JP2021147086A - 包装体 - Google Patents

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周 加藤
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篤史 安田
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Abstract

【課題】吸湿性及び内容物の視認性を兼ね備えた包装体を提供する。【解決手段】本発明の第一の態様の包装体1は、第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を有し、第一のフィルム10が、透明吸湿層14及び第一のバリア性基材層12を有し、第二のフィルム20が、第二のバリア性基材層22を少なくとも有し、透明吸湿層14が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有しており、かつ第一のバリア性基材層12が、透明であり、かつ透明吸湿層14よりも外側に位置するようにして、第一のフィルムの周縁10aと、第二のフィルムの周縁20aとが互いに対向して接着されている。【選択図】図1

Description

本発明は、包装体に関する。
従来、食品、医薬品、電子部品、精密機械、記録材料等の分野において水分に起因する品質劣化を防ぐ目的で、乾燥剤を同梱する方法がとられている。また、包装内に別体の乾燥剤を入れずに、包装材自体に吸湿機能を持たせるため、乾燥剤を包装材自体に含有させることが行われている。
特許文献1では、樹脂、ゼオライト、及び所与の金属石鹸を含む、吸着剤組成物、並びにこの吸着剤組成物から形成した吸着剤含有フィルムが開示されている。
特許文献2では、少なくともガスバリア層とヒートシール層とを有するガスバリア性積層フィルム2枚を、該ヒートシール層面を重ね合せて周縁部をヒートシールして得られる包装体であって、包装体を構成するガスバリア性積層フィルム2枚のうち、1枚が、非透明性ガスバリア層と吸湿性ヒートシール層とを有する非透明性吸湿性ガスバリア性積層フィルムであり、もう1枚が、透明性ガスバリア層と非吸湿性ヒートシール層とを有する透明性非吸湿性ガスバリア性積層フィルムであり、該非透明性吸湿性ガスバリア性積層フィルムのヒートシール層が、化学吸湿剤を含有するヒートシール性樹脂からなる吸湿性ヒートシール層であり、該吸湿性ヒートシール層は、2層構成であって、包装体の最内層となる側の層が吸湿剤を含有するヒートシール性樹脂からなり、もう一方のガスバリア層と対向する側の層が吸湿剤を含有しないヒートシール性樹脂からなる、上記の吸湿性包装体が開示されている。
また、特許文献3には、極めて高い透明性を有しており、有機ELの封止用フィルム等に有用なフィルムが記載されている。
なお、ナノ粒径のゼオライトの製造方法が特許文献4及び5に記載されている。
また、塗料の形態の湿度インジケータが特許文献6〜8に記載されている。
国際公開第2015/022896号 特許第6497017号公報 特開2018−100390号公報 特開2011−246292号公報 特開2013−49602号公報 特許第4966627号公報 特許第4991246号公報 特許第5014869号公報
特許文献1に記載のフィルムは、吸湿前においては白色を呈しているため、特にこのフィルムを袋などの包装材として用いた場合、中身の視認ができないという問題がある。
特許文献2では、一方の面にのみ吸湿フィルムを配置し、もう一方の面を透明なシーラントフィルムにして包装体の内容物の視認性を確保しているが、片面にしか吸湿フィルムを配置できないため、吸湿量が不足する場合があった。また、内容物視認性を確保するためには一方の面は透明なシーラントフィルムを配置する必要があり、吸湿フィルム以外の他の吸着機能フィルムを更に配置したい場合、内容物の視認性を確保することが困難であった。
そこで、吸湿性及び内容物の視認性を兼ね備えた包装体を提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉第一のフィルム、及び第二のフィルムを有し、
前記第一のフィルムが、第一のバリア性基材層及び透明吸湿層を有し、
前記第二のフィルムが、第二のバリア性基材層を少なくとも有し、
前記透明吸湿層が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有しており、
前記第一のバリア性基材層が、透明であり、かつ
前記第一のバリア性基材層が前記透明吸湿層よりも外側に位置するようにして、前記第一のフィルムの周縁と、前記第二のフィルムの周縁とが互いに対向して接着されている、
包装体。
〈態様2〉前記透明吸湿層の前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、態様1に記載の包装体。
〈態様3〉前記吸湿剤が、ゼオライトである、態様1又は2に記載の包装体。
〈態様4〉前記透明吸湿層の前記ゼオライトの平均粒子径D50が、300nm以下である、態様3に記載の包装体。
〈態様5〉前記透明吸湿層が、HLB値が5以下のエステル化合物を更に含有している、態様1〜4のいずれか一項に記載の包装体。
〈態様6〉前記第一のフィルムが、前記透明吸湿層の片側又は両側に積層されている透明スキン層を更に有する、態様1〜5のいずれか一項に記載の包装体。
〈態様7〉前記第二のバリア性基材層が透明である、態様1〜6のいずれか一項に記載の包装体。
〈態様8〉前記第二のフィルムが、前記第一のフィルム側に積層されている1つ又は複数の機能層を更に有する、態様1〜7のいずれか一項に記載の包装体。
〈態様9〉前記機能層が吸湿層、ガス吸収層、易剥離性層、非吸着性層からなる群より選択される少なくとも1つである、態様8に記載の包装体。
〈態様10〉前記機能層が透明機能層である、態様8又は9に記載の包装体。
〈態様11〉前記機能層が反応によって変色する物質を含む色変化機能層である、態様8に記載の包装体。
〈態様12〉態様1〜11のいずれか一項に記載の包装体、及び
