルムである場合は、接着剤層を介して基材フィルム上に貼り合せることによって積層される。
本発明のシーラントフィルムと基材との積層は、任意の接着剤や接着性樹脂等を介して、ドライラミネート法やサンドイッチラミネート法等の慣用の手段によって行うことができる。必要に応じて、積層する前に、基材の貼合面に、アンカーコート剤層を設ける等の各種表面前処理を行ってもよい。
本発明の特に好ましい態様において、溶融ポリエチレンあるいはエチレン・メタクリル酸コポリマーを接着層として、シーラントフィルムと基材とをサンドイッチラミネートにより積層することにより、高い層間接着強度が得られ、デラミネーションを防ぐことができる。
<4>包装容器
本発明の包装材料は、包装袋又は包装容器として、特に、内容物の品質保持性が要求される包装袋又は包装容器を形成するために、好適に使用することができる。
また、本発明のシーラントフィルムは、低吸着性と共に高いシール強度を発揮するため、紙容器、特に液体用紙容器としても使用することができる。
本発明の包装材料からの包装袋の製造は、上述の包装材料を二つ折にするか、又は包装材料2枚を用意し、シーラントフィルムの面を対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋として製造することができる。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
あるいは、本発明の包装材料からの紙容器の製造は、通常、次のようにして行われる。すなわち、本発明の包装材料の表面に、必要に応じて印刷を行った後、打ち抜き、端面を
スカイブ・ヘミングして内容物が端面に接触しないようにし、充填機内でボトム部及びトップ部を熱風加熱、火炎加熱等によりヒートシールして紙容器とする。
この紙容器の形状については、用途・目的等に応じて適宜に決定すればよく、例えばゲーブルトップタイプ、ブリックタイプ、フラットタイプ等が挙げられ、また、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等が挙げられる。この紙容器の注出口には、たとえばポリエチレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜に設けてもよい。
包装袋又は包装容器中に充填される内容物は、特に限定されず、固体又はゲル状のものであっても、液体、例えば酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター等の各種の飲料品、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ等の種々の液体飲食物、食用油、機械用油、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他シャンプー、リンス、洗剤等の化成品等であってもよい。
本発明の包装材料からなる包装袋又は包装容器は、内容物の品質及び風味を長期にわたって保持することができ、且つ、高い密封性を発揮するため、特に酒類の包装容器として好適に使用することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(1)第一の低吸着性樹脂層を構成する樹脂組成物として、COC(ポリプラスチックス(株)製TOPAS(R)8007F−600、ノルボルネン由来繰り返し単位の含有量65質量%、ガラス転移温度78℃)95質量%と、LDPE(旭化成ケミカルズ(株)製サンテックM6545、MFR45.0g/10分、密度0.915g/cm3)5質量%とを十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(2)第二の低吸着性樹脂層を構成する樹脂組成物として、COC(TOPAS(R)8007F−600)40質量%、LLDPE(宇部丸善ポリエチレン(株)製ユメリット(R)0520F、MFR2g/10分、密度0.904g/cm3)45質量%、LDPE(サンテックM6525)5質量%、及び、アンチブロッキング剤マスターバッチ(住友化学(株)製、EMB−21、MFR4g/10分、合成ゼオライト含有)10質量%を十分に混練して、樹脂組成物を調製した。
(3)外層及び第一のポリエチレン層を構成する樹脂として、LDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテック(R)LC522、MFR4.0g/10分、密度0.923g/cm3)を用意した。さらに、第二のポリエチレン層を構成する樹脂として、LLDPE((株)プライムポリマー製ウルトゼックス(R)1520L、MFR2.3g/10分、密度0.914g/cm3)を用意した。
(4)上記(1)〜(3)で用意した樹脂及び樹脂組成物を用いて、インフレーション法を用いた5層共押出製膜法により、外層10μm/第一のポリエチレン層7.5μm/第二のポリエチレン層10μm/第一の低吸着性樹脂層5μm/第二の低吸着性樹脂層7.5μmの層構成を有する、本発明の低吸着性シーラントフィルム(厚さ40μm)を製造した。なお、本願明細書の積層体の記載において、「/」はその左右の層が積層一体化されていることを示す。
得られた低吸着性シーラントフィルムは、フィッシュアイのない美麗な膜表面を有していた。
[実施例2]
第二の低吸着性樹脂層のCOCを15質量%、LLDPEを50質量%、アンチブロッキング剤マスターバッチを30質量%とした以外は、実施例1と同様に低吸着性シーラントフィルムを製造した。
[実施例3]
基材として坪量365g/m2の板紙を用意し、その一方の面にアンカーコート剤を塗布し、エチレン・メタクリル酸コポリマー(EMAA、厚さ25μm)を介するサンドイッチラミネート法により、透明蒸着フィルム(VMPET、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルムの片面に酸化アルミニウムを蒸着した透明蒸着フィルム)の蒸着面を貼り合わせた。
