JP6241113B2 - 包装材料 - Google Patents

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本発明は、医薬品、化粧品、食品等の内容物に含有される有機化合物の吸着量が低減された非吸着性のシーラント層とプラスチック基材層とを有する包装材料、及びそれよりなる容器に関する。
より詳細には、内容物中の有機化合物の吸着量が低減されることから、内容物の品質保持に優れ、且つ、ヒートシール性に優れたシーラント層を有する包装材料、及びそれよりなる容器に関する。
一般に容器は、プラスチック基材層とシーラント層とを有する包装材料からなる。
これらのシーラント層としては、熱可塑性樹脂が用いられ、特にラミネート加工性及びヒートシール性に優れる点から、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(LDPE、密度0.910〜0.925g/cm3)等が使用されている。
LDPEは、ヒートシールにより高い密着強度を達成することができるが、有機化合物成分を吸着し易いことが知られている。したがって、LDPEからなるシーラント層を最内層、すなわち内容物と接する層として有する容器は、内容物中に含まれる有機化合物成分を吸着して、内容物を変質または劣化させ易い。
また、ガスバリア性を付与するため、例えば、LDPE上にアルミニウム箔等を設けると両層間に層間剥離(デラミネーション)が生じ、実用に耐えることができない。
これに対し、シーラント層として、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE、密度0.926〜0.940g/cm3)を使用するケースもある。しかしながら、MDPEは、十分な密着強度を得るために、製函(容器の成型)時のヒートシール温度をLDPEより高く設定しなければならない為、安定したシール温度巾が得られない欠点を有する。
更に、そのような高温でヒートシールすると、MDPEが酸化し、酸化臭が発生する為、MDPEからなるシーラント層を最内層として有する容器は、内容物中に樹脂の酸化臭が移行し易いといった欠点を有する。
また、シーラント層としてポリエステル系樹脂を使用するケースもある(特許文献1)。しかしながら、ポリエステル系樹脂は、ヒートシール性が悪く、製函時にシール不良が発生し易いため、これよりなるシーラント層を有する容器は、内容物が漏れる等の欠点を有する。
特開平5−162737号公報
本発明は、上記の問題点を解決して、有機化合物成分を吸着しにくくした、すなわち非吸着性に優れ、且つ、ヒートシール性に優れたシーラント層を有する包装材料、及びそれよりなる容器を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究の結果、少なくとも、プラスチック基材層、中間層、及び該中間層上に隣接して積層されたシーラント層を有する包装材料であって、該シーラント層は、該中間層に隣接する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂とからなる層であることを特徴とする包装材料、及びそれよりなる容器が上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.少なくとも、プラスチック基材層、中間層、及び該中間層上に隣接して積層されたシーラント層を有する包装材料であって、該シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂とからなる層であることを特徴とする包装材料。
2.シーラント層は、それぞれ直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる2層の層であり、該2層は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合比率が異なることを特徴とする上記1に記載の包装材料。
3.前記シーラント層は、中間層側に配置され直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層、及び該第一の層とは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合比率の異なる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層を、この順に設けた3層からなる層であることを特徴とする、上記1に記載の包装材料。
4.前記シーラント層は、前記第二の層が無機系フィラーを含有していることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の包装材料。
5.プラスチック基材層がさらにバリア層を有することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の包装材料。
6.バリア層が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルム及びポリアクリロニトリル系樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1種からなる層であることを特徴とする上記5に記載の包装材料。
7.上記1〜6のいずれかに記載の包装材料を、シーラント層が最内層となるように製函してなる容器。
本発明の包装材料は、シーラント層が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂とからなる層を有する包装材料である。さらに、シーラント層が上記層に隣接する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層を有するものである。
