JP2020158141A - 消臭ptp包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造適正に優れ、内容物からの臭味成分の発生の抑制と、高い臭気吸着作用および/または臭気分解作用による消臭効果を長期間にわたって発揮する、内容物への長期間の耐臭味変化性に優れた包装体を提供する。【解決手段】内容物を収容する複数の凹状収容部を有するガス吸着底材と、該凹状収容部の開口部を閉塞するガス吸着バリア蓋材とからなる消臭PTP包装体1であって、該ガス吸着底材は、基材層とシーラント層とを有する積層体であり、該シーラント層は、消臭層および加水分解抑制層からなる群から選ばれる1種を有し、該基材層よりも該凹状収容部に近い層であり、該ガス吸着バリア蓋材は、ガスバリア層とシーラント塗布層とを有する積層体であり、該シーラント塗布層は、消臭塗布層および加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種を有し、該ガスバリア層よりも該凹状収容部に近い層からなる、消臭PTP包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、包装体に包装される内容物に変味や変臭を生じることを防ぎ、該臭気成分が包装体内に充満して開封時に異臭を感じることを防ぎ、内容物に水分が影響されることを防ぎ、内容物の長期間の耐臭味変化性や耐水分劣化性に優れた消臭PTP包装体に関する。
包装材料において、臭気を吸着する臭気吸着剤を内包した包装材料が提案されている(特許文献1)。このような包装材料においては、合成ゼオライトや活性炭といった臭気吸着剤が、樹脂材料中に練り込まれている。
しかしながら、このような包装材料は、臭気だけでなく、大気中の湿気をも吸着し、且つ、一度吸着した臭気を、脱離させてしまうという問題があるため、十分な臭気吸着効果が得られていない。
無機多孔体上に化学吸着剤を担持させてなる臭気吸着剤を含有した包装材料も知られているが(特許文献2)、主な吸着対象物は特定の官能基を有する臭気成分を吸着するのみであって、樹脂材料を選定しない状況では、官能基を有さない有機物の発生量を抑制できず、臭気成分を十分に吸着し得るものではない。
さらに、内容物の加水分解によって異臭が発生することを抑制する吸湿性の包装材料も知られているが(特許文献3)、臭気発生抑制効果はあるものの、発生した臭気成分はそのまま残留する為に、十分な臭気改善効果が得られなかった
特許第2538487号公報 特開2014−233408公報 特開2006−327690号公報
本発明は、上述の問題を解決し、製造適正に優れ、包装体に包装される内容物が食品や医薬品の場合には、加水分解されることによって発生する臭気成分が内容物に変味や変臭を生じることを防いで臭味改善効果を与え、該臭気成分が包装体内に充満して開封時に異臭を感じることを防ぎ、内容物が水分を嫌う電子部品、電子機器、産業資材等の場合には、劣化を防ぎ、長期間の耐臭味変化性や水分による耐劣化性に優れた消臭PTP(プレススルーパック)包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々検討の結果、特定の消臭または加水分解抑制作用を奏するシーラント層を含むガス吸着底材と、特定の消臭または加水分解抑制作用を奏するシーラント層を含むガス吸着バリア蓋材とからなる消臭PTP包装体が、上記の目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.内容物を収容する複数の凹状収容部を有するガス吸着底材と、該凹状収容部の開口部を閉塞するガス吸着バリア蓋材とからなる消臭PTP包装体であって、
該ガス吸着底材は、基材層とシーラント層とを有する積層体であり、
該シーラント層は、消臭層および加水分解抑制層からなる群から選ばれる1種を有し、該基材層よりも該凹状収容部に近い層であり、
該ガス吸着バリア蓋材は、ガスバリア層とシーラント塗布層とを有する積層体であり、
該シーラント塗布層は、消臭塗布層および加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種を有し、該ガスバリア層よりも該凹状収容部に近い層であり、
該消臭PTP包装体は、該消臭層および該消臭塗布層からなる群から選ばれる1種と、加水分解抑制層および加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種とを有し、
該消臭層および該消臭塗布層は、消臭剤とポリオレフィン系樹脂とを含有し、
該消臭剤は、化学臭気吸着剤、SiO2/Al23モル比が30/1〜10000/1の疎水性ゼオライト、臭気分解性金属化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、
