JP2020203713A - 紙製包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】害虫による内容物に対する加害を防止できる紙製包装体を提供する。【解決手段】紙基材22と、紙基材22の一面に印刷された印刷層21と、紙基材22の他面に配される熱接着性樹脂層23とを備えた積層体20により形成され、対向する熱接着性樹脂層23の熱接着により封止される紙製包装体1において、印刷層21または熱接着性樹脂層23に疎水性ゼオライトを含む吸着剤を含有した。【選択図】図2

Description

本発明は、紙基材上に設けた熱接着性樹脂層の熱接着により封止される紙製包装体に関する。
紙基材上に熱接着性樹脂層を設けた包装体は特許文献1に開示される。この包装体を形成する積層体は紙から成る紙基材の一面にインキ層が形成され、他面に発泡シートを介して熱接着性樹脂層(シーラント層)が設けられる。熱接着性樹脂層を内面側に配して対向する熱接着性樹脂層を熱接着することにより、一端を開口した包装体(包装袋)が形成される。内容物を充填して開口部を熱接着することにより包装体が封止される。
特開2018−69460号公報(第4頁〜第8頁、第2図)
しかしながら、上記従来の包装体によると、飴やチョコレート等の菓子類を包装した際に、菓子類から放出される甘い香り成分が包装体を通過して外部に放出される。このため、香り成分にノシメマダラメイガ、スジマダラメイガ等の害虫が誘引される場合がある。ノシメマダラメイガの幼虫やスジマダラメイガの幼虫は穿孔能力が高いため、包装体を破って侵入して内容物を加害する虞があった。
本発明は、害虫による内容物に対する加害を防止できる紙製包装体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、紙基材と、前記紙基材の一面に印刷された印刷層と、前記紙基材の他面に配される熱接着性樹脂層とを備えた積層体により形成され、対向する前記熱接着性樹脂層の熱接着により封止可能な紙製包装体において、前記印刷層または前記熱接着性樹脂層に疎水性ゼオライトを含む吸着剤を含有したことを特徴としている。
また本発明は上記構成の紙製包装体において、前記吸着剤を形成する疎水性ゼオライトのSiO2/Al23モル比が30〜10000であることを特徴としている。
また本発明は上記構成の紙製包装体において、前記吸着剤が化学吸着剤を担持した疎水性ゼオライトにより形成されることを特徴としている。
また本発明は上記構成の紙製包装体において、前記吸着剤が前記熱接着性樹脂層に含有され、前記熱接着性樹脂層が熱接着性樹脂の押出し樹脂により形成されることを特徴としている。
また本発明は上記構成の紙製包装体において、前記吸着剤が前記熱接着性樹脂層に含有され、前記熱接着性樹脂層が前記紙基材上に熱接着性樹脂をコーティングされたコーティング膜から成ることを特徴としている。
また本発明は上記構成の紙製包装体において、前記印刷層が、印刷用インキを塗布したインキ層と、前記インキ層の上層にニスを塗布したOPニス層とを有し、前記印刷用インキまたは前記ニスに前記吸着剤が含有されることを特徴としている。
また本発明は上記構成の紙製包装体において、前記吸着剤を含む前記印刷用インキまたは前記ニスがアルコールを含まない水性であることを特徴としている。
また本発明は上記構成の包装体において、前記積層体が延伸フィルムを含まないことを特徴としている。
本発明によると、紙製包装体が熱接着性樹脂層の熱接着により封止可能であり、紙基材上に配した印刷層または熱接着性樹脂層に疎水性ゼオライトを含む吸着剤が含有される。これにより、菓子類の甘い香り成分が疎水性ゼオライトに吸着され、紙製包装体から外部に漏れることを防止される。従って、菓子類の香り成分に誘引される習性の害虫による内容物に対する加害を防止することができる。
本発明の第1実施形態の紙製包装体を示す斜視図 本発明の第1実施形態の紙製包装体を形成する包装紙を示す断面図
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は第1実施形態の紙製包装体の斜視図を示している。紙製包装体1は上端に開口部1aを有する三方シール袋から成り、内部に内容物を収納する収納部9を設けられる。収納部9に収納される内容物は菓子類を含む食品等から成っている。
紙製包装体1は2枚の積層体から成る包装紙20(図2参照)の周部の3辺(両側辺及び底辺)をシール部3により熱接着して形成される。1枚の包装紙20を折曲して周部の2辺(両側辺)をシール部3により熱接着してもよい。開口部1aを熱接着により閉じることにより紙製包装体1を封止することができる。