一般的に、環状ポリオレフィン系樹脂は、その溶融製膜時に、高い分子間力が働き、ポリマー間で凝集を引き起こすことが知られている。その結果、膜の至る所で樹脂が凝集して瘤状のゲル塊を形成し、均一な膜表面を得ることが難しい。そして、この傾向は、インフレーション法による製膜時には一層顕著になり、これにより得られる環状ポリオレフィン系樹脂膜は、その表面全体に無数のゲル塊が発生する。
しかしながら、本発明に従って、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂を混合した樹脂層とするか、あるいは、さらにこれら樹脂層を直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層と隣接させて一緒に製膜することによって、環状ポリオレフィン系樹脂の分子同士の不均一な凝集が抑制される。
したがって、本発明の包装材料のシーラント層は、製膜が容易であり、均質で、良好な透明性を有する美麗な層を形成することができる。また、インフレーション法による高速製膜時にも、ゲル塊の発生を抑えることができる。
このような本発明の包装材料において、環状ポリオレフィン系樹脂を含む層は、環状ポリオレフィン系樹脂の高い分子間力に基づいて、分子間の距離が近い密な表面構造を形成しており、また直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層は、該環状ポリオレフィン系樹脂を含む層と高い層間密着性を発揮し、該環状ポリオレフィン系樹脂を含む層に良好な製膜安定性を付与している。したがって、このような構造を有する本発明の包装材料は、内容物中の成分を吸着しにくく、すなわち非吸着性に優れている。
そして、本発明の包装材料は、特に揮発成分(l−メントール、カンフル等)に対する非吸着性が優れている。
また、本発明の包装材料を形成するシーラント層は、良好なヒートシール性を示し、幅広いシール温度範囲でヒートシールが可能である。そのため、一般的なLDPEシーラントと同程度の低温でのヒートシール時にも、製函に際して十分なシール強度を発揮する。したがって、加工が容易であり、樹脂酸化臭等の発生が少ない。
また、最内層を環状ポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とのブレンド層とすることで、表面とのシール性、密着性、非吸着性を両立し確保できる。また、内面同士のシール性も良好となる。
これに対し、最内層を環状ポリオレフィン系樹脂のみで形成すると充分なシールができないし、最内層をポリエチレン樹脂のみにすると非吸着性が確保できず、またこの最内層とこれに隣接する層との間で発生する剥離現象である層間剥離(デラミネーション)を防止することができない。
すなわち、内容物中の有機化合物の吸着が進行すると、吸着した成分が最内層とこれに隣接する層との間にたまり、カット性低下やデラミネーション等の問題が生じるが、本発明においてはこれを防止することができる。
さらに、本発明の包装材料は、シーラント層を、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)からなる中間層を介して、プラスチック基材層またはバリア層等とサンドイッチラミネートするか、または、プラスチック基材層またはバリア層上に共押出コーティングすることにより積層するものである。
したがって、本発明の包装材料は、優れた非吸着性及びヒートシール性を維持したまま、簡便かつ低コストで製造することができ、さらに残留溶剤の懸念がない。そのため、内容物の賞味期限を大幅に向上することができる。
また中間層は、接着層として機能するだけでなく、製函時のヒートシールにより溶融し、容器の段差部に生じる空隙を埋めて安定した密封性に寄与し、容器への液体を含む様々な内容物の充填を可能にする。
したがって、本発明の包装材料は、特に内容物の品質保持性が要求される容器を形成するのに好適なものである。
本発明の包装材料の層構成について一例を示す概略的断面図である。 本発明の包装材料の層構成について他の例を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
1.本発明の包装材料を形成する積層体の層構成図1〜2に示されるように、本発明の包装材料は、プラスチック基材層1と、シーラント層とを、中間層2を介して積層した構成を基本とする。ここで、シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層3と、これに無機系フィラーを添加した第一の層とは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂の配合割合の異なる第二の層4とを有する。
本発明の包装材料の一態様として、図1に示されるように、シーラント層は、それぞれ直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂を含む2層からなる層である。
本発明の包装材料の別の態様として、図2に示されるように、シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層8、環状ポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる第一の層3、環状ポリオレフィン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、無機系フィラーからなる第二の層4をこの順に設けた3層からなる層である。
また、本発明においては、中間層2、環状ポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる第一及び第二の層の3層を、3層共押出により形成することもできるし、中間層2、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層8、環状ポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる第一及び第二の層の4層を、4層共押出により形成することもできる。
