JP2023086365A - 複合フィルム、蓋材、及び内容物入り蓋付容器 - Google Patents

複合フィルム、蓋材、及び内容物入り蓋付容器 Download PDF

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Abstract

【課題】全開封する前に部分剥離部において開孔を形成できる蓋材において、開孔を形成するための剥離の際に破れや孔残り等の不具合の発生を抑制し、確実な剥離が可能な剥離強度を実現する複合フィルム、当該複合フィルムから形成される蓋材、及び内容物入り蓋付容器を提供する。【解決手段】蓋材を形成する複合フィルムを、基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層がこの順で含まれる構成とし、易剥離性樹脂層として、コア層とシール層とを含む積層体であり、一方の表面がシール層であるものを用い、シール層をポリエステルフィルム層と接するように配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、複合フィルム、蓋材、及び内容物入り蓋付容器に関する。更に詳しくは、蓋材を形成するための複合フィルム、当該複合フィルムから形成される蓋材、及び内容物入り蓋付容器に関する。ここで、この蓋材は、全体を除去して全開封する前に、液体を排出するための開孔を、部分剥離部において形成できる蓋材であってよい。
従来、蓋付の容器内に注湯した後に湯切りすることで調理される、焼きそばなどのインスタント食品や、水を排出してから取り出される野菜や卵類の水煮食品の包装には、全開封する前に開孔を形成するための部分剥離部を有する蓋材が適用されている。
このような蓋材としては、例えば、特許文献1において、紙層/ポリエステル層(PET層)/易剥離性樹脂層/接着層/中間層/シーラント層の構成の積層体、紙層/接着層/易剥離性樹脂層/PET層/中間層/シーラント層の構成の積層体が提案されている。特許文献1の蓋材は、PET層のようなポリエステル層と易剥離性樹脂層と間の界面を剥離面として剥離することにより、湯切りや排出のための開孔を形成する。
なお、特許文献1においては、易剥離性樹脂層との間の界面で剥離面を形成するポリエステル層(PET層)において、表面濡れ張力が3.5×10-2N/m(35dyn/cm)以上6.0×10-2N/m(60dyn/cm)以下であることが好ましく、表面濡れ張力が3.5×10-2N/m未満であると、接着力が低下し、6.0×10-2N/mを超えると、接着力が向上してしまうとしている。
また、例えば、特許文献2には、表面材/凝集剥離層/基材の構成の積層体が提案されており、凝集剥離層が凝集剥離することにより、湯切りや排出のための開孔を形成する。特許文献2においては、凝集剥離層の材料として、ピール強度が1~10N/15mmの凝集剥離フィルムが適用できるとしている。
特開2007-320580号公報 特開2005-170405号公報
従来、湯切りや排出のための開孔を形成する蓋材は、使用する材料によっては、開孔を形成するための剥離の際に、蓋材が破れたり、剥離面が白濁する等により外観不良が発生したりする場合があった。すなわち、湯切りや排出のための開孔を形成する蓋材においては、剥離強度の違いが製品に大きな影響を及ぼし、例えば、剥離強度が強すぎる場合には蓋材が破れ、一方で、剥離強度が弱すぎる場合には、開孔をうまく出現させることができず、孔残りや孔の脱落等の不具合が生じる場合があった。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、全開封する前に部分剥離部において開孔を形成できる蓋材において、開孔を形成するための剥離の際に、破れや孔残り等の不具合の発生を抑制し、確実な剥離が可能な剥離強度を実現する複合フィルム、当該複合フィルムから形成される蓋材、及び内容物入り蓋付容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、蓋材を形成する複合フィルムを、基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層がこの順で含まれる構成とし、易剥離性樹脂層として、コア層とシール層とを含む積層体であり、一方の表面がシール層であるものを用い、シール層をポリエステルフィルム層に接するように配置すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
《態様1》
基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層を、この順で含み、
前記易剥離性樹脂層は、コア層とシール層とを含む積層体であり、一方の表面がシール層であり、
前記コア層は、前記基材層側に配置されており、
前記シール層は、前記ポリエステルフィルム層と接しており、
前記易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離することにより、剥離が可能である、
複合フィルム。
《態様2》
前記複合フィルムは、前記ポリエステルフィルム層の前記易剥離性樹脂層とは反対の側にシーラント層を備える、態様1に記載の複合フィルム。
《態様3》
180°剥離強度が、1.0~5.0N/15mmである、態様1又は2のいずれかに記載の複合フィルム。
《態様4》
態様1~3のいずれか一態様に記載の複合フィルムから成形された蓋材。
《態様5》
前記基材層の側から前記コア層を厚み方向に貫通して、前記シール層に少なくとも達する深さの第1のハーフカット、
前記ポリエステルフィルム層の側から前記シールを厚み方向に貫通して、前記シール層に少なくとも達する深さの第2のハーフカット及び第3のハーフカット、並びに
周縁部の部分剥離用タブ、
を備え、
前記第1のハーフカット及び前記部分剥離用タブが、部分剥離部の外縁を画定しており、
前記第2のハーフカットが、液体流通孔の外縁を画定しており、
前記第3のハーフカットが、部分剥離用タブを画定しており、かつ
