JP6287364B2 - 包装材料及びそれを用いた包装容器 - Google Patents

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本発明は、食品、薬品等を収納する容器に用いられる包装材料及びそれを用いた包装容器に関する。
従来、包装容器に用いられる包装材料としては、紙基材から成る基材層と、ガスの透過を防ぐバリア層と、熱接着性樹脂から成るヒートシール層と、バリア層とヒートシール層を接着する接着層とを有する積層体が使用されていた。ここで、ヒートシール層には低密度ポリエチレン樹脂が使用され、接着層にはドライラミネート用接着剤であるポリウレタン系接着剤が使用されていた。この包装材料を用いて形成された包装容器内には清酒、焼酎等のアルコール飲料やコーヒー、果実飲料などのノンアルコール飲料が包装される。しかし、接着層に使用したポリウレタン系接着剤の溶剤に起因する臭気成分がヒートシール層を通過して内容物中に移行し、内容物の品質、特に、味覚を損なってしまう問題があった。
この問題を解決するために特許文献1ではヒートシール層に環状オレフィン共重合体から成る層が含まれている。環状オレフィン共重合体はポリウレタン系接着剤の溶剤に起因する臭気を透過し難い性質を有する。このため、ポリウレタン系接着剤の溶剤に起因する臭気の透過をヒートシール層で遮断し、包装した内容物の品質低下を防止することができる。
特開2008−221606号公報
しかしながら、上記包装材料によると、包装容器内の内容物に含まれるアルコール等の成分はヒートシール層を透過してバリア層に到達し、バリア層とヒートシール層との間に蓄積される。このため、長年の使用によりポリウレタン系接着剤から成る接着層が劣化してバリア層とヒートシール層との間でデラミネーションが発生する問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み、バリア層とヒートシール層とのデラミネーションを防止する包装材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、少なくとも基材層と、ガスバリア性を有するバリア層と、熱接着性樹脂から成るヒートシール層とを順次積層した包装材料であって、前記ヒートシール層が環状オレフィン共重合体から成る層を含み、前記バリア層と前記ヒートシール層を接着する接着層が前記バリア層側に配されるエチレンメタクリル酸共重合体と前記ヒートシール層側に配される直鎖状低密度ポリエチレンから成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記接着層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であり、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.92g/cm未満であり、エチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、少なくとも基材層と、ガスバリア性を有するバリア層と、熱接着性樹脂から成るヒートシール層とを順次積層した包装材料であって、前記ヒートシール層が環状オレフィン共重合体から成る層を含み、前記バリア層と前記ヒートシール層を接着する接着層が厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体から成ることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記接着層を構成するエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であるとともにエチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満であることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記接着層が溶融押出しにより形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記ヒートシール層は前記接着層と反対側の面に厚さが5μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記ヒートシール層は前記接着層と反対側の面に厚さが10μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂から成る層を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記ヒートシール層は前記接着層と接する面に環状オレフィン共重合体から成る層を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記ヒートシール層は前記接着層と接する面に直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料において、前記基材層が紙基材を含むことを有することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料から成る包装容器であって、前記包装材料の端部をヒートシールして形成されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の包装材料から成る包装容器であって、前記包装材料の端部をヒートシールして形成され、ヒートシール部のヒートシール強度が25N/15mm以上であることを特徴としている。