本発明の包装材料は、プラスチック基材層にさらに、任意のガスバリア性フィルム等からなるバリア層を有してもよい。この場合、バリア層とシーラント層とが、中間層を介して積層されてもよい。バリア層を有するプラスチック基材層は、サンドイッチラミネートやドライラミネート等の任意の方法により積層することができる。
本発明の包装材料はまた、容器の最外層となる表面保護層として、任意のポリエチレン樹脂(PE)からなる層を、シーラント層と反対側の表面に有してもよい。表面保護層は、包装材料の表面に、溶融PE樹脂を押出コーティングすることによって、またはPEフィルムを任意の方法によりラミネートすることによって積層することができる。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものを用いる。また、本発明において、密度はJIS K7112に準拠している。
2.プラスチック基材層
本発明の非吸着性包装材料を構成するプラスチック基材層は、包装材としての強度を確保できるプラスチックフィルム等の単層及び積層体を用いる。
プラスチックフィルム等としては、ポリアミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。
また、これらの樹脂からなるフィルムを積層体としたもの、あるいは共押出し製膜法により、2種以上の樹脂からなる積層体を用いることができる。
さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチック基材に無機酸化物や有機酸化物を蒸着した蒸着フィルム等を広く使用することができる。
基材としては、樹脂フィルム、金属箔、紙基材に、ガスバリア層として酸化珪素や酸化アルミニウム等のセラミックを蒸着したものや、アルミニウム箔を積層したものが使用でき、その表面にグラビア印刷法等により絵柄や文字等の印刷インキ層を形成するものでもよい。
また、これら基材の表面に、種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等が使用されていても良い。さらに、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理や、薬品処理、溶剤処理等を施しておいてもよい。
プラスチック基材の厚さは、包装材料としての適性や加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲が好ましい。
3.中間層
本発明において、中間層は、ポリエチレン樹脂(PE)、例えばLDPE層が望ましい。
この中間層は、プラスチック基材層またはバリア層を有するプラスチック基材層とシーラント層との間に位置してこれらを接着すると共に、製函時のヒートシールにより溶融して、層間の接着強度を高め、さらに容器の段差部に生じる空隙を埋めて、容器の密封性を高める。
本発明の中間層を形成するPEとしては、任意のポリエチレンを使用することができるが、空隙を埋めるのに好適な溶融粘度(流動性)を示し、且つ製膜適性及び加工適性を有することから、密度0.910〜0.925g/cm3、メルトフローレート(MFR)1〜10g/10分(190℃)の高圧法低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を特に好ましく使用することができる。
中間層の厚さは、5〜50μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは5〜15μmである。これより薄いと、十分な接着強度が得られず、また、容器の密封性が損なわれる恐れがある。逆に、これより厚いと、低温シール性が劣り、好ましくない。
4.シーラント層
本発明のシーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする。そしてこの環状ポリオレフィン系樹脂を含むシーラント層が、本発明の包装材料の最表層、すなわち容器の最内層となるため、優れた非吸着性を示すことができる。
(1)シーラント層の構造
本発明の一態様において、シーラント層は、それぞれ直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる2層の層であり、該2層は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合比率が異なる。
そして、このシーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層が中間層側に配置され、該第一の層上に設けられた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層が無機系フィラーを含有している。
(あ)第一の層
第一の層は、主に、有機化合物成分に対する非吸着性を確保するための層である。そのため、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層の混合比率は、環状ポリオレフィン系樹脂の比率が高くなっている。
第一の層における環状ポリオレフィン系樹脂の比率は、90〜99質量%、望ましくは、95〜98質量%程度、また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率は、1〜10質量
%、望ましくは、2〜5質量%程度である。環状ポリオレフィン系樹脂の比率がこれより大きいと加工性が悪くなり、また、これより小さいと充分な非吸着性を確保することができない。
そして、第一の層の厚さは3〜10μm程度である。厚さがこれより大きいと構成されるフィルムが硬くなり皺を生じる恐れがある。
(い)第二の層
第二の層は、主に、シール性を確保するための層である。そのため、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層の混合比率は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率がやや高めとなっている。
