JP2018034813A - 水性飲料用フィルムバッグ - Google Patents

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和志 栗原
Kazushi Kurihara
和志 栗原
尚美 辻本
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Abstract

【課題】水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生が抑制された水性飲料用フィルムバッグを提供すること。【解決手段】ポリエチレン系樹脂及びガラス転移温度が50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を含有する最内層と、該最内層の外側に隣接する、ガラス転移温度が50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、該高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の外側に隣接するポリエチレン系樹脂層と、該ポリエチレン系樹脂層の外側に配置されている樹脂基材層と、を備えている共押出フィルムバッグであって、前記最内層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜20%であり、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜15%であることを特徴とする水性飲料用フィルムバッグ。【選択図】なし

Description

本発明は、水性飲料用フィルムバッグに関し、より詳しくは、天然水等の水性飲料が充填され、ウォーターサーバー等の水性飲料供給装置に装着されるフィルムバッグに関する。
ウォーターサーバー等の水性飲料供給装置には、水性飲料を収容する容器として、硬質樹脂製のボトルが用いられている(例えば、特開2005−335713号公報(特許文献1))。この硬質樹脂製のボトルは、使用後に回収することによって繰り返して使用することが可能であるが、回収されるまで保管しておくスペースが必要であった。このため、広い保管スペースの確保が困難な場合でも使用可能な水性飲料収容容器として、資源ごみとしてリサイクルが可能なポリエチレン製の液体包装袋が開発されている(特開2013−18504号公報(特許文献2))。
特開2005−335713号公報 特開2013−18504号公報
しかしながら、従来のフィルムバッグ(液体包装袋)に天然水等の水性飲料を充填して長期間保管すると、水性飲料から異味が発生する場合があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生が抑制された水性飲料用フィルムバッグを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、最内層としてポリエチレン系樹脂及びガラス転移温度が50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を含有する特定の厚みの層を備え、その外側に隣接する層としてガラス転移温度が50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層を備えるフィルムバッグにおいては、フィルム中の有機成分の溶出が少なく、また、水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の水性飲料用フィルムバッグは、ポリエチレン系樹脂及びガラス転移温度が50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を含有する最内層と、該最内層の外側に隣接する、ガラス転移温度が50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、該高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の外側に隣接するポリエチレン系樹脂層と、該ポリエチレン系樹脂層の外側に配置されている樹脂基材層と、を備えている共押出フィルムバッグであって、
前記最内層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜20%であり、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜15%であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の水性飲料用フィルムバッグにおいて、前記樹脂基材としては、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる層を含むものであることが好ましい。
このような本発明の水性飲料用フィルムバッグにおける内容物としては、飲料水が好ましく、天然水がより好ましく、非加熱天然水が特に好ましい。
本発明によれば、フィルム中の有機成分の溶出が少なく、また、水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生が抑制され、さらに、最内層が高いシール強度を有し、また、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合でも破袋しにくい水性飲料用フィルムバッグを提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の水性飲料用フィルムバッグ(以下、単に「本発明のフィルムバッグ」という)は、ポリエチレン系樹脂及びガラス転移温度が50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を含有する最内層と、該最内層の外側に隣接する、ガラス転移温度が50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、該高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の外側に隣接するポリエチレン系樹脂層と、該ポリエチレン系樹脂層の外側に配置されている樹脂基材層と、を備えるものである。
