JP3893650B2 - 耐傷性に優れた環状オレフィン系共重合体容器 - Google Patents

耐傷性に優れた環状オレフィン系共重合体容器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、環状オレフィン系共重合体から形成され且つ表面が表面処理された包装容器に関するもので、より詳細には、外表面の耐傷性が顕著に向上ししかも被覆の密着性にも優れた環状オレフィン系共重合体容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系共重合体は、透明性に優れ、耐熱性や機械的特性にも優れたオレフィン系樹脂として、透明包装材料の分野で着目されている。
【0003】
環状オレフィン系共重合体から、ボトル等の中空成形容器を製造することも既に知られており、特開平3−726号公報には、環状オレフィンとエチレンとを付加重合して成る共重合体から成形されたブロー成形品が記載されている。また、特開平7−80919号公報には、環状オレフィン成分5乃至60モル%を有するポリオレフィンから成る延伸ブロー成形品が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
環状オレフィン系共重合体から成る容器(ボトル)を、例えばカートンケース内にバラ積みで充填し、振動数13Hz、振幅3mmの条件で60分間振動試験に付した場合には、134個の試料の内、無傷のものは僅か5.9%にすぎず、軽度の傷のもの39.6%、中程度の傷のもの43.3%及び重度の傷のもの11.1%という結果が得られ、環状オレフィン系共重合体容器は、輸送の段階で傷を発生し、商品価値を失うに至ることが明らかである。
【0005】
環状オレフィン系共重合体容器の外表面が、傷つきやすい理由は、この環状オレフィン系共重合体の硬度が低く、またその動摩擦係数が大きいことによる。例えば、ポリプロピレン・シートの鉛筆硬度がB、動摩擦係数が0.19であり、ポリエチレンテレフタレート・シートの鉛筆硬度がB、動摩擦係数が0.13であるのに対して、環状オレフィン系共重合体・シートの鉛筆硬度が6Bで、動摩擦係数が0.34であることからも、これが確認される。
【0006】
従来、PET等から成るポリエステルボトルの潤滑性等を向上させるために、水溶性脂肪酸アルカリ金属塩及び/またはアルキル燐酸エステルアルカリ金属塩を主成分とする潤滑剤をボトルコンベアーに塗布することが知られている(特開平6−172773号及び8−67894号公報)が、環状オレフィン系共重合体(COC)容器の表面に傷が発生するのは、COCとPETとの上記の物性の違いから、全く別の原因によるものである。
【0007】
本発明者らは、溶解度指数(Sp値)が一定の範囲にある水溶性潤滑剤或いは界面活性剤を選択し、これを環状オレフィン系共重合体容器の外表面に施すと、容器表面の塗れや塗布性が良好であり、容器のフレーバー保持性を低下させることなしに、容器外表面の動摩擦係数を低い値に抑制して、容器の耐傷性を顕著に向上させ得ること、及び一度塗布すると耐傷性の持続性もあることを見いだした。
【0008】
即ち、本発明の目的は、容器表面への塗れ性や塗布性に優れているとともに、フレーバー保持性を低下させることなしに、容器外表面の動摩擦係数を低い値に抑制して、容器の耐傷性を顕著に向上させた表面処理環状オレフィン系共重合体容器を提供するにある。
【0009】
本発明の他の目的は、容器表面の耐傷性の向上が簡単な手段でしかも低コストで行えるコストパフォーマンスに優れた表面処理環状オレフィン系共重合体容器を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器の外表面に溶解度指数(Sp値)が9.0以上である水溶性潤滑剤或いは界面活性剤を塗布し、容器の動摩擦係数(25℃)が0.20以下であることを特徴とする環状オレフィン系共重合体製容器が提供される。
【0011】
この容器では、
1.水溶性潤滑剤或いは界面活性剤が容器表面積基準で0.001乃至0.02mg/cm2 の量で塗布されていること、
2.水溶性潤滑剤が天然脂肪族アミン乃至アミド誘導体、グリセリン或いはポリエチレングリコールであること、
3.界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、シュガー脂肪酸エステルまたは脂肪酸石鹸であること、
4.環状オレフィン系共重合体が少なくとも一軸方向に分子配向されていること(表面を処理し、表面のみの分子配向を低下させたものを含む)
好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の容器を示す図1(側面図)において、この容器1は、環状オレフィン系共重合体の延伸ブロー成形で形成されており、胴部2、閉塞底部3及び首部4から成っており、首部4にはキャップ係合用ネジ5が形成されている。
容器の断面構造を示す図2において、容器壁6の外表面には、溶解度指数(Sp値)が9.0以上である水溶性潤滑剤或いは界面活性剤による表面処理層7が形成されている。
【0013】
本発明では、環状オレフィン系共重合体の容器の外表面に、溶解度指数(Sp値)が9.0以上である水溶性潤滑剤或いは界面活性剤による表面処理層を設けることにより、容器外表面の動摩擦係数を0.20以下、特に0.05乃至0.14の低い値に抑制して、容器の耐傷性を顕著に向上させることが可能となる。即ち、環状オレフィン系共重合体から成る容器(ボトル)を振動試験に付した場合の傷の発生の程度は既に指摘したとおりであるが、本発明の表面処理を行うと、無傷のものを59.7%に向上させ、軽度の傷のもの20.9%を含めると、80%以上の割合となり、簡単な処理であるにもかかわらず、耐傷性の向上の効果が著しいことが理解される。
【0014】
