JP7159672B2 - 冷凍加熱用フィルム、耐熱耐寒易引裂性フィルム及び食品包装用フィルム - Google Patents
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Description
食品包装袋に用いられる包装用積層体は、水蒸気バリア性やヒートシール性、耐ピンホール性などの包装袋として必要な特性付与の観点から、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂層を単独もしくは積層したものが用いられてきた。
上記のような包装袋に易開封性を付与する方法として、ポリオレフィン系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層を積層させ、包装袋に易引裂性を付与する方法が挙げられている。
例えば特許文献1においては密度が0.910~0.930g/cm3のポリエチレンからなる外層(A)、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンからなる中間層(B)、密度0.880~0.920g/cm3のポリエチレンからなる内層(C)が順に積層されることを特徴とするヒートシール用易引裂性多層フィルムが記載されているが、これらは通常の条件下での使用を想定している。
一方、個食文化の浸透やコンビニエンスストアの増加により、食品包装袋に対する要求性能も時代に応じて変化してきている。たとえば、食品包装袋には、ロングライフ化のための高温加熱滅菌に耐え、冷凍やチルドでの低温流通を経た後に、電子レンジやレトルトで加熱されるという幅広い温度帯での強度適性が要求されてきている。このような食品は、冷蔵または冷凍輸送保管後加熱されるため、包装袋には耐寒性も耐熱性も要求されるようになっている。更に、ボイルや電子レンジ等の加熱調理後の高温状態での袋の開封はフィルムが伸びやすくなり、手で開封しづらいという問題もある。
また、店頭での視認性や加熱調理時の形態保持の面で、スタンドパウチ形式の包装デザインが採用されており、構成するフィルムとして高剛性化が求められる。
従来、電子レンジやレトルトへ対応する包装袋にはシール層に融点の高いポリプロピレン系樹脂が多く用いられてきた。しかし、ポリプロピレンには耐寒性がなく、輸送時に破袋が発生するという問題がある。
条件(1):23℃での衝撃強度が15J/mm以上
条件(2):-20℃における衝撃強度D(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-D<10
条件(3):80℃における衝撃強度F(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-F<10
第2の発明によれば、JIS K7128-2に準拠し測定されるエルメンドルフ引裂試験において、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)の引裂強度が15N/mm以下であることを特徴とする第1の発明に記載の冷凍加熱用フィルムが提供される。
第3の発明によれば、少なくとも、最内層と、最外層と、その間に位置する中間層を有する多層フィルムであって、最内層及び最外層に、(a-1)密度が0.925~0.940g/cm3、(a-2)MFRが0.1~20g/10分の直鎖状中密度ポリエチレン(A)を65~100重量%を含有し、中間層に環状オレフィン系樹脂(B)20~90重量%、密度が0.900~0.930g/cm3、MFRが0.1~20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(C)を10~80重量%含有することを特徴とする耐熱耐寒易引裂性フィルムが提供される。
第4の発明によれば、該環状オレフィン系樹脂は、エチレン・環状オレフィン共重合体であり、ガラス転移点が105℃以上であることを特徴とする第3の発明に記載の耐熱耐寒易引裂性フィルムが提供される。
第5の発明によれば、該直鎖状中密度ポリエチレン(A)は、更に下記物性(a-3)を有するエチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とする、第3または4のいずれかの発明に記載の耐熱耐寒易引裂性フィルムが提供される。
(a-3)分子量分布(Mw/Mn)が1.8~3.5
第6の発明によれば、第3~5のいずれかの発明に記載の耐熱耐寒易引裂性フィルムを用いた食品包装用フィルムが提供される。
本発明の直鎖状中密度ポリエチレン(A)とは、具体的にはエチレンと炭素数3~18のα-オレフィンとを触媒重合法により共重合して得られる、中密度かつ直鎖状の分子構造を有するエチレン・α-オレフィン共重合体である。
ここで、炭素数3~18のα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-オクタデセン等が挙げられ、中でも、炭素数4~12であるのが好ましく、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数4~10であるものが特に好ましい。
(a-1)密度
成分(A)の密度は、0.925~0.940g/cm3であり、好ましくは0.928~0.940g/cm3、更に好ましくは0.930g/cm3超~0.938g/cm3以下である。ここで、密度は、JIS K7112-1999の「プラスチック-非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のD法(密度こうばい管法)に準拠して測定する値である。
成分(A)のMFRは、0.1~20g/10分であり、好ましくは0.3~15g/10分であり、より好ましくは0.5~10g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、フィルムへ成形加工するとき、樹脂圧が上がる等して加工性が劣ることとなり、一方、MFRが20g/10分超では、包装用フィルムとしての機械的強度、フィルム成形加工時のバブル安定性等の加工性が劣ることとなる。
ここで、MFRは、JIS K7210-1999の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、試験条件:190℃、21.18N(2.16kg)荷重で測定する値である。
カミンスキー型触媒によるエチレン・α-オレフィン共重合体は、例えば、特開昭58-19309号、特開昭59-95292号、特開昭60-35005号、特開昭60-35006号、特開昭60-35007号、特開昭60-35008号、特開昭60-35009号、特開昭61-130314号、特開平3-163088号の各公報、欧州特許公開第420436号公報、米国特許第5055438号明細書、及び国際公開WO91/04257号公報等に記載されている、メタロセン系触媒、特にメタロセン・アルモキサン系触媒を用い、又は例えば、国際公開WO92/07123号公報等に記載されている、メタロセン化合物と該化合物と反応して安定なアニオンとなる化合物からなる触媒を用い、例えば、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法等の重合法によって製造することができる。
更に好ましくは、特許3539801号等に記載されているような、特別な触媒種により製造されるエチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。
該直鎖状中密度ポリエチレン(A)としては、下記物性(a-3)を有するエチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。
(a-3)分子量分布(Mw/Mn)が1.8~3.5
分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)より求められる。
本発明に用いる直鎖状中密度ポリエチレン(A)としては、例えば、本出願人(日本ポリエチレン社)による「ハーモレックス」(商標名)シリーズの中密度領域の新樹脂として、入手可能となる予定である。かかる共重合体は、通常のチーグラー・ナッタ型触媒により得られる重合体よりも分子量分布が狭いことに加えて、幅広い温度領域において強度と高剛性を有し、かつポリエチレン製フィルムに求められるヒートシール性、衝撃強度、更に低臭や低フィッシュアイなどの基本品質を最適化した、ポリエチレン樹脂である。
本発明の易引裂性フィルムの中間層で用いる環状オレフィン系樹脂(B)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα-オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
本発明の直鎖状低密度ポリエチレン(C)とは、具体的にはエチレンと炭素数3~18のα-オレフィンとを触媒重合法により共重合して得られる、低密度かつ直鎖状の分子構造を有するエチレン・α-オレフィン共重合体である。
ここで、炭素数3~18のα-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-オクタデセン等が挙げられ、中でも、炭素数4~12であるのが好ましく、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数4~10であるものが特に好ましい。
(c-1)密度
成分(C)の密度は、0.900~0.930g/cm3であり、好ましくは0.905~0.924g/cm3である。ここで、密度は、JIS K7112-1999の「プラスチック-非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のD法(密度こうばい管法)に準拠して測定する値である。
成分(C)のMFRは、0.1~20g/10分であり、好ましくは0.3~15g/10分であり、より好ましくは0.5~10g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では、フィルムへ成形加工するとき、樹脂圧が上がる等して加工性が劣ることとなり、一方、MFRが20g/10分超では、包装用フィルムとしての機械的強度、フィルム成形加工時のバブル安定性等の加工性が劣ることとなる。
ここで、MFRは、JIS K7210-1999の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、試験条件:190℃、21.18N(2.16kg)荷重で測定する値である。
例えば、日本ポリエチレン社製の「ノバテックLL」(商標名)、「カーネル」(商標名)、「ハーモレックス」(商標名)などを例示することができる。
本発明の各層を構成するエチレン系共重合体組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂やゴム、並びに、熱可塑性樹脂に通常用いられる各種の添加剤、例えば、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、防曇剤、分散剤、流動性改良剤、離型剤、接着性付与剤、難燃剤、着色剤、充填材等が添加されていてもよい。これらの成分は、各成分に含まれていても良いし、エチレン系共重合体組成物の製造時に配合しても良い。
フィルムの製造方法は、多層ダイを用いて押出機で溶融された樹脂をダイス先端で接合させ積層構造とする多層インフレーション成形法、多層Tダイ成形法等の共押出成形法の他に、多層ブロー成形法等の通常の成形法が適用され特に限定されない。
本願発明の耐熱耐寒易引裂性フィルムは、少なくとも、最内層、最外層、及びその間に位置する中間層の3層以上で構成される。最内層及び最外層とは、多層フィルム表面に位置する層であり、該フィルムで袋等を構成する際には内側に位置する層を最内層、シーラントフィルムとして他の基材に貼り合わせる場合には他の基材側となる層を最内層、外側に位置する層を最外層という。
多層構成においては、最内層と中間層、中間層と最外層の間に、バリア性又は接着性等を有する他の任意の層を設けてもよいが、好ましくはシンプルな構成の3層構成である。最内層、中間層、最外層の層比は特に限定されないが、多層フィルム全体を基準として、中間層が10~70%、好ましくは20~70%の厚さであることが好ましい。すなわち、最内層/中間層/最外層の3層フィルムの場合、2/1/2~1/4/1程度の層比をとることができる。中間層の厚さが薄すぎると、十分な易引裂性が得られず、厚すぎると、剛性が高くなりすぎ、成膜性及び製袋適性を悪化させやすい。多層フィルムの全体厚さは10~500μm、好ましくは20~200μmである。
本願発明においては、最内層と最外層が、同一の樹脂組成物で構成されていることが、フィルムの製造効率上も、カール等の問題を発生しない点でも好ましい。
本願発明の最内層及び最外層は、(a-1)密度が0.925~0.940g/cm3、(a-2)MFRが0.1~20g/10分の直鎖状中密度ポリエチレン(A)を65~100重量%を含有することを特徴とし、易引裂性を維持しつつ高温、低温環境での耐衝撃性に優れたフィルムを得る上で好ましい。特に、直鎖状中密度ポリエチレン(A)を70~100重量%含有すると好ましい。直鎖状中密度ポリエチレン(A)の好ましい特性は前記のとおりである。
(8)中間層
本願発明の中間層は、環状オレフィン系樹脂(B)20~90重量%、密度が0.900~0.930g/cm3、MFRが0.1~20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(C)を10~80重量%含むこと、好ましくは、環状オレフィン系樹脂(B)を25~70重量%、直鎖状低密度ポリエチレン(C)を30~75重量%含むと好ましい。(B)の含有量が多いほど、耐熱性が好ましい。重量%は、中間層中の含有量を意味する。
この構成により、耐熱耐寒易引裂性食品用フィルムに要求される耐衝撃性等を維持しつつ、易引裂性を付与することが可能となる。
(9)耐衝撃特性
本願発明の冷凍加熱用フィルム、耐熱耐寒易引裂性フィルムは、好ましい特性として、特定の衝撃強度を有することを特徴とする。すなわち、JIS P8134に準拠し、1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定される打ち抜き衝撃強度が下記条件(1)~(3)を満たすことを特徴とする。
条件(1):23℃での衝撃強度が15J/mm以上
条件(2):-20℃における衝撃強度D(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-D<10
条件(3):80℃における衝撃強度F(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-F<10
(10)引裂特性
本願発明の冷凍加熱用フィルム、耐熱耐寒易引裂性フィルムは、好ましい特性として、特定のエレメンドルフ引裂強度を有することを特徴とする。すなわち、JIS K7128-2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ15N/mm以下であることを特徴とする。更に好ましくは、12N/mm以下である。下限は特に限定されない。
(11)他の基材との組み合わせ
本願発明の冷凍加熱用フィルム、耐熱耐寒易引裂性フィルムをシーラントフィルムとして用いて、酸素バリア性を有する基材フィルムの内容物側に該シーラントフィルムを配して、パウチを構成してもよい。他の機能を有する基材と組み合わせることによって、ロングライフ食品パッケージとして好適な態様となる。
(12)冷凍加熱用フィルム
本願発明における冷凍加熱用フィルムとは、少なくとも-20℃等の冷凍環境下においても、80℃等の加熱環境下においても用いられる用途のフィルムをいい、冷凍と加熱の前後は問わない。例えば食品包装用フィルムの他、医療品包装用フィルムが挙げられる。
(1)密度:JIS K7112-1999の「プラスチック-非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のD法(密度こうばい管法)に準拠して測定した。
(2)MFR:JIS K7210-1999の「プラスチック-熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、試験条件:190℃、21.18N(2.16kg)荷重で測定した。
(3)衝撃強度
JIS P8134に準拠し、下記装置、条件にて1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定した。
装置:恒温槽付フィルムインパクトテスタ(株式会社東洋精機製作所製)
測定環境:温度―20℃、23℃、80℃
耐熱耐寒衝撃性については、次の基準で判断した。
i)耐寒衝撃性
○:-20℃における衝撃強度D(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、-10<E-D<10
×:-10<E-D<10の範囲を超える
ii)耐熱衝撃性
○:80℃における衝撃強度F(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、-10<E-F<10
×:-10<E-F<10の範囲を超える
(4)エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128-2に準拠して下記装置、条件にて測定した。MDは流れ方向(MD:Machine Direction)であり、TDは垂直方向(TD:Transverse Direction)の値である。
装置:デジタルエルメンドルフ引裂試験機 型式SA(株式会社東洋精機製作所製)
測定環境:温度23℃、湿度50%
易引裂性については、次の基準で判断した。
○:引裂強度が15N/mm以下
×:引裂強度が15N/mm超過
(1)成分(A)
(i)a-1:密度が0.935g/cm3、MFRが1.5g/10分、Mw/Mnが3.42、メタロセン系直鎖状中密度ポリエチレンLL(A)
(メタロセン系触媒を用いて、所定の密度及びMFR範囲を有するように製造条件を設定し、製造されたポリエチレン樹脂を用いた。)
(2)成分(B)
環状オレフィン系樹脂:COC
商品名TOPAS「7010F」を使用。
ノルボルネン含有量 42mol%
(3)成分(C)
密度が0.922g/cm3、MFRが0.9g/10分である直鎖状低密度ポリオレフィンLL(C)(日本ポリエチレン社製「UF320」)
(4)AB剤(アンチブロッキング剤)
日本ポリエチレン社製「カーネル KMB16F」
(5)スリップ剤
日本ポリエチレン社製「カーネル KMB05S」
表1の配合に従い多層インフレーション成形機(ダイ径;200mmφ、ダイリップ;3mm、ダイス温度;190℃)を用い、3層の合計厚み60μmのチューブ状フィルムを成形した。最内層:中間層:最外層の厚みは20μm:20μm:20μmであった。得られたフィルムにおいて耐衝撃性、エルメンドルフ引裂強度を評価した。その結果を表2に示す。
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。結果を表2に示す。
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。結果を表2に示す。
東洋紡株式会社製「パイレンフィルム-CT(CPPフィルム)P1153」
フタムラ化学株式会社製「無延伸ポリプロピレンフィルムFRTK-S」
すなわち、一般的なレトルト用CPPを用いた比較例1や、無延伸ポリプロピレンを用いた比較例2では、室温域でのインパクト強度に優れているが、5℃以下になると一気に脆化して強度が低下する挙動を示す。
これに対して、実施例1、2、3は、-20℃、室温、80℃においても、インパクト強度が極端に変化することがなく、実施例1,2は更に、十分な易引裂性を示している。
したがって、本発明の耐熱耐寒易引裂性フィルムは、手で容易に引き裂くことのできる易引裂性と、低温環境及び高温環境での衝撃強度の両方を備えており、大きな技術的意義を持つことが明らかである。
Claims (6)
- 少なくとも、-20℃の冷凍環境下においても、80℃の加熱環境下においても用いられる冷凍加熱用フィルムであって、
JIS P8134に準拠し、1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定される打ち抜き衝撃強度が下記条件(1)~(3)を満たし、
条件(1):23℃での衝撃強度が15J/mm以上
条件(2):-20℃における衝撃強度D(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-D<10
条件(3):80℃における衝撃強度F(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-F<10
少なくとも、最内層と、最外層と、その間に位置する中間層を有する多層フィルムであって、最内層及び最外層に、(a-1)密度が0.925~0.940g/cm 3 、(a-2)MFRが0.1~20g/10分、(a-3)分子量分布(Mw/Mn)が1.8~3.5の直鎖状中密度ポリエチレン(A)を65~100重量%含有することを特徴とする冷凍加熱用フィルム。 - 少なくとも、-20℃の冷凍環境下においても、80℃の加熱環境下においても用いられる冷凍加熱用フィルムであって、
JIS P8134に準拠し、1インチ真鍮製衝撃ヘッドを用いて測定される打ち抜き衝撃強度が下記条件(1)~(3)を満たし、
条件(1):23℃での衝撃強度が15J/mm以上
条件(2):-20℃における衝撃強度D(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-D<10
条件(3):80℃における衝撃強度F(J/mm)と、23℃における衝撃強度E(J/mm)が、
-10<E-F<10
少なくとも、最内層と、最外層と、その間に位置する中間層を有する多層フィルムであって、最内層及び最外層に、(a-1)密度が0.925~0.940g/cm 3 、(a-2)MFRが0.1~20g/10分、(a-3)分子量分布(Mw/Mn)が1.8~3.5の直鎖状中密度ポリエチレン(A)を65~100重量%含有し、中間層に環状オレフィン系樹脂(B)20~90重量%、密度が0.900~0.930g/cm 3 、MFRが0.1~20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(C)を10~80重量%含有することを特徴とする冷凍加熱用フィルム。 - JIS K7128-2に準拠し測定されるエルメンドルフ引裂試験において、フィルムの流れ方向(MD)及びその垂直方向(TD)の引裂強度が15N/mm以下であることを特徴とする請求項2に記載の冷凍加熱用フィルム。
- 該環状オレフィン系樹脂は、エチレン・環状オレフィン共重合体であり、ガラス転移点が105℃以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷凍加熱用フィルム。
- 少なくとも、最内層と、最外層と、その間に位置する中間層を有する多層フィルムであって、最内層及び最外層に、(a-1)密度が0.925~0.940g/cm3、(a-2)MFRが0.1~20g/10分、(a-3)分子量分布(Mw/Mn)が1.8~3.5の直鎖状中密度ポリエチレン(A)を65~100重量%を含有し、中間層に環状オレフィン系樹脂(B)20~90重量%、密度が0.900~0.930g/cm3、MFRが0.1~20g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(C)を10~80重量%含有し、該環状オレフィン系樹脂(B)は、エチレン・環状オレフィン共重合体であり、ガラス転移点が105℃以上であることを特徴とする耐熱耐寒易引裂性フィルム。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の冷凍加熱用フィルム、または、請求項5に記載の耐熱耐寒易引裂性フィルムを用いた食品包装用フィルム。
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