JP4320809B2 - 耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器 - Google Patents

耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物の保存性と耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器に関するもので、より詳細には、内容物の保存性と層間接着性に優れた医薬品用または医薬部外品用多層プラスチックチューブ容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外用消炎・鎮痛剤の用途には、サリチル酸メチル等の芳香族オキシカルボン酸エステルを油相中に含有するW/O型(油中水型)或いはO/W型(水中油型)エマルジョンが広く使用されており、このようなエマルジョンは、医薬品としても医薬部外品としても広く使用されている。
【0003】
このエマルジョンは、一般にチューブ容器に充填されて、夫々の用途に供されているが、多層プラスチックチューブ容器に上記エマルジョンを充填した場合には、内容物の保存性が未だ不十分であり、更に容器の各層間の接着強度が経時により著しく低下するという問題を生じる。
【0004】
多層プラスチックチューブ容器としては各種のものが提案されており、例えば、特開平6−211257号公報には、胴部と肩部と口頸部とが、オレフィン系樹脂による表面樹脂層とポリアクリロニトリル樹脂による内周面樹脂層とこれらの両者の間に存在するエチレンビニルアルコール共重合体のようなバリヤー性樹脂層からなる中間層とを具備する積層構成によるブロー成形体で形成されている押し出しチューブ容器が記載されている。
【0005】
また、環状オレフィン系共重合体は優れた耐水蒸気透過性を有することが知られており、エチレンビニルアルコール共重合体のような酸素バリヤー性樹脂との組合せで多層プラスチック容器とすることも既に知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の多層プラスチックチューブ容器は、多くの内容物に対しては大体満足すべき保存性を示すものではあるが、油相中に芳香族オキシカルボン酸エステルを含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンについては、未だ満足すべき保存性は得られていない。
【0007】
即ち、前述したポリアクリロニトリルを内表面層とした容器では、エマルジョン中の水分が器壁を透過し、エマルジョンの組成が充填時のそれから変化するため、薬剤の粘弾性が適切な範囲から外れたり、或いは塗布時のさらさら性が失われたりするという不都合を生じる。
【0008】
また、環状オレフィン系共重合体を中間層として備えた多層容器では、中間層の表面が芳香族オキシカルボン酸エステルの攻撃を受けやすく、経時により層間接着強度が著しく低下するという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、内容物の保存性と耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器、特に、芳香族オキシカルボン酸エステルを油相中に含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンを充填した場合にも、内容物の保存性と接着性の組合せに優れた医薬品用または医薬部外品用多層プラスチックチューブ容器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、線状のオレフィン系樹脂の外層/接着剤層/環状オレフィン系共重合体からなる中間層/接着剤層/高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂の内層の積層体からなり、該内層は、樹脂100重量部当たり二酸化チタンを0.5乃至2重量部含有しており、油相中に芳香族オキシカルボン酸エステルを含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンの医薬品もしくは医薬部外品が内容物として充填される医薬品用または医薬部外品用多層プラスチックチューブ容器が提供される。
本発明によれば、また、多層プラスチックチューブ容器に油相中に芳香族オキシカルボン酸エステルを含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンの医薬品もしくは医薬部外品が内容物として充填された包装容器において、該多層プラスチックチューブ容器は、線状のオレフィン系樹脂の外層/接着剤層/環状オレフィン系共重合体からなる中間層/接着剤層/高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂の内層の積層体からなり、該内層は、樹脂100重量部当たり二酸化チタンを0.5乃至2重量部含有していることを特徴とする包装容器が提供される。
本発明のチューブ容器においては、外層が5乃至600μmの厚み、中間層が5乃至100μmの厚み、内層が5乃至100μmの厚み、及び接着剤層が5乃至100μmの厚みを有することが好ましい。
また、前記二酸化チタンは、0.01乃至10μmの粒径を有していること、が好ましい。
【0011】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明のチューブ容器の断面構造を示す図1において、この容器壁は、外側からいって、線状のオレフィン系樹脂の外層1、接着剤層2、環状オレフィン系共重合体からなる中間層3、接着剤層4、高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂の内層5の積層体からなっている。
【0012】