本発明によると、バリア層側に配されるエチレンメタクリル酸共重合体とヒートシール層側に配される直鎖状低密度ポリエチレンから成る接着層によりバリア層とヒートシール層とが接着される。これにより、バリア層とエチレンメタクリル酸共重合体とが強固に接着され、ヒートシール層と直鎖状低密度ポリエチレンとが強固に接着される。また、直鎖状低密度ポリエチレンとエチレンメタクリル酸共重合体との層間接着強度も高い。このため、バリア層とヒートシール層とを高いラミネート強度で接着することができる。また、エチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンはドライラミネート用接着剤と比較して長年の使用によっても劣化し難く、溶剤に起因する臭気も少ない。従って、バリア層とヒートシール層との間のデラミネーションを防止できるとともに、ヒートシール層を透過する臭気成分を低減して内容物の初期品質を良好に保持することができる。
また本発明によると、厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体から成る接着層によりバリア層とヒートシール層とが接着される。これにより、バリア層とヒートシール層とを高いラミネート強度で接着することができる。エチレンメタクリル酸共重合体はドライラミネート用接着剤と比較して長年の使用によっても劣化し難く、溶剤に起因する臭気も少ない。従って、バリア層とヒートシール層との間のデラミネーションを防止できるとともに、ヒートシール層を透過する臭気成分を低減して内容物の初期品質を良好に保持することができる。
本発明の第1実施形態に係る包装容器の斜視図 本発明の第1実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図 本発明の第1実施形態に係る包装材料のヒートシール層の層構成を示す概略断面図 本発明の第2実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る包装容器10の斜視図である。
包装容器10は所定形状に断裁された包装材料110(図2参照)の端部を重ね合わせて所定幅でヒートシール部11a、11bをヒートシールして箱状に形成される。ヒートシール部11aでは包装材料110の最内層のヒートシール層116(図2参照)が対向してヒートシールされる。ヒートシール部11bではスカイブヘミング方式によりヒートシールされる。具体的には、包装材料110の端縁の最外層側を所定厚さで切除(スカイブ)して最内層に配されるヒートシール層116を最外層側に折り返して折り曲げ(ヘミングし)、最外層側に折り返されたヒートシール層116と重なるヒートシール層116とを対向させてヒートシールする。これにより、包装材料110の端縁において断面が内容物と接することを防止し、内容物を汚染したり、包装材料110の紙層を伝わって内容成分が浸透して、積層体の強度低下、層間剥離、密封性の不良等が生じたりするという問題を防止することができる。包装容器10内部には果汁飲料、ジュース、お茶類、コーヒー、乳飲料、スープ等のノンアルコール飲料や清酒、焼酎等のアルコール飲料、メントール成分を含む薬品等が内容物(不図示)として封入されている。
図2は包装材料110の層構成を示す概略断面図である。包装材料110は基材層112、バリア層114、ヒートシール層116が順次積層された積層体から成っている。基材層112とバリア層114とは接着層113を介して接着されている。また、バリア層114とヒートシール層116とは接着層115を介して接着されている。
基材層112は包装容器10(図1参照)の外面側に配され、紙から成る。また、基材層112の上面にはポリエチレンから成る熱接着性樹脂層117が形成される。熱接着性樹脂層117は基材層112の上面にポリエチレンを溶融押出しして形成される。熱接着性樹脂層117は包装材料110で形成された包装容器10に耐水性を付与する。また、熱接着性樹脂層117の上面には印刷が施されている。
基材層112は包装容器10に剛性、腰、強度等を付与する。具体的には、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の各種の紙を使用することができる。
接着層113はドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出ラミネート法、熱ラミネート法等の方法によって基材層112とバリア層114とを接着する樹脂層から成っている。ドライラミネート法では例えば、ポリウレタン系の接着剤等が用いられる。押出ラミネート法及び共押出ラミネート法に用いられる押出し樹脂はドライラミネート法に用いられる接着剤と比較して長年の使用によっても接着層が劣化し難く、基材層112とバリア層114との間でデラミネーションが発生し難い。このため、押出ラミネート法、共押出ラミネート法を用いることが好ましい。
バリア層114はガスバリア性を有し、外部から包装容器10の内部に水蒸気や酸素が浸入することを防止するとともに包装容器10の外部に内容物の成分(例えば、臭気成分、アルコール成分、メントール成分等)が漏れるのを防止する。バリア層114には耐熱性樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等)、無機化合物(酸化珪素、アルミナ、シリカ等)を蒸着した耐熱性樹脂フィルム、金属箔(アルミニウム、ニッケル等)等を用いることができる。なお、無機化合物を蒸着した耐熱性樹脂フィルムでは蒸着した無機化合物の蒸着面が接着層113側に配される。
接着層115はバリア層114とヒートシール層116とを接着し、バリア層114側に配した上層部115a及びヒートシール層116側に配した下層部115bを有する。上層部115aはエチレンメタクリル酸共重合体(EMMA)から成り、下層部115bは直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)から成っている。
