JP4435515B2 - 食品容器 - Google Patents

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この発明は、湯切り機能付き即席食品用包装容器に関する。
従来、ラーメン、焼きそば、スパゲティ、白米、赤飯等、喫食に際して注湯を行い、その後に湯切り作業を必要とするインスタント食品用のカップ容器としては、発泡ビーズカップ製の容器本体に、シート成形により作製されたプラスチック樹脂性の蓋材を被せたかぶせ蓋方式が広く使用されている。この蓋材は周縁部が上記容器本体と嵌合できる構造をし、その周縁部付近の一部に複数のU字状をしたツメの切り込みを設けており、そのツメを立てて湯切りを行うことができる。
しかしこのかぶせ蓋方式は、容器本体に蓋材が被せてあるだけなので、密封性がなく、また、上記ツメは一部にしか形成させることができないため、湯切りが完了するまでの時間が非常にかかってしまう問題を有する。さらに、湯切り時には上記容器本体と上記蓋材との嵌合を保つために、周縁部付近の対向する二箇所を手で押さえなければならず、熱くて持っていられなくなる可能性があり、また、湯と内容物の重みで嵌合が外れてしまい、内容物がこぼれ落ちる可能性もあった。
この問題を解決するために、蓋材を複合シートと表面シートとの間に剥離剤が塗布された剥離領域と、両シート間に剥離剤を塗布しない非剥離領域とに分け、剥離領域内の非剥離領域の複合シートに円形の湯切り口ハーフカットを複数入れた湯切り孔付き蓋が特許文献1に記載されている。この蓋材を容器から剥がす場合、剥離剤が塗布された剥離領域の表面シートは複合シートから剥離してめくることができるが、湯切り口ハーフカットで囲まれた部分は、剥離剤が塗られていないため剥離されずに、表面シートとともに複合シートの層までめくられ、容器上に残された複合シート上に孔が形成される。そして、この孔から湯切りをすることができる。
特開2000−229674号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、剥離領域内における剥離剤の塗布位置と、湯切り口ハーフカット位置との高度な見当精度が必要であるとともに、ハーフカット自体の深さについても高度なカッティング技術が必要となるため、製造工程が複雑で非常に手間が掛かっていた。
また、ハーフカットの精度を保つために、孔をある一定以上の大きさに保たざるを得ず、湯切り時に麺やかやく等が流出するおそれがあった。
そこでこの発明は、喫食に際して注湯した後に湯切りを行う即席食品において、使用前は十分な密封性を有し、より簡便な方法で作製することができ、使用時にはより安全、迅速に、かつ湯残り無く湯切りを行うことができる包装容器を提供することを目的とする。
この発明は、上面に開口部を有する容器本体と、上記容器本体の開口部に設けられたフランジに接着して内容物の食品を密封する蓋材とからなり、上記蓋材が、外側から上記フランジに接する内側に向かって、基材フィルム/第一接着層/バリアフィルム/第二接着層/有孔フィルムの順に積層された多層フィルムからなり、上記蓋材は、上記容器本体を密封するための蓋材本体と、上記蓋材本体の周縁部の少なくとも一部を、上記フランジより外側に張り出させて、湯切り口を開口するための湯切り用張出部とから構成され、上記湯切り用張出部の外周の一点から、上記フランジと上記蓋材とが接着された部分である第一接着部まで、上記第一接着部から、上記湯切り用張出部が設けられた側の上記フランジと上記蓋材との接着部分を経由して第二接着部まで、かつ、上記第二接着部から、上記湯切り用張出部の外周の他の一点までのそれぞれの間に、上記蓋材の有孔フィルム側から上記有孔フィルムを貫通して上記第二接着層まで達する切り込みを設け、上記有孔フィルムには二つ以上の孔が開孔され、それぞれの孔の孔径は2〜5mmの範囲であり、かつ、孔の中心同士の間隔が3〜10mmである、湯切り機能付き即席食品包装容器によって、上記の問題を解決したのである。
蓋材を容器本体に接着させるので、開封するまでは密封性を向上させることができる。また、開封時には切り込みを端として第二接着層より外側の層を剥がし、孔の開いた有孔フィルムを露出させて湯切りを行うが、有孔フィルムは容器本体に接着したままとなるので湯切り付近を手で押さえておく必要が無くなる。さらに、あらかじめ孔の開いた有孔フィルムを積層させて蓋材を作製するため、蓋の作製時には複雑な手順を必要とせず、簡便な方法で孔を開けることができる。そのため、湯切りの際に内容物が落下しにくい小さな孔を開けておくことができ、湯切り時にはその孔の位置、数、大きさにより、容易にすばやく湯切りを行うことができる。