前記包装体に収納されている、内容物
を有する、内容物入り包装体。
本発明によれば、吸湿性及び内容物の視認性を兼ね備えた包装体を提供することができる。
図1は、本発明の第一の実施態様の包装体の概略断面図である。 図2は、本発明の第二の実施態様の包装体の概略断面図である。 図3は、本発明の第三の実施態様の包装体の概略断面図である。 図4は、本発明の第四の実施態様の包装体の概略断面図である。 図5は、本発明の第五の実施態様の包装体の概略断面図である。 図6は、本発明の第六の実施態様の包装体の概略断面図である。
《包装体》
本発明の包装体は、
第一のフィルム、及び第二のフィルムを有し、
第一のフィルムが、透明吸湿層及び第一のバリア性基材層を有し、
第二のフィルムが、第二のバリア性基材層を少なくとも有し、
透明吸湿層が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有しており、
第一のバリア性基材層が、透明であり、かつ
第一のバリア性基材層が透明吸湿層よりも外側に位置するようにして、第一のフィルムの周縁と、第二のフィルムの周縁とが互いに対向して接着されている。
ここで、本発明において、「透明」とは、内容物を視認するのに十分に透明であることを意味するものであり、例えば全光線透過率が、50%以上、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又は100%であり、かつヘイズ値が50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、又は10%以下であることを意味する。
本発明の包装体は、軟包装体であってよい。ここで、本明細書において、「軟包装体」とは、「フレキシブルパッケージ」として当業者に知られている包装体であり、包装の形が内容物を入れることにより形作られる包装体を意味する。軟包装体としては、例えば3方シール袋、4方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ等の袋が挙げられる。
第一のフィルムの周縁と、第二のフィルムの周縁とは、接着層を介して接着されていてもよく、又は接着層を介することなく直接接着、特に融着されていてもよい。
上記の構成によれば、吸湿性及び内容物の視認性を兼ね備えた包装体とすることができる。また、第一のフィルムが透明吸湿層及び透明バリア性基材層を有することにより、第一のフィルム側から包装体の内部への水分の侵入を更に抑制することができる。この作用は、特に内容物が第一のフィルム側に接触しやすい場合、例えば包装体が軟包装体である場合、かつ/又は内容物が粉末又は流体である場合に有利である。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈第一のフィルム〉
第一のフィルムは、第一のバリア性基材層及び透明吸湿層を有する層である。
(第一のバリア性基材層)
第一のバリア性基材層は、透明性及びバリア性を有する基材である。
第一のバリア性基材層としては、例えばバリア性樹脂層を用いることができる。バリア性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば環状オレフィンポリマー、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等を用いることができる。
また、第一のバリア性基材層は、透明バリア層及び透明基材樹脂層を有する層であってもよい。この場合、透明バリア層と透明基材樹脂層との間には、接着層が存在していてもよい。
(第一のバリア性基材層:透明バリア層)
透明バリア層としては、透明であり、かつ外部からの水分が透明吸湿層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。かかる透明バリア層としては、例えばシリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリクロロトリフルオロエチレンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。また、上記のバリア性樹脂層を、透明バリア層として用いることもできる。
透明バリア層として無機物蒸着膜を用いる場合、透明バリア層の厚さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、包装体としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
透明バリア層としてバリア性樹脂層又は有機物コーティング膜を用いる場合、透明バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、包装体としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(第一のバリア性基材層:透明基材樹脂層)
透明基材樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。また、この樹脂層は、透明バリア層の片面又は両面に存在していても良い。この樹脂層により、透明バリア層を保護することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、アイオノマー、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
透明基材樹脂層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、透明バリア層を良好に保護する観点から好ましく、また55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であることが、包装体としての取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(透明吸湿層)
