JP2021181318A - 包装用吸湿フィルム - Google Patents

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Kenta Suzuki
善行 厚地
Yoshiyuki Atsuji
香織 角田
Kaori Tsunoda
紗央里 木村
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Abstract

【課題】表面の皴が抑制された、包装用吸湿フィルムを提供する必要性が存在する。【解決手段】本発明の包装用吸湿フィルム100は、バリア性基材層110、吸湿層120、及び皴防止性樹脂層130を具備しており、前記吸湿層120が、熱可塑性樹脂、及び前記熱可塑性樹脂中に分散している化学吸湿剤を含有しており、かつ前記皴防止性樹脂層130のJIS K 7161−1 2014に準拠する引張弾性率が、1500MPa以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、包装用吸湿フィルムに関する。
従来、熱可塑性樹脂及び吸湿剤を含有している吸湿フィルムが種々の用途において用いられている。吸湿剤としては、親水性ゼオライト等の物理吸湿剤、及び酸化カルシウム等の化学吸湿剤が知られている。
特許文献1では、基材、吸湿フィルム、前記基材と前記吸湿フィルムとの接着層を有する吸湿性積層体であって、前記吸湿フィルムは、ポリオレフィン系樹脂である熱可塑性樹脂バインダー及び化学吸着剤を含む吸湿層を有し、前記吸湿フィルムが、前記吸湿層の片面又は両面に、ポリオレフィン系樹脂を含むスキン層を有していてもよく、前記接着層は、前記吸湿フィルムの前記吸湿層か、又は前記スキン層と接着し、前記基材と吸湿開始前の前記吸湿フィルムとのはく離接着強さが、吸湿後の前記吸湿フィルムの体積膨張率を用いて、所与の関係を満たす吸湿性積層体が開示されている。
なお、特許文献2では、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とするポリエステル樹脂で構成され、少なくとも1層のヒートシール層を有する2層以上からなり、所定量の非晶成分を含有して特定のヒートシール強度及び特定の熱収縮率を有するシーラント用途のポリエステル系フィルムが開示されている。また、前記のシーラント用途のポリエステル系フィルムを少なくとも1層として他のフィルムと積層体と、該積層体を用いた包装袋が開示されている。
特許第6611711号公報 特開2017−165059号公報
化学吸湿剤を含有している特許文献1に記載の吸湿フィルムは、物理吸湿剤を用いた場合よりも吸湿性が優れている。しかしながら、この吸湿フィルムを互いに対向させて、例えば四方を接着させることにより包装袋を作製し、吸湿させた場合、フィルムの接着面に皴又は剥離が生じ、袋の外観に支障を来すことがあった。
そこで、化学吸湿剤の吸湿による外観不良が抑制された、包装用吸湿フィルムを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉バリア性基材層、吸湿層、及び皴防止性樹脂層を具備しており、
前記吸湿層が、熱可塑性樹脂、及び前記熱可塑性樹脂中に分散している化学吸湿剤を含有しており、かつ
前記皴防止性樹脂層のJIS K 7161−1 2014に準拠する引張弾性率が、1500MPa以上である、
包装用吸湿フィルム。
〈態様2〉前記化学吸湿剤の含有率が、前記吸湿層の質量全体を基準として、50質量%以上である、態様1に記載の包装用吸湿フィルム。
〈態様3〉前記化学吸湿剤が、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸ガリウム、硫酸チタン及び硫酸ニッケルからなる群より選択される、態様1又は2に記載の包装用吸湿フィルム。
〈態様4〉前記吸湿層と、前記皴防止性樹脂層との間に、接着層が存在している、態様1〜3のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルム。
〈態様5〉前記皴防止性樹脂層が、ポリエステル系樹脂で構成されている、態様1〜4のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルム。
〈態様6〉前記ポリエステル系樹脂が、ヒートシール性ポリエステル系樹脂である、態様5に記載の包装用吸湿フィルム。
〈態様7〉前記吸湿層の片側又は両側に積層されているスキン層を更に有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルム。
〈態様8〉態様1〜7のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルムを1枚又は複数枚具備しており、かつ
1枚又は複数枚の前記包装用吸湿フィルムの前記皴防止性樹脂層の一部がこの包装用吸湿フィルムの他の部分又は他のフィルムと接着され、前記包装用吸湿フィルムの前記バリア性基材層が外側、前記皴防止性樹脂層が内側に位置するようにして袋状にされている、
包装袋。
〈態様9〉前記接着が、ヒートシールによってなされている、態様8に記載の包装袋。
〈態様10〉態様8又は9に記載の包装袋、及び
