JP3282567B2 - 活性化型酸素吸収剤を含む包装用積層体 - Google Patents

活性化型酸素吸収剤を含む包装用積層体

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JP3282567B2 JP32172997A JP32172997A JP3282567B2 JP 3282567 B2 JP3282567 B2 JP 3282567B2 JP 32172997 A JP32172997 A JP 32172997A JP 32172997 A JP32172997 A JP 32172997A JP 3282567 B2 JP3282567 B2 JP 3282567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性化型酸素吸収
剤を含む包装用積層体に関するもので、より詳細には、
低水分環境下或いは低湿度雰囲気下でも酸素吸収性能を
安定に発揮できる包装用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来包装容器としては、金属缶、ガラス
ビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、軽
量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチック容
器が各種の用途に使用されている。
【0003】しかしながら、金属缶やガラスビンでは容
器壁を通しての酸素透過がゼロであるのに対して、プラ
スチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視
し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題と
なっている。
【0004】これを防止するために、プラスチック容器
では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層と
して、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素
透過性を有する樹脂を用いることが行われている。
【0005】容器内の酸素を除去するために、鉄粉等の
酸素吸収剤の使用も古くから行われており、これを容器
壁に適用した例としては、特公昭62−1824号公報
の発明があり、これによると、酸素透過性を有する樹脂
に還元性物質を主剤とする酸素吸収剤を配合して成る層
と、酸素ガス遮断性を有する層とを積層して、包装用多
層構造物とする。
【0006】酸素吸収剤として、鉄系のものは酸素の吸
収速度も吸収容量も大きく、コストの点でも優れたもの
ではあるが、酸素吸収剤粒子の周囲に十分な水分が供給
されることが必要であり、このため、酸素吸収剤を配合
する樹脂層に吸水性の無機化合物や有機化合物を配合す
ることも広く行われている。
【0007】例えば、特開平1−278244号公報に
は、20℃及び0%RHでの酸素透過係数が10-12
c・cm/cm2 ・sec・cmHg以下で且つ20℃
及び100%RHでの水分吸着量が0.5 重量%以上であ
るガスバリヤー性樹脂に脱酸素剤及び吸水剤を配合した
樹脂組成物の層を備えていることを特徴とするプラスチ
ック多層容器が記載されている。
【0008】鉄粉の表面に吸水性の電解性物質を被覆す
ることも既に知られており、特開昭53−14185号
公報には、金属粉をハロゲン化金属で被覆してなり、ハ
ロゲン化金属の被覆量が金属粉100部に対し0.00
1〜5部であり、且つ水分含有量が全体の1重量%以下
である酸素吸収剤が記載されている。
【0009】また、鉄粉等の酸素吸収剤を配合した樹脂
組成物に、予め水分を保持せしめ、鉄−塩化ナトリウム
−水の三成分の共存系を形成させることも既に知られて
いる。
【0010】例えば、特開昭63−281964号公報
には、熱可塑性樹脂100重量部に対し、100メッシ
ュ以上の微粉末の鉄粉50〜400重量部、100メッ
シュ以上の微粉末の塩化ナトリウム2重量部以上、及び
吸水性無機充填剤、活性炭、木粉、若しくはパルプの中
から少なくとも一種以上を選んで100メッシュ以下に
粉砕した親水性充填剤0.5重量部以上を均一に配合し
て成る樹脂組成物を溶融してフィルムに成形した後、該
フィルムを常温または加温下の水槽もしくは加湿槽に浸
しその後に付着水を除去乾燥する水分付与工程処理を行
うことを特徴とする、親水性充填剤を含有する酸素吸収
性樹脂組成物が記載されており、このフィルムを、酸素
不透過性の合成樹脂層や金属箔からなる外層、及び気体
透過性の良好な通気性フィルム等の内層と積層すること
も記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鉄粉と
ハロゲン化金属等とを単に樹脂中に配合した樹脂組成物
では、容器内部が低湿度条件下にあるときには、酸素吸
収速度が遅く、その結果として、所謂ドライの内容物を
保存する包装容器としては、内容物保存性の点で未だ十
分に満足しうるものではなかった。
【0012】一方、鉄粉、塩化ナトリウム、吸水性充填
剤を含有するフィルム中に予め水分を含有保持せしめる
という従来の提案は、鉄粉の酸化のための活性化が予め
なされているという点で優れたものではあるが、このフ
ィルムを実際の用途に供するためには、包装容器への成
形や充填、密封等の工程が必要であり、この段階で酸素
吸収性能が失活したり、或いは密封容器中での酸素吸収
性能が低下するという欠点が認められる。
【0013】従って、本発明の目的は、酸素吸収剤配合
樹脂層中に酸素吸収剤が活性化された状態でしかもこの
活性化状態が比較的長時間維持できるように含有されて
おり、その結果、低水分環境下或いは低湿度雰囲気下で
も酸素吸収性能を安定に発揮できる包装用積層体を提供
するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、熱可塑
性樹脂の連続層からなる外層、酸素バリヤー性中間層、
酸素吸収性中間層、及び耐湿性熱可塑性樹脂の連続層か
らなる内層の積層構成を有し且つ酸素吸収性中間層が熱
可塑性樹脂、還元鉄粉及びハロゲン化金属の組成物から
成る積層体とし、該積層体の表面に水分を施用すること
により0.2重量%以上、特に0.5〜5重量%の水分
を保有させ、還元鉄粉が活性化された状態で積層体中に
封入されていることを特徴とする包装用積層体が提供さ
れる。本発明の包装用積層体において、 1.耐湿性熱可塑性樹脂が1×10−11乃至3×10
