JPH07227940A - 食品容器用シート状基材 - Google Patents

食品容器用シート状基材

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JPH07227940A
JPH07227940A JP6043172A JP4317294A JPH07227940A JP H07227940 A JPH07227940 A JP H07227940A JP 6043172 A JP6043172 A JP 6043172A JP 4317294 A JP4317294 A JP 4317294A JP H07227940 A JPH07227940 A JP H07227940A
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resin
layer
thermoplastic resin
hydrophobic zeolite
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JP6043172A
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Shuzo Ohara
柊三 大原
Hiroshi Kawahara
央 川原
Masahiro Nakajima
正博 中島
Toshiyasu So
敏康 宗
Tsuneo Ando
常雄 安藤
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Goyo Paper Working Co Ltd
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Goyo Paper Working Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基材と熱可塑性樹脂よりなる多層構成の食品
容器用シート状基材において、少なくとも1層が疎水性
ゼオライト含有熱可塑性樹脂層からなることを特徴とす
る食品容器用シート状基材。 【効果】 臭気物質や異味物質が食品へ移行して味や香
りが低下するのを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙、金属、樹脂、アン
カーコート剤や印刷インキ層等に起因する臭気物質や異
味物質が容器内容物である食品中に移行して、該食品の
香りや味が損なわれることを防止する食品容器用シート
状基材に関する。本発明のシート状基材は、例えば基材
が紙である場合、外面側に印刷後一定の形状に打ち抜か
れ、ゲーブルトップ型容器、ブリック型容器、カップ、
どんぶり等所望の形に成形される。また、基材が金属で
ある場合は、同様にして金属缶に成形される。
【0002】
【従来の技術】近年、ワンウエイの液体容器において
は、金属缶やプラスチックボトル、及び紙と熱可塑性樹
脂を主体とした積層材料からなる紙容器等が多用されて
いる。例えば、自動販売機用を主体とする紙カップにお
いては、通常、紙/低密度ポリエチレン(以下、低密度
ポリエチレンをLDPEと略記することがある。)とい
う構成をとり、,また、牛乳、ジュース用等の紙容器に
おいてはLDPE/紙/LDPEという構成が一般的で
ある。LDPEは該容器に防水機能と成形加工(製缶)
時のヒートシール機能を付与する。ロングライフ用牛乳
や、酒、ウーロン茶、日本茶、高級ジュース用等には、
さらに酸素バリヤー性を必要とするので接液面側で紙と
LDPEの間にアルミニウム箔、エチレン−ビニルアル
コール共重合体樹脂層等を前記構成に追加した構成から
なっている。
【0003】最近では、高級ジュース、ウィスキー用等
には、さらに内容物中の香気成分が接液面最内層に収着
するのを防止するため、接液面最内層にポリエステル系
樹脂等が使用されている。その他、ミネラルウォーター
用には、紙やLDPEからの臭気を防ぎ、厳しく水の味
を保つために、接液面最内層にポリエステル系樹脂等が
使用される。これらの食品容器用シート状基材の目標と
する特性は、内容物の種類や賞味期間等によってそれぞ
れ異なるが、臭気物質・異味物質が内容物へ移行するの
を防止することは、すべての用途に必要な特性であると
いえる。
【0004】この臭気物質・異味物質の原因としては、
これらシート状基材に使用されている紙、金属、熱可塑
性樹脂、アンカーコート剤や印刷インキ等が考えられ
る。さらに熱可塑性樹脂を押出加工する時に発生する樹
脂の酸化臭・分解臭も大きな要因である。素材に由来す
るもののうち、印刷インキ臭については、シート状基材
の製造に当り、最外層樹脂層を設けた後に印刷する場合