前記液体流通孔が、前記部分剥離部内に配置されており、
それによって、前記部分剥離用タブを摘まんで前記部分剥離部を剥離したときに、前記液体流通孔以外の箇所では、前記易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離し、かつ前記液体流通孔の箇所では、前記易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離せずに前記ポリエステルフィルム層が前記基材層に随伴して除去されて、前記液体流通孔を形成する、
態様4に記載の蓋材。
《態様6》
収納部及びフランジ部を有する容器本体と、
前記容器本体に収容されている内容物と、
態様4又は5に記載の蓋材と、
を備え、
前記蓋材が前記ポリエステルフィルム層の前記易剥離性樹脂層とは反対の側にシーラント層を備え、
前記蓋材が、前記シーラント層を介して、前記フランジ部にヒートシールされている、
内容物入り蓋付容器。
本発明の複合フィルムによれば、全開封する前に部分剥離部において開孔を形成できる蓋材を形成したときに、開孔を形成するための確実な剥離が可能となる蓋材を実現することができる。すなわち、開孔を形成するための剥離の際に、蓋材の破損や、剥離面が白濁する等の外観不良の発生を、抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る複合フィルム及び蓋材の断面図である。 本発明の一実施形態に係る蓋材の平面図である。 本発明の一実施形態に係る蓋材の使用例の説明図である。
《複合フィルム》
本発明の複合フィルムは、少なくとも、基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層をこの順で含み、易剥離性樹脂層が特定の構成及び特定の配置となっている。
具体的には、本発明の複合フィルムでは、易剥離性樹脂層として、コア層とシール層とを含む積層体であり、一方の表面がシール層であるものを用い、シール層がポリエステルフィルム層に接するように配置する。
本発明の複合フィルムは、易剥離性樹脂層をこのような特定の構成とすることで、易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離する。このため、複合フィルムから、全開封する前に部分剥離部において開孔を形成できる蓋材を形成した場合には、開孔を形成するための剥離の際に、破れや孔残り等の不具合の発生を抑制し、確実な剥離が可能となる。
湯切りや排出のための開孔を形成する蓋材においては、剥離強度の違いが製品に大きな影響を及ぼし、例えば、剥離強度が強すぎる場合には蓋材が破れ、一方で、剥離強度が弱すぎる場合には、開孔をうまく出現させることができず、孔残りや孔の脱落等の不具合が生じる場合があった。このため、開孔を形成する蓋材においては、所望の剥離強度を実現するためのコントロールが重要な事項となっていた。
そして、本発明者らは、所望の剥離強度を得るためには、易剥離性樹脂層を特定の構成とすればよく、具体的には、易剥離性樹脂層を特定の層を備える積層体で形成し、更に当該積層体を特定の配置とすればよいことを見出した。
以下に、図面を参照しながら、本発明の複合フィルムの構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る複合フィルムの断面図である。
図1に示される本発明の一実施形態に係る複合フィルム1は、外面側から、紙層7、第1のポリエステルフィルム層8、易剥離性樹脂層10、第2のポリエステルフィルム層11、バリア層12、シーラント層13の順に積層された積層体となっている。
一実施形態に係る複合フィルム1は、紙層7と、紙層7に隣接する第1のポリエステルフィルム層8とが、基材層9を構成している。
一実施形態に係る複合フィルム1は、易剥離性樹脂層10は、コア層10a及びシール層10bの2層構成の積層体となっており、すなわち、コア層10a及びシール層10bが、易剥離性樹脂層10のそれぞれの表面となっている。コア層10aは第1のポリエステルフィルム層8に接するように配置され、すなわち、コア層10aは基材層9側に配置されている。また、シール層10bは、第2のポリエステルフィルム層11に接するように配置されている。複合フィルム1は、易剥離性樹脂層10が、コア層10aとシール層10bとの間で層間剥離又はシール層10b内で凝集剥離することにより、剥離面14を形成するものとなっている。
本発明の複合フィルムは、基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層を、この順で含んでいれば、これら以外の層を任意に備えていてもよい。
図1に示される一実施形態に係る複合フィルム1においては、任意の層として、バリア層12とシーラント層13を備えている。
本発明の複合フィルムを構成するそれぞれの層の厚み等は、複合フィルムの用途等に応じて、適宜決定することができる。以下、各層について説明する。
<基材層>
基材層は、本発明の複合フィルムにおいて必須の構成層である。基材層は、易剥離性樹脂層に隣接し、易剥離性樹脂層を介して、ポリエステルフィルム層に積層される層である。
基材層は、単層であっても、複数の層からなる積層体であってもよい。なお、本発明の複合フィルムにおいて「基材層」とは、易剥離性樹脂層に対して、ポリエステル層とは逆の側に積層されている層の全てを意味する。
図1に示される一実施形態に係る複合フィルム1においては、紙層7と、紙層7に隣接する第1のポリエステルフィルム層8とが、基材層9を構成している。
したがって、基材層の最表面は複合フィルムの表層となり、本発明の複合フィルムを用いて包装体等を形成する際に、包装体等の外層となる。本発明の複合フィルムが最内層にシーラント層を備える場合には、ヒートシールして包装体等を形成するときの保護層ともなりうる。基材層には、包装体等の内容物の表示等のための印刷を施してもよい。
(材料)
基材層の材料としては、特に限定されるものではなく、易剥離性樹脂層と接着可能な材料であればよい。
