JP3771421B2 - イージーピール包装用積層フィルム蓋材とこれを被せた容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン等の容器のフランジ部に熱シールして被せるフィルム蓋材及びこれを被せた該容器に関するものであり、開封時に、シール部分で剥がして容器から取除く際に、界面剥離によるイージーピール性を有し、かつフィルム材が裂けない上記蓋材と容器を提供する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固形カレールウ等を収容する容器として、容器のフランジ部に積層フィルム蓋材を被せた容器が使用されている。この種の容器の構造は、底壁とその周りに立設した周壁と上部開口を備え、更に当該周壁の上端縁より水平方向に延出したフランジ部を備えた容器本体と、積層フィルム蓋材とを組み合わせて、当該容器本体のフランジ部に積層フィルム蓋材を熱シールして容器の上部開口に施蓋した構造を有している。
【0003】
一般に、この種の容器に用いられる蓋材として、多層にラミネートされた積層フィルム蓋材が開発されており、種々のタイプのものが利用されている。
例えば、容器に固形カレールウ等の内容物を収容し、蓋材を被せて密封シールした製品を製造する場合、特に、製品の製造技術上の問題として、安定したシール強度が得られること、安全性及び衛生上の問題がないこと、包装袋として高い強度を有すること、製品の流通過程で破袋しないこと、蓋材が成形性、耐熱性、保形性、ガスバリアー性、ヒートシール性、製膜性、容器材料及び使用条件への適合性、などに優れていること、コストアップとならないこと、また、製品の利用上の問題として、簡単に開封できること、易開封性(イージーピール性)であること、開封時に、蓋材が裂けることなく単一操作で容易に開封できること、蓋材のシーラントが容器のフランジ部に残ることがないこと、などがあげられる。
【0004】
各種の製品が上市されその包装の目的、用途などが多様化するのに応じて、上記の特性を具備した各種の複合フィルム蓋材が提案されているが、その中で、優れたフィルム素材の開発と製品の低価格化競争が激化するに伴い、高品質及び高性能で低コストを満たす新しいタイプのシーラントフィルムの開発が重要課題となりつつある。また、商品価値を高める上で、このような蓋材に求められる特性の中でも、特に、易開封性は、商品の利用時の便利性を左右する重要な機能であり、開封性が優れているほど、製品の商品価値を高め、他商品との差別化の面でプラスの要因となり得ると考えられる。
しかし、易開封性は、蓋材の本来の技術目的であるシール密封性と相反する機能であり、実際に、安定したシール強度が得られ、かつ、易開封性に優れた包装容器を、その高品質を保持させて、しかも、低コストで製造することは、決して容易なことではない。
【0005】
即ち、従来、易開封性を目的とした複合フィルムが種々開発されているが、それらの製品は、シール強度の確保を重視する必要性から、容器と複合フィルムのシーラント層の間で剥離させる凝集破壊(剥離)型フィルム蓋材がほとんどである。即ち、これらの製品では、複合フィルム蓋材のシーラント層の破壊強度よりも、容器のフランジ部に当接するシーラント層によるシール強度、及び複合フィルム蓋材の各層の素材の破壊強度及び各層間のラミネート強度(ラミ強度)を強くして、複合フィルム蓋材のシーラント層の破壊を優先させること、即ち、蓋材の基材とシーラント層との接着強度を容器とのシール強度より強くすること、あるいはシーラントの樹脂の凝集力を他層の凝集力及び層間の接着強度より弱くすること、によって、安定したシール強度と易開封性をバランスさせている。したがって、これらの製品は、開封時に手で容器の蓋材を剥がした場合、蓋材のシーラントの破壊により、容器のフランジ部に蓋材のシーラントが残り、外観が悪いとともに、残ったシーラントが内容物に混入する恐れがあるため、安全性及び食品衛生上の問題が残る可能性がある。
【0006】
