JP2020011737A - 包装袋 - Google Patents

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篤史 安田
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Abstract

【課題】水蒸気、酸素、及び臭気のすべてを効率よく吸収し得る包装袋を提供すること。【解決手段】バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムとが、上記酸素吸収層及び上記水分臭気吸収層をそれぞれ内側にして対向配置され、かつ、前記酸素吸収積層フィルム及び前記水分臭気吸収積層フィルムの端部がヒートシールされ、それによって袋状に成形されている、包装袋。【選択図】図1

Description

本発明は、包装袋に関する。
医薬品、医療器具等の分野において、水分及び酸素による品質劣化を防止するために、水蒸気吸収能及び酸素吸収能を有する包装袋中に物品を収納して保存することが行われており、そのための包装袋及びその材料が提案されている。
例えば特許文献1には、シーラントフィルムと機能性多孔質体とが積層された積層フィルム、及び該積層体から得られる包装袋が記載されている。上記機能性多孔体は、消臭効果を示す粒子及び樹脂成分の組み合わせ、酸素吸収効果を示す粒子及び樹脂成分の組み合わせ、並びに水蒸気吸収効果を示す粒子及び樹脂成分の組み合わせからなる群から選択される機能性物質が担持された多孔質体であってよいとされている。
特許文献2には、水分吸収性積層体と酸素吸収性積層体とを使用した酸素水分吸収性パウチが記載されている。上記水分吸収性積層体は、例えば、ゼオライト等の乾燥剤を含有する。上記酸素吸収性積層体は、例えばエチレン系不飽和炭化水素系ポリマー等の酸化性樹脂と、例えばコバルトネオデカノエート等の遷移金属触媒とを含有するとされている。
ところで、医薬品、医療器具等は、包装袋に密封されたうえで、例えば、ガンマ線、電子線等の放射線を照射して滅菌される。このとき、滅菌に用いる放射線は、包装袋を構成する樹脂にも照射されて臭気を発生させ、包装袋の開封時に問題となる場合がある。そこで、放射線滅菌時に発生する臭気を吸収することのできる包装袋材料が提案されている。
例えば特許文献3には、基材層と、臭気吸着性ヒートシール層と、易剥離性ヒートシール層とがこの順に積層された積層体が記載されている。
特許文献4は、酸素吸収剤に由来する臭気を抑制するための包装材料等に関し、熱可塑性樹脂を含有するシール層(A)、熱可塑性樹脂と鉄粉とを含有する酸素吸収層(B)、熱可塑性樹脂と無機塩基とを含有する臭気吸収層(C)、並びに酸素バリア性を有する酸素バリア層(D)を、この順に積層して備える多層体を開示している。
特開2014−46587号公報 特開2009−40439号公報 特開2015−67302号公報 特許第6202183号公報
上述の事情により、医薬品、医療器具等を包装するための包装袋は、水蒸気吸収能及び酸素吸収能を有することの他、放射線滅菌時に発生する臭気の吸収能を更に有していることが望ましい。
しかし従来技術では、水蒸気、酸素、及び臭気のすべてを吸収する機能を有する包装袋は知られていない。
本発明は、このような従来技術の現状に鑑みてなされたものである。したがって本発明の目的は、水蒸気、酸素、及び臭気のすべてを効率よく吸収し得る包装袋を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
《態様1》バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、
バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムと
が、上記酸素吸収層及び上記水分臭気吸収層をそれぞれ内側にして対向配置され、かつ、
上記酸素吸収積層フィルム及び上記水分臭気吸収積層フィルムの端部がヒートシールされ、それによって袋状に成形されている、
包装袋。
《態様2》上記酸素吸収層が、酸素欠陥を有する酸化セリウムを含有する、態様1に記載の包装袋。
《態様3》上記酸素吸収層の片面又は両面にスキン層を有する、態様1又は2に記載の包装袋。
《態様4》上記水分臭気吸収層が、平均細孔径0.75nm以上3.0nm以下の結晶性多孔質物質の粒子を含有する、態様1〜3のいずれか一項に記載の包装袋。
《態様5》上記結晶性多孔質物質がゼオライトである、態様4に記載の包装袋。
《態様6》上記水分臭気吸収層の片面又は両面にスキン層を有する、態様1〜5のいずれか一項に記載の包装袋。
《態様7》上記水分臭気吸収積層フィルムが、上記水分臭気吸収層の上記酸素吸収積層フィルムに面する側にイージーピール層を更に有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
《態様8》バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムとをそれぞれ準備すること、
上記酸素吸収積層フィルムと上記水分臭気吸収積層フィルムとを、上記酸素吸収層及び上記水分臭気吸収層が内側になるように対向配置すること、並びに
上記対向配置した上記酸素吸収積層フィルム及び上記水分臭気吸収積層フィルムの端部をヒートシールし、それによって袋状に成形すること
を含む、包装袋の製造方法。
《態様9》態様1〜7のいずれか一項に記載の包装袋、及び
上記包装袋に密封されている内容物
を含む、内容物入り包装袋。
《態様10》上記内容物が、医薬品又は医療器具である、態様9に記載の内容物入り包装袋。
《態様11》態様1〜7のいずれか一項に記載の包装袋中に、内容物を密閉して、内容物入り包装袋を製造すること、