基材層が単層である場合には、基材層は、樹脂、特に保護層となり、印刷が可能となる樹脂からなる樹脂層であってよい。基材層が樹脂層である場合には、その材料としては、一般的に用いられている樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリカーボネート(PC)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等のポリオレフィン、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド(PA)等が挙げられる。
なお、上記の樹脂は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
基材層が樹脂層である場合には、予め成形された樹脂フィルムを適用してもよい。基材層となる樹脂フィルムは、上記の樹脂等から形成されたフィルムであればよく、未延伸であっても、一軸又は二軸延伸が施されていてもよい。中では、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
中では、基材層は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。基材層の材料となるポリエステル樹脂は、1種単独であっても、2種以上の組成物であってもよい。また、基材層には、必要に応じて、ポリエステル樹脂以外の樹脂等や添加剤等が、少量、例えば20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、又は3質量%以下の量で配合されていてもよい。
基材層がポリエステル樹脂層である場合には、当該ポリエステル樹脂層を構成する材料は、後記するポリエステルフィルム層の材料と、同じであっても異なっていてもよい。基材層となるポリエステル樹脂層と後記するポリエステルフィルム層を形成するポリエステル樹脂とが同一の場合には、易剥離性樹脂層との接着性を調整し易くなる。
基材層がポリエステル樹脂層である場合には、その材料となるポリエステル樹脂としては、他のポリエステルよりも安価であり、食品用包材に使用される一般的な材料であることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)であることが好ましい。
基材層がポリエステル樹脂層である場合には、上記の通り、ポリエステル樹脂を材料として予め成形されたフィルムから形成されてもよい。ポリエステルフィルムは、未延伸であっても、一軸又は二軸延伸が施されていてもよい。耐熱性及び低収縮性の観点からは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
あるいは基材層は、樹脂以外を材料とする層、例えば、紙層等であってもよい。後記する易剥離性樹脂層の材料となる積層体の表面のうち、基材層側に配置される面にコロナ処理が施されている場合には、易剥離性樹脂層のシール層とは反対の面に接着性を備えさせることは可能となることから、基材層として樹脂以外の層、例えば紙層を適用した場合でも、十分な接着強度を確保することができる。紙層としては、例えば、上質紙、コート紙、アート紙等が挙げられる。
基材層には、アルミニウム等の金属や、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物が蒸着された無機物蒸着膜が含まれていてもよい。あるいは基材層は、塩化ビニリデンコート層、ポリフッ化ビニリデンコート層等のバリアコート層を有していてもよい。更に、基材層が樹脂フィルムから構成される場合には、その表面を粗面化させる粗面化処理等が施されていてもよい。
基材層が、2層以上の積層体である場合には、上記した単層である場合の樹脂からなる層が、複数設けられていてもよいし、樹脂層と樹脂以外を材料とする層とが含まれていてもよい。また、基材層には、グラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷が施されていてもよい。
(厚み)
基材層の厚さは、特に限定されるものではない。基材層が紙層を含まない場合には、例えば、5μm以上、8μm以上、10μm以上、12μm以上、又は15μm以上であってよい。基材層が紙層を含む場合には、例えば、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、又は70μm以上であってよい。また、基材層が紙層を含まない場合には、例えば、30μm以下、25μm以下、又は20μm以下であってもよい。5μm以上であれば、包材としての使用に耐えうる剛性を複合フィルムに付与するため好ましい。
<ポリエステルフィルム層>
ポリエステルフィルム層は、本発明の複合フィルムにおいて必須の構成層である。ポリエステルフィルム層は、易剥離性樹脂層に隣接し、易剥離性樹脂層を介して、基材層に積層される層である。
(材料)
ポリエステルフィルム層の材料となるポリエステル樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。
(厚み)
ポリエステルフィルム層の厚みは、特に限定されるものではない。例えば、5μm以上、8μm以上、10μm以上、12μm以上、又は15μm以上であってよく、30μm以下、25μm以下、又は20μm以下であってもよい。5μm以上であれば、包材としての使用に耐えうる剛性を複合フィルムに付与するため好ましい。
(コロナ処理)
本発明の複合フィルムにおいて、ポリエステルフィルム層を形成するポリエステルフィルムには、少なくとも易剥離性樹脂層と接する面に、コロナ処理が施されていてもよい。易剥離性樹脂層と接する面にコロナ処理が施されていることにより、易剥離性樹脂層との接着性を向上させることができる。コロナ処理は、ポリエステルフィルム層を形成するポリエステルフィルムの両面に施されていてもよい。
<易剥離性樹脂層>
易剥離性樹脂層は、本発明の複合フィルムにおいて必須の構成層であり、上記した基材層とポリエステルフィルム層の間に位置する層である。