このような問題を回避するために、蓋材と容器とのシール界面で微視的に融着部と非融着部とを形成することによって、シール界面で剥離させる界面剥離による方法も検討されているが、そのためには、安定なシール密封性を確保し、しかも、易開封性を実現する必要があるために、特殊な素材及び構造の複合フィルムを使用せざるを得ず、この方式の実際の商品への適用はコスト的に見て困難である場合がほとんどであり、したがって、上記特殊な素材及び構造の複合フィルムの品質性能を保持し、しかも、低コスト化の可能な新しいタイプの界面剥離による易開封性の蓋材付き容器の開発が強く要請されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、安定したシール強度を有し、しかも、易開封性を有する界面剥離型の蓋材付き容器を低コストで実現することを可能とする新しいタイプの蓋材付き容器の構造を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、容器と蓋材とのシール界面のシール強度と中間層と基材層との層間のラミ強度を調整した特定の構造のフィルム蓋材及びこれを被せた容器を採用することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、安定したシール強度を有し、開封時に、容器と蓋材のシール界面が剥離し、蓋材とシーラント層を貼り合わせた中間層の層間が剥離する構造により、蓋材が裂けないようにした界面剥離型の蓋材付き容器の構造を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、開封時に、界面剥離によりイージーピールし、同時に基材から破れが走って蓋材が破れそうになると、中間層の部分が層間剥離して、蓋材の破れを防止するようにした蓋材付き容器の構造を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、開封時に、容器と蓋材のシール界面の界面剥離と、中間層の層間の層間剥離とが、一定のタイムラグで協動的に起こるようにして、蓋材の破れの防止とイージーピール性を付与した蓋材付き容器の構造を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の手段からなる。
(1)少なくとも、熱シール面に当接する容器と蓋材との間のシール界面を剥離するための界面剥離性シーラント層(イ)と、該シーラント層(イ)と基材層(ニ)とを貼り合わせるための中間層(ハ)と、基材層(ニ)とを貼り合わせて備えたイージーピール包装用積層フィルム蓋材であって、これを容器のフランジ部に熱シールして被せた場合に、次の関係式;
(A):容器フランジ部とシーラント層(イ)とのシール強度
(E):中間層(ハ)と基材層(ニ)とのシール強度
とした場合に、(A)が3.0N以上であるとき、(E)<(A)であり、
(A)が2.0〜3.0Nであるとき、(E)が0.5〜3.0Nである、を満たし、
1)安定したシール強度を有し、2)開封時に、容器と蓋材のシール界面が剥離してイージーピールし、協動的に中間層と基材層との層間の弱シール部分が剥離して、3)同時に基材から破れが走って蓋材が破れそうになった場合には、上記の弱シール部分が層間剥離して、上記の破れを吸収して、蓋材の破れを防止するようにしたことを特徴とするイージーピール包装用積層フィルム蓋材。
(2)前記(1)に記載のイージーピール包装用積層フィルム蓋材を、上記関係式を満たす条件にてフランジ部に熱シールして被せた容器。
(3)(A)を6.0〜12.0N、(E)を0.5〜2.0Nとする前記(1)に記載のイージーピール包装用積層フィルム蓋材。
(4)(A)を6.0〜12.0N、(E)を0.5〜2.0Nとする前記(2)に記載の容器。
(5)シーラント層(イ)がポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイで、中間層(ハ)がポリエチレン系樹脂で、基材層(ニ)がポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アルミニウム箔、紙の単体又はこれらの2以上の複合材である前記(1)に記載のイージーピール包装用積層フィルム蓋材。
(6)シーラント層(イ)がポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイで、中間層(ハ)がポリエチレン系樹脂で、基材層(ニ)がポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アルミニウム箔、紙の単体又はこれらの2以上の複合材である前記(2)に記載の容器。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
