JP3075144B2 - 保香性包装体 - Google Patents

保香性包装体

Info

Publication number
JP3075144B2
JP3075144B2 JP07159670A JP15967095A JP3075144B2 JP 3075144 B2 JP3075144 B2 JP 3075144B2 JP 07159670 A JP07159670 A JP 07159670A JP 15967095 A JP15967095 A JP 15967095A JP 3075144 B2 JP3075144 B2 JP 3075144B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
olefin
resin
copolymer
layer
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07159670A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0911416A (ja
Inventor
卓郎 伊藤
直樹 深沢
吉次 丸橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP07159670A priority Critical patent/JP3075144B2/ja
Publication of JPH0911416A publication Critical patent/JPH0911416A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3075144B2 publication Critical patent/JP3075144B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tubes (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保香性包装体に関する
もので、より詳細にはオレフィンと環状オレフィンとの
非晶質乃至低結晶性共重合体を含有して成る層を中間層
として備え、保香性及び保水性並びに耐内容物性等に優
た圧潰性多層容器に芳香成分を含有する内容物を充填
し密封して成る保香性包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製の圧潰性押出容器は、練
り歯磨き、化粧料、トイレタリー製品、各種薬品、糊乃
至接着剤、高粘性調味料乃至食品等の種々の内容物を収
容する包装容器として広く使用されている。
【0003】この圧潰性容器においては、内容物を絞り
出すための柔軟性が要求されるため、低密度ポリエチレ
ンやエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合
体が使用されている。
【0004】容器壁を通しての酸素の透過を防止するた
めに、酸素バリアー性樹脂を使用することも古くから知
られており、例えば、低密度ポリエチレンの内外層及び
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレンビニ
ルアルコール共重合体)の中間層から成る多層押出チュ
ーブ容器も既に知られている(例えば、特公昭57−3
3223号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エチレンビニルアルコ
ール共重合体等の酸素バリアー性樹脂を用いた多層容器
は、器壁を通しての酸素ガスの透過が少なく、しかもあ
る程度保香性にも優れているものの、芳香成分のバリア
ー性が未だ十分でないという問題がある。更に、エチレ
ンビニルアルコール共重合体のようなガスバリアー性樹
脂は、水蒸気に対する透過性がかなり大きく、しかも水
蒸気の吸湿によりガスバリアー性そのものが低下すると
いう欠点もある。
【0006】本発明者らは、オレフィンと環状オレフィ
ンとの非晶質乃至低結晶性共重合体を、多層容器の中間
層として使用すると、耐内容物性やシール性等に悪い影
響を与えることなしに、この容器の保香性や水分保持性
を顕著に向上させうることを見いだした。
【0007】即ち、本発明の目的は、オレフィンと環状
オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体を含有して
成る層を中間層として備え、保香性及び保水性並びに耐
内容物性、更には層間接着性に優れた圧潰性多層容器
芳香成分を含有する内容物を充填し密封して成る保香性
包装体を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、オレフ
ィン系樹脂を含有して成る内外層と、オレフィンと環状
オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体を含有して
成る第一の中間層と、酸素バリアー性熱可塑性樹脂を含
有して成る第二の中間層とを備えて成る圧潰性の多層容
器に、芳香成分を含有する内容物を充填し密封して成る
ことを特徴とする保香性包装体が提供される。
【0009】オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃
至低結晶性共重合体としては、10乃至50モル%、特
に20乃至48モル%の環状オレフィンと残余のエチレ
ンとから誘導され且つ5乃至200℃、特に40乃至1
90℃のガラス転移点を有する共重合体が特に適してい
る。
【0010】オレフィン系樹脂としては、柔軟性の点で
はポリエチレンまたはエチレン系共重合体が適している
が、逆にある程度の硬さが許容される場合にはポリプロ
ピレンまたはプロピレン系共重合体も使用できる。
【0011】本発明の容器は、全体として100乃至1
000μmの厚みの器壁を有し、且つ内層:第一中間
層:第二中間層:外層の厚み比が2〜94:2〜30:
2〜30:2〜94の範囲内にあるのが好ましい。
【0012】本発明の容器は、オレフィン系樹脂を含有
して成る内外層と、オレフィンと環状オレフィンとの非
晶質乃至低結晶性共重合体を含有して成る中間層と、酸
素バリアー性熱可塑性樹脂を含有して成る第二の中間層
とを備えた多層パリソンの溶融ブロー成形で形成され
る。
【0013】また、圧潰性容器は、パイプ胴部、例えば
押し出しパイプを所定の長さに切断したものと、別に成
形された口部、例えば射出成形で形成された口部とを接
着することによっても製造できる。
【0014】
【作用】圧潰性容器では、内容物の押出性乃至絞り出し
性を器壁に付与するため、通常のリジッド乃至セミリジ
ッドな容器でも軽量性や省資源の見地から、肉厚を薄く
することは望ましいことであるが、器壁を薄くすると、
器壁を通して内容物中の芳香成分や水分が外部に逸散す
る傾向がある。
【0015】本発明の容器では、オレフィン系樹脂を含
有して成る内外層の間に、オレフィンと環状オレフィン
との非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)を含有して
成る中間層を設けたことが特徴であり、これにより、器
壁を通しての芳香成分の透過や水蒸気の透過を顕著に抑
制し、内容物の保存性を顕著に向上させることができ
る。
【0016】後述する例を参照されたい。これらの例に
は、芳香成分の指標物質として、フェニルエチルアルコ
ール(PEA)やフェニル酢酸メチルエステル(PAM
E)をエチルアルコール溶解した溶液を、各種チューブ
容器に充填した後、密封し、この包装体を密閉雰囲気内
に置き、チューブ容器の器壁を通して雰囲気中に漏れた
PEA及びPAMEの濃度を測定した結果が示されてい
る(測定条件の詳細は後述する例参照)。
【0017】この結果によると、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)の単層のチューブ容器では、雰囲気
中に漏れだしたPEA濃度が91.26ng/mlに達
する(比較例2)のに対して、上記EVAの内外層間に
オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共
重合体を中間層として設けたチューブ容器では、雰囲気
中に漏れだしたPEA濃度が1.6ng/ml、即ち約
100分の1に抑制される(実施例1−2)のである。
この傾向は他のオレフィン樹脂についても全く同様であ
り、メタロセン系触媒を用いて得たポリオレフィン系エ
ラストマー(POPs)の単層のチューブ容器では、雰
囲気中に漏れだしたPEA濃度が95.35ng/ml
に達する(比較例1)のに対して、上記メタロセン系触
媒を用いて得たポリオレフィン系エラストマー(POP
S)の内外層間にオレフィンと環状オレフィンとの非晶
質乃至低結晶性共重合体を中間層として設けたチューブ
容器では、雰囲気中に漏れだしたPEA濃度が1.90n
g/ml、即ち約100分の1に抑制される(実施例1
−1)のである。以上の事実から、オレフィンと環状オ
レフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体は、他のオレ
フィン系樹脂とは全く異なり、芳香成分に対して特異的
に優れたバリアー性を示すことが了解される。
【0018】同様の優れた結果は、水蒸気透過度におい
ても認められる。即ち、オレフィンと環状オレフィンと
の非晶質乃至低結晶性共重合体を中間層として設けるこ
とにより、水蒸気透過量を、前記共重合体が存在しない
場合の値の約2分の1以下のオーダに抑制し、内容物の
変質や内容物の粘度上昇等による押出不良等のトラブル
を防止できることになる。
【0019】本発明においては、オレフィンと環状オレ
フィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)を、
オレフィン樹脂内外層の中間層として設けることも重要
である。上記COCはペースト或いは半固体等に含まれ
る油性内容物等に対して耐性に劣り、クレイズやクラッ
クを発生する傾向があり、容器の耐内容物性、耐化学薬
品性、耐抽出性、衛生的特性の点で不十分であり、また