易剥離性樹脂層は、コア層とシール層とを含む積層体であり、一方の表面がシール層となっている。
本発明の複合フィルムは、易剥離性樹脂層となる積層体が層間剥離又は凝集剥離することにより、複合フィルムから、全開封する前に部分剥離部において開孔を形成できる蓋材を形成した場合に、開孔を形成するための部分剥離が可能となっている。
(層の配置)
本発明の複合フィルムにおいて、易剥離性樹脂層となる積層体のコア層は、上記した基材層側に配置されており、シール層は、上記したポリエステルフィルム層と接するように配置される。
易剥離性樹脂層となる積層体のシール層が上記したポリエステルフィルム層と接するように配置されることで、得られる複合フィルムの剥離強度を小さい状態とすることが可能となる。その結果、複合フィルムから蓋材を形成した場合に、部分剥離部での剥離を確実に行うことが可能となり、開孔形成を確実に実施することができる。
図1に示される本発明の一実施形態に係る複合フィルム1において、易剥離性樹脂層10は、コア層10a及びシール層10bの2層構成の積層体となっており、すなわち、コア層10a及びシール層10bが、易剥離性樹脂層10のそれぞれの表面となっている。コア層10aは第1のポリエステルフィルム層8に接するように配置され、すなわち、コア層10aは基材層9側に配置されている。また、シール層10bは、第2のポリエステルフィルム層11に接するように配置されている。
そして、複合フィルム1は、易剥離性樹脂層10において、コア層10aとシール層10bとの間で層間剥離又はシール層10b内で凝集剥離することにより、剥離面14を形成するものとなっている。
本発明の複合フィルムの易剥離性樹脂層となる積層体は、コア層とシール層とを含む構成であり、一方の表面がシール層となっていれば、3層以上の構成であってもよい。3層以上の構成の場合には、複数のコア層が含まれていてもよい。
(材料)
コア層及びシール層を構成する材料は、積層体が層間剥離又は凝集剥離することができれば、特に限定されるものではない。例えば、市販のイージーピールシーラント積層体フィルムを、そのまま適用することも可能である。
市販のイージーピールシーラント積層体フィルムとしては、例えば、T.A.F.(登録商標)610C(三井化学東セロ株式会社)、IMX-L-A(ジェイフィルム株式会社)等が挙げられる。
(厚み)
易剥離樹脂層の厚みは、安定した剥離性を得るために、好ましくは、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、45μm以上、50μm以上、又は55μm以上であってよく、100μm以下、95μm以下、90μm以下、85μm以下、80μm以下、75μm以下、70μm以下、又は65μm以下であってよい。
(180°剥離強度)
易剥離樹脂層の180°剥離強度は、1.0~5.0N/15mmであってよい。180°剥離強度が5.0N/15mmを超えると、複合フィルムから蓋材を形成した場合に、部分剥離部での剥離が困難となる。具体的には、剥離強度が強すぎて基材層が破れてしまい、確実な開孔形成が困難となる。
易剥離樹脂層の180°剥離強度は、1.5N/15mm以上、2.0N/15mm以上、2.5N/15mm以上、3.0N/15mm以上、又は3.5N/15mm以上であってよく、また、4.5N/15mm以下、4.0N/15mm以下、3.5N/15mm以下、3.0N/15mm以下、又は2.5N/15mm以下であってよい。
(コロナ処理)
易剥離性樹脂層の材料である積層体は、その表面のうち、少なくとも基材層側に配置される面にコロナ処理が施されていてもよい。その場合には、易剥離性樹脂層となる積層体のシール層とは反対の面に接着性が付与されることから、基材層として、例えば紙層を適用した場合でも、十分な接着強度を確保することができ、接着のために必要となっていた樹脂層を、基材層から省略することが可能となる。
<その他の層>
本発明の複合フィルムは、基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層以外に、その他の層を任意に備えていてもよい。
その他の層は、ポリエステルフィルム層の易剥離性樹脂層とは反対の側に存在することとなる。その他の層と同様の層は、基材層の構成層となっていてもよい。
例えば、本発明の複合フィルムは、ポリエステルフィルム層の易剥離性樹脂層とは反対の側の表面に、シーラント層が配置されていることが好ましい。表面にシーラント層を備えることによって、本発明の複合フィルムを用いて包装体等を形成する際に、複合フィルム同士、又は複合フィルムと他の材料とをヒートシールすることが可能となる。
その他の層は、特に限定されるものではなく、シーラント層以外に、例えば、バリア性を付与するためのバリア層、強度を補強するための補強層、あるいは、層と層との間を接着するための接着層等が挙げられる。
図1に示される本発明の一実施形態に係る複合フィルム1においては、その他の層として、第2のポリエステルフィルム層11の易剥離性樹脂層10とは反対の側に、バリア層12とシーラント層13が配置されている。
また、図1では示していないが、複合フィルム1においては、紙層7と第1のポリエステルフィルム層8、第1のポリエステルフィルム層8と易剥離性樹脂層10、易剥離性樹脂層10と第2のポリエステルフィルム層11、第2のポリエステルフィルム層11とバリア層12とは、接着剤層によって互いに接着されている。なお、バリア層12とシーラント層13とは、押出ラミネートによって互いに直接に接着されている。
(シーラント層)
本発明の複合フィルムにおいて、任意の構成層であるシーラント層は、本発明の複合フィルムを用いて包装体等を形成する際に、ヒートシールに用いられる層となる。このため、シーラント層は、複合フィルムの表面に配置される。
シーラント層を構成する材料としては、ヒートシールが可能であり、本発明の複合フィルムから形成された包装体等に十分なシール強度を付与できるものであれば、特に限定されるものではない。公知の材料を適用することができ、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体(EP)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