例えば、固形カレールウのトレイ容器用の蓋材等は、ある程度のシール強度で容器にシールされ、一方で、開封時に、シール部分を剥がして容器から取除く際に、界面剥離によるイージーピール性を発揮する必要がある。これに対して、シーラント層が凝集破壊するシール形態は、シールが強すぎて剥がすのが難しい。上記界面剥離のシール形態でも、比較的強く容器にシールされた薄層フィルム蓋材を剥がすときは、フィルムに力が掛かるので、フィルム自体が破れてしまうことがある。つまり、強度をもたせるために設けられた最上部の基材層が裂けると、これが下側の層にまで伝わってフィルムが裂けてしまう。
本発明のメカニズムを説明すると、本発明では、中間層(ハ)と基材層(ニ)との層間に、シーラント層(イ)と容器との間のシール強度よりも弱いか、これとの関係で定まる特定の範囲のシール強度の弱シール部分(E)を設けることがポイントとなる。シーラント層(イ)が確実に界面剥離によるイージーピール性を達成し、基材層(ニ)から生じるフィルムの裂けに対しては、弱シール部分(E)で層間剥離が生じることで裂けの力を分散、吸収し、フィルム全体は裂けずに良好にイージーピールが可能となる。
【0011】
本発明の積層フィルム蓋材は、界面剥離シーラント層(イ)と基材層(ニ)を、中間層(ハ)で貼り合わせて備えてなる。
シーラント層(イ)として、ポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイを採用することで、適正な界面剥離を達成することが可能となる。一方、例えば、シーラント層(イ)が薄層となると、ポリマーアロイの強度が充分でなく、破断したり、安定に界面剥離できない問題がある。本発明では、ポリプロピレン系樹脂を主体とするポリマーアロイの形態をとらない樹脂からなる支持層(ロ)を、シーラント層(イ)に貼り合わせて適当に支持することで上記問題を解消し、それにより、シーラントの強度及び安定な界面剥離性を達成することができる。
【0012】
ここで、ポリマーアロイについて説明すると、ポリマーアロイとは、マトリックスポリマーの海の中に少量成分が島状に分散した多層構造の、いわゆる海島構造をとるものを意味する。ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド比率は、ポリエチレンが80重量%を越えるようにすることが望ましく、85〜90%が最も好ましい。残りをポリプロピレンとするが、約5%までエラストマー等を加えて熱シール性を調整することが可能である。これらにより、安定に界面剥離によるイージーピールが可能となる。この、ポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイのブレンド比率は、中間層(ハ)と基材層(ニ)との層間のラミ強度との組み合わせで、その好適な範囲を定めることが重要である。
【0013】
中間相(ハ)としてポリエチレン系樹脂を用いると、支持層(ロ)及び基材層(ニ)との相溶性及び接着性がよくなり好ましい。基材層(ニ)としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アルミニウム箔、紙の単体又はこれらの2以上の複合材を採用できる。アルミニウムや酸化アルミニウム(アルミナ)を樹脂に蒸着した材質も使用できる。特に、ポリエステル、中でもポリエチレンテレフタレートが好ましく、上記蒸着樹脂とするのがよい。これらの適当な選択で強度やガスバリヤー性や耐熱性や防湿性を付与することができる。
印刷層(ホ)を介在させることで、中間層(ハ)と基材層(ニ)との層間に所望の弱シール部分(E)を設けることができる。印刷層(ホ)としては、アンカーコート等を塗布し、該塗布面を中間層(ハ)側にして設けることができる。
【0014】
次に、フィルムのシール方法と各フィルムの厚みについて説明すると、シール方法は、容器及び蓋材を熱シールする方法であれば任意であり、特に制限されない。フィルムの厚みは、好適には、シーラント層(イ)が5〜30μm、支持層(ロ)が5〜30μm、中間層(ハ)が10〜30μm及び基材層(ニ)が12〜50μmである。
容器は、少なくとも熱シール面となる上部がポリプロピレンであるフランジを備えたものであることが望ましいが、本発明の作用を奏する限り、任意の材料、積層構造のシート材で任意の形状に形成されたものとすることができる。
また、容器フランジ部への熱シールについては、シール温度は140〜145℃が好適である。