上記内容物入り包装袋に、電子線又はガンマ線を照射すること
を含む、内容物の滅菌方法。
《態様12》上記内容物が、医薬品又は医療器具である、態様11に記載の方法。
本発明によると、水蒸気、酸素、及び臭気のすべてを効率よく吸収し得る包装袋が提供される。
図1は、本発明の包装袋の層構成を示す概略断面図である。 図2は、実施例1及び2でそれぞれ作製した酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの層構成を示す概略断面図である。 図3は、比較例1及び2でそれぞれ作製した酸素吸収積層フィルム及び比較吸収積層フィルムの層構成を示す概略断面図である。
本発明の包装袋は、
バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、
バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムと
が、酸素吸収層及び水分臭気吸収層をそれぞれ内側にして対向配置され、かつ、
上記酸素吸収積層フィルム及び上記水分臭気吸収積層フィルムの端部がヒートシールされ、それによって袋状に成形されている構成を有する。
本発明の包装袋は、酸素吸収積層フィルムと水分臭気吸収積層フィルムとから構成されている。酸素吸収積層フィルムは、バリア層と、酸素を吸収する酸素吸収層とを有する。水分臭気吸収積層フィルムは、バリア層と、水分及び臭気の双方を吸収する水分臭気吸収層とを有する。
本発明の包装袋では、酸素吸収層及び水分臭気吸収層がいずれも他の吸収層に遮蔽されることなく、内容物側に直接露出される構成をとることができる。したがって、本発明の包装袋は、酸素、水分、及び臭気のすべてを効率よく吸収することができる。
図1に、本発明の包装袋における酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの典型的な層構成の一例を示した。
図1の包装袋では、基材層、バリア層、及び酸素吸収層をこの順に有する酸素吸収積層フィルムと、基材層、バリア層、及び水分臭気吸収層をこの順に有する水分臭気吸収積層フィルムとが、酸素吸収層及び水分臭気吸収層をそれぞれ内側にして対向配置されている。そして、酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの端部がヒートシールされており(図示せず)、それによって袋状に成形されている。
以下、本発明の包装袋を構成する各フィルムについて、順に説明する。
《酸素吸収積層フィルム》
本発明の包装袋における酸素吸収積層フィルムは、バリア層及び酸素吸収層を有する。酸素吸収積層フィルムは、バリア層及び酸素吸収層の他に、基材層を有していてもよく、典型的には基材層の片面上にバリア層及び酸素吸収層がこの順に存在していてよい。
〈バリア層〉
バリア層は、外部から包装袋の内部への水蒸気および酸素の侵入を防止するための層である。
バリア層は、例えば、金属箔、透明ガスバリアフィルム等であってよい。金属箔は、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金等から成る箔であってよい。透明ガスバリアフィルムは、ポリオレフィン、ビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂フィルムに、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミナ蒸着膜、若しくはシリカ・アルミナ二元蒸着膜等の無機物蒸着膜、又はポリ塩化ビニリデンコーティング膜、若しくはポリフッ化ビニリデンコーティング膜等の有機物コーティング膜を備えたフィルムであってよい。
バリア層の厚みは、包装袋に適度の強度を与え、ヒートシール等の加工性を確保するため、例えば、5μm以上又は7μm以上であってよく、例えば、45μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってよい。本実施形態の包装袋が、特にヒートシール部において2層以上のバリア層を有する場合、上記の厚みは1層のバリア層についての値である。
〈酸素吸収層〉
酸素吸収層は、酸素ガスを吸収し、内容物を保護するための層である。
酸素吸収層は、適当な酸素吸収剤を含有し、これ以外に樹脂を含有していてもよい。酸素吸収層としては、例えば、樹脂から成るマトリクス中に粒子状の酸素吸収剤が分散して含有されている構成の層、金属及び多価フェノールを含有する酸素吸収性金属含有樹脂組成物の層等が挙げられる。酸素吸収層は、典型的には、樹脂から成るマトリクス中に粒子状の酸素吸収剤が分散して含有されている構成の層であってよい。
(酸素吸収剤)
酸素吸収剤は、有機系酸素吸収剤及び無機系酸素吸収剤のいずれであってもよく、これらを混合して用いてもよい。有機系酸素吸収剤は、例えば、多価アルコール化合物、フェノール化合物、不飽和脂肪酸等であってよい。無機系酸素吸収剤は、例えば、金属、酸素欠損を有する金属酸化物、活性炭等であってよい。無機系酸素吸収剤のうち、金属としては、例えば鉄等が挙げられる。酸素欠損を有する金属酸化物としては、例えば、酸素欠損を有する酸化セリウム、酸素欠損を有する酸化チタン(IV)、酸素欠陥を有する酸化亜鉛等が挙げられる。
酸素吸収剤としては、無機系酸素吸収剤が好ましく、酸素欠損を有する金属酸化物がより好ましく、中でも、酸素欠損を有する酸化セリウムは、酸素吸収能が高いことから好ましい。
酸素吸収剤、特に酸素欠損を有する金属酸化物について、酸素欠損を有する酸化セリウムを例としてより具体的に説明する。酸素欠損を有する酸化セリウムは、酸化セリウムCeOを、強還元雰囲気下で還元処理して、酸化セリウムの結晶格子中から酸素原子を強制的に引き抜くことによって製造されたものであってよい。強還元雰囲気下での還元処理は、例えば水素存在下、例えば800℃以上又は900℃以上、例えば1,500℃以下又は1,200℃以下、典型的には1,000℃における熱処理によってよい。
