JP2019171761A - 表面硬度が高い多層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】透明性、ヒートシール性、衝撃強度および引張弾性率を維持した状態で、フィルムの表面硬度を向上させることにより、カールが発生せずに適度な剛性を有する多層フィルムを提供すること。【解決手段】本発明の多層フィルムは、環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。)からなる層(I)と、エチレン系樹脂を含有する層(II)とを含む:(i)密度が880〜970kg/m3である;(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。【選択図】なし
Description
本発明は、表面硬度が高く、包装用途に適した多層フィルムに関する。
ポリエチレン製のインフレーションフィルムは包装用途に広く使用され、包装袋を密閉するためにヒートシールが行われる。
このような包装用フィルムには、用途に応じた特性が求められている。例えば、包装体を手で引き裂いて開封できるように易引裂き開封性(易カット性)が求められている(例えば特許文献1参照)。重量物包装袋の場合、数十キログラム単位の穀物や肥料を入れても破れない強度が求められるため、ダート衝撃強度が強いことが要求される(例えば特許文献2参照)。また、充填時にフィルム自身の剛性がないとフィルムが折れてシワになったり、装置に引っかかり傷がついたりするため、適度な剛性が要求される。しかしながら、剛性が高いとダート衝撃強度が弱くなり、フィルムが破れて中身がこぼれるといった問題や、透明性が悪化して中身が見えにくくなるといった問題が生じる。
このような包装用フィルムには、用途に応じた特性が求められている。例えば、包装体を手で引き裂いて開封できるように易引裂き開封性(易カット性)が求められている(例えば特許文献1参照)。重量物包装袋の場合、数十キログラム単位の穀物や肥料を入れても破れない強度が求められるため、ダート衝撃強度が強いことが要求される(例えば特許文献2参照)。また、充填時にフィルム自身の剛性がないとフィルムが折れてシワになったり、装置に引っかかり傷がついたりするため、適度な剛性が要求される。しかしながら、剛性が高いとダート衝撃強度が弱くなり、フィルムが破れて中身がこぼれるといった問題や、透明性が悪化して中身が見えにくくなるといった問題が生じる。
適度な剛性(表面硬度)を付与するために、包装用フィルムの表層に、中間層よりも剛性の高い高密度のポリエチレンまたはポリプロピレンを用いる方法が知られているが、この場合、カールが酷く、製袋が困難となる問題が発生する。
したがって、フィルムとしてカールが発生せずに充填時に必要十分な剛性(表面硬度)を持ち、かつ衝撃強度が強いフィルムが望まれていた。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、透明性、ヒートシール性、衝撃強度および引張弾性率を維持した状態で、フィルムの表面硬度を向上させることにより、カールが発生せずに適度な剛性を有する多層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、ポリエチレンの多層フィルムの表層に環状オレフィン系重合体を特定の量で配合することで、衝撃強度や引張弾性率に優れた特性を維持しつつ、表面硬度を上げることができることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、特許文献1,2等の従来技術では、多層フィルムの中間層に環状オレフィン系樹脂を配合して易カット性を得るという技術的思想は存在していたが、多層フィルムの表層に特定量の環状オレフィン系樹脂を配合して表面硬度を向上させるという技術的思想は存在しなかった。本発明の態様の例を以下に示す。
[1] 環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。)からなる層(I)と、
エチレン系樹脂を含有する層(II)と
を含む多層フィルム:
(i)密度が880〜970kg/m3である;
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
[2] 前記環状オレフィン系樹脂(a1)が、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする項[1]に記載の多層フィルム。
[3] 前記層(II)が2以上の層を含むことを特徴とする項[1]または[2]に記載の多層フィルム。
エチレン系樹脂を含有する層(II)と
を含む多層フィルム:
(i)密度が880〜970kg/m3である;
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
[2] 前記環状オレフィン系樹脂(a1)が、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする項[1]に記載の多層フィルム。
[3] 前記層(II)が2以上の層を含むことを特徴とする項[1]または[2]に記載の多層フィルム。
本発明によれば、透明性、ヒートシール性、衝撃強度および引張弾性率を維持しつつ、カールを発生させずにフィルムの表面硬度を向上させた包装用多層フィルムを提供することができる。
以下、本発明に係る多層フィルムについて詳細に説明する。
本発明に係る多層フィルムは、環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。)からなる層(I)と、
エチレン系樹脂を含有する層(II)と
を含むことを特徴とする。
(i)密度が880〜970kg/m3である。
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