該加水分解抑制層および加水分解抑制塗布層は、加水分解抑制剤とポリオレフィン系樹脂とを含有し、
該加水分解抑制剤は、吸湿性アルカリ金属化合物、吸湿性アルカリ土類金属化合物、SiO2/Al23モル比が1/1〜20/1の親水性ゼオライトからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、
該消臭層中の、該消臭剤の含有量が、0.5質量%〜15質量%であり、
該加水分解抑制層中の、該加水分解抑制剤の含有量が、1質量%〜50質量%であることを特徴とする、消臭PTP包装体。
2.前記シーラント層の基材層から最も遠い層および/または基材層に最も近い層が、ポリオレフィン系樹脂を含有し、前記消臭剤および前記加水分解抑制剤を含有しないことを特徴とする、
上記1に記載の、消臭PTP包装体。
3.前記ポリオレフィン系樹脂が、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、LDPEおよび/またはLLDPEであることを特徴とする、
上記1または2に記載の、消臭PTP包装体。
4.前記消臭塗布層中の、前記消臭剤の含有量が、1質量%〜60質量%であり、
前記加水分解抑制塗布層中の、前記加水分解抑制剤の含有量が、1質量%〜40質量%であることを特徴とする、
上記1〜3の何れかに記載の、消臭PTP包装体。
5.上記1〜4の何れかに記載された消臭PTP包装体に用いられることを特徴とする、前記ガス吸着底材および/または前記ガス吸着バリア蓋材。
本発明の消臭PTP包装体は、製造適正に優れ、包装体に包装される内容物の水分による劣化、及び加水分解により発生する臭気成分が内容物に変味や変臭を生じることを防いで、内容物が食品や医薬品の場合には、臭味改善効果を与え、該臭気成分が包装体内に充満して開封時に異臭を感じることを防ぎ、内容物が水分を嫌う電子部品、電子機器、産業資材等の場合には、劣化を防ぐことができる。
そして、一度吸着した臭気、及び水分を脱離し難く効率的に吸着するため、長期にわたって高い吸湿効果と消臭効果を発揮する消臭包装体を提供することができる。
したがって、本発明の消臭包装体は、乾燥された食品、医薬品、医療品、水分を嫌う電子部品、電子機器、産業資材用の包装体用途として好適である。
本発明の消臭包装体について、その一例を示す概略的外観図である。 本発明の消臭包装体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の消臭包装体の層構成について、その別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明の消臭包装体の層構成について、そのさらなる別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明における、化学臭気吸着剤担持無機多孔体の臭気吸着メカニズムを示す概略図である。
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
更に、各図において、凹凸部は明確な角を有するパターンとして例示されているが、角が丸まった形状でもよい。
本発明においては、フィルムとシートは同義であるとして記載する。
本発明の消臭PTP包装体について、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<消臭PTP包装体>
本発明の消臭PTP包装体は、図1〜図4に示したように、内容物を収容する複数の凹状収容部を有するガス吸着底材と、該開口部を閉塞するガス吸着バリア蓋材とからなる消臭PTP包装体である。
消臭PTP包装体は、ガス吸着底材の消臭層およびガス吸着バリア蓋材の消臭塗布層からなる群から選ばれる1種と、ガス吸着底材の加水分解抑制層およびガス吸着バリア蓋材の加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種とを有する。
消臭PTP包装体は、図1に示したものが、例えば、3列×7行=21個や、2列×5行=10個、2列×3行=6個、等に、複数個が連結しものであってもよい。
消臭PTP包装体は、図2〜図4に示したように、ガス吸着底材表面のシーラント層とガス吸着バリア蓋材表面のシーラント塗布層とを対向するように両積層体を重ねてヒートシールして形成されている。
消臭PTP包装体は、凹状収容部を外部から押して、内容物をガス吸着バリア蓋材に押し当てて、ガス吸着バリア蓋材を破くことにより、内容物を容易に取り出すことができる。
[消臭PTP包装体の作製方法]
