JP7255346B2 - 積層シートおよび紙容器 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料、アルコール類などの液体や米、小麦粉等の粉状、粒状固体を内容物とする紙容器に関する。
従来、飲料、酒等の包装に使用される容器としてビン、缶、ペットボトル等の材料が用いられてきた。一方、近年の地球環境保護に対する意識の高まりから、リサイクル性に優れ、環境負荷の少ない紙容器が広く用いられるようになってきている。
一般的に紙容器は、内容物の保存性、容器としての強度やガスバリア性等を確保するために、複数の材料が積層されている。この紙容器に用いられる積層シートとして、例えば容器外側から最外層/紙層/接着性樹脂層/バリアフィルム層/シーラント層の層構成となったものが一般的に知られている。
このような積層シートを容器形状に成形する際には、通常、充填直前にシール箇所にホットエアを吹き付けてシーラント層樹脂を溶融させた後、プレスして熱溶着する。その際に紙層中に含まれる水分が蒸発して、紙層と接着性樹脂層を剥離するバブリングと呼ばれる現象が発生する。バブリング発生後、更にホットエアにさらされる場合、膨張した水蒸気がバリアフィルム層、シーラント層を突き破り、ピンホールが発生する場合がある。
紙容器において、ピンホールが発生した場合には、バリア機能の低下だけでなく、液体内容物の漏れを生じる可能性があるため、ピンホールが発生しないホットエアによる加熱条件設定が必要となる。
また、積層シートのバリアフィルム層には通常、シリカやアルミナ等の無機酸化物を蒸着したPETフィルムや、アルミニウムを蒸着したPETフィルム、またはアルミニウム箔とPETフィルムの積層フィルムが用いられることが一般的である。従って、上記の層構成において接着性樹脂層に用いられる材料としては、紙層および上記バリアフィルム層に対して接着性を示す材料である必要がある。
そこで、接着性樹脂層に用いられる材料としては、特許文献1に示されるように、エチレン-アクリル酸エステル、またはエチレン-メタアクリル酸エステルの共重合樹脂の中の少なくとも一種を主成分として含有し、かつ、該共重合樹脂のアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルの含有量が10~30重量%の樹脂を押出ラミネートにて積層する方法が広く採用されている。
しかしながら、エチレン-アクリル酸エステル、またはエチレン-メタアクリル酸エステルの共重合樹脂は、バリアフィルム層との接着性には優れるものの、これらを用いて作製した積層シートは、バブリングやピンホールが発生しやすい問題を抱えている。
つまり、ホットエア加熱条件の許容範囲が狭いため、加熱条件が高温側に少しでもずれるとバブリングやピンホールが発生し、バリア性低下や液漏れの原因となる。逆に、加熱条件が弱い場合は、シーラント層樹脂を溶融させることが出来ず、シール不良の原因となる。また、エチレン-アクリル酸エステル、またはエチレン-メタアクリル酸エステルの共重合樹脂は、汎用樹脂と比較して材料コストが高い。そのため、できるだけ低コストである材料を用いた製造方法の確立が求められている。
このような課題に対して、接着性樹脂層の樹脂物性を変更する提案がなされている。
例えば、特許文献2では、ストレス防止層として、密度が0.936g/cmを超えて、127℃を超える融点を有するポリエチレン樹脂が提案されている。
この方法によれば、低コストの材料を使用でき、かつ、バブリングやピンホールを抑制する効果が得られる。しかしながら、ポリエチレン樹脂を接着性樹脂層に採用した場合、バリアフィルム層との接着性が失われる可能性がある。
また、紙層と接着性樹脂層との間に水蒸気の通り抜けを防止する層を設けることで、バブリングやピンホールを抑制する提案がなされている。例えば、特許文献3では、外面側から、ポリエチレンからなる最外層、紙からなる基材層、クレーと顔料とバインダーとを含むクレーコート層、ポリエチレン系樹脂からなる中間層、バリア層、低密度ポリエチレン又は中密度ポリエチレンからなる最内層の6層を順次積層することが提案されており、前記クレーコート層の坪量が10g/m~40g/mであり、前記クレーコート層中のクレーと顔料とバインダーとの配合割合が、クレー:顔料:バインダー=1質量%~20質量%:50質量%~90質量%:10~30質量%であることを特徴とする包装材料が提案されている。しかしながら、この層構成では、クレーコート層を設けるため、工程が増えることで製造コストが上がってしまう問題点がある。
特許第3883584号公報 特開2005-35211号公報 特許第5313443号公報
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、容器成形時のホットエアによるバブリングやピンホールを抑制すると共に、紙層およびバリアフィルム層との接着性を満たした積層シートおよび紙容器を安価に提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る発明は、
少なくとも最外層/紙層/接着性樹脂層/バリアフィルム層/シーラント層が順に積層された積層シートであって、
