JP7349771B2 - 保冷容器および生鮮物の輸送方法 - Google Patents
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Description
また、例えば、特許文献1には、耐水性を付与した段ボール製の外箱、内箱を重ねて使用する段ボール製二重箱なども提案されている。
ところで、鮮魚、肉、野菜などを運搬する搬送車の積載庫内は、運搬する対象物により種々の臭いが残る。理想的には、鮮魚専用輸送車などを設ければよいが、現実には運送の効率を上げるために混載する場合が多いため、移り香の問題があった。特に鮮魚を運送した後に臭気の少ない食品などを運送すると、魚の臭気が他の食品に移り、商品価値を著しく下げることとなった。
(保冷容器)
本実施形態の保冷容器10は、直方体形状の段ボールシートからなる外箱1と外箱1内に装備される段ボールシートからなる内箱2とを備える2層以上の多重箱と、内箱2内に装着される合成樹脂からなる内袋3とを具備する。
外箱1と内箱2はそれぞれ別のブランクシートから組み立てられる。
保冷容器10は、外箱1と内箱2との間に所定間隔の隙間を形成し、熱伝導性の低い空気層を形成することが好ましい。
保冷容器10は、外箱1と内箱2と多重箱にすることで、本発明の保冷容器の性能をさらに高めることが可能となると同時に、箱強度を補強も兼ねることができるので好ましい。
外箱1は、段ボールシートからなり、段ボールの材料としては、A段、B段、E段、F段などの種類があるが、特に限定されるものではない。保冷性の点からは、A段、B段、E段、F段の順に空気層を多く有する種類の方が好ましい。また、複両面段にすれば、さらに保冷性は向上する。
外箱1の形状は、使用前、使用後に簡単に折り畳める形式、例えばA-1式のものが、作業性、省スペースの点で好ましい。
外箱1の内面には、アルミペーストや樹脂シートを全面塗布あるいは貼り付けることで、保冷性、防水性、撥水性が向上するので好ましい。
底部のフラップを接合した稜線部分や角部には、封緘テープを貼って空気の漏洩を防ぐことで、輸送中も外気が箱内に侵入することなく、箱内の保冷状態か維持されるので好ましい。封緘テープは、紙粘着テープまたは糊引きして乾く前に貼る仕様でも良い。
内箱2は、外箱1と同様の紙材からなる。例えば鮮魚等の水物を収容する用途にあっては、内面に撥水処理または防水処理されていることが好ましい。このことによって、低温で充填された内容物の温度変化に伴う結露や、箱内部及び外部からの水濡れ及び水蒸気の浸透などに対して、保冷容器が撥水性能または防水性能を発揮し、強度劣化に伴う箱の損壊等を防止することができる。
内袋3は、内袋の立方体形状に一致する袋形状であることが好ましい。
内袋3は、臭気吸着性能を有するヒートシール層を含む積層シートからなる。
本実施態様の内袋は、ヒートシール性を充分に確保しつつ、吸着性能を有しているため、包装袋として用いられた場合は、野菜や魚等の生鮮物の内容物であるから発生する主に硫黄系の臭気を吸着することができる。
本実施形態の内袋を構成するシート30は、少なくともヒートシール層34を含み、消臭性能を有する。図2は、本実施形態のシート30の一好適な実施の形態の概略断面図であり、図示例においては、外層から内層に向って、基材層31、およびヒートシール層34が順次積層されている。図3は、本実施形態のシート30の一好適な実施の形態の概略断面図であり、外層から内層に向って、基材層31、接着層32、ガスバリア層33、接着層32およびヒートシール層34が順次積層されている。
本実施態様においては、ヒートシール層34が、疎水性ゼオライトからなる臭気を吸着する吸着剤を0.5質量%以上、30質量%含有する熱可塑性樹脂からなる層を含むことが必要である。上記の範囲内であれば、ヒートシール性を損なうことなく、飲食品等から発生する硫黄系の臭味を除去することが可能となる。
臭気吸着剤の添加量は、ヒートシール層全体の質量に対して0.5質量%以上であれば消臭効果を示すことが可能であり、好ましくは1質量%以上である。一方、良好な製膜性を得るためには、臭気吸着剤の添加量は30質量%以下であることが好ましい。加えて、良好なヒートシール性を達成するためには、臭気吸着剤の添加量は、より好ましくは15質量%以下である。加えて、良好なフィルムの透明性を達成するためには、臭気吸着剤の添加量は、より好ましくは10質量%以下である。
また、本実施形態においては、上記の疎水性ゼオライト中のSiO2/Al2O3のモル比が、20以上、2000以下であることが必要である。
また、この疎水性ゼオライト中のSiO2/Al2O3のモル比が20未満であると、ゼオライトの表面に充分な疎水性が得られないので、充分な消臭性能を得ることができない。一方、2000を超えると、硫黄系臭気の吸着性能が一定となってしまう。
また、前記疎水性ゼオライト中のSiO2/Al2O3のモル比の異なる吸着剤の混合物を含有することにより、硫黄系臭気の吸着性能が更に向上するので好ましい。
また、本実施態様において、粉体状の吸着剤は任意の孔径を有するものを適宜に選択することができるが、特に孔径0.4nm~1.5nmのものが臭気の吸着性の点で好ましい。
このようなポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メチルメタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。また、酸化防止剤やアンチブロック剤等の何れかが添加剤として、フィルム内に少量存在するものも適用できる。
本実施形態において、特に、臭気吸着剤を含有する状態で優れたヒートシール性及び臭気吸着性を発揮するため、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン等を用いることが接着性に優れるので好ましい。
また別の態様において、ヒートシール層は、2またはそれ以上の層を有する多層構成であり、ここで、各層は、臭気吸着剤の添加量がそれぞれ異なる樹脂組成物からなってよい。この構成において、臭気吸着剤を含有せず、ヒートシール性樹脂のみからなる層があってもよい。