例えば、内容物が充填される包装袋等を形成する場合には、シーラント層は内容物を充填するための空間を形成する層となる。このため、耐内容物性を付与したい場合には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることが好ましい。
シーラント層は、上記の材料から予め成形されたフィルムを用いて形成してもよいし、シーラント層を形成するための材料を溶融して押出し、冷却固化させて形成してもよい。
また、シーラント層を構成する樹脂等は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
更に、シーラント層は、単層であっても、複層からなる構成であっていてもよい。
なお、シーラント層は、使用の際に接合部の開封が容易となるように、イージーピール性(易開封性)を有していてもよい。イージーピール性を有するシーラント層とすれば、例えば、本発明の複合フィルムから蓋材を形成し、容器本体と熱融着させて包装体を形成した場合に、内容物を取り出すための開封が容易となる。
(バリア層)
バリア層は、複合フィルムにバリア性を付与するための層である。
バリア層としては、例えば、酸素や水蒸気等のガスを遮断する機能を発現する、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はポリアクリロニトリル(PAN)等からなる樹脂層が挙げられる。
なお、上記の樹脂は、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよく、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
あるいは、例えば、無機物蒸着膜層、金属箔層、有機物コート層等であってもよい。
バリア層となる無機物蒸着膜層としては、例えば、シリカ蒸着膜、アルミニウム蒸着膜、アルミナ蒸着膜、シリカ・アルミナ蒸着膜等を挙げることができる。
バリア層となる金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、銅箔、チタン箔等の金属箔や、アルミニウム合金箔、ステンレス箔等の合金箔を挙げることができる。
バリア層となる有機物コート層としては、塩化ビニリデンコート層、ポリフッ化ビニリデンコート層等のバリアコート層であってもよい。
バリア層として無機物蒸着膜層又は有機物コート層を存在させる場合には、バリア層の厚さは、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、又は1μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましく、5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、複合フィルムを包装材等として用いる場合の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
バリア層として金属箔を存在させ場合には、バリア層の厚さは、5μm以上、7μm以上、10μm以上、又は15μm以上であることが、強度及びバリア性を確保する観点から好ましい。また、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、又は15μm以下であることが、複合フィルムを包装材等として用いる場合の取り扱い性を向上させる観点から好ましい。
(補強層)
補強層は、複合フィルムの強度を補強するための層である。補強層の材料としては、例えば、コート紙、アート紙等の紙、合成紙、不織布等が挙げられる。補強層となる紙等を複合フィルムの最表面に存在させる場合には、その表面に、グラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷がなされていてもよい。
(接着層)
接着層は、層と層との間に存在し、層と層とを接着するための層である。接着層としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマーからなる層等が挙げられる。
また接着層は、接着剤からなる層であってもよい。例えば、ドライラミネート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等であってよい。
《複合フィルムの製造方法》
本発明の複合フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適用することができる。例えば、ドライラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネーション法、及びサンドイッチラミネーション方法等が挙げられる。
《複合フィルムの用途》
本発明の複合フィルムの用途は、特に限定されるものではない。例えば、包装材として用いて、包装袋や蓋材等を形成してもよい。
<包装袋>
本発明の複合フィルムは、包装材として用いて、包装袋を形成してもよい。本発明の複合フィルムがシーラント層を備える場合には、ヒートシール層を互いにヒートシールすることで、三方シール袋、四方シール袋、ガセット包装袋、ピロー包装袋等を形成することができる。
<蓋材>
本発明の複合フィルムからは、蓋材を成形してもよい。例えば、容器本体の上端開口部を密封するための蓋材となりうる。
(ハーフカット)
本発明の複合フィルムから得られる蓋材は、ハーフカットを有していてもよい。ハーフカットは、複合フィルムの用途に応じて適宜設ければよい。
例えば、本発明の複合フィルムを、全開封する前に部分剥離部において開孔を形成することができる蓋材として用いる場合には、基材層の側から、易剥離性樹脂層のコア層を厚み方向に貫通して、シール層に少なくとも達する深さの第1のハーフカットと、ポリエステルフィルム層の側から、易剥離性樹脂層のシール層を厚み方向に貫通して、シール層に少なくとも達する深さの第2のハーフカット及び第3のハーフカットを有するようにしてもよい。ここで、第2のハーフカット及び第3のハーフカットは、基材層に達する深さであってもよい。
