JP2020078942A - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】135℃以下の幅広い温度範囲でポリエチレン製不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する多層フィルムを提供する。【解決手段】表面層となるように設けられたシーラント層2を、少なくとも備え、前記シーラント層2が、少なくとも80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む、多層フィルム1、及び、該多層フィルム1と、ポリエチレン製の不織布とを備え、該多層フィルムのシーラント層2の少なくとも一部が前記不織布の表面にヒートシールされた、包装体を選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及び包装体に関する。
本願は、2017年10月3日に、日本に出願された特願2017−193593号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、医療用包装体として、深絞り成形された包装体(以下、「深絞り包装体」ともいう)が用いられている。深絞り包装体は、中央部に凹部が形成された多層フィルムからなる底材と、ポリエチレン製の不織布や滅菌紙等(以下、「PE製不織布等」ともいう)からなる蓋材とがヒートシール等によって接合されている。上述した凹部に、業務用ガーゼや綿棒、医療器具等が収容される。
従来、医療用包装体に用いる底材としては、ポリエステル系フィルムやナイロン系フィルムと、ヒートシール可能な樹脂フィルムとをラミネート(ラミネート法)させた多層フィルムが広く一般に使用されている。一方、蓋材としては、滅菌工程における滅菌ガスの通気性の観点から、上述のように、ポリエチレン製の不織布や滅菌紙が使用されている。
ところで、医療用包装体には、その使用態様により、易開封性が要求されている。また、医療用包装体の蓋材としては、衛生性が重視されるという観点から、ポリエチレン製の不織布が選定される。接着剤を塗工し易開封性を付与したポリエチレン製の不織布は高価であり、ガス透過性も低下することから、易剥離性機能はポリエチレン製の不織布とシールされる多層フィルム側へ付与される。医療用包装体に易開封性付与するため、底材として用いる多層フィルムとして、PE製不織布等とのシール側に易剥離性の樹脂層(以下、「イージーピール層」ともいう)を設ける構成が知られている(特許文献1)。また、ポリアミド樹脂、135℃以下でポリエチレン製の不織布又は滅菌紙とヒートシール可能なシール層、及びシール層との層間剥離性を有するイージーピール層とを有する深絞り成形用共押出多層フィルムが知られている(特許文献2)。
特開2014−162162号公報 特開2014−19006号公報
しかしながら、医療用包装体等に用いる多層フィルムには、より幅広い温度範囲において、ポリエチレン製の不織布とヒートシールが可能であることが要求されているのが実状であった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、135℃以下の幅広い温度範囲でポリエチレン製の不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する多層フィルム、及び包装体を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
前記シーラント層が、80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む、多層フィルム。
[2] 前記第1樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含む、[1]に記載の多層フィルム。
[3] 前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンの単独重合体及びエチレン系コポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[2]に記載の多層フィルム。
[4] 前記第2樹脂が、ポリプロピレンを含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[5] 前記エチレン系コポリマーが、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、[3]又は[4]に記載の多層フィルム。
[6] 前記ポリプロピレンが、ホモポリプロピレンを含む、[4]又は[5]記載の多層フィルム。
[7] 前記シーラント層の第1樹脂の含有量が50〜99質量%であり、前記第2樹脂の含有量が、1〜50質量%である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[8] 前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[9] 前記基材層が、高密度ポリエチレン樹脂を含む、[8]に記載の多層フィルム。
[10] 前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:10の範囲である、[8]又は[9]に記載の多層フィルム。
[11] 105〜135℃の範囲で、ポリエチレン製の不織布とヒートシールが可能である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の多層フィルムと、ポリエチレン製の不織布と、を備え、
前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記不織布の表面にヒートシールされた、包装体。
[13] 前記多層フィルムと前記不織布との剥離強度が、120〜770(g/25mm)である、[12]に記載の包装体。
以上説明したように、本発明の多層フィルムは、表面層となるように設けられたシーラント層が、80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む構成であるため、135℃以下の幅広い温度範囲でポリエチレン製の不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する。
本発明の包装体は、本発明の多層フィルムを備える構成であるため、ポリエチレン製の不織布に対して所望の易剥離性を有する。
本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。 本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム及び包装体について詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<多層フィルム>
