JP7348953B2 - 積層フィルム - Google Patents
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Description
本願は、2020年3月30日に、日本に出願された特願2020-060062号、及び、2020年12月17日に、日本に出願された特願2020-209113号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
このような積層フィルムとしては、例えば、延伸ポリエチレンフィルムと、接着層と、ヒートシール性ポリエチレン層とを少なくとも備え、前記接着層が無溶剤型接着剤を含む、包装材料用ポリエチレン積層体が開示されている(特許文献1参照)。
[1].第1樹脂層と第2樹脂層を備え、前記第2樹脂層について、動的粘弾性測定を行い、振動周波数が1Hzである場合の、100℃での弾性率E’(100)と、110℃での弾性率E’(110)を測定したとき、E’(110)/E’(100)の値が0.2以上となり、前記第2樹脂層が最表層かつ電子線非照射層であり、前記積層フィルムが、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に、さらに、第3樹脂層を備え、前記第1樹脂層と、前記第2樹脂層と、前記第3樹脂層が、同種のポリオレフィン系樹脂を含み、前記同種のポリオレフィン系樹脂とは、いずれのポリオレフィン系樹脂においても、構成単位の全量に対する、共通の構成単位の量の割合が、80モル%以上であることを意味する、積層フィルム。
[3].前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である、[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4].先端部の曲率半径が0.5mmである針の前記先端部を、500mm/分の速度で、前記積層フィルムに対して垂直に押し込んだとき、前記針が前記積層フィルムを貫通した瞬間に、前記針に加えられていた荷重が、7N以上となる、[1]~[3]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[5].前記E’(110)/E’(100)の値が0.5以上となる、[1]に記載の積層フィルム。
[6].前記第2樹脂層が高密度ポリエチレンを含む、[1]又は[5]に記載の積層フィルム。
本発明の一実施形態に積層フィルムは、第1樹脂層と第2樹脂層を備え、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層は、同種のポリオレフィン系樹脂を含み、前記第2樹脂層について、動的粘弾性測定(DMA)を行い、振動周波数が1Hzである場合の、100℃での弾性率E’(100)と、110℃での弾性率E’(110)を測定したとき、E’(110)/E’(100)の値(本明細書においては、「E’(110)/E’(100)値」と略記することがある)が0.2以上となる。
本明細書において、「弾性率」とは、特に断りのない限り「貯蔵弾性率」を意味する。
また、本実施形態の積層フィルムは、第2樹脂層のE’(110)/E’(100)値が、0.2以上であることで、第2樹脂層の耐熱性が高いことにより、通常のポリオレフィン系樹脂を含む積層フィルムよりも、耐熱性が高い。このような、耐熱性が高い積層フィルムを加熱シールする場合には、加熱シール装置中の加熱板への積層フィルム(特に第2樹脂層)の付着が抑制される。
前記第1樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む。
第1樹脂層が含む前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンから誘導された構成単位を有していれば、特に限定されず、1種のオレフィンの単独重合体であってもよいし、2種以上のオレフィンの共重合体であってもよい。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びメタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)は、いずれも、低密度ポリエチレン(LDPE)の1種である。
すなわち、本明細書において、低密度ポリエチレン(LDPE)とは、密度が0.91g/cm3以上、0.93g/cm3未満であるポリエチレンを意味する。
また、中密度ポリエチレン(MDPE)とは、密度が0.93g/cm3以上、0.942g/cm3未満であるポリエチレンを意味する。
また、高密度ポリエチレン(HDPE)とは、密度が0.942g/cm3以上であるポリエチレンを意味する。
前記アイオノマーとしては、例えば、エチレンと少量のアクリル酸又はメタクリル酸との共重合体が、その中の酸部分と、金属イオンと、の塩形成によって、イオン橋かけ構造を有している樹脂が挙げられる。
プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体(別名:ポリプロピレンランダムコポリマー(rPP))、プロピレン-エチレンブロック共重合体(別名:ポリプロピレンブロックコポリマー(bPP))等が挙げられる。
前記他の成分は、樹脂成分(本明細書においては、「他の樹脂成分」と称することがある)及び非樹脂成分(本明細書においては、「他の非樹脂成分」と称することがある)のいずれであってもよい。
前記添加剤としては、例えば、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
前記割合は、通常、後述する第1樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリオレフィン系樹脂の含有量(第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂と、第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種ではないポリオレフィン系樹脂と、の合計含有量)(質量部)の割合、と同じである。