先ず、フラット形状のガス吸着底材を、成形機に付し、シーラント層側の面が消臭PTP包装体の内側となるようにして、凹状収容部の形成を行う。本発明において、凹状収容部の形成は、慣用の方法により行うことができ、包装しようとする内容物の形状に合わせて、真空成形や圧空成形等によって、凹状収容部の形成を行うものである。
そして、該凹状収容部に、内容物を収容し、その後、ガス吸着バリア蓋材を、シーラント塗布層面がガス吸着底材に接するように被せ、ガス吸着底材の凹状収容部以外の接している部分とヒートシールして密封することにより、本発明の消臭PTP包装体を製造することができる。
ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
<<ガス吸着底材>>
ガス吸着底材は、内容物を収容する複数の凹状収容部を有する。該凹状収容部の断面形状は特に限定されるものではなく、半円状、ボックス状等が可能である。
ガス吸着底材は、少なくとも、基材層とシーラント層とを有する積層体であり、シーラント層は、ガス吸着底材の片面の最表面の層である。
そして、ガス吸着底材は、必要に応じて、様々な機能を有する中間層や、これらの層を
接着する為の接着剤層等を、さらに有することもできる。
ガス吸着底材の凹状収容部は、公知公用の方法によって形成することができる。例えば、金型を用いた冷熱プレス等を用いて行うことができる。
<基材層>
基材層には、樹脂フィルムを用いることが好ましく、1層で構成されていてもよく、組成が同一または異なる樹脂フィルムを2層以上含む多層構成であってもよい。
また、基材層を構成する各層間または他層との間には、接着性を向上させるために、接着剤層を設けたり、各層の表面に、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けたりすることができる。
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスまたは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いたる酸化処理等の前処理を任意に施して、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等を形成して設けることができる。
或いは、表面に、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、蒸着アンカーコート剤層等の各種コート剤層を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の各種コート剤層には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を用いることができる。
基材層の厚さは、素材にもよるが、樹脂フィルムの場合には、好ましくは100〜400μm、より好ましくは150〜350μmである。
基材層に用いられる樹脂フィルムには、熱可塑性樹脂をフィルム化したものを用いることができ、化学的または物理的強度に優れ、金属酸化物の蒸着膜を形成する条件に耐え、それら金属酸化物の蒸着膜の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる熱可塑性樹脂であることが好ましい。
このような樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC);ポリ塩化ビニリデン(PVDC);ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;各種ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;アセタール系樹脂;セルロース系樹脂等の各種の樹脂が挙げられる。
本発明においては、樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)が好ましい。尚、PVDCは、PVCまたはアクリロニトリルなどとの共重合体であってもよい。
本発明において、基材層に用いられる熱可塑性樹脂は、公知公用の各種製膜法でフィルム化することができる。
例えば、1種の樹脂を使用して、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、カレンダリング等の製膜化法を用いて製膜する方法、2種以上の樹脂を使用して多層共押し出し製膜する方法、2種以上の樹脂を製膜する前に混合して上記製膜法で製膜する方法、等が挙げられる。さらに、テンター方式やチューブラマ方式等を利用して1軸または2軸方向に延伸したフィルムとすることができる。
または、他の樹脂フィルム上に、1種または2種以上の樹脂を、塗布及び乾燥してコーティングしたり、Tダイ法等によって溶融した樹脂を積層したりすることもできる。
本発明においては、樹脂フィルムとしては、PVC層とPVDC層を有するPVC/PVDCフィルム、及びPPフィルムが好ましく用いられる。