このような蓋材は、周縁部に、開封用タブと部分剥離用タブとを備え、第1のハーフカット及び部分剥離用タブが、部分剥離部の外縁を画定し、第2のハーフカットが、液体流通孔の外縁を画定し、第3のハーフカットが、部分剥離用タブを画定する。そして、液体流通孔が、部分剥離部内に配置されている。
具体的には、部分剥離用タブの近傍に、少なくとも1つの第2のハーフカット、及び第3のハーフカットを備えさせ、部分剥離用タブの両脇に、第2のハーフカットが形成された領域を覆うように、周縁部を結ぶ第1のハーフカットを備えさせる。
これによれば、部分剥離用タブを摘まんで部分剥離部を剥離したときに、液体流通孔以外の箇所では、易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離し、かつ液体流通孔の箇所においては、易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離せずにポリエステルフィルム層が基材層に随伴して除去されて、液体流通孔を形成することができる。
本発明の複合フィルムから形成される本発明の蓋材のハーフカットについて、図1から図3を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る複合フィルムの断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る蓋材の平面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る蓋材の使用例の説明図である。
図1に示される本発明の一実施形態に係る複合フィルム1は、図2に示される蓋材1の断面図でもある。複合フィルム1の各層の構成は、上記した通りである。
図2に示される蓋材1は複合フィルム1から構成されており、複合フィルム1が必要な蓋の形状に打ち抜かれたものである。一実施形態に係る蓋材1は、ほぼ円形をなす周縁の一部が外方へ延出して開封用タブ2が形成されていると共に、この開封用タブ2とは反対側の周縁の一部も外方へ延出して、部分剥離用タブ3が形成されている。
また、蓋材1は、部分剥離用ハーフカットとしての第1のハーフカット5と、開孔用ハーフカットとしてのとしての第2のハーフカット4と、部分剥離開始用ハーフカットとしての第3のハーフカット6を備えている。
蓋材1において、開孔用ハーフカットとしての第2のハーフカット4の形状は、環状となっており、蓋材1には、開孔用ハーフカットとしての第2のハーフカット4が、2個設けられている。
本発明の複合フィルムから形成される本発明の蓋材においては、部分剥離用タブは、開孔用ハーフカットとしての第2のハーフカットの形成領域を覆う基材層(部分剥離部)を引き剥がしやすくするためのものであり、第2のハーフカットの形成領域を覆う基材層(部分剥離部)の外縁に設けられている。また、開封用タブは、蓋材全体を封止対象である容器本体から引き剥がす時に、蓋材を引っ張りやすくするためのものであり、開孔用ハーフカットとしての第2のハーフカットの形成領域を覆う基材層(部分剥離部)以外の基材層の外縁に設けられていればよい。
図1に示される本発明の一実施形態に係る複合フィルム1、及び図2に示される本発明の一実施形態に係る蓋材1において、部分剥離用ハーフカットとしての第1のハーフカット5は、基材層9、すなわち紙層7及び第1のポリエステルフィルム層8と、易剥離性樹脂層10のコア層10aを、厚み方向に貫通し、剥離面14、すなわち易剥離性樹脂層10のコア層10aとシール層10bとの界面に達する深さである。
また、開孔用ハーフカットとしての第2のハーフカット4及び部分剥離開始用ハーフカットとしての第3のハーフカット6は、シーラント層13、バリア層12、第2のポリエステルフィルム層11、及び易剥離性樹脂層10のシール層10bを、厚み方向に貫通し、剥離面14に達する深さである。
この複合フィルム1から得られる蓋材1では、第1のハーフカット5及び部分剥離用タブ3が、部分剥離部の外縁を画定している。第2のハーフカット4が、液体流通孔の外縁画定しており、液体流通孔が、部分剥離部内に配置されている。また、第3のハーフカット6が、部分剥離用タブ3を画定している。これによれば、部分剥離用タブ3を摘まんで部分剥離部を剥離したときに、液体流通孔以外の箇所では、易剥離性樹脂層10が、コア層10aとシール層10bとの界面で剥離して、液体流通孔を形成することができる。
具体的には、上記の複合フィルム1及び蓋材1において、開孔用ハーフカットである第2のハーフカット4の形状は、環状となっており、この第2のハーフカット4の形成領域の基材層9を、部分剥離用ハーフカットである第1のハーフカット5によって、剥離面14にて剥離したときに、第2のハーフカット4の環状形状の内側部分が、基材層9に付着した状態で随伴除去されることで、開孔を形成することができる。
次に、本発明に係る蓋材1の使用例を、図3に基づいて説明する。
図3(a)に示されるように、蓋材1は、通常、容器本体16の封止に用いられる。図3(a)は、内容物(図示せず)が収納された容器本体16のフランジ部17に、蓋材1がヒートシールされた、内容物入り蓋付き容器である。図3(a)に示される内容物入り蓋付き容器において、蓋材1は、複合フィルム1の最表面に位置するシーラント層13を容器本体16側にして容器本体16の上に被せられ、容器本体16の開口部周縁に張り出したフランジ部17に、シーラント層13がヒートシールされている。
図3(b)は、図3(a)の内容物入り蓋付き容器を全開封する前に、開孔を形成する様子を示す図である。図3(b)に示されるように、部分剥離用タブ3を摘まんで上方へ引き上げ、開孔用ハーフカットである第2のハーフカット4の形成領域を覆う基材層9(部分剥離部)を、部分剥離開始用ハーフカットである第3のハーフカット6を介してその他の領域の基材層9から切り離し、剥離して除去する。この基材層9の剥離時に、第2のハーフカット4の環状形状の内側部分を、基材層9に付着した状態で随伴除去することで、開孔15が形成される。