チューブ底部をヒートシールする際のヒートシール性に
も劣るが、これらの諸特性に優れたオレフィン樹脂を内
外層とすることにより、上記問題を解消することができ
る。
【0020】本発明の圧潰性多層容器では、香り成分
(アロマやフレーバー)や水蒸気に対するバリアー性に
優れているため、器壁の厚みを薄肉化できるという利点
を与える。一方、圧潰性容器において、器壁の厚みを薄
くしても内容物の押出性の点で問題となることはない
が、容器の保形性が低下し、内容物の充填作業性や、包
装体の外観が不良となるといういう問題がある。
【0021】本発明に用いるオレフィンと環状オレフィ
ンとの非晶質乃至低結晶性共重合体は、低密度ポリエチ
レンの曲げ弾性率が1000乃至2000kg/cm2
と低いのに対して、曲げ弾性率が23000乃至330
00kg/cm2 と大きく、容器に保形性を与えるのに
役立っている。
【0022】また、オレフィンと環状オレフィンとの非
晶質乃至低結晶性共重合体は、オレフィン系樹脂に対す
る熱接着性が良好であり、この共重合体(COC)とオ
レフィン系樹脂とを共押出することで、耐層間剥離性に
優れた積層体が得られる。
【0023】本発明の圧潰性容器においては、オレフィ
ンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体を
第一の中間層、及び酸素バリアー性熱可塑性樹脂を第二
の中間層として組み合わせることができ、これにより、
実質上全ての気体に対してバリアー性があり、多くのア
ロマやフレーバーの保持性に優れた圧潰性容器を製造す
ることができる。
【0024】オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃
至低結晶性共重合体としては、10乃至50モル%の環
状オレフィンと残余のエチレンとから誘導され且つ5乃
至200℃のガラス転移点を有する共重合体が好適であ
る。
【0025】環状オレフィンの含有量が上記範囲を下回
ると、ガラス転移点が前記範囲を下回るようになり、芳
香成分のバリアー性が低下するようになる。一方、環状
オレフィンの含有量が上記範囲を上回ると、ガラス転移
点が前記範囲を上回るようになり、共重合体の溶融成形
性やオレフィン系樹脂との接着性が低下するようにな
る。
【0026】圧潰性容器として、器壁の柔軟性等が特に
望まれる場合には、内外層となるオレフィン系樹脂とし
て、ポリエチレンまたはエチレン系共重合体を用いるの
が望ましく、一方、器壁にある程度のリジッドさが望ま
れる場合には、内外層となるオレフィン系樹脂として、
ポリプロピレンまたはプロピレン系共重合体を用いるの
がよい。また、リジッドさを高める方法として、オレフ
ィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体
層の厚さを増すこともできる。ある程度のリジッドさ
は、内容品を押し出した後のスプリングバック性を高
め、容器の保形を高める。
【0027】内外層となるオレフィン系樹脂として、メ
タロセン系触媒を使用して重合されたエチレン系重合
体、特にエチレンとα−オレフィンとの共重合体を使用
すると、器壁の芳香成分や水蒸気に対するバリアー性が
向上するので、本発明の目的に好都合である。
【0028】本発明の圧潰性容器において、容器の全体
の厚みは、100乃至1000μmの範囲にあるのがよ
く、上記範囲よりも薄いと容器の保形性や強度が低下
し、一方上記範囲よりも厚くなると、容器が重量化し、
また押出性が低下する。諸特性の組み合わせからは、内
層:中間層:外層の厚み比が2〜96:2〜30:2〜
96の範囲内にあるのが好ましい。また、第二中間層を
有する場合には、全体として100乃至1000μmの
厚みの器壁を有し、且つ内層:第一中間層:第二中間
層:外層の厚み比が2〜94:2〜30:2〜30:2
〜94の範囲内にあるのがよい。
【0029】本発明の圧潰性容器は、オレフィン系樹脂
含有して成る内外層と、オレフィンと環状オレフィンと
の非晶質乃至低結晶性共重合体含有して成る中間層と、
或いは更に酸素バリアー性熱可塑性樹脂含有して成る第
二の中間層とを備えた多層パリソンの溶融ブロー成形で
形成されるため、その製造も至って容易である。
【0030】
【発明の好適態様】本発明の圧潰性容器の一例を示す図
1において、この圧潰性容器は、チューブ状容器1と蓋
2とから成っており、チューブ状容器1は、パリソンの
中空成形により一体に成形されたネジ付き押出口3、こ
れに連なる円錐状肩部4、及び細い筒状の胴部5を有し
ている。この筒状胴部5は、切断された端縁部6を有
し、この端縁部から内容物を充填した後、胴部の対向す
る内面同士を融着して、密封底部を形成する。
【0031】本発明の圧潰性容器の他の例を示す図2に
おいて、この圧潰性容器は、小径のボトル状容器10と
蓋2とから成っており、このボトル状容器10は、パリ
ソンの中空成形により一体に成形されたネジ付き押出口
3、これに連なる円錐状肩部4、細い筒状の胴部5及び
パリソンのピンチオフにより形成された密閉底部7を有
している。この容器では、押出口3から内容物を充填
し、充填後蓋2を締結して密封を行う。
【0032】胴部5の断面構造の一例を拡大して示す図
3において、この器壁は、主としてオレフィン系樹脂か
ら成る内層11と、オレフィンと環状オレフィンとの非
晶質乃至低結晶性共重合体を含有する中間層12と、オ
レフィン樹脂を含有する外層13とから形成されてい
る。中間層12と内外層11、13とは強固に熱接着さ
れていることが了解されるべきである。
【0033】胴部5の断面構造の他の例を拡大して示す
図4において、この器壁は、オレフィン系樹脂を含有す
る内外層11、13と、オレフィンと環状オレフィンと
の非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)を含有する中
間層(第一中間層)12とを備えていることは図3と同
様であるが、上記各層の他に、ガスバリアー性熱可塑性
樹脂を含有する第二の中間層14が接着剤層15、15
を介して設けられている。図4に示す具体例では、CO
C含有の第一中間層12が器壁の内面側に、ガスバリア
ー性樹脂含有の第二中間層14が器壁外面側に設けられ
ているが、逆にCOC含有の第一中間層12が器壁の外
面側に、ガスバリアー性樹脂含有の第二中間層14が器
壁内面側に設けられていてもよいことが了解されるべき
である。ガスバリアー性樹脂がCOC或いはオレフィン
樹脂に熱接着性を有する場合には、接着剤層15を省略
できることはいうまでもない。
【0034】胴部5の断面構造の他の例を拡大して示す
図5において、この器壁は、層の種類は図4の場合と同
様であるが、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃
至低結晶性共重合体(COC)を含有する中間層(第一
中間層)12が、ガスバリアー性熱可塑性樹脂を含有す
る第二の中間層14の両側に設けられている。この構成
は、レトルト殺菌等において、器壁のガスバリアー性を
高く維持する、つまり水分によるガスバリアー性の低下
を抑制するのに特に好適なものである。また、圧潰性容
器は、パイプ状胴部(例えば押出パイプを切ったもの)
と、別に成形された口部(例えば射出成形する)を接着
することによっても製作される。
【0035】オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃
至低結晶性共重合体(COC)が誘導されるオレフィン
としては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテ
ン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3
乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの
組み合わせで使用される。
【0036】環状オレフィンとしては、基本的には、エ
チレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化
水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−
エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次
のものが挙げられるが、勿論これに限定されるものでは
ない。
【0037】ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
誘導体;例えば下記式(1)
【化1】 式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
或いはアルキリデン基であり、nは1〜4の数である
(以下同様である)、で表されるビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン誘導体。特に、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン 6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン 1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
【0038】トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−
デセン誘導体;例えば、下記式(2)
【化2】 で表されるトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン誘導体。特に、トリシクロ[4.3.0.12.5
−3−デセン 2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン 5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン。
【0039】トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−