本実施形態においては、ポリオレフィン系樹脂の場合に限らず、「同種の樹脂」とは、共通の構成単位を有する樹脂同士を比較したとき、どちらの樹脂においても、構成単位の全量(モル)に対する、共通の構成単位の量(モル)の割合が、20モル%以上であるものを意味する。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA樹脂)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA樹脂)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体(EVA部分ケン化物)等は、すべて、構成単位の全量(モル)に対する、エチレンから誘導された構成単位の量(モル)の割合が、20モル%以上であるため、同種であるとする。一方、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体及びプロピレン-エチレンブロック共重合体等のうち、構成単位の全量(モル)に対する、エチレンから誘導された構成単位の量(モル)の割合が、20モル%未満であるものは、上述の低密度ポリエチレン等とは、同種ではないとする。
本実施形態において、同種の樹脂は、どちらの樹脂においても、構成単位の全量(モル)に対する、共通の構成単位の量(モル)の割合が、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上であり、例えば、60モル%以上、70モル%以上、及び80モル%以上のいずれかであってもよい。
第1樹脂層の厚さは、通常、5~100μmであることが好ましく、10~80μmであることがより好ましく、20~60μmであることがさらに好ましい。第1樹脂層の厚さが前記下限値以上であることで、第1樹脂層の強度がより向上するとともに、積層フィルムが第1樹脂層を備えていることによる効果が、より顕著に得られる。第1樹脂層の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
第1樹脂層が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい第1樹脂層の厚さとなるようにするとよい。
前記第2樹脂層は、第1樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂を含む。
第2樹脂層が含む、前記同種のポリオレフィン系樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
すなわち、第1樹脂層と第2樹脂層は、ともにポリエチレン系樹脂を含むことが好ましく、第2樹脂層が高密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。
第2樹脂層における前記他の成分は、樹脂成分(本明細書においては、「他の樹脂成分」と称することがある)及び非樹脂成分(本明細書においては、「他の非樹脂成分」と称することがある)のいずれであってもよい。
第2樹脂層における前記他の樹脂成分としては、第1樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種ではないポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂と、が挙げられる。
第1樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種ではないポリオレフィン系樹脂としては、第1樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂として先に挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記割合は、通常、後述する第2樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリオレフィン系樹脂の含有量(第1樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂と、第1樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種ではないポリオレフィン系樹脂と、の合計含有量)(質量部)の割合、と同じである。
すなわち、電子線照射された前記積層フィルムで好ましいものとしては、例えば、前記未照射第2樹脂層として、低密度ポリエチレンを含むものを備えた前記積層フィルム(本明細書においては、この場合の積層フィルムを、電子線照射後のものと区別するために、「未照射積層フィルム」と称することがある)が、電子線照射されたものが挙げられる。
すなわち、電子線照射された積層フィルムで好ましいものとしては、吸収線量20~300kGyの条件で電子線照射されたものが挙げられる。
前記積層フィルムのゲル分率は、30%以上であることが好ましく、例えば、30~90%、32~78%、及び34~76%のいずれかであってもよい。このような積層フィルムは、上述のE’(110)/E’(100)値を有する第2樹脂層を備えた積層フィルムとして、より好ましい耐熱性を有する。
積層フィルムのゲル分率(質量%)=(Z-Y)/X×100 (1)
例えば、積層フィルムについて熱機械分析を行ったとき、2000μmの変位を示す温度(本明細書においては、「2000μm変位温度」と略記することがある)は、120℃以上であることが好ましく、例えば、125~200℃、及び130~195℃のいずれかであってもよい。このような積層フィルムは、上述のE’(110)/E’(100)値を有する第2樹脂層を備えた積層フィルムとして、より好ましい耐熱性を有する。