本発明に係る多層フィルムは、環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。)からなる層(I)と、
エチレン系樹脂を含有する層(II)と
を含むことを特徴とする。
(i)密度が880〜970kg/m3である。
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。
[層(I)]
本発明の多層フィルム中の層(I)は、環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜48量%、より好ましくは0.8〜45重量%と、前記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%、好ましくは52〜99.5重量%、より好ましくは55〜99.2重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。以下「樹脂組成物(I)」ともいう。)からなる。
本発明の多層フィルム中の層(I)は、環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜48量%、より好ましくは0.8〜45重量%と、前記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%、好ましくは52〜99.5重量%、より好ましくは55〜99.2重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。以下「樹脂組成物(I)」ともいう。)からなる。
前記層(I)は、本発明の多層フィルムの表層となる。このように、多層フィルムの表層に環状オレフィン系樹脂(a1)を前記範囲で含有させることにより、透明性、ヒートシール性、衝撃強度および引張弾性率を維持しつつ、カールを発生させずにフィルムの表面硬度を向上させることができる。
<環状オレフィン系樹脂(a1)>
前記層(I)に用いられる環状オレフィン系樹脂(a1)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。本発明では、ポリエチレンに対する分散性の理由により、環状オレフィン系樹脂(a1)はCOCであることが好ましい。
前記層(I)に用いられる環状オレフィン系樹脂(a1)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。本発明では、ポリエチレンに対する分散性の理由により、環状オレフィン系樹脂(a1)はCOCであることが好ましい。
COCとしては、例えば、エチレンと、下記一般式(1)で表わされる環状オレフィンとの共重合体が挙げられる。
前記炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および芳香族炭化水素基が挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げられ、前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基が挙げられ、前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
また、R9とR10、R11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R9またはR10とR11またはR12とが互いに環を形成してもよい。前記2価の炭化水素基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基などが挙げられる。R9またはR10とR11またはR12とから形成される環は単環でも縮合多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、不飽和結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。
前記式(1)で表される環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と、相応するオレフィン類または環状オレフィン類とをディールス・アルダー反応によって縮合させることにより、容易に製造することができる。
前記式(1)で表される環状オレフィンの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6―ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7―メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8―ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−プロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデンテトラシクリ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ペプタデセン、12−メチルヘキサシクロ−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4,10−ペンタデカジエン、ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、メチル置換ペンタシクロ[4.7.0.12,5.08,13.19,12]−3−ペンタデセン、ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセン、ジメチル置換ヘプタシクロ[7.8.0.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15]−4−エイコセン、ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,18]−5−ペンタコセン、トリメチル置換ノナシクロ[9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20.014,19.115,18]−5−ペンタコセンなどが挙げられる。