前記接着性樹脂層は、紙側にポリエチレンが積層され、バリアフィルム層側にエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体が積層された2層構成であり、前記接着性樹脂層を構成するエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体と、ポリエチレンとのJIS K 6760で規定されるメルトフローレート(MFR)の差が8g/10min以内であり、
前記ポリエチレンが、JIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度が1.20N/15mm以上であること、を特徴とする積層シートである。
本発明の請求項2に係る発明は、
前記接着性樹脂層を構成するポリエチレンの膜厚が10μm以上であることを特徴とする請求項1に記載された積層シートである。
本発明の請求項3に係る発明は、
前記接着性樹脂層の全体の厚さが20μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層シートである。
本発明の請求項4に係る発明は、
前記ポリエチレンが融点100℃以上130℃以下の低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載された積層シートである。
本発明の請求項5に係る発明は、
前記バリアフィルム層が、金属の蒸着膜を設けたPETフィルム、または無機酸化物の蒸着膜を設けたPETフィルム、またはアルミニウム箔とPETフィルムの積層フィルムのいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載された積層シートである。
本発明の請求項6に係る発明は、
請求項1から5のいずれか1項に記載された積層シートを用いて成形してなる紙容器である。
本発明の紙容器によれば、紙層側に100℃における凝集破壊強度の高い樹脂を配置するため、ピンホールの発生を抑制する効果が得られる。また、紙容器を構成する接着性樹脂層を二層化し、その一方を安価なポリエチレンに代替することで接着性を維持しつつ、エチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体の比率を下げることで材料コストを抑制することができる。
また、共押出ラミネート法にて積層するエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体とポリエチレンのMFRの差が8g/10min以内であることから、共押出ラミネート法で問題となる界面荒れ等の不具合が発生しない。また、共押出される2層の樹脂の厚さバランスが幅方向で変化する包み込み現象が発生しにくくなる。
本発明に係る積層シートを構成する積層材料の一例を説明する断面模式図である。 従来の積層シートを構成する積層材料の一例を説明する断面模式図である。
図1は、本発明に係る積層シートの層構成の一例を示す断面模式図である。この積層シート10は、最外層1/紙層2/接着性樹脂層3/バリアフィルム層4/シーラント層5が順次積層された層構成となっている。そして接着性樹脂層3は、接着性樹脂層(紙側)3aと接着性樹脂層(バリアフィルム層側)3bからなる2層構成となっている。
図2は、比較のため従来の積層シートの層構成を示している。図2において従来の積層シート20は、最外層11/紙層12/接着性樹脂層13/バリアフィルム層14/シーラント層15が順次積層された層構成となっている。そして接着性樹脂層13は単層からなる構成である。
以下に、本発明における積層シートおよび紙容器の各層の構成材料等に関する好ましい実施態様について説明する。
(最外層)
最外層1は、積層シートを角形或いは丸形等の各種容器形態に成形する際に、最外層樹脂間の熱接着により接合できる機能が必要である。
通常は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィンの共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン等、一般的にヒートシール層として用いられる樹脂を使用することができる。
最外層1の厚さは、シール性に支障をきたさなければ特に限定されないが、厚さ10μm~30μm程度が適当である。積層方法としては、溶融状態で紙層に積層する押出コーティング法や、予めシート状になった最外層フィルムに接着剤を介して紙層を積層する方法が挙げられるが、通常、加工速度の観点から押出コーティングを適用することが好適である。また、後述する接着性樹脂層の積層を同一ラインで行えるタンデム押出機を用いることで、より効率的な製造が可能となる。
更に、最外層1は必要に応じて、その表面をコロナ処理した後、印刷を行うことができる。
(紙層)