酸化セリウムの結晶格子中からの水素存在下における酸素原子引き抜きは、例えば下記式(1)に従う反応であってよい。
CeO+xH→CeO2−x+xHO (1)
上記のような酸素欠損を有する酸化セリウムは、例えば下記式(2)に従う反応によって酸素を吸収することができる。
Figure 2020011737
上記式(1)及び(2)におけるxは、0を超え1.0以下の数であり、例えば、0.1以上、0.2以上、0.3以上、又は0.4以上の数であってよく、例えば、0.8以下、0.7以下、又は0.6以下の数であってよい。
酸素欠損を有する酸化セリウムは、上記式(2)から理解されるように、酸素を吸収するに際して水分の介在を要さない。従って、酸素吸収層中に、酸素吸収剤として酸素欠損を有する酸化セリウムを含有する本実施形態の包装袋は、水分を嫌う内容物を収納保存するのに極めて有効である。
酸素吸収剤は粒子状であってよい。この場合、酸素吸収剤の平均粒径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布におけるメジアン径として、例えば、100nm以上、500nm以上、又は1μm以上であってよく、例えば、70μm以下、50μm以下、又は40μm以下であってよい。
本実施形態の酸素吸収層における酸素吸収剤の含有割合は、所望の酸素吸収能を有効に発現させる観点から、酸素吸収層の全質量に対して、1質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上であってよい。一方で、酸素吸収層の製造し易さの観点からは、酸素吸収剤の含有割合は、酸素吸収層の全質量に対して、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、又は55質量%以下であってよい。
(樹脂)
本実施形態における酸素吸収層が含有する樹脂は、熱可塑性樹脂であってよい。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体、ポリ芳香族ビニル化合物、ポリエステル、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等の中から適宜選択して使用してよい。
上記ポリオレフィンは、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、メタロセン触媒によるポリプロピレン、プロピレン−エチレン ブロック共重合体、プロピレン−エチレン ランダム共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル等であってよく、これらの変性物であってもよい。ポリオレフィンの変性物は、例えば、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン等であってよい。
オレフィン系共重合体は、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMAC)等であってよく、これらの変性物であってもよい。オレフィン系共重合体の変性物は、例えば、カルボン酸変性EVA等であってよい。
樹脂は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
(スキン層)
酸素吸収層は、その片面又は両面にスキン層を有していてよい。このスキン層は、酸素吸収層を保護し、成膜安定性を向上し、酸素吸収層からの酸素吸収剤の脱落を防止し、更に酸素吸収層を他の層と積層するための表面平滑性を付与する機能を有する。
スキン層は、酸素吸収層の酸素吸収速度を制御する機能を発揮してもよい。すなわち、本発明の包装袋では、内容物を密閉した後に電子線、ガンマ線等の放射線を照射して内容物の滅菌を行うことが予定されている。放射線滅菌には酸素の存在を必要とするため、密閉後、滅菌までの間に包装袋中の酸素が完全に吸収されてしまうと、放射線滅菌に支障をきたすことになる。
そこで、酸素吸収層の内側(内容物側)にスキン層を配置することにより、酸素吸収層の酸素吸収速度を制御してもよい。
スキン層は更に、ヒートシールによって包装袋を形成するためのヒートシール性を有していてよい。この機能を有するスキン層を酸素吸収層の内側に配置して、水分臭気吸収積層フィルムとのヒートシールを可能とすることは、包装袋の形成に資する。
スキン層は、例えば、熱可塑性樹脂から構成されていてよい。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリオレフィンであってよい。ポリオレフィンは、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、メタロセン触媒によるポリプロピレン、プロピレン−エチレン ブロック共重合体、プロピレン−エチレン ランダム共重合体等であってよく、これらの変性物であってもよい。ポリオレフィンの変性物は、例えば、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン等であってよい。これらの熱可塑性樹脂は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
スキン層の密度は、例えば、0.85g/m以上又は0.87g/m以上であってよく、例えば、1.5g/m以下又は0.95g/m以下であってよい。