が多く、印刷後に最外層(印刷面)と最内層(内容物に
接する面)が接触する形で巻き取られて保管されるた
め、印刷インキ臭(溶剤臭を含む)が最内層に移行し、
ひいては製品内容物に移行するので内容物の味や香りを
損なう。この対策として、印刷後に風を当てて臭気成分
を除いているが、それには数日間要するため生産性が低
く、そのため合理化が要求されている。
【0005】紙、金属、熱可塑性樹脂、アンカーコート
剤に由来する臭気・異味は、アルミニウム箔、エチレン
−ビニルアルコール共重合体樹脂層、ポリエステル系樹
脂層等を紙等の基材と最内層接液面樹脂層との間に設け
ることによって低減できる。これらの臭気・酸素ガスバ
リヤー層よりも接液面側に樹脂層やアンカーコート剤層
が存在した場合には、これらの臭気物質・異味物質が製
品内容物に移行してしまう。この対策としては、前述の
ように風を当てて臭気や異味物質を除去する方法や、各
樹脂層形成時の加工温度を下げて酸化臭・分解臭を抑え
る方法等が実施されているが、未だ充分とは言えない。
さらに、これらのシート状基材を容器に成形加工する際
の加熱加圧工程(ヒートシール)で発生する臭気物質・
異味物質も大きな問題になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる実情に
鑑み、紙、金属、樹脂、アンカーコート剤や印刷インキ
に起因する臭気物質・異味物質および押出加工時や成形
加工(ヒートシール)時に発生する臭気物質・異味物質
が内容物に移行して内容物の味や香りが損なわれること
を防止する食品容器用シート状基材を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題を
解決するべく鋭意研究を重ねた結果、基材と熱可塑性樹
脂等からなる多層構成の食品容器用シート状基材におい
て、少なくとも1層を疎水性ゼオライト含有熱可塑性樹
脂層とすることによって前記問題が解決されることを見
出し本発明を完成した。即ち、本発明は基材と熱可塑性
樹脂よりなる多層構成の食品容器用シート状基材におい
て、少なくとも1層が疎水性ゼオライト含有熱可塑性樹
脂層からなることを特徴とする食品容器用シート状基材
を内容とする。
【0008】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、及びこれらの
共重合体を含むポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹
脂、ポリカーボネート系、ポリビニルアルコール系樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリ塩
化ビニリデン系樹脂等が好適で、これらは単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。これらの熱可塑性樹脂の
一部は、それ自身酸素ガスバリヤー性や臭気バリヤー性
を有し、内容物の味や香りの変化をある程度防止するこ
とができる。また、他の一部は、成形加工(ヒートシー
ル)時の接着性樹脂としての機能を有する。
【0009】本発明で用いられる疎水性ゼオライトと
は、SiO2 /Al2 3 モル比が40以上であるハイ
シリカゼオライトを指す。これは通常の、SiO2 /A
2 3 モル比が1〜10前後である親水性ゼオライト
とは異なり、SiO2 成分が多いことによる結晶の組成
や構造の微妙な変化によって結晶内部空洞が疎水性とな
る。その結果、水分子が吸着されにくくなり、逆に有機
物との親和性が増す。かくして、疎水性ゼオライトは水
と有機物の混合系内で、気相でも液相でも有機物に対
し、選択的な吸着力を示す。疎水性ゼオライトとして
は、米国UOP社製の「アブセンツ」各種およびスウェ
ーデン・エカ ノーベル アクチェボラーグ社の「ZS
M−5」等がある。疎水性ゼオライトの最大細孔口径は
5〜8Å程度が好ましい。5Å未満では目的とする臭気
物質・異味物質の分子径より小さいので、これらが有効
に吸着されず、また8Åを越えると、これら物質が脱着
され易くなる。
【0010】紙基材と、ポリエチレン樹脂層からなる食
品容器における臭気物質・異味物質としては、水中への
溶出物の分析から、2−エチルヘキサノール等のアルコ
ール類、フルフラール、ドデカナール等のアルデヒド
類、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、
デカン酸等の低級脂肪酸類、その他ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル等がある。その他、水不溶の低分子
量炭化水素類がある。ポリエステル系樹脂の場合は、臭
気物質・異味物質としては、成形加工時の熱分解物とし
