JP2020078942A - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2017年10月3日に、日本に出願された特願2017−193593号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
[1] 表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
前記シーラント層が、80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む、多層フィルム。
[2] 前記第1樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含む、[1]に記載の多層フィルム。
[3] 前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンの単独重合体及びエチレン系コポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[2]に記載の多層フィルム。
[4] 前記第2樹脂が、ポリプロピレンを含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[5] 前記エチレン系コポリマーが、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、[3]又は[4]に記載の多層フィルム。
[6] 前記ポリプロピレンが、ホモポリプロピレンを含む、[4]又は[5]記載の多層フィルム。
[7] 前記シーラント層の第1樹脂の含有量が50〜99質量%であり、前記第2樹脂の含有量が、1〜50質量%である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[8] 前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[9] 前記基材層が、高密度ポリエチレン樹脂を含む、[8]に記載の多層フィルム。
[10] 前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:10の範囲である、[8]又は[9]に記載の多層フィルム。
[11] 105〜135℃の範囲で、ポリエチレン製の不織布とヒートシールが可能である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の多層フィルムと、ポリエチレン製の不織布と、を備え、
前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記不織布の表面にヒートシールされた、包装体。
[13] 前記多層フィルムと前記不織布との剥離強度が、120〜770(g/25mm)である、[12]に記載の包装体。
先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムの構成について説明する。図2は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、表面層として設けられたシーラント層2と、シーラント層2と隣接するように設けられた基材層3とを備えて、概略構成されている。また、本実施形態の多層フィルム1は、図2に示すように、表面層として設けられたシーラント層2と、シーラント層2と隣接するように設けられた基材層3と、基材層3上に積層された他の樹脂層とを備えて、概略構成されていてもよい。本実施形態の多層フィルム1は、包装体、特に医療用包装体の底材用のフィルムとして用いることができる。
シーラント層2は、接合の対象となる不織布等とヒートシールによって接合するとともに、易開封性を付与するために設けられた樹脂層である。シーラント層2は、80〜110℃、好ましくは、85〜105℃、より好ましくは85〜100℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃、好ましくは、140〜170℃、より好ましくは150〜165℃の融点を有する第2樹脂とを含む。第1樹脂の融点が上記範囲の下限値以上であると、夏場等、高温環境においてもべとつくことがなく、且つ、105〜135℃の範囲で、ポリエチレン製の不織布と適切な剥離強度のヒートシールが可能となる。一方、上記範囲の上限値以下であると、ヒートシール時にポリエチレン不織布を溶融させることなくシールすることができる。
また、第2樹脂の融点が上記範囲の下限値以上であると、シール時に第2樹脂の軟化を抑えられ剥離強度が安定し、上記範囲の上限値以下であると、例えばポリエチレン製の不織布と接合した後、剥離する際に前記ポリエチレン製の不織布の繊維が裂けることを抑制することができる。
エチレン系コポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アクリレート共重合体を含むことが好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むことがより好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることがより好ましい。
ここで、シーラント層2を構成する第1樹脂の含有量とは、シーラント層2を構成する全ての成分の総質量(100質量%)に対する第1樹脂成分の含有量をいう。
ここで、シーラント層2を構成する第2樹脂の含有量とは、シーラント層2を構成する全ての成分の総質量(100質量%)に対する第2樹脂成分の含有量をいう。
基材層(コア層ともいう)3は、上述したシーラント層2と隣接するように設けられた樹脂層である。基材層3は、多層フィルム1に柔軟性を付与することができる。基材層3に用いることが可能な樹脂としては、上記機能を付与することが可能な樹脂であれば特に制限されないが、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン樹脂としては、上記MDPEまたはHDPEが好ましく、HDPEがより好ましい。HDPEを含む基材層3を用いることにより、安定したヒート剥離強度が得られる。
接着性樹脂層4は、上述したシーラント層2と基材層3との層間以外の、多層フィルム1を構成する各樹脂層の層間強度を高めるために設けられた樹脂層である。
耐ピンホール層5は、多層フィルム1に耐ピンホール性を付与するために設けられた樹脂層である。耐ピンホール層5は、耐ピンホール性を向上させる観点から、ポリアミド樹脂を含むものが好ましい。耐ピンホール層5に含まれるポリアミド樹脂としては、例えば、4−ナイロン、6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、46−ナイロン、66−ナイロン、69−ナイロン、610−ナイロン、611−ナイロン、612−ナイロン、6T−ナイロン、6Iナイロン、6−ナイロンと66−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66)、6−ナイロンと610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと611−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/12)、6−ナイロンと612ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと6T−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンと610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンと12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66/12)、6−ナイロンと66−ナイロンと612−ナイロンのコポリマー、66−ナイロンと6T−ナイロンのコポリマー、66−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、6T−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、及び66−ナイロンと6T−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、非晶性ナイロン等が挙げられる。中でも、耐熱性、機械的強度、及び入手の容易性の点から、6−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12、及びナイロン6/66/12等が好ましく、6−ナイロンがより好ましい。