なお、樹脂フィルムには、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、改質用樹脂等を使用することができる。
<シーラント層>
シーラント層は、ガス吸着底材の、基材層よりも該凹状収容部に近い層であり、表面層であり、内容物およびガス吸着バリア蓋材と接する層である。
ガス吸着底材に含まれるシーラント層は、消臭層および加水分解抑制層からなる群から選ばれる1種を有する。
また、シーラント層は、消臭層または加水分解抑制層からなる1層構成であってもよく、さらに、必要に応じて、消臭剤も加水分解抑制剤も含有せず、ポリオレフィン系樹脂を含有する、ヒートシール層を有する2層以上の多層構成であってもよい。
すなわち、シーラント層は、消臭層または加水分解抑制層、ヒートシール層/消臭層または加水分解抑制層、消臭層または加水分解抑制層/ヒートシール層、ヒートシール層/消臭層または加水分解抑制層/ヒートシール層、等の構成を有することができる。
消臭層または加水分解抑制層はヒートシール性を有していてもよく、有していなくてもよいが、これらが充分なヒートシール性を有していない場合には、他層とのヒートシールを高める為に、ヒートシール性を有するヒートシール層が、基材層から最も遠い層および/または基材層に最も近い層であることが好ましい。
シーラント層は、さらに、滑剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、その他の添加剤を含むことができる。
[消臭層]
本発明においては、消臭層とは、シーラント層が消臭層のみの1層で構成されている場合のシーラント層と、シーラント層が多層で構成されている場合のシーラント層中の消臭層との両者を指すものとしても表記する。
消臭層は、消臭剤とポリオレフィン系樹脂とを含有する。
消臭層中の消臭剤の含有量は、0.5質量%〜15質量%が好ましく、0.8質量%〜15質量%がより好ましい。上記範囲よりも少ないと消臭効果が発現し難く、上記範囲よりも多いと製膜性が悪化し易い。
[加水分解抑制層]
本発明においては、加水分解抑制層とは、シーラント層が加水分解抑制層のみの1層で構成されている場合のシーラント層と、シーラント層が多層で構成されている場合のシーラント層中の加水分解抑制層との両者を指すものとしても表記する。
加水分解抑制層は、加水分解抑制剤とポリオレフィン系樹脂とを含有する。
加水分解抑制層中の、加水分解抑制剤の含有量は、1質量%〜50質量%が好ましく、6〜50質量%がより好ましい。上記範囲よりも少ないと加水分解抑制効果が発現し難く、上記範囲よりも多いと製膜性が悪化し易い。
[シーラント層の製膜・積層方法]
本発明において、シーラント層またはシーラント層を構成する各層の製膜、積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法、積層方法を適用することができる。
シーラント層、または消臭層やヒートシール層を、押出しまたは共押出しで、他の層上に、エクストルージョンコート法で積層したり、インフレーション法やキャスト法により製膜後に接着層を介して積層したりすることもできる。エクストルージョンコート法の場合でも、必要に応じて接着層を介して、積層してもよい。
または、予め製膜されたシーラント層、消臭層、ヒートシール層用のフィルムを、エクストルージョンコート法、ドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法等により積層された接着層を介して積層、接着してもよい。
エクストルージョンコート法により積層する場合においては、まず、シーラント層、消臭層、ヒートシール層等を形成する樹脂組成物を加熱して溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に(共)押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、シーラント層、消臭層、ヒートシール層等の形成と、被積層面への積層および接着や、消臭層とヒートシール層間の積層および接着等を、同時に行うことができる。
エクストルージョンコート法により積層する場合の、消臭シーラント層、消臭層、ヒートシール層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜50g/10分が好ましく、0.5〜30g/10分がより好ましい。なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210に準拠した手法から測定された値である。
MFRが0.2g/10分未満、又は50g/10分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