紙層2は、主に容器の成形性や剛性を付与するための層である。紙坪量は200g/m~500g/m程度が適当であり、容器サイズに合わせて適宜選択できる。また、紙層2には、表面処理されたコート紙、もしくは処理されていないノーコート紙のいずれかを選択しても何ら問題はない。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層3は、紙層2と、バリアフィルム層4と、を押出ラミネートにより接着するため積層される。なお、接着性樹脂層3の積層においてもタンデム押出機を用いることで、接着性樹脂層3の積層と最外層1の積層を同一ラインで行えるようになるため、作業効率が上がる。
接着性樹脂層3は、共押出による2層構成をしており、紙側に位置する接着性樹脂層(紙側)3aの樹脂はポリエチレンとし、バリアフィルム層側に位置する接着性樹脂層(バリアフィルム層側)3bの樹脂は、エチレン-不飽和カルボン酸、またはそのエステル化合物との共重合体とする。
具体的に、接着性樹脂層(紙側)3aのポリエチレンとは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィンの共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂を用いることができる。
また、接着性樹脂層(バリアフィルム層側)3bに配置されるエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体には、エチレン-メタアクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタアクリル酸メチル(EMMA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、アイオノマー樹脂を用いることができ、その共重合比率は、不飽和カルボン酸、または不飽和カルボン酸エステル成分の含有量が3重量%~20重量%であるものが好ましい。
アクリル酸エステルの含有量が3重量%未満の場合には、接着性樹脂層の接着力が低くなり、20重量%を超える場合には、押出加工適性が低下することがあるため、好ましくない。
また、ポリエチレンと、エチレン-不飽和カルボン酸、またはそのエステル化合物との共重合体のJIS K 6760の測定方法に準拠したメルトフローレート(MFR)の差が8g/10min以内である。
MFR値が大きく離れた樹脂を共押出ラミネートする場合には、製膜したときに外観の荒れ等の不具合を生じてしまう。また、2層の樹脂の厚さバランスが幅方向でばらつく包み込み現象が発生し、最終製品のばらつきが大きくなる。ポリエチレンと、エチレン-不飽和カルボン酸、またはそのエステル化合物との共重合体を共押出ラミネートする場合、MFRの差が8g/10min以内であれば、上記のような問題は発生しない。
また、接着性樹脂層(紙側)3aを構成するポリエチレンは、100℃環境下でJIS
Z 0238で規定される凝集破壊強度が、1.20N/15mm以上である必要がある。
バブリングやピンホールは、紙層2に含まれる水分が水蒸気化する100℃以上の温度において発生する。この時に紙層側の樹脂の凝集破壊強度が1.20N/15mm以上を有している場合、紙層側の樹脂が水蒸気の膨張圧力に耐えられるため、バブリング・ピンホールが発生しにくくなる。
凝集破壊強度の測定方法について詳細に説明する。
厚さ30μmに製膜したポリエチレンフィルムに対して、その両面にコロナ処理を施し、それぞれの面に対してウレタン結合を有する二液硬化型接着剤を用いて、コロナ処理を施した厚さ12μmのPETを積層して、PET(表)/PE/PET(裏)の構成をしたサンプルを作製する。
このサンプルのPET(表)とPET(裏)を引張試験機で挟み、100℃恒温槽内でJIS Z 0238に準拠して剥離試験を行う。このように測定すれば、100℃環境下におけるポリエチレンの凝集破壊強度を測定することができる。
また、接着性樹脂層(紙側)3aを構成するポリエチレンの膜厚は、少なくとも10μm以上であることが必要である。厚さが10μmよりも薄い場合、容器成形時のホットエアにて発生する水蒸気の圧力によってポリエチレンフィルムに、バブリングやピンホールが発生しやすくなる。
また、接着性樹脂層(紙側)3aを構成するポリエチレンは、融点100℃~130℃の低密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。共押出ラミネートで同時に積層する接着性樹脂層(バリアフィルム層側)3bのエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体は、一般的に融点が80℃~100℃であることが多く、高温で分解する性質をもっているそのため、低温吐出が可能な、さらに低融点の低密度ポリエチレンが適している。
接着性樹脂層(バリアフィルム層側)3bを構成するエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体は、バリアフィルム層との接着性を持たせることを目的としている。そのため、バリアフィルム層との接着性に支障を来たさない範囲であれば、その膜厚は任意に設定することができる。厚さとしては、3μm~15μmの範囲が適切である。接着性樹脂層(バリアフィルム層側)3bの厚さは薄いほど、材料コストを抑えることができる。この厚さが3μm未満となる場合には、製造中に起こりうる厚さバランスの低下によって、バリアフィルム層との接着性が失われる可能性がある。また、15μmよりも厚い場合には、材料のコストダウンの効果が小さくなる。