バリア層114(耐熱性樹脂フィルムや金属箔)とエチレンメタクリル酸共重合体から成る上層部115aとは強固に接着し、ヒートシール層116と下層部115bとは強固に接着する。また、直鎖状低密度ポリエチレンとエチレンメタクリル酸共重合体との層間接着強度も高い。このため、アンカーコート剤等の接着剤を使用しなくてもバリア層114とヒートシール層116とはエチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンを介して高いラミネート強度で接着される。また、エチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンはドライラミネート用接着剤と比較して長年の使用によっても劣化し難く、溶剤に起因する臭気も少ない。従って、バリア層114とヒートシール層116との間のデラミネーションを防止できるとともに、ヒートシール層116を透過する臭気成分を低減して内容物の初期品質を良好に保持することができる。
なお、接着層115はエチレンメタクリル酸共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとの共押出し樹脂で構成することが好ましい。この場合、バリア層114の表面に溶融したエチレンメタクリル酸共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとを共押し出し、ヒートシール層116を構成する樹脂フィルムを貼り合わせる。これにより、バリア層114とヒートシール層116とを容易に接着することができる。
また、接着層115を構成するエチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンの融点は100℃以下が好ましい。これにより、これらの樹脂を低温で溶融押出ししても高いラミネート強度が得られる。また、低温で溶融押出しすることにより、エチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンの臭気の発生を低減することができる。このとき、直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.92g/cm未満とし、エチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満とすることにより、エチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンの臭気の発生をさらに低減することができる。
図3はヒートシール層116の層構成の一例を示す概略断面図である。ヒートシール層116は熱で溶融し、対向するヒートシール層116同士と熱融着する。具体的には、環状オレフィン共重合体(COC)から成る層(以下、COC層116bと称す)の両面に直鎖状低密度ポリエチレンから成る層(以下、LLDPE層116a、116cと称す)が配されている。
COC層116bは接着層115の成分が包装容器10内部へ透過することを防止する。これにより、接着層115の成分が内容物中に移行せず、内容物の初期品質を良好に保持することができる。
また、COC層116bは包装容器10内部から内容物の成分が接着層115側に透過するのを防止する。例えば、内容物がアルコール成分を含有する場合、アルコール成分が接着層115側に透過するのを抑えることができる。これにより、接着層115の劣化を防止してバリア層114と上層部115aとのデラミネーション又は上層部115aと下層部115bとのデラミネーションの発生を防止することができる。また、内容物がメントール成分を含有する場合、メントール成分が接着層115側に透過するのを抑えることができる。これにより、内容物のメントール成分減少による品質低下を防止することができる。
COC層116bを構成する環状オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン・環状オレフィン共重合体ランダム共重合体、環状オレフィン共重合体の開環共重合体の水素化物、グラフト変性したエチレン・環状オレフィン共重合体ランダム共重合体、グラフト変性した環状オレフィン共重合体の開環共重合体などが挙げられる。
また、ヒートシール層116の最内層に配されたLLDPE層116cはシール性に優れ、ヒートシールによってヒートシール層116同士を強固に熱接着する。また、ヒートシール層116は基材層112の外側に設けられた熱接着性樹脂層117とも高いヒートシール強度で熱接着される。なお、LLDPE層116cは厚さ5μm以下であることが好ましい。LLDPE層116cの厚さを5μm以下とすることにより、内容物の成分が吸着されるのを防止して内容物の品質低下を防止することができる。このとき、LLDPE層116c同士のヒートシール強度(15mm巾に断裁されたヒートシール後の各LLDPE層116cを掴んで、樹脂流れ方向に沿ってつかみ間を180度反対方向に相対速度300mm/minで引張試験機を使用して剥離しながら測定したヒートシール強度)を25N/15mm以上とすることにより、包装容器10のヒートシール部11a、11bにおいて高い密封性が得られる。
なお、LLDPE層116cに替えて直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂から成る層(以下、ブレンド樹脂層と称す)をヒートシール層116の最内層に配してもよい。ブレンド樹脂層は厚さ10μm以下であることが好ましい。ブレンド樹脂層は厚さを10μm以下とすることにより、内容物の成分が吸着されるのを防止して内容物の品質低下を防止することができる。このとき、ブレンド樹脂層同士のヒートシール強度(15mm巾に断裁されたヒートシール後の各ブレンド樹脂層を掴んで、樹脂流れ方向に沿ってつかみ間を180度反対方向に相対速度300mm/minで引張試験機を使用して剥離しながら測定したヒートシール強度)を25N/15mm以上とすることにより、包装容器10のヒートシール部11a、11bにおいて高い密封性が得られる。
また、ヒートシール層116の接着層115と接する面に配されたLLDPE層116aは下層部115bと同質の樹脂で構成されるため、高いラミネート強度で接着される。なお、ヒートシール層116の接着層115と接する面に環状オレフィン共重合体から成る層を配しても下層部115bと高いラミネート強度が得られる。
