JP6287364B2 - 包装材料及びそれを用いた包装容器 - Google Patents
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以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る包装容器10の斜視図である。
図4は第2実施形態に係る包装材料110の層構成を示す概略断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜3に示す第1実施形態と同様の説明には同一の符号を付している。本実施形態の包装材料110は接着層115が厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体のみで形成されている。エチレンメタクリル酸共重合体は厚さ25μm以上であれば、アンカーコート剤等の接着剤を使用しなくてもバリア層114とヒートシール層116とを高いラミネート強度で接着することができる。また、エチレンメタクリル酸共重合体はドライラミネート用接着剤と比較して長年の使用によっても劣化し難く、溶剤に起因する臭気も少ない。従って、バリア層114とヒートシール層116との間のデラミネーションを防止できるとともに、ヒートシール層116を透過する臭気成分を低減して内容物の初期品質を良好に保持することができる。
比較例1に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115及びヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。比較例1に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面にドライラミネート用接着剤を介してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。ここで、シーラントフィルムには環状オレフィン共重合体(厚さ15μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ25μm)、環状オレフィン共重合体(厚さ15μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ5μm)の順に積層されたフィルムを用いた。このとき、厚さ15μmの環状オレフィン共重合体が接着層115側に配される。
比較例2に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115及びヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。比較例2に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成するドライラミネート用接着剤を介してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。ここで、シーラントフィルムには厚さが60μmの直鎖状低密度ポリエチレンのフィルムを用いた。
比較例3に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115及びヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。比較例3に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したポリエチレン(厚さ30μm)を押出してシーラントフィルムを接着した。ここで、ヒートシール層116であるシーラントフィルムには直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ30μm)から成るフィルムを用いた。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムの接着層115側の面にはアンカーコート剤を塗布した。
比較例4に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例4に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したポリエチレン(厚さ30μm)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムの接着層115側の面にはアンカーコート剤を塗布した。
比較例5に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例5に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN42012C、厚さ20μm、酸含有量9%、融点100℃)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
比較例6に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例6に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN4228C、厚さ20μm、酸含有量4%)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
比較例7に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例7に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融した直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、SP1071C 厚さ30μm、密度0.91g/cm3、融点100℃)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
比較例8に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。実施例8に係る包装材料は接着層115をエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製、AN42012C 厚さ15μm、酸含有量9%、融点100℃)と低密度ポリエチレン(LDPE)((株)プライムポリマー製、LC602A 厚さ15μm、密度0.919g/cm3、融点107℃)とを共押出しして形成した。
ラミネート強度の評価は実施例1〜6、比較例1〜8に係る包装材料のバリア層114と接着層115との間及び接着層115とヒートシール層116との間のラミネート強度の変化を測定して行った。また、内容物に浸漬後の接着層115とヒートシール層116との間のラミネート強度の変化も併せて測定した。
内容物に対する品質保持性能の評価は実施例1〜6、比較例1〜8に係る包装材料110で10cm×10cmの包装袋(ヒートシール幅1cm)を形成した後、包装袋内部に70℃の日本酒を充填したときと蒸留水を充填したときとで内容物の味覚の変化をそれぞれ評価した。これを10人の治験者によりそれぞれ行い、10人中9人以上が内容物に接着剤又は樹脂に起因する臭気がしないと評価した場合、内容部に対する品質保持性能に優れると判断した(◎)。また、10人中6人以上が内容物に接着剤又は樹脂に起因する臭気がしないと評価した場合、内容部に対する一定の品質保持性能を有すると判断した(○)。また、10人中5人以下が内容物に接着剤又は樹脂に起因する臭気がすると評価した場合、内容部に対する品質保持性能に劣ると判断した(×)。その結果を表3に示す。
非吸着性についての評価は実施例1〜6、比較例2、3に係る包装材料を10cm×10cmに裁断した後、ガラス容器内にメントール100gと裁断した包装材料110を密封して40℃で1週間保管した。このとき、包装材料の保管前後における質量変化を測定した。また、質量変化が+0.1g未満の場合、非吸着性に優れると判断した(◎)。また、質量変化が+0.1g以上+0.5g以下の場合、一定の非吸着性を有すると判断した(○)。また、質量変化が+0.5gより大きい場合、非吸着性が劣ると判断した(×)。その結果を表3に示す。
11a、11b ヒートシール部
110 包装材料
112 基材層
113 接着剤
114 バリア層
115 接着層
115a 上層部
115b 下層部
116 ヒートシール層
117 熱接着性樹脂層
Claims (10)
- 少なくとも基材層と、ガスバリア性を有するバリア層と、熱接着性樹脂から成るヒートシール層とを順次積層した包装材料であって、前記ヒートシール層が環状オレフィン共重合体から成る層を含み、前記バリア層と前記ヒートシール層を接着する接着層が前記バリア層側に配されるエチレンメタクリル酸共重合体と前記ヒートシール層側に配される直鎖状低密度ポリエチレンから成り、前記バリア層は前記接着層と接する面にポリエチレンテレフタレートから成る層を有し、前記ヒートシール層は前記接着層と接する面に前記環状オレフィン共重合体から成る層又は直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴とする包装材料。
- 前記接着層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であり、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.92g/cm3未満であり、エチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
- 少なくとも基材層と、ガスバリア性を有するバリア層と、最内層に配されて熱接着性樹脂から成るヒートシール層とを順次積層した包装材料であって、前記ヒートシール層が環状オレフィン共重合体から成る層を含み、前記バリア層と前記ヒートシール層を接着する接着層が厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体から成り、前記バリア層は前記接着層と接する面にポリエチレンテレフタレートから成る層を有し、前記ヒートシール層は前記接着層と接する面に前記環状オレフィン共重合体から成る層又は直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴とする包装材料。
- 前記接着層を構成するエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であるとともにエチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満であることを特徴とする請求項3に記載の包装材料。
- 前記接着層が溶融押出しにより形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の包装材料。
- 前記ヒートシール層は前記接着層と反対側の面に厚さが5μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の包装材料。
- 前記ヒートシール層は前記接着層と反対側の面に厚さが10μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂から成る層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の包装材料。
- 前記基材層が紙基材を含むことを有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の包装材料。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の包装材料の端部をヒートシールして形成されることを特徴とする包装容器。
- 請求項6又は請求項7のいずれかに記載の包装材料の端部をヒートシールして形成される包装容器であって、ヒートシール部のヒートシール強度が25N/15mm以上であることを特徴とする包装容器。
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