一般に、物質の相溶性を評価するための目安として、溶解度指数(Solubility Parameter、SP値)が広く使用されている。このSP値とは、J.BRANDRUP等編 Polymer Handbook(1967年) 第4章に定義されているように、凝集エネルギー密度の1/2乗値であり、物質の水素結合の程度を表しており、水素結合の程度が大きいと、大きい値を取る。例として、環状オレフィン系共重合体の場合 7.4(cal/cm3 1/2 、また水素結合の強いポリアクリロニトリルの場合 15.4(cal/cm3 1/2 である。
【0015】
使用する水溶性潤滑剤或いは界面活性剤の溶解度指数(Sp値)が9.0を下回ると、環状オレフィン系共重合体容器の耐傷性を向上させる効果がなく、また容器のストレスクラッキングを抑制する効果もなくなる。また、水溶性潤滑剤或いは界面活性剤の溶解度指数(Sp値)が11を越えると、環状オレフィン系共重合体容器表面への塗れ性や均一塗布性が低下するので、溶解度指数(Sp値)は11.0以下であることが好ましい。
【0016】
本発明では、環状オレフィン系共重合体の表面処理に使用する水溶性潤滑剤或いは界面活性剤の量が少ない場合にも、優れた滑り性や耐ストレスクラッキング性、並びに耐傷性が得られることが特徴であり、一般に容器の表面積基準で、0.001乃至0.02mg/cm2 の塗布量で十分な効果が得られる。
【0017】
容器の少なくとも外表面を構成する環状オレフィン系共重合体としては、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)が使用される。
【0018】
共重合体を構成するオレフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
【0019】
環状オレフィンとしては、基本的には、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次のものが挙げられるが、勿論これに限定されるものではない。
【0020】
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体;例えば下記式(1)
【化1】
Figure 0003893650
式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、或いはアルキリデン基であり、nは1〜4の数である(以下同様である)、
で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体。特に、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
【0021】
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体;例えば、下記式(2)
【化2】
Figure 0003893650
で表されるトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体。特に、
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン
2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン
5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン。
【0022】
トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン誘導体;例えば、下記式(3)
【化3】
Figure 0003893650
で表されるトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン誘導体。特に、
トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン
10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン。
【0023】
テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン誘導体、例えば、下記式(4)
【化4】
Figure 0003893650
で表されるテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン誘導体。特に、
テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン
8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン。
【0024】
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体;例えば、下記式(5)
【化5】
Figure 0003893650
で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン
1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン
14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン。
【0025】
ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体、例えば下記式(6)
【化6】
Figure 0003893650
で表されるペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン
メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン。
【0026】