得られた積層フィルムのVMPET側の面にエチレン・メタクリル酸コポリマー(EMAA、厚さ30μm)を介するサンドイッチラミネート法により、上記実施例1で製造した低吸着性シーラントフィルムの外層側の面を貼り合わせた。
一方、上記板紙のもう一方の面にアンカーコート剤を塗布し、表面保護層としてポリエチレン系樹脂(厚さ25μm)を押出コーティング法により積層し、その表面をコロナ処理し、印刷層を設け、本発明の包装材料を製造した。
得られた包装材料の層構成は、印刷層/ポリエチレン系樹脂層25μm/紙基材層/EMAA層25μm/VMPET12μm/EMAA層30μm/低吸着性シーラントフィルム40μmであった。
[実施例4]
実施例2で製造した低吸着シーラントフィルムを用いた以外は、実施例3と同様に包装材料を製造した。
上記で製造した包装材料を用いて、シーラントフィルムが内側となるように製函し、容量200mLの紙容器を作成した。これに水200mLを85〜90℃で熱時充填し、室温まで放冷し、3日間放置した。紙容器は十分な密封性を示し、内容物の漏れは生じなかった。
[比較例1]
実施例1の低吸着性シーラントフィルムの代わりに、LLDPEフィルム(厚さ40μm)を使用した以外は、実施例3と同様にして、包装材料を製造した。
[評価方法・結果]
(官能試験)
実施例3、実施例4及び比較例1の包装材料を用いて清酒用紙容器を作製し、充填機にて清酒を充填し、評価用のサンプルとした。
7日間保存後、容器を開封し、清酒メーカー所属の味覚に敏感な担当者3名による官能評価を実施した。
充填前の清酒の匂いと変化がない場合を0点とし、清酒の匂いがかなり変化した場合を5点とする5段階評価で、各包装材料につきサンプルを2個ずつ開封して平均値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0006627604
実施例3、実施例4の包装容器に保存した清酒は、充填前の風味をほぼ完全に保持するものであった。これに対し、比較例1の包装容器に保存した清酒は、清酒の風味成分が失
われ、充填前の匂いがかなり変化していた。
(ガスクロマトグラフ質量分析)
上記官能試験において生じた風味の変化が、包装材料の各種成分の内容物中への溶出によるものではないことを確認するために、ガスクロマトグラフ質量分析を行った。
すなわち、実施例3、実施例4及び比較例1の包装材料を用いて容量200mLの紙容器を作成し、これに水200mLを85〜90℃で熱時充填し、室温まで放冷して3日間放置し、評価用のサンプルとした。
容器から回収した水200mLについて、有機溶媒を用いた液−液抽出及び凍結乾燥により濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析計にて、包装容器からのクロロホルム及びメタノールの溶出量を測定した。比較例1の溶出量測定値を1として、実施例3、実施例4の溶出量を相対的に評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006627604
実施例3、実施例4と比較例1とでは、溶出量に有意な差は見られなかった。また、いずれのサンプルからも、包装材料からのクロロホルム及びメタノールにて抽出した各溶液への溶出はほとんど検出されなかった。
1.外層
2.第一のポリエチレン層
3.第二のポリエチレン層
4.第一の低吸着性樹脂層
5.第二の低吸着性樹脂層
10.基材層
11.接着層
12.バリア層
13.接着層
14.シーラントフィルム

Claims (8)

  1. 外層、第一のポリエチレン層、第二のポリエチレン層、第一の低吸着性樹脂層、及び、内容物と接する第二の低吸着性樹脂層の5層をこの順に有する低吸着性共押出多層シーラントフィルムであって、
    該外層及び第一のポリエチレン層はそれぞれ、直鎖状低密度ポリエチレン又は高圧法低密度ポリエチレンからなる層であり、
    該第二のポリエチレン層は、直鎖状低密度ポリエチレンからなる層であり、
    該第一の低吸着性樹脂層は、80〜97質量%の環状オレフィンコポリマーと、3〜20質量%の高圧法低密度ポリエチレンとを含む樹脂組成物からなる層であり、
    該第二の低吸着性樹脂層は、15〜65質量%の環状オレフィンコポリマー、30〜80質量%の直鎖状低密度ポリエチレン及び3〜10質量%の高圧法低密度ポリエチレンを含む樹脂組成物からなる層であり、
    上記環状オレフィンコポリマーは、55〜85質量%のノルボルネン単量体と、15〜45質量%のα−オレフィンとを共重合してなるコポリマーである、上記低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
  2. 前記第一及び第二の低吸着性樹脂層の合計の厚さが、低吸着性共押出多層シーラントフィルムの全厚さの20〜50%の範囲である、請求項1に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
  3. 全厚さが20〜150μmである、請求項1又は2に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
  4. 前記第二の低吸着性樹脂層が、アンチブロッキング剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
  5. 前記環状オレフィンコポリマーのガラス転移温度が100℃以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の低吸着性共押出多層シーラントフィルムの外層側の面に基材を積層してなる包装材料。
  7. 請求項6に記載の包装材料を、第二の低吸着性樹脂層が接内容物層となるように製函して得られる液体用紙容器。
  8. 請求項6に記載の包装材料を、第二の低吸着性樹脂層が接内容物層となるように重ね合せ、製袋して得られる包装袋。
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