透明吸湿層は、透明であり、かつ吸湿剤を有する層である。この場合、吸湿剤は、熱可塑性樹脂中に分散していてよい。この熱可塑性樹脂としては、透明基材樹脂層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることが、加工性等の観点から好ましい。
透明吸湿層を構成する樹脂組成物の、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下でJIS K7210に準拠して測定した場合のメルトフローレートは、0.3g/10min以上30g/10min以下であることが、Tダイ法又はインフレーション法によるフィルムへの成形が比較的容易にする観点から好ましい。このメルトフローレートは、0.5g/10min以上、1.0g/10min以上、3.0g/10min以上、又は5.0g/10min以上であってもよく、20g/10min以下、又は15g/10min以下、10g/10min以下、8.0g/10min以下、又は5.0g/10min以下であってもよい。例えば、このメルトフローレートは、0.5g/10min以上10g/10min以下であってもよい。
透明吸湿層を構成する樹脂組成物の、JIS K7136に準拠して吸湿前の100μmの厚みのフィルムにして測定したときのヘイズは、80%以下であることが好ましく、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は15%以下であってもよく、1%以上、3%以上、又は5%以上であってもよい。ここで、本明細書において、「吸湿前のフィルム」とは、樹脂組成物を溶融し、これを製膜した直後のフィルムを意味するものである。
吸湿剤としては、親水性ゼオライト、シリカゲル等の物理吸湿剤、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等の化学吸湿剤等を用いることができる。中でも、親水性ゼオライトを用いることが好ましい。
親水性ゼオライトとしては、例えばA型、X型、又はLSX型のゼオライトを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、また組み合わせて用いてもよい。
吸湿剤として親水性ゼオライトを用いる場合、ゼオライトの平均粒子径D50は、300nm以下であることが、組成物に適度な透明性を与える観点から好ましい。ここで、ゼオライトの平均粒子径D50とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、無作為に選択した100個の粒子の長軸を測定し、その個数基準の粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。ゼオライトの平均粒子径D50は、250nm以下、200nm以下、150nm以下、又は100nm以下であってよい。ゼオライトの平均粒子径D50は、10nm以上、30nm以上、50nm以上、又は100nm以上であってよい。例えば、ゼオライトの平均粒子径D50は、10nm以上300nm以下、又は100nm超250nm以下であってもよい。
吸湿剤として親水性ゼオライトを用いる場合、ゼオライトの細孔(吸収口)径は、0.3nm以上1nm以下であってよく、0.3nm以上0.5nm以下であってよい。
吸湿剤として親水性ゼオライトを用いる場合、ゼオライト中のSiとAlとの原子比(Si/Al)の値は任意であり、例えば、1以上、2以上、3以上、5以上、10以上、又は15以上であってよく、例えば、80以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
本発明で用いられるゼオライトとしては、吸湿性の観点から、親水性であることが好ましく、特にNa−A型ゼオライトを使用することが好ましい。
本発明で用いられるゼオライトは、例えば、特許文献4及び5に記載のような方法によって製造することができる。そのようなゼオライトを、特許文献3に記載のように、かさ密度を調整して用いてもよい。
吸湿剤の含有率は、良好な吸湿能力を確保する観点から、吸湿層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが好ましく、また良好な透明性及び製膜性を確保する観点から、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、又は30質量%以下であることが好ましい。
透明吸湿層は、HLB値が5以下のエステル化合物を更に含有していることが、透明性を良好にする観点から好ましい。ここで、HLB値は、親水性か親油性かを示す指標である。エステル化合物のHLB値が5以下であるということは、該エステル化合物の親油性が高いことを意味し、例えば、消泡剤、又はエマルジョンの乳化剤として使用される領域の数値である。このHLB値は、例えば、4.5以下、4.0以下、又は3.5以下であってよく、例えば、2.0以上、2.5以上、又は3.0以上であってよい。
エステル化合物としては、例えば、多価アルコールと脂肪酸とのモノエステル化合物である。多価アルコールは、例えば、グリセリン、アルキレングリコール等であってよい。脂肪酸は、例えば、炭素数12以上24以下の、飽和又は不飽和の脂肪酸であってよい。
エステル化合物としては、特に、炭素数2以上6以下のアルキレングリコールと炭素数15以上24以下の脂肪酸とのモノエステルであってよい。上記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等であってよい。上記と炭素数15以上24以下の脂肪酸は、飽和又は不飽和であってよく、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸等であってよい。
エステル化合物は、具体的には例えば、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノベヘネート等であってよい。
