JP5700414B2 - 吸湿性樹脂組成物及び吸湿性多層容器 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、水蒸気透過性の高い熱可塑性樹脂に吸湿剤を配合した吸湿性樹脂組成物により形成された層と、該層の外側に設けられた水蒸気バリア性の高い熱可塑性樹脂からなる層とを設けた多層容器が提案されている。
しかしながら、特許文献1の手段では、吸湿剤の吸湿性を十分に発揮させることができないという問題がある。即ち、容器壁を形成する熱可塑性樹脂としては、容器内への水分の浸透を防止するために、水蒸気バリア性の高い樹脂が使用されており、このような水蒸気バリア性の高い樹脂中に吸湿剤を分散させている結果、容器内の水分と吸湿剤との接触が水蒸気バリア性の高い樹脂によって阻害され、吸湿剤の吸湿性が十分に発揮されないのである。
該吸湿剤が、露点温度が−60℃以下の吸湿特性を示すものであり、
該脱臭剤が、シリカ/アルミナモル比が2.4以上のゼオライトであり、
前記熱可塑性樹脂が、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体であることを特徴とする吸湿性樹脂組成物が提供される。
(1)前記熱可塑性樹脂が、エチレン−エチルアクリレート共重合体であり、エチルアクリレートの共重合比率が10重量%以上であること、
(2)前記吸湿剤が、A型ゼオライトであること、
(3)前記脱臭剤のゼオライトが、シリカ/アルミナモル比が80以上のMFI型ゼオライトであること、
(4)前記熱可塑性樹脂100重量部当り、前記吸湿剤が30〜230重量部の量で配合され且つ前記脱臭剤が、1〜200重量部の量で配合されていること、
が好ましい。
このような本発明の多層容器は、水分を嫌う検査装置や検査薬等の包装容器として、特に医療関係の分野で好適に使用される。また、水分を嫌う食品関係、電子部品等の包装容器としても好適に使用することができる。
本発明の吸湿性樹脂組成物は、水蒸気透過性の熱可塑性樹脂(A)をマトリックスとし、この熱可塑性樹脂中に所定の吸湿剤(B)及び脱臭剤(C)を分散させたものである。
マトリックス樹脂として用いる水蒸気透過性の熱可塑性樹脂は、40℃、90%RHの条件下で測定した100μm厚みでの水蒸気透過度が10g/m2/day以上のものである。即ち、このような水蒸気透過性の熱可塑性樹脂をマトリックスとして使用することにより、後述した吸湿剤の優れた吸湿性を十分に発揮させることが可能となる。例えば、水蒸気透過度が上記範囲よりも小さい熱可塑性樹脂を用いた場合には、この熱可塑性樹脂が障壁となって水分と吸湿剤との接触を阻害することとなり、この結果、吸湿剤の吸湿性を十分に発揮させることが困難となってしまう。
また、上記のエチレン−(メタ)アクリレート共重合体としては、エチレン−メチル(メタ)アクリレート、エチレン−エチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、特に好ましいものは、エチレン−エチルアクリレート共重合体であり、さらに好ましくは、エチルアクリレートの共重合比が10重量%以上、特に10乃至30重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体である。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の中では、酢酸ビニル共重合比が20〜50重量%のものが好適である。
上述した水蒸気透過性の熱可塑性樹脂に配合される吸湿剤は、露点温度が−60℃以下の吸湿特性を示すものである。即ち、この露点温度は、吸湿剤の吸湿特性を示すパラメーターであり、具体的には、1リットルの容積のデシケータ中に1gの吸湿剤を入れ、30℃、80%RHの環境下で密封し、24時間経過後に測定されたデシケータ内部の露点(凝結が始まる温度)であり、この露点温度が−60℃以下であるということは、極めて高い吸湿性を示すことを意味する。
kM2/mO・Al2O3・nSiO2・pH2O (1)
式中、Mは、金属カチオンまたは水素イオンであり、
mは、金属カチオンの価数(水素イオンの場合は1)であり、
k及びnは、正の数であり、
pは、0または正の数である、
で表される組成を有しており、所定の大きさの細孔を有するアルミノケイ酸塩の結晶化合物であり、特にA型ゼオライトは、nの値(即ち、シリカ/アルミナモル比)が2.4より低く、極めて親水性が高く、水分を選択的に吸着することができ(細孔径が3〜4nm程度)、しかも、吸湿性の温度依存性が殆んど無いという点で極めて好適に使用される。
また、吸湿剤として用いるカチオン種Mの種類はナトリウムイオンやカリウムイオンであることが好ましい。吸湿性能に優れ、熱可塑性樹脂に配合した際、樹脂の分解による黄変を抑制することができる。
本発明において、上述した吸湿剤と共に使用される脱臭剤は、シリカ/アルミナモル比が2.4以上のゼオライト、即ち、前述した一般式(1)におけるnが2.4以上であるシリカリッチのゼオライトである。