開孔15の形成後、開孔15側へ容器本体16を傾けることで、容器本体16内の水等の液体を、開孔15から排出することができる。開孔15の大きさを内容物の大きさよりも小さくしておくことで、内容物の流出を防止することができる。
図3(c)は、基材層9を剥離して開孔15を形成した後に、蓋付き容器から蓋材1を除去して容器を全開封する様子を示す図である。図3(c)に示されるように、開封用タブ2を上方へ引き上げ、蓋材1全体を容器本体16のフランジ部17から引き剥がして、容器本体16の開口部を全開にして、内容物を取り出す。
なお、内容物がインスタント焼きそば等の場合には、まず、図3(a)の状態で開封用タブ2を引き上げて容器本体16の開口部を部分的に開き、具材やソース等の包みを容器内部から取り出す。その後に注湯し、容器を再封する。その後、一定時間おいてから、図3(b)のように開孔15を形成し、開孔15を通して湯切りし、続いて、図3(c)のように容器本体16の開口部を全開にして、具材やソース等を投入する。
本発明の複合フィルムから形成される本発明の蓋材においては、開孔用ハーフカットである第2のハーフカットの形状は、容器本体内の水等の液体を排出できれば特に制限はない。第2のハーフカットの形状は、例えば、円形の他、楕円形、角丸長方形、卵形、三角形、四角形、五角形以上の多角形等の環状形状、V字、U字等のスリット状形状等が挙げられる。第2のハーフカットの数は、単数でも複数でもよいが、内容物を流出させない大きさとして液体を排出しやすくするために、複数形成することが好ましい。
また、部分剥離用ハーフカットである第1のハーフカットは、通常、連続した線状に形成され、例えば、ミシン目や断続ライン状に形成してもよい。
部分剥離開始用ハーフカットである第3のハーフカットは、部分剥離用タブを摘まんで上方へ引き上げたときに、剥離界面に引っ張り力を作用させるために、部分剥離用タブの基部を横断して、ポリエステルフィルム層側から開孔用ハーフカットである第2のハーフカットと同様の深さで形成してもよい。
<内容物入り蓋付容器>
内容物入り蓋付容器は、容器本体と、内容物と、本発明の複合フィルムから形成された蓋材と、を備える。
(容器本体)
内容物入り蓋付容器を形成するための容器本体は、収納部及びフランジ部を有する。
容器本体の材料は、特に限定されるものではなく、本発明の複合フィルムから形成された蓋材のシーラント層がヒートシールできるものであればよい。例えば、樹脂で表面がコーティングされた紙製の容器、又は樹脂製の容器等が挙げられる。
{収納部}
収納部は、内容物が収納されている部分である。この部分の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、略円錐台形、多角錐台形、直方体形、立方体形等であってよい。
{フランジ部}
フランジ部は、容器本体の収納部の上端開口部周縁の部分である。その形状は特に限定されるものではなく、例えば、鍔状であってよい。また、フランジ部の外周の形状は、蓋材の形状に応じて適宜選択することができる。
容器本体が紙製の場合には、フランジ部は、ポリエチレン系樹脂によるコーティングを有していてもよい。
(内容物)
内容物は、収納部に収容されているものである。内容物としては、特に限定されるものではないが、例えば、即席麺、チルド食品、冷凍食品等の加熱式食品、又はスナック菓子、グミキャンディー、飲料等の非加熱式食品が挙げられる。
実施例及び比較例等により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
<材料>
実施例及び比較例においては、層を構成する材料として、以下を準備した。
(1)紙層
・紙(坪量:80g/m
(2)第1のポリエステルフィルム層
・PETフィルム1(A社、厚み:12μm)
(3)易剥離性樹脂層:イージーピールシーラント積層体
・積層体1(B社、凝集剥離タイプ)
・積層体2(C社、層間剥離タイプ)
(4)第2のポリエステルフィルム層
・PETフィルム3(D社、厚み:8μm)
(5)アルミニウム層
・アルミニウム箔(厚み:6.5μm)
《実施例1~2、比較例1~2》
<複合フィルムの作製>
表1に示す材料を用いて、以下に示す方法により、(紙層//第1のポリエステルフィルム層//易剥離性樹脂層//第2のポリエステルフィルム層//アルミニウム層)の積層構成となる複合フィルムを作製した。なお、ドライラミネートで貼り合わせた部分を、「//」で示している。
なお、実施例1~2では、易剥離性樹脂層となるイージーピールシーラント積層体のコア層を、第1のポリエステルフィルム層の側に配置し、シール層を、第2のポリエステル層に接するように積層した。比較例1~2の易剥離性樹脂層は、実施例1~2とそれぞれ同一のイージーピールシーラント積層体を用い、実施例1と逆の配置となるようにして、複合フィルムを作製した。具体的には、比較例1~2においては、イージーピールシーラント積層体のシール層を、第1のポリエステルフィルム層の側に配置し、コア層を、第2のポリエステル層に接するように積層した。
1.紙層と、第1のポリエステルフィルム層となるポリエステルフィルムとを、ドライラミネートにより貼り合わせて、(紙層//第1のポリエステルフィルム層)の積層体を作製した。ドライラミネート用接着剤としては、2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて、塗布量は2.5g/mとした。
2.アルミニウム層となるアルミニウム箔と、第2のポリエステルフィルム層となるポリエステルフィルムとを、ドライラミネートにより貼り合わせて、(第2のポリエステルフィルム層//アルミニウム層)の積層体を作製した。ドライラミネート用接着剤としては、2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて、塗布量は2.5g/mとした。