ヒートシール層116のその他の積層構成として、例えば、環状オレフィン共重合体/直鎖状低密度ポリエチレン/環状オレフィン共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンの4層構成、直鎖状低密度ポリエチレン/環状オレフィン共重合体/直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂の3層構成等が挙げられる。なお、環状オレフィン共重合体から成る層を多層構成とすることにより、ヒートシール層116を透過する接着層115の成分及び内容物の成分をより低減することができる。
本実施形態によると、バリア層114側に配されるエチレンメタクリル酸共重合体とヒートシール層116側に配される直鎖状低密度ポリエチレンから成る接着層115によりバリア層114とヒートシール層116とが接着される。これにより、バリア層114とエチレンメタクリル酸共重合体とが強固に接着され、ヒートシール層116と直鎖状低密度ポリエチレンとが強固に接着される。また、直鎖状低密度ポリエチレンとエチレンメタクリル酸共重合体との層間接着強度も高い。このため、バリア層114とヒートシール層116とを高いラミネート強度で接着することができる。また、エチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンはドライラミネート用接着剤と比較して長年の使用によっても劣化し難く、溶剤に起因する臭気も少ない。従って、バリア層114とヒートシール層116との間のデラミネーションを防止できるとともに、ヒートシール層116を透過する臭気成分を低減して内容物の初期品質を良好に保持することができる。
また、接着層115を構成する直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下の場合、これらの樹脂を低温で溶融押出ししてもバリア層114とヒートシール層116との間で高いラミネート強度が得られる。また、低温で溶融押出しすることにより、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体の樹脂臭の発生を抑えることができる。また、直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.92g/cm未満とし、エチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満とすることにより、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体の臭気の発生をさらに低減することができる。
また、ヒートシール層116が最内層側の面に厚さが5μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンを有する場合又は最内層側の面に厚さが10μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂から成る層を有する場合、ヒートシール層116において内容物の成分が吸着されるのを防止して内容物の品質低下を防止することができる。
また、ヒートシール層116は接着層115と接する面に環状オレフィン共重合体から成る層又は直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を配すことにより、環状オレフィン共重合体から成る層と接着層115の直鎖状低密度ポリエチレンとが強固に接着し、バリア層114とヒートシール層116とのデラミネーションの発生をより防止することができる。
また、包装容器10を形成した後のヒートシール部11bにおいてヒートシール層116のヒートシール強度を25N/15mmとすることにより、包装容器10のヒートシール部11bにおいて、高い密封性が得られる。
<第2実施形態>
図4は第2実施形態に係る包装材料110の層構成を示す概略断面図である。説明の便宜上、前述の図1〜3に示す第1実施形態と同様の説明には同一の符号を付している。本実施形態の包装材料110は接着層115が厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体のみで形成されている。エチレンメタクリル酸共重合体は厚さ25μm以上であれば、アンカーコート剤等の接着剤を使用しなくてもバリア層114とヒートシール層116とを高いラミネート強度で接着することができる。また、エチレンメタクリル酸共重合体はドライラミネート用接着剤と比較して長年の使用によっても劣化し難く、溶剤に起因する臭気も少ない。従って、バリア層114とヒートシール層116との間のデラミネーションを防止できるとともに、ヒートシール層116を透過する臭気成分を低減して内容物の初期品質を良好に保持することができる。
このとき、エチレンメタクリル酸共重合体の融点は100℃以下が好ましい。これにより、エチレンメタクリル酸共重合体を低温で溶融押出ししても高いラミネート強度が得られる。また、低温で溶融押出しすることにより、エチレンメタクリル酸共重合体の臭気の発生を低減することができる。また、エチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量は質量百分率で10%未満が好ましい。これにより、バリア層114がポリエチレンテレフタレートを有する場合に、低温で溶融押出ししても接着層115とポリエチレンテレフタレートとの間で高いラミネート強度が得られる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、基材層112を多層化して構成した場合や紙基材を含まない構成とした場合も本発明に含まれる。例えば、基材層112を最外層とした包装材料110で形成されるパウチ状の包装容器10も本発明に含まれる。この場合、基材層112にポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等の種々のフィルムを用いることができる。また、パウチ状の包装容器10を形成する場合又はスカイブヘミング方式を用いない場合、ヒートシール層116と基材層112とのヒートシール強度及びヒートシール層116と熱接着性樹脂層117とのヒートシール強度(15mm巾に断裁されたヒートシール後のヒートシール層116と熱接着性樹脂層117とを掴んで、樹脂流れ方向に沿ってつかみ間を180度反対方向に相対速度300mm/minで引張試験機を使用して剥離しながら測定したヒートシール強度)を25N/15mm以上とすることが好ましい。これにより、包装材料110の端縁において最内層と最外層をヒートシールして形成された包装容器10は高い密封性が得られる。
