JP7046657B2 - シーラント用樹脂組成物、シーラント用多層フィルムおよび熱融着性積層フィルム - Google Patents
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(i)密度が880~970kg/m3である;
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1~50g/10分である。
[2] 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度が60~130℃である項[1]に記載のシーラント用樹脂組成物。
[3] 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)が環状ポリオレフィンである項[1]または[2]に記載のシーラント用樹脂組成物。
[4] 項[1]~[3]のいずれか1項に記載のシーラント用樹脂組成物からなる層(I)と、エチレン系樹脂からなる層(II)とを含むシーラント用多層フィルム。
[5] 前記層(II)が、2以上の層を含む項[4]に記載のシーラント用多層フィルム。
[6] 項[4]または[5]に記載のシーラント用多層フィルムと、基材(III)とを含み、かつ、前記シーラント用多層フィルムにおける層(I)が前記基材(III)と隣接している熱融着性積層フィルム。
[シーラント用樹脂組成物]
本発明のシーラント用樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、ガラス転移温度が40~160℃の非晶性熱可塑性樹脂(A)(以下「成分(A)」ともいう。)0.1質量%以上2質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(B)(以下「成分(B)」ともいう。)98質量%超99.9質量%以下(ただし、成分(A)と成分(B)の合計を100質量%とする。)を含有することを特徴とする。
(i)密度が880~970kg/m3である。
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1~50g/10分である。
なお、本発明の組成物は、シーラントの外層(熱融着性積層フィルムの基材と接する側の層)に用いることが好ましい。
本発明の組成物に用いられる非晶性熱可塑性樹脂(A)は、ガラス転移温度(Tg)が40~160℃、好ましくは60~130℃、より好ましくは70~100℃である。成分(A)のTgが前記範囲であることにより、シール温度において比熱が小さく、また適度な剛性に保たれるため低温充填性に優れる。
前記環状ポリオレフィンとしては、例えば、エチレンと、下記一般式(1)で表わされる環状オレフィンとの共重合体が好ましい。
本発明の組成物に用いられる成分(B)は、上記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂である。
成分(B)の密度は、フィルム剛性、低温シール性の観点から、880~970kg/m3、好ましくは885~950kg/m3、より好ましくは900~930kg/m3の範囲である。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定される値である。
成分(B)のMFR(190℃、2.16kg荷重、JIS K7210準拠)は、バブル安定性、フィルム強度、成形加工性(流動性)などの観点から、0.1~50g/10分、好ましくは0.5~30g/10分、より好ましくは0.7~15g/10分の範囲である。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、顔料、流滴剤などの通常ポリオレフィンに添加される各種添加剤を含有してもよい。
本発明のシーラント用多層フィルム(以下、単に「本発明のシーラントフィルム」ともいう。)は、上述した本発明の組成物からなる層(I)と、エチレン系樹脂からなる層(II)とを含むことを特徴とする。
本発明のシーラントフィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明の組成物と前記層(II)に用いるエチレン系樹脂とを、多層ダイを用いて溶融状態で共押出し成形して積層した後、インフレーション法等によりフィルム化する共押出法が挙げられる。このようにして得られたフィルムは、そのまま無延伸フィルムとして、あるいは、さらに延伸して延伸フィルムとして、食品包装用袋などを製造するためのフィルムに加工することができる。その場合、溶融押出成形されたフィルム(延伸原反といい、厚さによってはシートと称される厚手の成形体を含む)の厚みは、成形法によって異なる。インフレーション成形で作成する場合の延伸原反は、50μm~2000μmの厚みが好ましく、100μm~1500μmがより好ましい。溶融樹脂の冷却方法は空冷、水冷のどちらであってもよい。
本発明の熱融着性積層フィルム(以下、単に「本発明の熱融着性フィルム」ともいう。)は、本発明のシーラントフィルムと、基材(III)とを含み、かつ、前記シーラントフィルムにおける層(I)が前記基材(III)と隣接していることを特徴とする。本発明の熱融着性フィルムの態様の一例を図1に示す。
本発明の包装体は、例えば、本発明の熱融着性フィルムを袋状容器にし、これに上述したような各種用途における被包装物(内容物)を充填してヒートシールすることによって得られる。本発明の熱融着性フィルムは、低温シール性に優れているため、内容物を高速に充填することができる。
以下の実施例において、メルトマスフローレイト(MFR)、密度(D)、ダートインパクト及び高速充填性は、下記のように測定した。
JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
ダートインパクトは、ASTM D1709に従って、以下の条件にて測定した。
試験片(40μm厚)をエアークランプ方式で締め付け、半球形のダートを一定の高さから落下させ、試験片が50%破壊する荷重[g]をグラフから読み取る。一水準の落下回数は10回として、A法を用いる。
実施例および比較例で得られた熱融着性フィルムについて、縦ピロー高速製袋機(シール時間:0.1秒) を用いて、シール温度100~199℃にて10袋作製した。その後、各温度で製袋した10袋の水没試験を実施し、1袋も漏れがない温度領域を製袋可能温度幅とした。
表1に示す層構成[内層(14μm)/中間層(13μm)/外層(13μm)]を有するシーラントフィルムを、以下の条件で製造した。
成形機:アルピネ製インフレーション成形機
ダイス:125mmφ(径)、4.0mm(リップ幅)
成形温度:200℃
押出し量:110kg/h
引取速度:32m/min
得られたシーラントフィルムについて、上述した方法で初期弾性率(MD)およびダートインパクトを測定した。結果を表1に示す。
基材として、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(ユニチカ(株)製「エンブレット」)の片面に、ウレタン系アンカーコート剤を塗布した後、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製「エンブレム」)を貼り合わせた積層フィルムを用いた。
樹脂(a-1):環状オレフィン系樹脂(ポリプラスチックス(株)製「TOPAS 8007F-04」、Tg(10℃/min) :78℃ (測定法:ISO11357-1,-2,-3))
樹脂(b-1):エチレン系樹脂(プライムポリマー社製「SP2020」、密度:916kg/cm3、MFR:2.3)
上記表1に示すように、本発明の組成物を用いた実施例1,2の熱融着性フィルムは、比較例1,2よりも低温シール性に優れ、かつ、製袋可能温度幅が広いことから、高速充填性に優れている。
(II) シーラント層(II)
(III) 基材(III)
Claims (5)
- ガラス転移温度が40~160℃の非晶性熱可塑性樹脂(A)0.1質量%以上2質量%未満と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(B)98質量%超99.9質量%以下(ただし、非晶性熱可塑性樹脂(A)とエチレン系樹脂(B)の合計を100質量%とする。)を含有し、前記非晶性熱可塑性樹脂(A)が環状ポリオレフィンであるシーラント用樹脂組成物:
(i)密度が880~970kg/m3である;
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1~50g/10分である。 - 前記非晶性熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度が60~130℃である請求項1に記載のシーラント用樹脂組成物。
- 請求項1~2のいずれか1項に記載のシーラント用樹脂組成物からなる層(I)と、エチレン系樹脂からなる層(II)とを含むシーラント用多層フィルム。
- 前記層(II)が2以上の層を含む請求項3に記載のシーラント用多層フィルム。
- 請求項3または4に記載のシーラント用多層フィルムと、基材(III)とを含み、かつ、前記シーラント用多層フィルムにおける層(I)が前記基材(III)と隣接している熱融着性積層フィルム。
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