先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムの構成について説明する。図2は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、表面層として設けられたシーラント層2と、シーラント層2と隣接するように設けられた基材層3とを備えて、概略構成されている。また、本実施形態の多層フィルム1は、図2に示すように、表面層として設けられたシーラント層2と、シーラント層2と隣接するように設けられた基材層3と、基材層3上に積層された他の樹脂層とを備えて、概略構成されていてもよい。本実施形態の多層フィルム1は、包装体、特に医療用包装体の底材用のフィルムとして用いることができる。
(シーラント層)
シーラント層2は、接合の対象となる不織布等とヒートシールによって接合するとともに、易開封性を付与するために設けられた樹脂層である。シーラント層2は、80〜110℃、好ましくは、85〜105℃、より好ましくは85〜100℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃、好ましくは、140〜170℃、より好ましくは150〜165℃の融点を有する第2樹脂とを含む。第1樹脂の融点が上記範囲の下限値以上であると、夏場等、高温環境においてもべとつくことがなく、且つ、105〜135℃の範囲で、ポリエチレン製の不織布と適切な剥離強度のヒートシールが可能となる。一方、上記範囲の上限値以下であると、ヒートシール時にポリエチレン不織布を溶融させることなくシールすることができる。
また、第2樹脂の融点が上記範囲の下限値以上であると、シール時に第2樹脂の軟化を抑えられ剥離強度が安定し、上記範囲の上限値以下であると、例えばポリエチレン製の不織布と接合した後、剥離する際に前記ポリエチレン製の不織布の繊維が裂けることを抑制することができる。
シーラント層2に用いることが可能な第1樹脂としては、上記融点を有する樹脂であれば特に制限されないが、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂、中密度ポリエチレン(MDPE)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂等のエチレンの単独重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)樹脂、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂等のエチレン系コポリマー;アイオノマー(ION)樹脂などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。
ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体又はエチレン系コポリマーを含むことが好ましく、これらの両方を含んでいてもよい。ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体又はエチレン系コポリマーであることがより好ましく、これらの両方であってもよい。
エチレン系コポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アクリレート共重合体を含むことが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むことがより好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることがより好ましい。
シーラント層2に用いることが可能な第2樹脂としては、上記融点を有する樹脂であれば特に制限されないが、ポリプロピレン(PP)又はポリブテン(PB)である樹脂等が挙げられる。
ポリプロピレンとしては、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等が単体でまたは2種類以上混合して用いられるが、中でもホモPPポリマーを用いることが好ましい。
シーラント層2を構成する第1樹脂の含有量は、50〜99質量%であることが好ましく、65〜95質量%であることがより好ましく、75〜95質量%であることがより好ましい。
ここで、シーラント層2を構成する第1樹脂の含有量とは、シーラント層2を構成する全ての成分の総質量(100質量%)に対する第1樹脂成分の含有量をいう。
シーラント層2を構成する第2樹脂の含有量は、1〜50質量%であることが好ましく、5〜35質量%であることがより好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
ここで、シーラント層2を構成する第2樹脂の含有量とは、シーラント層2を構成する全ての成分の総質量(100質量%)に対する第2樹脂成分の含有量をいう。
シーラント層2は、低温ヒートシール性を向上させる観点から、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル、「ヒロダインシリーズ」)等が挙げられる。
シーラント層2の厚みは、3〜70μmであることが好ましく、5〜45μmであることがより好ましい。上記厚みが好ましい範囲の下限値以上であると、ポリエチレン製の不織布とヒートシールした際に、所定の剥離強度が得られ、上限値以下であると、開封する際、易開封性の効果が得られる。
(基材層)
基材層(コア層ともいう)3は、上述したシーラント層2と隣接するように設けられた樹脂層である。基材層3は、多層フィルム1に柔軟性を付与することができる。基材層3に用いることが可能な樹脂としては、上記機能を付与することが可能な樹脂であれば特に制限されないが、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂、中密度ポリエチレン(MDPE)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂等のエチレンの単独重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)樹脂、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂等のエチレン系コポリマー;アイオノマー(ION)樹脂などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。
ポリエチレン樹脂としては、上記MDPEまたはHDPEが好ましく、HDPEがより好ましい。HDPEを含む基材層3を用いることにより、安定したヒート剥離強度が得られる。