インフレーション法を用いる場合の、消臭シーラント層、消臭層、ヒートシール層に含まれる樹脂成分のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜10g/10分が好ましく、0.2〜9.5g/10分がより好ましい。
MFRが0.2g/10分未満、又は10g/10分よりも大きいと、加工適正が劣り易い。
<<ガス吸着バリア蓋材>>
ガス吸着バリア蓋材は、上記のガス吸着底材の凹状収容部の開口部を閉塞する為の積層体である。
ガス吸着バリア蓋材は、少なくとも、ガスバリア層とシーラント塗布層とを有する積層体であり、シーラント塗布層は、ガス吸着バリア蓋材の片面の最表面の層である。
そして、ガス吸着バリア蓋材は、必要に応じて、様々な機能を有する中間層や、これらの層を接着する為の接着剤層等を、さらに有することもできる。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は、本発明の消臭PTP包装体の外部から内部へ、更には内容物へと、水蒸気や酸素等が浸透して来るのを抑制する層であり、内容物の加水分解や酸化による臭気物質の生成や、水分による劣化を抑制することができる。
ガスバリア層には、ガスバリア性樹脂塗膜、金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
ガスバリア性樹脂塗膜としては、金属アルコキシドと水溶性高分子とから形成されたゾルゲル法加水分解重縮合物を含有する塗膜が好ましく、金属箔としてはアルミニウム箔が好ましく、金属蒸着層付き樹脂フィルムとしてはアルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムが好ましく、金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムとしては酸化アルミニウム蒸着膜付き樹脂
フィルムが好ましい。
商業的にも入手可能な酸化アルミニウム蒸着膜付き樹脂フィルムとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB−PET−PIR(厚さ12μm)、シリカ蒸着IB−ON−UB(厚さ15μm)が挙げられる。
ガスバリア層用の金属箔、金属蒸着層付き樹脂フィルム、または金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムは、ドライラミネート接着剤を用いて、他の層と接着することができる。
あるいは、金属蒸着層付き樹脂フィルムまたは金属酸化物蒸着層付き樹脂フィルムの樹脂フィルムに、基材層用の樹脂フィルムを用いて、基材層への積層を省略することもできる。
<シーラント塗布層>
シーラント塗布層は、ガス吸着バリア蓋材の、ガス吸着バリア蓋材と接する表面層であり、ガスバリア層よりも該凹状収容部に近い層である。
シーラント塗布層は、消臭塗布層および加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種を有する。
また、シーラント塗布層は、消臭塗布層または加水分解抑制塗布層からなる1層構成であってもよく、さらに、必要に応じて、消臭剤も加水分解抑制剤も含有せず、ポリオレフィン系樹脂を含有する、ヒートシールに優れた層を有する2層以上の多層構成であってもよい。
シーラント塗布層は、さらに、滑剤、酸化防止剤、アンチブロック剤、その他の添加剤を含むことができる。
[消臭塗布層]
本発明においては、消臭塗布層とは、シーラント塗布層が消臭塗布層のみの1層で構成されている場合のシーラント塗布層と、シーラント塗布層が多層で構成されている場合のシーラント塗布層中の消臭塗布層との両者を指すものとしても表記する。
該消臭塗布層は、消臭剤とポリオレフィン系樹脂とを含有し、塗布によって形成された層である。
消臭塗布層中の、消臭剤の含有量は、1質量%〜60質量%が好ましく、5質量%〜60質量%がより好ましい。上記範囲よりも少ないと消臭効果が発現し難く、上記範囲よりも多いと製膜性が悪化し易い。
[加水分解抑制塗布層]
本発明においては、加水分解抑制塗布層とは、シーラント塗布層が加水分解抑制塗布層のみの1層で構成されている場合のシーラント塗布層と、シーラント塗布層が多層で構成されている場合のシーラント塗布層中の加水分解抑制塗布層との両者を指すものとしても表記する。
加水分解抑制層および加水分解抑制塗布層は、加水分解抑制剤とポリオレフィン系樹脂とを含有し、塗布によって形成された層である。
加水分解抑制塗布層中の、加水分解抑制剤の含有量は、1質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましい。上記範囲よりも少ないと加水分解抑制剤効果が発現し難く、上記範囲よりも多いと製膜性が悪化し易い。