前記包装袋に収納されている、内容物
を有する、内容物入り包装袋。
本発明によれば、化学吸湿剤の吸湿による外観不良が抑制された、包装用吸湿フィルムを提供することができる。
図1は、本発明の包装用吸湿フィルムの層構成を示す側面断面図である。 図2は、吸湿後の比較例6のフィルムで作製した袋、及び吸湿後の実施例1のフィルムで作製した袋の写真である。
《包装用吸湿フィルム》
図1(a)に示すように、本発明の包装用吸湿フィルム100は、
バリア性基材層110、吸湿層120、及び皴防止性樹脂層130を具備しており、
前記吸湿層120が、熱可塑性樹脂、及び前記熱可塑性樹脂中に分散している化学吸湿剤を含有しており、かつ
前記皴防止性樹脂層130のJIS K 7161−1 2014に準拠する引張弾性率が、1500MPa以上である。
本発明者らは、上記の構成により、化学吸湿剤の吸湿による外観不良、例えば皴及び/又は互いに接着させた際の接着させた部分の剥離が抑制できることを見出した。
また、図1(b)に示すように、本発明の包装用吸湿フィルム100は、吸湿層120の片側又は両側に積層されているスキン層140を更に有していてもよい。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈バリア性基材層〉
バリア性基材層は、バリア性を有する基材である。バリア性基材層は、単層のバリア層であってもよく、又はバリア層及び基材樹脂層を有する層であってもよい。この場合、バリア層と基材樹脂層との間には、接着層が存在していてもよい。
(バリア層)
バリア層としては、外部からの水分や有機ガス及び無機ガスが吸湿層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。かかるバリア層としては、例えば銅箔、アルミニウム箔等の単体金属箔層、ステンレス箔等の合金箔層、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、ポリクロロトリフルオロエチレンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を用いることができる。
バリア層として無機物蒸着膜を用いる場合、バリア層の厚さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、包装袋として用いた際の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
バリア層として金属箔層、バリア性樹脂層又は有機物コーティング膜を用いる場合、バリア層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であることが、包装袋として用いた際の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(基材樹脂層)
基材樹脂層としては、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で、又は2種類以上組み合わせて複層で使用することができる。この基材樹脂層は、延伸フィルムであっても、無延伸フィルムであってもよい。また、この基材樹脂層は、バリア層の片面又は両面に存在していても良い。この基材樹脂層により、バリア層を保護することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において、ポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、アイオノマー、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書において、ポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、50mol%超、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
ビニル系ポリマーとしては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
ポリアミドとしては、例えばナイロン(登録商標)6、ナイロンMXD6等のナイロン等が挙げられる。
基材樹脂層の厚さは、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、バリア層を良好に保護する観点から好ましく、また55μm以下、50μm以下、又は45μm以下であることが、包装袋として用いた際の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
〈吸湿層〉
吸湿層は、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性樹脂中に分散している化学吸湿剤を含有している。
吸湿層は、吸湿層を構成する樹脂組成物を、例えばニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールコニカルミキサー等のバッチ式混練機や、2軸混練機等の連続混練機等を用いて混錬し、次いで混練した樹脂を、インフレーション法、Tダイ法等の押出成形法によりフィルム状に成型することにより製造することができる。吸湿層の片側又は両側にスキン層が存在する場合には、多層インフレーション法、又は多層Tダイ法等の共押出法により、製膜と共にスキン層との積層をしてもよい。