また、第一の層のみで製膜すると均一な層が形成できにくいが、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率が高めとなっている第二の層と一緒に共押出することにより、平滑な製膜が可能となる。
第二の層における環状ポリオレフィン系樹脂の比率は、30〜50質量%、望ましくは、35〜45質量%程度、また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率は、45〜65質量%、望ましくは、55〜60質量%程度である。
さらに、第二の層は、加工をする際の滑り性を改善するために無機系フィラーを含有していてもよい。これは内容物が液体の場合は、加工時に滑剤等を吹き付けることができない点を考慮したものである。
無機系フィラーの添加量は、第二の層に対して0.5〜5質量%、望ましくは、2〜4質量%程度である。無機系フィラーの添加量がこれより小さいと、シーラント層表面上にフィラーが露出しにくく滑り不良を改善する効果が少なく、また、5質量%を超えた場合は、シーラント層表面において、フィラーが飽和状態になるため、それ以上フィラーを添加しても、かかるコストに見合う効果は得られない。また、飽和状態になることにより、シール阻害が生じ、逆に、シール開始温度を上げる恐れがある。
そして、第二の層の厚さは緊密なシール性を考慮して5〜15μm程度である。この層が厚過ぎると、無機系フィラーの絶対量が多くなり、シール性・官能等に悪影響を与えると同時に、コストアップとなる為、好ましくない。更に、薄過ぎると無機系フィラーの効果が得られにくくなり、滑り性が劣るため好ましくなく、また、充分なシール強度も確保できない。
当該構成において、シーラント層の総厚及び各層の厚さは、適用する容器の用途に応じて適宜に設定することができるが、製函に必要なシール強度を得るために、また安定した製膜化、非吸着性及び製品コストの観点から、例えば、総厚は5〜30μm、より好ましくは10〜20μmであり、これより厚いと容器の剛度が高くなり成形不良を引起し、これより薄いと十分な接着強度が得られず、また、容器の密封性が損なわれる恐れがある。
第一の層の層厚が厚い程、非吸着性が高まるが、厚過ぎると、十分な接着強度が得られず、容器の密封性が損なわれる恐れがあるので好ましくない。
また、第二の層の層厚が薄過ぎると、十分な接着強度が得られず、容器の密封性が損なわれる恐れがあるので好ましくない。
本発明の別の態様において、シーラント層は、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層、及び該第一の層とは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合比率の異なる第二の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる層を、この順に設けた3層からなる層であり、第一の層上に設けられた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層が無機系フィラーを含有しているものである。
この3層からなる層構成を有するシーラント層は、優れたラミネート強度及び耐内容物性を有し、且つ、良好な非吸着性を維持しながらも、高いシール強度を発揮することができる。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層は、シーラント層全体の均一な塗布性と、第一の層と中間層の密着性を向上するために設けられたもので、その層の厚さは、5〜25μm、より好ましくは10〜20μmである。
当該構成において、シーラント層の総厚及び各層の厚さは、適用する容器の用途に応じて適宜に設定することができるが、製函に必要なシール強度を得るために、また安定した製膜化、非吸着性及び製品コストの観点から、例えば、総厚は15〜60μm、より好ましくは20〜40μmであり、これより厚いと容器の剛度が高くなり成形不良を引起し、またこれより薄いと十分な接着強度が得られず、また、容器の密封性が損なわれる恐れがある。
さらに、シーラント層と中間層を合わせた総厚は、20〜80μm、より好ましくは30〜50μm程度である。
(2)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂)
本発明のシーラント層に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、密度0.900〜0.940g/cm3の直鎖状ポリエチレンであって、メタロセン触媒等のシングルサイト触媒またはチーグラー・ナッタ触媒等のマルチサイト系触媒を用いて、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを低温、低圧で共重合させて得られるコポリマーである。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
また、共重合方法としては、エチレン及びα−オレフィンを、低圧法、スラリー法、溶液法、気相法等の重合方法が挙げられる。
本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、短鎖分岐として炭素数1000個あたり、3〜25個の短鎖分岐を有するが、炭素数約20個を超える長鎖分岐を有しない点で、LDPEと区別される。通常、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂において、エチレン由来の構造単位は約99.9〜90モル%であり、α−オレフィン由来の構造単位は約0.1〜10モル%である。本発明では、構造均一性に優れる点で、メタロセン触媒で調製された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を好適に使用することができる。