てアセトアルデヒドが発生することがよく知られてい
る。
【0011】これらの臭気物質・異味物質は官能的には
充分に感知されるが、物質の量としては微量である。例
えば前記分析は高温(60℃)促進溶出試験によるもの
であるが、その中の臭気物質・異味物質の濃度は高々数
ppmに過ぎない。従って本発明で用いる疎水性ゼオラ
イトの使用量も0.5〜5重量%程度でよい。
【0012】これらの臭気物質・異味物質の分子径、分
子形態は、例えばn−ヘキサンの場合で4.3Å、直鎖
ジグザグ状である等、疎水性ゼオライトの最大細孔口径
の範囲内にあり、先述のように疎水性ゼオライトは水が
存在していても、これらの物質を選択的、効率的に吸着
する。次に、食品容器用シート状基材を用いて、いろい
ろな脱臭剤の脱臭能を官能テスト法によって判別した結
果を表1に示す。
【0013】
【表1】 *パネラー4人による得点合計(○:3点、△:2点、
×:1点)とし、点数の高い程、脱臭性が優れているこ
とを示す。
【0014】即ち、脱臭能は、(良)活性炭>疎水性ゼ
オライト>親水性ゼオライト(不良)の順であった。吸
着脱臭剤としては活性炭が優れているとはよく知られて
おり、前述の官能テスト結果もこれを裏付けているが、
食品の芳香成分までも吸着除去してしまうこと、および
黒色であるという点で食品容器用シート状基材に用いる
のに好ましくない。
【0015】疎水性ゼオライトの熱可塑性樹脂への含有
率は、0.5〜5重量%が望ましい。中でも1〜3重量
%が特に好適である。0.5重量%未満では吸着・脱臭
効果が乏しく、また5重量%を超えると混合組成物の混
練性や押出加工性が悪くなり、かつ効果の割にはコスト
が高くなる。
【0016】疎水性ゼオライトを含有させる熱可塑性樹
脂としては、臭気物質・異味物質を透過し易く、従っ
て、その中に配合された疎水性ゼオライトの効果が発揮
され易く、かつ押出加工性の良いポリエチレン系樹脂が
好適である。低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂は、
本発明のシート状基材を容器に成形加工する時のヒート
シール性も良好なので特に好適である。
【0017】疎水性ゼオライト含有熱可塑性樹脂層を設
ける方法としては、疎水性ゼオライト含有樹脂コンパウ
ンドを作り、それを溶融押出ラミネートする方法が好ま
しい。その他、前記樹脂コンパウンドを押出成形したフ
ィルムを、接着剤や溶融押出ラミネート樹脂を用いて、
また必要に応じてアンカーコート剤を併用して貼り合わ
せる方法、あるいは疎水性ゼオライト含有樹脂組成物を
溶液状またはエマルジョンにして塗工するコーティング
法等も適用することができる。
【0018】疎水性ゼオライト含有熱可塑性樹脂に、臭
気物質・異味物質を酸化または還元作用によって分解除
去する触媒物質、例えば白金系、パラジウム−白金系、
鉄−マンガン系等の物質をさらに加えてもよい。また、
触媒機能をもつ疎水性ゼオライト〔例えば「アブセンツ
#2000」(米国UOP社製)〕を熱可塑性樹脂に含
有させる方法も好適である。これらは、臭気物質・異味
物質を、単に吸着除去するだけでなく、室温より高温に
なった時に脱着して臭気物質や異味物質を再放出するこ
となく、化学的に分解脱臭する機能を付与するものであ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 疎水ゼオライト「アブセンツ#3000」(米国UOP
社製、ユニオン昭和株式会社販売、平均粒径:5μm、
SiO2 /Al2 3 モル比:100、最大細孔口径:
6Å、乾燥済パウダー)2重量%と、ポリオレフィン系
樹脂としての「ミラソン206P」(三井石油化学工業
株式会社製、LDPE、MI:3.8g/10分、密度:
0.923g/cm3 )を98重量%とをドライブレンド
し、連続混練押出機「KCK−120×2−65VE
X」(KCK社製)に投入してベント孔で脱気しながら
出口温度210℃で混練し、水冷後ペレット化した。
【0020】次に、ペレット化された混練物(疎水性ゼ
オライト2%含有ポリエチレン樹脂コンパウンド)をT
ダイ押出機(スクリュー径:40mm、L/D:22)に
投入し、ホッパードライヤーで除湿乾燥しながら樹脂温
度325℃で押出し、第1繰出機より繰り出された予め
コロナ放電処理を施した紙(ウエアハウザー・ペーパー
・カンパニー製、ミルクカートン用原紙、坪量:305
g/m2) のコロナ放電処理面と、第2繰出機より繰り出さ
れた低臭のLDPEフィルム「AJ−1」(タマポリ株
式会社製、厚さ:40μm)との間に、厚さ20μmで
押出ポリサンドラミネートして貼り合わせた。次に、こ
の反対側の原紙面にコロナ放電処理を施した後、前記樹