接着性樹脂層3全体の厚さとしては、20μm~50μmが好ましい。厚さが20μmよりも薄い場合には、バブリングやピンホールが発生しやすくなる。また、厚さが50μmよりも厚い場合には、容器成形する際の罫線を設け難くなるなど成形工程での不具合が発生しやすくなる。
(バリアフィルム層)
バリアフィルム層4は、容器にガスバリア性を持たせるために設けるもので、例えば、PETフィルム、2軸延伸のポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂等を基材フィルムとしてその上にシリカ、アルミナ、アルミニウム等の無機物を蒸着したフィルムが使用できる。
この基材フィルムの厚さは、5μm~30μm程度が適当である。また、蒸着膜の厚さは、必要とするガスバリア性を発現するのに十分な厚さに蒸着されていればよい。例えばシリカを蒸着する場合は、30nm~200nm程度の厚さであることが好ましい。さらに、バリアフィルム層4は、アルミニウム箔と上述の基材フィルムをドライラミネート法で接着して作製してもよい。
(シーラント層)
シーラント層5は、一般的にシーラント層として使用されている樹脂を用いることができる。例えば、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene、PE-LD)、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(Linear Low Density Polyethylene、PE-LLD)、エチレン-αオレフィンの共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン等が挙げられる。
シーラント層5は、これらの樹脂を単層もしくは、複数組み合わせて積層して用いることもできる。シーラント層5は、厚さ30μm~100μmが適当である。積層方法は特に限定されないが、フィルム製膜後にウレタン結合を有する二液硬化型接着剤を用いてバリアフィルム層4と、ドライラミネート法により積層する手法が一般的である。
(容器の作製)
以上に説明した積層シートを用いて成形すれば、例えばゲーブルトップ型容器、カップ形状容器、れんが型容器、筒状容器など、いずれのタイプの容器にも適用できる。また、その製造方法についても従来公知の方法をそのまま適用できる。
具体的な実施例を以下に詳述する。
<実施例1>
シーラント層5として予め片面にコロナ処理を施したPE-LDフィルム(厚さ55μm)と、バリアフィルム層4として片面にシリカ蒸着、反対側の面にコロナ処理を施したPETフィルム(厚さ12μm)を用意し、シリカ蒸着面と、PE-LDフィルムのコロナ処理面を、ウレタン系接着剤によってドライラミネート法で積層し、バリアフィルム層/シーラント層の積層フィルムを形成した。
紙層2として坪量380g/mのノーコート紙を紙基材の両面にコロナ処理を行った後に、紙基材の片面にタンデム押出機のうち第一のTダイから低密度ポリエチレン(旭化成株式会社製 L2340)を18μmの厚さで押出コーティングし、最外層1を形成した。
続いて、紙基材の最外層を形成した面の反対面と、バリアフィルム層/シーラント層の積層フィルムのPETフィルム面に対して、第二のTダイからPE-LD(旭化成株式会社製 L6810、MFR10.5)とEMAA(三井デュポンポリケミカル株式会社製 AN4228C、MFR14)の共押出フィルムによって、サンドイッチラミネーションを行い、接着性樹脂層3を形成した。
第二のTダイから押し出したPE-LD(L6810)はJIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度が、1.20N/15mmであった。また、共押出されるPE-LDとEMAAの膜厚は、それぞれ25μm、5μmとした。得られた積層シートの構成は、PE-LD(L2340、厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(L6810、厚さ25μm)/EMAA(AN4228C、厚さ5μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。(図1参照)。
<実施例2>
タンデム押出機の第二のTダイから共押出にて積層されるPE-LD3a(接着性樹脂層(紙側)3a)にPE-LD(日本ポリエチレン株式会社製 LC600A MFR7)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。
第二のTダイから押し出したPE-LD(LC600A)はJIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度が1.23N/15mmであった。得られた積層シートの構成は、PE-LD(L2340、厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(LC600A 厚さ25μm)/EMAA(AN4228C、厚さ5μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