第2樹脂層の厚さは、通常、5~100μmであることが好ましく、10~80μmであることがより好ましく、20~60μmであることがさらに好ましい。第2樹脂層の厚さが前記下限値以上であることで、第2樹脂層の強度がより向上するとともに、積層フィルムが第2樹脂層を備えていることによる効果が、より顕著に得られる。第2樹脂層の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
第2樹脂層が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい第2樹脂層の厚さとなるようにするとよい。
このとき、動的粘弾性測定を行う第2樹脂層、すなわち、第2樹脂層の試験片としては、幅が1cmであり、長さが5cm以上であるものが挙げられる。このような試験片を用い、その動的粘弾性測定を行う測定対象部位の長さを2cmとなるように、試験片を設置して、試験片を、昇温速度5℃/minで昇温させて、動的粘弾性測定を行うことが好ましい。このような条件とすることで、弾性率E’(100)及び弾性率E’(110)をより高精度に測定できる。
例えば、E’(110)/E’(100)の値が0.5以上となる第2樹脂層は、高密度ポリエチレンを含む第2樹脂層によって、より容易に実現できる。
前記積層フィルムは、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に、さらに、これら以外の第3樹脂層を備えていてもよい。
前記第3樹脂層は、第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と、同種のポリオレフィン系樹脂を含む。すなわち、第3樹脂層を備えた積層フィルムにおいて、第1樹脂層と、前第2樹脂層と、第3樹脂層は、同種のポリオレフィン系樹脂を含む。
本実施形態において、同種の樹脂は、どちらの樹脂においても、構成単位の全量(モル)に対する、共通の構成単位の量(モル)の割合が、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上であり、例えば、60モル%以上、70モル%以上、及び80モル%以上のいずれかであってもよい。
第3樹脂層を備えた積層フィルムは、第3樹脂層を備えていることによる効果を有するとともに、再利用適性が高い。
すなわち、第1樹脂層と、第2樹脂層と、第3樹脂層は、いずれもポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。
第3樹脂層における前記他の成分は、樹脂成分(本明細書においては、「他の樹脂成分」と称することがある)及び非樹脂成分(本明細書においては、「他の非樹脂成分」と称することがある)のいずれであってもよい。
第3樹脂層における前記他の樹脂成分としては、第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種ではないポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂と、が挙げられる。
前記エラストマーを含む第3樹脂層を備えた積層フィルムは、ナイロン等のポリアミドを含んでいなくても、耐ピンホール性が高く、高強度となる。
前記エラストマーを含む第3樹脂層を備えた積層フィルムは、ナイロン等のポリアミドを含んでいなくても、耐ピンホール性が高く、高強度となる。
前記割合は、通常、後述する第3樹脂組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、ポリオレフィン系樹脂の含有量(第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種のポリオレフィン系樹脂と、第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と同種ではないポリオレフィン系樹脂と、の合計含有量)(質量部)の割合、と同じである。
複数層からなる第3樹脂層においては、すべての層が、第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と、同種のポリオレフィン系樹脂を含む。
第3樹脂層の厚さは、通常、15~200μmであることが好ましく、30~160μmであることがより好ましく、50~120μmであることがさらに好ましい。第3樹脂層の厚さが前記下限値以上であることで、第3樹脂層の強度がより向上するとともに、積層フィルムが第3樹脂層を備えていることによる効果が、より顕著に得られる。第3樹脂層の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが抑制される。
第3樹脂層が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい第3樹脂層の厚さとなるようにするとよい。
前記割合が前記下限値以上であることで、積層フィルムが第3樹脂層を備えていることにより得られる効果が、より高くなる。前記割合が前記上限値以下であることで、積層フィルムが第1樹脂層及び第2樹脂層を備えていることにより得られる効果が、より高くなる。
例えば、先端部の曲率半径が0.5mmである針の前記先端部を、500mm/分の速度で、前記積層フィルムに対して垂直に押し込んだとき、前記針が前記積層フィルムを貫通した瞬間に、前記針に加えられていた荷重を突き刺し強度(N)としたとき、この突き刺し強度が高いほど、積層フィルムの耐ピンホール性が高いといえる。
前記針としては、例えば、ステンレス鋼製のものが挙げられる。
前記突き刺し強度の上限値は、特に限定されないが、例えば、前記突き刺し強度が12N以下である積層フィルムは、より容易に実現できる。