透明吸湿層におけるエステル化合物の含有量は、本発明の有利な効果を与えられる範囲であれば特に限定されない。例えば、エステル化合物の含有率は、2.0質量%以上15質量%以下であり、2.5質量%以上、3.0質量%以上、又は5.0質量%以上であってもよく、12質量%以下、10質量%以下、8.0質量%以下、又は6.0質量%以下であってもよい。例えば、エステル化合物の含有量は、2.5質量%以上12質量%以下、又は3.0質量%以上10質量%以下であってもよい。
透明吸湿層は、平均粒子径D50が100nm以下の、Al、Si、Ti、及びZrから選択される1種以上の元素の酸化物(ゼオライトを除く)を含有していてもよく、又は含有していなくてもよい。かかる酸化物の含有率は、例えば5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、又は0質量%であってよい。
透明吸湿層は、透明吸湿層を構成する樹脂組成物を、例えばニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用いて混錬し、次いで混練した樹脂を、インフレーション法、Tダイ法等の押出成形法によりフィルム状に成型することにより製造することができる。透明吸湿層の片側又は両側に透明スキン層が存在する場合には、多層インフレーション法、又は多層Tダイ法等の共押出法により、製膜と共に透明スキン層及び/又は透明非吸着層及び/又は透明易剥離性層との積層をしてもよい。
(透明スキン層)
透明スキン層は、透明スキン層用樹脂を含有しており、かつ透明吸湿層の第二のフィルム側の面に存在していることができる層である。透明スキン層は、透明吸湿層の第一のバリア性基材層側の面に更に存在していてもよい。また、透明スキン層は、透明吸湿層に融着されていてもよい。
特に、透明スキン層は、透明吸湿層が含有している吸湿剤の脱落や内容物への接触を防止することができる。また、この場合には、透明スキン層は、吸湿剤を含有していない層であってよい。
透明スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。透明スキン層が複数存在している場合、各々の透明スキン層の厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
(透明スキン層:透明スキン層用樹脂)
透明スキン層用樹脂としては、透明基材樹脂層に関して挙げた熱可塑性樹脂を、単独で又は混合させて用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることが、加工性等の観点から好ましい。透明吸湿層の両側にスキン層が存在している場合、それぞれの透明スキン層を構成する透明スキン層用樹脂は、同一であっても異なっていてもよい。
(透明易剥離性層)
透明易剥離性層としては、例えば市販のイージーピール樹脂やイージーピールシーラントフィルムを用いてよく、又は易剥離性をもたらすことができるコーティングを用いてもよい。易剥離性をもたらすことができるコーティングとしては、例えばアクリル変性ポリオレフィンを含有している層を用いることが、透明性の観点から好ましい。
透明易剥離性層の厚さは、コーティングの態様においては、0.1μm以上、0.3μm以上、0.5μm以上、0.7μm以上、又は1.0μm以上であることができ、また20.0μm以下、10.0μm以下、8.0μm以下、5.0μm以下、又は3.0μm以下であることができ、また、フィルムの態様においては、例えば1μm以上、3μm以上、5μm以上、7μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であることができ、また100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、又は50μm以下であることができる。
(透明非吸着性層)
透明非吸着性層は、l−メントール、d−リモネン、サルチル酸メチル、カンファー、トコフェロール等の揮発成分、わさび、からし、マスタード等の食品の香気成分の吸着が少なく、特に実質的に吸着せず、包装容器内部の香気成分等を維持することができる層である。透明非吸着性層は、単層であってもよく、又は積層体であってもよい。
ここで、本発明において、「非吸着」とは、10cm×10cmのサイズにカットした非吸着性層の片側を、40℃環境下で飽和l−メントール蒸気に一週間曝露後、吸着したl−メントールをメチルエチルケトンで抽出し、抽出液中のl−メントール量をガスクロマトグラフィーで定量したときに、l−メントール吸着量が、10mg以下であることを意味するものである。この吸着量は、7mg以下、5mg以下、3mg以下、2mg以下、1mg以下、0.5mg以下、0.3mg以下、又は0.1mg以下であることができ、また0mg超であることができる。
透明非吸着性層は、環状オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1つを主成分として含有していてよい。ここで、本発明において、「主成分として」とは、透明非吸着性層のうちの上記の物質を含有している層中の含有率が、この層の質量全体を基準として、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であり、かつ100質量%以下、又は100質量%未満であることを意味するものである。
透明非吸着性層のJIS K 7129に準拠する水蒸気透過度は、透明非吸着性層全体として、0.5g/(m・day)以上であることが、内側からの良好な吸湿速度を確保する観点から好ましい。この水蒸気透過度は、1g/(m・day)以上、2g/(m・day)以上、3g/(m・day)以上、又は4g/(m・day)以上であることができ、また100g/(m・day)以下、90g/(m・day)以下、80g/(m・day)以下であることができる。70g/(m・day)以下、60g/(m・day)以下、50g/(m・day)以下、40g/(m・day)以下、又は30g/(m・day)以下であることができる。
中でも、透明非吸着性層は、ポリエステル系樹脂を主成分として含有していることが、有効成分の非吸着性及び水蒸気の透過性を両立させる観点から好ましい。