本発明のチューブ容器において、外層1として、線状のオレフィン系樹脂を使用するのは、内容物の押し出しに必要な圧縮変形性と、内容物押し出し後エアバック(器壁の戻り変形によるチューブ内への空気の吸い込み)を防止するに足る塑性とが得られるためである。
【0013】
また、中間層3として、環状オレフィン系共重合体を使用するのは、内容物から器壁を通しての水蒸気透過を防ぐためである。特に、前述したエマルジョン系の薬剤では、水分の変化による薬剤の物性変化が著しいが、本発明では、環状オレフィン系共重合体を中間層として使用して、水蒸気透過を低く抑制したことにより、この容器の包装体が長期間経時した場合にも、内容物の押出し性、押出物の形態保持性、患部等への塗布性、肌へのさらさら性などを、充填時のそれと同様な状態に保つことが可能となる。
【0014】
本発明のチューブ容器では、環状オレフィン系共重合体の中間層との組合せで、内層5として、高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂を用いたことが特徴である。
サリチル酸メチルなどの芳香族オキシカルボン酸エステルが、経時により、環状オレフィン系共重合体中間層の表面を侵し、その接着性を著しく低下させることは既に指摘したが、種々のバリアー性樹脂の内でも、アクリロニトリル系樹脂のみが芳香族オキシカルボン酸エステルによる環状オレフィン系共重合体中間層の攻撃を防御するように作用するのである。
【0015】
一般に酸素バリアー性樹脂と呼ばれるものの殆どは強い水素結合を有するものであり、この点では本発明において使用するアクリロニトリル系樹脂もエチレンビニルアルコール共重合体も軌を一にしている。また、エチレンビニルアルコール共重合体は親水性であり、この点からすると、エチレンビニルアルコール共重合体の方が、芳香族オキシカルボン酸エステルに対するバリアー性が大きいことが予測されるのである。
【0016】
ところが、後述する例に示されるとおり、エチレンビニルアルコール共重合体を内層とした多層チューブ容器では、経時により環状オレフィン系共重合体中間層との層間接着力の低下が著しく生じているのに対して、アクリロニトリル系樹脂を内層とした場合には、このような層間剥離や接着力の低下は有効に抑制されている。これは本発明による予想外の効果である。
【0017】
本発明の多層プラスチックチューブ容器では、各樹脂層の厚みに関しても、一定の物性のバランス上適切な範囲がある。オレフィン系樹脂外層が5乃至600μmの厚み、環状オレフィン系共重合体中間層が5乃至100μmの厚み、アクリロニトリル系樹脂内層が5乃至100μmの厚み、及び中間層両サイドの接着剤層が5乃至100μmの厚みを有するのがよい。
【0018】
オレフィン系樹脂外層の厚みが上記範囲を下回ると外層による器壁の保護効果が不十分となり、一方、この外層の厚みが上記範囲を上回るとチューブ容器に必要な押し出し特性やエア・サックバック防止性が不十分となる傾向がある。
環状オレフィン系共重合体中間層の厚みが上記範囲を下回ると耐水蒸気透過性が不十分となり、一方、中間層の厚みが上記範囲を上回るとやはりチューブ容器に必要な押し出し特性やエア・サックバック防止性が不十分となる傾向がある。
また、アクリロニトリル系樹脂内層の厚みが上記範囲を下回ると芳香族オキシカルボン酸エステルなどの内層を通しての透過の影響が現れ、耐層間接着性が低下するようになり、内層の厚みが上記範囲を上回るとチューブ容器に必要な押し出し特性やエア・サックバック防止性が不十分となる傾向がある。
接着剤層の厚みにも一定の範囲があり、接着剤層の厚みが上記範囲を下回ると耐層間接着性が低下する傾向があり、接着剤層の厚みが上記範囲を上回るとチューブ容器に必要な押し出し特性やエア・サックバック防止性が不十分となる傾向がある。
【0019】
[チューブ容器]
本発明の多層プラスチックチューブ容器の一例を示す図2において、この多層チューブ容器は、チューブ容器本体11と蓋12とから成っており、チューブ容器本体11は、図1に示した層構成の多層パリソンの中空成形により一体に成形されたネジ付き押出口13、これに連なる円錐状肩部14、及び細い筒状の胴部15を有している。この筒状胴部15は、切断された端縁部16を有し、この端縁部から内容物を充填した後、胴部の対向する内面同士を融着して、密封底部を形成するようになっている。
【0020】
[アクリロニトリル系樹脂]
本発明のチューブ容器の内層に用いるアクリロニトリル系樹脂は、溶融成形が可能であり、しかも芳香族オキシカルボン酸エステルに対して耐浸透性を有するものでなければならない。
【0021】
この樹脂は、一般に、樹脂中のアクリロニトリル単位の含有量が50乃至95モル%、特に55乃至70モル%の範囲にあるのがよい。
アクリロニトリル単位の含有量が上記範囲を下回ると芳香族オキシカルボン酸エステルなどの器壁への浸透防止が十分でなく、上記範囲内にあるものに比し層間接着性が劣るようになる。一方、アクリロニトリル単位の含有量が上記範囲を上回ると、溶融成形自体が困難となる傾向がある。
【0022】
アクリロニトリル系樹脂としては、アクリロニトリルと他のエチレン系不飽和単量体やジオレフィン系単量体から誘導された共重合体、それらのブレンド物或いはそれらのグラフト変性体などが使用される。
適当な共重合体として、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられ、これらのブレンド物も使用される。
【0023】
更に、上記共重合体或いはそのブレンド物に、アクリロニトリルを主体とするエチレン系不飽和単量体をグラフトさせたハイニトリル樹脂も本発明の目的に好都合に使用できる。
【0024】
用いるアクリロニトリル系樹脂は、フィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、12.5kg荷重下、200℃におけるメルトフローレート(MFR)が2乃至10g/10minの範囲にあることが望ましい。
【0025】
