JP2018153964A - 耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装袋 - Google Patents

耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装袋 Download PDF

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Abstract

【課題】 横方向の引裂性、耐衝撃強度に優れ、熱処理後も横方向の引裂性に優れる、耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装袋を提供する。【解決手段】 密度が0.931〜0.945g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)を樹脂主成分として含む第I層(A)、密度が0.870〜0.930g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を10〜80重量%とガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を20〜90重量%とを含む第II層(B)及び密度が0.931〜0.945g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)を樹脂主成分として含む第III層(C)が、順に積層されてなることを特徴とする耐熱性を有する易引裂性多層フィルムである。【選択図】 なし

Description

本発明は、易引裂性多層フィルム及び包装袋に関し、さらに詳しくは、横方向の引裂性、耐衝撃性に優れ、加熱加圧滅菌処理後も、横方向の引裂性、耐衝撃性に優れる、耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装袋に関する。
近年、ゴミの最終処分問題、リサイクル法等により、飲食物、調味料、薬品等に用いる容器は、プラスチックボトルから、かさばらず樹脂の使用量が少ないスタンディングパウチ、スパウトパウチなどの易引裂性包装袋に変わってきている。そして、この易引裂性包装袋は、刃物を使用しなくても簡単に切ることができる易開封性を有する包装用積層体を用いて製造されている。
一方、飲食物包装の分野では、内容物を充填、加熱加圧滅菌処理をした後、冷凍、冷蔵流通をすることが一般的になってきており、加熱、冷却はもちろん、輸送等に伴う衝撃に耐えうる包装が求められてきた。
易引裂性包装袋に用いられている包装用積層体は、二軸延伸したポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等のフィルムを基材とし、この基材にヒートシール層樹脂として、エチレンといわゆるHAO(ハイアーα−オレフィン)と呼ばれる1−ヘキセン又は1−オクテン等のC6以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体(HAO−LLDPE)を樹脂主成分として含む無延伸ポリエチレン系樹脂を積層したものが用いられてきた。
しかしこれらの包装袋は、ヒートシール層樹脂を頑丈にするあまり、易引裂性を失うものであった。このような欠点を改善するため、環状オレフィン系樹脂を用いることによりカット性を付与しようとする試みがなされている。例えば、特定のポリエチレンからなる外層、環状オレフィン系樹脂60〜90重量%と、特定の直鎖状低密度ポリエチレン10〜40重量%とからなる中間層及び密度が特定のポリエチレンからなる内層が、順に積層されてなることを特徴とする易引裂性多層フィルム(特許文献1)が提案されている。
特開2012−885号公報
しかし、当該易引裂性多層フィルム、又は当該易引裂性多層フィルムをヒートシール層樹脂に用いた易引裂性包装袋に、内容物充填後、滅菌を目的として、100℃超の加熱加圧処理をすると、易引裂性が失われるという問題があった。
また、全体の耐熱性を上げるために、ヒートシール層樹脂に、密度が高すぎる(例えば、0.945g/cm<)樹脂を用いると、耐衝撃強度が落ちてしまい、特に食品包装において、冷凍、冷蔵流通時にピンホールが発生してしまうという問題があった。
このように、加熱加圧処理後も易引裂性を有し、冷凍、冷蔵流通にも耐えられる包装袋の確立は難しく、その開発が求められていた。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、横方向の引裂性、耐衝撃強度に優れ、熱処理後も横方向の引裂性に優れる、耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装袋を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の密度のエチレン・α−オレフィンを含む第I層、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と特定のガラス転移点を有する環状オレフィン系樹脂を含む第II層、特定の密度のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む第III層が、順に積層されてなる多層フィルムにより、上記課題を解決することができることを見出した。それらの知見に、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、密度が0.931〜0.945g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)を樹脂主成分として含む第I層(A)、密度が0.870〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を10〜80重量%とガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を20〜90重量%とを含む第II層(B)及び密度が0.931〜0.945g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)を樹脂主成分として含む第III層(C)が、順に積層されてなることを特徴とする耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、環状オレフィン系樹脂(b2)が、