−9cm・cm/cm・s・cmHg(25℃、1
00%RH)の酸素透過係数と1×10−10乃至2×
10−7cm・cm/cm・s・cmHg(25
℃)の水蒸気透過係数を有するものであること、 2.内層が5乃至100μmの厚みを有するものである
こと、 3.酸素吸収性中間層が樹脂100重量部当たり1乃至
200重量部の還元鉄粉と0.001乃至60重量部の
ハロゲン化金属とを含有するものであること、 4.酸素吸収性中間層が5乃至300μmの厚みを有す
るものであること、 5.前記積層体を、その表面に0.2乃至25g/m
の水分が均一に存在した状態でロールに巻き取り、且つ
巻き取られたロール状の該積層体を酸素遮断状態でエー
ジングさせて得たものであること、 が好ましい。
【0015】
【発明の実施形態】[作用]本発明の包装用積層体は、
熱可塑性樹脂外層、酸素バリアー性中間層、酸素吸収性
中間層、及び熱可塑性樹脂内層の積層構成を有し且つ酸
素吸収性中間層が熱可塑性樹脂、還元鉄粉及びハロゲン
化金属の組成物から成るが、前記外層及び内層を熱可塑
性樹脂の連続層(非多孔性層)で形成し、前記積層体中
に0.2重量%以上、特に0.5〜5重量%の水分を保
有させ、且つ還元鉄粉を活性化された状態で積層体中に
封入したことが特徴である。
【0016】従来、酸素吸収剤(脱酸素剤)と酸素との
反応に水分が必要であること、このため酸素吸収剤と共
に吸水材を樹脂中に配合すること、及び酸素吸収性樹脂
層中に水分を予め保持させることは、何れも公知のもの
であるが、これら何れの場合にも、酸素吸収剤を活性化
された状態でしかも安定化された状態で樹脂中に封入す
ることは困難であった。
【0017】即ち、酸素吸収剤と吸水材を樹脂中に配合
しただけでは、低水分含有量の内容物の包装に用いた場
合、水分が酸素吸収剤の周囲に達っして、酸素吸収剤が
活性化するまでに長時間を必要とし、そのため初期の酸
素吸収速度が遅く、内容物の保存性に関して十分とはい
えない。
【0018】一方、酸素吸収性樹脂層中に水分を予め保
持させた場合、酸素吸収剤の活性化は確かに迅速に行わ
れるが、その反面活性化された酸素が迅速に酸素と反応
するため、酸素吸収剤を活性化された状態で安定に維持
することが困難である。
【0019】これに対して、本発明では、前記積層体内
に一定量の水分を保持させることにより、酸素吸収層中
の酸素吸収剤を活性化された状態にすることが可能とな
ると共に、酸素吸収層の両側に熱可塑性樹脂の連続層を
設けることにより、酸素が酸素吸収剤のサイトに到達す
るのが遅延され、酸素吸収剤が活性化された状態で、内
容物の包装に必要な時間保持されるのである。
【0020】添付図面の図1は、酸素遮断梱包状態(N
2 置換)、ロール形態及びカットフィルム形態の本発明
の包装用積層体について、空気暴露時間(日)と最大酸
素吸収容量との関係をプロットしたものであるが、ロー
ル形態においてもかなりの時間(1日程度)活性が維持
され、カットフィルムでも包装に必要な時間(1時間以
内)では活性の低下がほとんど生じていないことが明ら
かである。
【0021】また、図2は、本発明の積層体と、水分を
保持させていない点を除けば本発明と同様な積層体(比
較積層体)について、保存期間と酸素吸収量との関係を
プロットしたものであるが、本発明の積層体は比較積層
体に比して初期の酸素吸収速度が非常に大きく、しかも
包装体内の湿度依存性も著しく小さくなっていることが
理解される。
【0022】これは、活性化された酸素吸収剤が酸素と
の反応性に優れていることによるが、それ以外に、酸素
が外層を透過する際の駆動力となる外層内外の酸素分圧
の差も、本発明の積層体では大きくなっていることの寄
与もあると思われる。
【0023】[包装用積層体]本発明の包装用積層体の
多層構造の一例を示す図3において、この積層体1は、
熱可塑性樹脂の連続層から成る外層2、必要に応じて設
けられる接着剤樹脂層3a、ガスバリヤー材から成る第
一の中間層4、必要に応じて設けられる接着剤樹脂層3
b、酸素吸収剤配合樹脂組成物から成る第二の中間層5
及び耐湿性熱可塑性樹脂の連続層からなる内層6で構成
されている。第二の中間層5は、還元鉄粉及びハロゲン
化金属を配合した熱可塑性樹脂層から成っている。
【0024】本発明の包装用積層体において、ガスバリ
アー材からなる第一の中間層4と、酸素吸収剤配合樹脂
組成物から成る第二の中間層5との間には、接着剤樹脂
層3b以外の他の樹脂層、特に内層と同種の樹脂層が緩
衝層として設けられていてもよい。
【0025】この例を示す図4において、オレフィン系
樹脂等の耐湿性熱可塑性樹脂からなる内層6、酸素吸収
剤配合樹脂組成物からなる第二の中間層5及びオレフィ
ン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる緩衝層7は、共押出
等の手段で積層体8に形成され、この積層体8の緩衝層
7の側に、接着剤層3bを介してガスバリアー層4、更
に接着剤層3aを介して外層2が形成されている。この
タイプの積層体は、酸素吸収剤配合樹脂層5が酸素吸収
剤未配合の樹脂層でサンドイッチされると共に、共押出
により強固に一体化されているため、還元鉄粉の酸化に
よる体積膨張にかかわらず、鉄類の露出が防止され、外
観特性や香味保持性に優れている。以下、これらの積層
構造について説明する。
【0026】[酸素吸収性中間層]本発明の積層体に用
いる酸素吸収性中間層は、還元鉄粉及びハロゲン化金属
を配合した熱可塑性樹脂層から成る。
【0027】(1)還元鉄粉 酸素吸収剤としては、一般に還元鉄粉と呼ばれるものが
使用される。還元鉄粉は、一般に、鉄化合物例えば鉄鉱
の製造工程で得られるミルスケールを還元材(例えばコ
ークス)で炉を用いて、水素ガスや分解アンモニアガス
中で仕上げ還元或いは仕上げ熱処理をすることによって
得られる。鉄化合物として例えばFeOOH、Fe(O
H)3 、FeCl3 、FeSO4 、酸化鉄が挙げられ
る。酸化鉄として例えば石鉄鉱、磁鉄鉱、褐鉄鉱、菱鉄
鉱、黄鉄鉱、α−Fe2 3 、γ−Fe2 3 、Fe3
4 が挙げられる。還元材としてはコークス以外にも水
素アンモニアなどの還元性ガスを使用してもよい。炉と
しては例えば流動炉、ロータリーキルトン、トンネルキ
ルトンが挙げられる。仕上げ還元或いは仕上げ処理は4
00乃至900℃程度の温度で行う。鉄化合物の還元焼
成は、一般に400乃至1300℃程度の温度で行う。
【0028】鉄粉の製造は、上記還元法に限定されず、
鉄イオンを含む水溶液から鉄の電解析出や、溶融鉄の非