本発明でチューブ容器の内層を形成するアクリロニトリル系樹脂には、白色顔料である二酸化チタン(TiO )を含有させることが必要である。即ち、アクリロニトリル系樹脂内層は、温水と接触すると、白化する傾向がある。これは、上記条件下ではアクリロニトリル系樹脂が水分を吸着し、その結果径が0.5μm程度のボイドが形成されるためと考えられる。これに対して、内層を構成するアクリロニトリル系樹脂中に二酸化チタンを充填すると、上記ボイドが隠蔽されるからである。
【0026】
本発明において用いる二酸化チタンは、各種の白色顔料の中でも、隠蔽性の点でも、また耐内容物性の点でも優れている。二酸化チタンとしては、ルチル型のものでも、またアナターゼ型のものでも使用でき、その粒径は、0.1乃至1μmの範囲にあるものが適している。
二酸化チタンは、アクリロニトリル系樹脂100重量部を基準として、0.5乃至2重量部の量で配合される。
【0027】
[環状オレフィン系共重合体]
環状オレフィン系共重合体としては、環状オレフィンと他のオレフィンとの共重合体が使用され、この共重合体は非晶質乃至低結晶性共重合体であることが好ましい。
環状オレフィン系共重合体(COC)が誘導されるオレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
【0028】
環状オレフィンとしては、基本的には、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次のものが挙げられるが、勿論これに限定されるものではない。
【0029】
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;例えば下記式(1)
【化1】
Figure 0004320809
式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、或いはアルキリ
デン基であり、nは1〜4の数である(以下同様である)、
で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体。特に、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
【0030】
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体;例えば、下記式(2)
【化2】
Figure 0004320809
で表されるトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体。特に、
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン
2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン
5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン。
【0031】
トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン誘導体;例えば、下記式(3)
【化3】
Figure 0004320809
で表されるトリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン誘導体。特に、
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−ウンデセン
10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン。
【0032】
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン誘導体、例えば、下記式(4)
【化4】
Figure 0004320809
で表されるテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン誘導体。特に、
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン。
【0033】
ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン誘導体;例えば、下記式(5)
【化5】
Figure 0004320809
で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン
1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン
1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン
14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン。
【0034】
ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体、例えば下記式(6)
【化6】
Figure 0004320809
で表されるペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン
メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン。
【0035】
ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体、例えば下記式(7)
【化7】
Figure 0004320809
で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン。
【0036】
ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体、例えば下記式(8)
【化8】
Figure 0004320809