図2は紙製包装体1を形成する積層体から成る包装紙20の層構成を示す概略断面図である。包装紙20は紙基材22の一面に印刷層21が配され、他面に熱接着性樹脂層23が配される。これにより、包装紙20は延伸フィルムを含まないため、石油由来の材料を削減して環境負荷を低減することができる。
紙基材22は特に限定されないが、上質紙、薄模造紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、片艶クラフト紙、重袋クラフト紙、純白ロール紙、グラシン紙、白板紙、紙管原紙、ライナー原紙、再生紙等を用いることができる。紙基材22は単層抄きでもよく、多層抄きでもよい。
紙基材22の坪量は45〜150g/m2であると好ましい。紙基材22の坪量が45g/m2よりも小さいと包装紙20が破れやすくなり、150g/m2よりも大きいと袋状に形成することが困難になる。
印刷層21は紙基材22上に印刷され、インキ層21aとOP(Over Printing)ニス層21bとを有している。インキ層21aは紙基材22上に印刷用インキを塗布した塗膜から成り、OPニス層21bはインキ層21a上にニスを塗布した塗膜から成っている。インキ層21a及びOPニス層21bは紙基材22の全面に設けられる。尚、インキ層21aを絵柄等の形成部分にのみ設けてもよい。
インキ層21aを形成するインキはウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、硝化綿樹脂等を主成分とし、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの着色顔料及び白色顔料がそれぞれ含まれる。OPニス層21bはニスの塗膜によって包装紙20の表面の耐摩耗性や耐熱性を向上する。
インキ層21aのインキの塗布量は例えば0.5〜3g/m2とすることができる。また、OPニス層21bのニスの塗布量は例えば0.5〜3g/m2とすることができる。本実施形態ではインキ層21aのインキ塗布量を1g/m2にし、OPニス層21bのニスの塗布量を1g/m2にしている。
熱接着性樹脂層23は紙基材22上に押し出される押出し樹脂により形成される。対向する熱接着性樹脂層23を重ね合わせて加圧及び加熱して熱接着することにより、シール部3(図1参照)が形成される。熱接着性樹脂層23を形成する押出し樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。本実施形態では日本ポリエチレン(株)製のポリエチレン(ノバテック(登録商標)LC600A)を用いている。
押出し樹脂から成る熱接着性樹脂層23の厚みは例えば、15〜60μmである。この時、熱接着性樹脂層23の量によって紙製包装体1全体に対する紙基材22の重量比を50%以上にすると、環境負荷の低減効果の高い紙製包装体1を実現することができる。
熱接着性樹脂層23を紙基材22上にドライラミネートされる樹脂フィルムにより形成してもよい。熱接着性樹脂層23を形成する樹脂フィルムとして、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム等を挙げることができる。樹脂フィルムから成る熱接着性樹脂層23の厚みは例えば、25〜60μmである。
また、熱接着性樹脂層23には吸着剤が含有されている。紙製包装体1の内容物が飴やチョコレート等の菓子類の場合に、菓子類の甘い香り成分であるアルコール類が外部に漏れると害虫を誘引する。このため、熱接着性樹脂層23に含有される吸着剤はアルコール類に対する吸着性能の高い疎水性ゼオライトを含む。疎水性ゼオライトは無機多孔体であり、アルコール類等の香り成分を物理吸着する。
一般的にゼオライトはSiO2/Al23モル比が高い程、疎水性が高くなる。このため、熱接着性樹脂層23に含有される疎水性ゼオライトは、SiO2/Al23モル比が、30〜10000であることが好ましい。これにより、水分の吸着を抑制でき、アルコール類に対する高い吸着性能を得ることができる。
疎水性ゼオライトは、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状とすることができ、粉体状、塊状、粒状等の任意の形態とすることができる。熱接着性樹脂層23の製膜性や熱接着性樹脂への均一な分散や混練特性等の観点から、疎水性ゼオライトを粉体状にするとより好ましい。