酸化雰囲気中への噴霧や、純粋な金属鉄の粉砕、或いは
カルボニル鉄の水蒸気熱分解によっても製造することが
できる。
【0029】鉄粉は酸素との反応性という観点から、活
性が高く、金属鉄量は70%以上であることが好まし
い。また、樹脂の劣化を防止し、フレーバー保持性を向
上させるという見地からは、鉄に対する銅の含有量が1
50ppm以下及び硫黄の含有量が500ppm以下で
あることが好ましい。
【0030】本発明に用いる鉄系酸素吸収剤粒子は、
0.5m2 /g以上の比表面積及び3g/cc以下の見
掛け密度を有することが好ましい。比表面積が0.5m
2 /gを下回る場合や、見掛け密度が3g/cm3 を上
回る場合、上記範囲内にある場合に比して、酸素吸収速
度が低下し、容器内の残留酸素量も増大する傾向があ
る。これは、酸素吸収剤配合樹脂組成物における酸素の
吸収は、結局のところ、鉄系酸素吸収剤粒子の表面を通
して行われるものであるが、比表面積や見掛け密度が上
記範囲外の粒子では、粒子表面からの酸素吸収が有効に
行われにくいためと推定される。
【0031】また、本発明で用い鉄系酸素吸収剤粒子
は、レーザ散乱法で測定して1乃至50μmの平均粒径
であることが好ましい。平均粒径が上記範囲内にある鉄
系酸素吸収剤粒子は、熱可塑性樹脂中への分散性に優れ
ていると共に、酸素吸収性にも優れている。
【0032】(2)ハロゲン化金属 本発明に用いるハロゲン化金属は、一般に水溶性のもの
であり、一般に周期律表第1族、第2族、第3B族、第
4B族或いは第8族金属のハライド、特に塩化物が好適
に使用される。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、
塩化鉄(FeCl3 )、塩化スズ(SnCl2 )等が挙
げられ、これらは単独でも或いは2種以上の組み合わせ
でも使用できる。好適なハロゲン化金属は、塩化ナトリ
ウム(食塩)である。
【0033】(3)熱可塑性樹脂 酸素吸収性中間層に用いる熱可塑性樹脂としては、例え
ば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LL
DPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエ
チレン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロ
ック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エ
チレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合
物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレ
ン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共
重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポ
リアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリ
ビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン
6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合
物のいずれかの樹脂でもよい。
【0034】酸素吸収剤を配合する熱可塑性樹脂は、酸
素を迅速に消費するという観点では、酸素透過性を有す
るのが好ましく、この見地からは、オレフィン系樹脂が
特に適している。オレフィン系樹脂は、水分保持性が少
ない樹脂であるが、前述したハロゲン化金属を共存させ
ることにより、酸素吸収に必要な水分補給を円滑に行う
ことができる。
【0035】本発明においては、酸素吸収剤を配合する
樹脂マトリックスとして、熱可塑性樹脂単独を使用する
代わりに、実質上非相溶の複数の熱可塑性樹脂乃至エラ
ストマーのブレンド物を使用することもでき、後者の場
合は包装用積層体の外観特性を向上させることができ
る。
【0036】ここで、熱可塑性のエラストマーとして
は、例えばエチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、熱可塑性
エラストマー、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体、水素添加ブタジエン−イソプ
レンブロック共重合体、ニトリル−ブタジエンゴム(N
BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム(CR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイ
ソプレン(IIB)、ブチルゴム、天然ゴム、熱可塑性
ポリウレタン、シリコーンゴム、アクリルゴム等;等が
挙げられる。これらの内でも、炭化水素系エラストマ
ー、特にEPRやEPDMは好適なものである。
【0037】(4)酸素吸収剤配合樹脂組成物 本発明において、酸素吸収性中間層を構成する樹脂組成
物は、樹脂100重量部当たり還元鉄粉を1乃至200
重量部、特に5乃至100重量部、及びハロゲン化金属
を0.001乃至60重量部、特に0.1乃至10重量
部含有するものであることが望ましい。還元鉄粉の量及
びハロゲン化金属の量が上記範囲よりも少ない場合に
は、酸素吸収性能が上記範囲内にある場合に比して低
く、一方還元鉄粉の量及びハロゲン化金属の量が上記範
囲よりも多い場合には、樹脂組成物の成形性が低下する
傾向がある。
【0038】本発明において、還元鉄粉とハロゲン化金
属とを前述した量比で熱可塑性樹脂中に配合する。還元
鉄粉とハロゲン化金属とは、別々に熱可塑性樹脂に配合
することもできるが、一般には、還元鉄粉とハロゲン化
金属とを予め配合し、この配合組成物を熱可塑性樹脂に
配合することが好ましい。
【0039】この複合酸素吸収剤において、還元鉄粉と
ハロゲン化金属とは、100:0.1乃至100:30
の重量比、特に100:1乃至100:10の重量比で
ブレンドすることが好ましい。金属塩の量比がこの範囲
を下回ると、上記範囲内にある場合に比して酸素吸収速
度が低下する傾向があり、金属塩の量比がこの範囲を上
回ると、上記範囲内にある場合に比して耐水性や機械的
特性が低下する傾向がある。
【0040】この態様において、還元鉄粉とハロゲン化
金属とのブレンドは、V型ブレンダー、コニカルブレン
ダー、スパーミキサー、ヘンシェルミキサー等を用いた