本実施形態の多層フィルム1は、上述したシーラント層2及び基材層3中に、必要に応じて滑り性やブロッキングを防止、防曇性を付与する目的で適宜、公知の滑剤や添加剤を付与してもよい。滑り性やブロッキング防止の目的では、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑剤を挙げることができる。また、防曇性を付与する為には、既に公知の界面活性剤等を適宜使用することができる。
次に、上述した多層フィルム1の製造方法の一例について説明する。
上述した多層フィルム1の製造方法は、特に限定されるものではないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法、及びラミネート法等が挙げられる。この中でも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さを制御することにおいて優れるため特に好ましい。
次に、上述した多層フィルム1を用いた、包装体の一例について説明する。
本実施形態の包装体は、上述した多層フィルムと、ポリエチレン製の不織布とを備え、多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が不織布の表面にヒートシールされている。
本発明の包装体は、ポリエチレン製の不織布とヒートシール可能であり、かつ良好な易剥離性を有する本発明の多層フィルムを備える構成であるため、ポリエチレン製の不織布に対して所望の易剥離性を有する。
(実施例1)
図1に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス3300F)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを60:40の割合となるように混練した。
次に、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
各樹脂の融点は、JIS K−7121に基づいて、示差走査熱量測定(SII製DSC6220)を用いて測定した。窒素雰囲気下において、25℃から180℃まで2℃/min速度で昇温し、−40℃まで50℃/minの速度で冷却した後、再度180℃まで2℃/minで昇温し、2回目の昇温時の融点を測定した。2つ以上の融点ピークが検出されたものは、高温側を融点とした。以下において同じである。
シーラント層に含まれる樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂とホモプロピレンを75:25に混練した樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
シーラント層に含まれる樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂とホモプロピレンを75:25に混練した樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは125μmであった。
シーラント層に含まれる樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂とホモプロピレンを90:10に混練した樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点87℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:UBEポリエチレンV315)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
シーラント層に用いる樹脂として、融点93℃のエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂(株式会社NUC製、品番:EEA NUC−6170)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
シーラント層に用いる樹脂として、融点87℃のエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂(日本ポリスチレン株式会社製、品番:レクスパールEB230X)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは95μmであった。
シーラント層に用いる樹脂として、融点89℃のエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂(住友化学株式会社製、品番:アクリフトWH303−F)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは100μmであった。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点158℃のホモプロピレン(住友化学株式会社製、品番:ノーブレンWF836DG3)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点148℃のホモプロピレン(住友化学株式会社製、品番:ノーブレンFH2311)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。
得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス2100J)を用意し、シーラント層に用いる樹脂として、融点94℃の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(sabi製、品番:NEXLENE8402)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y−400GP)とを用意し、これらを95:5の割合となるように混練する以外は、実施例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは90μmであった。
図2に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
先ず、耐ピンホール層に含まれる樹脂として、6−ナイロン(Ny)(宇部興産株式会社製、品番:1022B)を用意した。
また、接着性樹脂層(以下、単に「接着層」という)に含まれる樹脂として、接着性ポリエチレン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:NF536)を用意した。
また、基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス3300F)を用意し、基材層2に含まれる樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(ダウ社製、品番:エリート5220G)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y400−GP)とを用意し、これらを75:25の割合となるように混練した。