<比較例1>
タンデム押出機の第二のTダイにて積層される接着性樹脂層3が、EMAA(三井デュポンポリケミカル株式会社製 AN4228C、MFR14)単層であり、その厚さを30μmとした以外は実施例1と同様の方法で積層シート(図2参照)を作製した。得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/EMAA(AN4228C、厚さ30μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
なお、EMAA(AN4228C)のJIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度は1.1N/15mmであった。
<比較例2>
タンデム押出機の第二のTダイにて積層される接着性樹脂層3がPE-LD(旭化成株式会社製 L6810、MFR10.5)単層であり、その厚さを30μmとした以外は実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(L6810、厚さ30μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
<比較例3>
タンデム押出機の第二のTダイにて共押出によって積層されるPE-LD3a(接着性樹脂層(紙側)3a)をPE-LD(東ソー株式会社製 LW18A、MFR10)とした以外は実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(LW18A、厚さ25μm)/EMAA(AN4228C、厚さ5μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
なお、PE-LD(LW18A)のJIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度は1.0N/15mmであった。
<比較例4>
タンデム押出機の第二のTダイから共押出にて積層されるPE-LD3a(接着性樹脂層(紙側)3a)にPE-LD(旭化成株式会社製 L2340、MFR3.8)を使用した以外は実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。
得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(L2340 厚さ25μm)/EMAA(AN4228C、厚さ5μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
なお、PE-LD(L2340)のJIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度は1.24N/15mmであった。
<比較例5>
タンデム押出機の第二のTダイから共押出にて積層されるPE-LD3a(L6810)とEMAA(AN4228C)の膜厚がそれぞれ40μm、15μmである以外は実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。
得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(L6810 厚さ40μm)/EMAA(AN4228C、厚さ15μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
<比較例6>
タンデム押出機の第二のTダイから共押出にて積層されるPE-LD3a(L6810)とEMAA(AN4228C)の膜厚がそれぞれ10μm、5μmである以外は実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(L6810 厚さ10μm)/EMAA(AN4228C、厚さ5μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
<比較例7>
タンデム押出機の第二のTダイから共押出にて積層されるPE-LD3a(L6810)とEMAA(AN4228C)の膜厚がそれぞれ8μm、22μmである以外は実施例1と同様の方法で積層シートを作製した。得られた積層シートの構成は、PE-LD(厚さ18μm)/紙(坪量380g/m)/PE-LD(L6810 厚さ8μm)/EMAA(AN4228C、厚さ22μm)/シリカ蒸着PETフィルム(厚さ12μm)/PE-LD(厚さ55μm)である。
[積層シートの評価]
・評価(1)(共押出加工性)
第二のTダイから吐出された膜の状態を観察した。サンドイッチラミネーションを問題なく行える状態であれば「○」、膜の状態が悪く、サンドイッチラミネーションに適さない状態の場合は「×」と判定した。
・評価(2)(バリアフィルム層との密着性)