本発明のフィルムバッグの用途としては、水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生を抑制するという本発明の目的により適しているという観点から、飲料水の収容用途が好ましく、天然水の収容用途がより好ましく、非加熱天然水の収容用途であることが特に好ましい。
(最内層)
本発明にかかる最内層は、ポリエチレン系樹脂及びガラス転移温度が50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂(低Tg環状ポリオレフィン系樹脂)のうちの少なくとも1種の樹脂により形成されるものである。このような最内層は、本発明のフィルムバッグにおいてシーラント層として機能し、高いシール強度を有するものであり、また、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合でも破袋しにくくする役割を果たすものである。
前記ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のエチレン単独重合体;エチレンと他のコモノマーとのエチレン共重合体が挙げられる。前記コモノマーとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。このようなポリエチレン系樹脂のうち、最内層のシール強度が高くなるという観点から、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましく、さらに、水性飲料を充填して長期間保管した場合に水性飲料から異味がより発生しにくいという観点から、メタロセン触媒を用いて重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)がより好ましい。本発明においては、このようなポリエチレン系樹脂として、(株)プライムポリマー製の「エボリュー(登録商標)」、日本ポリエチレン(株)製「ハーモレックス」及び「カーネル」(メタロセン触媒を用いて重合したLLDPEの市販品)等の市販のポリエチレン系樹脂を用いてもよい。
前記低Tg環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ガラス転移温度(Tg)が50℃未満となるように環状オレフィンとα−オレフィンとの割合を調整してこれらを共重合させた環状オレフィン/α−オレフィン共重合体が挙げられる。なお、このような環状オレフィン/α−オレフィン共重合体においては、環状オレフィンの割合を少なくすることによって、Tgを低くすることができる。また、最内層のシール強度が更に高くなり、また、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合でもより破袋しにくくなるという観点から、前記低Tg環状ポリオレフィン系樹脂のTgとしては6〜40℃が好ましく、6〜20℃がより好ましく、6〜10℃が特に好ましい。
前記環状オレフィンとしては特に制限はないが、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン、ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン等のノルボルネン骨格を有するものが挙げられ、中でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンが好ましい。また、このような環状オレフィンに、エステル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基等の極性基、メチル基、エチル基等のアルキル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基等が置換した環状オレフィン誘導体も使用することができる。また、前記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、中でも、エチレンが好ましい。
本発明においては、このような低Tg環状ポリオレフィン系樹脂として、ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)E−140」(Tg=6℃のエチレン−ノルボルネン共重合体の市販品)等の市販のTgが50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。
また、本発明においては、Tgが異なる2種以上の環状ポリオレフィン系樹脂(Tgが50℃未満のものに限定されない)を混合してTgが50℃未満(好ましくは6〜40℃、より好ましくは6〜20℃、特に好ましくは6〜10℃)のブレンドポリマーを調製し、これを前記低Tg環状ポリオレフィン系樹脂として使用してもよい。なお、2種以上の環状ポリオレフィン系樹脂を混合したブレンドポリマーのTgBL[単位:K]は下記のFoxの式:
(1/TgBL)=(w/Tg)+(w/Tg)+・・・+(w/Tg
(式中、Tg、Tg、・・・、Tgは各環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度[単位:K]を表し、w、w・・・、wは各環状ポリオレフィン系樹脂の質量分率を表し、0<w、w、・・・、w<1、w+w+・・・+w=1である。)
によって求められる。
さらに、本発明にかかる最内層においては、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング剤、難燃化剤、充填剤、着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
(高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層)