融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y400−GP)と、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:ユメリット82105M)を用意し、これらを71:24:5の割合となるように混練する以外は、実施例13と同様にして、下記表1に示すように、耐ピンホール層/接着層/基材層2/基材層1/シーラント層の順の5層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは120μmであった。
融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)と、融点160℃のホモプロピレン(プライムポリマー製、品番:Y400−GP)と、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、品番:ユメリット82105M)を用意し、これらを81:14:5の割合となるように混練する以外は、実施例13と同様にして、下記表1に示すように、耐ピンホール層/接着層/基材層2/基材層1/シーラント層の順の5層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは120μmであった。
図1に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
基材層1に含まれる樹脂として、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製、品番:ハイゼックス3300F)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点120℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(プライムポリマー社製、品番:ウルトゼックス2022L)を用意した。
次に、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
シーラント層に含まれる樹脂として、融点98℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー株式会社製、品番:ウルトラセン534)を用意する以外は、比較例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)を用意する以外は、比較例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは105μmであった。
図2に示す構成の多層フィルムを、以下の手順で作製した。
先ず、耐ピンホール層に含まれる樹脂として、ナイロン(宇部興産株式会社製、品番:1022B)を用意した。
また、接着層に含まれる樹脂として、接着性ポリエチレン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:NF536)を用意した。
また、基材層1に含まれる樹脂として、アイオノマー(ION)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:ハイミラン1855)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、融点88℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、品番:エバフレックスV5714RC)とを用意した。
シーラント層に含まれる樹脂として、融点90℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(プライムポリマー社製、品番:エボリューSP0540)を用意する以外は、比較例1と同様にして、下記表1に示すように、基材層1/シーラント層の順の2層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製した。また、得られたフィルムの各層の厚み(μm)は表1に示すとおりであり、全体の厚みは110μmであった。
実施例及び比較例で得られた多層フィルムと、医療用包装材(デュポン社製、「タイベック(登録商標)4058B」)とを、タイベック側を熱板側になるように重ね、テフロン(登録商標)シートを乗せた後、オートカップシーラーを用いて下記の条件でシールした。剥離方向はフィルムのMD方向の剥離で評価した。
・シール圧力:11.2kgf/cm2(1.1MPa)
・シール時間:3.5秒
・シール温度:100,110,120,130℃(10℃間隔にて、4条件)
実施例及び比較例で得られた包装体すべての評価サンプルについて、ヒートシール性の評価、及び剥離性の評価を行った。
ヒートシール性の評価は、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製、TENSILON RTG−1310)を用いて、シール幅25mmでの剥離強度を測定することにより行った。剥離速度は、200mm/minで行なった。表1に、実施例及び比較例について、各シール温度で作製した評価サンプルの剥離強度を示す。
剥離性の評価は、評価サンプルとなる包装体の蓋材と底材とを引き剥がすことにより行った。
評価は、引き剥がした後の蓋材と底材との剥離面をそれぞれ観察し、下記の基準によって判定した。表1に、実施例及び比較例について、各シール温度で作製した評価サンプルの剥離性の評価結果を示す。
判定A:蓋材が破れない、かつ底材に繊維の付着がない 判定B:蓋材が破れる、あるいは底材に繊維の付着がある。
2…シーラント層
3…基材層
30…基材層1
31…基材層2
4…接着性樹脂層
5…耐ピンホール層
Claims (13)
- 表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
前記シーラント層が、少なくとも80〜110℃の融点を有する第1樹脂と、130〜200℃の融点を有する第2樹脂とを含む、多層フィルム。 - 前記第1樹脂が、ポリエチレン系樹脂を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記ポリエチレン系樹脂が、エチレンの単独重合体及びエチレン系コポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載の多層フィルム。
- 前記第2樹脂が、ポリプロピレンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 前記エチレン系コポリマーが、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含む、請求項3又は4に記載の多層フィルム。
- 前記ポリプロピレンが、ホモポリプロピレンを含む、請求項4又は5記載の多層フィルム。
- 前記シーラント層の第1樹脂の含有量が50〜99質量%であり、前記第2樹脂の含有量が、1〜50質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 前記基材層が、高密度ポリエチレン樹脂を含む、請求項8に記載の多層フィルム。
- 前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:10の範囲である、請求項8又は9に記載の多層フィルム。
- 105〜135℃の範囲で、ポリエチレン製の不織布とヒートシールが可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の多層フィルムと、ポリエチレン製の不織布と、を備え、
前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記不織布の表面にヒートシールされた、包装体。 - 前記多層フィルムと前記不織布との剥離強度が、120〜770(g/25mm)である、請求項12に記載の包装体。
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