[シーラント塗布層の製膜・積層方法]
本発明において、シーラント塗布層またはシーラント塗布層を構成する消臭塗布層または加水分解抑制塗布層の各層の製膜、積層方法は、公知または慣用の塗布による製膜方法、積層方法を適用することができる。
例えば、ガス吸着バリア蓋材を構成する他の層上に、各々の層を形成する為の樹脂組成物を、必要に応じて接着層を介して、グラビアコート法、ロールコート法、キスコート法、バーコート法等によって塗布・乾燥して、製膜および積層してもよい。
あるいは、樹脂フィルム等に塗布・乾燥して得られたフィルムを剥がして得られたフィルムを、ガス吸着バリア蓋材を構成する他の層上に接着剤等を介して積層してもよい。
[各成分について]
(消臭剤)
消臭剤は、内容物自身、及び内容物の加水分解によって生成した臭気物質を消臭する作用を有する化合物である。
消臭剤には、化学臭気吸着剤、SiO2/Al23モル比が30/1〜10000/1の疎水性ゼオライト、臭気分解性金属化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
化学臭気吸着剤とは、内容物自身、及び内容物の加水分解によって生成した臭気物質と化学反応を起こして結合する反応性官能基を有する化合物であり、例えば、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類等と結合する反応性を有する官能基を有する化合物である。
このような化合物としては、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、水酸基含有化合物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。
アミノ基含有化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、等のアルキルアミン、メタフェニレンジアミン等のフェニルアミン、テトラメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン、エタノールアミン、ピペラジン、ピペリジン、等が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物の具体例としては、2‐アクリルアミド‐2‐メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
水酸基含有化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の金属水酸化物が挙げられる。
炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩が挙げられる。
炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸水素塩が挙げられる。
化学臭気吸着剤は、無機多孔体上に担持させて、化学臭気吸着剤担持無機多孔体として用いることもできる。
化学臭気吸着剤の臭気物質に対する吸着機構を、図5(a)〜(b)の具体例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。図5(a)〜(b)においては、化学臭気吸着剤は、例えば無機多孔体上に担持して用いられている。
例えば、臭気物質がカルボン酸系臭気物質である場合は、図5(a)に示すように、化学臭気吸着剤として、例えばヒドロキシル基を有する化合物を用いることができる。これにより、カルボキシル基とヒドロキシル基とが化学反応を起こして結合し、臭気物質が吸着される。
また、臭気物質がアルデヒド類である場合は、図5(b)に示すように、化学臭気吸着剤として、例えばアミノ基を有する化合物を用いることができる。これにより、アルデヒド基とアミノ基とが化学反応を起こして結合し、臭気物質が吸着される。
この際、臭気物質の吸着は化学吸着であることにより、一旦吸着した臭気物質は脱離することがなく、効率的に臭気吸着を行うことができる。
さらに、臭気と水蒸気とが同一の吸着部位に吸着される物理吸着剤とは異なり、本発明における化学臭気吸着剤は、臭気物質を化学臭気吸着剤の特定の官能基と結合させるため
、臭気吸着能を低下させる種々の物質、例えば水蒸気等の影響を受けにくい。
疎水性ゼオライトのSiO2/Al23モル比は、30/1〜10000/1が好ましく、35/1〜9000/1がより好ましく、40/1〜8500/1がさらに好ましい。