タンデム押出機にて積層シートを作製直後に、接着性樹脂層3とバリアフィルム層4の接着性について引張試験機(株式会社エーアンドディー RCT-1250A)にて測定を行った。なお、測定はJIS Z 0238に準拠する方法で実施した。
接着強度測定条件:引張り速度;30cm/min、試験片幅;15mm
測定結果は、接着強度が3N/15mm以上であれば「○」、3N/15mm以下であれば「×」と判定した。
・評価(3)(罫線加工性)
積層シートに容器成形のための罫線加工を施した後、容器組み立て不具合が発生するか評価した。容器組み立てが可能な場合は「○」、不可な場合は「×」と判定した。
・評価(4)(バブリング・ピンホール耐性)
本生産に用いられる充填機において、積層シートにホットエアを噴射した。ホットエアの温度を10℃間隔で変えていったときに、積層シートがバブリングおよびピンホールを発生するホットエア温度を確認した。バブリング発生温度については、320℃以上で発生する場合を「○」、310℃以下で発生する場合を「×」として判定した。ピンホール発生温度については、340℃以上で発生する場合を「○」、330℃以下で発生する場合を「×」とした。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007255346000001
表1から、本発明に係る実施例1、2はいずれの評価でも良好な結果が得られた。
一方、接着性樹脂層をEMAAの単層とした比較例1は、バブリングとピンホールが発生しやすかった。また、接着性樹脂層をポリエチレンの単層とした比較例2は、バリアフィルム層との密着性が低下した。
また、紙側の接着性樹脂層の種類を変更した比較例3は、凝集破壊強度が1.0N/15mmと低く、バブリングとピンホールが発生しやすかった。比較例4は接着性樹脂層でのMFR差が10.2と大きく、製膜時に概観の荒れや幅方向での厚さのばらつきが生じた。
また、接着性樹脂層全体を55μmと厚くした比較例5は罫線加工性が劣り、逆に接着性樹脂層全体を15μmと薄くした比較例6は、バブリングとピンホールが発生しやすかった。紙側とバリアフィルム側の接着性樹脂層の厚さで、前者を薄く後者を厚くした比較例7は、バブリングが発生しやすかった。
本発明の積層シートによれば、接着性樹脂層の構成を2層にし、積層シートの紙側に配置される樹脂を規定することで、EMAAとの共押出加工性が良好となる。また、バリアフィルム層側には接着性を有する樹脂を配置するため、バリアフィルム層と良好な密着性を得ることができる。また、共押出にて紙側に配置される樹脂に凝集破壊強度の高い樹脂を用いることでバブリング、ピンホールの発生を低減させることが可能となる。また、EMAA樹脂の使用量を低減することができるため、十分に性能を満たした安価な積層シートを得ることが可能となる。
1 …最外層
2 …紙層
3 …接着性樹脂層
3a…接着性樹脂層(紙側)
3b…接着性樹脂層(バリアフィルム層側)
4 …バリアフィルム層
5 …シーラント層
10…積層シート
11 …最外層
12 …紙層
13 …接着性樹脂層
13a…接着性樹脂層(紙側)
13b…接着性樹脂層(バリアフィルム層側)
14 …バリアフィルム層
15 …シーラント層
20…積層シート

Claims (6)

  1. 少なくとも最外層/紙層/接着性樹脂層/バリアフィルム層/シーラント層が順に積層された積層シートであって、
    前記接着性樹脂層は、紙側にポリエチレンが積層され、バリアフィルム層側にエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体が積層された2層構成であり、前記接着性樹脂層を構成するエチレン-不飽和カルボン酸またはそのエステル化合物との共重合体と、ポリエチレンとのJIS K 6760で規定されるメルトフローレート(MFR)の差が8g/10min以内であり、
    前記ポリエチレンが、JIS Z 0238で規定される100℃環境下の凝集破壊強度が1.20N/15mm以上であること、
    を特徴とする積層シート。
  2. 前記接着性樹脂層を構成するポリエチレンの膜厚が10μm以上であることを特徴とする請求項1に記載された積層シート。
  3. 前記接着性樹脂層の全体の厚さが20μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層シート。
  4. 前記ポリエチレンが融点100℃以上130℃以下の低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載された積層シート。
  5. 前記バリアフィルム層が、金属の蒸着膜を設けたPETフィルム、または無機酸化物の蒸着膜を設けたPETフィルム、またはアルミニウム箔とPETフィルムの積層フィルムのいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載された積層シート。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された積層シートを用いて成形してなる紙容器。
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