スキン層の厚みは、酸素吸収剤の脱落を効果的に防止するために、例えば、2μm以上、3μm以上、5μm以上、又は8μm以上であってよく、適度のヒートシール性及び酸素吸収速度を確保するために、例えば、30μm以下、25μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってよい。包装袋が、例えば酸素吸収層の両面等に2層以上のスキン層を有する場合、上記の厚みは1層のスキン層についての値である。
(酸素吸収層の厚み)
本実施形態の包装袋における酸素吸収層の厚みは、酸素欠損を有する酸化セリウムの脱落を防止する観点から、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、又は25μm以上であってよく、包装袋を製造するときの適度のヒートシール性を確保する観点から、例えば、150μm以下、100μm以下、80μm以下、又は50μm以下であってよい。
〈基材層〉
酸素吸収積層フィルムは、基材層を有していてよい。基材層は、バリア層を保護してバリア性を維持するとともに、本実施形態の包装袋を構成する積層フィルムに、フィルムとして必要な強度、加工の際に要求されるコシ等を付与する機能を有する。
本実施形態の包装袋における基材層としては、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム等から構成される単層又は多層のフィルムであってよい。基材層は、印刷が施されていてもよい。
ポリエステル系樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート等から成るフィルムであってよい。ポリアミド系樹脂フィルムは、例えば、各種のナイロン等から成るフィルムであってよい。ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等から成るフィルムであってよい。これらのフィルムは、得られる包装袋の耐熱性及び耐衝撃性をより向上させるため、2軸延伸加工を施したものであってもよい。
基材層の厚みは、バリア層を十分に保護し、包装袋に適度な強度及びコシを付与するために、例えば、2μm以上、3μm以上、5μm以上、又は8μm以上であってよく、得られる包装袋の総厚みを過度に厚くしないために、例えば、20μm以下、18μm以下、又は15μm以下であってよい。
《水分臭気吸収積層フィルム》
本発明の包装袋における水分臭気吸収積層フィルムは、バリア層及び水分臭気吸収層を有する。水分臭気吸収積層フィルムは、バリア層及び水分臭気吸収層の他に、基材層を有していてもよく、典型的には基材層の片面上にバリア層及び水分臭気吸収層がこの順に存在していてよい。
本発明の包装袋における水分臭気吸収積層フィルムは、水分臭気吸収層の内側にイージーピール層を更に有していてよい。ここで「内側」とは、包装袋としたときに内容物に近い側をいい、具体的には水分臭気吸収層の面のうちの、バリア層とは反対側、すなわち酸素吸収積層フィルムに面する側をいう。
〈バリア層〉
水分臭気吸収積層フィルムにおけるバリア層は、酸素吸収積層フィルムのバリア層として上述したものと同様に考えてよい。したがって、水分臭気吸収積層フィルムにおけるバリア層は、酸素吸収積層フィルムのバリア層について説明及び例示した範囲から、適宜に選択して使用してよい。
〈水分臭気吸収層〉
水分臭気吸収層は、水分を吸収して内容物を保護するとともに、放射線照射による包装袋内容物の滅菌の際に発生した臭気をも吸収し、包装袋開封時の臭気の発散を抑制するための層である。
水分臭気吸収層は、適当な水分臭気吸収剤を含有し、これ以外に樹脂を含有していてもよく、典型的には、例えば、樹脂から成るマトリクス中に、粒子状の水分臭気吸収剤が分散して含有されている構成であってよい。
(水分臭気吸収剤)
水分臭気吸収剤は、例えば、適当な径の細孔を有する多孔質物質であってよく、好ましくは細孔径の均一性に優れる結晶性多孔質物質であってよい。結晶性多孔質物質の平均細孔径は、比表面積を大きくして水分の吸着性を高くする観点から、例えば、3.0nm以下、2.5nm以下、2.0nm以下、1.5nm以下、又は1.2nm以下であってよく、比較的大きな分子の臭気成分が、細孔内に侵入して吸着される効率をよくする観点から、例えば、0.75nm以上、0.80nm以上、0.85nm以上、又は0.90nm以上であってよい。
水分臭気吸収剤の平均細孔径は、電子顕微鏡分析、XRD分析等によって測定することができるが、本明細書における水分臭気吸収剤の平均細孔径はXRD分析により結晶学的に求められた細孔径を意味する。
水分臭気吸収剤の結晶性多孔質物質は、例えばゼオライトであってよく、FAU型のゼオライトが好ましく、典型的にはモレキュラーシーブ13Xであってよい。
水分臭気吸収剤は、典型的には例えば、平均細孔径0.75nm以上3.0nm以下の結晶性多孔質物質の粒子であってよく、これを含むことが好ましい。
水分臭気吸収剤は、平均細孔径0.75nm以上3.0nm以下の結晶性多孔質物質粒子のみから構成されていてもよいし、その他の水分臭気吸収剤を更に含んでいてもよい。その他の水分臭気吸収剤は、例えば、平均細孔径が0.75nm未満、0.50nm以下、又は0.40nm以下の結晶性多孔質物質粒子であってよい。その他の水分臭気吸収剤の平均細孔径は、例えば、0.10nm以上であってよい。
その他の結晶性多孔質物質は、例えばゼオライトであってよく、LTA型のゼオライトであってよく、典型的には例えば、モレキュラーシーブ3A、4A、5A等であってよい。
このような比較的小さな平均細孔径を有する水分臭気吸収剤は、比表面積が大きく、水分吸収能に優れる。しかしながら細孔径の小さい水分臭気吸収剤では、比較的大きな分子の臭気成分の細孔内への侵入が困難となるため、臭気吸収能に劣る。そのため、水分臭気吸収剤は、平均細孔径0.75nm以上3.0nm以下の結晶性多孔質物質粒子を有意の割合で含むことが好ましい。