前記樹脂層(I)において、エチレン-ビニルアルコール共重合体及びエチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体は、いずれも、第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と、同種のポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
前記割合は、通常、樹脂層(I)を形成するための樹脂組成物(後述する第3樹脂組成物)における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体の含有量(質量部)の割合、と同じである。
前記割合は、通常、樹脂層(I)を形成するための樹脂組成物(後述する第3樹脂組成物)における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記非ビニル系ポリオレフィン系樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
前記割合は、通常、樹脂層(I)を形成するための樹脂組成物(後述する第3樹脂組成物)における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体の含有量(質量部)の割合、と同じである。
前記割合は、通常、樹脂層(I)を形成するための樹脂組成物(後述する第3樹脂組成物)における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、エチレン-ビニルアルコール共重合体と、前記非ビニル系ポリオレフィン系樹脂と、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体と、の合計含有量(質量部)の割合、と同じである。
このような前記積層フィルムとして、より具体的には、例えば、第1樹脂層と、1層の樹脂層(I)(第3樹脂層)と、1層又は2層の樹脂層(I)以外の第3樹脂層と、第2樹脂層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、第3樹脂層が合計で2層又は3層の積層フィルム;第1樹脂層と、1層又は2層の樹脂層(I)以外の第3樹脂層と、1層の樹脂層(I)(第3樹脂層)と、第2樹脂層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、第3樹脂層が合計で2層又は3層の積層フィルム;第1樹脂層と、1層又は2層の樹脂層(I)以外の第3樹脂層と、1層の樹脂層(I)(第3樹脂層)と、1層又は2層の樹脂層(I)以外の第3樹脂層と、第2樹脂層と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、第3樹脂層が合計で3~5層の積層フィルムが挙げられる。
ここで例示した積層フィルムにおいて、第1樹脂層と、樹脂層(I)と、樹脂層(I)以外の第3樹脂層と、第2樹脂層とは、すべて同種のポリオレフィン系樹脂を含む。
ここで例示した積層フィルムにおいて、第1樹脂層及び第2樹脂層は、いずれも1層のみであってもよいし、2層以上であってもよい。
このような前記樹脂層(I)である第3樹脂層においては、前記非ビニル系ポリオレフィン系樹脂と、エチレン-ビニルアルコール共重合体と、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体と、からなる群より選択される1種又は2種以上が、第1樹脂層及び第2樹脂層が含むポリオレフィン系樹脂と、同種のポリオレフィン系樹脂であればよい。
例えば、前記非ビニル系ポリオレフィン系樹脂が前記同種のポリオレフィン系樹脂である場合には、エチレン-ビニルアルコール共重合体と、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体と、のいずれか一方又は両方が、前記同種のポリオレフィン系樹脂であってもよいし、エチレン-ビニルアルコール共重合体と、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体と、の両方が、前記同種のポリオレフィン系樹脂でなくてもよい。
本明細書において、「ヘーズ」とは、JIS K 7136:2000に準拠して測定されたものを意味する。
ここに示す積層フィルム1は、第1樹脂層11と第2樹脂層12を備え、さらに、第1樹脂層11と第2樹脂層12との間に、第3樹脂層13を備えて、構成されている。すなわち、積層フィルム1は、第1樹脂層11、第3樹脂層13及び第2樹脂層12がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
第1樹脂層11、第2樹脂層12及び第3樹脂層13は、いずれも、先に説明したものである。
第3樹脂層13は、任意の構成であり、積層フィルム1は、第3樹脂層13を備えていなくてもよい。
第2樹脂層12の一方の面(第1樹脂層11側とは反対側の面、本明細書においては「第1面」と称することがある)12aは、露出面である。
積層フィルム1の厚さに対する、第1樹脂層11及び第2樹脂層12の合計の厚さの割合は、先の説明のとおり、特に限定されないが、30~50%であることが好ましい。
積層フィルム1において、[第1樹脂層11の厚さ]/[第2樹脂層12の厚さ]の比率(厚さ比率)は、先の説明のとおり、特に限定されないが、0.7~1.3であることが好ましい。
ここに示す積層フィルム2は、第3樹脂層23として、第1樹脂層11側から第2樹脂層12側へ向けて、第3-1樹脂層231、第3-2樹脂層232、第3-3樹脂層233、第3-4樹脂層234、及び第3-5樹脂層235がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、5層構造の積層樹脂層を備えている。