ドライブレンドにより行うことができる。また、還元鉄
粉の表面へハロゲン化金属を強固に付着させることもで
き、この付着処理は、還元鉄粉とハロゲン化金属の粉末
とを乾式ミリングすることにより行われる。乾式ミリン
グの終点は、ハロゲン化金属の遊離の固体粒子が、電子
顕微鏡的に確認できなくなることにより知ることができ
る。乾式ミリングには、振動ミル、ボールミル、チュー
ブミル、スーパーミキサー等を用いることができる。ま
た、還元鉄粉の表面へハロゲン化金属を湿式コーティン
グすることもでき、この湿式コーティングはハロゲン化
金属の水溶液或いは有機溶媒(例えばエタノール、アセ
トン、エーテル)溶液を還元鉄粉へ噴霧し、或いは還元
鉄粉に含浸させ、溶媒を除去することにより行われる。
乾式ミリングあるいは湿式コーティング後得られる酸素
吸収剤粒子は、一般には必要でないが、篩い分け、風力
分級等の操作で、遊離のハロゲン化金属の微粉末を分離
除去するようにしてもよい。
【0041】本発明で用いる酸素吸収性樹脂組成物に
は、ハロゲン化金属以外に、酸化促進剤乃至水分保持剤
を所望により含有せしめることができる。例えば、酸化
促進剤乃至水分保持剤としては、無機化合物、有機化合
物、高分子を併用することもでき、この例として、塩化
アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫
酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、二リン酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、酸化カルシ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナト
リウム、モレキュラーシーブ、アルミナ、シリカゲル等
の無機物や、グルコース、果糖、蔗糖、ゼラチン、変性
カゼイン、変性デンプン、トラガントゴム、ポリビニー
ルアルコール、CMC,ポリアクリル酸ナトリウム、ア
ルギン酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸
ナトリウム、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルア
ミド、ポリオキシエチレン、EDTA、EDTA−2N
a、EDTA−4Na等が挙げられる。
【0042】これらの酸化促進剤は、酸素吸収剤粒子の
形で熱可塑性樹脂に配合しても、或いは酸素吸収剤粒子
とは別に樹脂に配合してもよい。勿論、本発明において
は、複数の酸化促進剤乃至触媒を組み合わせで使用でき
ることはいうまでもない。
【0043】酸素吸収剤と樹脂マトリックスとの混合
は、所謂ドライブレンドでもメルトブレンドでもよく、
また酸素吸収剤の分散を良好に行うために、酸素吸収剤
を高濃度で含有する樹脂組成物(マスターバッチ)を製
造し、このマスターバッチを樹脂マトリックスに配合す
ることもできる。
【0044】[内層] 本発明の包装用積層体の内層としては、耐湿性熱可塑性
樹脂の連続層(非多孔質フィルム)が使用される。この
耐湿性熱可塑性樹脂は、1×10-11乃至3×10-9
3・cm/cm2・sec・cmHg(25℃,100
RH)の酸素透過係数と1×10-10乃至2×10-7
cm3・cm/cm2・sec・cmHg(25℃)の水
蒸気透過係数を有するものが好適である。即ち、酸素透
過係数が上記範囲よりも低いものでは、容器内の酸素の
吸収速度が遅くなり、一方酸素透過係数が上記範囲より
も高いものでは、容器の密封前に酸素吸収性が失活する
傾向が大きくなる。一方、水蒸気透過係数が上記範囲よ
りも低いものでは、容器の水分によって酸素吸収剤が活
性化される傾向が少なくなり、一方水蒸気透過係数が上
記範囲よりも高いものでは、容器自体の耐水性が低下す
るようになる。
【0045】パウチや、ヒートシール蓋付容器の場合、
耐湿性樹脂はヒートシール性を有していることが好まし
く、この目的に、低−、中−或いは高−密度のポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイソ
タクテイツクポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマ
ー)或いはこれらのブレンド物等のオレフイン系樹脂が
好適に使用される。
【0046】積層体の内層を、酸素吸収剤配合樹脂層の
還元鉄粉による着色から隠蔽する目的で、内層樹脂に対
して白色顔料を配合することができる。このような白色
顔料としては、隠蔽力の大きさから二酸化チタン顔料が
特に優れている。顔料の配合量は樹脂100重量部当た
り2乃至20重量部が適当である。
【0047】[外層]本発明の包装用積層体の外層とし
ては、熱可塑性樹脂の連続層(非通気性樹脂層)からな
るものが全て使用できる。外層用熱可塑性樹脂として
は、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1
−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士
のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等
のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、ア
クリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチ
ルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化
ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナ
イロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイ
ロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等
あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂でもよい。
【0048】一般に、外層用熱可塑性樹脂は、内層用熱
可塑性樹脂と同種のものでもよいが、一般には内層用樹
脂に比して強度、耐突き刺し性や耐熱性に優れたものを
用いるのが適当であり、この目的のために、一軸或いは
二軸方向に延伸されたオレフィン系樹脂、ナイロン系樹
脂、ポリエステル系樹脂等のフィルムが好適に使用され