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体、例えば下記式(7)
【化7】
Figure 0003893650
で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン。
【0027】
ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体、例えば下記式(8)
【化8】
Figure 0003893650
で表されるペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン
10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン。
【0028】
ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、例えば、下記式(9)
【化9】
Figure 0003893650
で表されるペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、
ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン
1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン
1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン
15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン。
【0029】
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、例えば下記式(10)
【化10】
Figure 0003893650
で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。特に、
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン
1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン。
【0030】
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン誘導体、例えば、下記式(11)
【化11】
Figure 0003893650
で表されるヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン。
【0031】
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン誘導体、例えば、下記式(12)
【化12】
Figure 0003893650
で表されるヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン
ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .112.15 .02.7 .011.16 ]−4−エイコセン。
【0032】
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば、下記式(13)
【化13】
Figure 0003893650
で表されるヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン。
【0033】
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば下記式(14)
【化14】
Figure 0003893650
で表されるヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン
15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン
トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコセン。
【0034】
オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン誘導体、例えば、下記式(15)
【化15】
Figure 0003893650
で表されるオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン誘導体。特に、
オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン
15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン
15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .013.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン。
【0035】
ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン誘導体、例えば下記式(16)
【化16】
Figure 0003893650
で表されるノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン誘導体。特に、
ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン
ドリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−ペンタコセン。
【0036】
ノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体、例えば、下記式(17)