疎水性ゼオライトのサイズは用途に応じて適宜選択することができるが、平均粒子径0.01μm〜10μmが好ましい。平均粒子径0.1μm〜8μmにするとより好ましく、1μm〜7μmにすると更に好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が0.01μmよりも小さいと、疎水性ゼオライトの凝集が生じ易く、熱接着性樹脂中での疎水性ゼオライトの分散性が低下する。また、平均粒子径が10μmよりも大きいと、疎水性ゼオライトの添加量を多くできず表面積も減少するため十分な吸着効果が得られない。また、熱接着性樹脂層23の製膜性が悪くなる。
熱接着性樹脂層23中の疎水性ゼオライトの含有量は0.1質量%以上であれば十分な吸着効果を発揮することが可能である。疎水性ゼオライトの含有量が0.3質量%以上であるとより好ましく、0.5質量%以上であると更に好ましい。一方で、熱接着性樹脂層23の良好な製膜性及び熱接着性を得るために、疎水性ゼオライトの含有量は15質量%以下が好ましく、10質量%以下であるとより好ましい。
また、熱接着性樹脂層23に含有される吸着剤が化学吸着剤を担持した疎水性ゼオライトであってもよい。例えば、化学吸着剤を含有する溶液を疎水性ゼオライトに含浸した後に乾燥することによって、化学吸着剤を疎水性ゼオライトにより担持させることができる。
化学吸着剤は臭気物質と化学反応を起こして結合する反応性官能基を有する。このため、菓子類等から放出されるアルコール類だけでなく、他の香り成分に対しても吸着性能を高くすることができる。
対象の香り成分がカルボン酸類、硫化水素、メルカプタン類等の酸性物質である場合は、反応性官能基として塩基性官能基を有する化合物を用いることができる。塩基性官能基を有する化合物として、ヒドロキシル基を有する化合物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の水酸化物)、金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等)、金属炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム等)、アミノ基含有化合物(テトラメチレンジアミン等のポリアミン、アルキルアミン、エタノールアミン、ピペリジン等)、アミド基含有化合物(2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸等)を用いることができる。
例えば、香り成分がカルボン酸類の場合にヒドロキシル基を有する化合物を用いると、カルボキシル基とヒドロキシル基とが化学反応を起こして結合し、香り成分が吸着される。
対象の香り成分がアンモニア、アミン類等の塩基性物質である場合は、反応性官能基として酸性官能基を有する化合物を用いることができる。酸性官能基を有する化合物として、リン酸、スルホン酸、カルボン酸、及びこれらの金属塩等を用いることができる。例えば、香り成分がアンモニアである場合にリン酸基を有する化合物を用いると、アンモニアとリン酸基とが化学反応を起こして結合し、香り成分が吸着される。
対象の香り成分がアルデヒドである場合は、アミノ基含有化合物を用いることができ、複数の1級アミノ基を末端に有したアミノ基含有化合物が特に好ましい。これにより、アルデヒド基とアミノ基とが化学反応を起こして結合し、香り成分が吸着される。
更に、両性物質(酸化亜鉛等の金属酸化物)を化学吸着剤として用いることにより、酸性及び塩基性物質を吸着することができる。
熱接着性樹脂層23は吸着剤を樹脂中に混練した単層の樹脂組成物により形成されるが、熱接着性樹脂層23を異なる樹脂から成る多層構成にしてもよい。
吸着剤は熱接着性樹脂層23の層中に均一に分散していてもよく、厚み方向に濃度勾配を設けて分散させてもよい。例えば、紙製包装体1形成時の内側表面から外側表面に向かって増加傾向の濃度勾配を設けて熱接着性樹脂層23内に吸着剤を分散させてもよい。これにより、熱接着性樹脂層23の熱接着性が向上する。
また、紙製包装体1形成時の内側表面から外側表面に向かって減少傾向の濃度勾配を設けて熱接着性樹脂層23内に吸着剤を分散させてもよい。これにより、熱接着性樹脂層23と紙基材25との間の層間接着強度が向上する。更に、熱接着性樹脂層23の厚み方向の中央部から両表面に向かって減少傾向の濃度勾配を設けて吸着剤を分散させてもよい。これにより、熱接着性樹脂層23の熱接着性及び熱接着性樹脂層23と紙基材25との間の層間接着強度が向上する。
上記の包装紙20の熱接着性樹脂層23を内面側に配して対向する熱接着性樹脂層23を熱接着することによってシール部3が形成される。これにより、開口部1aに沿って熱接着性樹脂層23を熱接着することよって封止可能な紙製包装体1が得られる。この時、印刷層21は紙基材22の外面側に配される。そして、収納部9に内容物を充填した後、開口部1aに沿って熱接着し、紙製包装体1を封止して内容物が密封される。