本発明において使用するのに好適な直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、宇部丸善ポリエチレン株式会社製、ユメリット0520Fや、住友化学株式会社製の「スミカセン」等が挙げられる。
さらに、上記のような直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を主成分とし、これに、必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤等の添加剤の1種ないし2種以上を添加してもよい。
(3)環状ポリオレフィン系樹脂
本発明において用いられる環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体(COP)、及び、環状オレフィンとα−オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、すなわち環状オレフィンコポリマー(環状ポリオレフィン系樹脂)を包含する。
環状オレフィンとしては、エチレン系不飽和結合及びビシクロ環を有する任意の環状炭化水素を使用することができるが、特にビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)骨格を有するものが好ましい。
具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン及びその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン及びその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン及び
その誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン及びその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン及びその誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。環状オレフィンは、置換基として、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸無水物基等の極性基を有していてもよい。
環状オレフィンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンを使用することができ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、好ましくはエチレンである。
本発明において、開環メタセシス重合体の製造は、公知の開環メタセシス重合反応であれば特に限定されず、上記の環状オレフィンを、重合触媒を用いて開環重合させることによって製造することができる。
また、環状オレフィンコポリマーの製造は、25〜45モル%のα−オレフィンと、55〜75モル%の環状オレフィンとを、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒やマルチサイト系触媒を用いてランダム重合させることによりなされる。
本発明において好適に使用される開環メタセシス重合体及び環状オレフィンコポリマーは、いくつか市販されており、例えばポリプラスチック(株)社製TOPAS 8007F−500や、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR(R)」やポリプラスチック株式会社製の「TOPAS(R)」等が挙げられる。
また、さらに必要ならば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤等の添加剤の1種ないし2種以上を添加してもよい。
(4)無機系フィラー
本発明において、好適に使用できる無機系フィラーとしては、SiO2、AL23、TiO2、ZnO、Fe23、SnO2、CeO2、NiO、PbO、S2Cl2、ZnCl2、FeCl2、CaCO3、B23等からなり、平均粒径が2〜15μmのフィラーを使用することができ、好ましくは、酸化珪素SiO2のフィラーが用いられる。無機系フィラーの平均粒径が2μm未満の場合は滑り性の改良に効果がなく、また、前記平均粒径が15μmを超えると、製膜フィルムの表面に突出する無機系フィラーにより容器表面を摩擦し、傷つけることがある。なお、本発明において、平均粒径とは、粒度分布測定より、最も多く存在する粒子の粒径を意味する。粒度分布は、コールターカウンター法により計測できる。
(5)シーラント層の製造方法
本発明の一態様において、シーラント層は、シーラントフィルムからなる層である。この場合、シーラント層は、中間層を介してサンドイッチラミネート法により、プラスチック基材層またはバリア層とラミネートされる。
本発明において、シーラントフィルムは、好ましくは、各層を構成する樹脂及び樹脂組成物を用いて、共押出法によって製膜される。共押出法により製膜することにより、高い層間密着性及び良好な製膜安定性が得られ、非吸着性及びヒートシール性が一層向上され、また美麗な膜が得られる。また本発明において、シーラントフィルムは、特に好ましくは、共押出インフレーション法により製膜される。共押出インフレーション法により製膜することにより、低温にて製膜加工が可能であり、加熱による樹脂臭によるトラブルが減少し、また層間密着性が一層向上する。
本発明においては、中間層、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一及び第二の層の3層を、3層共押出により形成することができる。また、中間層、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一及び第二の層の4層を、4層共押出により形成することもできる。