3.易剥離性樹脂層となるイージーピールシーラント積層体の両面に、コロナ処理を施した。
4.上記1で作製した(紙層//第1のポリエステルフィルム層)の積層体と、上記2で作製した(第2のポリエステルフィルム層//アルミニウム層)の積層体の間に、上記3でコロナ処理を施したイージーピールシーラント積層体を配置して、ドライラミネートにより貼り合わせて、複合フィルムを作製した。
このとき、実施例においては、イージーピールシーラント積層体のコア層を、第1のポリエステルフィルム層の側に配置し、シール層を、第2のポリエステル層に接するように積層した。比較例においては、イージーピールシーラント積層体のシール層を、第1のポリエステルフィルム層の側に配置し、コア層を、第2のポリエステル層に接するように積層した。ドライラミネート用接着剤としては、2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて、塗布量は3.5g/mとした。
<180°剥離強度の測定>
得られた複合フィルムから、幅15mmの試験片を切り出し、ストログラフVGS05-E(東洋精機株式会社)を用いて、23℃50%RHの雰囲気下にて、剥離速度300mm/minの条件で、イージーピールシーラント積層体の剥離強度を測定した。具体的には、(紙層//第1のポリエステルフィルム層)の積層体と(第2のポリエステルフィルム層//アルミニウム層)の積層体とをそれぞれ掴み、(第2のポリエステルフィルム層//アルミニウム層)の積層体を180°折り返して、剥離強度を測定した。測定距離10~30mmの平均剥離強度を、180°剥離強度とした。結果を表1に示す。
<蓋材の作製>
得られた複合フィルムを切り抜き、必要なハーフカットを施して、図2に示す蓋材を作製した。
<給湯前開孔形成試験>
部分剥離用タブを摘まんで引き上げ、部分剥離部をその他の領域の基材層から切り離し、開孔を形成した。剥離時に紙層の破れがないかについて、目視で確認した。評価基準を、以下に示す。
〇:部分剥離部の紙層に破れがなく、蓋材に紙層が残らなかった。
×:部分剥離部の紙層に破れがあり、蓋材に紙層が残った。
<蓋付容器の作製>
得られた蓋材を、発泡ポリスチレンカップ(フランジ幅:6mm、開口内径:157mm角)に両面テープで貼り付けて、蓋付容器を作製した。
<給湯後開孔形成試験>
実施例1~2、及び比較例1~2で作製した蓋付容器について、開封用タブを摘まんで引き上げ1/3程度開封した後に98℃のお湯を注ぎ、開封用タブを折り曲げて再封した。再封の3分後に、部分剥離用タブを摘まんで引き上げ、部分剥離部をその他の領域の基材層から切り離し、開孔を形成した。剥離時に紙層の破れがないかについて、上記と同様に目視で確認した。結果を表1に示す。なお、評価はそれぞれ3回実施した。
Figure 2023086365000002
1 複合フィルム
2 開封用タブ
3 部分剥離用タブ
4 第2のハーフカット
5 第1のハーフカット
6 第3のハーフカット
7 紙層
8 第1のポリエステルフィルム層
9 基材層
10 易剥離性樹脂層
10a コア層
10b シール層
11 第2のポリエステルフィルム層
12 バリア層
13 シーラント層
14 剥離面
15 開孔
16 容器本体
17 フランジ部

Claims (6)

  1. 基材層、易剥離性樹脂層、及びポリエステルフィルム層を、この順で含み、
    前記易剥離性樹脂層は、コア層とシール層とを含む積層体であり、一方の表面がシール層であり、
    前記コア層は、前記基材層側に配置されており、
    前記シール層は、前記ポリエステルフィルム層と接しており、
    前記易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離することにより、剥離が可能である、
    複合フィルム。
  2. 前記複合フィルムは、前記ポリエステルフィルム層の前記易剥離性樹脂層とは反対の側にシーラント層を備える、請求項1に記載の複合フィルム。
  3. 180°剥離強度が、1.0~5.0N/15mmである、請求項1又は2に記載の複合フィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の複合フィルムから成形された蓋材。
  5. 前記基材層の側から前記コア層を厚み方向に貫通して、前記シール層に少なくとも達する深さの第1のハーフカット、
    前記ポリエステルフィルム層の側から前記シール層を厚み方向に貫通して、前記シール層に少なくとも達する深さの第2のハーフカット及び第3のハーフカット、並びに
    周縁部の部分剥離用タブ、
    を備え、
    前記第1のハーフカット及び前記部分剥離用タブが、部分剥離部の外縁を画定しており、
    前記第2のハーフカットが、液体流通孔の外縁を画定しており、
    前記第3のハーフカットが、前記部分剥離用タブを画定しており、かつ
    前記液体流通孔が、前記部分剥離部内に配置されており、
    それによって、前記部分剥離用タブを摘まんで前記部分剥離部を剥離したときに、前記液体流通孔以外の箇所では、前記易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離し、かつ前記液体流通孔の箇所では、前記易剥離性樹脂層が層間剥離又は凝集剥離せずに前記ポリエステルフィルム層が前記基材層に随伴して除去されて、前記液体流通孔を形成する、
    請求項4に記載の蓋材。
  6. 収納部及びフランジ部を有する容器本体と、
    前記容器本体に収容されている内容物と、
    請求項4又は5に記載の蓋材と、
    を備え、
    前記蓋材が前記ポリエステルフィルム層の前記易剥離性樹脂層とは反対の側にシーラント層を備え、
    前記蓋材が、前記シーラント層を介して、前記フランジ部にヒートシールされている、
    内容物入り蓋付容器。
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