基材層3は、1層のみでもよいし、図2に示したように、2層以上の複数層でもよい。例えば、基材層3を、異なる材質の複数層からなるものとすることで、基材層3の硬さ等の特性を調節できる。2層以上の基材層としては、例えば、上記HDPEとLLDPEの2層を有する基材層等が挙げられる。
基材層3の厚みは、15〜150μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。上記厚みが好ましい範囲の下限値以上であると、柔軟性が得られ、上限値以下であると、安定した剥離強度が得られる。
本実施形態の多層フィルム1は、上述したシーラント層2と基材層3との厚みの比が、1:0.5〜1:10の範囲であることが好ましく、1:0.5〜1:7の範囲であることがより好ましく、1:1〜1:5の範囲であることがより好ましい。上述した比が上記好ましい範囲の下限値以上であると、包装体のカール防止の効果が得られ、上限値以下であると、安定した剥離強度が得られる。
本実施形態の多層フィルム1は、上述したシーラント層2及び基材層3以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂層を備えていてもよい。図2に示す多層フィルム1は、基材層3上に、他の樹脂層として、接着性樹脂層4と耐ピンホール層5とが積層されている。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層4は、上述したシーラント層2と基材層3との層間以外の、多層フィルム1を構成する各樹脂層の層間強度を高めるために設けられた樹脂層である。
接着性樹脂層4に適用可能な接着性樹脂としては、公知の接着性のオレフィン系樹脂、例えば、接着性ポリプロピレン系樹脂、接着性ポリエチレン系樹脂などが用いられる。酸化を防止するために、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。また接着性向上や機械的特性の観点から、セルロースナノファイバーを含有していてもよい。
接着樹脂層4の厚みは、各層を必要な接着強度で接合できれば特に制限されないが、2〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。
(耐ピンホール層)
耐ピンホール層5は、多層フィルム1に耐ピンホール性を付与するために設けられた樹脂層である。耐ピンホール層5は、耐ピンホール性を向上させる観点から、ポリアミド樹脂を含むものが好ましい。耐ピンホール層5に含まれるポリアミド樹脂としては、例えば、4−ナイロン、6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、46−ナイロン、66−ナイロン、69−ナイロン、610−ナイロン、611−ナイロン、612−ナイロン、6T−ナイロン、6Iナイロン、6−ナイロンと66−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66)、6−ナイロンと610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと611−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/12)、6−ナイロンと612ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと6T−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンと610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンと12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66/12)、6−ナイロンと66−ナイロンと612−ナイロンのコポリマー、66−ナイロンと6T−ナイロンのコポリマー、66−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、6T−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、及び66−ナイロンと6T−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、非晶性ナイロン等が挙げられる。中でも、耐熱性、機械的強度、及び入手の容易性の点から、6−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12、及びナイロン6/66/12等が好ましく、6−ナイロンがより好ましい。
耐ピンホール層5の総厚は、特に制限されないが、10〜90μmが好ましく、12~50μmがより好ましい。
(添加剤)
本実施形態の多層フィルム1は、上述したシーラント層2及び基材層3中に、必要に応じて滑り性やブロッキングを防止、防曇性を付与する目的で適宜、公知の滑剤や添加剤を付与してもよい。滑り性やブロッキング防止の目的では、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑剤を挙げることができる。また、防曇性を付与する為には、既に公知の界面活性剤等を適宜使用することができる。
<多層フィルムの製造方法>
次に、上述した多層フィルム1の製造方法の一例について説明する。
上述した多層フィルム1の製造方法は、特に限定されるものではないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法、及びラミネート法等が挙げられる。この中でも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さを制御することにおいて優れるため特に好ましい。
ラミネート法としては、各層を形成する単層のシート又はフィルムを適当な接着剤を用いて貼り合せるドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート方法、ウエットラミネート方法、サーマル(熱)ラミネート方法等、及びそれらの方法を組み合わせて用いることができる。また、コーティングによる方法で積層してもよい。
<包装体>
次に、上述した多層フィルム1を用いた、包装体の一例について説明する。
本実施形態の包装体は、上述した多層フィルムと、ポリエチレン製の不織布とを備え、多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が不織布の表面にヒートシールされている。
本発明の包装体は、ポリエチレン製の不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する本発明の多層フィルムを備える構成であるため、ポリエチレン製の不織布に対して所望の易剥離性を有する。