この発明にかかる湯切り機能付き即席食品包装容器を用いると、蓋材を容器本体に接着させるので、開封するまでは密封性を向上させることができる。
また、開封時には切り込みを端として第二接着層より外側の層を剥がし、孔の開いた有孔フィルムを露出させて湯切りを行うが、有孔フィルムは容器本体に接着したままとなるので湯切り付近を手で押さえておく必要が無くなる。
さらに、あらかじめ孔の開いた有孔フィルムを積層させて蓋材を作製するため、蓋の作製時には複雑な手順を必要とせず、簡便な方法で孔を開けることができる。そのため、湯切りの際に内容物が落下しにくい小さな孔を開けておくことができ、湯切り時にはその孔の位置、数、大きさにより、容易にすばやく、かつ湯残り無く、湯切りを行うことができる。
以下、この発明を詳細に説明する。この発明は、図1(a)(b)に示すように、上面に開口部を有する容器本体1と、この容器本体1の開口部に設けられたフランジ1aに接着して内容物の食品3を密封する蓋材2とからなる。上記フランジ1aは、少なくとも蓋材2を接着させることができるだけの平面積を持っている。
上記蓋材2は、図2(a)に示すような、外側から上記フランジに接する内側へ向かって基材フィルム11/第一接着層12/バリアフィルム13/第二接着層14/有孔フィルム15の順に積層された積層フィルムを切り抜いたものである。
上記の基材フィルム11は、蓋材2の最外部になり、この発明にかかる密封容器を商品として使用する場合に、製品の内容を表示して購買者に訴える役割を有するため、印刷性能の良好な材料から構成されることが好ましい。この材料としては紙等の蓋として必要な剛性のあるものが挙げられる。この紙の例としては、片アート紙やコート紙、晒クラフト、上質紙等が挙げられる。また、基材フィルム11として紙を用いる場合は、耐水性や耐久性を持たせるために、セロハン、ポリエステルフィルム、一軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレン(以下「OPP」と称する。)フィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム等のフィルム材料を上記の紙類の層に接着剤で貼り合わせた複合フィルムであるとより望ましい。上記ポリエステルフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と称する。)フィルムが挙げられる。また、上記の紙類の層と上記フィルム材料等を貼り合わせる接着剤としては、例えば押出ラミネート法による低密度ポリエチレンやポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
上記のバリアフィルム13は、蓋材2の密封性を確保するため、ガスバリア性の高いことが必要である。このようなガスバリアフィルム13の例としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着された二軸延伸PETフィルム、酸化アルミニウム蒸着された二軸延伸PETフィルム、酸化珪素蒸着された二軸延伸PETフィルムなどが挙げられる。
上記有孔フィルム15は、内容物の食品3を落下させることなく湯切りを行うために、複数の孔が開孔されていることが必要である。上記孔の形状は特に限定されないが、円形であると開孔しやすいため望ましい。孔の孔径は、2〜5mmであることが必要であり、2.5〜4mmであればより望ましい。2mm未満では、湯切りの際に湯が流れ出るのに時間がかかりすぎてしまうことがある。一方で、5mmを超えると、湯切りの際に内容物の食品3が孔から落下してしまうおそれがある。
上記孔の中心同士の間隔は、3〜10mmであることが必要であり、5〜10mmであることが望ましい。なお、孔を形成させるために、上記の間隔は上記孔の孔径より大きくなくてはならない。上記の間隔が3mm未満であると、孔の孔径が最小の2mmであっても孔と孔との間で強度が維持しきれずに、有孔フィルム15が破れる可能性がある。一方で、上記の間隔が10mmより長いと、形成される孔の個数が少なすぎて、湯切りに時間がかかりすぎるおそれがある。なお、上記の孔の配置は偏在していないことが望ましく、並びが縦横に直交したり、直線上又は弧上に整然と並んでいたりすると視覚的に美しいためより望ましい。また、湯残りを起こさないように、容器本体1に接着した際にフランジ1aに隣接する孔があるとなお望ましい。