吸着剤を含有した熱接着性樹脂層23は内容物に隣接し、菓子類等から放出される甘い香り成分であるアルコール類を吸着する。これにより、香り成分が外部に漏れないため、菓子類の香り成分に誘引される習性の虫による内容物に対する加害を防止することができる。
本実施形態によると、紙製包装体1が熱接着性樹脂層23の熱接着により封止可能であり、紙基材22上に配した熱接着性樹脂層23に疎水性ゼオライトを含む吸着剤が含有される。これにより、菓子類の甘い香り成分が疎水性ゼオライトに吸着され、紙製包装体1から外部に漏れることを防止される。従って、菓子類の香り成分に誘引される習性の害虫による内容物に対する加害を防止することができる。
また、疎水性ゼオライトのSiO2/Al23モル比が30〜10000であるので、アルコール類に対する吸着性能の高い吸着剤を容易に実現することができる。
また、吸着剤を疎水性ゼオライトに化学吸着剤を担持した無機多孔体により形成すると、菓子類等から放出されるアルコール類以外の香り成分も吸着することができる。従って、害虫による加害をより防止ことができる。
また、熱接着性樹脂層23が熱接着性樹脂の押出し樹脂により形成されるので、吸着剤を含有する熱接着性樹脂層23を紙基材25上に配した紙製包装体1を容易に実現することができる。
また、積層体の包装紙20が延伸フィルムを含まないため、石油由来の材料を削減して環境負荷を低減することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は熱接着性樹脂層23が疎水性ゼオライトを含有するコーティング膜により形成される。その他の部分は第1実施形態と同様である。
熱接着性樹脂層23は紙基材22をコーティングするコーティング膜から成り、紙基材22上に熱接着性樹脂の塗工液を塗布して形成される。コーティング用の熱接着性樹脂として、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂等を用いることができる。本実施形態では三井化学(株)製のポリオレフィン系熱接着性樹脂(ケミパール(登録商標)S300)を用いている。
熱接着性樹脂の塗工液の塗布量は例えば1.5〜6g/m2とすることができる。本実施形態では3g/m2にしている。また、熱接着性樹脂層23は紙基材22上の熱接着部分のみに設けてもよいが、全面に設けるとより好ましい。これにより、耐水性や突刺しに対する強度が得られる。また、熱接着性樹脂の塗工液に吸着剤を含有させる場合は、菓子類の香り成分に対する吸着性能を向上することができる。
熱接着性樹脂層23をコーティング膜により形成すると厚みが小さいため、紙製包装体1のリサイクル性に優れる。また、押出し樹脂や樹脂フィルムよりも石油由来の材料を削減して環境負荷を低減できるためより望ましい。
熱接着性樹脂層23中の疎水性ゼオライトの含有量は上記と同様に0.1質量%〜15質量%にすると良好な吸着性能、製膜性及び熱接着性が得られる。疎水性ゼオライトの含有量の下限を0.3質量%にするとより好ましく、0.5質量%にすると更に好ましい。また、疎水性ゼオライトの含有量の上限を10質量%にするとより好ましい。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、熱接着性樹脂層23に疎水性ゼオライトを含む吸着剤が含有される。このため、菓子類の香り成分に誘引される習性の害虫による内容物に対する加害を防止することができる。
また、熱接着性樹脂層23が紙基材22上に熱接着性樹脂をコーティングされたコーティング膜から成るので、リサイクル性に優れ、環境負荷を低減できる紙製包装体1を得ることができる。この時、紙製包装体1全体に対する紙基材22の重量比を容易に50%以上にすることができ、環境負荷の低減効果の高い紙製包装体1を容易に実現することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は疎水性ゼオライトが熱接着性樹脂層23に替えて印刷層21に含有される。その他の部分は第1実施形態と同様である。
熱接着性樹脂層23は第1実施形態と同様の押出し樹脂により形成される。尚、第2実施形態と同様のコーティング膜によって熱接着性樹脂層23を形成してもよい。また、熱接着性樹脂層23には疎水性ゼオライトを含む吸着剤を含有していないが、第1、第2実施形態と同様に含有してもよい。
印刷層21のインキ層21aを形成するインキには上記と同様の疎水性ゼオライトを含む吸着剤が含有されている。また、インキ層21aを形成するインキは水を溶剤とし、アルコールを含まない水性インキから成っている。このため、インキ内のアルコールを吸着剤が吸着することによる印刷適正の悪化や吸着性能の悪化を防止することができる。