吸湿層の厚さは、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、又は70μm以上であることが、吸湿性の観点から好ましく、また150μm以下、130μm以下、110μm以下、100μm以下、90μm以下、又は80μm以下であることが、ヒートシール性の観点から好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば基材樹脂層に関して挙げた熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが、成形性及び吸湿性を両立する観点から好ましい。
(化学吸湿剤)
化学吸湿剤は、化学結合により水分を吸着する化学吸着系の吸湿剤であり、概して、吸湿により膨張する。
化学吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸ガリウム、硫酸チタン及び硫酸ニッケル等の無機化合物を用いることができる。
化学吸湿剤の含有率は、吸湿層の質量全体を基準として、40質量%以上、45質量%以上、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、又は65質量%以上であることが、吸湿性の観点から好ましく、また吸湿剤の存在に起因する皴が顕在化するため、本発明の構成が有益となる。この含有率は、吸湿層の質量全体を基準として、80質量%以下、又は75質量%以下であることが、製膜性の観点から好ましい。
〈皴防止性樹脂層〉
皴防止性樹脂層は、JIS K 7161−1 2014に準拠する引張弾性率が、1500MPa以上である樹脂層である。この引張弾性率は、1600MPa以上、1650MPa以上、1700MPa以上、又は1750MPa以上であってよく、また4000MPa以下、3500MPa以下、3000MPa以下、2900MPa以下、2800MPa以下、2700MPa以下、2600MPa以下、2500MPa以下、2400MPa以下、2300MPa以下、2200MPa以下、2100MPa以下、又は2000MPa以下であってよい。
皴防止性樹脂層としては、例えばポリエステル系樹脂を用いることができ、中でもヒートシール性ポリエステル系樹脂を用いることが、別途の接着層を必要としない観点から好ましい。
包装袋にするために接着させた部分において、化学吸湿剤の吸湿による皴及び/又は剥離が生じると、接着させた部分のシール強度が弱くなり、その結果、包装袋として十分な密封性が得られないことがあった。しかしながら、特に、皴防止性樹脂層としてヒートシール性ポリエステル系樹脂を用いた場合には、上記の皴及び/又は剥離が抑制されることにより、この樹脂が有するヒートシール性が維持されると考えられる。
ここで、本発明において、「ヒートシール性ポリエステル系樹脂」は、ヒートシール可能であるものとして商業的に入手可能なポリエステル系樹脂であってよく、例えば、互いに接着させたときに、JIS K 6854−3に準拠するヒートシール強さが、5N/15mm以上であるポリエステル樹脂であってよい。このヒートシール強さは、7N/15mm以上,10N/15mm以上、12N/15mm以上、14N/15mm以上、又は15N/15mm以上であることができ、また100N/15mm以下、80N/15mm以下、60N/15mm以下、50N/15mm以下、40N/15mm以下、30N/15mm以下、又は25N/15mm以下であることができる。
かかるヒートシール性ポリエステル系樹脂としては、例えば上記の引張弾性率を満足する皴防止性樹脂層のうち、ヒートシール可能であるものとして商業的に入手可能なポリエステルフィルムを用いることができ、例えば非晶性ポリエステル、共重合ポリエステル等を用いることができる。
非晶性ポリエステルとしては、「非晶性ポリエステル」として商業的に入手可能な非晶性ポリエステル、例えば非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることができる。かかる非晶性PETとしては、例えばタマポリ株式会社から入手可能なハイトロンPG等を用いることができる。
共重合ポリエステルとしては、例えば特許文献2に記載のポリエステル系フィルムを用いることができる。
皴防止性樹脂層のJIS K 7129に準拠する水蒸気透過度は、皴防止性樹脂層全体として、0.5g/(m・day)以上であることが、内側からの良好な吸湿速度を確保する観点から好ましい。この水蒸気透過度は、1g/(m・day)以上、2g/(m・day)以上、3g/(m・day)以上、又は4g/(m・day)以上であることができ、また100g/(m・day)以下、90g/(m・day)以下、80g/(m・day)以下であることができる。70g/(m・day)以下、60g/(m・day)以下、55g/(m・day)以下、50g/(m・day)以下、45g/(m・day)以下、40g/(m・day)以下、35g/(m・day)以下、又は30g/(m・day)以下であることができる。