本発明にかかる高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層は、ガラス転移温度が50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂(高Tg環状ポリオレフィン系樹脂)を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物により形成されるものである。このような高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層は、本発明のフィルムバッグにおいて、有機成分の溶出が少なく、また、水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生を抑制する役割を果たすものである。なお、本発明において、高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層は、高Tg環状ポリオレフィン系樹脂と他の成分を含有する層だけでなく、高Tg環状ポリオレフィン系樹脂のみからなる層を包含する概念である。
前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、環状オレフィンを開環メタセシス重合させた、Tgが50℃以上の環状オレフィン開環重合体;Tgが50℃以上となるように環状オレフィンとα−オレフィンとの割合を調整してこれらを共重合させた環状オレフィン/α−オレフィン共重合体が挙げられる。なお、環状オレフィン/α−オレフィン共重合体においては、環状オレフィンの割合を多くすることによって、Tgを高くすることができる。また、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂のTgとしては特に制限はないが、130℃以下が好ましい。
前記環状オレフィンとしては特に制限はなく、前記低Tg環状ポリオレフィン系樹脂において例示した環状オレフィン及び環状オレフィン誘導体が挙げられ、中でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンが好ましい。また、前記α−オレフィンについても特に制限はなく、前記低Tg環状ポリオレフィン系樹脂において例示したα−オレフィンが挙げられ、中でも、エチレンが好ましい。
本発明においては、このような高Tg環状ポリオレフィン系樹脂として、ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)8007F−04」(Tg=78℃のエチレン−ノルボルネン共重合体の市販品)やポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)9506F−04」(Tg=65℃のエチレン−ノルボルネン共重合体の市販品)等の市販のTgが50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。
また、本発明においては、Tgが異なる2種以上の環状ポリオレフィン系樹脂(Tgが50℃以上のものに限定されない)を混合してTgが50℃以上のブレンドポリマーを調製し、これを前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂として使用してもよい。なお、2種以上の環状ポリオレフィン系樹脂を混合したブレンドポリマーのTgBL[単位:K]は下記のFoxの式:
(1/TgBL)=(w/Tg)+(w/Tg)+・・・+(w/Tg
(式中、Tg、Tg、・・・、Tgは各環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度[単位:K]を表し、w、w・・・、wは各環状ポリオレフィン系樹脂の質量分率を表し、0<w、w、・・・、w<1、w+w+・・・+w=1である。)
によって求められる。
また、本発明にかかる高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層においては、異味の発生が確実に抑制されるという観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等の他のオレフィン系樹脂が含まれていない(他のオレフィン系樹脂の含有量が0質量%)ことが特に好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、前記他のオレフィン系樹脂が含まれていてもよく、その含有量としては、組成物層全体に対して0〜30質量%が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、0〜2質量%がさらに好ましい。
さらに、本発明にかかる高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層においては、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃化剤、充填剤、着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
(ポリエチレン系樹脂層)
本発明にかかるポリエチレン系樹脂層は、エチレン単独重合体、エチレン共重合体等のポリエチレン系樹脂により形成されるものである。このようなポリエチレン系樹脂層は、高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層に隣接する柔軟性を有する中間層であり、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合でもより破袋しにくくする役割を果たすものである。
前記エチレン単独重合体としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。また、前記エチレン共重合体におけるコモノマーとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが挙げられる。このようなポリエチレン系樹脂のうち、フィルムバッグの柔軟性及び強度の観点から、直鎖状低密度ポリオレフィン(LLDPE)が好ましい。また、このようなポリエチレン系樹脂のうち、その構造が均一であるという観点から、メタロセン触媒を用いて重合したものがより好ましい。
さらに、本発明にかかるポリエチレン系樹脂層においては、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング剤、難燃化剤、充填剤、着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
(樹脂基材層)