次に本発明の効果について、実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。以下の実験では、包装材料110のラミネート強度及び内容物に対する品質保持性能及び非吸着性について評価を行った。
Figure 0006287364
表1は以下に示す実施例1〜6及び比較例1〜8に係る包装材料の接着層115の層構成とヒートシール層116の層構成を示している。
実施例1に係る包装材料110のバリア層114は厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにより形成される。接着層115の上層部115aは厚さ10μm、酸含有量4%のエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN4228C)により形成される。接着層115の下層部115bは厚さ20μm、密度0.91g/cm3、融点100℃の直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、SP1071C)により形成される。
ヒートシール層116には環状オレフィン共重合体(厚さ5μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ15μm)、環状オレフィン共重合体(厚さ5μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ5μm)の順に積層されたシーラントフィルムを用いた。そして、バリア層114上に接着層115のエチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンを共押出ししてヒートシール層116のシーラントフィルムを積層した溶融共押出し法により包装材料110を形成した。このとき、ヒートシール層116の環状オレフィン共重合体を接着層115側に配し、直鎖状低密度ポリエチレンを接着層115と反対側に配した。
また、接着層113は厚さ20μmのエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN4228C)により形成し、バリア層114と基材層112(坪量360g/m)とを接着した。熱接着性樹脂層117は押出し樹脂により厚さ25μmに形成し、熱接着性樹脂層117の上面は印刷層が形成されている。
実施例2に係る包装材料110は実施例1に係る包装材料110とヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。実施例2に係る包装材料110のヒートシール層116は直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ20μm)、環状オレフィン共重合体(厚さ5μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ5μm)が積層されたシーラントフィルムを用いた。このとき、厚さ20μmの直鎖状低密度ポリエチレンが接着層115側に配される。
実施例3に係る包装材料110は実施例1に係る包装材料110とヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。実施例3に係る包装材料110のヒートシール層116は直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ15μm)、環状オレフィン共重合体(厚さ5μm)、直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体のブレンド樹脂(厚さ10μm)を順に積層されたシーラントフィルムを用いた。このとき、厚さ15μmの直鎖状低密度ポリエチレンが接着層115側に配される。
実施例4に係る包装材料110は実施例1に係る包装材料110と同様の層構成に形成され、接着層115の特性が異なる。接着層115は共押出しして形成され、上層部115aは厚さ15μm、酸含有量9%、融点100℃のエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN42012C)により形成される。接着層115の下層部115bは厚さ15μm、密度0.921g/cm3、融点121℃の直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製UJ370)により形成される。
実施例5に係る包装材料は実施例2に係る包装材料110と同様の層構成に形成され、ヒートシール層116の特性が異なる。実施例5に係る包装材料はヒートシール層116のシーラントフィルムに直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ15μm)、環状オレフィン共重合体(厚さ5μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ10μm)の順に積層されたシーラントフィルムを用いた。このとき、厚さ15μmの直鎖状低密度ポリエチレンが接着層115側に配される。