ウンデセン誘導体;例えば、下記式(3)
【化3】 で表されるトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウ
ンデセン誘導体。特に、トリシクロ[4.3.0.1
2.5]−3−ウンデセン 10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−
ウンデセン。
【0040】テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン誘導体、例えば、下記式(4)
【化4】 で表されるテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン誘導体。特に、テトラシクロ
[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン5,10−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ
[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ
[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン。
【0041】ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .0
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体;例えば、下
記式(5)
【化5】 で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、ペ
ンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−
4−ペンタデセン 1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン 1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン 14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.1
3.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン。
【0042】ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体、例えば下記
式(6)
【化6】 で表されるペンタシクロ[7.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、ペ
ンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−
3−ペンタデセン メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ペンタデセン。
【0043】ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .0
2.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体、
例えば下記式(7)
【化7】 で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導
体。特に、ペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン。
【0044】ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体、例えば下記
式(8)
【化8】 で表されるペンタシクロ[8.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、ペ
ンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−
3−ヘキサデセン 11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン 11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン 10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.1
2.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン。
【0045】ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .0
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、例えば、下
記式(9)
【化9】 で表されるペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、ペ
ンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−
4−ヘキサデセン 1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン 1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン 15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.1
3.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン。
【0046】ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、
例えば下記式(10)
【化10】 で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。
特に、ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13
2.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6
10.13 .02.7 .09. 14]−4−ヘプタデセン 1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシ
クロ[6.6.1.13. 6 .110.13 .02.7
9.14]−4−ヘプタデセン。
【0047】ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .1
4.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン
誘導体、例えば、下記式(11)
【化11】 で表されるヘプタシクロ[8.7.0.12.9
4.7 .111.17 .03.8 .0 12.16 ]−5−エイコセ
ン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.7.0.12.9
4.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセ
ン。
【0048】ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .02.7 .011.16]−4−エイコセ
ン誘導体、例えば、下記式(12)
【化12】 で表されるヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセ
ン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.7.0.13.6
10.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコ
セン ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .02.7.011.16 ]−4−エイコセ
ン。
【0049】ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコ
セン誘導体、例えば、下記式(13)
【化13】 で表されるヘプタシクロ[8.8.0.12.9
4.7 .111.18 .03.8 .0 12.17 ]−5−ヘンエイ
コセン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.8.0.1
2.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘ
ンエイコセン。
【0050】ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17]−5−ヘンエイ
コセン誘導体、例えば下記式(14)
【化14】 で表されるヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.8.0.1
4.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−
ヘンエイコセン 15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03. 8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03. 8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン。
【0051】オクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン誘導体、例えば、下記式(15)
【化15】 で表されるオクタシクロ[8.8.0.12.9
4.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5
−ドコセン誘導体。特に、オクタシクロ[8.8.0.