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記エチレン・環状オレフィン共重合体が、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることを特徴とする、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、環状オレフィン系樹脂(b2)が、フィルム全体を基準として、5〜30重量%含まれることを特徴とする、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、前記第I層が、密度が0.945g/cmより大きい樹脂成分を実質的に含有しない、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記第II層が、ガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を30〜60重量%含む、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記(c1)と(b1)の密度差が0.025g/cm以上であることを特徴とする、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、さらに、(c1)と(b1)の密度の関係が次の式1を満たすことを特徴とする、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
式1: −0.67×(c1)密度+1.5
<(b1)密度
<−0.67×(c1)密度+1.54
本発明の第9の発明によれば、第1〜8の発明において、熱処理後、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、横方向において、1〜30N/mmであることを特徴とする、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムが提供される。
本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、第II層(B)の厚さは、フィルム全体を基準として、20〜70%であることを特徴とする、易引裂性多層フィルムが提供される。
そして本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明の易引裂性多層フィルムを用いてなることを特徴とする包装材が提供される。
本発明によれば、横方向の引裂性、耐衝撃強度に優れ、熱処理後も横方向の引裂性に優れる、耐熱性を有する易引裂性多層フィルム及び包装材が提供される。
本発明の耐熱性を有する易引裂性多層フィルムの一例の断面を示す概略図である。
以下、本発明の耐熱性を有する易引裂性フィルム及び包装材について、項目ごとに詳細に説明する。
本発明の耐熱性を有する易引裂性フィルムは、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む第I層、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と特定のガラス転移点を有する環状オレフィン系樹脂を含む第II層、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を含む第III層が、順に積層されていることを特徴とする。
また、本発明の包装材は、前記耐熱性を有する易引裂性フィルムを用いてなることを特徴とする。
1.耐熱性を有する易引裂性を構成する層
(1)第II層
本発明のフィルムにおける第II層は、密度が0.870〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を10〜80重量%とガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を20〜90重量%含み、好ましくは、密度が0.870〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を30〜77重量%とガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を23〜70重量%含み、さらに好ましくは、密度が0.870〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を40〜70重量%とガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を30〜60重量%含むことを特徴とする。
第II層における、ガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)の含有量が20重量%未満であると十分な易引裂性が得られない恐れがあり、好ましくない。またガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)の含有量が90重量%を超えると、インフレーションフィルム成形時、バブルの安定性に欠ける恐れがあり、好ましくない。
(a)エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)
本発明の耐熱性を有する易引裂性フィルムの第II層で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)は、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであってもよいが、密度は0.870〜0.930g/cmの範囲である。エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)の密度は、好ましくは、0.880〜0.920g/cmであり、さらに好ましくは、0.890〜0.910g/cmである。エチレン・α−オレフィン共重合体(b1)の密度が0.870g/cm未満であると、熱処理後に易引裂性が得られない恐れがあり、好ましくない。密度が0.930g/cmを超えると、耐衝撃強度に劣る恐れがあり、好ましくない。
なお、本発明において、密度は、JIS K6922−2に基づいて測定する値である。また、エチレン・α−オレフィン共重合体として密度及び含有量の条件を満たす複数種の樹脂を用いる場合には、密度の値は、それら複数種の樹脂の重量割合に基づいて算出される平均値とする。