上記の孔を開ける方法としては、特に限定するものではないが、第二接着層14と接着させる前にあらかじめ孔を開けておくと、深さ等の細かい微調整を必要としないため望ましい。その際に孔を開ける方法としては、熱針を突き刺して孔を開ける方法や、型抜きによる方法等がある。孔の形状としては、例えば円、三角、四角、六角等、特に限定するものではない。
上記の有孔フィルム15は、湯切りの際にフィルムの破れが生じない程度の強度を有していることが望ましく、かつ、第二接着層14から剥離可能であるフィルムと、ヒートシールによりフランジ1aと接着可能なシーラント材とから構成されていることが望ましい。上記剥離可能であるフィルムは、第二接着層14と相溶性が無いことが望ましく、また、上記シーラント材と接着させるために片面に熱接着性樹脂層が積層されていると望ましい。この熱接着性樹脂層とは、ヒートシールが可能な樹脂の層であり、この樹脂としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィンが挙げられる。また、このように、第二接着層14と相溶性の無い上記剥離可能であるフィルムとしては、特に限定されるものではなく、例えば第二接着層14が低密度ポリエチレンであれば、OPPフィルム等が挙げられる。このように、OPPフィルムに上記熱接着性樹脂層を積層したものとしては、例えば、片面ヒートシールOPPフィルムと呼ばれるフィルムが挙げられる。
上記シーラント材の材料としては、容器本体1のフランジ1aと接着可能であれば特に限定されるものではないが、押出ラミネート用熱可塑性樹脂であると望ましい。これを用いると、押出ラミネート法によって上記剥離可能なフィルムに直接積層することができ、別に接着剤を用いずに済むという利点がある。
上記の第一接着層12は、基材フィルム11とバリアフィルム13とを接着させるためのものであり、上記の第二接着層14は、バリアフィルム13と有孔フィルム15とを接着させるためのものである。これらに用いる材料の例としては、低密度ポリエチレン等が挙げられる。
次に、積層方法について説明する。接着の順序としては特に限定されるものではないが、例えば、先に第一接着層12を挟む、基材フィルム11/第一接着層12/バリアフィルム13からなる複合フィルムを先に積層させ、それからこの複合フィルムに第二接着層14を介して有孔フィルム15を積層させると望ましい。この順序で行うことにより、伸びの少ないフィルムから積層させることができ、フィルムを安定に積層させることができる。逆から積層させると、有孔フィルム15の伸縮により、バリアフィルム13のアルミニウム箔等が割れるおそれがある。
このような順序で積層させる場合、例えば、第一接着層12と第二接着層14とを形成させる方法としては、押出ラミネート法で低密度ポリエチレンを溶融押出して、前後のフィルムを積層する方法が挙げられる。また特に、第二接着層14を低密度ポリエチレンで形成させる際の溶融押出温度は、250〜290℃とすることが望ましく、270〜280℃であればより望ましい。250℃未満であると成形が難しくなる場合があり、290℃を超えると上記の接着層14と有孔フィルム15との間での剥離が難しくなる場合がある。
また、第二接着層14を積層させる前に、基材フィルム11からバリアフィルム13までを積層させた複合フィルムのバリアフィルム13側の面に、あらかじめアンカーコートを施しておくと、バリアフィルム13と第二接着層14との接着強度が増すので好ましい。同様の理由により、第二接着層14を低密度ポリエチレンで形成させる際に、溶融押出された低密度ポリエチレンにオゾンを吹きつけて酸化させると、バリアフィルム13と第二接着層14との接着強度がさらに増すので好ましい。