2.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .0
12.17 ]−5−ドコセン 15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .113.16.03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン 15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .013.16.03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン。
【0052】ノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10 .03.8.012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン誘導体、例えば下記式(1
6)
【化16】 で表されるノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10.03.8 .012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン誘導体。特に、ノナシクロ
[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .0
2.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコ
セン ドリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02. 10 .03.8 .012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン。
【0053】ノナシクロ[10.10.1.15.8 .1
14.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .0
15.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体、例えば、下記式
(17)
【化17】 で表されるノナシクロ[10.10.1.15.8 .1
14.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .0
15.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、ノナシクロ
[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .0
2.11 .04.9.013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセ
ン。
【0054】環状オレフィンの他の例として、次のもの
を挙げることもできる。 5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 5−メチル−5−フェニル[2.2.1]ヘプト−2−
エン 5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン 5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン 5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフ
ルオレン 1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘ
キサヒドロアントラセン 8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(αナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン (シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシク
ロペンタジエンをさらに付加した化合物 11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.1
3.6 .02.7 .09.13 ]−4−ペンタデセン 11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.1
3.6 .02.7 .09.14 ]−4−ヘキサデセン 11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6
10.13 .02.7 .09. 14 ]−4−ヘプタデセン 14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.1
2.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 −5−エイ
コセン]
【0055】この共重合体(COC)は、10乃至50
モル%、特に20乃至48モル%の環状オレフィンと残
余のエチレンとから誘導され且つ5乃至200℃、特に
40乃至190℃のガラス転移点を有するのがよい。
【0056】この共重合体の分子量は、特に制限はない
が、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至5dl
/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結
晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、
特に5%以下である。
【0057】上記共重合体(COC)は、オレフィンと
環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒
或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させる
ことにより得られる。
【0058】好適な共重合体(COC)は、三井石油化
学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。
【0059】オレフィン系樹脂としては、容器やその他
の樹脂成形品の製造に使用されているオレフィン系ホモ
ポリマーやコポリマーが好適に使用される。例えば、低
密度、中密度或いは高密度のポリエチレン、線状低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ
ペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、プロピレ
ン−エチレン共重合体、アイオノマー、エチレン−アク
リル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げ
ることができる。勿論これらのオレフィン系樹脂は単独
でも二種以上の組み合わせでも使用することができる。
【0060】これらのオレフィン系樹脂は、一般に0.
1乃至50g/10min、特に0.2乃至30g/1
0minのMFR(メルトフローレート)を有している
のよく、成形法に応じて、押出グレードのものや射出グ
レードのものを適宜選択使用することができる。
【0061】本発明の容器には、目的に応じて、種々の
オレフィン系樹脂を使用することができる。軽快な押出
性が要求される用途には、オレフィン系樹脂として、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、特に酢酸ビニ
ル含有量が0.5乃至20重量%のものや、低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン等が適している。
【0062】また、オレフィン系樹脂として、メタロセ
ン系触媒を使用して重合されたエチレン系重合体、特に
エチレンと炭素数6乃至20のα−オレフィンとの共重
合体を使用すると、芳香成分や水蒸気に対するバリアー
性に優れた圧潰性多層容器が得られる。好適なオレフィ
ン系樹脂は、α−オレフィン、例えば1−オクテンを0
乃至25重量%含有するエチレン系共重合体であり、こ
のものは、Dow Chemical Company
から、AFFINITYの商品名で入手しうる。
【0063】上記オレフィン系樹脂には、それ自体公知
の配合剤、例えば顔料、充填剤、酸化防止剤、滑剤、安
定剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って配