皴防止性樹脂層の厚さは、5μm以上、7μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、又は25μm以上であることが、生産時の取り扱いの観点から好ましく、また100μm以下、80μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、35μm以下、又は30μm以下であることが、水分透過度の観点から好ましい。
〈スキン層〉
スキン層は、スキン層用樹脂を含有しており、かつ吸湿層の片側又は両側に積層されていることができる層である。また、スキン層は、吸湿層に融着されていてもよい。
スキン層の厚さは、1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は7μm以上であることができ、また50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることができる。スキン層が複数存在している場合、各々のスキン層の厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
(スキン層:スキン層用樹脂)
スキン層用樹脂としては、吸湿層に関して挙げた熱可塑性樹脂を、単独で又は混合させて用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることが、加工性等の観点から好ましい。吸湿層の両側にスキン層が存在している場合、それぞれのスキン層を構成するスキン層用樹脂は、同一であっても異なっていてもよい。
〈接着層〉
接着層としては、例えばドライラミネート接着剤、ホットメルト接着剤等を用いることができる。
《包装袋》
本発明の包装袋は、
上記の包装用吸湿フィルムを1枚又は複数枚具備しており、かつ
1枚又は複数枚の包装用吸湿フィルムの皴防止性樹脂層の一部がこの包装用吸湿フィルムの他の部分又は他のフィルムと接着され、包装用吸湿フィルムのバリア性基材層が外側、皴防止性樹脂層が内側に位置するようにして袋状にされている。
接着は、接着層を介してされていてもよく、又はヒートシールによってされていてもよい。特に、皴防止性樹脂層がヒートシール層として用いられる場合には、接着は、ヒートシールによってされている。
他のフィルムは、他の包装用吸湿フィルムであってもよく、又は上記の包装用吸湿フィルム以外の他のフィルムであってもよい。
本発明の包装袋は、上記の包装袋及びこの包装袋に収納されている内容物を有する、内容物入り包装袋であることができる。
〈内容物〉
内容物は、包装袋に収納されている内容物である。内容物としては、外気との接触によって劣化しうる物であれば限定されるものではなく、薬剤の他、食品、化粧品、医療器具、医療機器、電子部材、精密機械、記録材料等を挙げることができる。また、薬剤としては、医薬品製剤の他、洗浄剤、農薬等を含む。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《包装用吸湿フィルムの作製》
〈実施例1〉
多層製膜機にて、スキン層、吸湿層、及びスキン層がこの順で配置されるようにして、共押出Tダイ法により、2種3層の吸湿フィルムを作製した。スキン層としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、エボリューSP2520、プライムポリマー社)を用い、吸湿層としては、低密度ポリエチレン(LDPE、ペトロセン202R、東ソー社)30質量部、及び酸化カルシウム70質量部を溶融混練して作製した樹脂組成物を用いた。各層の厚さは、スキン層12μm、吸湿層71μm、スキン層12μmとした。
作製した吸湿フィルムの一方のスキン層側に、PET(12μm)//AL(9μm)の基材(「//」はドライラミネート接着剤を示す)のAL側をドライラミネートした。ドライラミネートは、接着主剤として三井化学のタケラックA−525Sを9重量部、硬化剤としてタケネートA−50を1重量部で混合し、これを酢酸エチルで希釈して用いることにより行った。
作製した吸湿フィルムのもう一方のスキン層側に、皴防止性樹脂層としての共重合ポリエステル(オリエステル(登録商標)SS DE046、東洋紡社、30μm)を、上記と同様の方法でドライラミネートして、実施例1の包装用吸湿フィルムを作製した。
〈実施例2〜3及び比較例1〜8〉
皴防止性樹脂層を、表1に示すものに変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2〜3及び比較例1〜8の包装用吸湿フィルムを作製した。ここで、表1で言及している各種の皴防止性樹脂層としては、以下のものを用いた:
結晶性PET1:PET−B 25μm、ユニチカ社
結晶性PET2:E5200 12μm、東洋紡社
LLDPE1:LLDPE SE620N 150μm、タマポリ社
LLDPE2:LLDPE SE620N 70μm、タマポリ社
LLDPE3:LLDPE SE620N 30μm、タマポリ社
CPP:CPP パイレン P1128 25μm、東洋紡社
COC:COC COXEC TCS−1 25μm、倉敷紡績社
PVC:ビニホイル C−455 60μm、三菱ケミカル社
EVOH:エバールEF−E30 30μm、クラレ社
《評価》
〈皴防止性樹脂層の物性〉