即ち、このようなシリカリッチのゼオライトは、親水性が低く、疎水性に富んでいる。前述したシリカ/アルミナモル比が小さいA型ゼオライトが水分を選択的に吸着するのに対して、本発明で用いるシリカリッチのゼオライトは、有機成分、特に前述した水蒸気透過性の熱可塑性樹脂中に含まれる臭気の要因であるモノマー成分を選択的に吸着することができ、従って、臭気の発生を有効に防止することが可能となる。
上述した吸湿剤及び脱臭剤を水蒸気透過性熱可塑性樹脂に分散した本発明の吸湿性樹脂組成物においては、その吸湿性及び臭気成分吸着性を損なわない限りの範囲において、適宜の配合剤、例えば、充填材、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収材、滑剤、顔料等を、適宜の量で配合することができる。
上述した本発明の吸湿性樹脂組成物は、それ単独でフィルム、シート等に成形し、吸湿性のフィルム乃至シートとして使用することができるが、水蒸気バリア材と組み合わせた多層構造の形で容器として使用することが好適である。容器の形態としては、フィルムを貼り合せた形態の袋状容器、ボトル形状の容器、カップ形状の容器などを挙げることができ、何れの形態の容器にも、本発明の吸湿性組成物を適用することができる。
例えば、吸湿性樹脂組成物からなる吸湿層を内層とし、水蒸気バリア材を、吸湿層の外側に設けた多層容器では、容器内への水分の浸入を防止することができるので、吸湿性樹脂組成物が示す吸湿性によって容器内を乾燥状態に保持することができ、水分を嫌う内容物の収容に好適に適用できる。また、異臭の発生も効果的に抑制されるため、異臭による内容物のフレーバー性の低下を回避できるし、衛生性も良好となる。
このような水蒸気透過度を有する水蒸気バリア材としては、例えばアルミ箔等の金属箔が代表的であるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や環状オレフィン系共重合体(COC)なども水蒸気バリア性が高く、上記の吸湿層の外側に設ける水蒸気バリア材として使用することができる。
また、水蒸気バリア材として、オレフィン系樹脂や環状オレフィン共重合体などを使用する場合には、共押出や共射出により、吸湿層と水蒸気バリア材の層とを有する積層フィルムを成形し、これを用いて袋状容器を作製することができる。また、共押出や共射出により、試験管形状或いはシート状のプリフォームを成形し、このプリフォームを用いてプラグアシスト成形やブロー成形により、カップ状の容器やボトル状の容器を成形することもできる。
さらに、吸湿層の外側には、酸素バリア層を設けることもできる。酸素バリア層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂等の酸素バリア性の高い樹脂や、これらの酸素バリア性樹脂に、酸素吸収成分(酸化性有機成分や遷移金属触媒成分など)が分散されたものであり、このような酸素バリア層を形成することにより、容器内への酸素の透過も防止することができる。
尚、実施例及び比較例での各種の測定及び吸湿性樹脂組成物の調製は、以下の方法で行った。
50tホットプレス(庄司鉄工社製)により200℃で熱可塑性樹脂を加熱溶融し、厚み約500μmのシートを作製した。得られたシートの40℃ 90%RHにおける水蒸気透過度を水蒸気透過測定装置(PERMATRAN−W3/30:MOCON社製)により測定し、100μm厚に換算して、熱可塑性樹脂の水蒸気透過度とした。
1L容デシケータ中に吸湿剤1gと静電容量式露点計を入れ、30℃、80%RH環境下にて密封し、24時間後内部の露点温度を測定した。
ゼオライトのシリカ/アルミナ比(モル比)は、蛍光X線分析装置により求めた。
出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(スクリュー径φ20 L/D=32.5ULTNano05−20AG:テクノベル社製)を用意した。
上記の二軸押出機により、押出温度160℃、スクリュー回転数200rpmで真空ベントを引きながら熱可塑性樹脂を溶融混練した。同時に粉体フィーダーを用いて、押出機ホッパー下より吸湿剤および脱臭剤を配合した。ストランドはコンベア上にて空冷後、ペレット状にカッティングした。
押し出されたストランドの外観やベントアップの有無を確認し、下記の判断基準で、吸湿性樹脂組成物を作製する際の目視評価を行ない、成形性の尺度とした。
○:特に問題なし。
△:ストランド中にブツが発生し、分散が不十分である。
×:樹脂圧の増加等によるベントアップ等により作製できない。
(試験用シートの作製)
50tホットプレス(庄司鉄工社製)により160℃で熱可塑性樹脂を加熱溶融し、厚み約1mmのシートを作製した。これを0.8gとなるように切り分けた。
(吸湿性の評価)
上記で作製したシート0.8gおよびワイヤレス式温湿度計(ハイグロクロン:KNラボラトリーズ社製)をポリプロピレンフィルム、接着剤、スチール箔からなる口径78mm、内容量84ccの丸形カップ(ハイレトフレックスHR78−84;東洋製罐社製)中に入れ、30℃ 80%RHの雰囲気下において、アルミ/ポリプロピレンで積層した蓋材で容器口部をヒートシールした。
24時間静置後、容器内部の湿度により、吸湿性を評価した。
○:容器内の湿度が10%RH以下である。
×:容器内の湿度が10%RHより高い。