合しうる。
【0064】本発明の容器は、全体として100乃至1
000μm、特に150乃至650μmの厚みの器壁を
有し、且つ内層:中間層:外層の厚み比が2〜96:2
〜30:2〜96、特に20〜70:3〜20:20〜
70の範囲内にあるのが好ましい。
【0065】本発明において、内容物の保存性及び保香
性の点で、酸素透過係数(PO2 )が5.5×10-12
cc・cm/cm2・sec・cmHg(37℃、0%RH)以下、特に
4.5×10-12 cc・cm/cm2・sec・cmHg以下の熱可塑性
樹脂の単独のもの、或いは樹脂のブレンド物を酸素バリ
ヤー性樹脂として用いることが望ましい。
【0066】このような樹脂の最も好適な例としては、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、特にビニルアル
コール単位の含有量が40乃至85モル%、特に50乃
至80モル%のものを挙げることができる。このような
エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン或い
はエチレンの大部分とプロピレン等の他のオレフィンの
少量成分の組合せと、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニルなど低級脂肪酸のビニルエステルとの共重
合体、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度
が96%以上、特に99%以上となるようにケン化する
ことにより得られる。
【0067】酸素バリヤー性樹脂の他の例としては、ナ
イロン樹脂、特にナイロン6、ナイロン8、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,1
0、ナイロン10,6、ナイロン6/6,6共重合体、
部分芳香族ポリアミド等を挙げることができる。
【0068】部分芳香族ポリアミドとしては、二塩基酸
成分がテレフタル酸成分とテレフタル酸成分よりも多い
量のイソフタル酸成分との組み合わせからなる実質上非
晶質の共重合ポリアミドが好適に使用される。
【0069】この部分芳香族共重合ポリアミド中のジア
ミン成分としては、脂肪族ジアミン成分、特に炭素数4
〜25、好適には6〜18の直鎖状の分岐鎖状アルキレ
ンジアミン成分単位が使用され、アルキレンジアミン成
分単位の具体例として、例えば1,4-ジアミノ−1,1-ジメ
チルブタン、1,4-ジアミノ−1,1-エチルブタン、1,4-ジ
アミノ−1,2-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ−1,3-ジメ
チルブタン、1,4-ジアミノ-1,4−ジメチルブタン、1,4-
ジアミノ−2,3-ジメチルブタン、1,2-ジアミノ−1−ブ
チルエタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプ
タン、1,8-ジアミノオクタン、1,6-ジアミノ-2,5- ジメ
チルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4- ジメチルヘキサン、
1,6-ジアミノ-3,3- ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-
2,2- ジメチルヘキサン、1,9-ジアミノノナン、1,6-ジ
アミノ-2,2,4- トリメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,
4,4- トリメチルヘキサン、1,7-ジアミノ-2,3- ジメチ
ルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,4- ジメチルヘプタン、1,
7-ジアミノ-2,5- ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,2
- ジメチルヘプタン、1,10- ジアミノデカン、1,8-ジア
ミノ-1,3- ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-1,4- ジメ
チルオクタン、1,8-ジアミノ-2,4- ジメチルオクタン、
1,8-ジアミノ-3,4- ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-
4,5- ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-2,2- ジメチル
オクタン、1,8-ジアミノ-3,3- ジメチルオクタン、1,8-
ジアミノ-4,4- ジメチルオクタン、1,6-ジアミノ-2,4-
ジエチルヘキサン、1,9-ジアミノ−5−メチルノナン、
1,11−ジアミノウンデカン、1,12- ジアミノドデカン等
の成分を例示することができる。これらのなかでは、特
に、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,
10- ジアミノデカン、1,12- ジアミノドデカン等の成分
又はこれらの混合成分が好ましい。
【0070】この共重合ポリアミドにおいて、イソフタ
ル酸成分及びテレフタル酸成分は、99:1乃至65:
35のモル比で存在するのがよく、その本質を損なわな
い範囲で、一般に上記両成分当たり15モル%以下の量
で、イソフタル酸及びテレフタル酸成分以外の芳香族ジ
カルボン酸成分、例えばフタル酸、2−メチルテレフタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸等の成分や、脂肪族ジカ
ルボン酸成分、例えばアジピン酸、セバシン酸、或いは
トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸成
分を含有していてもよい。また、脂肪族ジアミン成分に
加えて、その本質を損なわない範囲で、小量の脂環族ジ
アミン成分や芳香脂肪族ジアミン等を含有していてもよ
い。
【0071】この共重合ポリアミドは、フィルムを形成
するにたる分子量を有するべきであり、30℃の温度の
濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5dl/g以
上であることが好ましい。
【0072】更に、ハイニトリル樹脂、塩化ビニリデン
樹脂、塩化ビニル樹脂等も本発明の目的に使用し得る。
【0073】酸素バリヤー性樹脂は、所謂ブレンド物の
形で使用することができ、例えば、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体とナイロン樹脂とのブレンド物を使用
することができ、更にエチレン−ビニルアルコール共重
合体と、他の樹脂、例えばポリエチレンや、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、或いはアイオノマーとのブレンド
物も、酸素透過係数が上述した範囲内にあれば、本発明
の目的に使用し得る。
【0074】酸素バリヤー性樹脂と耐湿性樹脂との間に
層間接着性がない場合には、両樹脂層の間に接着剤層を
介在させる。
【0075】接着性樹脂としては、前述した酸素バリヤ
ー性熱可塑性樹脂及びオレフィン系樹脂或いは環状オレ
フィン共重合体の両者に対して接着性を示す樹脂の任意
のものが使用される。かかる接着性樹脂としては、一般
に、遊離カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステ
ル、カルボン酸アミド、カルボン酸無水物、炭酸エス 熱可塑性重合体或いはこれらの重合体と他の熱可塑性重
合体とのブレンド物が使用される。これらの熱可塑性重
合体中のカルボニル基濃度は種々変化し得るが、一般に
はカルボニル基を10乃至1400ミリモル/100g
重合体、特に30乃至1200ミリモル/100g重合
体の濃度で含有するものが望ましい。
【0076】好適な接着剤は、不飽和カルボン酸、酸無
水物、エステル、アミドなどのうち少なくとも一種類の
エチレン系不飽和単量体によって変性されたポリオレフ
ィン、特にマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、マレイン酸エチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸アミド、メタクリル酸ア
ミド、ヤシ油脂肪酸アミド、マレイミド等で変性された
ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などであり、他に