本実施形態において、ヒートシール層の積層方法は、特に限定されないが、この層を形成する樹脂組成物を、接着層を介して、ガスバリア層上にエクストルージョンコーティングすることにより積層することができる。エクストルージョンコーティングにおいては、まず、上記樹脂組成物を加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に押出し、該溶融樹脂をガスバリア層上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、ヒートシール層の形成とガスバリア性フィルムへの接着と積層を同時に行う。
または、上記樹脂組成物からなるフィルムを製膜し、これを、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、サンドラミネーション等により、接着層を介してガスバリア性フィルムとラミネートしてもよい。ここで、フィルムの製膜法としては、例えば、製膜方法としてインフレーション法を用いる場合、ヒートシール層を形成するヒートシール性樹脂のメルトフローレート(MFR)は、0.2~4g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.2~3g/10分である。MFRが0.2g/10分未満、または4g/10分を超えると加工適正の面で有効ではない。なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210に準拠した手法から測定された値である。
本実施態様において、基材層31は、包装する内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂からなるフィルムを単層、または多層で使用することができる。特に本発明においては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂からなるフィルムが好ましい。
6μm未満であると、内容物を梱包して輸送中に破袋するので好ましくない。
本実施態様において、ガスバリア層33は、酸素や水蒸気の透過を阻止しうる各種の種々の材料が適用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等の樹脂からなる樹脂フィルム、上述の基材層の少なくともいずれか一方の面上にシリカ蒸着膜やアルミナ蒸着膜等の蒸着膜を設けた蒸着フィルム、アルミニウム箔等の金属箔を使用することができるが、これらに限定されない。上記フィルムの中でも、シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、アルミニウム箔を使用することが、ガスバリア性に優れている点から好ましい。また、特にアルミニウム箔を使用することによって遮光性を付与することができ、これにより、光照射により劣化し易い内容物等の包装材としても、好適に用いることができる。本発明において、ガスバリア層の膜厚は、5μm~30μm程度とすることが好ましい。
上記の基材層とガスバリア層の層間、及び、ガスバリア層と臭気吸着性能を有するヒートシール層の層間に接着層を設けて積層することにより、積層体が得られる。
本実施態様において、接着層32は、ドライラミネート用接着剤、ノンソルベントラミネート用接着剤等からなる層であってよい。
接着層としてドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30℃~80℃で数時間~数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
ノンソルベントラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身をフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30℃~80℃で数時間~数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
また、上記接着剤は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム/シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。
本実施態様の保冷容器は、例えば、内袋の開口部から内容物を充填し、密封して内袋内の主に硫黄系の臭気を吸着することができるので、臭い移りが少ない。
また、本実施形態の内袋は、目的に応じて、ガスバリア層等を設けることができるため、この場合、ガスバリア層によって酸素や水蒸気の透過を防止することができ、内容物の保存性に優れる。
本発明の生鮮物の輸送方法は、上述した本実施形態の保冷容器を用いて、内袋に内容物と保冷剤と共に収納する工程と、内容物と保冷剤が収納された内袋を内箱に収納する工程と、内袋が収納された内箱を外箱に収納する工程と、を備える。
本実施形態の生鮮物の輸送方法は、まず、外箱1および内箱2を各々起函させ、外箱1に内箱2を挿嵌させ、内箱2に内袋を装着させる。
そして、図5に示すように、内袋3に氷などの保冷剤4を入れ、その上に中敷き5を載せ、その上に内容物を収納し、クリップ等により上部を収束した状態で折り畳む。しかる後、外箱1および内箱2の蓋を各々テープ等で封緘され、保冷梱包体が製造される。
上記の保冷剤としては、氷、アイスパック、ドライアイス等を冷却媒体として使用できる。
また、緩衝材の役割を果たすフィルム等で内容物を予め包装しておいてもよい。
なお、内袋上部の収束部は、内箱の天面パネルで動かないように押さえるように閉じるよう設計することが好ましい。これにより、収束部から水濡れを防ぐことができる。
また、外箱の封緘後にダンボール端面が完全にテープで隠れるように角を覆うようにテープ貼りすると、保冷性が向上するので好ましい。
本実施形態の生鮮物の輸送方法によれば、本実施態様の保冷容器において、内袋の開口部から内容物を充填し、密封して内袋内の主に硫黄系の臭気を吸着することができるので、保冷容器を他の食品と混載して輸送することができる。