本発明にかかる樹脂基材層としては特に制限はないが、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の基材用樹脂により形成されるものである。前記基材用樹脂は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、2種以上の基材用樹脂を併用する場合、これらを混合して1層の混合樹脂基材層を形成してもよいし、2層以上の樹脂層を備える樹脂基材層を形成してもよい。
前記ポリアミド樹脂としては、例えば、6−ポリアミド、7−ポリアミド、11−ポリアミド、12−ポリアミド等の単独重合ポリアミド樹脂;6,6−ポリアミド、6,7−ポリアミド、6,10−ポリアミド、6,12−ポリアミド、メタキシレンジアミン−アジピン酸共縮重合体等の共重合ポリアミド樹脂;6−ポリアミドと12−ポリアミドとの共縮重合体、6−ポリアミドと6,6−ポリアミドとの共縮重合体等の2種以上のポリアミド樹脂の共縮重合体が挙げられる。また、前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。
本発明のフィルムバッグにおいては、樹脂基材層(2層以上の樹脂層を備える樹脂基材層の場合には、そのうちの少なくとも1層の樹脂層)にガスバリア性、保香性等の各種機能を付与してもよい。ガスバリア性を有する層(ガスバリア層)を形成するための樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、メタキシレンジアミン−アジピン酸共縮重合体(ナイロンMXD6)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。また、保香性を有する層を形成するための樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等が挙げられる。
さらに、本発明にかかる樹脂基材層においては、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃化剤、充填剤、着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
(接着層)
本発明のフィルムバッグにおいては、必要に応じて、前記ポリエチレン系樹脂層と前記樹脂基材層との間や、2層以上の樹脂層を備える樹脂基材層における各層間に接着層を配置してもよい。これにより、各層間の接着性が向上する。このような接着層に用いられる接着性樹脂としては特に制限はないが、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン等の不飽和脂肪族カルボン酸無水物で変性されたポリオレフィン系樹脂;無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体エラストマー等の不飽和脂肪族カルボン酸無水物で変性されたオレフィン共重合体エラストマー;無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等の不飽和脂肪族カルボン酸無水物で変性されたエチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和脂肪族カルボン酸との共重合体等が挙げられる。
(水性飲料用フィルムバッグ及びその製造方法)
本発明の水性飲料用フィルムバッグは、ポリエチレン系樹脂及び低Tg環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を含有する最内層と、この最内層の外側に隣接する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、この高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の外側に隣接するポリエチレン系樹脂層と、このポリエチレン系樹脂層の外側に配置されている樹脂基材層と、必要に応じて前記ポリエチレン系樹脂層と前記樹脂基材層との間に前記接着層とを備えるものである。
また、本発明のフィルムバッグにおいては、前記樹脂基材層の外側に更にポリオレフィン系樹脂層、ポリアミド系樹脂層、ポリエステル系樹脂層等から選択される少なくとも1種の樹脂層を配置してもよい。これにより、強度や保香性に優れたフィルムバッグを得ることができる。前記ポリオレフィン系樹脂層としては特に制限はなく、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のエチレン単独重合体により形成された層、エチレンと他のα−オレフィン(例えば、プロピレン等)との共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレン共重合体により形成された層、ポリプロピレン系樹脂により形成された層が挙げられる。
さらに、本発明のフィルムバッグは、内容物を容易に目視できる透明性を有するという観点から、それを構成する全ての層が透明性が良好な樹脂により形成されていること、すなわち、アルミ箔等の無機金属層を含まないものであることが好ましい。
本発明のフィルムバッグ全体の厚みとしては特に制限はないが、50〜250μmが好ましく、80〜200μmがより好ましく、80〜180μmが特に好ましい。フィルムバッグ全体の厚みが前記下限未満になると、十分な強度のフィルムバッグを得ることができない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フィルムが硬くなりピンホールが発生しやすかったり、廃棄の際に体積が大きくなったりする傾向にある。
また、本発明のフィルムバッグにおいて、前記最内層の厚みは、フィルムバッグ全体の厚みに対して2〜20%である。最内層の厚みの割合が前記下限未満になると、最内層を容易に形成できず、また、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合に破袋する。他方、前記上限を超えると、最内層が主としてポリエチレン系樹脂を含有する層の場合には、水性飲料を充填して長期間保管した場合に水性飲料から異味が発生し、最内層が主として低Tg環状ポリオレフィン系樹脂を含有する層の場合には、フィルムバッグが高価なものとなり、経済性の面で実用的ではない。さらに、前記最内層の厚みの下限値は通常1μm以上である。最内層の厚みが1μm未満になると、最内層を形成することが困難となり、また、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合に破袋する傾向にある。