上記の第二接着層14と有孔フィルム15との接着強度は、0.2〜1.0N/15mmであることが望ましく、0.3〜0.6N/15mmであればより望ましい。また、上記のバリアフィルム13と第二接着層14との接着強度は、1.0〜20N/15mmであることが望ましく、3.0〜10N/15mmであればより望ましい。上記の第二接着層14と有孔フィルム15との接着強度が、上記のバリアフィルム13と第二接着層14との接着強度より低いと、上記蓋材2が第二接着層14と有孔フィルム15との間で剥がれやすく、有孔フィルム15のみを残しやすくなる。ただし、各々の接着強度の差が小さいと、上記の第二接着層14と有孔フィルム15との間だけではなく、上記のバリアフィルム13と第二接着層14との間でも剥がれるおそれがあるため、接着強度に差があるほど望ましい。また、上記バリアフィルム13と第二接着層14との接着強度は、高いほど望ましいが、20N/15mmを超えることは現実的でない。一方で、上記の第二接着層14と有孔フィルム15との間の接着強度が0.2N/15mm未満であると、力を加えなくても剥がれてしまう可能性があるため、望ましくない。
また、上記蓋材2と容器本体1との接着強度は、上記の第二接着層14と有孔フィルム15との接着強度よりも高いことが好ましい。上記蓋材2と容器本体1との接着強度の方が低いと、湯切り口を開けようとして蓋材2が有孔フィルム15ごと剥がれる可能性がある。
上記のような構成からなる蓋材2は、図1(a)及び図3(a)に示すように、容器本体1の開口部を覆う蓋材本体からフランジ1aの外に張り出している、湯切り用張出部31を有していることが必要である。この湯切り用張出部31は、上記蓋材2の面の一部分において第二接着層14より外部の層を剥ぎとって、有孔フィルム15のみを残して湯切り口を形成させるために、手で摘むための部位である。なお、図中の破線35は、フランジ1aとの接触領域を示す仮想的な線である。
また、上記蓋材2は、図2(a)及び図3(b)に示すように、湯切り用張出部31の外周の所定の一点Aから、フランジ1aと蓋材2とが接着された所定の第一接着部Bまで、上記第一接着部Bから、湯切り用張出部31内のフランジ1aと蓋材2とが接着する部分である弧状ラインCを経由して所定の第二接着部Dまで、かつ、上記第二接着部Dから、湯切り用張出部31の外周の他の所定の一点Eまでのそれぞれの間に、有孔フィルム15側から有孔フィルム15を貫通して第二接着層14まで達する切り込み32が設けられていることが必要である。
この切り込み32と周縁とによって囲まれた湯切り用張出部31のいずれかを摘んで蓋材2を剥がそうとすると、切り込み32によって剥がす力が第二接着層14にかかる。ここで、第二接着層14と有孔フィルム15との接着強度よりも、バリアフィルム13と第二接着層14との接着強度、及び、有孔フィルム15とフランジ1aとの接着強度の方が強いと、有孔フィルム15を容器本体1に接着させたまま、図2(b)に示すように、第二接着層14から基材フィルム11までを剥がすことができる。このように剥がしやすくするために、第二接着層14と、有孔フィルム15との境界面において、少なくとも切り込み32の周囲に離型剤を塗布して、離型層を設けているとより望ましい。
さらに、上記の蓋材2には、図1(a)及び図3(a)に示すように、蓋材2の周縁部の一端から、蓋材2の周縁部の別の一端へ向かって、基材フィルム11から第二接着層14まで貫通された剥離用切目線33を設けてあることが望ましい。この剥離用切目線33は直線であると線を入れやすく望ましいが、必ずしも直線でなくてもよく、曲線であってもよい。また、それぞれの周縁部の一端が上記の所定の一点A及び他の一点Eと共通であるとより望ましい。さらに、上記第一接触部B及び上記第二接触部Dまで剥離用切目線33も共通であり、そこから切り込み32と剥離用切目線33とが分かれると構造上より望ましい。これにより、切り込み32の両端部には剥離用切目線33の両端部と合わせて、蓋材2を貫通するノッチが設けられていると望ましい。
なお、上記の湯切り用張出部31の外周の所定の一点A及び他の一点Eとは、湯切り時に有孔フィルム15を露出させるためにめくられた蓋材2の両外縁端となる位置、すなわち、有孔フィルム15を露出させるために蓋材2をめくったとき、めくられた蓋材2とめくられない蓋材2との境界部の両端となる位置である。また、上記のフランジ1aと蓋材2とが接着された所定の第一接着部B及び第二接着部Dとは、有孔フィルム15を露出させるために蓋材2をめくったとき、露出した有孔フィルム15とめくられていない蓋材2との境界の、フランジ1a上の外縁部である。さらに、上記の湯切り用張出部31内のフランジ1aと蓋材2とが接着する部分である弧状ラインCとは、フランジ1aの上に位置し、湯切り時に蓋材2を剥がした後は、フランジ1a上に残る有孔フィルム15の外縁となる。