一般的にゼオライトはSiO2/Al23モル比が高い程、疎水性が高くなる。そして、疎水性が高くなることによって、極性の高い水分子等を吸着し難くなり、逆に極性の低い臭気物質、疎水性ガス、親油性ガス(溶剤系ガスも含む)との親和性が高くなり、これらを吸着し易くなる。更に、ゼオライト表面に存在する、Ca、Na、K等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の効果によりゼオライト表面は塩基性を示し、酸性ガスは中和反応によって吸着され易くなる。
本発明においては、臭気物質の吸着性能と入手し易さのバランスから、上記範囲のモル比の疎水性ゼオライトが好ましく用いられる。
また、疎水性ゼオライトは耐熱性が高く、230℃以上の高温に晒されても、臭気物質の吸着効果を維持することができる。
疎水性ゼオライトの形状は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、樹脂中に分散させた際の、均一な分散性や混練特性、製膜性等の観点から、粉体状が好ましい。
本発明において、疎水性ゼオライトの平均粒子径は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、平均粒子径0.01μm〜10μmのものが好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が0.01μmよりも小さい場合には疎水性ゼオライトの凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。また、平均粒子径が10μmよりも大きい場合には、疎水性ゼオライトを含む層の製膜性が劣る傾向になる為に、疎水性ゼオライトを多くは添加し難い傾向となり、更に表面積も減少する為に、十分な消臭効果が得られない可能性が生じる。
臭気分解性金属化合物とは、臭気物質を化学的に分解する作用を有する金属化合物である。
臭気分解性金属化合物は、臭気分解性金属化合物中に保持された金属原子がイオン化して、臭気物質の分解反応を促進する触媒作用を発揮することによって、消臭効果を奏するものである。
臭気分解性金属化合物は、硫黄系臭気物質の消臭効果も高い。
臭気分解性金属化合物は、Cu、Zn、Ag、Pt、Au、Fe、アルカリ金属類からなる群から選ばれる1種または2種以上の元素の、酸化物および/または塩が好ましい。
金属酸化物としては、例えば、CuO、Cu2O、ZnO、Ag2O、PtO2、Au23、FeO、Fe34、Fe23、CoO、Co23、Co34等が挙げられる。これらの中でも、CuO(酸化銅(II))、ZnOが好ましい。
また、臭気分解性金属化合物は、さらに、酸化珪素(SiO2)、酸化アルカリ金属、酸化アルカリ土類金属、酸化ホウ素、酸化アルミニウム(Al23)等を含有する臭気分解性金属化合物組成物から形成することもできる。これらを含有することによって、臭気分解性金属化合物を作製し易くなり、臭気分解性金属化合物の分散性がよくなり、イオン化を調節し易くなって消臭効果が高まり、更には、臭気分解性金属化合物の化学的耐久性及び耐水性が向上し、金属析出が抑制され、消臭効果が維持され易くすることができる。
粉体状の臭気分解性金属化合物は、各原料を混合して臭気分解性金属化合物組成物を調整し、瓶ガラスなどの汎用ガラス作製と同様な常法により溶融して均質化して、冷却後に粉砕することによって、得ることができる。
臭気分解性金属化合物は、触媒として臭気物質の分解反応を促進するため、化学吸着、物理吸着を利用して表面積に依存する場合に比べて、消臭容量を増大させることができ、消臭効果を長期間に亘って安定して発揮することができる。
酸化アルカリ土類金属は、MgO、CaO、SrO、BaOなる群から選ばれる1種または2種以上であり、必要に応じて臭気分解性金属化合物組成物中に含有される成分であり、臭気分解性金属化合物の化学的耐久性を向上させる作用を有する。
臭気分解性金属化合物組成物中に酸化アルカリ土類金属を含有させる場合の、臭気分解性金属化合物組成物中の酸化アルカリ土類金属の含有率は、2〜10モル%が好ましく、2〜7モル%がより好ましい。上記範囲よりも少ないと、酸化アルカリ土類金属を含有した効果を十分に発揮することが困難になり易く、上記範囲よりも多いと、臭気分解性金属化合物の融点と溶融粘度が高過ぎて不均質になり易い。
臭気分解性金属化合物の粒子径分布は、重量平均粒子径が1μm以上、30μm以下であり、D96が40μm以下であることが好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により粒度分布測定を行って測定された値であり、D96は、累積分布させたときの積分値が96質量%に当たる粒径を意味する。
平均粒子径が1μmよりも小さい場合には臭気分解性金属化合物の凝集が生じ易く、シーラント層中での分散性が低下する傾向にある。また、平均粒子径が30μmよりも大きい場合にはシーラント層の製膜性が劣る傾向になる為に、臭気分解性金属化合物を多くは添加し難い傾向となり、更に表面積も減少する為、十分な消臭効果を得難いおそれがある。