脂コンパウンドをTダイ押出機を用いて、Tダイ出口樹
脂温度330℃、厚さ20μmで押出ラミネートし、食
品容器用シート状基材を作製した。
【0021】実施例2 ミルクカートン原紙の予めコロナ放電処理を施した面
に、実施例1で得られた樹脂コンパウンドをTダイ出口
樹脂温度325℃、厚さ20μmで押出ラミネートし、
さらにその上に「ミラソン206P」をTダイ出口樹脂
温度305℃、厚さ40μmで押出ラミネートした。次
いで、反対側の原紙面に同じくコロナ放電処理を施した
後、前記樹脂コンパウンドをTダイ出口樹脂温度330
℃、厚さ20μmで押出ラミネートし、食品容器用シー
ト状基材を作製した。
【0022】実施例3 実施例2で得られたシート状基材の外面側の上に、さら
にLDPE「ミラソン206P」をTダイ押出機を用い
てTダイ出口樹脂温度325℃、厚さ15μmで押出ラ
ミネートし、食品容器用シート状基材を作製した。
【0023】実施例4 2軸延伸ポリビニルアルコール系フィルム「ボブロンE
X」(日合フィルム株式会社製、厚さ:12μm)を用
い、予めアンカーコート(AC)剤「アドコート335
A」(東洋モートン株式会社製、ウレタン系)を0.5
g/m2塗工し、このAC剤面と実施例1で用いたミルクカ
ートン原紙のコロナ放電処理面とを、Tダイ押出機を用
いて「ミラソン206P」をTダイ出口樹脂温度310
℃、厚さ20μmで押出ポリサンドラミネート法によっ
て貼り合わせた。
【0024】次に、この積層体の原紙側面にコロナ放電
処理を施した上、実施例1で得られた樹脂コンパウンド
をTダイ出口樹脂温度330℃、厚さ20μmで押出ラ
ミネートした。さらに、この積層体の「ボブロンEX」
側に、先述と同様に0.5g/m2のAC剤層を設け、この
AC剤面と容器最内層(接液面層)となるLDPEフィ
ルム「AJ−1」とを、Tダイ押出機を用いて、実施例
1で得られた樹脂コンパウンドをTダイ出口樹脂温度3
10℃、厚さ20μmで押出ポリサンドラミネート法に
よって貼り合わせて、食品容器用シート状基材を作製し
た。
【0025】実施例5 実施例4において、シート状基材の外面側の樹脂コンパ
ウンドラミネート層の上に、さらにLDPE「ミラソン
206P」をTダイ出口樹脂温度320℃、厚さ15μ
mで押出ラミネートするとともに、接液面側最内層のL
DPEフィルム「AJ−1」に代えて、LDPE「ミラ
ソン−206P」押出ラミネート層(厚さ40μm)の
構成とし、「ボブロンEX」の接液面側にAC処理を施
した後、樹脂コンパウンド(20μm)、次いでLDP
E(40μm)を2回押出ラミネートして、食品容器用
シート状基材を作製した。
【0026】実施例6 実施例5において、外面側のオーバーラミ層(LDP
E:15μm)を省き、かつ接液面側の「ボブロンE
X」層と最内層LDPE層との中間の実施例1で得られ
た樹脂コンパウンド層に代えて、LDPE(20μm)
層を用いた他は、実施例5と同様にして食品容器用シー
ト状基材を作製した。
【0027】実施例7 疎水性ゼオライト「アブセンツ#3000」2重量%
と、ポリエステル樹脂「RT−543CA」(日本ユニ
ペット株式会社製、密度:1.41g/m2、融点:255
℃)98重量%とをドライブレンドし、実施例1と同様
のKCK連続混練押出機を用い、ペレット化してポリエ
ステル樹脂コンパウンドを作製した。このポリエステル
樹脂コンパウンドをTダイ押出ラミネート(Tダイ出口
樹脂温度:290℃)して、厚さ40μmのフィルムを
得た。厚さ105μmの印刷された鋼板の非印刷面に実
施例4で用いた「アドコート335A」2g/m2を用い、
前記の疎水性ゼオライト2%含有ポリエステルフィルム
を貼り合わせて食品容器用シート状基材を得た。疎水性
ゼオライトを含有しないポリエステルフィルム積層鋼板
およびそれからなる金属缶の場合は、ポリエステル樹脂
層からアセトアルデヒドが検知されたが、本実施例の場
合はアセトアルデヒドが吸着除去され、味が良好であっ
た。なお、フィルム貼り合わせに代えて、ポリエステル
樹脂コンパウンドを押出ラミネートして鋼板に積層して
も同様の良好な結果が得られた。
【0028】比較例1 実施例2において、疎水性ゼオライト含有ポリエチレン
樹脂コンパウンド層(2カ所)に代えてLDPE「ミラ
ソン206P」を使用した他は実施例2と同様にして、
食品容器用シート状基材を作製した。
【0029】比較例2 実施例1において、疎水性ゼオライト「アブセンツ#3
000」に代えて、通常の親水性ゼオライト「ゼオラム
A5」(東ソー株式会社製、SiO2 /Al23 モル
比:1.0、最大細孔口径:5Å)2重量%を用いた他
は、実施例1と同様にして食品容器用シート状基材を作
製した。