る。これらの樹脂フィルムは、単層でも或いは複数層の
組み合わせでも用いることができる。
【0049】[ガスバリアー性中間層]ガスバリアー性
中間層としては、金属箔や、ガスバリアー性樹脂層を用
いることができる。金属箔としては、純アルミニウムや
アルミニウム合金等の軽金属箔、鉄箔、鋼箔、ブリキ
箔、表面処理鋼箔等のスチール箔が使用される。一方、
ガスバリヤー性樹脂としては、低い酸素透過係数を有し
且つ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用される。ガスバリ
ヤー性樹脂の最も適当な例としては、エチレン−ビニル
アルコール共重合体を挙げることができ、例えば、エチ
レン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モ
ル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度
が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケ
ン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。この
エチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は、フイ
ルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一
般に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒
中30℃で測定して0.01dL/g以上、特に0.05 dL/g以上
の粘度を有することが望ましい。他に、ガスバリヤー性
樹脂の他の例としては、炭素数100個当りのアミド基
の数が5乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるポ
リアミド類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイ
ロン6/6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、
ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン13等が使用される。これらのポリアミドもフイル
ムを形成するに足る分子量を有するべきであり、濃硫酸
中1.0g/dLの濃度で且つ30℃の温度で測定した相対粘
度(ηrel)が1.1 以上、 特に1.5 以上であることが望
ましい。
【0050】[接着剤層]ガスバリヤー材と熱可塑性樹
脂との間には積層に際して十分な接着性が得られない場
合があるが、この場合には両者の間に接着剤樹脂層を介
在させる。
【0051】このような接着剤樹脂としては、カルボン
酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミ
ド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−C
−)基‖Oを主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイ
バレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至50
0meq/100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂
が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−ア
クリル酸共重合体、イオン架橋オレフイン共重合体、無
水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グ
ラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフ
イン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエス
テル、共重合ポリアミド等の1種又は2種以上の組合せ
である。これらの樹脂は、同時押出或いはサンドイッチ
ラミネーション等による積層に有用である。また、予じ
め形成されたガスバリヤー材と熱可塑性樹脂フイルムと
の接着積層には、イソシアネート系或いはエポキシ系等
の熱硬化型接着剤樹脂も使用される。
【0052】[積層体の構成及び製造]酸素吸収剤配合
樹脂層は、包装容器内に許容される酸素量や容器形状に
よっても相違するが、一般に10乃至200μm、特に
20乃至150μmの厚みを有することが望ましい。一
方、上記酸素吸収剤配合樹脂層の両側に設ける内層及び
外層はそれぞれ、一般に10乃至500μm、特に20
乃至300μmで且つ中間層の厚みの0.1乃至30
倍、特に0.5乃至10倍の厚みを有するのがよい。ま
た、内層と外層の厚みは、等しくてもよく、内層又は外
層の何れか一方が他方の層よりも厚さの大きい構造とな
っていてもよい。また、ガスバリアー材層の厚みは、一
般に5乃至100μm、特に10乃至50μmの厚みを
有することが好ましい。更に、積層体全体の厚みは、容
器の使用目的によっても相違するが、一般に20乃至1
000μm、特に30乃至500μmの範囲にあること
が好ましい。酸素吸収剤配合層と、ガスバリアー材層と
の間に、緩衝層を設ける場合には、この緩衝層は5乃至
100μm、特に10乃至50μmの厚みを有すること
が好ましい。
【0053】本発明の包装用積層体は、それ自体公知の
方法で製造が可能である。例えば、この積層体は、多層
同時押出で製造することができ、各樹脂層に対応する押
出機で樹脂乃至樹脂組成物を溶融混練した後、T−ダ
イ、サーキュラーダイ等の多層多重ダイスを通して所定
の形状に押出す。また、積層体の製造には、予め形成さ
れたフィルム或いは金属箔等の素材を用い、ドライラミ
ネーション、サンドイッチラミネーション、押出コート
等の積層方式も採用し得る。
【0054】本発明の好適な包装用積層体は、共押出に
より、内層/酸素吸収剤配合樹脂層/緩衝層からなる積
層体を製造し、この積層体の緩衝層側に、ドライラミネ
ーション等によりガスバリアー材層及び外層を積層す
る。或いは、順序を逆にして、ガスバリアー材層及び外
層からなる積層体を製造し、この積層体に内層/酸素吸
収剤配合樹脂層/緩衝層からなる積層体を押出コートし
てもよい。
【0055】本発明においては、このようにして製造さ
れる包装用積層体に、0.2重量%以上、好適には0.