本発明の別の態様において、シーラント層は、中間層と共に、プラスチック基材層またはバリア層上に共押出コーティングすることにより積層される層である。中間層を構成するPE等と、シーラント層中の各層を構成する樹脂とを用いて、これらを基材上に一緒に共押出コーティングすることにより、高い層間密着性及び良好な製膜安定性が得られ、非吸着性及びヒートシール性が一層向上され、また美麗な膜が得られる。
5.バリア層
本発明の包装材料において、プラスチック基材とドライラミネート用接着剤層との間に、必要に応じて、ガスバリア性を有するバリア層を設けることができる。これにより、外部への内容物のにおい漏れや、外部からの酸素及び水蒸気ガスの浸入を抑え、内容物の変質を防ぐことができる。
このようなバリア層としては、適用する容器の用途に応じて任意のガスバリア性フィルムを使用することができる。
例えば、ガスバリア性フィルムとして、アルミニウム箔等の金属箔、または金属箔とプラスチックフィルムとの積層フィルムを用いることができ、この場合には、優れたガスバリア性が得られ、また遮光性を有することとなる。好適に使用される金属箔、または金属箔とプラスチックフィルムとの積層フィルムの厚さは、6〜30μm程度である。
また、ガスバリア性フィルムとして、無機酸化物や金属の蒸着層を有する蒸着フィルムを用いてもよい。ここで、好適に使用される無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム等が挙げられる。また、好適に使用される金属としては、アルミニウム等が挙げられる。また、蒸着層を担持する基材フィルムとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等からなる樹脂フィルムを用いることができる。好適に使用される蒸着フィルムの厚さは、9〜40μm程度である。なお、バリア層が蒸着フィルムからなる場合は、加工時の取り扱い等の観点から、蒸着膜の側がプラスチック基材層と接するように積層することが好ましい。
さらに、ガスバリア性フィルムとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂又はポリアクリロニトリル系樹脂の少なくともいずれか一種からなるガスバリア性フィルムを用いることもできる。好適に使用されるこれらのガスバリア性フィルムの厚さは、5〜30μm程度である。
また、バリア層は、上記の各種ガスバリア性フィルムの中から2種以上を選択して用いてもよい。
本発明の包装材料がバリア層を有する場合、バリア層とプラスチック基材とは、製造コスト及び要求される耐内容物性等を考慮して、熱可塑性樹脂を介するサンドイッチラミネート法や、ドライラミネート用接着剤を介するドライラミネート法等の任意の方法により積層することができる。
この際に、プラスチック基材層の表面には、コロナ処理、火炎処理、アンカーコート処理等の表面処理を行ってもよく、またバリア層の表面にはインラインでコロナ処理、オゾン処理等を行ってもよい。サンドイッチラミネートに用いられる熱可塑性樹脂としては、熱によって溶融し、相互に融着し得る任意の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を使用することができ、例えば、LDPE、MDPE、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体等を使用することができる。
本発明においては、プラスチック基材層、バリア層、該バリア層上に隣接して積層されたアンカーコート層、該アンカーコート層上に隣接して積層された中間層、及び該中間層上に隣接して積層されたシーラント層を有する構成とすることができる。
その際の該アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含むポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散体中には不揮発性水性化助剤を実質的に含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布、加熱乾燥して形成することができる。
6.表面保護層
本発明の包装材料は、製函時に最外層となる表面保護層として、任意のポリエチレン樹脂(PE)からなる層を、シーラント層と反対側の表面に有してもよい。
表面保護層は、プラスチック基材層の外部を保護すると共に、包装材料の端の部分においては、シーラント層と加熱により貼り合わせられる。ポリエチレンとしては、LDPE、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、MDPE、高密度ポリエチレン(HDPE)等が用いられ、特に限定されないが、本発明の包装材料のシーラント層とのシール性及び加工適性の観点から、LDPE及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が好ましく用いられる。
表面保護層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、プラスチック基材層の一方の面に溶融ポリエチレン樹脂を押出コーティングすることにより形成される。表面保護層は、容器の表面となる層であるが、さらに表面に印刷層を設けることができ、印刷層に用いられる印刷インキの密着性の向上を図るために表面に例えばコロナ処理等の表面処理を施すこともできる。表面保護層の厚さは、特に限定されないが、通常、10〜60μm程度である。
7.アンカーコート層
本発明においては、プラスチック基材層、バリア層、該バリア層上に隣接して積層されたアンカーコート層、該アンカーコート層上に隣接して積層された中間層、及び該中間層上に隣接して積層されたシーラント層を有する構成とすることができる。