さらに、本発明のフィルムバッグにおいて、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みは、フィルムバッグ全体の厚みに対して2〜15%である。高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みの割合が前記下限未満になると、高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層を容易に形成できず、他方、前記上限を超えると、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合に破袋する。また、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みが前記範囲内にあると、有機成分の溶出が少なくなり、さらに、水性飲料を充填して長期間保管した場合に水性飲料からの異味の発生がより確実に抑制される。また、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みの下限値は通常1μm以上である。高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みが1μm未満になると、高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層を形成することが困難となる傾向にある。
さらに、本発明のフィルムバッグにおいて、前記ポリエチレン系樹脂層の厚みとしては特に制限はなく適宜設定することができるが、フィルムバッグ全体の厚みに対して20〜70%が好ましく、30〜60%がより好ましく、35〜50%が特に好ましい。ポリエチレン系樹脂層の厚みの割合が前記下限未満になると、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合に破袋しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、相対的に樹脂基材層の厚みが薄くなるため、フィルムバッグの強度が低下する傾向にある。また、前記樹脂基材層の厚みとしては特に制限はなく適宜設定することができるが、フィルムバッグ全体の厚みに対して10〜50%が好ましく、15〜45%がより好ましく、20〜40%が特に好ましい。樹脂基材層の厚みの割合が前記下限未満になると、フィルムバッグの強度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、相対的に前記ポリエチレン系樹脂層の厚みが薄くなるため、水性飲料を充填したフィルムバッグが繰り返し落下した場合に破袋しやすい傾向にある。
また、本発明のフィルムバッグが接着層を備えている場合、その厚みとしては、フィルムバッグ全体の厚みに対して1〜40%が好ましく、5〜35%がより好ましく、10〜30%が特に好ましい。
このような本発明の水性飲料用フィルムバッグは、前記ポリエチレン系樹脂及び前記低Tg環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂、前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物、前記ポリエチレン系樹脂、前記基材用樹脂、及び必要に応じて前記接着性樹脂を共押出し、得られた多層フィルムをシールすることによって製造することができる。このように共押出によって製造されたフィルムバッグは、他の方法(例えば、ラミネート)によって製造されたフィルムバッグに比べて、柔軟性に優れたものとなる。
共押出の方法としては特に制限はなく、例えば、多層Tダイを用いて共押出する方法、多層環状ダイを用いて共押出する方法等が挙げられる。シール方法としては特に制限はなく、例えば、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法を適宜採用することができる。また、共押出時やシール時の条件は、公知の条件を、使用する樹脂の物性に応じて適宜設定することができる。
このようにして得られる本発明のフィルムバッグに天然水等の水性飲料を充填する方法としては、フィルムバッグを製造する際に、周辺端部の一辺をシールせずに、開口部を設け、この開口部から水性飲料を注入した後、開口部をシールして密封してもよいし、水性飲料注入口を備える密閉型のフィルムバッグを製造し、この注入口から水性飲料を充填してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
第一層を形成するためのポリエチレン系樹脂(PE)としてメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン系樹脂((株)プライムポリマー製「エボリュー(登録商標)」)を使用し、第二層を形成するための高Tg環状ポリオレフィン系樹脂(高TgCOC)としてエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)8007F−04」、Tg=78℃)を使用し、第三層を形成するためのポリエチレン系樹脂(PE)としてメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン系樹脂((株)プライムポリマー製「エボリュー(登録商標)」)を使用し、接着性樹脂としてポリエチレン系接着性樹脂(三菱化学(株)製「アドテックス」。以下、「AD」と略す。)を使用し、樹脂基材層を形成するための樹脂としてナイロン6(宇部興産(株)製「UBEナイロン」。以下、「NY6」と略す。)を使用し、インフレーション成形用多層環状ダイを用いて5種5層の共押出を行い、PE層(15)/高TgCOC層(10)/PE層(45)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。なお、各層の括弧内の数値はフィルム全体に対する厚みの割合(単位:%)を表す(以下、同様)。得られたフィルム2枚を第一層のPE層が最内層となるように重ねてヒートシールを行い、三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(実施例2)