本実施形態の包装体に適用可能なポリエチレン製の不織布としては、シーラント層とヒートシール可能であり、かつ不織布を形成した場合に、通気性と容器内への菌類の侵入を防止する特性(防菌性)を発揮できるものであれば、特に限定されない。そのような不織布を構成するポリエチレン(PE)としては、HDPE、LDPE、LLDPEなどが挙げられる。これらの中でも、強度およびヒートシール性の観点から、HDPEを用いることが好ましい。
本実施形態の包装体を医療用包装体として用いる場合、ポリエチレン製の不織布は、通気性及び防菌性を発揮し得る程度の小孔を有することが好ましい。具体的には、0.0001〜20dtexの範囲内の繊維で構成されるとともに、目付が10〜300g/mの不織布であることが好ましい。
本実施形態の包装体は、底材を深絞り成形した後、ガーゼ等の内容物を充填し、その上に蓋材を被せてヒートシールすることにより、深絞り包装体として用いることができる。特に、上述した多層フィルムを深絞り包装体の底材として用いるとともに、ポリエチレン製の不織布を蓋材として用いる場合、良好な深絞り包装体を得ることができる。
本実施形態の包装体は、底材として用いる多層フィルムと、蓋材として用いるポリエチレン製の不織布とを、ヒートシール等の接着手段により接着することにより作製することができる。具体的には、105〜135℃の温度範囲でのヒートシールにより、作製することができる。また、本実施形態の包装体は、多層フィルム1とポリエチレン製の不織布との剥離強度が、120〜770(g/25mm)であることが好ましく、120〜750(g/25mm)であることがより好ましい。上述した剥離強度が、上記好ましい範囲の下限値以上であると、包装体の密封性が得られ、上限値以下であると、良好な開封性、例えば、剥離時の繊維の裂けやケバ立ちの抑制効果が得られる。
剥離強度は、JIS Z0237に準拠して、引張試験機(例えば、株式会社エー・アンド・デイ社製、TENSILON RTG−1310等)を用いて測定することができる。
以上説明したように、本実施形態の多層フィルムによれば、表面層となるように設けられたシーラント層が、80〜110℃の融点を有する樹脂を含む構成であるため、135℃以下の幅広い温度範囲でポリエチレン製の不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、図1に示す多層フィルム1は、シーラント層2及び基材層3が、この順に積層された構成を有するが、これは一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本発明の一実施形態に係る多層フィルムは、図2に示すように、シーラント層2、基材層30、基材層31、接着性樹脂層4及び耐ピンホール層5がこの順に積層された構造を有していてもよく、また、接着性樹脂層4及び耐ピンホール層5が、交互に2層ずつ積層したものであってもよいし、3層以上を交互に積層したものであってもよい。
また、多層フィルム1には、各層の間やシーラント層2と反対側の最表層に、別の機能を有する層を新たに設けてもよい。例えば、多層フィルム1に酸素ガスバリア性を付与する観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂からなる樹脂層を設けてもよい。また、多層フィルム1に強度を付与する観点から、ポリプロピレン系樹脂(PP)からなる樹脂層を設けてもよい。また、多層フィルム1に柔軟性を付与する観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体層(EVA層)、又はポリエチレン層(PE層)からなる樹脂層を設けてもよい。
以下、実施例および比較例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<多層フィルムの作製>
(実施例1)
図1に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス3300F)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを60:40の割合となるように混練した。
次に、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
各樹脂の融点は、JIS K−7121に基づいて、示差走査熱量測定(SII製DSC6220)を用いて測定した。窒素雰囲気下において、25℃から180℃まで2℃/min速度で昇温し、−40℃まで50℃/minの速度で冷却した後、再度180℃まで2℃/minで昇温し、2回目の昇温時の融点を測定した。2つ以上の融点ピークが検出されたものは、高温側を融点とした。以下において同じである。
(実施例2)
シーラント層に含まれる樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂とホモプロピレンを75:25に混練した樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
(実施例3)
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
(実施例4)
シーラント層に含まれる樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂とホモプロピレンを75:25に混練した樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは125μmであった。
(実施例5)
シーラント層に含まれる樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂とホモプロピレンを90:10に混練した樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
(実施例6)
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点87℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:UBEポリエチレンV315)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
(実施例7)
シーラント層に用いる樹脂として、融点93℃のエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂(株式会社NUC製、品番:EEA NUC−6170)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