すなわち、積層フィルム2は、第1樹脂層11と、第3-1樹脂層231と、第3-2樹脂層232と、第3-3樹脂層233と、第3-4樹脂層234と、第3-5樹脂層235と、第2樹脂層12と、がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
このような第3樹脂層23でより好ましいものとしては、例えば、第3-1樹脂層231、第3-2樹脂層232、第3-4樹脂層234、及び第3-5樹脂層235が、いずれも前記樹脂層(I)以外の樹脂層であり、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)である、酸素バリア性を有する第3樹脂層が挙げられる。
積層フィルム2の厚さに対する、第1樹脂層11及び第2樹脂層12の合計の厚さの割合は、先の説明のとおり、特に限定されないが、30~50%であることが好ましい。
積層フィルム2において、[第1樹脂層11の厚さ]/[第2樹脂層12の厚さ]の比率(厚さ比率)は、先の説明のとおり、特に限定されないが、0.7~1.3であることが好ましい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-1樹脂層231及び第3-2樹脂層232を備えていない3層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-1樹脂層231、第3-2樹脂層232及び第3-4樹脂層234を備えていない2層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-4樹脂層234及び第3-5樹脂層235を備えていない3層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-2樹脂層232、第3-4樹脂層234及び第3-5樹脂層235を備えていな2層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-2樹脂層232を備えていない4層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-4樹脂層234を備えていない4層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
例えば、第3樹脂層23は、第3-2樹脂層232及び第3-4樹脂層234を備えていない3層構造を有し、第3-3樹脂層233が前記樹脂層(I)であってもよい。
前記他の層は、ポリオレフィン系樹脂を含まない層であり、このような他の層を備えていないことにより、前記積層フィルムの再利用適性が、より高くなる。
前記積層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂又は樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
前記積層フィルムは、包装体の材料として好適である。
すなわち、好ましい包装体としては、前記積層フィルムを備えたものが挙げられる。
本実施形態の包装体は、前記積層フィルムを用いて、包装対象物を包装することで、製造できる。包装体の製造時には、前記積層フィルム中の第1樹脂層を包装対象物側に配置し、第2樹脂層を包装対象物側とは反対側に配置して、包装対象物を包装することが好ましい。
ここに示す包装体101は、蓋材8と、底材10と、を備えており、樹脂フィルムを深絞り成形して得られた深絞り包装体である。
蓋材8及び底材10のいずれか一方又は両方は、図1に示す積層フィルム1又は積層フィルム2を用いて、構成されている。
図3中の蓋材8又は底材10においては、これを構成している積層フィルム1又は積層フィルム2中の各層の区別を省略している。
底材10の凹部100を除く領域の一方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)10bと、蓋材8の一方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)8bとは、いずれもシール面であり、互いに対向している。
包装体101は、蓋材8及び底材10のシールによって構成されている。より具体的には、底材10の凹部100を除く領域の第2面10bと、蓋材8の第2面8bは、重ね合わされ、互いにこれらの周縁部近傍の領域においてシールされている。その結果、底材10の凹部100の領域において、底材10の第2面10bと、蓋材8の第2面8bと、の間に、収納部101aが形成されている。この収納部101a内に、収納物9が収納されている。
前記包装体は、例えば、前記積層フィルム同士、又は、前記積層フィルムと、前記積層フィルム以外の他の樹脂フィルムと、によって、包装対象物(換言すると収納物)を収納するための収納部を形成しながら、包装対象物を収納して行き、これらフィルムの前記収納部以外の領域を加熱シールすることにより、製造できる。このとき、加熱シール装置中の加熱板への前記積層フィルム(特に第2樹脂層)の付着が抑制される。
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図1に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、第1樹脂層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレン(登録商標)F222NH」、密度0.922g/cm3)を用意した。
第2樹脂層を構成する樹脂として、高密度ポリエチレン(HDPE)(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)4010」、密度0.964g/cm3、メルトマスフローレイト5.4g/10min)を用意した。本明細書においては、このHDPEを「HDPE(1)」と称することがある。
第3樹脂層を構成する樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット(登録商標)1520F」、密度0.913g/cm3)を用意した。