水分臭気吸収剤中に占める、平均細孔径0.75nm以上3.0nm以下の結晶性多孔質物質粒子の割合は、水分臭気吸収剤の全質量を基準として、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよく、100質量%であってもよい。
水分臭気吸収剤は、粒子状であってよい。
水分臭気吸収剤粒子の粒径は、例えば、水分臭気吸着層の形成のし易さと、水分及び臭気の吸収能とを両立させる観点から、例えば、0.01μm以上、0.1μm以上、又は1μm以上であってよく、例えば、50μm以下、30μm以下、20μm以下、又は10μm以下であってよい。
本実施形態の水分臭気吸収層における水分臭気吸収剤の含有割合は、所望の水分臭気吸収能を有効に発現させる観点から、水分臭気吸収層の全質量に対して、例えば、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は50質量%以上であってよい。一方で、水分臭気吸収層の製造し易さの観点からは、水分臭気吸収剤の含有割合は、水分臭気吸収層の全質量に対して、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、又は45質量%以下であってよい。
(樹脂)
水分臭気吸収層における樹脂は、酸素吸収層における樹脂について説明及び例示した範囲から、適宜に選択して使用してよい。
(スキン層)
水分臭気吸収層は、その片面又は両面にスキン層を有していてよい。このスキン層は、水分臭気吸収層を保護し、成膜安定性を向上し、水分臭気吸収層からの水分臭気吸収剤の脱落を防止し、更に水分臭気吸収層を他の層と積層するための表面平滑性を付与する機能を有する。
水分臭気吸収層におけるスキン層については、酸素吸収能の制限機能を除いて、水分臭気吸収層におけるスキン層と同様に考えてよい。水分臭気吸収層におけるスキン層は、酸素吸収層におけるスキン層について説明及び例示した範囲から、適宜に選択して使用してよい。
(水分臭気吸収層の厚み)
本実施形態の包装袋における水分臭気吸収層の厚みは、例えば、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、例えば、200μm以下、150μm以下、100μm以下、又は80μm以下であってよい。
〈基材層〉
水分臭気吸収積層フィルムにおける基材層は、酸素吸収積層フィルムの基材層として上述したものと、それぞれ、同様に考えてよい。したがって、水分臭気吸収積層フィルムにおける基材層は、酸素吸収積層フィルムの基材層について説明及び例示した範囲から、適宜に選択して使用してよい。
(イージーピール層)
本発明の包装袋における水分臭気吸収積層フィルムは、水分臭気吸収層の内側にイージーピール層を更に有していてよい。本発明の包装袋が、このイージーピール層のヒートシールによって密閉されたものであると、内容物取り出しのための開封を容易に行うことができ、好ましい。
本発明の水分臭気吸収積層フィルムにおけるイージーピール層としては、例えば、「イージーピールフィルム」、「イージーオープンフィルム」等の名称で市販されているものを使用してもよい。このような市販品としては、例えば、三井化学東セロ(株)製のCMPS、T.A.F.;ジェイフィルム(株)製のIMX;DIC(株)製のDIFAREN;オカモト(株)製のショウレックス;東レフィルム加工(株)製のトレファンCF等が例示される。
イージーピール層の厚みは、十分な密閉性の確保、水分臭気積層フィルムの製造のし易さ、フィルムとしての「腰」の強さを向上させること等を考慮して、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、又は25μm以上であってよく、例えば、60μm以下、55μm以下、50μm以下、45μm以下、40μm以下、又は35μm以下であってよい。
《包装袋》
本発明の包装袋は、上記に説明した酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムが、酸素吸収層及び水分臭気吸収層をそれぞれ内側にして対向配置され、かつ、酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの端部がヒートシールされ、それによって袋状に成形されている。
本発明の包装袋は、酸素吸収能を有する酸素吸収積層フィルムと、水分及び臭気の双方に対する吸収能を有する水分臭気吸収積層フィルムとが、それぞれ、他の吸収層に遮蔽(積層)されずに内容物側に対向配置されている。そのため、包装袋内における酸素、水分、及び臭気の構成比に依存せずに、これらのすべてについて高い吸収能を示す。特に、本発明の包装袋は、水分及び臭気を1つの水分臭気吸収積層フィルムで吸収できるので、水分及び臭気の構成比を考慮する必要がない点で有利である。
包装袋の形状は、例えば、三方袋、ガセット袋、底ガセット袋、スタンド袋等の任意の形状であってよい。
《包装袋の製造方法》
本発明の包装袋は、例えば、
バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムとをそれぞれ準備すること、
酸素吸収積層フィルムと水分臭気吸収積層フィルムとを、酸素吸収層及び水分臭気吸収層が内側になるように対向配置すること、並びに
対向配置した酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの端部をヒートシールし、それによって袋状に成形すること
を含む方法によって製造されてよい。
〈酸素吸収積層フィルムの準備〉
酸素吸収層フィルムは、所定の各層を、それぞれ、フィルムとして入手するか、又はフィルム状に成形したうえで、得られた各層を適宜の手段で積層することにより、得ることができる。