【化17】
Figure 0003893650
で表されるノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、
ノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .015.20 ]−6−ヘキサコセン。
【0037】
環状オレフィンの他の例として、次のものを挙げることもできる。
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−メチル−5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン
8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(α−ナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン
(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシクロペンタジエンをさらに付加した化合物
11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13 ]−4−ペンタデセン
11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14 ]−4−ヘキサデセン
11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14 ]−4−ヘプタデセン
14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 −5−エイコセン]
【0038】
この共重合体(COC)は、50乃至22モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に150乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよい。
【0039】
この共重合体の分子量は、特に制限はないが、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至20dl/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以下である。
【0040】
上記共重合体(COC)は、オレフィンと環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させることにより得られる。
好適な共重合体(COC)は、三井石油化学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。
【0041】
環状オレフィン系共重合体は、単独で用いることが好ましいが、その本質を損なわない範囲、即ち50重量%よりも少ない量、特に30重量%以下の量で、他のオレフィン系樹脂とのブレンド物の形で使用することもできる。他のオレフィン系樹脂としては、オレフィン系ホモポリマーやコポリマーが好適に使用される。例えば、低密度、中密度或いは高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、プロピレン−エチレン共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。勿論これらのオレフィン系樹脂は単独でも二種以上の組み合わせでも使用することができる。
【0042】
ブレンドするこれらのオレフィン系樹脂は、一般に0.1乃至50g/10min、特に0.2乃至30g/10minのMFR(メルトフローレート)を有しているのがよく、成形法に応じて、押出グレードのものや射出グレードのものを適宜選択使用することができる。
【0043】
上記環状オレフィン系共重合体には、それ自体公知の配合剤、例えば顔料、充填剤、酸化防止剤、滑剤、安定剤、紫外線吸収剤等をそれ自体公知の処方に従って配合しうる。
【0044】
環状オレフィン系共重合体或いはその組成物を、押出機や射出機に供給し、溶融混練した後に予備成形体に熱成形し、次いで予備成形体を延伸成形することにより任意の形状の容器に成形する。この際、ガラス転移温度+200℃以下の温度、特にガラス転移温度+150℃以下の温度で溶融混練することが好ましい。
【0045】
押出機としては、任意のスクリュウを備えた押出機が好適に使用される。ダイスとしては、フラットダイやリングダイを使用することができる。
【0046】
射出機としては、射出プランジャまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記混合物を射出型中に射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ内に流入し、冷却固化されてプリフォーム等の予備成形品が得られる。
【0047】
容器の製造に際して、コールドパリソン法のように、一旦予備成形体を製造し、この予備成形体を最終成形品に延伸成形することができる。例えば、射出成形により、容器よりも小さい形状の有底プリフォームを成形し、この有底プリフォームに気体を吹き込むと共に軸方向に引っ張り延伸して二軸延伸成形ボトルとする。また、シートに熱成形後、プラグアシスト成形、圧空成形して、延伸カップ状容器とする。この際器壁は高さ方向に分子配向される。
【0048】
延伸成形は、樹脂のガラス転移点にもよるが、一般に70乃至200℃、特に80乃至180℃の範囲がよく、延伸倍率は1.2乃至20倍、特に1.3乃至16倍の範囲が適当である。
【0049】