(b)環状オレフィン系樹脂(b2)
本発明の耐熱性を有する易引裂性フィルムの第II層で用いる環状オレフィン系樹脂(b2)としては、例えば、ガラス転移点が105℃以上となる種類の、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、環状共役ジエン重合体等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体が好ましい。また、ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体(以下、「COP」ともいう。)、ノルボルネン系単量体とエチレン等のα−オレフィンを共重合したノルボルネン系共重合体(以下、「COC」ともいう。)等が挙げられる。また、COP及びCOCの水素添加物も用いることができる。
COCとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなどの直鎖状モノマーとテトラシクロドデセン、ノルボルネンなどの環状モノマーとから得られた環状オレフィン共重合体が挙げられる。さらに具体的には上記直鎖状モノマーと炭素数が3〜20のモノシクロアルケンやビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン)及びこの誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1.2,5.17,10]−3−ドデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン及びこの誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン及びこの誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン等およびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン及びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン及びこの誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン及びこの誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.02,10.03,8.012,21.014,19]−5−ペンタコセン及びこの誘導体等の環状オレフィンとの共重合体からなる環状オレフィン共重合体などが挙げられる。直鎖状モノマー及び環状モノマーは、それぞれ単独でも、2種類以上を併用することもできる。また、このような環状オレフィン共重合体は単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、環状オレフィン系樹脂(b2)に、前記COPとCOCを併用することもできる。その場合は、COPとCOCのそれぞれの異なった性能を付与することができる。
本発明においては、ポリエチレンに対する分散性がより良くなることから、環状オレフィン系樹脂(b2)はCOCであることが好ましい。また、COCとしては、直鎖状モノマーがエチレンである、エチレン・環状オレフィン共重合体であることが好ましい。さらには、環状モノマーは、ノルボルネン等であることが好ましい。
また、本発明においては、環状オレフィン系樹脂(b2)がエチレン・環状オレフィン共重合体である場合は、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることが好ましい。より好ましくは30〜40/70〜60のものである。エチレンが15重量%未満であると、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適性を悪化させることがあるため好ましくない。一方、エチレンが40重量%以上であると、十分な易引裂性、剛性が得られないことがあるため好ましくない。含有比率がこの範囲にあれば、フィルムの剛性、引き裂き性、加工安定性、衝撃強度がより向上するため好ましい。
環状オレフィン系樹脂(b2)は、ガラス転移点が105℃以上となるものである。好ましくは110℃以上のものである。また、環状オレフィン系樹脂(b2)のガラス転移点は、140℃以下であることが好ましい。環状オレフィンの含有量が60重量%未満となると、ガラス転移点が105℃を下回ることがあり、例えば、120℃熱処理後に易引裂性が得られなくなる、芳香成分のバリアー性が低下するようになる、十分な剛性が得られず、高速包装機械適性に劣る等の恐れがある。一方、環状オレフィンの含有量が85重量%以上となると、ガラス転移点が高くなりすぎ、共重合体の溶融成形性やオレフィン系樹脂との接着性が低下する恐れがあり好ましくない。
また、環状オレフィン系樹脂(b2)の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましく、より好ましくは7,000〜300,000である。
環状オレフィン系樹脂(b2)は、易引裂性多層フィルム全体を基準として、20〜70重量%含まれることが好ましい。より好ましくは、20〜50重量%である。20重量%より少ないと、十分な易引裂性が得られないことがあり、好ましくない。一方、70重量%より多いと、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適性を悪化させることがあるため好ましくない。
環状オレフィン系樹脂(b2)として用いることができる市販品として、ノルボルネン系モノマーの開環重合体(COP)としては、例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア(ZEONOR)」等が挙げられ、ノルボルネン系共重合体(COC)としては、例えば、三井化学株式会社製「アペル」、チコナ(TICONA)社製「トパス(TOPAS)」等が挙げられる。本発明においては、ノルボルネン系単量体の含有比率が、前述の範囲にあること、加工性等の理由から、TOPASのグレード7010F−600が好ましい。
尚、ノルボルネン系のモノマーを環状オレフィン系樹脂に用いる場合の、ノルボルネン含量は好ましくは、30mol%以上70mol%以下、より好ましくは35mol%以上65mol%以下、さらに好ましくは36mol%以上60mol%以下である。ノルボルネン含量が30mol%未満であると、易引裂性が得られない可能性がある。また、70mol%を超えると、加工性が悪くなる可能性がある。