酸素吸収層は、酸素吸収剤及び樹脂を、適当な手段で混錬した後にフィルム状に成形することにより得ることができる。混練には、例えば、一軸押出機、二軸押出機、プラストミル、ラボミキサー等を用いてよい。フィルム状の成形には、例えば、押出成形(Tダイ法、インフレーション法)、カレンダー成形、圧縮成形、射出成形等の適宜の方法を用いてよい。これらのうち押出成形が好ましく、特に押出Tダイ法等が好適である。
スキン層を有する場合の酸素吸収層は、酸素吸収剤及び樹脂の混練物と、スキン層の原料樹脂とを用いて、例えば、2種2層又は2種3層の共押出法によって製造されてよい。
上記のようにして準備された各層を、例えば、サンドラミネート、ドライラミネート等の適宜の手段を用いて積層することにより、酸素吸収積層フィルムを得ることができる。
〈水分臭気吸収積層フィルムの準備〉
本発明の包装袋における水分臭気吸収積層フィルムは、上記の各層を、それぞれ、フィルムとして入手するか、又はフィルム状に成形したうえで、得られた各層を適宜の手段で積層することにより、得ることができる。
水分臭気吸収層は、水分吸収剤及び樹脂を、適当な手段で混錬した後にフィルム状に成形することにより得ることができる。混練及びフィルム状の成形は、それぞれ、酸素吸収層の場合と同様に行われてよい。
イージーピール層としては、フィルム状の市販品を入手して用いてよい。
上記のようにして準備された各層を、例えば、サンドラミネート、ドライラミネート等の適宜の手段を用いて積層することにより、水分臭気吸収積層フィルムを得ることができる。
〈酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの積層配置〉
次いで、得られた酸素吸収積層フィルムと水分臭気吸収積層フィルムとを、酸素吸収層及び水分臭気吸収層が内側になるように積層配置する。
〈包装袋の成形〉
そして、対向配置した酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの端部をヒートシールし、それによって袋状に成形することにより、本発明の包装袋を製造することができる。
《内容物入り包装袋》
本発明の別の観点では、
本発明の包装袋、及び
この包装袋に密封されている内容物
を含む、内容物入り包装袋が提供される。
本発明の内容物入り包装袋における内容物は、例えば、医薬品又は医療器具であってよい。医薬品は、内服薬、外用薬、注射薬、灌流液等を含む。医療器具は、注射器、注射針、聴診器、ガーゼ、包帯、手術用具(例えば、メス、鉗子、縫合糸等)等を含む。
本発明の包装袋は、例えば、内容物を収納するために、包装袋の一端がシールされていない形態で製造されてよい。この場合、包装袋の未シール部から内容物を挿入した後、該未シール部をシールすることにより、内容物入り包装袋が得られる。
《内容物の滅菌方法》
本発明の更に別の観点では、包装袋内容物の滅菌方法が提供される。
上述したとおり、本発明の包装袋では、内容物を密閉した後に電子線、ガンマ線等の放射線を照射して内容物の滅菌を行うことが予定されている。放射線滅菌には酸素の存在を必要とするため、密閉後、滅菌までの間に包装袋中の酸素が完全に吸収されてしまうと、放射線滅菌に支障をきたすことになる。
この点、本発明の包装袋は、酸素吸収速度を穏やかにすることができる。そのため、内容物の密閉後、例えば数日間の時間が経過した後でも、有効な放射線滅菌を行うことができる。更に、放射線滅菌によって臭気が発生した場合、該臭気を効率的に吸収することができる。
本発明の内容物の滅菌方法は、
本発明の包装袋中に、内容物を密閉して、内容物入り包装袋を製造すること、及び
得られた内容物入り包装袋に、電子線又はガンマ線を照射すること
を含む方法である。
この場合の内容物は、医薬品又は医療器具であってよい。
本発明の内容物の滅菌方法では、内容物入り包装袋の製造と、電子線又はガンマ線を照射との間に、数日間(例えば数日〜1週間程度)の期間をおいてもよい。
《水分臭気吸収層の作製》
1.水分臭気吸収層13Xの作製
(1)ペレットの作製
「モレキュラーシーブ13X」(ユニオン昭和(株)製)41質量部、及びLDPE(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン202」)59質量部を、二軸押出機により混錬してペレット状に押し出すことにより、水分臭気吸収層用13Xのペレットを作製した。
(2)水分臭気吸収層の作製
2種3層フィルムの空冷方式インフレーション共押出成形により、両面にスキン層を有する水分臭気吸収層13Xを作製した。中間層には上記で作製した水分臭気吸収層用13Xのペレットを100%用い、両面のスキン層には、それぞれ、LLDPE((株)プライムポリマー製、商品名「エボリューSP2520」)を100%用いた。共押出成形時の樹脂温度は、170℃に設定した。この水分臭気吸収層13Xは、以下のとおりの3層構成である。
スキン層(LLDPE、厚み10μm)/水分臭気吸収層(厚み60μm)/スキン層(LLDPE、厚み10μm)
《比較吸収層の作製》
1.比較吸収層3Aの作製
(1)ペレットの作製
「モレキュラーシーブ3A」(ユニオン昭和(株)製)53質量部、及びエチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポン ポリケミカル(株)製、商品名「ニュクレルAN42115C」)47質量部を、二軸押出機により混錬してペレット状に押し出すことにより、比較吸収層3Aのペレットを作製した。
(2)比較吸収層の作製
水分臭気吸収層13Xのペレットの代わりに、上記で作製した比較吸収層3Aのペレットを使用した他は、「水分臭気吸収層13Xの作製」と同様にして、両面にスキン層を有する比較吸収層3Aを作製した。