本実施形態の保冷梱包体は、食品、特に臭気のある食品で温度管理の必要な加工食品、あるいは冷凍食品についても適用できるが、特に10℃以下の冷蔵が必要なチルド生鮮食品、砕氷で覆う氷蔵生鮮食品を包装・梱包するために用いられることが好ましい。
内容物は、鮮魚貝類、温度管理の必要な生肉などの畜肉、または青果物などの生鮮物を始め、減塩生ハム、減塩くんせいや調味した魚介類や畜肉の一夜干し、または調味しただけの鮮魚や生肉など温度管理の必要な(いわゆる半生の)加工食品について幅広く適用される。
また内容物は、食品に限らず、温度管理しないと臭気を発生する物品であれば香りのついたシートなどの非食品でも適用することができる。
(外箱)
外寸が長さ600mm、幅350mm、深さ150mmとなる略直方体となる段ボール(製品名:リサイクール、レンゴー(株)製)を製函して、底を板と板の間を塞ぎ切るように紙テープで封緘した。
外箱の内側に収納してもがたつかずに収納できる寸法で適宜設計した内箱を製函して、底部を封緘することなく外箱の内側に挿嵌した。なお、内箱の底部は封緘しない方が作業効率の点において好ましい。
内箱は、耐水性のダンボール(レンゴー株式会社製耐水ダンボール)を使用した。
まず、ベース樹脂として用いた直鎖状低密度ポリエチレン(株式会社プライムポリマー社製SP2020)90質量%と、臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比105、粒子径4μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)ゼオライト(水澤化学工業株式会社製シルトンMT-100)10質量%とを混練して、臭気吸着剤を含む樹脂組成物を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(1)を調整した。
この樹脂組成物(1)と直鎖状低密度ポリエチレンを押出し温度180℃にてインフレーション法により製膜した。その結果、層構成、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmの積層フィルムを得た。なお、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
そして、上記で得られた積層シートを用い、幅500mm、長さ1000mmとなるよう底辺と側面二方をヒートシールした三方シール袋を製造した。
上記で得られた外箱の中に内箱を装着した二重箱を準備した。
次に、内袋に約5mm~10mm角程度の砕氷を入れ、しかる後、中敷きとしてパーチメント紙製を敷いて、その上に鮮魚10kg(さんま)を寝かせるように置き、袋を絞って片結びに口を縛ってから外側を流水で洗い、水が滴らなくなった10分後に二重箱に内袋を収納した。そして、内袋の上部を大型クリップ(エージレスクリップ、三菱ガス化学製)で収束し、縛った口が上方になるようにした。
そして、内箱天面を閉じ、次いで、外箱天面を閉じて紙テープで端面を完全に覆うように封緘して保冷梱包体を製造した。
内袋を構成する臭気吸着性能を有する樹脂層において、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(1)と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、8.3/91.7(重量比)としたこと以外は実施例1と同様の手順で積層シートを作製した。なお、積層シートの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は0.83質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成する臭気吸着性能を有する樹脂層において、実施例1と同じベース樹脂と、臭気吸着剤を使用し、ベース樹脂80質量%と、臭気吸着剤20質量%とを混練して、臭気吸着剤を含む樹脂組成物を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、83.5/16.5(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(2)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(2)としたこと以外は実施例1と同様の手順で積層シートを作製した。なお、積層シートの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は16.7質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成する臭気吸着性能を有する樹脂層において、臭気吸着剤として臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比400、粒子径5~8μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)ゼオライト(水澤化学工業株式会社製シルトンMT-400)としたこと以外は実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂90質量%、臭気吸着剤10質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)としたこと以外は実施例1と同様の手順で積層シートを作製した。なお、積層シートの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成する臭気吸着性能を有する樹脂層において、臭気吸着剤として臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比2000、粒子径1~3μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)ゼオライト(水澤化学工業株式会社製シルトンMT-2000)としたこと以外は実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂90質量%、臭気吸着剤10質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(4)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(4)としたこと以外は実施例1と同様の手順で積層シートを作製した。