また、透明非吸着性層は、他の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、例えば酸変性ポリオレフィン等を用いることができる。
透明非吸着性層の厚さは、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、又は30μm以上であることが、非吸着性を良好にする観点から好ましく、また100μm以下、90μm以下、80μm、70μm以下、60μm以下、又は50μm以下であることが、吸湿性を確保する観点から好ましい。
(他の層)
第一のフィルムは、随意の他の層を有していてもよい。他の層としては、例えば各層の間に存在する接着層が挙げられる。
〈第二のフィルム〉
第二のフィルムは、第二のバリア性基材層を少なくとも有する層である。第二のフィルムは、随意の機能層を更に有していてよい。
(第二のバリア性基材層)
第二のバリア性基材層は、バリア性を有する基材である。第二のバリア性基材層は、バリア層及び基材樹脂層を有する層であってもよい。この場合、バリア層と基材樹脂層との間には、接着層が存在していてもよい。
(第二のバリア性基材層:バリア層)
第二のバリア性基材層のバリア層は、透明バリア層であってもよく、又は不透明バリア層であってもよい。透明バリア層としては、第一のバリア性基材層に関して挙げた透明バリア層を用いることができる。第二のバリア性基材層のバリア層として透明バリア層を用いた場合、第一のフィルムと第二のフィルムの両方が透明となり、全体として透明な包装体を提供することができ、第一のフィルム側、及び第二のフィルム側の両面から内容物を視認することができる。
不透明バリア層としては、例えば銅箔、アルミニウム箔等の金属箔層を用いることができる。
(機能層)
機能層としては、易剥離性層、ガス吸収層、吸湿層、非吸着性層などが挙げられる。
機能層は、透明機能層であってよい。すなわち、機能層は、透明吸湿層、透明ガス吸収層、透明易剥離性層、透明非吸着性層からなる群より選択される少なくとも1つであってよい。透明機能層を用いる場合、第二のバリア性基材層も透明な材料を選択することで、第一のフィルムと第二のフィルムの両方が透明の包装体を提供することができる。
(易剥離性層)
易剥離性層としては、例えば第一のフィルムに関して挙げた透明易剥離性層を用いることができる。また、透明易剥離性層は、アクリル変性ポリオレフィンを含有している層であってもよい。
(ガス吸収層)
ガス吸収層は、熱可塑性樹脂、及びガス吸収剤を含有している層である。ガス吸収剤は、熱可塑性樹脂に分散されていてよい。
(ガス吸収層:熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、透明基材樹脂層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることが、加工性等の観点から好ましい。
(ガス吸収層:ガス吸収剤)
ガス吸収剤としては、非変色性ガス吸収剤、又は変色性ガス吸収剤を用いることができる。ガス吸収層が変色性ガス吸収剤を含有する変色性ガス吸収層である場合、本発明の包装体は少なくとも一方の面が透明であるため、包装体の内面に位置する変色性ガス吸収層の変色を、包装体の外面から視認することができる。
非変色性ガス吸収剤としては、例えば活性炭、疎水性ゼオライト等の物理吸ガス剤、鉄系酸素吸収剤、ハロゲン化金属、酸化金属、硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩等の化学吸ガス剤を用いることができる。
疎水性ゼオライトとしては、例えばベータ型、ZSM−5型、フェリエナイト型、モルデナイト型、L型、又はY型のゼオライトを使用することができる。また、ZSM−5型ゼオライトの類縁体であるZSM−11、シリカライト、シリカライト−2、ペンタシル型メタロケイ酸塩を使用することもできる。これらは単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
鉄系酸素吸収剤としては、鉄粉(例えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉、活性鉄粉等)、酸化第一鉄、第一鉄塩等を用いることができる。
ハロゲン化金属としては、例えば、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム等を用いることができる。
酸化金属としては、例えば酸化カルシウム、酸化アルミニウム等を用いることができる。
変色性ガス吸収剤は、ガスを吸収することにより変色することができる吸収剤である。変色性ガス吸収剤としては、例えば酸素欠損を有する酸化セリウム、酸素欠損を有する酸化チタン等の酸素欠損を有する金属酸化物を用いることができる。これらの酸素欠損を有する金属酸化物は、酸素の吸収により変色することができる。
酸素欠損を有する金属酸化物についてより具体的に説明する。金属酸化物(MO)の酸素欠損は、強還元雰囲気下での還元処理によって、以下の式(1)で表されるように、金属酸化物の結晶格子中から酸素が強制的に引き抜かれて酸素欠損状態(MO2−x、0<x<2)となることによりもたらされる。還元処理は、例えば水素ガスなどの還元性雰囲気下、1000℃などの高温で熱処理すること等により行うことができる。
MO+xH→MO2−x+xHO ・・・(1)
そして、以下の式(2)に示すように、酸素が欠損した部分が、酸素と反応することにより、無機系酸素吸収剤としての効果が発揮される。
MO2−x+(x/2)O→MO ・・・(2)
上記のxの値は、1.0以下の正の数であることができ、中でも0.7以下の正の数であることが好ましい。上記の式(2)に示すように、金属酸化物は酸素との反応において雰囲気中に水が存在することは必要とされない。したがって、無機系酸素吸収剤として酸素欠損を有する金属酸化物を用いることは、水分を嫌う内容物に特に有効である。