<第2樹脂層のE’(110)/E’(100)値の算出>
前記HDPE(1)を押出成形することにより、試験用樹脂フィルム(厚さ30μm)を得た。
この試験用樹脂フィルムから、大きさが7cm×1cmの試験片(1)を切り出し、測定対象部位の長さが2cmとなるように、この試験片(1)をサンプルホルダー内に設置した。
次いで、動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ社製「DMS6100」)を用いて、引っ張りモードで、20℃から130℃の温度範囲において、変位5μm、振動周波数1Hz、昇温速度5℃/minの条件で、E’(100)及びE’(110)を測定し、E’(110)/E’(100)値を算出した。結果を表1に示す。
先端部の曲率半径が0.5mmである針の前記先端部を、上記で得られた積層フィルムに対して、その第2樹脂層側から突き立て、500mm/分の速度で、積層フィルムに対して垂直に押し込んだ。針が積層フィルムを貫通した瞬間に、針に加えられていた荷重を読み取り、この読み取り値を積層フィルムの突き刺し強度として採用した。結果を表1に示す。
<<積層フィルムの製造>>
第2樹脂層の形成時に、HDPE(1)(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)4010」、密度0.964g/cm3、メルトマスフローレイト5.4g/10min)に代えて、これとは異なる種類のHDPE(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)1000」、密度0.964g/cm3、メルトマスフローレイト20g/10min)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。本明細書においては、本実施例で用いたHDPEを「HDPE(2)」と称することがある。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
表1中、「評価結果」の欄の「-」との記載は、その項目が未評価であることを意味する。
第3樹脂層の形成時に、mLLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット(登録商標)1520F」)に代えて、第3樹脂組成物を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。この第3樹脂組成物は、mLLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット(登録商標)1520F」)(90質量部))と、エラストマー(三井化学社製「タフマー(登録商標)BL3450M」)(10質量部))とを、200℃で10分混練することにより得た。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
第2樹脂層の形成時に、HDPE(1)(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)4010」、密度0.964g/cm3)に代えて、第2樹脂組成物を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。この第2樹脂組成物は、HDPE(1)(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)4010」)(60質量部)と、LDPE(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレン(登録商標)F222NH」)(40質量部)とを、200℃で10分混練することにより得た。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表2に示す。
<<積層フィルムの製造>>
第2樹脂層の形成時に、HDPE(1)(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)4010」、密度0.964g/cm3)に代えて、mLLDPE(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット(登録商標)1520F」)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、積層フィルム(前記未照射積層フィルム)を製造した。
次いで、この積層フィルムに対して、その第2樹脂層側から、電子線(EB)照射を行った。このとき、吸収線量を50kGyとし、加速電圧を150kVとした。このようにして得られたものを、本実施例の積層フィルムとした。
<第2樹脂層のE’(110)/E’(100)値の算出>
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で、E’(100)及びE’(110)を測定し、E’(110)/E’(100)値を算出した。結果を表2に示す。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で、突き刺し強度を測定した。結果を表2に示す。
上記で得られた積層フィルムのゲル分率を、JIS K 6769に準拠して測定した。
すなわち、積層フィルムから、大きさが3cm×3cmの試験片(2)を切り出し、この試験片(2)を、400メッシュステンレス製金網(100g)で包み込んだ。このステンレス製金網で包み込んだ試験片(2)を、110℃のキシレン(18mL)中に24時間浸漬した。
次いで、浸漬後の試験片(2)をステンレス製金網ごと、キシレン中から取り出し、さらに、そのまま、110℃で24時間、1.7kPaの圧力下で真空乾燥させた。得られた乾燥物の質量を求めて、ゲル分率を算出した。結果を表2に示す。