(実施例8)
シーラント層に用いる樹脂として、融点87℃のエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂(日本ポリスチレン株式会社製、品番:レクスパールEB230X)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは95μmであった。
(実施例9)
シーラント層に用いる樹脂として、融点89℃のエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂(住友化学株式会社製、品番:アクリフトWH303−F)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
(実施例10)
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点158℃のホモプロピレン(住友化学株式会社製、品番:ノーブレンWF836DG3)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
(実施例11)
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点148℃のホモプロピレン(住友化学株式会社製、品番:ノーブレンFH2311)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。
得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
(実施例12)
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点94℃の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(sabi製、品番:NEXLENE8402)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを95:5の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
(実施例13)
図2に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
先ず、耐ピンホール層に含まれる樹脂として、6−ナイロン(Ny)(宇部興産株式会社製、品番:1022B)を用意した。
また、接着性樹脂層(以下、単に「接着層」という)に含まれる樹脂として、接着性ポリエチレン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:NF536)を用意した。
また、基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス3300F)を用意し、基材層2に含まれる樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(ダウ社製、品番:エリート5220G)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y400−GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練した。
次に、下記表1に示すように、耐ピンホール層/接着層/基材層2/基材層1/シーラント層の順の5層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは120μmであった。
(実施例14)
融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y400−GP)と、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:ユメリット82105M)を用意し、これらを71:24:5の割合となるように混練する以外は、実施例13と同様にして、下記表1に示すように、耐ピンホール層/接着層/基材層2/基材層1/シーラント層の順の5層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは120μmであった。
(実施例15)
融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y400−GP)と、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:ユメリット82105M)を用意し、これらを81:14:5の割合となるように混練する以外は、実施例13と同様にして、下記表1に示すように、耐ピンホール層/接着層/基材層2/基材層1/シーラント層の順の5層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは120μmであった。
(比較例1)
図1に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス3300F)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点120℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(プライムポリマー社製、品番:ウルトゼックス2022L)を用意した。
次に、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
(比較例2)
シーラント層に含まれる樹脂として、融点98℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー株式会社製、品番:ウルトラセン534)を用意する以外は、比較例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
(比較例3)
シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)を用意する以外は、比較例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
(比較例4)
図2に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
先ず、耐ピンホール層に含まれる樹脂として、ナイロン(宇部興産株式会社製、品番:1022B)を用意した。
また、接着層に含まれる樹脂として、接着性ポリエチレン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:NF536)を用意した。