実施例6に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。実施例6に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)の一方の面に溶融したエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN42012C、厚さ25μm、酸含有量9%、融点100℃)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
[比較例1]
比較例1に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115及びヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。比較例1に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面にドライラミネート用接着剤を介してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。ここで、シーラントフィルムには環状オレフィン共重合体(厚さ15μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ25μm)、環状オレフィン共重合体(厚さ15μm)、直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ5μm)の順に積層されたフィルムを用いた。このとき、厚さ15μmの環状オレフィン共重合体が接着層115側に配される。
[比較例2]
比較例2に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115及びヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。比較例2に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成するドライラミネート用接着剤を介してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。ここで、シーラントフィルムには厚さが60μmの直鎖状低密度ポリエチレンのフィルムを用いた。
[比較例3]
比較例3に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115及びヒートシール層116を除いて同一の層構成をとる。比較例3に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したポリエチレン(厚さ30μm)を押出してシーラントフィルムを接着した。ここで、ヒートシール層116であるシーラントフィルムには直鎖状低密度ポリエチレン(厚さ30μm)から成るフィルムを用いた。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムの接着層115側の面にはアンカーコート剤を塗布した。
[比較例4]
比較例4に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例4に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したポリエチレン(厚さ30μm)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムの接着層115側の面にはアンカーコート剤を塗布した。
[比較例5]
比較例5に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例5に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN42012C、厚さ20μm、酸含有量9%、融点100℃)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
[比較例6]
比較例6に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例6に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融したエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製AN4228C、厚さ20μm、酸含有量4%)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
[比較例7]
比較例7に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。比較例7に係る包装材料はポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成るバリア層114の一方の面に接着層115を形成する溶融した直鎖状低密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製、SP1071C 厚さ30μm、密度0.91g/cm3、融点100℃)を押出してヒートシール層116であるシーラントフィルムを接着した。
[比較例8]
比較例8に係る包装材料は実施例1に係る包装材料110と接着層115を除いて同一の層構成をとる。実施例8に係る包装材料は接着層115をエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンケミカル(株)製、AN42012C 厚さ15μm、酸含有量9%、融点100℃)と低密度ポリエチレン(LDPE)((株)プライムポリマー製、LC602A 厚さ15μm、密度0.919g/cm3、融点107℃)とを共押出しして形成した。
[ラミネート強度の評価]