で表されるペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン。
【0037】
ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、例えば、下記式(9)
【化9】
Figure 0004320809
で表されるペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン
1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09. 14]−4−ヘキサデセン
1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン
15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン。
【0038】
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、例えば下記式(10)
【化10】
Figure 0004320809
で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。特に、
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン
12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン
12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン
12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン
1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン。
【0039】
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン誘導体、例えば、下記式(11)
【化11】
Figure 0004320809
で表されるヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン。
【0040】
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン誘導体、例えば、下記式(12)
【化12】
Figure 0004320809
で表されるヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン
ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7 .011.16]−4−エイコセン。
【0041】
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば、下記式(13)
【化13】
Figure 0004320809
で表されるヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン。
【0042】
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば下記式(14)
【化14】
Figure 0004320809
で表されるヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン
15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン
トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン。
【0043】
オクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン誘導体、例えば、下記式(15)
【化15】
Figure 0004320809
で表されるオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン誘導体。特に、
オクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン
15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン
15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.013.16.03.8.012.17]−5−ドコセン。
【0044】
ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン誘導体、例えば下記式(16)
【化16】
Figure 0004320809
で表されるノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン誘導体。特に、
ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン
トリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン。
【0045】
ノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.11.04.9.013.22.015.20]−6−ヘキサコセン誘導体、例えば、下記式(17)
【化17】
Figure 0004320809
で表されるノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.11.04.9.013.22.015.20]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、
ノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.1.1.04.9 .013.22.015.20]−6−ヘキサコセン。
【0046】
環状オレフィンの他の例として、次のものを挙げることもできる。
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−メチル−5−フェニル[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン
8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−(α−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン
(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシクロペンタジエンをさらに付加した化合物
11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン
11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン
11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン
14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16−5−エイコセン]
【0047】
この共重合体(COC)は、50乃至22モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に150乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよい。
【0048】
この共重合体の分子量は、特に制限はないが、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至5dl/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以下である。
【0049】
上記共重合体(COC)は、オレフィンと環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させることにより得られる。
【0050】
好適な共重合体(COC)は、三井石油化学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。
【0051】
[オレフィン系樹脂]
本発明のチューブ容器の外層となるオレフィン樹脂としては、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE)、アイソタクティックポリプロピレン(PP)、シンジオタクティックポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LUDPE)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、或いはこれらの2種類以上のブレンド物等が挙げられる。
これらのオレフィン系樹脂の内でも、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)や、線状超低密度ポリエチレン(LUDPE)をも含めて、低密度ポリエチレンが好適である。
【0052】
この低密度ポリエチレンの密度は、一般的にいって、0.910乃至0.940g/cm、特に0.914乃至0.925g/cmの範囲にあるのがよい。
また、低密度ポリエチレンのメルトフローレート(ASTM D1238、190℃)は、一般に2g/10分以下の樹脂が好ましい。
【0053】
上記低密度ポリエチレンには、それ自体公知の配合剤、例えば顔料、充填剤、酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って配合しうる。
【0054】
[接着剤層]
オレフィン系樹脂外層と環状オレフィン系共重合体の中間層との接着強度や、環状オレフィン系共重合体とアクリロニトリル系樹脂内層との接着強度は低いので、これらの層間接着強度を向上させる目的で、接着剤樹脂層を外層と中間層との間並びに中間層と内層との間に設ける。
【0055】
このような接着剤樹脂として、オレフィン系樹脂外層と環状オレフィン系共重合体の中間層との接着に適した接着剤樹脂と、環状オレフィン系共重合体とアクリロニトリル系樹脂内層との接着に適した接着剤樹脂とを別個に使用することもできるが、一般には共通の接着剤樹脂を用いることが好適である。
【0056】
このような接着剤の適当な例としては、決してこれに限定されないが、低密度のエチレン系重合体とスチレン系共重合体とのブレンド物を挙げることができる。
【0057】
接着剤に用いる低密度のエチレン系重合体の密度は、一般的にいって、0.80乃至0.91g/cm、特に0.84乃至0.90g/cmの範囲にあるのがよく、通常の低密度ポリエチレン(LDPE)の他に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)や線状超低密度ポリエチレン(VLDPE)が使用される。
これらの内でも、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であるVLDPEが特に適している。ここで、α−オレフィンとしては、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1等の炭素数4乃至8のものが好適に使用される。この共重合体は、α−オレフィンに由来する分岐鎖を構造中に有している。また、上記エチレン・α−オレフィン共重合体を無水マレイン酸等でグラフとした酸変成エチレン・α−オレフィン共重合体を接着剤成分として使用することもできる。
【0058】