【0030】比較例3 比施例1において、接液面側の紙に接する層を、LDP
Eに代えて実施例1で得られた樹脂コンパウンドを使用
した他は、比較例1と同様にして、食品容器用シート状
基材を作製した。
【0031】比較例4 比較例1において、外面側の層を、LDPEに代えて実
施例1で得られた樹脂コンパウンドを使用した他は、比
較例1と同様にして食品容器用シート状基材を作製し
た。
【0032】比較例5 実施例4における2カ所の樹脂コンパウンド層に代え
て、LDPEを2カ所用いた他は、実施例4と同様にし
て、食品容器用シート状基材を作製した。
【0033】比較例6 実施例4における2カ所の樹脂コンパウンド層に代え
て、比較例2で用いた親水性ゼオライト2重量%を含有
したLDPE樹脂コンパウンド層とした他は、実施例4
と同様にして、食品容器用シート状基材を作製した。
【0034】以上の実施例1〜6および比較例1〜6で
作製したシート状基材の評価を行なうため、パックチェ
ックテスト(味覚評価)を行なった。
【0035】「パックチェックテスト」 テストサンプル調製方法:実施例1〜6及び比較例1〜
6で作製したシート状基材をA4判サイズにカットし、
中央から折曲げてA5判のサイズにする。このA5判の
サイズの3辺の合わせ面のうち2辺をヒートシール機
(温度=150℃、圧力=7Kg/cm2、圧着時間=5sec
)でヒートシールして袋を作り、中にミネラルウオー
ターを50ml注入した後、開いていた残りの一辺もヒー
トシール機でヒートシールする。このミネラルウオータ
ーのパックを冷蔵庫に入れ、3日後に開封する。
【0036】評価方法:パックからミネラルウオーター
を注ぎ出し、味を官能テストにより下記の4段階基準で
評価する。6名のパネラーの評点の合計点を平均し、そ
の平均点が0〜1点未満の場合は××、1〜2点未満の
場合は×、2〜2.5点未満の場合は△、2.5〜3点
未満の場合は○、3点の場合は◎とする。以上のパック
チェックテスト結果を表2に示した。 ミネラルウオーターの味、香りが良好である: 3点 ミネラルウオーターに僅かに異臭がする: 2点 ミネラルウオーターに異臭が少しする: 1点 ミネラルウオーターに異臭がかなりする: 0点
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2、表3の結果から、本発明による実施
例1〜6は比較例1〜6に比べて、内容物たる食品(ミ
ネラルウォーター)の味、香りが損なわれることを防止
していることがわかる。実施例6および比較例4は、外
面側のみに疎水性ゼオライト含有樹脂コンパウンド層を
設けた構成であるが、外面側(印刷面側)層が疎水性ゼ
オライト含有LDPEであることにより、巻き取り保管
時に外面側と最内面接液面層が接触するため、疎水性ゼ
オライトの効果が最内面接液面層にも及ぶ。そのため、
内容物の味、香り防止に、ある程度の効果が認められ
る。また他の実施例に比べてコストが安くなるメリット
もある。以上は内容物液体がミネラルウオーターの場合
の評価結果であるが、その他の牛乳、ヨーグルト、ウー
ロン茶の場合は勿論、液状以外の食品についても同様の
評価結果が得られる。
【0040】
【発明の効果】叙上のとおり、疎水性ゼオライト含有熱
可塑性樹脂層を含む本発明の食品容器用シート状基材
は、臭気物質や異味物質の内容物への移行を効果的に阻
止するので、厳密な味、香りが要求されるミネラルウオ
ーター、牛乳、ヨーグルト、ウーロン茶等の食品容器用
として好適である。更に、液体程厳密な味、香りは要求
されないが、液体以外の食品容器用としても好適である
ことは云うまでもない。
フロントページの続き (72)発明者 宗 敏康 大阪府大阪市住之江区安立4丁目13番18号 五洋紙工株式会社内 (72)発明者 安藤 常雄 大阪府大阪市住之江区安立4丁目13番18号 五洋紙工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と熱可塑性樹脂よりなる多層構成の
    食品容器用シート状基材において、少なくとも1層が疎
    水性ゼオライト含有熱可塑性樹脂層からなることを特徴
    とする食品容器用シート状基材。
  2. 【請求項2】 紙基材と熱可塑性樹脂よりなる多層構成
    の食品容器用シート状基材において、少なくとも1層が
    疎水性ゼオライト含有ポリエチレン樹脂からなることを
    特徴とする食品容器用シート状基材。
JP6043172A 1994-02-16 1994-02-16 食品容器用シート状基材 Withdrawn JPH07227940A (ja)

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