ラミネート強度の評価は実施例1〜6、比較例1〜8に係る包装材料のバリア層114と接着層115との間及び接着層115とヒートシール層116との間のラミネート強度の変化を測定して行った。また、内容物に浸漬後の接着層115とヒートシール層116との間のラミネート強度の変化も併せて測定した。
具体的手法は、実施例1〜6、比較例1〜8に係る包装材料を用いて端部をヒートシールして15cm×25cmの包装袋(ヒートシール幅10mm)を各々複数作成し、内部に次亜塩素酸を入れて密封した。この包装袋を40℃の環境下にて12週保管した。
次に、内部に次亜塩素酸を入れて12週間保管した包装袋と内部に次亜塩素酸を入れていない包装袋を15mm巾で裁断し、各裁断片を引張り試験機(島津製作所(株)製、AGS−50D(商品名))を用いてバリア層114と接着層115とを50mm/分の速度で包装材料のフィルム流れ方向に剥離した。同様に、接着層115とヒートシール層116とを50mm/分の速度で包装材料のフィルム流れ方向に剥離した。これを各5サンプルについて行い、その平均値をもってその結果をラミネート強度(N/15mm)とした。なお、内部に次亜塩素酸を入れて12週間保管した包装袋はバリア層114と接着層115のラミネート強度のみを測定した。測定後、ラミネート強度が2N/15mm以上の場合、ラミネート強度に優れると判断した(◎)。また、ラミネート強度が2N/15mm未満の場合、ラミネート強度が劣ると判断した(×)。その結果を表2に示す。
Figure 0006287364
表2に示すように、実施例1〜6に係る包装材料は接着層115とヒートシール層116との間のラミネート強度が高かった。また、内部に次亜塩素酸を入れて12週間保管した後もラミネート強度の低下が小さかった。
このとき、実施例1〜5により、エチレンメタクリル酸共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンから成る接着層115によってバリア層114とヒートシール層116とが高いラミネート強度で接着されることがわかった。また、実施例6及び比較例6から厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体から成る接着層115によってバリア層114とヒートシール層116とが高いラミネート強度で接着されることがわかった。また、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体は内容物として次亜塩素酸を収納した場合でも劣化し難く、バリア層114とヒートシール層116との間でデラミネーションが発生し難いことがわかった。
[内容物に対する品質保持性能の評価]
内容物に対する品質保持性能の評価は実施例1〜6、比較例1〜8に係る包装材料110で10cm×10cmの包装袋(ヒートシール幅1cm)を形成した後、包装袋内部に70℃の日本酒を充填したときと蒸留水を充填したときとで内容物の味覚の変化をそれぞれ評価した。これを10人の治験者によりそれぞれ行い、10人中9人以上が内容物に接着剤又は樹脂に起因する臭気がしないと評価した場合、内容部に対する品質保持性能に優れると判断した(◎)。また、10人中6人以上が内容物に接着剤又は樹脂に起因する臭気がしないと評価した場合、内容部に対する一定の品質保持性能を有すると判断した(○)。また、10人中5人以下が内容物に接着剤又は樹脂に起因する臭気がすると評価した場合、内容部に対する品質保持性能に劣ると判断した(×)。その結果を表3に示す。
[非吸着性の評価]
非吸着性についての評価は実施例1〜6、比較例2、3に係る包装材料を10cm×10cmに裁断した後、ガラス容器内にメントール100gと裁断した包装材料110を密封して40℃で1週間保管した。このとき、包装材料の保管前後における質量変化を測定した。また、質量変化が+0.1g未満の場合、非吸着性に優れると判断した(◎)。また、質量変化が+0.1g以上+0.5g以下の場合、一定の非吸着性を有すると判断した(○)。また、質量変化が+0.5gより大きい場合、非吸着性が劣ると判断した(×)。その結果を表3に示す。
Figure 0006287364
表3に示すように、実施例1〜6に係る包装材料110は比較例2、3との比較により、ヒートシール層116が環状オレフィン共重合体を含むため品質保持性能及び非吸着性が高いことがわかった。
また、実施例2と実施例5とを比較すると、ヒートシール層116の最内層に配される直鎖状低密度ポリエチレンから成る層の厚さが5μmの時に10μmの時よりも品質保持性能がより高い。また、実施例3と実施例5とを比較すると、ヒートシール層116の最内層に厚さが10μmの直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂を配した場合に厚さが10μmの直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を配した場合よりも品質保持性能がより高い。
これは、直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を厚く形成すると直鎖状低密度ポリエチレンによる臭気成分が内容物に侵入するためと考えられる。このため、ヒートシール層116の最内層に厚さ5μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンから成る層または厚さ10μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂から成る層を形成すると、品質保持性能をより向上することができる。
また、実施例1〜実施例5は接着層115の上層部115aを形成するエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下である。実施例1〜3及び実施例5の下層部115bを形成する直鎖状低密度ポリエチレンの融点が100℃以下であり、実施例4の下層部115bを形成する直鎖状低密度ポリエチレンの融点は121℃である。