(2)第I層
本発明の耐熱性を有する易引裂性多層フィルムにおける第I層は、密度が0.931〜0.945g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)を樹脂主成分として含む。エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)の密度は、好ましくは0.933〜0.940g/cmである。
エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであってもよいが、密度は、0.931〜0.945g/cmであることが必要である。好ましくは0.933〜0.940g/cmである。密度が0.931g/cmを下回る場合は十分な耐熱性が得られず、熱処理後に易引裂性が得られなくなる等、性能に影響が出る恐れがある。一方、密度が0.945g/cmを超える場合は、衝撃強度が低下する恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(a1)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪くなり、フィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなる、といった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、フィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
本発明において好ましく用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)は、具体的には以下のようなものである。すなわち、エチレンと共重合するα−オレフィンは、0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%、特に好ましくは0.3〜4モル%の量で共重合しているものであり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
第I層は、前記共重合体(a1)を樹脂主成分として含む限りにおいて、その他の樹脂成分を含有していてもよい。ただし、耐衝撃性をより十分にするため、密度が0.945g/cmを超える樹脂成分を実質的に含まないことが好ましい。ここで、本明細書において「樹脂主成分として含む」とは、樹脂に含まれる全成分のうち最も含有量が大きい状態であることを指し、第I層における前記共重合体(a1)の含有量は、50重量%以上であることが好ましく、65重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。また、「実質的に含まない」とは、含有量として1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下の、樹脂組成物全体の物性に影響を与えない程度の量しか含まれない、又は検出限界以下の含有量であり、0重量%であると見做してよい量であることを意味する。
(3)第III層
本発明の耐熱性を有する易引裂性多層フィルムにおける第I層は、密度が0.931〜0.945g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)を樹脂主成分として含む。エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)の密度は、好ましくは0.933〜0.940g/cmである。
エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)は、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであってもよいが、密度は、0.931〜0.945g/cmであることが必要である。好ましくは0.933〜0.940g/cmである。密度が0.931g/cmを下回る場合は十分な耐熱性が得られず、熱処理後に易引裂性が得られなくなる等、性能に影響が出る恐れがある。一方、密度が0.945g/cmを超える場合は、衝撃強度が低下する恐れがある。
なお、本発明において、密度は、JIS K 6922−2に基づいて測定する値である。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(c1)のメルトフローレート(MFR)は、190℃において0.1〜30g/10分であることが好ましい。より好ましくは0.5〜4.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合は、溶融流れ性が悪くなり、フィルム加工が困難になる、モーター負荷が大きくなる、といった問題が生じる恐れがあり好ましくない。一方、30g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて、フィルム加工時の製膜安定性が低下する恐れがあり好ましくない。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)は、JIS−K−7210により測定したメルトフローレート値である。
本発明において好ましく用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)は、具体的には以下のようなものである。すなわち、エチレンと共重合するα−オレフィンは、0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%、特に好ましくは0.3〜4モル%の量で共重合しているものであり、α−オレフィンの種類としては、通常は炭素数3〜8のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を挙げることができる。
第III層は、前記共重合体(c1)を樹脂主成分として含み、好ましくは後述する第II層との関係を満足する限りにおいて、その他の樹脂成分を含有していてもよい。
第I層、第II層及び第III層には、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
2.第I層〜第III層