吸湿性の評価の場合と同様にして作製した試験用シート0.8gを、前記スチール箔からなる容器に入れ、30℃ 80%RHの雰囲気下において、アルミ/ポリプロピレンで積層した蓋材で容器口部をヒートシールした。
50℃、48時間後、室温に戻し5日静置後、容器内部の臭気が無臭になったものを○、臭気がやや残存していたものを△、全く脱臭できていなかったものを×とした。
熱可塑性樹脂、吸湿剤及び脱臭剤として下記のものを用意した。
熱可塑性樹脂;
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
日本ユニカー社製NUC−6170
水蒸気透過度:26.8g/m2/day
エチルアクリレート共重合比率:18wt%
吸湿剤;
カリウム置換A型ゼオライト
ユニオン昭和社製
露点温度:−80℃
細孔径:0.3nm
脱臭剤;
Na置換MFI型ゼオライト(ZSM−5)
水澤化学工業社製
シリカ/アルミナモル比:100
細孔径:0.6nm
いずれの組成物においてもブツの発生はなく、均一に分散しており、ベントアップ等の問題なく作製することができた。上記方法により作製した単層シートの吸湿性評価において、容器内部の湿度はいずれにおいても10%RH以下であった。また、上記方法により作製した単層シートの脱臭性評価において、実施例1、実施例2、実施例4は容器内部の臭気が無臭であった。実施例3、実施例5についても脱臭効果はみられるが、臭気がやや残存していた。
脱臭剤として、下記の13X型ゼオライトを用意した。
13X型ゼオライト;
ユニオン昭和社製
シリカ/アルミナ比:2.46
細孔径:1.0nm
上記の13X型ゼオライトを脱臭剤として用いた以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、吸湿性評価においては容器内部の湿度が10%RH以下であり、脱臭性評価においては容器内部の臭気が無臭であった。
熱可塑性樹脂として、下記のエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を用意した。
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
日本ユニカー社製EERN−023
水蒸気透過度:18.4g/m2/day
エチルアクリレート共重合比率:13wt%
上記のエチレン−エチルアクリレート共重合体をベースの熱可塑性樹脂(ベース樹脂)として用いた以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、吸湿性評価において、容器内部の湿度が10%RH以下であり、脱臭性評価において、容器内部の臭気は無臭であった。
熱可塑性樹脂として、下記のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用意した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
三井デュポンポリケミカル社製エバフレックス360
水蒸気透過度:30.3g/m2/day
酢酸ビニル共重合比率:25wt%
上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体をベースの熱可塑性樹脂(ベース樹脂)として用いた以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。
特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、吸湿性評価において、容器内部の湿度が10%RH以下であり、脱臭性評価において、容器内部の臭気は無臭であった。
吸湿剤として、以下シリカゲルを用意した。
シリカゲル:
和光純薬社製 Wakogel C−500HG
上記のシリカゲルを吸湿剤として用いた以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、吸湿性評価においては容器内部の湿度が10%RH以下であり、脱臭性評価においては容器内部の臭気が無臭であった。
脱臭剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表3に示した。
吸湿剤を配合しなかった以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表3に示した。
脱臭剤として、下記のCa置換A型ゼオライトを用意した。
Ca置換A型ゼオライト;
ユニオン昭和社製
シリカ/アルミナモル比:2.0
細孔径:0.5nm
上記のCa置換A型ゼオライトを脱臭剤として使用し、且つこの配合量を20重量部とした以外は、実施例1と同様に吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表3に示した。
尚、混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができ、吸湿性評価においては容器内部の湿度が10%RH以下であったが、脱臭性評価においては容器内部の臭気は全く脱臭できていなかった。
熱可塑性樹脂として、下記のエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を用意した。