前記COCは、エチレン成分および上記式(1)で表わされる環状オレフィン成分の他に、本発明の目的に損なわない範囲内で、他の共重合可能な不飽和単量体成分、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状オレフィン、環状ジエンなどを含有してもよい。
前記COCにおいて、エチレンに由来する構造単位は、好ましくは40〜85モル%、より好ましくは50〜75モル%の範囲であり、環状オレフィンに由来する構造単位は、好ましくは15〜60モル%、より好ましくは25〜50モル%の範囲である。エチレン由来の構造単位が前記範囲内で含有されていることにより、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性、衝撃強度に優れる。
環状オレフィン系樹脂(a1)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、ポリプラスチックス社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
<エチレン系樹脂(b1)>
前記層(I)に用いられるエチレン系樹脂(b1)は、上記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂である。
前記層(I)に用いられるエチレン系樹脂(b1)は、上記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂である。
≪条件(i)≫
エチレン系樹脂(b1)の密度は、フィルム剛性、ヒートシール性の観点から、880〜970kg/m3、好ましくは885〜950kg/m3、より好ましくは900〜930kg/m3の範囲である。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定される値である。
エチレン系樹脂(b1)の密度は、フィルム剛性、ヒートシール性の観点から、880〜970kg/m3、好ましくは885〜950kg/m3、より好ましくは900〜930kg/m3の範囲である。前記密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定される値である。
≪条件(ii)≫
エチレン系樹脂(b1)のMFR(190℃、2.16kg荷重、JIS K7210準拠)は、バブル安定性、フィルム強度、成形加工性(流動性)などの観点から、0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分、より好ましくは0.7〜15g/10分の範囲である。
エチレン系樹脂(b1)のMFR(190℃、2.16kg荷重、JIS K7210準拠)は、バブル安定性、フィルム強度、成形加工性(流動性)などの観点から、0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分、より好ましくは0.7〜15g/10分の範囲である。
エチレン系樹脂(b1)としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンの共重合体を含み、このような共重合体は、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒といった公知の触媒を用いて得ることができる。また、他の低密度ポリエチレンを添加することも可能である。本発明では、市販のポリエチレン系樹脂から、上記各特性を満足するポリエチレン系樹脂を選択して使用することができる。また、エチレン系樹脂(b1)は、1種のみでもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<他の成分>
前記樹脂組成物(I)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、顔料、流滴剤などの通常ポリオレフィンに添加される各種添加剤を含有してもよい。
前記樹脂組成物(I)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、顔料、流滴剤などの通常ポリオレフィンに添加される各種添加剤を含有してもよい。
[層(II)]
本発明の多層フィルム中の層(II)は、エチレン系樹脂(b2)を主成分として含有する。前記エチレン系樹脂(b2)としては、シーラントに用いられるエチレン系樹脂であれば特に限定されず、例えば、前記エチレン系樹脂(b1)で例示したものと同様のものが挙げられる。前記層(II)に用いられるエチレン系樹脂(b2)は、前記エチレン系樹脂(b1)と同じ種類のものを用いてもよく、異なる種類のものを用いてもよい。
本発明の多層フィルム中の層(II)は、エチレン系樹脂(b2)を主成分として含有する。前記エチレン系樹脂(b2)としては、シーラントに用いられるエチレン系樹脂であれば特に限定されず、例えば、前記エチレン系樹脂(b1)で例示したものと同様のものが挙げられる。前記層(II)に用いられるエチレン系樹脂(b2)は、前記エチレン系樹脂(b1)と同じ種類のものを用いてもよく、異なる種類のものを用いてもよい。
前記層(II)は、本発明の多層フィルムの内層(シール層)となる。このように、多層フィルムの内層がエチレン系樹脂(b2)からなることにより、ヒートシール性に優れた多層フィルムを得ることができる。前記層(II)は、単層でもよく、2以上の層を含む多層であってもよい。また、エチレン系樹脂(b2)は、1種のみでもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記層(II)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて、前記樹脂組成物(I)で例示した他の成分を含有してもよい。