熱分析装置(SII社製「EXSTAR6000」)を用いて、上記で得られた積層フィルムについて、JIS K 7196に準拠して熱機械分析を行い、得られた熱機械分析曲線から、2000μm変位温度を求めた。結果を表2に示す。
<<積層フィルムの製造>>
シーラント層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレン(登録商標)F222NH」、密度0.922g/cm3)を用意した。
中間層を構成する樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット(登録商標)1520F」)を用意した。
接着層を構成する樹脂として、変性ポリオレフィン樹脂(三井化学社製「NF536」)を準備した。
強度保持層及び外層を構成する樹脂として、6-ナイロン(Ny)(宇部興産社製「1022B」)を用意した。
<外層のE’(110)/E’(100)値の算出>
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で、外層のE’(100)及びE’(110)を測定し、E’(110)/E’(100)値を算出した。結果を表3に示す。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で、突き刺し強度を測定した。結果を表3に示す。
実施例1~5の積層フィルムは、第1樹脂層~第3樹脂層のすべてが、PEを含んでおり、主たる含有成分が同種のポリオレフィン系樹脂であって、再利用適性が高かった。
さらに、実施例5においては、積層フィルムのゲル分率が42%であり、積層フィルムの2000μm変位温度が125℃であって、ここでも第2樹脂層のEB照射の効果が認められた。
<<積層フィルムの製造>>
以下に示す手順により、図2に示す構成の積層フィルムを製造した。
すなわち、第1樹脂層を構成する樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「UBEポリエチレン(登録商標)F222NH」、密度0.922g/cm3)を用意した。
第2樹脂層を構成する樹脂として、高密度ポリエチレン(HDPE)(東ソー社製「ニポロンハード(登録商標)4010」、密度0.964g/cm3、メルトマスフローレイト5.4g/10min、HDPE(1))を用意した。
第3-1樹脂層、第3-2樹脂層、第3-3樹脂層、第3-4樹脂層、及び第3-5樹脂層を構成する樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット(登録商標)1520F」、密度0.913g/cm3)を用意した。
第3-3樹脂層を構成する樹脂として、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体(EVA部分ケン化物)(東ソー社製「メルセン(登録商標)-H3051R」)と、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ社製「エバール(登録商標)E105B」)を用意した。
<積層フィルムの突き刺し強度の測定>
上記で得られた積層フィルムについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表4に示す。
上記で得られた積層フィルムについて、JIS K 7136:2000に準拠して、その第2樹脂層側の外部からヘーズを測定した。結果を表4に示す。
上記で得られた積層フィルムについて、JIS K 7126-2:2006に準拠して、温度23℃、相対湿度50%の条件下での酸素透過量を測定した。結果を表4に示す。
<<積層フィルムの製造>>
第3樹脂組成物の製造時に、前記mLLDPE(40質量部)と、前記EVA部分ケン化物(30質量部)と、前記EVOH(30質量部)とを、200℃で10分混練するのに代えて、前記mLLDPE(25質量部)と、前記EVA部分ケン化物(30質量部)と、前記EVOH(45質量部)とを、200℃で10分混練した点以外は、実施例6の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。
この積層フィルムは、第1樹脂層(厚さ30μm)と、第3-1樹脂層(厚さ15μm)と、第3-2樹脂層(厚さ30μm)と、第3-3樹脂層(厚さ15μm)と、第3-4樹脂層(厚さ15μm)と、第3-5樹脂層(厚さ15μm)と、第2樹脂層(厚さ30μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)であった。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例6の場合と同じ方法で評価した。結果を表4に示す。
<<積層フィルムの製造>>
第3樹脂組成物の製造時に、前記mLLDPE(40質量部)と、前記EVA部分ケン化物(30質量部)と、前記EVOH(30質量部)とを、200℃で10分混練するのに代えて、前記mLLDPE(10質量部)と、前記EVA部分ケン化物(30質量部)と、前記EVOH(60質量部)とを、200℃で10分混練した点以外は、実施例6の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。
この積層フィルムは、第1樹脂層(厚さ30μm)と、第3-1樹脂層(厚さ15μm)と、第3-2樹脂層(厚さ30μm)と、第3-3樹脂層(厚さ15μm)と、第3-4樹脂層(厚さ15μm)と、第3-5樹脂層(厚さ15μm)と、第2樹脂層(厚さ30μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)であった。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例6の場合と同じ方法で評価した。結果を表4に示す。
<<積層フィルムの製造>>