本発明の第I層〜第III層は、前述したように、特定の第I層/特定の第II層/特定の第III層との構成からなる。図1に、本発明の易引裂性多層フィルムの一例の断面の概略図を示す。1は第I層、2は第II層、3は第III層を示す。
第I層〜第III層全体の厚さとしては、30〜150μmのものが好ましい。多層フィルムの厚さが30μm以上であれば、優れた二次成形性が得られる。
また、本発明の第I層〜第III層のうちの第II層の厚さは、易引裂性多層フィルム全体を基準として、20〜70%であることが好ましい。より好ましくは20〜50%である。すなわち、第I層/第II層/第III層が1:0.5:1の厚さ〜1:4:1程度の厚さをとることができる。第II層が20%より薄いと、十分な易引裂性が得られないので好ましくない。一方、70%より厚いと、剛性が高くなりすぎ、インフレーション成形性および製袋適性を悪化させるため好ましくない。第II層がこの範囲であれば、易引裂性に優れる上に、コスト的に有利であり、耐熱性を有する易引裂性多層フィルムの透明性、引裂性、耐ピンホール性が向上するため、好ましい。
本発明の易引裂性多層フィルムは、前記第I層〜第III層がこの順序で積層されており、本発明の目的を損なわない限りにおいて、層間の接着層など、当業者に公知であるその他の層を有していてもよい。
本発明の第I層〜第III層の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、第I層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)と、第II層(B)に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)及び環状オレフィン系樹脂(b2)と、第III層(C)に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)を、それぞれ別の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィードブロック法等の方法により溶融状態で第I層/第II層/第III層の順で積層した後、インフレーションやTダイ・チルロール法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた多層フィルムが得られるので好ましい。
3.第II層と第III層の関係
本発明の第III層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)と第II層に用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)の密度差は0.025g/cm以上、好ましくは0.028g/cm以上であることが好ましい。第III層に用いる(c1)と第II層に用いる(b1)の密度差が0.025g/cmより小さいと、耐熱と衝撃のバランスがとれなくなる恐れがあり、好ましくない。
また、(c1)と(b1)の密度の関係が次の式1、特に式2を満たすことが好ましい。
式1: −0.67×(c1)密度+1.5
<(b1)密度
<−0.67×(c1)密度+1.54
式2: −0.67×(c1)密度+1.51
<(b1)密度
<−0.67×(c1)密度+1.53
−0.67×(c1)密度+1.5≧(b1)密度であると、耐衝撃強度に欠ける恐れがあり、好ましくない。一方、(b1)密度≦−0.67×(c1)密度+1.54であると、耐熱性に欠ける恐れがあり、好ましくない。
4.耐熱性を有する易引裂性多層フィルム
本発明の耐熱性を有する易引裂性フィルムは、熱処理後、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、縦方向及び横方向において、それぞれ1〜30N/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、20N/mm以下である。特に、横方向がこの範囲を満たすことが好ましい。
5.包装材
本発明の耐熱性を有する易引裂性フィルムからなる包装材としては、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等が挙げられる。特に、加熱加圧滅菌処理をした後、冷蔵・冷凍流通する食品包装袋、包装容器に好適である。
前記包装袋は、本発明の易引裂性フィルムの第III層をヒートシール層として、第III層同士を重ねてヒートシールすることにより形成した包装袋が挙げられる。2枚の当該易引裂性フィルムを所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状にした後、ヒートシールをしていない1辺から内容物を充填した後、ヒートシールして密封することで包装袋として用いることができる。また、1枚の当該易引裂性フィルムを用いて、ピロー包装の形態でも用いることができる。さらに、第III層とヒートシール可能な別のフィルムを重ねてヒートシールすることにより包装袋を形成することも可能である。その際、使用する別のフィルムとしては、比較的機械強度の弱いLDPE、EVA等のフィルムを用いることができる。また、LDPE、EVA等のフィルムと、比較的引き裂き性の良い延伸フィルム、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等とを貼り合わせたラミネートフィルムも用いることができる。
また、前記包装容器としては、本発明の易引裂性フィルムを二次成形することにより得られる深絞り成形品(上部に開口部がある底材)が挙げられ、代表的なものとしてブリスターパックの底材が挙げられる。この底材を密封する蓋材は、底材とヒートシールできるものであれば特に材質は問わないが、蓋材と底材を同時に引き裂いて開封できることから、本発明の易引裂性フィルムを蓋材として用いることが好ましい。
上記の二次成形方法としては、例えば、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等が挙げられる。これらの中でも、フィルムあるいはシートを包装機上にてインラインで成形し、内容物を充填できるため真空成形が好ましい。
本発明の易引裂性フィルムを用いた包装材には、初期の引き裂き強度を弱め、開封性を向上するため、シール部にVノッチ、Iノッチ、ミシン目、微多孔などの任意の引き裂き開始部を形成すると好ましい。
以下に実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