その際の該アンカーコート層は、不飽和カルボン酸又はその無水物を0.01〜5質量%含むポリオレフィン共重合樹脂をその数平均粒子径が1μm以下となるように分散した水性分散液であって、且つその水性分散体中には不揮発性水性化助剤を実質的に含まないように形成された水性分散液を、前記バリア層面に乾燥時の厚みが0.1〜2μmとなるように塗布、加熱乾燥して形成することができる。
8.包装材料の使用
本発明の包装材料は、特に内容物の品質保持性が要求される容器を形成するために、好適に使用することができる。
本発明の包装材料からの容器の製造は、通常、次のようにして行われる。すなわち、本発明の包装材料の表面に、必要に応じて印刷を行った後、打ち抜き、端面をスカイブ・ヘミングして内容物が端面に接触しないようにし、充填機内でボトム部及びトップ部を熱風加熱、火炎加熱等によりヒートシールして容器とする。
この容器の形状については、用途・目的等に応じて適宜に決定すればよく、例えばゲーブルトップタイプ、ブリックタイプ、フラットタイプ等が挙げられ、また、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等が挙げられる。この容器の注出口には、たとえばポリエチレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜に設けてもよい。
容器の内容物も、特に限定されず、固体、例えばコーヒー粉末や砂糖、またはゲル状のものであっても、液体、例えば酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター等の各種の飲料品、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ等の種々の液体飲食物、食用油、機械用油、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品、その他シャンプー、リンス、洗剤等の化成品等であってもよい。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(1)LLDPE(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、ユメリット 0520F)をベースレジンとして、これにシリカ(平均粒径4.9μm)を全体の10質量%となる量で添加し、無機系フィラー含有マスターバッチを作成した。該マスターバッチ30質量%、LLDPE(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、ユメリット 0520F)30質量%及び環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)社製 TOPAS 8007F−500)40質量%をブレンドして、上記第二の層を調製した。
(2)LDPE(日本ポリエチレン製、ノバテック LC522)、LLDPE(株式会社プライムポリマー製、ウルトゼックス 1520L)と、上記第一の層である環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)社製 TOPAS 8007F−500:環状オレフィンコポリマー97質量%、LLDPE3質量%含有)、及び上記(1)に記載の無機系フィラー含有LLDPE層用樹脂組成物を用いて、共押出インフレーション法により、LDPE層5μm/LLDPE層17.5μm/第一の層5μm/第二の層7.5μmの4層からなる厚さ40μmのシーラントフィルムを製膜した。得られたシーラントフィルムは、ゲル塊のない、美麗な膜表面を有していた。なお、本願明細書の積層体の記載において、「/」はその左右の層が積層一体化されていることを示す。
(3)2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を厚さ12μmのアルミ蒸着PETフィルムにドライラミネーション法により積層して、ガスバリア性フィルムを製膜した。このときの接着剤の塗布量は、接着剤の厚さが乾燥皮膜として3g/m2となる量とした。
(4)上記(2)で得られたシーラントフィルムのLDPEの面と上記(3)で作製したガスバリア性フィルムのアルミ蒸着PETの面と対向させ、その間に厚さ20μmのLDPE(日本ポリエチレン製、ノバテック LC600A)を押出してサンドイッチラミネートし、PET/ドライラミネート用接着剤/アルミ蒸着PET/LDPE/(LDPE層/LLDPE層/第一の層/第二の層)からなる本発明の包装材料を得た。
[比較例1]
第一の層の代わりに、LLDPE層を使用した以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
[比較例2]
第二の層の代わりに、LLDPE層を使用した以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
[比較例3]
第一及び第二の層の代わりに、LLDPEを使用した以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
[比較例4]
第二の層の代わりに、第一の層を使用した以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
[比較例5]
第二の層を、マスターバッチ30質量%、LLDPE60質量%及び環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)社製 TOPAS 8007F−500)10質量%ブレンドとした以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
[比較例6]
第二の層を、マスターバッチ30質量%、環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチック(株)社製 TOPAS 8007F−500)70質量%ブレンドとした以外は、実施例1と同様にして包装材料を作製した。