2.比較吸収層4Aの作製
(1)ペレットの作製
「モレキュラーシーブ4A」(ユニオン昭和(株)製)51質量部、及びLDPE(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン202」)49質量部を、二軸押出機により混錬してペレット状に押し出すことにより、比較吸収層4Aのペレットを作製した。
(2)比較吸収層の作製
水分臭気吸収層13Xのペレットの代わりに、上記で作製した比較吸収層4Aのペレットを使用した他は、「水分臭気吸収層13Xの作製」と同様にして、両面にスキン層を有する比較吸収層4Aを作製した。
《酸素吸収層CeO2−xの作製》
1.ペレットの作製
酸素欠陥を有する酸化セリウム(CeO2−x、x=0.5)55質量部、及び低密度ポリエチレン(東ソー(株)製、商品名「ペトロセン202」)45質量部を、窒素雰囲気下で、二軸押出機により混錬してペレット状に押し出すことにより、酸素吸収層CeO2−xのペレットを作製した。
2.酸素吸収層の作製
2種3層フィルムの空冷方式インフレーション共押出成形により、両面にスキン層を有する酸素吸収層CeO2−xを、幅400mm、長さ200mのサイズで製膜し、直径92mmの巻き芯に巻き取った。中間層には上記で作製した酸素吸収層CeO2−xのペレットを100%用い、両面のスキン層には、それぞれ、LLDPE((株)プライムポリマー製、商品名「エボリューSP2520」)を100%用いた。共押出成形時の樹脂温度は、170℃に設定した。巻取りは、巻取りテンション45N/m、巻取りテーパー30%の条件にて行った。この酸素吸収層CeO2−xは、以下のとおりの3層構成である。
スキン層(LLDPE、厚み20μm)/酸素吸収層(厚み35μm)/スキン層(LLDPE、厚み20μm)
《実施例1》
1.水分臭気吸収積層フィルムの作製
基材層としてのナイロンフィルム(東洋紡(株)製、商品名「ハーデンN1202」、厚み15μm)の片面上にバリア層としてのアルミニウム箔(厚み9μm)が積層された積層体のアルミニウム箔側の面上に、水分臭気吸収層13Xをサンドラミネートすることにより、実施例1の水分臭気吸収積層フィルムを作製した。サンドラミネート樹脂としては、LDPE(旭化成(株)製、商品名「サンテックLD(L1850K)」)を用いた。この水分臭気吸収積層フィルムは、以下のとおりの6層構成である。
ナイロンフィルム(厚み15μm)/アルミニウム箔(厚み9μm)/サンドラミネート樹脂層(LDPE、厚み15μm)/スキン層(LLDPE、厚み10μm)/水分臭気吸収層(厚み60μm)/スキン層(LLDPE、厚み10μm)
2.酸素吸収積層フィルムの作製
上記「1.水分臭気吸収積層フィルムの作製」で使用したのと同じ構成のナイロンフィルム/アルミニウム箔積層体のアルミニウム箔側の面上に、酸素吸収層CeO2−xをサンドラミネートすることにより、実施例1の酸素吸収積層フィルムを作製した。サンドラミネート樹脂としては、LDPE(旭化成(株)製、商品名「サンテックLD(L1850K)」)を用いた。この酸素吸収積層フィルムは、以下のとおりの6層構成である。
ナイロンフィルム(厚み15μm)/アルミニウム箔(厚み9μm)/サンドラミネート樹脂層(LDPE、厚み15μm)/スキン層(LLDPE、厚み20μm)/酸素吸収層(厚み35μm)/スキン層(LLDPE、厚み20μm)
3.酸素吸収能の評価
酸素吸収積層フィルムを50mm×50mmの正方形状にカットしたものを試料として、容量15mLのパックに大気とともに密封した。市販の残存酸素計(飯島電子工業(株)製、形式名「パックマスター」)を用いて、パック内の残存酸素量をパック内の酸素量が変化しなくなる飽和吸収状態まで経時的に測定した。得られた測定値から、試料の酸素飽和吸収量を求め、以下の基準で評価した。なお、「STP」とは、標準状態(0℃、100kPa)に換算したガス量を示す。
酸素飽和吸収量が0.3cc(STP)/cm以上であった場合:評価「A」(良好)
酸素飽和吸収量が0.3cc(STP)/cm未満であった場合:評価「C」(不良)
4.水分吸収能の評価
水分臭気吸収積層フィルムを100mm×100mmの正方形状にカットしたものを試料とした。この試料を、温度23℃、湿度50%RHの環境下に24時間静置して状態調節した後、同じ環境下で初期重量を測定した。次いでこの試料を、温度60℃、湿度100%RHの環境下に6時間静置した。その後、試料を温度23℃、湿度50%RHの環境下に6時間静置した後、この環境下で吸湿後重量を測定した。下記の数式(1)により、試料の飽和吸湿量を算出し、下記の基準で評価した。
飽和吸湿量=飽和吸湿量−初期重量 (1)
飽和吸湿量が1g/m以上であった場合:評価「A」(良好)
飽和吸湿量が1g/m未満であった場合:評価「C」(不良)
5.臭気吸収能の評価
(1)臭気吸収能評価用試料の作製
上記で作製した水分臭気吸収積層フィルム及び酸素吸収積層フィルムを、それぞれ、200mm×100mmの長方形状にカットし、各積層フィルムのバリア層が外側に、水分臭気吸収層及び酸素吸収層がそれぞれ内側に配置されるように重ね合わせ、長さ100mmの1辺を残して3辺をインパルスシーラーによりシールして、1辺が開口部である包装袋を作製した。この包装袋の開口部から窒素ガス200mLを入れ、開口部をインパルスシーラーによりシールして、臭気吸収能評価用試料を作製した。
(2)電子線の照射
得られた臭気吸収能評価用試料に、吸収線量40kGy(キログレイ)の電子線を照射した。
(3)臭気吸収能の官能試験
電子線照射後の試料の角部を鋏でカットし、6人の評価者(a〜f)に試料内のにおいを嗅がせ、臭気の有無(あり/なし)を評価させた。
《実施例2》