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)
日本ユニカー社製NUC-6220
水蒸気透過度:7.7g/m2/day
エチルアクリレート共重合比率:7wt%
上記のエチレン−エチルアクリレート共重合体をベースの熱可塑性樹脂(ベース樹脂)として用いた以外は、実施例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表4に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができ、また、脱臭性評価において、容器内部の臭気は無臭であった。しかし、吸湿性評価において、容器内部の湿度が10%RHを超えた。この原因として、熱可塑性樹脂の水蒸気透過度が低いために、吸湿剤の効果が十分発揮できていないためと考えられる。
ベースの熱可塑性樹脂を、水蒸気透過度1.7g/m2/dayである低密度ポリエチレンに変更した以外は、比較例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表4に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、樹脂そのものの臭気が少なく、脱臭効果は確認できなかった。しかし、吸湿性評価において、容器内部の湿度が10%RHを超えた。この原因として、熱可塑性樹脂の水蒸気透過度が低いために、吸湿剤の効果が十分発揮できていないためと考えられる。
ベースの熱可塑性樹脂を、水蒸気透過度2.4g/m2/dayであるポリプロピレンに変更した以外は、比較例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表4に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、樹脂そのものの臭気が少なく、脱臭効果は確認できなかった。しかし、吸湿性評価において、容器内部の湿度が10%RHを超えた。この原因として、熱可塑性樹脂の水蒸気透過度が低いために、吸湿剤の効果が十分発揮できていないためと考えられる。
ベースの熱可塑性樹脂を水蒸気透過度5.5g/m2・dayであるポリエチレン−テレフタレート(PET)に変更した以外は、比較例1と同様に、吸湿性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表4に示した。
混練時の目視評価は良好であり、特に問題なく吸湿性樹脂組成物を調製することができた。また、樹脂そのものの臭気が少なく、脱臭効果は確認できなかった。しかし、吸湿性評価において、容器内部の湿度が10%RHを超えた。この原因として、熱可塑性樹脂の水蒸気透過度が低いために、吸湿剤の効果が十分発揮できていないためと考えられる。
水蒸気透過度が2.4g/m2/dayであるポリプロピレンを用意した。
2材射出成形機を用い、実施例1の吸湿性樹脂組成物を内層(容器胴部肉厚1500μm)、上記ポリプロピレンを外層(容器胴部肉厚1600μm)とする円筒状多層容器を成形した。
30℃ 80%RHの雰囲気内において、この多層容器にワイヤレス式温湿度計を入れて密封した。24時間静置後、容器内部の湿度は、10%RH以下になっており、優れた吸湿性が発揮されていた。
また、30℃80%RHの雰囲気下において、上記の多層容器を密封し、50℃、48時間後、室温に戻し、5日静置後、容器内部の臭気を評価したところ、容器内部の臭気は無臭であった。
Claims (6)
- 40℃、90%RHの条件下で測定した100μm厚みでの水蒸気透過度が10g/m2/day以上である水蒸気透過性熱可塑性樹脂に、吸湿剤と脱臭剤とが配合されてなり、
該吸湿剤が、露点温度が−60℃以下の吸湿特性を示すものであり、
該脱臭剤が、シリカ/アルミナモル比が2.4以上のゼオライトであり、
前記熱可塑性樹脂が、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体であることを特徴とする吸湿性樹脂組成物。 - 前記熱可塑性樹脂が、エチレン−エチルアクリレート共重合体であり、エチルアクリレートの共重合比率が10重量%以上である請求項1に記載の吸湿性樹脂組成物。
- 前記吸湿剤が、A型ゼオライトである請求項1または2に記載の吸湿性樹脂組成物。
- 前記脱臭剤のゼオライトが、シリカ/アルミナモル比が80以上のMFI型ゼオライトである請求項1〜3の何れかに記載の吸湿性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂100重量部当り、前記吸湿剤が30〜230重量部の量で配合され且つ前記脱臭剤が、1〜200重量部の量で配合されている請求項1〜4の何れかに記載の吸湿性樹脂組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載の吸湿性樹脂組成物からなる吸湿性層と、該吸湿性層の外側に形成された40℃、90%RHの条件下で測定した100μm厚みでの水蒸気透過度が5g/m2/day以下の水蒸気バリア材からなる層とを含む吸湿性多層容器。
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