なお、実施例に於ける各種物性の測定は、下記要領に従った。
[測定方法]
(1)ダートドロップインパクト(DDI)(A法)
JIS K7124に準拠し、測定を行った。
(2)エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128−2に準拠し、フィルムのTDについて測定した。なお、MDは流れ方向(MD:Macine Direction)であり、TDは垂直方向(TD:Transverse Direction)の値である。
(3)加熱加圧滅菌処理後の物性評価
縦210mm×横140mmとなるように、フィルムを加工し、袋を作製した。その中に、水を400g充填し、シールを行った。
当該水充填フィルムを用いて、115℃−30分及び121℃−30分の条件で、加熱加圧滅菌処理を行った。
また、別に、水を充填しない袋を準備、同様に加熱加圧滅菌処理を行った。
(3)−1 水充填フィルムの評価
(3)−1−(1) エルメンドルフ引裂強度
JIS K7128−2に準拠し、フィルムのTDについて測定した。
(3)−1−(2) 手による引裂性評価
水充填フィルムを開封する際、袋にカッターで傷をつけて、そこを起点とした開封性を評価した。フィルムのTDを引き裂く形で評価を行った。ゆっくりと間断的にTDに手で引き裂いた。間断的に引き裂いても常に簡単に引き裂けるものを○、引き裂きに力を要し、すぐに引き裂きにくくなり、間断的に引き裂けなくなってしまうものを×とした。
(3)−1−(3) 融着状態の評価
融着が見られない、簡単に剥がせる場合を〇、融着があり、簡単に剥がすことができない場合を×とした。
(3)−2 水を充填しないフィルムの評価
融着が見られない、簡単に剥がせる場合を〇、重いがある程度力をかければ剥がせる場合を△、融着して剥がせない場合を×とした。
[インフレーションフィルムの成形条件および成形性評価法]
以下のインフレーションフィルム製膜機(成形装置)を用いて、下記の成形条件で、インフレーションフィルムを成形し、評価した。
(3種3層インフレーション成形機)
装置:インフレーション成形装置(プラコー(株)製)
押出機スクリュー径:外層(第I層)/中間層(第II層)/内層(第III層)
=50mmφ/55mmφ/50mmφ
ダイ径:200mmφ
押出量:49kg/hr
ダイリップギャップ:3mm
引取速度:9m/分
ブローアップ比:2.0
成形樹脂温度:外層(第I層)・内層(第III層)160℃、中間層(第II層) 170℃
フィルム厚み:80μm
冷却リング:2段式風冷リング
[使用原料]
実施例及び比較例で使用した原料は、下記の通りである。なお、密度の単位はg/cm、MFRの単位はg/10minである。
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ノバテックC6「SF941」(PE(1))
密度 0.936g/cm、MFR 2.0g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ハーモレックス「NC595A」(PE(2))
密度 0.935g/cm、MFR 4.0g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(3)エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ハーモレックス「NF394N」(PE(3))
密度 0.935g/cm、MFR 1.5g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(4)エチレン・α−オレフィン共重合体
PE(4)
密度 0.927g/cm、MFR 3.6g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(5)エチレン・α−オレフィン共重合体
PE(5)
密度 0.932g/cm、MFR 4.2g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(6)エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ハーモレックス「NF384A」(PE(6))
密度 0.926g/cm、MFR 1.7g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(7)エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ハーモレックス「NF324A」(PE(7))
密度 0.906g/cm、MFR 1.0g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(8)高圧法低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン社製ノバテックLD「LF441B」(PE(8))
密度 0.924g/cm、MFR 2.0g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(9)高圧法低密度ポリエチレン
日本ポリエチレン社製ノバテックLD「LF280」(PE(9))
密度 0.928g/cm、MFR 0.7g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(10)エチレン・α−オレフィン共重合体
日本ポリエチレン社製ノバテックLL「UF320」(PE(10))
密度 0.922g/cm、MFR 0.9g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
(11)COC(1)
商品名TOPAS「7010F−600」を使用。
ノルボルネン含有量 42mol%、ガラス転移点 110℃
(12)COC(2)
商品名TOPAS「8007F−600」を使用。
ノルボルネン含有量 36mol%、ガラス転移点 78℃
(13)スリップ剤マスターバッチ
日本ポリエチレン社製カーネル「KMB05S」(MB(1))
スリップ剤5wt%のマスターバッチ
(14)アンチブロッキング剤マスターバッチ
日本ポリエチレン社製カーネル「KMB16F」(MB(2))
アンチブロッキング剤16wt%のマスターバッチ
(15)エチレン・α−オレフィン共重合体 ダウ・ケミカル社製エンゲージ「EG8200」