また、変色性ガス吸収剤としては、銅、銀等の単体金属を用いることもできる。また、変色性ガス吸収剤としては、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属の、硫酸、塩酸、硝酸等の無機塩、及び/又はギ酸、酢酸、シュウ酸などの有機塩を用いることもできる。これら変色性ガス吸収剤は、例えば硫化水素ガスの吸収により変色してもよい。
ガス吸収層中のガス吸収剤の含有率は、良好な吸収能力を確保する観点から、吸収層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが好ましく、また良好な製膜性を確保する観点から、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、又は50質量%以下であることが好ましい。
ガス吸収層が透明ガス吸収層である場合には、透明ガス吸収層中のガス吸収剤の含有率は、透明ガス吸収層の質量全体を基準として、0.1質量%以上、0.3質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、又は0.9質量%以上であってよい。また、この含有率は、10質量%以下、8質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下であることが、透明性の観点から好ましい。
(色変化機能層)
色変化機能層は、反応によって変色する物質を含む層である。かかる層としては、変色性ガス吸収層として挙げたものを用いることができる。
また、色変化機能層としては、塗料の形態である特許文献5〜7に記載されている湿度インジケータを用いることができる。これらの湿度インジケータを、直接塗布するか若しくは白色塗料層を介して塗布してもよく、又は不織布、紙等の浸透性基材に含浸させて用いてもよい。
また、色変化機能層としては、例えば吸湿前においては不透明であるが、吸湿後に透明となることができる吸湿フィルム、例えば特許文献1に記載の吸湿フィルムを用いてもよい。
《内容物入り包装体》
本発明の包装体は、上記の包装体及びこの包装体に収納されている内容物を有する、内容物入り包装体である。
〈内容物〉
内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療器具、医療機器、電子部材、精密機械、記録材料等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
以下では、種々の実施態様に関し、図面を参照しながら説明する。
《第一の実施態様:図1》
本発明の第一の態様の包装体1は、
第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を有し、
第一のフィルム10が、透明吸湿層14及び第一のバリア性基材層12を有し、
第二のフィルム20が、第二のバリア性基材層22を少なくとも有し、
透明吸湿層14が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有しており、かつ
第一のバリア性基材層12が、透明であり、かつ透明吸湿層14よりも外側に位置するようにして、第一のフィルムの周縁10aと、第二のフィルムの周縁20aとが互いに対向して接着されている。
この態様においては、第一のフィルムは、透明吸湿層14の両側に積層されている透明スキン層16が存在している。また、第一のバリア性基材層12は、透明バリア層122及び透明基材樹脂層124を有する層である。また、第二のバリア性基材層22は、バリア層222及び基材樹脂層224を有する層である。
第二のバリア性基材層22は、図1(a)に示すように、不透明であってもよく、又は図1(b)に示すように、透明であってもよい。特に、第二のバリア性基材層22が透明である場合には、第一のフィルムと第二のフィルムの両方が透明となり、全体として透明な包装体を提供することができ、第一のフィルム側、及び第二のフィルム側の両面から内容物を視認することができる。
《第二の実施態様:図2》
本発明の第二の態様の包装体1は、図2(a)に示すように、
第一のフィルム10、及び第二のフィルム20を有し、
第一のフィルム10が、透明吸湿層14及び第一のバリア性基材層12を有し、
第二のフィルム20が、第二のバリア性基材層22を少なくとも有し、
透明吸湿層14が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有しており、かつ
第一のバリア性基材層12が、透明であり、かつ透明吸湿層14よりも外側に位置するようにして、第一のフィルムの周縁10aと、第二のフィルムの周縁20aとが互いに対向して接着されている。
この態様においては、第一のフィルム10は、透明吸湿層14の両側に積層されている透明スキン層16を更に有する。また、第一のバリア性基材層12は、透明バリア層122及び透明基材樹脂層124を有する層である。また、第二のバリア性基材層22は、バリア層222及び基材樹脂層224を有する層である。
また、第二のフィルム20は、第二のバリア性基材層22よりも第一のフィルム10側に、ガス吸収層24を更に有する。また、第二のフィルム20は、ガス吸収層24の両側に積層されているスキン層26を更に有する。
また、別の態様においては、図2(b)に示すように、第二のフィルム20は、第二のバリア性基材層22よりも第一のフィルム10側に、他の透明吸湿層24’’を更に有する。また、第二のフィルム20は、他の透明吸湿層24’’の両側に積層されているスキン層26を更に有する。
《第三の実施態様:図3》
第三の実施態様は、図3(a)に示すように、図2(a)の態様のガス吸収層24が、変色性ガス吸収層24’である場合である。この構成によれば、変色性ガス吸収層24’が、図3(b)に示すように変色した状態24’aとなった場合に、図3(b)の白抜き矢印で示す方向でこの変色を視認することができる。
また、図示していないが、第二のバリア性基材層が透明である場合には、第一のフィルム側及び第二のフィルム側のいずれからも上記の変色を視認することができる。
《第四の実施態様:図4》