一方、接着剤に用いるスチレン系重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリスチレンなどが挙げられ、これらの内でもスチレン−アクリロニトリル共重合体が好適なものである。
【0059】
低密度のエチレン系重合体(i)とスチレン系重合体(ii)とのブレンド重量比は、一般に、(i):(ii)=30:70乃至80:20の範囲にあることが、環状オレフィン系共重合体とアクリロニトリル系樹脂との接着性並びに環状オレフィン系共重合体とオレフィン系樹脂との接着性の点で好ましい。
【0060】
本発明の目的に好適な接着剤樹脂は、三菱化学株式会社からモデックF502乃至F504の商品名で入手しうる。
【0061】
[チューブ容器及び製造方法]
本発明の多層プラスチックチューブ容器は、オレフィン系樹脂、環状オレフィン系共重合体、アクリロニトリル系樹脂及び接着剤樹脂を、それぞれ対応する押出機で溶融し、オレフィン系樹脂を外層、環状オレフィン系共重合体を中間層、アクリロニトリル系樹脂を内層とし、接着剤樹脂を中間層と外層間並びに中間層と内層間に介在させるように、ダイヘッド内で合流させ、この積層体のパリソンを共押出した後、ブロー成形することにより、製造される。
【0062】
ダイヘッドとしては、多層多重ダイスが使用されるが、ダイヘッドの温度は、用いるオレフィン系樹脂、環状オレフィン系共重合体及びアクリロニトリル系樹脂の種類によっても相違するが、一般に190乃至220℃の温度が、環状オレフィン系共重合体のゲル化を防止しながら、パリソンのドローダウン傾向を抑制する上で適当である。
【0063】
共押出に際して、ダイ内において、環状オレフィン系共重合体中間層の溶融物を、接着剤樹脂の溶融物で予めサンドイッチして積層溶融物とし、この積層溶融物をオレフィン系樹脂の外層の溶融物及びアクリロニトリル系樹脂の内層の溶融物と重ね合わせ、この合流物をダイスのオリフィスから押し出すことができる。この際、ダイ内の合流部の長さを比較的短くし、ダイヘッドの温度を比較的低い温度に維持することも、環状オレフィン系共重合体のゲル化を防止しながら、ドローダウン傾向を抑制する上で有効である。
【0064】
環状のダイオリフィスを通して押出される溶融状態の多層パリソンを、割型内でのブロー成形し、底部をピンチオフして、有底のボトルとする。また、小径のボトルに成形すると共に、このボトルの底部を切断し、内容物充填及び開放端のヒートシールを行って、チューブ容器とすることもできる。
また、多層構成のパイプを押し出し、切断して容器胴部とし、口部は射出成形、圧縮成型等で別途製造し、溶融接着等で接合してチューブ容器とすることもできる。
【0065】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、実施例1及び実施例3は本発明の範囲外の参考例であり、実施例2が本発明例である。尚、実施例における測定法、及び評価法を以下の手順にて行った。
【0066】
[充填内容物と充填方法]
テレピン油、サリチル酸メチル、界面活性剤、水がそれぞれ70wt%:20wt%:10wt%:10wt%であるW/O(water in oil)タイプの乳化品と重量組成が10wt%:20wt%:10wt%:70wt%のO/W(oil in water)タイプ乳化品を作成した。
次に、実施例及び比較例記載の各種試作ボトルのノズル部をアルミ積層フィルムにてヒートシール後、底部を切り、底部より70gずつ上記W/O(water in oil)とO/W(oil in water)タイプ乳化品をそれぞれ充填した。乳化内容品を充填後、底部をヒートシールし、50℃恒温層に保存した。保存期間を2週間とした。
【0067】
[接着強度測定]
50℃保存(2週間)、各チューブから充填内容液を除去後、水洗し、風乾後、胴部を15mm幅の短冊に切り出した。切出し切片の一方をトルエンに浸漬し、COC層を溶解後、COC層と接着層界面の接着強度を引っ張り強度試験機にて測定した。測定条件は、100gロードセル、チャック間距離30mm、引っ張り速度300mm/minとした。
【0068】
[最内PAN層の色相変化]
平均粒径が1.0μmの二酸化チタンを2wt%と10wt%ドライブレンドした最内層PAN容器を評価した。チューブのノズル部をアルミ積層フィルムにてヒートシール後、底部を切り、底部より70g上記試験乳化液(O/W,及び、W/O)を充填した。その後、底部をヒートシールし、50℃恒温層に保存した。保存期間を2週間とした。保存後、試験ボトルから内容物を除去、水洗し、風乾後、最内層表面層の曇りを目視判断した。
評価は、成形直後の最内面層の色目と保存試験後の最内層表面層を比較し、明らかに変化があるボトルを×とし、成形直後の最内層と保存試験後の最内層の色目に変化がないものを○とした。尚、二酸化チタンドライブレンド最内層PAN容器は、二酸化チタンの含有にて、成形直後で白化している。
【0069】
[水分バリア性]
実施例及び比較例に記載の各種試作チューブのノズル部をアルミ積層フィルムでヒートシール後、底部を切り、底部より70ml容の蒸留水を充填、底部をヒートシールした。このそれぞれの蒸留水入りチューブ40℃RH30%の恒温恒湿槽に保存した。6ヶ月間保存後、重量を測定し、初期蒸留水充重量と保存後の蒸留水重量の比較から蒸留水減少率%を求めた。尚、水分減少率%の限界値を3wt%とした。
【0070】
[実施例1]
(樹脂)
最内層に、MI=3.0(ASTM D−1238)のポリアクリロニトリル(PAN)を用いた。又、中間層として、環状オレフィン含有量22mol%:Mw=13万のエチレン環状オレフィン共重合体を用いた。更に、最外層に低密度ポリエチレン(MI=1.3)(ASTM D−1238)を用いた。他、最内外層と上記環状オレフィン系共重合体樹脂中間層の接着のため、MI=1.0(JlS K 6760)のオレフィン系PAN接着性樹脂を用いた。
【0071】
(成形)