密度 0.870g/cm、MFR 5g/10minのエチレン・α−オレフィン共重合体
[実施例及び比較例]
(実施例1)
表1の通り、第I層をPE(1)、PE(8)、MB(1)、MB(2)の混合物、第II層をPE(7)、COC(1)、MB(1)の混合物、第III層をPE(1)、PE(8)、MB(1)、MB(2)の混合物として、層比1:1:1構成のインフレーションフィルムを得た。フィルム厚みは80μmとした。
そのフィルムについて、ダートドロップインパクト(A法)、エルメンドルフ引裂強度を評価した。また、水を充填した袋を作製、115℃及び121℃加熱加圧滅菌処理後に、エルメンドルフ引裂強度、手による引裂性評価、融着状態を評価した。さらに、水を充填しない袋を作製、同様に熱処理した後の、融着状態を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例2〜8)
表1の通りの配合にて、実施例1と同様にしてインフレーションフィルムを得、その物性を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2018153964
(比較例1〜5)
表2の通りの配合にて、実施例1〜6と同様にインフレーションフィルムを得、その物性を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2018153964
[評価]
表1から明らかなように、本発明の特定事項である特定の層構成のフィルムは、衝撃強度に優れ、熱処理後も引裂強度が低いため十分な易引裂性を有する。実施例7のみは、121℃加熱加圧後にフィルムに皺が発生したものの、いずれのフィルムにおいても、衝撃強度と加熱後の易引裂性を共に備えていることが示された。特に、実施例1〜6のように各層の密度バランスをとることで、要求される物性のバランスに非常に優れたフィルムが得られる。
一方、密度が0.931g/cmより小さいエチレン・α−オレフィン共重合体(PE(4)、PE(6)、PE(7))のみを外層(第I層)に用いた比較例1及び4は121℃処理後の袋内の融着が発生してしまう。
ガラス転移点が低い環状オレフィン系樹脂(COC(2))を中間層(第II層)に用いた比較例2及び5は加熱処理後の横方向への易引裂性は得られない。
密度が0.930g/cmより大きいエチレン・α−オレフィン共重合体(PE(2))を中間層(第II層)に用いた比較例3は衝撃強度が弱い。
本発明によれば、縦方向及び横方向の引裂性に優れ、熱処理後も引裂性に優れた多層フィルム及びこれを用いた包装材が提供される。したがって、本発明の易引裂性多層フィルム及びこれを用いた包装材は、食品、薬品、医療器具、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、包装容器等、特に内容物導入後、熱処理をするような用途に好適に用いることができ、産業上大いに有用である。特に、加熱加圧滅菌処理をした後、冷蔵・冷凍流通する食品包装袋、包装容器に好適である。
1:第I層
2:第II層
3:第III層

Claims (11)

  1. 密度が0.931〜0.945g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(a1)を樹脂主成分として含む第I層(A)、密度が0.870〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(b1)を10〜80重量%とガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を20〜90重量%とを含む第II層(B)及び密度が0.931〜0.945g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(c1)を樹脂主成分として含む第III層(C)が、順に積層されてなることを特徴とする耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  2. 環状オレフィン系樹脂(b2)が、エチレン・環状オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  3. 前記エチレン・環状オレフィン共重合体が、エチレン/環状オレフィンの含有割合が重量比で15〜40/85〜60のものであることを特徴とする請求項2に記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  4. 環状オレフィン系樹脂(b2)が、フィルム全体を基準として、5〜30重量%含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  5. 前記第I層が、密度が0.945g/cmより大きい樹脂成分を実質的に含有しない、請求項1〜4のいずれか一項記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  6. 前記第II層が、ガラス転移点が105℃以上の環状オレフィン系樹脂(b2)を30〜60重量%含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  7. 前記(c1)と(b1)の密度差が0.025g/cm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  8. さらに、(c1)と(b1)の密度の関係が次の式1を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
    式1: −0.67×(c1)密度+1.5
    <(b1)密度
    <−0.67×(c1)密度+1.54
  9. 熱処理後、JIS K7128−2に準拠して測定したエルメンドルフ引裂強度が、横方向において、1〜30N/mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐熱性を有する易引裂性多層フィルム。
  10. 第II層(B)の厚さは、フィルム全体を基準として、20〜70%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の易引裂性多層フィルムを用いてなることを特徴とする包装材。
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