第四の実施態様は、図2(a)の態様の包装体に易剥離性層を更に有する態様の包装体である。より具体的には、第一のフィルム10は、第一のバリア性基材層12よりも第二のフィルム20側に、透明易剥離性層18を有していてよく、かつ/又は、第二のフィルム20は、第二のバリア性基材層22よりも第一のフィルム10側に、易剥離性層28を有していてよい。この易剥離性層28も、透明であってよい。
図4(a)に示すように、透明易剥離性層18は、透明スキン層16上に存在していてよく、かつ易剥離性層28は、スキン層26上に存在していてよい。また、図4(b)に示すように、透明易剥離性層18及び易剥離性層28は、透明スキン層16及びスキン層26に対応する位置に存在していてもよい。また、図4(c)に示すように、第一のフィルム及び第二のフィルムの一方が、易剥離性層を有していてもよい。
《第五の実施態様:図5》
第五の実施態様は、図2(a)の態様の包装体に非吸着性層を更に有する態様の包装体である。より具体的には、第一のフィルム10は、第一のバリア性基材層12よりも第二のフィルム20側に、透明非吸着性層19を有していてよく、かつ/又は、第二のフィルム20は、第二のバリア性基材層22よりも第一のフィルム10側に、非吸着性層29を有していてよい。この非吸着性層29も、透明であってよい。
図5(a)に示すように、透明非吸着性層19は、透明スキン層16上に存在していてよく、かつ非吸着性層29は、スキン層26上に存在していてよい。また、図5(b)に示すように、透明非吸着性層19及び非吸着性層29は、透明スキン層16及びスキン層26に対応する位置に存在していてもよい。また、図5(c)に示すように、第一のフィルム及び第二のフィルムの一方が、非吸着性層を有していてもよい。
《第六の実施態様:図6》
第六の実施態様は、図2〜5の態様を組み合わせた包装体である。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《包装体の作製》
〈実施例1〉
(第一のフィルムの作製)
多層製膜機にて、透明スキン層、透明吸湿層、及び透明スキン層がこの順で配置されるようにして、共押出Tダイ法により、2種3層の透明吸湿フィルムを作製した。透明スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用い、透明吸湿層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV150、三井デュポン・ポリケミカル株式会社)48質量部、Na−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm)32質量部、及びエステル化合物(プロピレングリコールモノベヘネート、HLB値3.4)5質量部をバンバリーミキサーで160℃の温度で10分間溶融混練して作製した樹脂組成物を用いた。各層の厚さは、透明スキン層10μm、透明吸湿層40μm、透明スキン層10μmとした。
次いで、透明吸湿フィルムの一方のスキン層側に、透明バリア性基材としての透明シリカ蒸着PETフィルム(GXフィルム、凸版印刷株式会社、厚さ12μm)を、ドライラミネート接着剤を用いて積層させて、第一のフィルムを作製した。
(第二のフィルムの作製)
PET//AL箔の積層体のAL箔側に、LLDPEフィルムを、ドライラミネート接着剤を用いて積層させて、第二のフィルムを作製した。
作製した第一及び第二のフィルムをそれぞれ7cm角に切り出し、第一のフィルムの透明スキン層側と、第二のフィルムのLLDPEフィルム側とを対向させて、所定量のモレキュラーシーブを封入し、かつ内寸5cm角となるようにして四方をヒートシールして、実施例1の包装体を作製した。
〈比較例1〜4〉
第一及び第二のフィルムの構成を表1に示すようにしたことを除き、実施例1と同様にして、比較例1〜4の包装体を作製した。封入したモレキュラーシーブの量は同じであった。
また、表1において、「不透明吸湿層」とは、実施例の透明吸湿層の代わりに、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体40質量部、親水性ゼオライト(モレキュラーシーブ3A、ユニオン昭和株式会社)40質量部及び上記のエステル化合物5質量部を溶融混練して作製した樹脂組成物を用いたものである。
《評価》
〈内容物視認性〉
作製した包装体の内容物が視認できるか否かを目視により評価した。評価基準は以下のとおりである:
◎:包装体の両面から内容物を視認できた。
○:包装体の片面から内容物が視認できた。
×:内容物が視認できなかった。
〈水分透過量〉
作製した包装体を温度40℃相対湿度90%RHの恒温槽に9日間保管し、モレキュラーシーブの保管前後の質量増加量水分透過量とし、これを1mあたりの水分透過量に換算して、バリア性を評価した。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表1に示す。なお、以下の表1及び表2において、「//」は、ドライラミネート接着剤を意味している。
Figure 2021147086
表1から、透明な第一のバリア性基材層及び透明吸湿層を有する第一のフィルム、並びに第二のバリア性基材層を少なくとも有する第二のフィルムを有する実施例の包装体は、内容物視認性及びバリア性が良好であったことが理解できよう。
また、透明吸湿層が第二のフィルム側に存在している比較例3の包装体、及び透明バリア層を二重に有する比較例4の包装体は、バリア性が良好ではなかった。このことから、第一のフィルム層における透明バリア層と透明吸湿層との組合せが、バリア性に寄与していることが理解できよう。
《機能層を有する包装体》
〈実施例2〜8〉
第二のフィルムの構成を表1に示すようにしたことを除き、実施例1と同様にして、実施例2〜8の包装体を作製した。
表2において、「透明易剥離性層1」は、アクリル変性ポリオレフィンのコーティングである。
表2において、「透明易剥離性層2」は、イージーピールフィルム(IMX−L、ジェイフィルム社、厚さ30μm)である。
表2において、「透明非吸着性層」は、非吸着性のポリエステルフィルム(オリエステル、東洋紡社、厚さ25μm)である。