本発明では、上記の積層フィルム蓋材を、容器のフランジ部に熱シールして被せた場合に、次の関係;(A)容器フランジ部とシーラント層(イ)とのシール強度(E):中間層(ハ)と基材層(ニ)とのシール強度、とした場合に、(A)が3.0N以上であるとき、(E)<(A)とし、(A)が2.0〜3.0Nであるとき、(E)を0.5〜3.0Nとする、ことを満たすことが重要である。
また、中間層(ハ)と基材層(ニ)とのシール強度(E)を0.5〜2.0N、及び容器フランジ部とシーラント層(イ)とのシール強度(A)を6.0〜12.0N、の数値範囲とすることで、前記メカニズムを良好に達成することが可能である。N(ニュートン)は、食品衛生法の「器具及び容器包装の規格基準」に定められた熱封カン強度試験により測定された値を示す。
上記の構成により、開封の際の、前記メカニズムを良好に達成することが可能となる。
【0015】
【作用】
従来、固形カレールウのトレイ容器用の蓋材等は、ある程度のシール強度で容器にシールされ、一方で、開封時に、シール部分を剥がして容器から取除く際に、界面剥離によるイージーピール性を発揮する必要があるが、シーラント層が凝集破壊するシール形態は、シールが強すぎて剥がすのが難しい。また、界面剥離のシール形態でも、比較的強く容器にシールされた薄層フィルム蓋材を剥がすときは、フィルム材に力が掛かるので、強度をもたせるために設けられた最上部の基材層が裂けると、これが下側の層にまで伝わってフィルム材が裂けてしまう。本発明では、中間層(ハ)と基材層(ニ)との層間に、シーラント層(イ)と容器との間のシール強度よりも弱いか、これとの関係で定まる特定の範囲のシール強度の弱シール部分(E)を設けることにより、シーラント層(イ)が確実に界面剥離を起こし、それによりイージーピール性を達成することが可能となり、基材層(ニ)から生じるフィルムの裂けに対しては、弱シール部分(E)で層間剥離が生じることで裂けの力を分散、吸収し、フィルム全体は裂けずに良好にイージーピールが可能となる。
上記構成により、界面剥離によるイージーピール性を有し、かつフィルム材が裂けないフィルム蓋材と容器が得られる。
【0016】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例
ポリプロピレン及びポリエチレンを含有するブレンドポリマーアロイ(三菱化学社製:商品名“VMX”)とポリプロピレンのランダムコポリマー70%及びポリエチレン30%の混合物と、直鎖状低密度ポリエチレンを共押出し法で貼り合わせて製膜した。更に、上記フィルムの直鎖状低密度ポリエチレン側に、アルミナを蒸着したポリエチレンテレフタレートと印刷層を重ね、印刷層側にアンカーコートを塗布したものを溶融したポリエチレンで貼り合わせた。
得られたフィルム材は、上記のポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイ(シーラント層(イ))15μm、ポリプロピレンの混合物(支持層(ロ))15μm、直鎖状低密度ポリエチレン(中間層(ハ))10μm、ポリエチレン(中間層(ハ))15μm、印刷層(ホ)(厚さは基材層(ニ)の厚さに含まれる)及びポリエチレンテレフタレート(基材層(ニ))16μmの積層構造のものであった。
【0017】
これをフィルム蓋材として、常法によりカレールウを充填したポリプロピレン製のトレイ容器のフランジ部に被せ、145℃、3Kg/cm2 、1秒間で熱シールした。
この蓋付き容器において、蓋材を構成する各層のシール強度は、次の通りであった。
(A):容器フランジ部とシーラント層(イ)とのシール強度 6N
(E):中間層(ハ)と基材層(ニ)とのシール強度 1.5N
これらの値から、次の関係となることがわかる。
(E)<(A)
上記フィルム蓋材は、ガスバリヤー性を有し、開封時に、シール部分を剥がして容器から取除く際は、界面剥離によるイージーピール性を有し、かつフィルム材が裂けない良好な性能のものであった。
【0018】