また、基材層1に含まれる樹脂として、アイオノマー(ION)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:ハイミラン1855)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)とを用意した。
次に、下記表1に示すように、耐ピンホール層/接着層/基材層1/シーラント層の順の5層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
(比較例5)
シーラント層に含まれる樹脂として、融点90℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(プライムポリマー社製、品番:エボリューSP0540)を用意する以外は、比較例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは110μmであった。
<評価方法>
実施例及び比較例で得られた多層フィルムと、医療用包装材(デュポン社製、「タイベック(登録商標)4058B」)とを、タイベック側を熱板側になるように重ね、テフロン(登録商標)シートを乗せた後、オートカップシーラーを用いて下記の条件でシールした。剥離方向はフィルムのMD方向の剥離で評価した。
・シール圧力:11.2kgf/cm(1.1MPa)
・シール時間:3.5秒
・シール温度:100,110,120,130℃(10℃間隔にて、4条件)
実施例及び比較例で得られた包装体すべての評価サンプルについて、ヒートシール性の評価、及び剥離性の評価を行った。
(ヒートシール性の評価)
ヒートシール性の評価は、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製、TENSILON RTG−1310)を用いて、シール幅25mmでの剥離強度を測定することにより行った。剥離速度は、200mm/minで行なった。表1に、実施例及び比較例について、各シール温度で作製した評価サンプルの剥離強度を示す。
(剥離性の評価)
剥離性の評価は、評価サンプルとなる包装体の蓋材と底材とを引き剥がすことにより行った。
評価は、引き剥がした後の蓋材と底材との剥離面をそれぞれ観察し、下記の基準によって判定した。表1に、実施例及び比較例について、各シール温度で作製した評価サンプルの剥離性の評価結果を示す。
判定A:蓋材が破れない、かつ底材に繊維の付着がない 判定B:蓋材が破れる、あるいは底材に繊維の付着がある。
Figure 2020078942
表1に示すように、実施例1〜15では、底材として用いた多層フィルムのシーラント層が80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む構成であるため、シール温度110〜130℃の全ての評価サンプルにおいて、剥離強度が120〜770g/25mmの範囲であり、135℃以下の幅広い温度範囲でヒートシール可能であって、ヒートシール性に優れていることが確認された。また、シール温度100〜130℃の全ての評価サンプルにおいて、剥離した際に蓋材が破れることがなく、底材への繊維の付着が少ないため、剥離性に優れていることが確認された。
これに対して、比較例1〜5では、シーラント層が80〜120℃の融点を有する1種類の樹脂で構成されているため、シール温度100〜130℃の評価サンプルのいずれかにおいて、底材への繊維の付着が大きく、剥離性に劣っていることが確認された。また、シール温度130℃の全てのサンプルにおいて、剥離強度が800g/25mmを超えることが確認された。とくに、比較例3及び4では、シール温度110℃を超えた全ての評価サンプルにおいて、剥離強度が800g/25mmを超えることが確認された。また、比較例1、2及び5では、100℃での評価サンプルにおいて、剥離強度が50g/25mmを下回っていた。
135℃以下の幅広い温度範囲でポリエチレン製不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する多層フィルムを提供することができる。
1…多層フィルム
2…シーラント層
3…基材層
30…基材層1
31…基材層2
4…接着性樹脂層
5…耐ピンホール層

Claims (13)

  1. 表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
    前記シーラント層が、少なくとも80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む、多層フィルム。
  2. 前記第1樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンの単独重合体及びエチレン系コポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載の多層フィルム。
  4. 前記第2樹脂が、ポリプロピレンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  5. 前記エチレン系コポリマーが、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、請求項3又は4に記載の多層フィルム。
  6. 前記ポリプロピレンが、ホモポリプロピレンを含む、請求項4又は5記載の多層フィルム。
  7. 前記シーラント層の第1樹脂の含有量が50〜99質量%であり、前記第2樹脂の含有量が、1〜50質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  8. 前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  9. 前記基材層が、高密度ポリエチレン樹脂を含む、請求項8に記載の多層フィルム。
  10. 前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:10の範囲である、請求項8又は9に記載の多層フィルム。
  11. 105〜135℃の範囲で、ポリエチレン製の不織布とヒートシールが可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の多層フィルムと、ポリエチレン製の不織布と、を備え、
    前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記不織布の表面にヒートシールされた、包装体。
  13. 前記多層フィルムと前記不織布との剥離強度が、120〜770(g/25mm)である、請求項12に記載の包装体。
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