前記層(II)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、必要に応じて、前記樹脂組成物(I)で例示した他の成分を含有してもよい。
[多層フィルム]
本発明の多層フィルムは、上述した層(I)および層(II)を含む。
本発明の多層フィルムの厚みは、種々用途に応じて適宜設定すればよいが、前記層(I)の厚みとしては、通常、2〜100μm、好ましくは4〜80μmの範囲であり、前記層(II)の厚みとしては通常、4〜150μm、好ましくは8〜120μmの範囲である。
本発明の多層フィルムは、上述した層(I)および層(II)を含む。
本発明の多層フィルムの厚みは、種々用途に応じて適宜設定すればよいが、前記層(I)の厚みとしては、通常、2〜100μm、好ましくは4〜80μmの範囲であり、前記層(II)の厚みとしては通常、4〜150μm、好ましくは8〜120μmの範囲である。
本発明の多層フィルムは、90μm厚の多層フィルムとしてヘイズが50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。ヘイズが50%以下であることによりフィルムの透明性が優れる。
本発明の多層フィルムは、90μm厚の多層フィルムとしてダート衝撃強度が300g以上であることが好ましく、400g以上であることがより好ましい。ダート衝撃強度が300g以上であることで、十分な強度を有し、食品包装袋として適用した際、輸送時や落下時に袋が破れることを防止することができる。一方、上限については特に制限されない。
本発明の多層フィルムは、90μm厚の多層フィルムとしてMD方向の引張弾性率が10〜2500MPaであることが好ましく、50〜2000MPaであることがより好ましく、100〜2000MPaであることがさらに好ましい。MD方向の引張弾性率が10MPa以上であると、フィルムの強度がより向上する。また、MD方向の引張弾性率が2500MPa以下であると、引張強度等、機械強度に優れたフィルムとなる。なお、本明細書において、「MD方向」(Machine Direction)とは、フィルムの流れ方向を指す。
本発明の多層フィルムは、90μm厚の多層フィルムとして微小硬度が100〜1500MPaであることが好ましく、150〜1400MPaであることがより好ましく、200〜1200MPaであることがさらに好ましい。微小硬度が前記範囲内であることにより、カールが発生せずに適度な剛性を有する多層フィルムとなる。また、本発明の多層フィルムの微小硬度は、層(I)に環状オレフィン系樹脂を配合しないこと以外は同様の条件で製造した多層フィルムの微小硬度と比較して、10%以上向上することが好ましい。
<多層フィルムの製造方法>
本発明の多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、各層に用いる樹脂組成物を、多層ダイを用いて溶融状態で共押出し成形して積層した後、インフレーション法等によりフィルム化する共押出法が挙げられる。このようにして得られたフィルムは、そのまま無延伸フィルムとして、あるいは、さらに延伸して延伸フィルムとして、食品包装用袋などを製造するためのフィルムに加工することができる。その場合、溶融押出成形されたフィルム(延伸原反といい、厚さによってはシートと称される厚手の成形体を含む)の厚みは、成形法によって異なる。インフレーション成形で作成する場合の延伸原反は、50μm〜2000μmの厚みが好ましく、100μm〜1500μmがより好ましい。溶融樹脂の冷却方法は空冷、水冷のどちらであってもよい。
本発明の多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、各層に用いる樹脂組成物を、多層ダイを用いて溶融状態で共押出し成形して積層した後、インフレーション法等によりフィルム化する共押出法が挙げられる。このようにして得られたフィルムは、そのまま無延伸フィルムとして、あるいは、さらに延伸して延伸フィルムとして、食品包装用袋などを製造するためのフィルムに加工することができる。その場合、溶融押出成形されたフィルム(延伸原反といい、厚さによってはシートと称される厚手の成形体を含む)の厚みは、成形法によって異なる。インフレーション成形で作成する場合の延伸原反は、50μm〜2000μmの厚みが好ましく、100μm〜1500μmがより好ましい。溶融樹脂の冷却方法は空冷、水冷のどちらであってもよい。
延伸原反を延伸する方法としては、テンター法により縦横に同時又は逐次2軸延伸する方法、チューブラー法により縦横方法に同時2軸延伸する方法、または2つ以上のロールの回転速度比の違いによりフィルムの流れ方向に1軸延伸する方法などを例示できる。
<多層フィルムの用途>
本発明の多層フィルムは、水物包装袋、液体スープ包袋、液体紙器、ラミ原反、特殊形状液体包装袋(スタンディングパウチなど)、規格袋、重袋、ラップフィルム、砂糖袋、油物包装袋、食品包装用などの各種包装用フィルム、プロテクトフィルム、輸液バック、農業用資材、バックインボックス、半導体材料、医薬品、食品などの包装に用いられるクリーンフィルムなどに好適である。
本発明の多層フィルムは、水物包装袋、液体スープ包袋、液体紙器、ラミ原反、特殊形状液体包装袋(スタンディングパウチなど)、規格袋、重袋、ラップフィルム、砂糖袋、油物包装袋、食品包装用などの各種包装用フィルム、プロテクトフィルム、輸液バック、農業用資材、バックインボックス、半導体材料、医薬品、食品などの包装に用いられるクリーンフィルムなどに好適である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、各種物性の測定および評価は、下記のようにして行った。