エチレン−アクリレート共重合体、アイオノマー(デュ
ポン社製サーリンA)、ポリアルキレンオキシド・ポリ
エステルブロック共重合体、カルボキシメチルセルロー
ス誘導体或いはこれらとポリオレフィン類とのブレンド
物等である。なお、これらの樹脂の内カルボニル基含有
量の少ないものはそれ自体耐湿性樹脂として使用し得
る。
【0077】酸素バリアー性樹脂中間層を用いた容器で
は、全体の厚みや各層の厚み比は、前述した範囲内にあ
るべきであるが、特に酸素バリヤー性樹脂は、一般に5
乃至200μm、特に10乃至150μmの厚みで存在
させるのがよく、一方接着剤樹脂は3乃至50μm、特
に5乃至30μmの厚みで用いるのがよい。
【0078】これらの各樹脂は、樹脂の種類に対応する
数の押出機中で溶融混練し、多層多重ダイス内で前述し
た多層構成となるように合流させた後、ダイオリフィス
を通して同時押出し、多層構成のパリソンとし、次いで
割型内でのブロー成形し、底部をピンチオフして、有底
の押出用ボトルとする。また、このボトルの底部を切
断、内容物充填及び開放端のヒートシールを行って、チ
ューブ容器とする。また、多層構成のパイプを押しだ
し、切断して容器胴部とし、口部は射出成形、圧縮成型
等で別途製造し、溶融接着等で接合してチューブ容器と
することもできる。
【0079】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0080】樹脂:多層チューブ用樹脂として、最内外
層に、エチレン−酢酸ビニル共重合体である日本石油化
学社製レクスロン及びメタロセン触媒を用いて重合した
オレフィン系樹脂としてダウケミカル社製AFFINI
TYを用いた。中間層には、オレフィンと環状オレフィ
ン共重合体樹脂である三井石油化学社製アペルを用い
た。又、第二の中間層成分として株式会社クラレ社製
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を用いた。特
に、エチレンビニルアルコール共重合体を第二の中間層
成分として用いる場合においてのみ、エチレンビニルア
ルコール共重合体と、オレフィン系樹脂と環状オレフィ
ン共重合体間、及び、エチレンビニルアルコール共重合
体とオレフィン系樹脂間の接着性を得る為、接着性樹脂
アドマーを用いた。
【0081】成形:4台の押し出し機及び多層ダイを用
い、250〜270℃の温度範囲で、積層パリソンを作
製し、金型温度20℃、冷却時間12秒、ブロー圧2k
g/cm2の条件下、外径30mm、長さ20cmの2
種3層及び4種6層の多層チューブ(内容量200c
c、表面積105cm2 )にダイレクトブロー成形し
た。
【0082】評価: 1)保香性試験 2種3層(層構成は図3と同様)の多層チューブとオレ
フィン樹脂単層のみのチューブを検討した。香料成分
は、東京化成工業株式会社製の2−フェニルエタノール
(2-Phenylethanol )及びフェニル酢酸メチルエステル
( PhenylaceticAcid Methyl Ester)の2種類の芳香
族系化合物を用いた。本香料成分を特級エタノールに1
0,000ppm濃度に溶解後、各チューブに60ml
正確に注入した。注入後、注入口をヒートシールし密封
した。このチューブを4本1組とし、全容1350ml
のセプタム付き密封型フラスコに保存した。保存温度は
55℃とした。保存開始後7日目にガスタイトシリンジ
にて、チューブ外且つガラスフラスコ内部のヘッドスペ
ース部位から1m1容のガスを採取しガスクロ分析を用
いた。ガスクロマトグラフィー(GC)は株式会社島津
社製GC−9Aを用い、PEG,20M,25mカラム
にて、スプリット比1:2、120℃から250℃まで
の温度範囲、昇音速度10℃/分の条件下分析した。Ph
enylacetic Acid Methyl Ester及び2−Phenylethanol
のリテンションタイムはそれぞれ2.7minと3.3
minであった。
【0083】2)水蒸気透過性試験 作製した2種3層多層チューブとオレフィン樹脂単層の
チューブを用いた。チューブ胴部を開封し、長方角の試
験片を得、MOCON社製Permatran−W3/
30型水蒸気透過試験機にて、40℃恒温、90%RH
下、水蒸気透過量が飽和した時点の値を求めた。
【0084】3)酸素ガス透過性試験 水蒸気透過性試験同様、チューブを開封し、長方形の試
験片を得、MOCON社製OX−TRAN2/20型酸
素ガス透過試験機にて、30℃の恒温及び80%RH
下、酸素ガス透過量が飽和した点の値を求めた。
【0085】実施例1 内外層にメタロセン触媒を用い重合したポリオレフィン
AFFINITYを用い、中間層のオレフィンと環状オ
レフィン共重合体樹脂を用いた層比が5:1:5であり
肉厚が250μmの2種3層多層チューブを作製した
(実施例1−1)(層構成は図3)。
【0086】同様に内外層にエチレン酢ビ共重合体樹脂
を用い、中間層にオレフィンと環状オレフィン共重合体
を用いた層比が5:1:5である肉厚390μmの2種
3層の多層チューブを作製した(実施例1−2)(層構
成は図3)。
【0087】又、比較の為、メタロセン触媒を用いて重
合したポリオレフィンAFFINITY単層チューブ
(比較例1)とエチレン酢ビ共重合体樹脂単層チューブ
(比較例2)及び、最内層にオレフィンと環状オレフィ
ン共重合体樹脂(アペル)を備え、外層にメタロセン触
媒を用いて重合したオレフィンAFFINITYを備え
た層比が1:30で肉厚300μmの2種2層多層チュ
ーブを作製した(比較例3)。
【0088】すべての成形チューブにおいてスクイズ性
を確認しフレキシブル性良好であるという結果を得た。
【0089】このそれぞれのチューブに香料成分を溶解
した検液を60mlずつ注入し、ヒートシール後、チュ
ーブ4本を1組としてセプタム付き容積1350mlの
密封型ガラス製フラスコ容器に入れ保存した。保存開始
後7日目にガスタイトシリンジを用い、チューブ外層且
つガラス容器内部の空間より1mlのガスを採取しGC
分析を行った。
【0090】さらに本試験を行う為のヒートシール適性
も検討した。チューブ成形は円筒型ブロー製品の底部を
平面状に押しつぶし熱シールを行う。ここではこの工程
でのつぶし時の変形部位にクレイズ及び白化が発生する
かしないかで判断した。ガス分析結果及びシール適性を
表−1に示した。
【0091】又、内外層にエチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂及び中間層にオレフィン−環状オレフィン共重合
体を有する多層チューブ(実施例1−2)と、内外層に
メタロセン触媒を用いて重合したオレフィンAFFIN
ITYを有し、中間層にオレフィン−環状オレフィン共
重合体を有する多層チューブ(実施例1−1)及びそれ
ぞれの内外層樹脂単層チューブ(比較例1、2)につい
ての保香性試験において、得られたガスクロマトグラム
から、中間層樹脂による芳香成分バリアーの顕著な違い
が確認された。得られたクロマトグラムを図6に示す。
【0092】比較例1及び比較例2単層チューブでは、
2−フェニルエタノール(3.3)のピークが特に大き
く、またフェニル酢酸メチルエステル(2.7)のピー
クも大きく観察されるのに対して、実施例1−1及び1
−2の多層チューブでは、これらのピークは顕著に減少
していた。また、オレフィン−環状オレフィン共重合体
に由来すると判断されるガス成分が、実施例1−2にお
いては観測されるのに対して、実施例1−1では殆どな
く、オレフィン−環状オレフィン共重合体を中間層とし
た多層チューブを成形する場合、内外層の樹脂を実施例
1−1のものにする方が好適であることが解った。
【0093】又、それぞれのチューブにオリーブオイル
を60ml注入し、ヒートシール後1ケ月常温保存し、
外観観察を行った。結果を表−1に示した。この場合
は、油脂成分によるクレイズ及びクラックの発生をもっ
て耐油性の有無を判断した。
【0094】表−1より、保香性は、単層チューブより
も中間層にオレフィンと環状オレフィン共重合体を有し
た2種3層多層チューブ(実施例1−1、1−2)が良
好であった。一方、内層にオレフィンと環状オレフィン
との共重合体を備えた2種2層の多層チューブ(比較例
3)はヒートシール時のつぶし行程でクレイズを発生
し、シール適性は得られなかった為、保香性試験対象外
とした。この結果から、比較例3の樹脂構成多層チュー
ブはチューブ成形に不向きな構成であると判断した。
又、オリーブオイル充填後の外観観察結果からも、比較
例3構成の多層チューブはシール部をはじめ全面に白化