5乃至5重量%の水分を保持させ、還元鉄粉が活性化さ
れた状態で積層体中に封入されるようにする。
【0056】積層体における水分の保持は、内層樹脂を
通しての拡散透過により一般に行われ、樹脂層を通して
酸素吸収剤配合樹脂層に到達した水分は還元鉄粉を活性
化させる。
【0057】即ち、前記層構成の積層体の表面に0.2
乃至25g/m2 の水分が均一に存在した状態で、積層
体をロールに巻き取り、且つ巻き取ったロールを酸素遮
断下でエージングさせる。酸素遮断状態は酸素バリヤー
性包材で密封することあるいは真空チェンバーのような
専用容器を用いることにより達成できる。積層体表面へ
の水分の施用は、スプレー塗布、ロールコート、浸漬コ
ート等のそれ自体公知の方法で行われる。水分の施用
は、液体の水に限定されることなく、水蒸気の形で水分
を供給することも可能である。積層体への水の浸透性を
上げるためにアルコールを混合することも可能である。
水分の付着を均一にするために、積層体表面の樹脂をコ
ロナ処理したものとすることができるが、この際、積層
体表面に水分が均一に付着している必要は必ずしもな
く、全体として平均して、積層体表面に上記の水分量が
存在すれば十分である。というのは、後で行うエージン
グで水分の透過は平均化されるためである。
【0058】水分を付与した積層体ロールを充填密封す
るのに用いる酸素バリアー性包材は、外界からロールへ
の酸素供給を遮断するためのものであり、これにより、
積層体中の還元鉄粉は、外界酸素により消費されること
なく、活性な状態に維持されるのである。酸素バリアー
性包材としては、アルミニウムを積層したラミネートフ
ィルム等が使用される。又、真空チェンバーとしては脱
気、ガス置換が可能なグローブボックス等が好適に使用
出来る。
【0059】エージングの条件は、積層体中の還元鉄粉
が活性化されるようなものであれば特に制限はないが、
一般に30乃至50℃の温度において、24時間以上の
ようなものである。エージング終了後の積層体の表面に
は、遊離の水分は殆ど或いは全く存在していなく、施し
た水分は、酸素吸収剤配合樹脂層に移行していることが
確認される。
【0060】本発明に用いるエージングには、酸素遮断
下で行われている限り、特に上限等の制限がないことも
了解されるべきである。即ち、この積層体のロールは、
積層体製造の段階から、貯蔵、輸送、製袋乃至充填の段
階まで、酸素吸収剤を活性な状態に維持することがで
き、酸素遮断状態から開放した状態においても製袋乃至
内容物充填に必要な1乃至24時間程度は、酸素吸収性
能を実質的に損なうことなく、活性状態を維持してい
る。
【0061】[用途]本発明の包装用積層体は、所謂ド
ライものと呼ばれる食品類、例えばクッキー、クラッカ
ー、ビスケット、煎餅、キャンデー、ドライケーキ、パ
ン等の菓子パン類;クリスプ、ポテトチップ等のスナッ
ク類、粉末コーヒー、インスタントコーヒー、粉末ミル
ク、粉末ジュース等の飲料類、海苔、かまぼこ、干物、
薫製等の海産類、ジャーキー、ハム、ベーコン等の畜産
品等の保存に有用である。又、生菓子、カステラ等静菌
の目的で速い酸素除去が必要な食品にも有効である。さ
らに食品以外にも輸液バッグや湿布薬等の医薬、化粧品
にも有用である。
【0062】この積層体を、真空成形、圧空成形、張出
成形、プラグアシスト成形等の手段に付することによ
り、カップ状、トレイ状等の包装容器が得られる。ま
た、これを袋状に重ね合せ或いは折畳み、周囲をヒート
シールして袋状容器とすることもできる。
【0063】
【実施例】本発明を次の例より更に説明する。
【0064】(実施例1)3種3層の共押出インフレー
ションフイルム成形装置を用い、内層を2×10 -10
3・cm/cm2・s・cmHg(25℃,100%R
H)の酸素透過係数と60×10-10cm3・cm/cm
2・s・cmHg(25℃)の水蒸気透過係数を有する
LLDPEにチタン白を配合した30μmの厚さの耐湿
性熱可塑性樹脂層(LLDPE(W))、中心層を樹脂
100重量部当たり40重量部の還元鉄粉と1.5重量
部の塩化ナトリウムから成る平均粒径25μmの酸素吸
収性組成物を含有したLLDPEを主成分とする50μ
mの厚さの酸素吸収性樹脂層(LLDPE(O))、外
層を20μmの厚さのLLDPEとして、3種3層フイ
ルムを作製した。このフィルムのLLDPE層側に、ポ
リウレタン系接着剤でドライラミネーション法によりア
ルミ箔(7μm)、ナイロン(15μm)、ポリエチレ
ンテレフタレート(12μm)を積層した。
【0065】この積層フイルムのロールを巻き出して、
LLDPE(W)層側にスプレーで適当量の水滴を散布
しながらロールに巻き取り、且つ巻き取ったロールをア
ルミラミネートフイルムで密封した。これを酸素遮断下
50℃で2日間エージングし、2.0重量%の水分を保
有した積層フイルムを調製した。
【0066】この積層フィルム2枚をLLDPE(W)
層が対面するように重ね合わせ三方をヒートシールによ
り接着し、65mm×80mmの袋を作成した。この袋
内に15mlの乾燥空気を充填し袋を密封ヒートシール
した。22℃で保存し、袋内部の雰囲気ガス組成をガス
クロマトグラフ装置により経時的に測定した。表1に示
すように袋内酸素濃度は時間と共に低下し、優れた酸素