疎水性ゼオライトのサイズは平均粒子径0.01μm〜10μmが好ましい。平均粒子径0.1μm〜8μmにするとより好ましく、1μm〜7μmにすると更に好ましい。平均粒子径が0.01μmよりも小さいと、疎水性ゼオライトの凝集が生じ易く、インキのバインダー樹脂中での疎水性ゼオライトの分散性が低下する。また、平均粒子径が10μmよりも大きいと、疎水性ゼオライトの添加量を多くできず表面積も減少するため十分な吸着効果が得られない。また、インキ層21aの表面に凹凸を生じさせ、印刷性能を悪化させる要因となる。
インキ層21a中の疎水性ゼオライトの含有量は0.1質量%以上であれば十分な吸着効果を発揮することが可能である。疎水性ゼオライトの含有量が0.3質量%以上であるとより好ましく、0.5質量%以上であると更に好ましい。一方で、インキ層21aの良好な加工適正を得るために、疎水性ゼオライトの含有量は15質量%以下が好ましく、10質量%以下であるとより好ましい。
インキ層21aは紙基材22上の絵柄等を形成する部分のみに設けてもよいが、全面に設けることによって菓子類の香り成分を確実に吸着できるためより望ましい。
尚、紙基材22の全面に設けられるOPニス層21bを形成するニスに上記吸着剤を含有してもよい。この時、インキ層21aの吸着剤を省いてもよい。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、印刷層21に疎水性ゼオライトを含む吸着剤が含有される。このため、菓子類の香り成分に誘引される習性の害虫による内容物に対する加害を防止することができる。
また、インキ層21aを形成する印刷用インキまたはOPニス層21bを形成するニスに吸着剤が含有される。このため、吸着剤を含有する印刷層21を容易に実現することができる。
また、インキ層21aを形成するインキがアルコールを含まない水性であるので、インキ内のアルコールを吸着剤が吸着することによる印刷適正の悪化や吸着性能の悪化を防止することができる。OPニス層21bを形成するニスに吸着剤が含まれる場合も同様に、アルコールを含まない水性のニスにするとよい。
尚、第1〜第3実施形態において、紙製包装体1が三方シール袋により形成されるが、紙製包装体1をピロー型の袋や自立型の袋等の他の形態に形成してもよい。
本発明によると、菓子類等を包装する包装袋等に利用することができる。
1 紙製包装体
1a 開口部
3 シール部
9 収納部
20 包装紙
21 印刷層
21a インキ層
21b OPニス層
22 紙基材
23 熱接着性樹脂層

Claims (8)

  1. 紙基材と、前記紙基材の一面に印刷された印刷層と、前記紙基材の他面に配される熱接着性樹脂層とを備えた積層体により形成され、対向する前記熱接着性樹脂層の熱接着により封止可能な紙製包装体において、前記印刷層または前記熱接着性樹脂層に疎水性ゼオライトを含む吸着剤を含有したことを特徴とする紙製包装体。
  2. 前記吸着剤を形成する疎水性ゼオライトのSiO2/Al23モル比が30〜10000であることを特徴とする請求項1に記載の紙製包装体。
  3. 前記吸着剤が化学吸着剤を担持した疎水性ゼオライトにより形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紙製包装体。
  4. 前記吸着剤が前記熱接着性樹脂層に含有され、前記熱接着性樹脂層が熱接着性樹脂の押出し樹脂により形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の紙製包装体。
  5. 前記吸着剤が前記熱接着性樹脂層に含有され、前記熱接着性樹脂層が前記紙基材上に熱接着性樹脂をコーティングされたコーティング膜から成ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の紙製包装体。
  6. 前記印刷層が、印刷用インキを塗布したインキ層と、前記インキ層の上層にニスを塗布したOPニス層とを有し、前記印刷用インキまたは前記ニスに前記吸着剤が含有されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の紙製包装体。
  7. 前記吸着剤を含む前記印刷用インキまたは前記ニスがアルコールを含まない水性であることを特徴とする請求項6に記載の紙製包装体。
  8. 前記積層体が延伸フィルムを含まないことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の紙製包装体。
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