(水蒸気透過度)
各実施例及び比較例での皴防止性樹脂層として用いたフィルムの水蒸気透過度を、JIS K 7129に準拠して、赤外センサー法により測定した。
(引張弾性率)
各実施例及び比較例での皴防止性樹脂層として用いたフィルムを15mm幅に切り出し、JIS K 7161−1 2014に準拠して、引張試験機を用い、チャック間距離50mm、引張速度300mm/minの条件で引張弾性率を測定した。
〈吸湿後の外観〉
作製したフィルムを6cm×4cm角に2枚切り出し、皴防止性樹脂層同士を対向させて、シール幅5mmで周縁をヒートシールして、4方シール袋を作製した。実施例2及び3については、周縁をドライラミネートで上記と同様にして接着させた。
作製した袋を、60℃相対湿度100%RHの条件下で3日間保管し、その後に外観を観察した。評価基準は以下のとおりである:
○:保管前と変化がなかった。
×:シールした部分の皴又は剥離が観察された。
また、図2において、実施例1のフィルムを用いて作製した袋(右側)及び比較例6のフィルムを用いて作製した袋(左側)の吸湿後の外観の写真を示す。
〈シール強度〉
作製したフィルムを15mm幅に切り出し、皴防止性樹脂層同士を対向させて、150℃、時間0.5秒、圧力0.2MPaの条件でヒートシールした。JIS K 6854−3に準拠して、引張試験機を用いて、引張速度300mm/minの条件でこれをT型剥離させ、シール強度(ヒートシール強さ)を測定した。
〈飽和吸湿量〉
作製したフィルムを10cm角に切り出し、重量を測定した。瓶に水を浸した不織布を敷き、60℃のオーブンに入れることで高温多湿な環境を準備した。この瓶に、切り出したフィルムを入れ、これを60℃のオーブンで14時間保管した。保管後、フィルムを取り出して表面の水分を拭き取り、23℃相対湿度50%RHの環境で3時間静置し、フィルムの重量を測定した。吸湿前と吸湿後の重量変化から、飽和吸湿量を換算した。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表1に示す。なお、表1の「吸湿後のシール強度」において、「※」としているものは、ドライラミネートによりフィルムを接着させているため、シール強度を測定していないことを意味する。
Figure 2021181318
表1及び図2から、引張弾性率が、1500MPa以上である皴防止性樹脂層を有する実施例1〜3のフィルムで作製した包装袋は、吸湿後の皴及び剥離が抑制されていることが理解できよう。
特に、共重合ポリエステルを用いた実施例1のフィルムは、ヒートシール性も良好であった。
100 包装用吸湿フィルム
110 バリア性基材層
120 吸湿層
130 皴防止性樹脂層
140 スキン層

Claims (10)

  1. バリア性基材層、吸湿層、及び皴防止性樹脂層を具備しており、
    前記吸湿層が、熱可塑性樹脂、及び前記熱可塑性樹脂中に分散している化学吸湿剤を含有しており、かつ
    前記皴防止性樹脂層のJIS K 7161−1 2014に準拠する引張弾性率が、1500MPa以上である、
    包装用吸湿フィルム。
  2. 前記化学吸湿剤の含有率が、前記吸湿層の質量全体を基準として、50質量%以上である、請求項1に記載の包装用吸湿フィルム。
  3. 前記化学吸湿剤が、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸ガリウム、硫酸チタン及び硫酸ニッケルからなる群より選択される、請求項1又は2に記載の包装用吸湿フィルム。
  4. 前記吸湿層と、前記皴防止性樹脂層との間に、接着層が存在している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルム。
  5. 前記皴防止性樹脂層が、ポリエステル系樹脂で構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルム。
  6. 前記ポリエステル系樹脂が、ヒートシール性ポリエステル系樹脂である、請求項5に記載の包装用吸湿フィルム。
  7. 前記吸湿層の片側又は両側に積層されているスキン層を更に有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装用吸湿フィルムを1枚又は複数枚具備しており、かつ
    1枚又は複数枚の前記包装用吸湿フィルムの前記皴防止性樹脂層の一部がこの包装用吸湿フィルムの他の部分又は他のフィルムと接着され、前記包装用吸湿フィルムの前記バリア性基材層が外側、前記皴防止性樹脂層が内側に位置するようにして袋状にされている、
    包装袋。
  9. 前記接着が、ヒートシールによってなされている、請求項8に記載の包装袋。
  10. 請求項8又は9に記載の包装袋、及び
    前記包装袋に収納されている、内容物
    を有する、内容物入り包装袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115320196A (zh) * 2022-08-16 2022-11-11 苏州海顺包装材料有限公司 一种可智能变色的高阻隔吸湿膜、制备方法

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