このため、実施例1〜3、5は実施例4よりも接着層115を低温で溶融押出しすることができ、熱接着層115及びヒートシール層116の層構成が同様の実施例1と実施例4とを比較すると実施例1の品質保持性能がより高い。この時、実施例1の下層部115bを形成する直鎖状低密度ポリエチレンの密度は実施例4よりも低くなっている。
従って、接着層115を形成するエチレンメタクリル酸共重合体及び鎖状低密度ポリエチレンの融点が100℃以下であり、鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.92g/cm未満であると、品質保持性能をより向上することができる。
また、接着層115を低温で溶融押出しする際に上層部115aを形成するエチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%以上になると、接着層115とバリア層114とのラミネート強度が低下する。このため、上層部115aを形成するエチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満(実施例1では4%)であることがより望ましい。
同様に、実施例6は接着層115を形成するエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であり、高い品質保持性能を有する。従って、接着層115を形成するエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であり、酸含有量が質量百分率で10%未満であることがより望ましい。
本発明は、ジュース、お茶類、コーヒー、乳飲料、スープ等のノンアルコール飲料や清酒、焼酎等のアルコール飲料、メントール成分等を含む薬品を包装する容器を構成する包装材料として用いることができる。
10 包装容器
11a、11b ヒートシール部
110 包装材料
112 基材層
113 接着剤
114 バリア層
115 接着層
115a 上層部
115b 下層部
116 ヒートシール層
117 熱接着性樹脂層

Claims (10)

  1. 少なくとも基材層と、ガスバリア性を有するバリア層と、熱接着性樹脂から成るヒートシール層とを順次積層した包装材料であって、前記ヒートシール層が環状オレフィン共重合体から成る層を含み、前記バリア層と前記ヒートシール層を接着する接着層が前記バリア層側に配されるエチレンメタクリル酸共重合体と前記ヒートシール層側に配される直鎖状低密度ポリエチレンから成り、前記バリア層は前記接着層と接する面にポリエチレンテレフタレートから成る層を有し、前記ヒートシール層は前記接着層と接する面に前記環状オレフィン共重合体から成る層又は直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴とする包装材料。
  2. 前記接着層を構成する直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であり、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.92g/cm3未満であり、エチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満であることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 少なくとも基材層と、ガスバリア性を有するバリア層と、最内層に配されて熱接着性樹脂から成るヒートシール層とを順次積層した包装材料であって、前記ヒートシール層が環状オレフィン共重合体から成る層を含み、前記バリア層と前記ヒートシール層を接着する接着層が厚さ25μm以上のエチレンメタクリル酸共重合体から成り、前記バリア層は前記接着層と接する面にポリエチレンテレフタレートから成る層を有し、前記ヒートシール層は前記接着層と接する面に前記環状オレフィン共重合体から成る層又は直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴とする包装材料。
  4. 前記接着層を構成するエチレンメタクリル酸共重合体の融点が100℃以下であるとともにエチレンメタクリル酸共重合体の酸含有量が質量百分率で10%未満であることを特徴とする請求項3に記載の包装材料。
  5. 前記接着層が溶融押出しにより形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の包装材料。
  6. 前記ヒートシール層は前記接着層と反対側の面に厚さが5μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンから成る層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の包装材料。
  7. 前記ヒートシール層は前記接着層と反対側の面に厚さが10μm以下の直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン共重合体とのブレンド樹脂から成る層を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の包装材料。
  8. 前記基材層が紙基材を含むことを有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の包装材料。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の包装材料の端部をヒートシールして形成されることを特徴とする包装容器。
  10. 請求項6又は請求項7のいずれかに記載の包装材料の端部をヒートシールして形成される包装容器であって、ヒートシール部のヒートシール強度が25N/15mm以上であることを特徴とする包装容器。
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