以下の実施例において、各種物性の測定および評価は、下記のようにして行った。
<メルトマスフローレイト(MFR:[g/10min])>
JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
<密度[kg/m3]>
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
<ヘイズ>
JIS K7136に準拠し、試験片(90μm厚)を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH‐20D」にて測定した。
JIS K7136に準拠し、試験片(90μm厚)を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH‐20D」にて測定した。
<ダート衝撃強度[g]>
ダート衝撃強度は、ASTM D1709に従って、以下の条件および方法にて測定した。
試験片(90μm厚)をエアークランプ方式で締め付け、半球形のダートを一定の高さから落下させ、試験片が50%破壊する荷重[g]をグラフから読み取る。一水準の落下回数は10回として、A法を用いる。
ダート衝撃強度は、ASTM D1709に従って、以下の条件および方法にて測定した。
試験片(90μm厚)をエアークランプ方式で締め付け、半球形のダートを一定の高さから落下させ、試験片が50%破壊する荷重[g]をグラフから読み取る。一水準の落下回数は10回として、A法を用いる。
<引張弾性率(MD方向)>
JIS K6781に準拠して、引張切断荷重用の形状に切断したものを試験片(90μm厚)として用いた。引張試験機(インストロン製「万能引張試験機3380」)を用いて、チャック間距離80mm、引張速度500mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(MD方法)(単位:MPa)を測定した。
JIS K6781に準拠して、引張切断荷重用の形状に切断したものを試験片(90μm厚)として用いた。引張試験機(インストロン製「万能引張試験機3380」)を用いて、チャック間距離80mm、引張速度500mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(MD方法)(単位:MPa)を測定した。
<微小硬度>
島津製作所製「ダイナミック超微小硬度計DUH-W201S」を用いて、温度23℃および湿度50%の条件で測定し、試験荷重を負荷したときの押し込み深さより求められる硬さで計算した。
島津製作所製「ダイナミック超微小硬度計DUH-W201S」を用いて、温度23℃および湿度50%の条件で測定し、試験荷重を負荷したときの押し込み深さより求められる硬さで計算した。
<カール>
試験片として、縦30mm、横200mmのサイズでフィルムを切り出した。切り出す方向は、MD方向に沿った形で200mm切ったサンプルをMDサンプル、TD方向に沿った形をTDサンプルとした。カットしたフィルムサンプルの左端をテープで固定し、テーブルに密着するように右端を手で押さえ、手を離したときにテーブルに接触していない横方向の長さを測定した。MD方向とTD方向それぞれのサンプルが35mm未満であれば「合格」とし、どちらか一方でも35mm以上となった場合は「不良」とした。
試験片として、縦30mm、横200mmのサイズでフィルムを切り出した。切り出す方向は、MD方向に沿った形で200mm切ったサンプルをMDサンプル、TD方向に沿った形をTDサンプルとした。カットしたフィルムサンプルの左端をテープで固定し、テーブルに密着するように右端を手で押さえ、手を離したときにテーブルに接触していない横方向の長さを測定した。MD方向とTD方向それぞれのサンプルが35mm未満であれば「合格」とし、どちらか一方でも35mm以上となった場合は「不良」とした。
[使用した材料]
実施例および比較例で用いた各種原料は以下のとおりである。
<エチレン・α−オレフィン共重合体>
LL1:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP2520」(密度:925kg/m3、MFR:1.9g/10分)
LL2:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP2510」(密度:923kg/m3、MFR:1.4g/10分)
LL3:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP0540」(密度:904kg/m3、MFR:3.8g/10分)
LL4:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP0510」(密度:904kg/m3、MFR:1.2g/10分)
LL5:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP2540」(密度:924kg/m3、MFR:3.8g/10分)
LL6:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP1022」(密度:908kg/m3、MFR:2.0g/10分)
LL7:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP1520」(密度:913kg/m3、MFR:2.0g/10分)
<高圧法ポリエチレン>
LD:高圧法ポリエチレン(密度:919kg/m3、MFR:2.0g/10分)
<高密度ポリエチレン>
HD:(株)プライムポリマー製「ハイゼックス 3600F」(密度:958kg/m3、MFR:1.0g/10分)
<ポリプロピレン>