上記湯切り用張出部31は、この剥離用切目線33によって区切られる蓋材2の二つの領域のうち、少なくとも一つの領域側で、蓋材2を剥がすために指で摘める面積と形状とを持っていることが必要である。また、この領域側の有孔フィルム15には、2つ以上の上記孔が開いていることが必要である。
この剥離用切目線33により、湯切り用張出部31から蓋材2を剥がして有孔フィルム15を露出させる際に、蓋材2の全域を剥がすのではなく、図1(c)に示すように、剥離用切目線33で分けられた一方の領域だけを剥がすことができる。なお、有孔フィルム15はこの領域に、上記孔を有している必要がある。剥離用切目線33を設けていると、この領域だけが、湯切り用張出部31から蓋材2を剥がした際に剥がれる部分であるため、この領域内に孔が無くてはこの発明の効果が望めなくなってしまうためである。
また、蓋材2には注湯用摘み部34を設けていることが望ましい。湯切り口を開かせるには、湯切り用張出部31から剥離用切目線33まで蓋材2の基材フィルム11から第二接着層14までをはぎ取るが、そのままでは湯を入れるのが難しく、別の口から蓋材を剥がして湯を注ぐ口を作らなければならないからである。このため、上記の注湯用摘み部34は、剥離用切目線33で分けられた二つの領域のうち、湯切り用張出部31から剥離することによって孔が露出する側の反対側の領域に設けることが望ましい。
以下、実施例によりこの発明をさらに詳細に説明する。それぞれの素材としては以下のものを使用した。
・容器本体・・開口部が直径180mmで、容積1000mlの丸型カップ
・基材フィルム・・片アート紙(日本製紙(株)製 79.1g/m2
・バリアフィルム・・アルミニウム箔(東洋アルミニウム(株)製:アルミ箔 厚さ7μm)
・有孔フィルム・・片面ヒートシールOPPフィルム(サン・トックス(株)製:サントックスOP 片面に熱接着性樹脂層を積層させたOPPフィルム 厚さ30μm)にシーラント材(三井・デュポンポリケミカル(株)製:CMPS 厚さ20μm)を、溶融押出温度を250℃に設定した押出ラミネート法によりヒートシール可能な側の面を介して積層したフィルムに、各々所定の孔径と孔間隔で型抜きを行い、孔を開けたもの
・内容物の食品・・乾麺100gとかやく
蓋材の作製は以下の手順により行った。まず、基材フィルムとバリアフィルムとを、溶融押出温度を320℃に設定した押出ラミネート法によって低密度ポリエチレン(三井化学(株)製:ミラソン 密度=0.919 以下、「PE」と略す。)を厚さ20μmの第一接着層として貼り合わせ、複合フィルムとした。さらに、この複合フィルムのバリアフィルム面にアンカーコートを施し、押出ラミネート法によって、溶融押出温度270℃で溶融押出されたPEに対して、バリアフィルムと装着される面にオゾンを吹き付けて酸化を促進させながら、PEを厚さ20μmの第二接着層として、有孔フィルムと貼り合わせて、積層フィルムとした。
上記の積層フィルムを、1つの摘み部とその反対側を中心に半周以上を占める湯切り用張出部とを有する円形の蓋材として型抜きした。これと同時に、湯切り用張出部の一端から別の一端まで摘み部に対向する弦を描く位置に、基材フィルムから第二接着層まで達する剥離用切目線を入れた。さらに、剥離用切目線の始まる湯切り用張出部の一端から剥離用切目線に沿い、この剥離用切目線とフランジとが交差する第一接着部で有孔フィルムに孔のある側のフランジと蓋材の接触する部分に沿い、剥離用切目線とフランジとがもう一箇所で交差する第二接着部で再び剥離用切り目線に沿う、有孔フィルムから第二接着層まで達する切り込みを入れ、蓋材を作製した。この蓋材を容器本体へヒートシールした。
[湯切り適性]
(実施例1、2)
有孔フィルムに開ける孔を、孔の中心同士の間隔を10mmとし、孔の直径を2.5mm(実施例1)、4mm(実施例2)として上記の蓋材を作製し、注湯用摘み部から蓋材を剥がして100℃400mlの湯を注湯し、3分経過後に、湯切り用摘み部から蓋材を剥がして有孔フィルムを露出させ、容器を90度傾けて湯切りを行った。その結果を表1に示す。なお、使い勝手は、排湯が20秒以内に完了し、かつ、麺とかやくとが流出しないものを「〇」とし、排湯完了までの時間が20秒を超えるものを「×1」、麺やかやくが流出するものを「×2」とした。