及びクレイズが発生し、耐油性は得られなかった。
【0095】次に、内外層にメタロセン触媒を用いて重
合したオレフィンAFFINITYを用い、中間層にオ
レフィンと環状オレフィンとの共重合体樹脂を用いた2
種3層多層チューブ(実施例1−1)と、内外層にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂を用いた2種3層多層チ
ューブ(実施例1−2)及びメタロセン触媒を用い重合
したポリオレフィンAFFINITY単層チューブ(比
較例1)とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂単層チュ
ーブ(比較例2)の切り出し切片を用いた水蒸気透過性
試験結果を表−2に示した。表−2より、いずれの構成
においても2層3層多層チューブが高い水蒸気バリヤー
性を示した。
【0096】以上の結果から、保香性を有し且つ耐油性
及び高い水蒸気バリヤー性を有するチューブを成形する
場合、オレフィンと環状オレフィンとの共重合体樹脂を
中間層とし、内外層を他のオレフィン系樹脂でサンドイ
ッチした多層構造が適していると判断した。
【0097】実施例2 実施例1に加え、第二の中間層成分として、エチレン−
ビニルアルコール共重合体樹脂を用い、内容品側から外
層側に至る層構成が、オレフィン系樹脂/オレフィン−
環状オレフィン共重合体樹脂/接着層/エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体樹脂/接着層/オレフィン系樹脂
であり、その層比が40/10/2.5/5/2.5/
40の肉厚約600μmの4種6層の多層チューブ(実
施例2−1)(層構成は図4)及び、層構成がオレフィ
ン/接着層/エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂
/接着層/オレフィン−環状オレフィン共重合体樹脂/
オレフィンで、この層比が40/2.5/5/2.5/
10/40である肉厚約600μmの4種6層多層チュ
ーブ(実施例2−2)(層構成は図3と内外の順序が
逆)を作製した。
【0098】得られたチューブはいずれもスクイズ性を
有し、フレキシブル性を示した。又、80%RH下の酸
素ガス透過性試験を行ったところ、実施例2−1、2−
2ともに1.5cc/m2 ・day・ atm 以下の酸
素透過量を示し、酸素バリヤー性を確認した。更に、実
施例1同様ヒートシール適性を確認した。よって、保香
性、水蒸気バリヤー性に加え酸素ガスバリヤー性を要求
する内容品向けチューブとして有用であると判断した。
【0099】
【表1】 A:Phenylacetic Acid Methy Ester B:2-Phenylethanol ○:良好 △:不良 ×:適性なし
【0100】
【表2】
【0101】実施例3 内外層にポリプロピレン(三井石油化学(株)、ハイポ
ールB−278)を用い、実施例1と同様にして、中間
層のオレフィンと環状オレフィン共重合体樹脂を用いた
層比が5:1:5であり、肉厚が510μmの2種3層
のボトル(内容量200cc、表面積95cm2 )を作
製した(実施例3)。ただし、ダイは230〜250℃
の温度範囲である。比較のために、ポリプロピレン単体
(肉厚490μm)のボトルも作製した(比較例4)。
結果を表−3に示す。
【0102】
【表3】 ポリプロピレン多層ボトルも保香性、耐油性に優れる。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、オレフィンと環状オレ
フィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体を、オレフィン
系樹脂内外層に対する中間層として使用することによ
り、耐内容物性やヒートシール性等を優れたレベルに保
ちながら、この容器の保香性や水分保持性を顕著に向上
させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の容器の他の例を示す側面図である。
【図3】胴部の断面構造の一例を拡大して示す断面図で
ある。
【図4】胴部の断面構造の他の例を拡大して示す断面図
である。
【図5】胴部の断面構造の更に他の例を拡大して示す断
面図である。
【図6】実施例及び比較例の容器から透過したガスのガ
スクロマトグラムである。
【記号の説明】
1 チューブ状容器 2 蓋 3 ネジ付き押出口 4 円錐状肩部 5 胴部 6 切断された端縁部 7 密閉底部 10 ボトル状容器 11 内層 12 中間層(第一中間層) 13 外層 14 ガスバリアー性熱可塑性樹脂含有第二中間層 15 接着剤層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−255053(JP,A) 特開 平8−72210(JP,A) 特開 平7−266517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂を含有して成る内外層
    と、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶
    性共重合体を含有して成る第一の中間層と、酸素バリア
    ー性熱可塑性樹脂を含有して成る第二の中間層とを備え
    て成る圧潰性の多層容器に、芳香成分を含有する内容物
    を充填し密封して成ることを特徴とする保香性包装体
  2. 【請求項2】 前記多層容器が、前記オレフィンと環状
    オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体が10乃至
    50モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘
    導され且つ5乃至200℃のガラス転移点を有する共重
    合体である請求項記載の保香性包装体
  3. 【請求項3】 前記オレフィン系樹脂がポリエチレンま
    たはエチレン系共重合体である請求項記載の保香性
    装体
  4. 【請求項4】 前記オレフィン系樹脂がメタロセン触媒
    を用いて重合されたエチレン系重合体である請求項
    載の保香性包装体
  5. 【請求項5】 前記オレフィン系樹脂がポリプロピレン
    またはプロピレン系共重合体である請求項記載の保香
    包装体
  6. 【請求項6】 前記多層容器は全体として100乃至1
    000μmの厚みの器壁を有し、且つ内層:第一中間
    層:第二中間層:外層の厚み比が2〜94:2〜30:
    2〜30:2〜94の範囲内にある請求項記載の保香
    包装体
  7. 【請求項7】 前記多層容器は、オレフィン系樹脂を含
    有して成る内外層と、オレフィンと環状オレフィンとの
    非晶質乃至低結晶性共重合体を含有して成る中間層と、
    或いは更に酸素バリアー性熱可塑性樹脂を含有して成る
    第二の中間層とを備えた多層パリソンの溶融ブロー成形
    で形成されたものである請求項記載の保香性包装体
JP07159670A 1995-06-26 1995-06-26 保香性包装体 Expired - Fee Related JP3075144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07159670A JP3075144B2 (ja) 1995-06-26 1995-06-26 保香性包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07159670A JP3075144B2 (ja) 1995-06-26 1995-06-26 保香性包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0911416A JPH0911416A (ja) 1997-01-14
JP3075144B2 true JP3075144B2 (ja) 2000-08-07

Family

ID=15698774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07159670A Expired - Fee Related JP3075144B2 (ja) 1995-06-26 1995-06-26 保香性包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3075144B2 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3635772B2 (ja) * 1996-03-22 2005-04-06 東洋製罐株式会社 容器