上記の構成により、開封の際、シーラント層(イ)がポリプロピレンの容器に対して確実に界面剥離を起こし、それによりイージーピール性を達成することができる。この場合に、基材層(ニ)から生じるフィルムの裂けに対しては、中間層(ハ)と基材層(ニ)との間の弱シール部分(E)で層間剥離が生じることで、上記の裂けの力が分散されて、中間層(ハ)より下の層にまで裂けが走らない。したがって、上記界面剥離(イージーピール)の安定均一化を図り、かつ裂けを防止しフィルム全体の一体性を保持することで、良好なイージーピールが可能となる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明は、少なくとも、熱シール面に当接する界面剥離性シーラント層(イ)と、該シーラント層(イ)と基材層(ニ)とを貼り合わせるための中間層(ハ)と、基材層(ニ)とを貼り合わせて備えたイージーピール包装用積層フィルム蓋材であって、これを容器のフランジ部に熱シールして被せた場合に、次の関係式;(A):容器フランジ部とシーラント層(イ)とのシール強度、(E):中間層(ハ)と基材層(ニ)とのシール強度、とした場合に、(A)が3.0N以上であるとき、(E)<(A)であり、(A)が2.0〜3.0Nであるとき、(E)が0.5〜3.0Nである、を満たすことを特徴とするイージーピール包装用積層フィルム蓋材に係るものであり、本発明によれば、1)安定したシール強度を有し、開封時に、容器と蓋材のシール界面が剥離し、協動的に中間層と基材層との層間の弱シール部分(E)が剥離するようにした界面剥離型の蓋材付き容器の構造を提供することができる、2)開封時に、界面剥離によりイージーピールし、同時に基材から破れが走って蓋材が破れそうになると、中間層と基材層との層間の弱シール部分が層間剥離して、蓋材の破れを防止するようにした蓋材付き容器の構造を提供することができる、3)開封時に、容器と蓋材のシール界面の界面剥離と、中間層と基材層との層間の層間剥離とが、一定のタイムラグで協動的に起こるようにして、蓋材の破れの防止とイージーピール性を付与した蓋材付き容器の構造を提供することができる、4)開封時にシール界面の界面剥離が起こり、次いで、中間層と基材層との層間の層間剥離が一定のタイムラグで起こり、トータルとして、蓋材の破れを防止して安定かつ均一なイージーピール性を達成できる蓋材付き容器の構造を提供することができる、等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋材付き容器の構造における蓋材の一例を示す説明図である。
Claims (6)
- 少なくとも、熱シール面に当接する容器と蓋材との間のシール界面を剥離するための界面剥離性シーラント層(イ)と、該シーラント層(イ)と基材層(ニ)とを貼り合わせるための中間層(ハ)と、基材層(ニ)とを貼り合わせて備えたイージーピール包装用積層フィルム蓋材であって、これを容器のフランジ部に熱シールして被せた場合に、次の関係式;
(A):容器フランジ部とシーラント層(イ)とのシール強度
(E):中間層(ハ)と基材層(ニ)とのシール強度
とした場合に、(A)が3.0N以上であるとき、(E)<(A)であり、
(A)が2.0〜3.0Nであるとき、(E)が0.5〜3.0Nである、を満たし、
1)安定したシール強度を有し、2)開封時に、容器と蓋材のシール界面が剥離してイージーピールし、協動的に中間層と基材層との層間の弱シール部分が剥離して、3)同時に基材から破れが走って蓋材が破れそうになった場合には、上記の弱シール部分が層間剥離して、上記の破れを吸収して、蓋材の破れを防止するようにしたことを特徴とするイージーピール包装用積層フィルム蓋材。 - 請求項1に記載のイージーピール包装用積層フィルム蓋材を、上記関係式を満たす条件にてフランジ部に熱シールして被せた容器。
- (A)を6.0〜12.0N、(E)を0.5〜2.0Nとする請求項1に記載のイージーピール包装用積層フィルム蓋材。
- (A)を6.0〜12.0N、(E)を0.5〜2.0Nとする請求項2に記載の容器。
- シーラント層(イ)がポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイで、中間層(ハ)がポリエチレン系樹脂で、基材層(ニ)がポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アルミニウム箔、紙の単体又はこれらの2以上の複合材である請求項1に記載のイージーピール包装用積層フィルム蓋材。
- シーラント層(イ)がポリプロピレン−ポリエチレンのブレンドポリマーアロイで、中間層(ハ)がポリエチレン系樹脂で、基材層(ニ)がポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、アルミニウム箔、紙の単体又はこれらの2以上の複合材である請求項2に記載の容器。
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