なお、積層シートの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成する臭気吸着性能を有する樹脂層において、臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比20、粒子径9.8μm、孔径0.74nmのゼオライトに銅と亜鉛が修飾された化合物(シナネンゼオミック株式会社製ダッシュライトCZU1721)としたこと以外は実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂90質量%、臭気吸着剤10質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(5)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(5)としたこと以外は実施例1と同様の手順で積層シートを作製した。なお、積層シートの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成する臭気吸着性能を有する樹脂層において、臭気吸着剤として臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比100、粒子径5~8μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)ゼオライト(水澤化学工業株式会社製シルトンMT-100)としたこと以外は実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂70質量%、臭気吸着剤30質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物を使用し、押出し温度180℃にてインフレーション法により膜厚50μmの単層シートを製膜した。なお、この単層フィルムの臭気吸着剤の添加量は30質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成するヒートシール層として実施例1で得られた積層シート(層構成:直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μm)を準備した。また、基材層31としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、東洋紡株式会社製エスペット T4102)、中間層として二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm、ユニチカ株式会社製 エンブレムONBC)を準備した。そして、接着層32として、2液硬化型ウレタン系ラミネート用接着剤(ロックペイント株式会社製RU004/H―1)を塗布量 3.5g/m2、乾燥温度70℃で、各層を貼り合せた。その結果、層構成、ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm/接着層μm/二軸延伸ナイロンフィルム15μm/接着層μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmの積層シートを製造した。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
臭気吸着剤として臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比32、粒子径2μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)ゼオライト(水澤化学工業株式会社製 ミズカシーブス EX-122)としたこと以外は、実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂90質量%、臭気吸着剤10質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)としたこと以外は実施例1と同様の手順で多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
臭気吸着剤として臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比32、粒子径2μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)のゼオライト(水澤化学工業株式会社製 ミズカシーブス EX-122)と、SiO2/Al2O3のモル比2000、粒子径1~3μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)のゼオライト(水澤化学工業株式会社製シルトンMT-2000)を1:1で混合したこと以外は、実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂90質量%、臭気吸着剤10質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)としたこと以外は実施例1と同様の手順で多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
臭気吸着剤として臭気吸着剤としてSiO2/Al2O3のモル比32、粒子径2μm、MFI型(孔径0.53nm×0.56nm、0.51nm×0.55nm)のゼオライト(水澤化学工業株式会社製 ミズカシーブス EX-122)と、SiO2/Al2O3のモル比20、粒子径9.8μm、孔径0.74nmのゼオライトに銅と亜鉛が修飾された化合物(シナネンゼオミック株式会社製ダッシュライトCZU1721)を1:1で混合した以外は、実施例1と同様の手順で臭気吸着剤を含む樹脂組成物(ベース樹脂90質量%、臭気吸着剤10質量%)を調製した。