吸収性を示した。また1ケ月経時後も積層フィルム外観
に変化はなかった。
【0067】(比較例1)積層フィルムに水滴を散布し
て水分を供給しない以外は実施例1と同様にして、袋内
部の雰囲気ガス組成を経時的に測定した。積層フィルム
の水分率は0.2重量%であった。表1に示すように袋
内酸素濃度は低下しなかった。
【0068】(比較例2)内層(LLDPE(W))の
厚みを3μmとした以外は実施例1と同様にして、袋内
部の雰囲気ガス組成を経時的に測定した。表1に示すよ
うに袋内酸素濃度は急激に低下したが、酸素吸収速度が
速く取り扱い性が悪かった。包材の取り扱い易さ(保管
性、作業性、性能安定性、etc.)を示すものとして
後記するハンドリング指数を定義し、測定した。本比較
例の積層フイルムは実施例1の本発明品に較べてハンド
リング指数は約1.5倍となり、空気中での取り扱い時
間を短くする必要があり、作業性に劣る。また1週間経
時後積層フィルムの内層側表面に錆の発生がみられた。
【0069】[ハンドリング指数]フィルムを25℃−
60%RH空気中で7時間放置した後、一定容積の酸素
不透過性密封容器内に入れ、22℃で保管し容器内の酸
素濃度変化を測定することにより、フィルムの酸素吸収
可能量を測定し、次式で算出する。 ハンドリング指数H=(A−B)/A A:放置前の酸素吸収可能量(cc/cm2) B:放置後の酸素吸収可能量(cc/cm2
【0070】(比較例3)内層(LLDPE(W))の
厚みを120μmとした以外は実施例1と同様にして、
袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定した。表1に示
すように袋内酸素濃度はほとんど低下しなかった。
【0071】(比較例4)酸素吸収性樹脂層(LLDP
E(O))に還元鉄粉を添加しない以外は実施例1と同
様にして、袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定し
た。表1に示すように袋内酸素濃度は低下しなかった。
【0072】(比較例5)酸素吸収性樹脂層(LLDP
E(O))にハロゲン化金属を添加しない以外は実施例
1と同様にして、袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測
定した。表1に示すように袋内酸素濃度はほとんど低下
しなかった。
【0073】(比較例6)実施例1の3種3層の共押出
インフレーションフイルムの代わりに、実施例1と同組
成の50μm酸素吸収性樹脂層(LLDPE(O))と
20μm LLDPE層から成る2種2層共押出インフ
レーションフィルムの酸素吸収性樹脂層側に透気度20
0sec/100cc透湿度500g/m2/dayの
50μmポリオレフイン系多孔質フイルム(日東電エ
(株)製ブレスロン;気孔率45%)を多孔性が失われ
ないように熱圧着した。実施例1と同様にこのフイルム
の20μm LLDPE層側にラミネートフイルムを積
層し、幅25cm長さ30mの積層フィルムを作製し
た。この後実施例1と同様の方法で水分を供給し、製袋
して袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定した。表1
に示すように袋内酸素濃度は時間と共に急激に低下し
た。しかしながら前記のハンドリング指数は実施例1の
本発明品の約1.7倍にも及び、作業性に劣る。また1
週間経時後、積層フィルムの内層(多孔質フイルム)側
表面に錆の発生がみられた。
【0074】(比較例7)比較例6の内層の多孔質フイ
ルムの代わりに1.9×10-12cm3・cm/cm2
s・cmHg(25℃,100%RH)の酸素透過係数
と13×10-8cm3・cm/cm2・s・cmHg(2
5℃)の水蒸気透過係数を有する30μmポリエチレン
テレフタレートフィルムをポリウレタン系接着剤でドラ
イラミネ三ーション法により積層した以外は比較例6と
同様にして、袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定し
た。表1に示すように袋内酸素濃度はほとんど低下しな
かった。
【0075】(実施例2)実施例1と異なる水分供給方
法で積層フィルムを調製した。実施例1と同構成の積層
フイルムのロールを巻き出して100℃のスチーム層に
10秒間通してロールに巻き取り、且つ巻き取ったロー
ルをアルミラミネートフイルムで密封した。これを50
℃で2日間エージングして、1.8重量%の水分を保有
した積層フィルムを調製した。この後実施例1と同様の
方法で製袋して袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定
した。表1に示すように袋内酸素濃度は時間と共に低下
し、また1ケ月経時後も積層フィルム外観に変化はなか
った。
【0076】(実施例3)実施例1と異なる水分供給方
法で積層フィルムを調製した。実施例1と同構成の積層
フィルムのLLDPE(W)層側表面にコロナ処理を施
し、巻き出した積層フイルムを常温の水槽に3秒間通し
てロールに巻き取り、且つ巻き取ったロールをアルミラ
ミネートフイルムで密封した。これを50℃で3日間エ
ージングして、3.0重量%の水分を保有した積層フイ
ルムを調製した。この後実施例1と同様の方法で製袋し
て袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定した。表1に
示すように袋内酸素濃度は時間と共に低下し、また1ケ
月経時後も積層フィルム外観に変化はなかった。
【0077】(比較例8)積層フィルムのLLDPE
(W)層側表面にコロナ処理を施さない以外は実施例3
と同様にして、袋内部の雰囲気ガス組成を経時的に測定
した。表1に示すように袋内酸素濃度はほとんど低下し
なかった。積層フィルムの水分率は約0.4重量%であ
った。
【0078】
【表1】 袋内酸素濃度変化(%) 評 価 総合 0h 5h 10h 24h 酸素吸収 外観 ハンド 評価 能力 (錆発生) リング 実施例1 20.9 15.1 10.9 4.1 ○ ○ ○ ○ 比較例1 20.9 20.9 20.9 20.9 × ○ ○ × 比較例2 20.9 12.2 7.2 1.4 ◎ × × × 比較例3 20.9 19.8 18.8 16.8 × ○ ○ × 比較例4 20.9 20.9 20.9 20.9 × ○ ○ × 比較例5 20.9 20.9 20.9 20.8 × ○ ○ × 比較例6 20.9 11.7 6.6 1.0 ◎ × × × 比較例7 20.9 20.2 19.6 17.9 × ○ ○ × 実施例2 20.9 15.2 11.0 4.3 ○ ○ ○ ○ 実施例3 20.9 14.7 10.4 3.7 ○ ○ ○ ○
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂の連続層
からなる外層、酸素バリアー性中間層、酸素吸収性中間
層、及び耐湿性熱可塑性樹脂の連続層からなる内層の積
層構成を有し且つ酸素吸収性中間層が熱可塑性樹脂、還
元鉄粉及びハロゲン化金属の組成物から成る包装用積層
体において、積層体中に0.2重量%以上、特に0.5
〜5重量%の水分を保有させ、還元鉄粉を活性化された
状態で積層体中に封入させたことにより、酸素吸収剤配
合樹脂層中に酸素吸収剤が活性化された状態でしかもこ
の活性化状態が比較的長時間維持できるようにすること
ができ、その結果、低水分環境下或いは低湿度雰囲気下
でも酸素吸収性能を安定に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素遮断梱包状態(N2 置換)、ロール形態及
びカットフィルム形態の本発明の包装用積層体につい
て、空気暴露時間(日)と最大酸素吸収容量との関係を
プロットしたグラフである。
【図2】本発明の積層体と、水分を保持させていない点
を除けば本発明と同様な積層体(比較積層体)につい
て、保存期間と酸素吸収量との関係をプロットしたグラ
フである。
【図3】本発明の包装用積層体の多層構造の一例を示す
断面図である。
【図4】本発明の包装用積層体の多層構造の他の例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 熱可塑性樹脂の外層 3a、3b 接着剤樹脂層 4 ガスバリヤー材から成る第一の中間層 5 酸素吸収剤配合樹脂組成物から成る第二の中間層 6 耐湿性熱可塑性樹脂の内層 7 緩衝層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の連続層からなる外層、酸
    素バリヤー性中間層、酸素吸収性中間層、及び耐湿性熱
    可塑性樹脂の連続層からなる内層の積層構成を有し且つ
    酸素吸収性中間層が熱可塑性樹脂、還元鉄粉及びハロゲ
    ン化金属の組成物から成る積層体とし、該積層体の表面
    に水分を施用することにより0.2重量%以上の水分を
    保有させ、還元鉄粉が活性化された状態で積層体中に封
    入されていることを特徴とする包装用積層体。
  2. 【請求項2】 耐湿性熱可塑性樹脂が1×10−11
    至3×10−9cm・cm/cm・s・cmHg
    (25℃、100%RH)の酸素透過係数と1×10
    −10乃至2×10−7cm・cm/cm・s・c
    mHg(25℃)の水蒸気透過係数を有するものである
    請求項1記載の包装用積層体。
  3. 【請求項3】 内層が5乃至100μmの厚みを有する
    ものである請求項1または2記載の包装用積層体。
  4. 【請求項4】 酸素吸収性中間層が樹脂100重量部当
    たり1乃至200重量部の還元鉄粉と0.001乃至6
    0重量部のハロゲン化金属とを含有するものである請求
    項1乃至3の何れかに記載の包装用積層体。
  5. 【請求項5】 酸素吸収性中間層が5乃至300μmの
    厚みを有するものであることを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載の包装用積層体。
  6. 【請求項6】 前記積層体を、その表面に0.2乃至2
    5g/m の水分が均一に存在した状態でロールに巻き
    取り、且つ巻き取られたロール状の該積層体を酸素遮断
    状態でエージングさせて得た請求項1乃至5の何れかに
    記載の包装用積層体。
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