第二層を形成するための高TgCOCとして、Tg=78℃のエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)8007F−04」)とTg=6℃のエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)E−140」)とを質量比70:30で混合して調製したブレンドポリマー(Tg=53℃)を使用した以外は実施例1と同様にして、PE層(15)/高TgCOC層(10)/PE層(45)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が第一層のPE層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(実施例3)
第一層を形成するための樹脂としてPEの代わりに低Tg環状ポリオレフィン系樹脂(低TgCOC)であるエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)E−140」、Tg=6℃)を使用し、フィルム全体に対する第一層及び第三層の厚みの割合を変更した以外は実施例1と同様にして、低TgCOC層(20)/高TgCOC層(10)/PE層(40)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が第一層の低TgCOC層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(比較例1)
高TgCOCの代わりにメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン系樹脂((株)プライムポリマー製「エボリュー(登録商標)」)を使用して第二層としてポリエチレン系樹脂層(PE層)を形成し、フィルム全体に対する第一層及び第三層の厚みの割合を変更した以外は実施例1と同様にして、PE層(20)/PE層(10)/PE層(40)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が第一層のPE層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(比較例2)
高TgCOCの代わりにメタロセン触媒を用いて重合したポリエチレン系樹脂((株)プライムポリマー製「エボリュー(登録商標)」)を使用して第二層としてポリエチレン系樹脂層(PE層)を形成し、フィルム全体に対する第一層〜第三層の厚みの割合を変更した以外は実施例3と同様にして、低TgCOC層(5)/PE層(20)/PE層(45)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が第一層の低TgCOC層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(比較例3)
低TgCOCの代わりにエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)8007F−04」、Tg=78℃)を使用して第一層として高TgCOC層を形成した以外は比較例2と同様にして、高TgCOC層(5)/PE層(20)/PE層(45)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が第一層の高TgCOC層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(比較例4)
高TgCOCの代わりに、Tg=78℃のエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)8007F−04」)とTg=6℃のエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)E−140」)とを質量比50:50で混合して調製したブレンドポリマー(Tg=37℃)を使用して第二層として低TgCOC層を形成し、フィルム全体に対する第一層及び第二層の厚みの割合を変更した以外は実施例3と同様にして、低TgCOC層(15)/低TgCOC層(15)/PE層(40)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が低TgCOC層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(比較例5)
フィルム全体に対する第一層〜第三層の厚みの割合を変更した以外は実施例1と同様にして、PE層(25)/高TgCOC層(10)/PE層(35)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層がPE層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
(比較例6)
低TgCOCの代わりに、Tg=78℃のエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)8007F−04」)とTg=6℃のエチレン−ノルボルネン共重合体(ポリプラスチック(株)製「TOPAS(登録商標)E−140」)とを質量比70:30で混合して調製したブレンドポリマー(Tg=53℃)を使用して第一層として高TgCOC層を形成した以外は実施例3と同様にして、高TgCOC層(20)/高TgCOC層(10)/PE層(40)/AD層(10)/NY6層(20)の5層からなり、膜厚が120μmのフィルムを作製した。さらに、実施例1と同様にして、最内層が第一層の高TgCOC層である三方袋(375mm×355mm、140mm×190mm、150mm×155mmの3種類)を作製した。
<シール強度測定>
実施例及び比較例で得られたフィルム2枚を第一層が対向するように重ね、フィルム全面に対してシールテスター(テスター産業(株)製「ヒートシールテスター」)を用いて170℃、200kPaで1秒間ヒートシールを施し、得られた積層フィルムからシール強度測定用試験片(50mm×15mm)を切出した。この試験片のシール部について、テンシロン引張試験機((株)島津製作所製「オートグラフ」)を用いて300mm/分の引張速度で180°剥離試験を実施した。その結果を表1に示す。