第3樹脂組成物の製造時に、前記mLLDPE(40質量部)と、前記EVA部分ケン化物(30質量部)と、前記EVOH(30質量部)とを、200℃で10分混練するのに代えて、前記LDPE(10質量部)と、前記EVA部分ケン化物(30質量部)と、前記EVOH(60質量部)とを、200℃で10分混練した点以外は、実施例6の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。
この積層フィルムは、第1樹脂層(厚さ30μm)と、第3-1樹脂層(厚さ15μm)と、第3-2樹脂層(厚さ30μm)と、第3-3樹脂層(厚さ15μm)と、第3-4樹脂層(厚さ15μm)と、第3-5樹脂層(厚さ15μm)と、第2樹脂層(厚さ30μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)であった。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例6の場合と同じ方法で評価した。結果を表5に示す。
<<積層フィルムの製造>>
前記mLLDPEの押出量を増大させ、前記第3樹脂組成物の押出量を低減した点以外は、実施例9の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。
この積層フィルムは、第1樹脂層(厚さ37.5μm)と、第3-1樹脂層(厚さ15μm)と、第3-2樹脂層(厚さ30μm)と、第3-3樹脂層(厚さ7.5μm)と、第3-4樹脂層(厚さ15μm)と、第3-5樹脂層(厚さ15μm)と、第2樹脂層(厚さ30μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)であった。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例6の場合と同じ方法で評価した。結果を表5に示す。
<<積層フィルムの製造>>
前記第3樹脂組成物に代えて前記mLLDPEを用いた点以外は、実施例6の場合と同じ方法で、積層フィルムを製造した。
この積層フィルムは、第1樹脂層(厚さ30μm)と、第3-1樹脂層(厚さ15μm)と、第3-2樹脂層(厚さ30μm)と、第3-3樹脂層(厚さ15μm)と、第3-4樹脂層(厚さ15μm)と、第3-5樹脂層(厚さ15μm)と、第2樹脂層(厚さ30μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層フィルム(厚さ150μm)であった。
上記で得られた積層フィルムについて、実施例6の場合と同じ方法で評価した。結果を表5に示す。
なかでも、実施例7~10の積層フィルムの酸素透過量は、21.3ml/(m2・24h・atm)以下(9.4~21.3ml/(m2・24h・atm))であり、実施例7~10の積層フィルムは、高い酸素バリア性を有していた。これは、これら積層フィルム中の第3-3樹脂層の均一性と酸素バリア性が高いためであった。
11 第1樹脂層
11b 第1樹脂層11の第2面
12 第2樹脂層
12a 第2樹脂層12の第1面
13,23 第3樹脂層
231 第3-1樹脂層
232 第3-2樹脂層
233 第3-3樹脂層
234 第3-4樹脂層
235 第3-5樹脂層
100 凹部
101 包装体(深絞り包装体)
101a 収納部
8 蓋材
8a 蓋材8の第1面
8b 蓋材8の第2面
9 収納物
10 底材
10a 底材10の第1面
10b 底材10の第2面
Claims (6)
- 第1樹脂層と第2樹脂層を備え、
前記第2樹脂層について、動的粘弾性測定を行い、振動周波数が1Hzである場合の、100℃での弾性率E’(100)と、110℃での弾性率E’(110)を測定したとき、E’(110)/E’(100)の値が0.69以上となり、
前記第2樹脂層が最表層かつ電子線非照射層であり、
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に、さらに、第3樹脂層を備え、
前記第1樹脂層と、前記第2樹脂層と、前記第3樹脂層が、同種のポリオレフィン系樹脂を含み、前記同種のポリオレフィン系樹脂とは、いずれのポリオレフィン系樹脂においても、構成単位の全量に対する、共通の構成単位の量の割合が、80モル%以上であることを意味する、積層フィルム。 - 前記第3樹脂層が3層以上の複数層からなり、そのうちの少なくとも1層が、前記ポリオレフィン系樹脂と、エチレン-ビニルアルコール共重合体と、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体と、を含み、
前記ポリオレフィン系樹脂が、エチレン-ビニルアルコール共重合体と、エチレン-酢酸ビニル共重合体と、エチレン-ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体と、のいずれにも該当しない、請求項1に記載の積層フィルム。 - 前記ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂である、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 先端部の曲率半径が0.5mmである針の前記先端部を、500mm/分の速度で、前記積層フィルムに対して垂直に押し込んだとき、前記針が前記積層フィルムを貫通した瞬間に、前記針に加えられていた荷重が、7N以上となる、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 前記E’(110)/E’(100)の値が0.5以上となる、請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記第2樹脂層が高密度ポリエチレンを含む、請求項1又は5に記載の積層フィルム。
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