そして、この樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレンとの配合組成比が、50/50(重量比)となるように混練し、臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)を調整した。
臭気吸着剤を含む樹脂組成物(3)としたこと以外は、実施例1と同様の手順で多層フィルムを作製した。なお、多層フィルムの層構成は、直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmであった。また、この臭気吸着性能を有する樹脂層中のゼオライトの添加量は5質量%であった。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
内袋を構成するシートとして、臭気吸着剤を含まない直鎖状低密度ポリエチレンを用いたこと以外は実施例1と同様の手順で厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを作製した。
保冷容器を構成する内袋以外は、実施例1と同様の手順で保冷梱包体を製造した。
実施例1~11および比較例1のフィルムを200mm×250mmの大きさに切り取り、1Lのテドラーバックに入れ密封し、次いで、ジメチルスルフィドガスを注入した。ジメチルスルフィドガスを注入してから10℃、24時間後にテドラーバック内のジメチルスルフィドガス濃度を検知管(株式会社ガステック社製)により測定した。なお、ジメチルスルフィドガスの初濃度は20ppmとした。得られたガスクロマトグラフィーの結果を表1に示す。
実施例1~7、9~11および比較例1のフィルムを実施例8と同様に、基材層と、バリア層を、2液硬化型ウレタン系ラミネート用接着剤を介して各層を貼り合せた。その結果、層構成、ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm/接着層/二軸延伸ナイロンフィルム15μm/接着層/直鎖状低密度ポリエチレン層10μm/臭気吸着性能を有する樹脂層30μm/直鎖状低密度ポリエチレン層10μmの積層シートを製造した。
この積層シートを用いて2枚を400mm×200mmの大きさに切り取り、シール幅10mmにて3方パウチを作製した。この3方パウチに内容物としてサンマを2匹入れ、残りの1辺をヒートシールして密封し、10℃、48時間保存後の臭気の有無を官能評価した。臭味を感じない場合を○、臭味を感じる場合を×とした。得られた結果を表1に示す。
実施例1~11および比較例1のフィルムの外観を目視で評価した。フィルムのフィッシュアイ状の凹凸の発生がなく、透明である場合を○、樹脂原料の未融解物に由来するフィッシュアイ状の凹凸の発生があり、透明性が十分でない場合を×とした。得られた結果を表1に示す。
実施例1~11および比較例1の保冷梱包体4箱を1段としてパレットに積んだ。周囲を収縮性フィルムで幾重にも巻き付けて保冷車で10kmの行程を1日かけて輸送した。外温は日中、25℃~35℃であった。
その結果、保冷梱包体を外観観察したが臭気がない場合を○、臭気がある場合を×とした。得られた結果を表1に示す。
2 内箱
3 内袋
4 保冷剤
5 中敷き
6 内容物
10 保冷容器
30 シート
31 基材層
32 接着層
33 ガスバリア層
34 ヒートシール層
35 開口部
36 ヒートシール部
Claims (7)
- 折り畳み可能な段ボールシートからなる外箱と、
前記外箱の内側に備えられた折り畳み可能な段ボールシートからなる内箱と、
前記内箱の内側に備えられた内袋と、を具備し、
かつ、前記内袋を構成するシートが、臭気吸着性能を有するヒートシール層を有し、
前記ヒートシール層が、疎水性ゼオライトからなる臭気を吸着する吸着剤を含有し、
前記ヒートシール層が、吸着層を含有しない直鎖状低密度ポリエチレン層と、吸着層を含有する直鎖状低密度ポリエチレン層との多層構成であって、
前記吸着層を含有しない直鎖状低密度ポリエチレン層が、外層として有し、
前記ヒートシール層を形成するヒートシール性樹脂のメルトフローレートが0.2g/10分以上4g/10分以下であり、
かつ、前記吸着剤が、0.5質量%以上、30質量%以下の範囲で含有し、
かつ、前記吸着剤が、粉体状であり、
かつ、前記吸着剤の孔径が、0.4nm以上、1.5nm以下の範囲であり、
かつ、前記吸着剤の平均粒子径が、0.01μm以上、10μm未満の範囲であることを特徴とする保冷容器。 - 前記疎水性ゼオライト中のSiO2/Al2O3のモル比が、20以上、2000以下であることを特徴とする請求項1に記載の保冷容器。
- 前記吸着剤が、前記疎水性ゼオライト中のSiO2/Al2O3のモル比の異なる混合物であることを特徴とする請求項1~2のうちいずれかに記載の保冷容器。
- 前記吸着剤が、前記疎水性ゼオライトに金属成分が担持されるものであることを特徴と
する請求項1~3のいずれかに記載の保冷容器。 - 前記ヒートシール層が、生鮮物から発生する臭気の吸着用に用いられることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の保冷容器。
- 前記内箱が、撥水処理または防水処理された段ボールシートであることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の保冷容器。
- 上記請求項1~6のいずれかに記載された保冷容器を用いて、
前記内袋に内容物を保冷剤と共に収納する工程と、
前記内容物と前記保冷剤が収納された前記内袋を前記内箱に収納する工程と、
前記内袋が収納された前記内箱を外箱に収納する工程と、を備えることを特徴とする生鮮物の輸送方法。
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