本発明に用いる包装容器の形状は、例えばボトル、カップ、チューブ、プラスチック缶等の任意のものであってよい。また、この容器は、環状オレフィン系共重合体の単層の容器であっても、また、外表面が環状オレフィン系共重合体で形成されている限り、他の熱可塑性樹脂との積層容器であってもよく、積層される他の熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合物を挙げることができる。
【0050】
本発明では、上記環状オレフィン系共重合体容器の外表面に、溶解度指数(Sp値)が9.0以上である水溶性潤滑剤或いは界面活性剤を施す。
【0051】
水溶性潤滑剤としては、上記範囲の溶解度指数(Sp値)を有するものであれば、特に制限を受けず使用されるが、好適なものとして、天然脂肪族アミン乃至アミド誘導体、グリセリン或いはポリエチレングリコールを挙げることができる。これらの内、天然脂肪族アミン誘導体は、特に効果において優れたものである。
【0052】
界面活性剤としても、溶解度指数(Sp値)が9.0以上であるノニオン系、アニオン系或いはカチオン系の界面活性剤が使用される。
【0053】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、特殊チオカルボン酸等が挙げられ、これらの内でも、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、シュガー脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ラウリルチオプロピオン酸等が好適である。
【0054】
アニオン系界面活性剤としては、高級脂肪酸の石鹸、例えばナトリウム塩、カリウム塩、エタノールアミン塩、モルフォリン塩等が好適に使用され、高級脂肪酸としては、炭素数10乃至22、特に14乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。ステアリン酸が好適なものである。脂肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸であってもよい。
【0055】
カチオン系界面活性剤としては、有機アミン塩、有機第4級アンモニウム塩、有機ピリジニウム塩、有機スルホニウム塩、有機ホスホニウム塩等が使用される。これら化合物中に存在する有機基としては、低級アルキル基をはじめ、例えば、炭素数10乃至22、特に14乃至18の高級アルキル基または高級アルケニル基等が挙げられる。
【0056】
水溶性潤滑剤或いは界面活性剤は、容器表面積基準で0.001乃至0.02mg/cm2 の量、特に好適には0.003乃至0.01mg/cm2 の量で塗布されているのがよく、上記範囲を下回ると、耐傷性向上の効果がなく、一方上記範囲を上回ると、それによる格別の利点もなく、移行性の問題やコストの点で不利となる。
【0057】
水溶性潤滑剤や界面活性剤は、直接容器表面に施すことも可能であるが、その塗布量が著しく少ないことから、水分で希釈した水溶液として施すのが有利であり、水溶液中の濃度は、一般に0.03乃至0.07重量%の範囲にあるのがよい。
【0058】
水溶性潤滑剤或いは界面活性剤の容器表面への塗布は、スプレー法、ブラシ塗布法、ローラー塗布法、浸漬塗布法、静電塗布法等により行うことができる。本発明の処理においては、塗布量がかなり少ないので、乾燥は自然乾燥で十分であるが、所望によっては、環状オレフィン系共重合体容器の熱変形が防止される程度の温度で加熱乾燥を行ってもよい。
【0059】
【実施例】
本発明を以下の実験例により具体的に説明するが、本発明は以下の各実験例に限定されるものではない。
【0060】
次の要領でシート及び容器を製造し、以下の実験に供した。
(1) シート:環状オレフィン系共重合体APL6508及びAPL8008(三井石油化学(株)製)から成るインジェクションシートを、二軸延伸装置(東洋精機(株)製)を使用して、二軸延伸シートとした。
(2) 容器:環状オレフィン系共重合体APL6508及びAPL8008(三井石油化学(株)製)を、二軸延伸ブロー成形機(日精ASB−50H、日精ASB機械工業(株)製)を使用して、目付10.5g、延伸倍率(面積倍率)4〜5倍の条件で、5K規格錠剤瓶に延伸成形した。
【0061】
以下の実験例における測定は次の通り行った。
▲1▼潤滑性試験(動摩擦係数の測定)
潤滑剤、界面活性剤を塗布した環状オレフィン系共重合体シートの動摩擦係数を槽付動摩擦係数測定装置(テスター産業(株)製)を用いて25℃の条件で測定した。
測定結果は以下の基準で評価した。
A 動摩擦係数が0.14以下であり、非常によく滑る。
B 動摩擦係数が0.14〜0.17であり、よく滑る。
C 動摩擦係数が0.17〜0.20であり、問題なく滑る。
D 動摩擦係数が0.20以上であり、滑りが悪い。
【0062】
▲2▼ストレスクラック試験
潤滑剤、界面活性剤を塗布した環状オレフィン系共重合体製容器を40℃−90%湿度、23℃−50%湿度、5℃の各条件下で保存した各容器について、クラックの発生状態、白化の有無を目視して評価を行った。
評価基準は次のとおりであった。
A クラック発生なし、白化なし
B 10日間以内に、クラックが発生したか或いは白化した。
【0063】
▲3▼落下試験
JIS Z 0202 に準拠した。具体的には、試料容器に水を満注し、これをコンクリート床面に高さ120cmから落下させて行った。落下は、それぞれの条件について3個の水充填容器について行い(N=3)、室温の条件で容器1個に対して垂直落下を10回行った後、水平落下を10回行った。
試料容器としては、潤滑剤、界面活性剤を塗布した環状オレフィン系共重合体製容器を40℃−90%湿度、23℃−50%湿度、5℃の各条件下で、50日及び150日保存したものを用いた。
評価基準は次のとおりである。
A 破損容器なし。
B 破損容器が落下試験に供した全容器の20%以下。
C 破損容器が落下試験に供した全容器の20〜80%。
D 破損容器が落下試験に供した全容器の80%以上。
【0064】