US6042906A (en) * 1996-08-12 2000-03-28 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. Flavor-retaining plastic multi-layer container
JP3885278B2 (ja) * 1997-04-16 2007-02-21 東洋製罐株式会社 易開封性容器
JPH115721A (ja) * 1997-06-13 1999-01-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd 歯磨用多層チューブ容器及び包装体並びに包装体の製法
JPH11129413A (ja) * 1997-10-30 1999-05-18 Sumitomo Bakelite Co Ltd 高防湿医薬品包装用多層シート
JPH11165387A (ja) * 1997-12-03 1999-06-22 Mitsui Chem Inc ポリオレフィン系多層積層体およびその用途
JPH11187797A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Hakugen:Kk 防虫剤
US7097890B1 (en) * 1998-07-31 2006-08-29 Chevron Phillips Chemical Co. Lp Polymer with pendent cyclic olefinic functions for oxygen scavenging packaging
JP4132217B2 (ja) * 1998-04-28 2008-08-13 グンゼ株式会社 低温ヒートシール性を有する多層シート
JP4320809B2 (ja) * 1998-11-16 2009-08-26 東洋製罐株式会社 耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器
JP4121655B2 (ja) * 1999-02-05 2008-07-23 大日本印刷株式会社 ブローチューブ容器
DE19943545A1 (de) * 1999-04-09 2001-03-15 Ticona Gmbh Mehrschichtbehälter mit verbesserter Haftung zwischen den Polymerschichten und hervorragenden Barriereeigenschaften
JP4878668B2 (ja) * 1999-05-21 2012-02-15 三井化学株式会社 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体
JP2001124749A (ja) * 1999-10-27 2001-05-11 House Foods Corp 食品用プラスチック包材の保香性分析方法
JP2002345548A (ja) * 2001-05-25 2002-12-03 Kao Corp 酸化染料用容器
JP4572502B2 (ja) * 2002-03-11 2010-11-04 東洋製罐株式会社 積層体および容器
MY134275A (en) * 2002-05-17 2007-11-30 Otsuka Pharma Co Ltd Multi-layer film and medicine container using the same
US20050208240A1 (en) 2002-05-17 2005-09-22 Yuki Manabe Multi-layer film and medicine container using the same
JP2004059132A (ja) * 2002-07-31 2004-02-26 Yoshino Kogyosho Co Ltd 積層チューブ及び積層チューブから成るチューブ成形品
CN101044021B (zh) 2004-10-18 2011-05-18 株式会社大塚制药工厂 医疗用阻气薄膜及使用它的医疗用袋
JP4907115B2 (ja) * 2005-07-12 2012-03-28 三菱樹脂株式会社 ポリオレフィン系樹脂積層シートおよびこれを用いたptp包装体
JP4670744B2 (ja) * 2005-07-27 2011-04-13 Dic株式会社 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材
JP2014148077A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Lintec Corp フィルム状封止材、封止シートおよび電子デバイス
WO2014103866A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 リンテック株式会社 フィルム状封止材、封止シートおよび電子デバイス
JP5997043B2 (ja) * 2012-12-27 2016-09-21 リンテック株式会社 フィルム状封止材、封止シートおよび電子デバイス
JP6811039B2 (ja) * 2016-06-30 2021-01-13 株式会社ジーシー 歯科用粘性材料梱包体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0911416A (ja) 1997-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3075144B2 (ja) 保香性包装体
US6042906A (en) Flavor-retaining plastic multi-layer container
JP5225552B2 (ja) 水中油型又は油中水型乳化物を収容した製品及び多層構造容器
KR100316898B1 (ko) 다층적층체및그의용도
JPH06510310A (ja) 流動性物質の包装用ポーチ
JP3876020B2 (ja) 保香性プラスチック多層容器
JP3951376B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体を含む積層体
JP3721646B2 (ja) プラスチック多層容器及びその製造法
JP3702503B2 (ja) 油性食品用容器
JP3963034B2 (ja) 耐熱性及び耐衝撃性の改善された透明環状オレフィン系共重合体組成物
JP3661234B2 (ja) 内容物による着色を防止する方法
JP2004237647A (ja) 酸化染毛剤用プラスチック多層容器
JP4024885B2 (ja) 保香性プラスチック多層容器
JP3119069B2 (ja) 防湿性多層構造物およびそれを用いた防湿性多層容器
US6811846B1 (en) Laminated plastic molded body
JPH115721A (ja) 歯磨用多層チューブ容器及び包装体並びに包装体の製法
JP4547216B2 (ja) ガスバリアー性及び層間接着性に優れた多層容器
JP4337335B2 (ja) 防湿性と透明性の改良された多層ポリエステル延伸ボトル
JP7046657B2 (ja) シーラント用樹脂組成物、シーラント用多層フィルムおよび熱融着性積層フィルム
JP4320809B2 (ja) 耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器
WO2023132365A1 (ja) 包装袋用積層体、包装袋、スパウト付き包装袋及び内容物入りスパウト付き包装袋
JP7268317B2 (ja) 包装用の低吸着性ヒートシールフィルム
JP7238310B2 (ja) ポリエチレン成形品との接着性に優れた包装用の低吸着性樹脂フィルム
JP3876482B2 (ja) ヒートシール性包装容器
JP2019156419A (ja) 熱融着性積層フィルムを用いた包装体

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080609

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 12

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 13

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees