JP2011025637A - 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材 - Google Patents

共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材 Download PDF

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Abstract

【課題】 単体での使用も可能であり、易開封性に優れ、十分なヒートシール強度を有し、耐ピンホール性や包装機械適性が良好で耐低温衝撃性にも優れた共押出多層フィルムと包装材を提供すること。
【解決手段】 密度0.910g/cm以上0.945g/cm未満のエチレン系樹脂50〜90質量%と、密度0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン10〜50質量%との混合樹脂を主成分とする樹脂層(A)と、密度0.900g/cm以上0.940g/cm未満のエチレン系樹脂50〜90質量%と、環状オレフィン系樹脂及び/又は密度0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン10〜50質量%との混合樹脂を主成分とする樹脂層(B)と、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満のエチレン系樹脂を主成分とする樹脂層(C)とを、(A)/(B)/(C)の順に積層した共押出多層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等を包装する包装材に関するものであって、詳しくは手による引き裂き性がフィルムの縦方向のみならず横方向でも良好で、単体使用も可能であり、更にヒートシール強度、耐ピンホール性、包装機械適性、耐低温衝撃性も良好な共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材に関する。
従来、包装材には内容物の保護の観点から、高ヒートシール強度、耐ピンホール性が要求される。一方、近年のユニバーサルデザイン化傾向の中で、社会的弱者(高齢者、幼児、障害者等)に対しての配慮のため、易開封性、易引き裂き性が重要視されつつある。しかしながら、易開封性、易引き裂き性を向上しようとすると、包装材本来の機能であるヒートシール強度、耐ピンホール性が低下する問題があった。
上記の問題を解決するものとして、環状オレフィン系樹脂を主成分とした環状オレフィン系樹脂組成物から形成された第1の層と、オレフィン系(共)重合体またはそれを含む組成物から形成された第2の層との少なくとも2層が積層されてなるポリオレフィン系多層積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記特許文献1で提供される積層体は柔軟性に乏しい環状オレフィン系樹脂を主成分とするため、屈曲に対する耐ピンホール性に問題があった。又実施例において製造されている多層積層体の厚さは100μm以上であり、手で引き裂くことができても直線カット性はなく、思わぬ方向に引き裂かれるため、内容物が飛び出して破損したり、内容物が手や衣服等にかかり汚れたりする等の問題があった。
また、脂環式構造含有重合体からなる層の両面にその他の熱可塑性樹脂からなる層を積層した包装フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この包装フィルムは、20〜40μmと薄いため引き裂き性は良好であるが、環状オレフィン系樹脂を100%使用しているため上記のポリオレフィン系多層積層体と同様に柔軟性に乏しく、耐ピンホール性に問題があった。
これらの問題点を解決する方法として、本発明者は既に低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂とを併用してなる樹脂層の両面に、低密度ポリエチレンを主成分とする樹脂層を積層することで、柔軟性に優れ、耐ピンホール性・直線カット性が良好な多層フィルムを提供した(例えば、特許文献3〜5参照)。しかしながら、これらの多層フィルムを単体で使用し、自動包装機を利用する際には、ヒートシール層と表面層とが同一の樹脂からなることからシール強度を充分に上げようとシール温度やシール圧力等を変更すると表面にシワや収縮が起きることがあり、実質的には厚みが大きい肉厚フィルムやラミネートフィルムとして使用されるものである。また重量のある冷凍肉、冷凍水産品をラミネートなしの単体フィルムで包装する際には、フィルムの破袋や破れ、シール部のはがれ等が発生する危険があった。近年の環境保護の観点からは、包装材の軽量化・薄膜化は喫緊の課題である点を鑑みると、易カット性・耐ピンホール性を損なわずに薄膜化可能であり、かつ耐低温衝撃性が良好である包装用フィルムが求められている。
特開平08−72210号公報 特開2000−334890号公報 特開2007−055234号公報 特開2007−076300号公報 特開2007−245612号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、延伸基材等を利用しない単体での使用も可能であり、縦方向及び横方向ともに易引き裂き性を有することで易開封性に優れ、十分なヒートシール強度を有し、屈曲による耐ピンホール性や包装機械適性が良好で耐低温衝撃性にも優れた共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の密度を有するエチレン系樹脂を表面層・ヒートシール層として選択し、かつ中間層に易引き裂き性発現に寄与する樹脂を組み合わせて使用することにより得られる共押出多層フィルムは、重量物の包装にもある程度耐えられるヒートシール強度を有し、耐ピンホール性、縦方向及び横方向に直線カット性を備えた易引き裂き性に優れ、さらに包装機械適性・耐低温衝撃性も良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、密度が0.910g/cm以上0.945g/cm未満のエチレン系樹脂(a1)50〜90質量%と、密度が0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン(a2)10〜50質量%と、を混合してなる樹脂を主成分とする樹脂層(A)と、密度が0.900g/cm以上0.940g/cm未満のエチレン系樹脂(b1)50〜90質量%と、環状オレフィン系樹脂(b2)及び/又は密度が0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン(b3)10〜50質量%と、を混合してなる樹脂を主成分とする樹脂層(B)と、密度が0.880g/cm以上0.910g/cm未満のエチレン系樹脂(c1)を主成分とする樹脂層(C)とを、(A)/(B)/(C)の順に積層してなることを特徴とする共押出多層フィルム、及び該フィルムからなる包装材を提供するものである。
本発明の共押出多層フィルムは、縦方向及び横方向ともに高い直線カット性及び易引き裂き性を有するため、余分な力を掛けることなく、社会的弱者にも簡単に裂ける易開封性を有する。また、シール可能な温度幅が広くかつシール部の収縮やシワが入りくいなど優れた包装機械適性、屈曲による耐ピンホール性、重量物の包装にも耐えられるヒートシール強度も有し、冷凍包装にも耐えうる低温衝撃性にも優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。尚、本発明において「主成分とする」とは具体的には各樹脂層に用いる樹脂成分のうちの70質量%以上が本発明で規定する樹脂又は樹脂混合物からなるものであることを示すものである。本発明の効果を容易に発現させうることができる観点において、各樹脂層における本発明で規定する樹脂又は樹脂混合物の使用割合は、90質量%以上であることがより好ましい。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(A)で用いるエチレン系樹脂(a1)としては、密度が0.910/cm以上0.945g/cm未満のエチレン系樹脂であればよく、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられる。これらの中でも易引き裂き性と耐ピンホール性とのバランスが良好なことからLDPE、LLDPE、LMDPE、MDPEが好ましい。
LDPEとしては高圧ラジカル重合法で得られる分岐状中または高密度ポリエチレンであれば良く、好ましくは高圧ラジカル重合法によりエチレンを単独重合した分岐状低密度ポリエチレンである。
LLDPEとしては、シングルサイト触媒を用いた低圧ラジカル重合法により、エチレン単量体を主成分として、これにコモノマーとしてブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン等のα−オレフィンを共重合したものである。LLDPE中のコモノマー含有率としては、0.5〜10モル%の範囲であることが好ましく、1〜7モル%の範囲であることがより好ましい。なお、コモノマーとしてブテン−1を用いた場合、透明性、耐衝撃性、易引き裂き性等が向上するので好ましく、このとき該ブテン単量体の含有率は、1〜5モル%の範囲であることが最も好ましい。
前記シングルサイト触媒としては、周期律表第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せ等のメタロセン触媒系などの種々のシングルサイト触媒が挙げられる。また、シングルサイト触媒は活性点が均一であるため、活性点が不均一なマルチサイト触媒と比較して、得られる樹脂の分子量分布がシャープになるため、フィルムに成膜した際に低分子量成分の析出が少なく、シール強度の安定性や耐ブロッキング適性に優れた物性の樹脂が得られるので好ましい。
前述のようにエチレン系樹脂(a1)の密度は0.910g/cm以上0.945g/cm未満であるが、0.915g/cm以上0.940g/cm未満の範囲であることがより好ましい。密度が0.910g/cm未満の場合は、後述する樹脂層(C)との密度差が小さくなることに起因して、融点差が小さくなるためヒートシール時において表面にシワや収縮が起こりやすくなり、又0.945g/cm以上では、フィルムの耐ピンホール性・耐低温衝撃性が悪くなることがある。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は95〜135℃の範囲であることが好ましく、100〜130℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性が向上する。また、前記エチレン系樹脂(a1)のMFR(190℃、21.18N)は2〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、フィルムの押出成形性が向上する。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(A)で用いる高密度ポリエチレン(a2)は、易引き裂き性、包装適性向上のために使用するものであり、密度0.950g/cm以上のポリエチレンである。
また、前記高密度ポリエチレン(a2)としては、一般にフィルム成形等の押出成形で用いられる高密度ポリエチレン、例えばメルトフロー(190℃)が5〜20g/10minの流動性の良好な高密度ポリエチレンであることが、前記エチレン系樹脂(a1)と共に溶融混錬して押出成形した場合に比較的分散が良好になり、表面が平滑で透明性の良いフィルムが得られることから好ましい。
このような添加する高密度ポリエチレン(a2)は機械強度が弱いため、他のポリオレフィン系樹脂と比べて比較的もろく引き裂き性が良好になる上、エチレン系樹脂(a1)との相溶性も良いため、ブレンドした際の透明性も維持することができる。また接着性樹脂等を使用することなく、樹脂層(A)と樹脂層(B)との層間接着強度も保持でき、適度な柔軟性も有しているため、耐ピンホール性も良好となる。
樹脂層(A)中における、前述の密度が0.910g/cm以上0.945g/cm未満のエチレン系樹脂(a1)と、高密度ポリエチレン(a2)との使用割合としては、(a1)が50〜90質量%であり(a2)が10〜50質量%である。高密度ポリエチレン(a2)の使用割合が50質量%を超えると、得られる多層フィルムの耐ピンホール性や耐低温衝撃性において劣ることがあり、又、高密度ポリエチレン(a2)の使用割合が10質量%未満では、フィルムの剛性や耐熱性が不足する。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(B)で用いるエチレン系樹脂(b1)としては、密度が0.900g/cm以上0.940g/cm未満のエチレン系樹脂であればよく、即ち、樹脂層(A)で用いるエチレン系樹脂(a1)との相違点は密度の範囲のみである。従って、具体的に挙げられる樹脂としても前記エチレン系樹脂(a1)と同様であり、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、等のポリエチレン樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;更にはエチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー等が挙げられる。これらの中でも易引き裂き性と耐ピンホール性とのバランスが良好なことからLDPE、LLDPE、LMDPE、MDPEが好ましい。
前述のようにエチレン系樹脂(b1)の密度は0.900g/cm以上0.940g/cm未満であるが、0.905g/cm以上0.935g/cm未満の範囲であることがより好ましい。この密度に該当するものであれば、2種類以上のポリエチレン系樹脂をブレンドしても良い。密度が0.900g/cm未満では、剛性が低下し包装機械適性悪化するに加えて、引裂強度の上昇によるカット性に問題が生じる。一方0.940g/cm以上では耐ピンホール性が悪くなることがある。密度がこの範囲であれば、適度な剛性を有し、耐ピンホール性等の機械強度も優れ、フィルム成膜性、押出適性が向上する。また、融点は95〜130℃の範囲であることが好ましく、100〜125℃がより好ましい。融点がこの範囲であれば、加工安定性や後述する環状オレフィン系樹脂(b2)との混練精度が向上する。また、前記ポリエチレン系樹脂(b1)のMFR(190℃、21.18N)は2〜20g/10分であることが好ましく、3〜10g/10分であることがより好ましい。MFRがこの範囲であれば、フィルムの押出成形性が向上する。
このようなエチレン系樹脂(b1)を用いることにより、機械強度をある程度維持でき、耐低温衝撃性も良好になる上、後述する環状オレフィン系樹脂(b2)や高密度ポリエチレン(b3)との相溶性も良いため、ブレンドした際の透明性も維持することができる。また接着性樹脂等を使用することなく、樹脂層(A)と樹脂層(B)との層間接着強度も保持でき、柔軟性も有しているため、耐ピンホール性も良好となる。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(B)で用いる環状オレフィン系樹脂(b2)としては、例えば、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」という。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のオレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」という。)等が挙げられる。さらに、COP及びCOCの水素添加物は、特に好ましい。また、環状オレフィン系樹脂(b2)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
前記ノルボルネン系重合体と原料となるノルボルネン系単量体は、ノルボルネン環を有する脂環族系単量体である。このようなノルボルネン系単量体としては、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデテトラシクロドデセン、ジシクロペンタジエン、ジメタノテトラヒドロフルオレン、フェニルノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、メトキシカルボニルテトラシクロドデセン等が挙げられる。これらのノルボルネン系単量体は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
前記ノルボルネン系共重合体(COC)は、前記ノルボルネン系単量体と共重合可能なオレフィンとを共重合したものであり、このようなオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の炭素原子数2〜20個を有するオレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。
また、前記ノルボルネン系共重合体(COC)中のノルボルネン系単量体の含有比率は、40〜90モル%が好ましく、より好ましくは50〜80モル%である。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性が向上する。
前記環状オレフィン系樹脂(b2)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(B)で用いる高密度ポリエチレン(b3)は、易引き裂き性、剛性の上昇による包装適性向上のために使用するものであり、密度0.950g/cm以上のポリエチレンである。又、前記樹脂層(A)で用いる高密度ポリエチレン(a2)と同一であっても異なっていても良い。
前記樹脂層(B)中の前記エチレン系樹脂(b1)の含有率は50〜90質量%であることを必須とし、易引き裂き性により優れる観点から60〜80質量%含有する事が好ましい。又、前記環状オレフィン系樹脂(b2)の樹脂層(B)中の含有率としては、得られるフィルムの柔軟性と耐ピンホール性や耐低温衝撃性との観点から30質量%以下であることが好ましい。更に前記高密度ポリエチレン(b3)の樹脂層(B)中の含有率としては、透明性・平滑性の観点並びに樹脂層(A)、(C)との層間接着強度の観点から50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
本発明において樹脂層(B)に用いる樹脂混合物は、エチレン系樹脂(b1)と環状オレフィン系樹脂(b2)との混合物、エチレン系樹脂(b1)と高密度ポリエチレン(b3)との混合物、並びにエチレン系樹脂(b1)と環状オレフィン系樹脂(b2)と高密度ポリエチレン(b3)との混合物の何れであっても良いが、得られる多層フィルムの物性バランスに優れ、又原料コストの観点からは、(b1)、(b2)、(b3)の混合物であることが好ましい。又、本発明の効果を損なわない範囲においてその他の樹脂を併用しても良い。
本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(C)で使用するエチレン系樹脂(c1)としては、密度が0.880g/cm以上0.910g/cm未満のエチレン系樹脂であればよく、例えば、超低密度ポリエチレン、プラストマー、エラストマー、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。又、前記エチレン系樹脂(a1)並びに前記エチレン系樹脂(b1)とは、その密度が異なるのみであり、それぞれで記載しているエチレンとその他のモノマーとの共重合体であっても良い。密度が0.880g/cm未満では、ベタつき感が発現するため滑り性の大幅な悪化による成膜性や作業性が低下し、0.910g/cm以上では、前記樹脂層(A)で用いるエチレン系樹脂(a1)との密度が近接するため、ヒートシール時に表面にシワや収縮が起こりやすくなる。
また、エチレン系樹脂(c1)は、MFR(190℃)が0.5〜30.0g/10分であるものが、押出成形が容易となることから好ましく、より好ましくはMFRが2.0〜15.0g/10分のものである。更に、エチレン系樹脂(c1)が、融点が80〜135℃のものであれば、ヒートシール時のフィルムの収縮が起こりにくく、包装適性が向上する。より好ましくは融点が80〜110℃のものである。
前記エチレン系樹脂(a1)は前記エチレン系樹脂(c1)より密度が高いものであり、密度差としては0.02〜0.07g/cm、更に好ましくは0.03〜0.07g/cmの範囲にあることが好ましい。この様な密度差を有する樹脂を樹脂層(A)と樹脂層(C)に用いることにより、得られる多層フィルムの樹脂層(A)の耐熱性が向上し、ヒートシール層である樹脂層(C)の低温シール化やヒートシール強度上昇化が可能になるため、包装適性が向上し、また重量物の包装材として好適に用いることが出来る。
本発明の共押出多層フィルムの層構造は、前記樹脂層(A)、(B)及び(C)を、(A)/(B)/(C)の順で積層したものであるが、前記樹脂層(B)の厚さが、共押出多層フィルムの全厚の30〜80%の範囲であることが好ましく、より好ましくは35〜70%である。共押出多層フィルムの全厚に対する樹脂層(B)の厚さの比率がこの範囲であれば、透明性、引き裂き性、耐ピンホール性、ヒートシール性が向上する。
また、共押出多層フィルムの層構成(A)/(B)/(C)において、前記樹脂層(C)の厚さは、フィルムの剛性・包装機械適性・透明性・耐低温衝撃性および引き裂き容易性の観点から、共押出多層フィルムの全厚の5〜35%であることが好ましく、より好ましくは6〜30%である。
さらに、本発明の共押出多層フィルムは、フィルムの厚さが15〜90μmのものが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。フィルムの厚さがこの範囲であれば、安定したシール強度、包装機械適性、優れた耐ピンホール性能、易引き裂き性能等が得られる。
前記の各樹脂層(A)、(B)、又は(C)には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。特に、フィルム成形時の加工適性、充填機の包装適性を付与するため、樹脂層(A)及び(C)の摩擦係数は1.5以下、中でも1.0以下であることが好ましいので、樹脂層(A)及び(C)には、滑剤やアンチブロッキング剤を適宜添加することが好ましい。
本発明の共押出多層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂層(A)、樹脂層(B)、樹脂層(C)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)/(C)の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明の樹脂層(B)で用いるエチレン系樹脂と、高密度ポリエチレン、環状オレフィン系樹脂との軟化点(融点)の差が大きいため、相分離やゲルを生じることがある。このような相分離やゲルの発生を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロール法が好ましい。
本発明の共押出多層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
さらに、印刷インキとの接着性、ラミネート適性を向上させるため、前記樹脂層(A)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明の共押出多層フィルムからなる包装材としては、冷蔵食品、冷凍食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。
前記包装袋は、本発明の共押出多層フィルムの樹脂層(C)をヒートシール層として、樹脂層(C)同士を重ねてヒートシール、あるいは樹脂層(A)と樹脂層(C)とを重ね合わせてヒートシールすることにより形成した包装袋であることが好ましい。例えば当該共押出多層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填しヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロール状のフィルムを円筒形に端部をシールした後、上下をシールすることにより包装袋を形成することも可能である
また、樹脂層(C)とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋・容器を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができる。
本発明の共押出多層フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成することが好ましい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳しく説明する。
(実施例1)
樹脂層(A)用樹脂として、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状中密度ポリエチレンLMDPE(1)〔密度:0.935g/cm、MFR:4g/10分(230℃、21.18N)、;以下、「LMDPE(1)」という。)70質量部及び高密度ポリエチレン〔密度:0.955g/cm、MFR:7g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「HDPE」という。)30質量部の樹脂混合物を用いた。また、樹脂層(B)用樹脂として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体〔日本ゼオン株式会社製「ゼオノア 1060R」、MFR:60g/10分(280℃、21.18N)、ガラス転移温度:100℃;以下、「COP」という。〕20質量部及び直鎖状中密度ポリエチレン〔密度:0.930g/cm、MFR:5g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「LMDPE(2)」という。〕70質量部及びHDPE10質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、メタロセン触媒を用いて重合された超低密度ポリエチレンVLLDPE〔密度:0.890g/cm、MFR:4g/10分(230℃、21.18N)、エルカ酸アミド系のスリップ剤5000ppm、合成シリカ系のアンチブロッキング剤7000ppmを含有;以下、「VLLDPE」という。)を用いた。これらの樹脂をそれぞれ、樹脂層(A)用押出機(口径50mm)及び樹脂層(B)用押出機(口径50mm)及び樹脂層(C)用押出機(口径50mm)に供給して200〜230℃で溶融し、その溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が(A)/(B)/(C)の3層構成で、各層の厚さが10μm/14μm/6μm(合計30μm)である共押出多層フィルム(X1)を得た。
(実施例2)
樹脂層(B)用樹脂として、COP13質量部及びLMDPE(2)70質量部及びHDPE17質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=7μm/20μm/3μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X2)を得た。
(実施例3)
樹脂層(B)用樹脂として、COP13質量部及びLMDPE(2)60質量部及びHDPE27質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/14μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X3)を得た。
(実施例4)
樹脂層(B)用樹脂として、COP13質量部及びLMDPE(2)50質量部及び低密度ポリエチレン〔密度:0.920g/cm、MFR:5g/10分(190℃、21.18N);以下、「LDPE(3)」という。〕10質量部とHDPE27質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=7μm/20μm/3μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X4)を得た。
(実施例5)
樹脂層(B)用樹脂として、COP13質量部及びLMDPE(2)10質量部及びLDPE(3)50質量部、HDPE27質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=3μm/18μm/9μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X5)を得た。
(実施例6)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)50質量部とHDPE50質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、COP30質量部及びLMDPE(2)70質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=7μm/20μm/3μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X6)を得た。
(実施例7)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)50質量部とHDPE50質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、LMDPE(2)60質量部とLDPE(3)30質量部とHDPE10質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/18μm/2μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X7)を得た。
(実施例8)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)70質量部とHDPE30質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、LMDPE(2)70質量部とCOP30質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=14μm/40μm/6μm(合計60μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X8)を得た。
(実施例9)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)70質量部とHDPE30質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、LMDPE(2)70質量部とノルボルネン系共重合体(チコナ社製「トパス」、ノルボルネン−エチレン共重合体、MFR:50g/10分(280℃、21.18N)、ガラス転移温度:80℃;以下、「COC」という。)20質量部及びHDPE10質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/14μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X9)を得た。
(実施例10)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)50質量部とHDPE50質量部の混合樹脂を使用し、樹脂層(B)用樹脂として、LMDPE(2)60質量部とLDPE(3)25質量部とCOP15質量部の樹脂混合物を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=7μm/20μm/3μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(X10)を得た。
(比較例1)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、COP70質量部及びLMDPE(2)20質量部及びHDPE10質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、LMDPE(1)の樹脂を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/14μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(Y1)を得た。
(比較例2)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)10質量部とHDPE90質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、COP20質量部及びLMDPE(2)70質量部及びHDPE10質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、LMDPE(1)の樹脂を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/14μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(Y2)を得た。
(比較例3)
樹脂層(A)用樹脂として、ホモポリプロピレン樹脂〔密度:0.900g/cm、MFR:7g/10分(230℃、21.18N)、;以下、「HOPP」という。)
を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、COP13質量部及びLMDPE(2)37質量部及びHDPE50質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、VLLDPE(4)の樹脂を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=16μm/8μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(Y3)を得た。
(比較例4)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)を70質量部とHDPE30質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、COP70質量部及びLMDPE(2)20質量部及びHDPE10質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、VLLDPE(4)の樹脂を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/14μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(Y4)を得た。
(比較例5)
樹脂層(A)用樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.900g/cm、MFR:4g/10分(190℃、21.18N)、;以下、「LLDPE(5)」という。〕80質量部とHDPE20質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、LMDPE(2)を70質量部とCOP13質量部及びHDPE17質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、VLLDPE(4)の樹脂を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=4μm/14μm/12μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(Y5)を得た。
(比較例6)
樹脂層(A)用樹脂として、LMDPE(1)を70質量部とHDPE30質量部の混合樹脂を用いた。樹脂層(B)用樹脂として、VLLDPE(4)70質量部及びCOP13質量部及びHDPE17質量部の樹脂混合物を用いた。樹脂層(C)用樹脂として、VLLDPE(4)の樹脂を用いた。フィルムの各層の厚さが(A)/(B)/(C)=10μm/14μm/6μm(合計30μm)となるように実施例1と同様にして共押出多層フィルムを作製し、共押出多層フィルム(Y4)を得た。
上記の実施例1〜10及び比較例1〜6で得られた共押出多層フィルムを用いて、下記の試験及び評価を行った。
引き裂き性試験
上記で得られた共押出多層フィルムを、JIS K7128に準拠して、それぞれ63mm×76mmの大きさの試験片に切り出し、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、引裂強さを測定した。得られた引裂強さから、下記の基準によって引き裂き性を評価した。
○:引裂強さが510未満。
×:引裂強さが510以上。
耐ピンホール性試験
上記で得られた共押出多層フィルムを、それぞれゲルボフレックステスター(テスター産業株式会社製)を用いて、−10℃の低温下で100回屈曲させた後、屈曲部に発生したピンホールの数から、下記の基準によって耐ピンホール性を評価した。
○:ピンホールなし。
×:ピンホールあり。
包装機械適性
実施例、比較例で作成したフィルムを自動包装機にて、下記縦ピロー包装を行い、製袋した。
包装機:合理化技研株式会社 ユニパッカーNUV472
横(合掌貼り)シール:速度30袋/分、縦ヒートシール温度150℃、エアーゲージ圧4kg/cm、横ヒートシール温度110℃から140℃まで10℃刻みで変更しながら樹脂層(C)同士をシールした。縦200mm×横150mmの平袋とした。
縦(封筒貼り)シール:速度30袋/分、横ヒートシール温度150℃、エアーゲージ圧4kg/cm、縦ヒートシール温度120℃から150℃まで10℃刻みで変更しながら樹脂層(C)と樹脂層(A)とを重ね合わせながらシールした。縦200mm×横150mmの平袋とした。
収縮・シワ試験
横(合掌貼り)シール、縦(封筒貼り)シールを行なった平袋のシール部の外観観察により収縮およびヒートシールバーにフィルムが融着しシワ等の入り具合により評価した。尚、110℃の結果は横シールのみ、150℃の結果は縦シールのみであるが、120、130、140℃の結果は両者の結果を示している。