[実験例1]
上記で得られたシート及び容器に、表1に示した潤滑剤、界面活性剤を塗布して得た試料について、前記試験▲1▼〜▲3▼を行った。試験結果を表3に示す。また、塗布方法及び塗布条件を表2に示す。
なお、シート及び容器に塗布した潤滑剤及び界面活性剤のSp値、塗布量も併せて表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0003893650
【0066】
【表2】
Figure 0003893650
【0067】
【表3】
Figure 0003893650
表3の結果から、溶解度指数(Sp値)が9.0以上である水溶性潤滑剤或いは界面活性剤を、環状オレフィン系共重合体容器の外表面に塗布することにより、潤滑性、耐ストレスクラッキング性、落下時の耐傷性を向上させることができた。
また、溶解度指数(Sp値)が11を上回る場合には、はじきを生じ、均一塗布性にやや問題を生じ、Sp値が11以下であることが好ましいことが分かった。 コロナ処理をしても同様の結果が得られた。
【0068】
[実験例2]
潤滑剤として、天然脂肪族アミン誘導体(実験例1の試料No.3)、ソルビタン脂肪酸エステル(実験例1の試料No.6)及び中鎖脂肪酸トリグリセリド(実験例1の試料No.9)を、エタノールで200倍に希釈し、スプレー塗布法により、0.006mg/cm2 塗布量となるように塗布した環状オレフィン系共重合体製容器について、次の要領で振動試験を行った。
▲4▼ 振動試験:JIS Z 0232 に準拠した。具体的には、空容器をバラ積みにした状態でポリ袋に詰め、この空容器を入れたポリ袋を詰めたカートンを振動試験機に固定し、固定振動で、振動条件1G、60分で行った。
その結果、天然脂肪族アミン誘導体(実験例1の試料No.3)を使用した場合も、ソルビタン脂肪酸エステル(実験例1の試料No.6)を使用した場合も、表面にはっきりとした損傷が生じた容器はなかった。しかし、中鎖脂肪酸トリグリセリド(実験例1の試料No.9)を使用した場合は、9割以上の容器にはっきりとした損傷が生じていた。
なお、比較のため、潤滑剤及び界面活性剤を塗布しない無傷の環状オレフィン共重合体製容器について同様な振動試験を行ったところ、9割以上の容器にはっきりとした損傷が生じていた。
【0069】
[実験例3]
ソルビタン脂肪酸エステル(実験例1の試料No.6)を、エタノールで10〜1000倍に希釈し、スプレー法により環状オレフィン共重合体製容器に塗布し、表面のべたつきを評価した。なお、希釈率と塗布量と潤滑性の関係は以下の表4のとおりであった。
【0070】
【表4】
Figure 0003893650
その結果、塗布量は0.001〜0.02mg/cm2 が好ましいことがわかった。塗布量が0.001mg/cm2 よりも少なくなると潤滑性が不足し、0.02mg/cm2 よりも多くなると容器外表面のべたつきが大きく、実用上好ましくないことがわかった。
【0071】
[実験例4]
ステアリン酸カルシウムを、エタノールでステアリン酸カルシウムの濃度が0.01〜0.1wt%となるように希釈し、スプレー法により環状オレフィン系共重合体製容器に、塗布量が0.03mg/cm2 、0.01mg/cm2 、0.001mg/cm2 及び0.0005mg/cm2 となるように塗布した。
その結果、塗布量は0.001〜0.02mg/cm2 が好ましいことがわかった。塗布量が0.001mg/cm2 よりも少なくなると潤滑性が不足し、0.02mg/cm2 よりも多くなると容器外表面に白い粉が目立ち、実用上好ましくないことがわかった。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、溶解度指数(Sp値)が一定の範囲にある水溶性潤滑剤或いは界面活性剤を選択し、これを環状オレフィン系共重合体容器の外表面に施すことにより、容器表面の塗れや塗布性が良好であると共に、容器のフレーバー保持性を低下させることなしに、容器外表面の動摩擦係数を低い値に抑制して、容器の耐傷性を顕著に向上させることができ、しかも一度塗布すると耐傷性の持続性もあるという利点が達成される。
また、容器表面の耐傷性の向上が簡単な手段でしかも低コストで行えるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を示す側面図である。
【図2】図1の容器の断面構造を示す拡大断面図である。
【記号の説明】
1 容器
2 胴部
3 閉塞底部
4 首部
5 キャップ係合用ネジ
6 容器壁
7 表面処理層

Claims (6)

  1. 容器の外表面に溶解度指数(Sp値)が9.0以上である水溶性潤滑剤或いは界面活性剤を塗布し、容器の動摩擦係数(25℃)が0.20以下であることを特徴とする環状オレフィン系共重合体製容器。
  2. 水溶性潤滑剤或いは界面活性剤が、容器表面積基準で0.001乃至0.02mg/cm2 の量で塗布されている請求項1記載の容器。
  3. 水溶性潤滑剤が、天然脂肪族アミン乃至アミド誘導体、グリセリン或いはポリエチレングリコールである請求項1記載の容器。
  4. 界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、シュガー脂肪酸エステルまたは脂肪酸石鹸である請求項1記載の容器。
  5. 水溶性潤滑剤或いは界面活性剤が、天然脂肪族アミン乃至アミド誘導体、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、シュガー脂肪酸エステル及び脂肪酸石鹸から成る群より選ばれる少なくとも2種のブレンド物である請求項1記載の容器。
  6. 環状オレフィン系共重合体が少なくとも一軸方向に分子配向されている請求項1記載の容器。
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