<落袋試験>
実施例及び比較例で得られた三方袋(375mm×355mm)に水7.5Lを入れ、開口部をシールして密閉した後、1mの高さから10回落下させ、破袋の有無を確認した。この落袋試験を3つのフィルムバッグについて行い、破袋したフィルムバッグの個数で評価した。その結果を表1に示す。
<TOC溶出量測定>
実施例及び比較例で得られた三方袋(140mm×190mm)に蒸留水250mlを入れ、開口部をシールして密閉した後、23℃で1週間保管した。保管後の蒸留水中の全有機炭素(TOC)量を測定し、蒸留水1L中に溶出したTOC量を算出した。その結果を表1に示す。
<味覚試験>
実施例及び比較例で得られた三方袋(150mm×155mm)に市販の非加熱天然水250mlを入れ、開口部をシールして密閉し、温度40℃、相対湿度90%RHの条件で7週間保管した。保管後の水について異味の有無を確認した。この味覚試験を5人に対して行い、異味を感じた人数が0人の場合には「異味なし」、1人でも異味を感じた場合には「異味あり」と判定した。その結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、最内層がポリエチレン系樹脂層(PE層)又は低Tg環状ポリオレフィン系樹脂層(低TgCOC層)であるフィルムバッグ(実施例1〜3及び比較例1〜2、4〜5)は、シール強度が高く、また、1mの高さから10回落下させても破袋しにくいものであった。一方、最内層が高Tg環状ポリオレフィン系樹脂層(高TgCOC層)であるフィルムバッグ(比較例3、6)は、破袋しやすいものであった。また、比較例3のフィルムバッグは、シール強度が低いものであった。
また、最内層及びその外側に隣接する第二層のうちの少なくとも一方が高TgCOC層であり、最内層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜20%であるフィルムバッグ(実施例1〜3及び比較例3、6)においては、長期間保管後の水から異味は発生しなかった。また、実施例1及び比較例3のフィルムバッグは、TOC溶出量が少ないものであった。一方、最内層及び第二層がPE層又は低TgCOC層であるフィルムバッグ(比較例1〜2、4)並びに最内層がPE層であり、第二層が高TgCOC層であっても、最内層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して20%を超えるフィルムバッグ(比較例5)においては、長期間保管後の水から異味が発生した。また、比較例1のフィルムバッグはTOC溶出量が多いものであった。
以上の結果から明らかなように、最内層がPE層又は低TgCOC層であり、その厚みがフィルム全体に対して2〜20%であり、最内層の外側に隣接する第二層が高TgCOC層であるフィルムバッグ(実施例1〜3)は、シール強度が高く、また、落下した場合でも破袋しにくく、さらに、水を充填して長期間保管しても異味を発生しないものであった。
これに対して、最内層及び第二層がPE層又は低TgCOC層であるフィルムバッグ(比較例1〜2、4)並びに最内層がPE層であり、第二層が高TgCOC層であっても、最内層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して20%を超えるフィルムバッグ(比較例5)は、シール強度が高く、また、落下した場合でも破袋しにくいものであったが、水を充填して長期間保管した場合には異味を発生するものであった。また、最内層が高TgCOC層であるフィルムバッグ(比較例3、6)は、水を充填して長期間保管しても異味を発生しないものであったが、落下した場合に破袋しやすいものであった。
以上説明したように、本発明によれば、フィルム中の有機成分の溶出が少なく、また、水性飲料を充填して長期間保管した場合でも水性飲料からの異味の発生が抑制され、さらに、最内層が高いシール強度を有し、また、水性飲料を充填したフィルムバッグが落下した場合でも破袋しにくい水性飲料用フィルムバッグを提供することが可能となる。
したがって、本発明の水性飲料用フィルムバッグは、ウォーターサーバー等の水性飲料供給装置における水性飲料収容容器として有用である。

Claims (5)

  1. ポリエチレン系樹脂及びガラス転移温度が50℃未満の環状ポリオレフィン系樹脂のうちの少なくとも1種の樹脂を含有する最内層と、
    該最内層の外側に隣接する、ガラス転移温度が50℃以上の環状ポリオレフィン系樹脂を含有する高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、
    該高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の外側に隣接するポリエチレン系樹脂層と、
    該ポリエチレン系樹脂層の外側に配置されている樹脂基材層と、
    を備えている共押出フィルムバッグであって、
    前記最内層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜20%であり、
    前記高Tg環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みがフィルムバッグ全体の厚みに対して2〜15%であることを特徴とする水性飲料用フィルムバッグ。
  2. 水性飲料が飲料水であることを特徴とする請求項1に記載の水性飲料用フィルムバッグ。
  3. 飲料水が天然水であることを特徴とする請求項2に記載の水性飲料用フィルムバッグ。
  4. 天然水が非加熱天然水であることを特徴とする請求項3に記載の水性飲料用フィルムバッグ。
  5. 前記樹脂基材が、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる層を含むものであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の水性飲料用フィルムバッグ。
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