PP:(株)プライムポリマー製「プライムポリプロ F−300SP」
<環状オレフィン系樹脂>
COC1:ポリプラスチック社製「TOPAS 8007F−04」
COC2:三井化学株式会社製「アペル APL6509T」
実施例および比較例で用いた各種原料は以下のとおりである。
<エチレン・α−オレフィン共重合体>
LL1:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP2520」(密度:925kg/m3、MFR:1.9g/10分)
LL2:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP2510」(密度:923kg/m3、MFR:1.4g/10分)
LL3:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP0540」(密度:904kg/m3、MFR:3.8g/10分)
LL4:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP0510」(密度:904kg/m3、MFR:1.2g/10分)
LL5:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP2540」(密度:924kg/m3、MFR:3.8g/10分)
LL6:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP1022」(密度:908kg/m3、MFR:2.0g/10分)
LL7:(株)プライムポリマー製「エボリュー SP1520」(密度:913kg/m3、MFR:2.0g/10分)
<高圧法ポリエチレン>
LD:高圧法ポリエチレン(密度:919kg/m3、MFR:2.0g/10分)
<高密度ポリエチレン>
HD:(株)プライムポリマー製「ハイゼックス 3600F」(密度:958kg/m3、MFR:1.0g/10分)
<ポリプロピレン>
PP:(株)プライムポリマー製「プライムポリプロ F−300SP」
<環状オレフィン系樹脂>
COC1:ポリプラスチック社製「TOPAS 8007F−04」
COC2:三井化学株式会社製「アペル APL6509T」
[実施例1〜10および比較例1〜5]
表1〜3に示す層構成を有するインフレーションフィルム(厚み90μm、層比1:1:1)を、以下の条件で製造した。なお、層(II)については2層構造とし、層(II)−2を最内層とした。
表1〜3に示す層構成を有するインフレーションフィルム(厚み90μm、層比1:1:1)を、以下の条件で製造した。なお、層(II)については2層構造とし、層(II)−2を最内層とした。
<フィルム成形条件>
成形機:アルピネ製3層インフレーションフィルム成形機
押出機スクリュー径:50mmφ×3台
ダイ径:225mmφ
ダイリップギャップ:3.0mm
押出量:111kg/h(各37kg/h)
引取速度:15m/分
膨比:2.0
成形温度:190℃
冷却リング:トリプルタイプ
得られたフィルムを用いて上記物性の測定および評価を行った。結果を表1〜3に示す。
成形機:アルピネ製3層インフレーションフィルム成形機
押出機スクリュー径:50mmφ×3台
ダイ径:225mmφ
ダイリップギャップ:3.0mm
押出量:111kg/h(各37kg/h)
引取速度:15m/分
膨比:2.0
成形温度:190℃
冷却リング:トリプルタイプ
得られたフィルムを用いて上記物性の測定および評価を行った。結果を表1〜3に示す。
上記表1〜3に示すように、実施例1〜5と比較例1とを対比すると、層(I)に環状オレフィン系樹脂を配合することにより、透明性、衝撃強度および引張弾性率を維持しつつ、カールを発生させずに表面硬度(微小硬度)が10%以上向上したことが判明した。
Claims (3)
- 環状オレフィン系樹脂(a1)0.1〜50重量%と、下記条件(i)および(ii)を満たすエチレン系樹脂(b1)50〜99.9重量%とを含有する樹脂組成物(ただし、成分(a1)と成分(b1)の合計を100重量%とする。)からなる層(I)と、
エチレン系樹脂を含有する層(II)と
を含む多層フィルム:
(i)密度が880〜970kg/m3である;
(ii)190℃、2.16kg荷重におけるメルトマスフローレイト(MFR)が、0.1〜50g/10分である。 - 前記環状オレフィン系樹脂(a1)が、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記層(II)が2以上の層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の多層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018064855A JP2019171761A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 表面硬度が高い多層フィルム |
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JP (1) | JP2019171761A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2019189359A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2021-02-25 | 株式会社プライムポリマー | 表面硬度が高い易カット性多層フィルム |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018064855A patent/JP2019171761A/ja active Pending
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