1.イージーピールフィルム付き水分臭気吸収積層フィルムの作製
実施例1におけるのと同様にして、6層構成の水分臭気吸収積層フィルムを得た。この水分臭気吸収積層フィルムの水分臭気吸収層側のスキン層面上に、イージーピールフィルムをドライラミネートした。ここで使用したイージーピールシーラントフィルム、ドライラミネート接着剤は、それぞれ以下のとおりである。
イージーピールフィルム:ジェイフィルム(株)製、表品名「IMX−L」、厚み30μm
ドライラミネート接着剤
主剤:三井化学(株)製、商品名「タケラックA−525S」、90質量部
硬化剤:三井化学(株)製、商品名「タケネートA−50」、10質量部
希釈溶剤:酢酸エチル
コート方法:コーティングバー(#11)
ここで得られたイージーピールフィルム付き水分臭気吸収積層フィルムは、以下のとおりの7層構成である。以下において、符号「//」はドライラミネートを示す。
ナイロンフィルム(厚み15μm)/アルミニウム箔(厚み9μm)/サンドラミネート樹脂層(LDPE、厚み15μm)/スキン層(LLDPE、厚み10μm)/水分臭気吸収層(厚み60μm)/スキン層(LLDPE、厚み10μm)//イージーピールフィルム(厚み30μm)
2.酸素吸収積層フィルム
実施例2では、酸素吸収積層フィルムとして、実施例1と同様の6層構成の積層フィルムを用いた。
3.評価
酸素吸収能の評価、及び水分吸収能の評価は、それぞれ、上記で作製した酸素吸収積層フィルム及びイージーピールフィルム付き水分臭気吸収積層フィルムを試料として、実施例1と同様に行った。
臭気吸収能の評価は、水分臭気吸収積層フィルムとして上記で作製したイージーピールフィルム付き水分臭気吸収積層フィルムを用い、包装袋作製時にこのフィルムのイージーピールフィルム側が内側になるように配置した他は、実施例1と同様に行った。
《比較例1及び2》
水分臭気吸収層13Xの代わりに、比較吸収層3A(比較例1)又は比較吸収層4A(比較例2)をそれぞれ使用した他は、実施例1の「1.水分臭気吸収積層フィルムの作製」と同様の手順により、比較吸収積層フィルムを作製した。そして、水分臭気積層フィルムの代わりにこれらの比較吸収積層フィルムをそれぞれ用いた他は、実施例1と同様にして、各種の評価を行った。
上記すべての評価結果は、表1に示す。実施例1及び2で作製した酸素吸収積層フィルム及び水分臭気吸収積層フィルムの層構成を図2に示す。また、比較例1及び2で作製した酸素吸収積層フィルム及び比較吸収積層フィルムの層構成を図3に示す。
Figure 2020011737
表1の結果により、本発明所定の構成を有する包装袋は、酸素吸収能及び水分吸収能に優れる他、電子線滅菌によって発生する臭気の吸収能にも優れることが検証された。

Claims (12)

  1. バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、
    バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムと
    が、前記酸素吸収層及び前記水分臭気吸収層をそれぞれ内側にして対向配置され、かつ、
    前記酸素吸収積層フィルム及び前記水分臭気吸収積層フィルムの端部がヒートシールされ、それによって袋状に成形されている、
    包装袋。
  2. 前記酸素吸収層が、酸素欠陥を有する酸化セリウムを含有する、請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記酸素吸収層の片面又は両面にスキン層を有する、請求項1又は2に記載の包装袋。
  4. 前記水分臭気吸収層が、平均細孔径0.75nm以上3.0nm以下の結晶性多孔質物質の粒子を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装袋。
  5. 前記結晶性多孔質物質がゼオライトである、請求項4に記載の包装袋。
  6. 前記水分臭気吸収層の片面又は両面にスキン層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装袋。
  7. 前記水分臭気吸収積層フィルムが、前記水分臭気吸収層の前記酸素吸収積層フィルムに面する側にイージーピール層を更に有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装袋。
  8. バリア層及び酸素吸収層を有する酸素吸収積層フィルムと、バリア層及び水分臭気吸収層を有する水分臭気吸収積層フィルムとをそれぞれ準備すること、
    前記酸素吸収積層フィルムと前記水分臭気吸収積層フィルムとを、前記酸素吸収層及び前記水分臭気吸収層が内側になるように対向配置すること、並びに
    前記対向配置した前記酸素吸収積層フィルム及び前記水分臭気吸収積層フィルムの端部をヒートシールし、それによって袋状に成形すること
    を含む、包装袋の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装袋、及び
    前記包装袋に密封されている内容物
    を含む、内容物入り包装袋。
  10. 前記内容物が、医薬品又は医療器具である、請求項9に記載の内容物入り包装袋。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装袋中に、内容物を密閉して、内容物入り包装袋を製造すること、
    前記内容物入り包装袋に、電子線又はガンマ線を照射すること
    を含む、内容物の滅菌方法。
  12. 前記内容物が、医薬品又は医療器具である、請求項11に記載の方法。
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