(比較例1、2)
孔の直径を1mm(比較例1)、6mm(比較例2)とした以外は実施例1と同様にして蓋材を作製し、湯切りを行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004435515
(実施例3、4)
有孔フィルムに開ける孔を、孔の直径を2mmとし、孔の中心同士の間隔を5mm(実施例3)、10mm(実施例4)として上記の蓋材を作製し、湯切りを行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
孔の中心同士の間隔を15mmとした以外は実施例3と同様にして蓋材を作製し、湯きりを行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004435515
[接着強度による適性]
(実施例5〜8)
第二接着層と有孔フィルムとの接着強度が0.1(実施例5)、0.2(実施例6)、1.0(実施例7)、1.5(実施例8)N/15mmである蓋材を作製し、容器本体にヒートシールして容器を作製した。なお、測定はJIS K 7127の通りに行い、測定条件は90°剥離、引張強度は300mm/minとした。この容器から、蓋材の基材フィルムから第二接着層までを、人手により剥離するよう試みた。その結果を表3に示す。
Figure 0004435515
[押出ラミネートの溶融樹脂温度による適性]
(実施例9〜12)
バリアフィルムと有孔フィルムとを接着させる第二接着層にするPEを溶融押出する温度を、それぞれ240℃(実施例9)、250℃(実施例10)、290℃(実施例11)、300℃(実施例12)に変更して、蓋材を作製した。その結果を表4に示す。
Figure 0004435515
(a)この発明にかかる食品容器の外観図、(b)(a)のL−L断面図、(c)湯切りを行う際の食品容器の外観図 (a)この発明にかかる食品容器の部分拡大断面図、(b)湯切り口の蓋材を剥離する際の部分拡大断面図 (a)蓋材の基材フィルム側から見た配置図、(b)蓋材の有孔フィルム側から見た配置図
符号の説明
1 容器本体
1a フランジ
2 蓋材
3 内容物の食品
11 基材フィルム
12 第一接着層
13 バリアフィルム
14 第二接着層
15 有孔フィルム
31 湯切り用張出部
32 切り込み
33 剥離用切目線
34 注湯用摘み部
35 フランジと蓋材との接触領域仮想線
A,E 湯切り用張出部の所定の一点
B,D 第一接着部又は第二接着部
C 弧状ライン

Claims (2)

  1. 上面に開口部を有する容器本体と、上記容器本体の開口部に設けられたフランジに接着して内容物の食品を密封する蓋材とからなり、
    上記蓋材が、外側から上記フランジに接する内側に向かって、基材フィルム/第一接着層/バリアフィルム/第二接着層/有孔フィルムの順に積層された多層フィルムからなり、
    上記蓋材は、上記容器本体を密封するための蓋材本体と、上記蓋材本体の周縁部の少なくとも一部を、上記フランジより外側に張り出させて、湯切り口を開口するための湯切り用張出部とから構成され、
    上記湯切り用張出部の外周の一点から、上記フランジと上記蓋材とが接着された部分である第一接着部まで、上記第一接着部から、上記湯切り用張出部が設けられた側の上記フランジと上記蓋材との接着部分を経由して第二接着部まで、かつ、上記第二接着部から、上記湯切り用張出部の外周の他の一点までのそれぞれの間に、上記蓋材の有孔フィルム側から上記有孔フィルムを貫通して上記第二接着層まで達する切り込みを設け、
    上記第二接着層と上記有孔フィルムとの境界面のうち、少なくとも上記切り込みの周囲に離型剤を塗布した離型層を設け、
    上記有孔フィルムには二つ以上の孔が開孔され、それぞれの孔の孔径は2〜5mmの範囲であり、かつ、孔の中心同士の間隔が3〜10mmである、湯切り機能付き即席食品包装容器。
  2. 請求項に記載の湯切り機能付き即席食品包装容器の上記蓋材の上記第二接着層を、低密度ポリエチレンを原料として押出ラミネート法によって形成させ、その溶融押出温度を250〜290℃とする、湯切り機能付き即席食品包装容器の製造方法。
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