また、表2において、「透明ガス吸収層」とは、ガス吸収剤(ケスモンNS−20C、東亞合成社)1質量部及びポリエチレン99質量部をバンバリーミキサーで160℃の温度で10分間溶融混練して作製した樹脂組成物を用いたものである。
また、表2において、「不透明ガス吸収層」とは、ガス吸収剤(Abscents3000、ユニオン昭和社)20質量部及びポリエチレン80質量部をバンバリーミキサーで160℃の温度で10分間溶融混練して作製した樹脂組成物を用いたものである。
《評価》
〈内容物視認性〉
内容物視認性は、上記と同様にして評価した。
〈機能性〉
第二のフィルムの機能性の有無を、以下の基準で示す。
○:第二のフィルムの機能あり
×:第二のフィルムの機能なし
各実施例の構成及び性質を表2に示す。
Figure 2021147086
以下では、本発明で用いることができる透明吸湿層の例を、参考例を参照して示す。
《参考例A:透明吸湿フィルムの例》
〈製造例〉
熱可塑性樹脂、Na−A型ゼオライト(平均粒子径D50:50nm)、及びエステル化合物(プロピレングリコールモノベヘネート、HLB値3.4)を、表2及び表3に記載の配合でバンバリーミキサーを用いて、160℃で10分間溶融混練して、各例の樹脂組成物を得た。
〈評価〉
(メルトフローレート)
各例の樹脂組成物を測定可能なサイズにカットした。カットした樹脂組成物について、メルトインデクサ(株式会社テクノ・セブン)を用いて、温度190℃かつ荷重21.18Nの条件の下で、JIS K7210に準拠して、メルトフローレート(MFR)を測定した。
(ヘイズ)
樹脂組成物を所定の重量にカットして、熱プレス成型によって100μmの厚みのフィルムを作製した。ここで、プレスの条件は、温度160℃、圧力40〜60MPa、2分間とした。このようにして得られたフィルムを、50mm四方にカットして、ヘイズ測定器(株式会社村上色彩研究所、HR−100)を用いて、JIS K7105に準拠してヘイズを測定した。なお吸湿後のヘイズについては、上記フィルムを23℃50%の環境下に静置し、吸湿後の重量変化が一定になるまで吸湿させ、その後上記と同じ方法で測定した。
〈結果〉
各例の構成及び評価結果を表3及び表4に示す。
Figure 2021147086
Figure 2021147086
表3を参照すると、ゼオライトの含有量が多くなるに従って、樹脂組成物のメルトフローレートが大きく低下していくことが分かった。この傾向は、参考例3及び4でも確認することができる。参考比較例1では、Tダイ法又はインフレーション法によって成形することが不可能な程度に、メルトフローレートが低下していた。
表4を参照すると、エステル化合物の含有量が少なくなるに従って、樹脂組成物のメルトフローレートが大きく低下し、またヘイズが高くなることが分かった。参考比較例2では、Tダイ法又はインフレーション法によって成形することが不可能な程度に、メルトフローレートが低下しており、また透明性も低下していた。
1 包装体
10 第一のフィルム
10a 第一のフィルムの周縁
12 第一のバリア性基材層
122 透明バリア層
124 透明基材樹脂層
14、24’’ 透明吸湿層
16 透明スキン層
18 透明易剥離性層
29 透明非吸着性層
20 第二のフィルム
20a 第二のフィルムの周縁
22 第二のバリア性基材層
222 バリア層
224 基材樹脂層
24 ガス吸収層
24’ 変色性ガス吸収層
24’a 変色後の変色性ガス吸収層
26 スキン層
28 易剥離性層
29 非吸着性層

Claims (12)

  1. 第一のフィルム、及び第二のフィルムを有し、
    前記第一のフィルムが、第一のバリア性基材層及び透明吸湿層を有し、
    前記第二のフィルムが、第二のバリア性基材層を少なくとも有し、
    前記透明吸湿層が、熱可塑性樹脂、及び吸湿剤を含有しており、
    前記第一のバリア性基材層が、透明であり、かつ
    前記第一のバリア性基材層が前記透明吸湿層よりも外側に位置するようにして、前記第一のフィルムの周縁と、前記第二のフィルムの周縁とが互いに対向して接着されている、
    包装体。
  2. 前記透明吸湿層の前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項1に記載の包装体。
  3. 前記吸湿剤が、ゼオライトである、請求項1又は2に記載の包装体。
  4. 前記透明吸湿層の前記ゼオライトの平均粒子径D50が、300nm以下である、請求項3に記載の包装体。
  5. 前記透明吸湿層が、HLB値が5以下のエステル化合物を更に含有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装体。
  6. 前記第一のフィルムが、前記透明吸湿層の片側又は両側に積層されている透明スキン層を更に有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装体。
  7. 前記第二のバリア性基材層が透明である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装体。
  8. 前記第二のフィルムが、前記第一のフィルム側に積層されている1つ又は複数の機能層を更に有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装体。
  9. 前記機能層が吸湿層、ガス吸収層、易剥離性層、非吸着性層からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項8に記載の包装体。
  10. 前記機能層が透明機能層である、請求項8又は9に記載の包装体。
  11. 前記機能層が反応によって変色する物質を含む色変化機能層である、請求項8に記載の包装体。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の包装体、及び
    前記包装体に収納されている、内容物
    を有する、内容物入り包装体。
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