[吸着性試験]
実施例1及び比較例1〜6の包装材料を用いて、130mm×170mmの袋状の紙容器を作成し、メントール濃度が5μg/mlとなるように調製したメントール−エタノール溶液100mlを充填した。
50℃の雰囲気下で2週間保存した後、溶液中のメントール含有量をGC/MS法により測定した。測定値と保存前のメントール含有量との差から、紙容器の内壁1cm2当たりのメントール吸着量を求めた。
実施例1の包装材料からなる紙容器では、メントールの吸着量は低い値に抑えられていた。これに対し、比較例1の包装材料からなる紙容器は、多量のメントールを吸着していた。
[ヒートシール性試験]
実施例1及び比較例1〜6の包装材料を用いて、130mm×170mmに切り取り基材層を外側にして2枚を重ね合せ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製TP-701S HEAT
SEAL TESTER)で、160℃で1秒間、圧力1kgf/cm2でヒートシールした。
メントール濃度が5μg/mlとなるように調製したメントール−エタノール溶液100mlを充填した。50℃で2週間保存前後のシール強度を測定する。
保存前後のシール部分を幅15mmの短冊状に切り出し、テンシロン引張試験機((株)オリエンテック製 RTC-1310A)を用いて圧着されたシール部を引き剥がし、シール強度を測定した。このときの引張速度は300mm/分とした。
メントール吸着性試験結果およびヒートシール性試験結果を以下の表1に示す。
Figure 0006241113
実施例1の包装材料はいずれも、吸着量が少なく、保存後もシール強度を維持できている。
比較例1:メントール吸着量が多くなる。
比較例2:環状ポリオレフィンとLLDPEとの接着が弱いため保存後のシール強度が弱くなる。
比較例3:メントール吸着量が多くなる。
比較例4:シール強度が弱いため紙容器として使用することは難しい。
比較例5:環状ポリオレフィンとLLDPEとの接着が弱いため保存後のシール強度が弱くなる。
比較例6:シール強度が弱いため紙容器として使用することは難しい。
1.プラスチック基材層
2.中間層
3.直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層
4.直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層
5.表面保護層
6.接着樹脂層
7.バリア層
8.直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層

Claims (5)

  1. 少なくとも、プラスチック基材層、中間層、及び該中間層上に隣接して積層されたシーラント層を有する包装材料であって、
    該シーラント層は、中間層側に配置された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層と、
    該第一の層上に設けられた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層からなる2層の層であり、
    該第一の層における環状ポリオレフィン系樹脂の比率は90〜99質量%であって直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率は1〜10質量であり、
    該第二の層における環状ポリオレフィン系樹脂の比率は30〜50質量%であって直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率は45〜65質量%であるか、または、
    該シーラント層は、中間層側に配置された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層、及び該第一の層とは直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂との混合比率の異なる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と環状ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層をこの順に設けた3層からなる層であり、
    該第一の層における環状ポリオレフィン系樹脂の比率は90〜99質量%であって直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率は1〜10質量であり、
    該第二の層における環状ポリオレフィン系樹脂の比率は30〜50質量%であって直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の比率は45〜65質量%である、
    上記の包装材料。
  2. 前記シーラント層は、前記第二の層が無機系フィラーを含有していることを特徴とする、請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記プラスチック基材層がさらにバリア層を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装材料。
  4. 前記バリア層が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルム及びポリアクリロニトリル系樹脂フィルムからなる群より選択される少なくとも1種からなる層であることを特徴とする、請求項3に記載の包装材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装材料を、シーラント層が最内層となるように製函してなる容器。
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