4本のスクリュー押出機からなる多層押出機を用い、最内層にポリアクリロニトリル(PAN)、接着層として上記オレフィン系接着性樹脂、中間層にエチレン環状オレフィン共重合体、接着層として上記オレフィン系接着性樹脂、最外層に低密度ポリエチレン樹脂からなる4種5層のダイレクトブロー成形を行った。
成形時のシリンダー温度は4種のシリンダー毎に異なり、特に、エチレン環状オレフィン共重合体樹脂はシリンダーの一部の区間で250℃の温度設定を行った。
全肉厚は450μmであり、それぞれの層構成比率は、内層より外層にいたり11%:5%:10%:5%:69%である内容積180mlの円柱状チューブを作成した。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0072】
[実施例2]
最内層に、平均粒径が1.0μmの酸化チタンを重量比で2wt%含有させたMI=3.0(ASTM D−1238)のポリアクリロニトリル(PAN)を用いた。その他の層構成、及び、成形方法は実施例1と同様のチューブを作成した。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0073】
[実施例3]
最内層に、平均粒径が1.0μmの酸化チタンを重量比で10wt%含有させたMI=3.0(ASTM D−1238)のポリアクリロニトリル(PAN)を用いた。その他の層構成、及び、成形方法は実施例1と同様のチューブを作成した。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0074】
[比較例1]
最内層に、エチレン含有量44mol%のエチレンビニルアルコール共重合体樹脂を用いた他は、実施例1と同様のチューブを作成した。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0075】
[比較例2]
最内層に、低密度ポリエチレン(MI=1.3)(ASTM D−1238)を用いた他は、実施例1と同様のチューブを作成した。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0076】
[比較例3]
中間層バリア材をエチレンビニルアルコール共重合体にし、低密度ポリエチレン/接着層/エチレンビニルアルコール共重合体/接着層/低密度ポリエチレンからなる3種5層の層構成であり、その層構成比が内層から外層に向けて11%:5%:10%:5%:69%となる内容積180mlの円柱状チューブを作成した。最内層が低密度ポリエチレンである以外は実施例1と同様にした。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0077】
[比較例4]
最内層にMI=3.0(ASTM D−1238)のポリアクリロニトリル(PAN)を用いた。
その層構成が内層から外層に向けて11%:5%:84%となるPAN/接着層/LDPEの3種3層の内容積180mlの円柱状チューブを成形した。
各評価結果を表1と表2に示した。
【0078】
【表1】
Figure 0004320809
【0079】
【表2】
Figure 0004320809
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、線状のオレフィン系樹脂の外層/接着剤層/環状オレフィン系共重合体からなる中間層/接着剤層/高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂の内層の積層体で器壁を構成することにより、内容物の保存性と耐薬品性に優れた多層プラスチックチューブ容器、特に、芳香族オキシカルボン酸エステルを油相中に含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンを充填した場合にも、内容物の保存性と耐層間剥離性との組合せに優れた医薬品用または医薬部外品用多層プラスチックチューブ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブ容器の器壁の断面構造を示す断面図である。
【図2】本発明のチューブ容器の一例の側面図である。

Claims (4)

  1. 線状のオレフィン系樹脂の外層/接着剤層/環状オレフィン系共重合体からなる中間層/接着剤層/高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂の内層の積層体からなり、該内層は、樹脂100重量部当たり二酸化チタンを0.5乃至2重量部含有しており、油相中に芳香族オキシカルボン酸エステルを含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンの医薬品もしくは医薬部外品が内容物として充填される医薬品用または医薬部外品用多層プラスチックチューブ容器。
  2. 外層が5乃至600μmの厚み、中間層が5乃至100μmの厚み、内層が5乃至100μmの厚み、及び接着剤層が5乃至100μmの厚みを有することを特徴とする請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記二酸化チタンは、0.01乃至10μmの粒径を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ容器。
  4. 多層プラスチックチューブ容器に油相中に芳香族オキシカルボン酸エステルを含有するW/O型或いはO/W型エマルジョンの医薬品もしくは医薬部外品が内容物として充填された包装容器において、該多層プラスチックチューブ容器は、線状のオレフィン系樹脂の外層/接着剤層/環状オレフィン系共重合体からなる中間層/接着剤層/高ニトリル含量のアクリルニトリル系樹脂の内層の積層体からなり、該内層は、樹脂100重量部当たり二酸化チタンを0.5乃至2重量部含有していることを特徴とする包装容器。
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