○:シール部の収縮およびシワ等なし
×:シール部の収縮およびシワ等あり
耐低温衝撃性
ASTM D−256の方法に準拠し、−10℃下における衝撃強度をインパクトテスター(スガ試験株式会社)にて測定した。得られた数値から、下記の基準によって低温衝撃強度として評価した。
○:数値0.4J以上
×:数値0.4J未満
上記条件で製袋したフィルムを23℃で自然冷却後、15mm幅の短冊状に試験片を切り出した。この試験片を23℃、50%RHの恒温室において引張試験機(株式会社エー・アンド・ディー製)を用いて、300mm/分の速度で180°剥離を行い、ヒートシール強度を測定した。得られたヒートシール強度の値から、下記の基準によってヒートシール性を評価した。
○:ヒートシール強度が300g/15mm幅以上。
×:ヒートシール強度が300g/15mm幅未満。
上記で得られた結果を表1〜2に示す。
Figure 2011025637
Figure 2011025637
表1の実施例1〜10の結果より、本発明の共押出多層フィルムは、縦方向及び横方向ともに高い易カット性を有する。また、優れた包装機械適性、屈曲による耐ピンホール性、適度なヒートシール強度をも有し、フィルムの耐低温衝撃性にも優れていることが分かった。
表2の比較例1〜6の結果より、下記のことが分かった。
比較例1の共押出多層フィルムは、樹脂層(A)と(C)同一樹脂組成とし、COPを70%と高濃度に使用した例であるが、引き裂き性や収縮・シワはなくは良好であったが、(a1)樹脂と(c1)樹脂の密度差がなく、熱融着(ヒートシール)開始温度が上昇したため、横・縦シールともヒートシール強度が不十分であった。さらに耐ピンホール性、耐低温衝撃強度は劣ることが分かった。
比較例2の共押出多層フィルムは、樹脂層(A)にHDPEを90%と高濃度で用いたものであるが、引き裂き性や収縮・シワはなく、横シール性は比較的良好であったが、耐ピンホール性、耐低温衝撃強度は劣ることが分かった。
比較例3の共押出多層フィルムは、樹脂層(A)にHOPP100%を用いたものであるが、剛性が高すぎ、耐ピンホール性、耐低温衝撃強度、縦シール性は劣ることが分かった。
比較例4の共押出多層フィルムは、樹脂層(B)にCOPを70%と高濃度に使用した例であるが、引き裂き性や収縮・シワはなく良好であったが、耐ピンホール性、耐低温衝撃強度は劣ることが分かった。
比較例5の共押出多層フィルムは、樹脂層(A)に直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE(5)を80%用いたものであるが、引裂強度は上昇し、引き裂き性は劣る。さらに130℃以上では収縮・シワが発生し包装機械適性は劣ることが分かった。
比較例6の共押出多層フィルムは、樹脂層(B)に超直鎖状低密度ポリエチレンVLLDPE(4)を70%用いたものであるが、剛性が低下するため収縮・シワが発生し、引裂強度は上昇し、引き裂き性は劣ることが分かった。
本発明の共押出多層フィルムは、縦方向及び横方向ともに高い易カット性を有する。また、優れた包装機械適性、屈曲による低温下耐ピンホール性、重量物の包装にも耐えられるヒートシール強度をも有し、フィルムの耐低温衝撃性にも優れている。したがって、本発明の共押出多層フィルムは、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等を包装する包装材に好適である。

Claims (9)

  1. 密度が0.910g/cm以上0.945g/cm未満のエチレン系樹脂(a1)50〜90質量%と、密度が0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン(a2)10〜50質量%と、を混合してなる樹脂を主成分とする樹脂層(A)と、
    密度が0.900g/cm以上0.940g/cm未満のエチレン系樹脂(b1)50〜90質量%と、環状オレフィン系樹脂(b2)及び/又は密度が0.950g/cm以上の高密度ポリエチレン(b3)10〜50質量%と、を混合してなる樹脂を主成分とする樹脂層(B)と、
    密度が0.880g/cm以上0.910g/cm未満のエチレン系樹脂(c1)を主成分とする樹脂層(C)とを、
    (A)/(B)/(C)の順に積層してなることを特徴とする共押出多層フィルム。
  2. 前記環状オレフィン系樹脂(b2)が、ノルボルネン系重合体である請求項1記載の共押出多層フィルム。
  3. 前記樹脂層(B)中の環状オレフィン系樹脂(b2)の使用割合が30質量%以下である請求項1又は2記載の共押出多層フィルム。
  4. 前記樹脂層(B)中の高密度ポリエチレン(b3)の使用割合が40質量%以下である請求項1〜3の何れか1項記載の共押出多層フィルム。
  5. 前記樹脂層(B)の厚さが、共押出多層フィルムの全厚の30〜80%である請求項1〜4の何れか1項記載の共押出多層フィルム。
  6. 前記樹脂層(C)の厚さが、共押出多層フィルムの全厚の5〜35%である請求項1〜5の何れか1項記載の共押出多層フィルム。
  7. 前記共押出多層フィルムの全厚が、15〜90μmである請求項1〜6の何れか1項記載の共押出多層フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の共押出多層フィルムからなることを特徴とする包装材。
  9. シール部に引き裂き開始部を設けたものである請求項8記載の包装材。
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