96が40μmを超えると、樹脂中への均一分散が困難になり易く、製膜性が低下するおそれがある。
臭気分解性金属化合物は、無機物に混錬または担持させて用いることもできる。
(加水分解抑制剤)
加水分解抑制剤は、内容物の加水分解を抑制する為の吸湿性を有する化合物である。内容物の加水分解には水が必須である為、加水分解抑制剤が吸湿して水分量を低下させることによって、加水分解の進行を抑制し、臭気物質の発生を抑制することができる。また、内容物が水分を嫌う電子部品、電子機器、産業資材等の場合には、劣化を抑制することができる。
加水分解抑制剤は、吸湿性アルカリ金属化合物、吸湿性アルカリ土類金属化合物、親水性ゼオライトからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
吸湿性アルカリ金属化合物または吸湿性アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、BaO、LiCl、LiOHが好ましく、これらの中でも、MgO、CaOがより好ましい。
親水性ゼオライトのSiO2/Al23モル比は、1/1〜20/1が好ましく、1.5/1〜10/1がより好ましく、2/1〜5/1がさらに好ましい。
一般的にゼオライトはSiO2/Al23モル比が低い程、親水性が高くなる。そして、親水性が高くなることによって、極性の高い水分子等を吸着し易くなり、逆に極性の低い臭気物質、疎水性ガス、親油性ガス(溶剤系ガスも含む)との親和性が低くなり、これらを吸着し難くなる。
本発明においては、吸湿性能と入手し易さのバランスから、上記範囲のモル比の親水性ゼオライトが好ましく用いられる。
また、親水性ゼオライトは耐熱性が高く、230℃以上の高温に晒されても、吸湿効果を維持することができ、エクストルージョンによる230℃以上の高温積層に用いること
もできる。
加水分解抑制剤の形状は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、樹脂中に分散させた際の、均一な分散性や混練特性、製膜性等の観点から、粉体状が好ましい。
本発明において、加水分解抑制剤の平均粒子径は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、平均粒子径0.01μm〜10μmのものが好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が0.01μmよりも小さい場合には加水分解抑制剤の凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。また、平均粒子径が10μmよりも大きい場合には、加水分解抑制剤を含む層の製膜性が劣る傾向になる為に、加水分解抑制剤を多くは添加し難い傾向となり、更に表面積も減少する為に、十分な吸湿効果が得られない可能性が生じる。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂としては、消臭剤または加水分解抑制剤の分散性がよく、ヒートシール性を有するものであれば、公知のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の低溶出化されたもの及びそれらの樹脂の混合物が挙げられる。
上記の中でも、ポリエチレン系の樹脂が好ましく、ポリエチレン系の樹脂の中でも、LDPEおよび/またはLLDPEがより好ましく、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、LDPEおよび/またはLLDPEがさらに好ましい。
[消臭剤または加水分解抑制剤の分散方法]
消臭剤または加水分解抑制剤をポリオレフィン系樹脂中に分散させる方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。
消臭剤または加水分解抑制剤を直接、ポリオレフィン系樹脂と混合して混練することも可能であり、或いは、消臭剤または加水分解抑制剤を高濃度で熱可塑性樹脂と混合した後に溶融混練(メルトブレンド)してマスターバッチを作製し、これを、目標含有率に応じた比率で、ポリオレフィン系樹脂と混合、溶融混練する、いわゆるマスターバッチ方式によっても可能である。
マスターバッチ方式の場合には、凝集が発生し易い、消臭剤または加水分解抑制剤とポリオレフィン系樹脂の組み合わせであっても、効率的に、均質に分散させることができる。
マスターバッチ中の、消臭剤の含有率は、0.5質量%以上、40質量%以下が好ましく、1質量%以上、20質量%以下がより好ましい。
マスターバッチ中の、加水分解抑制性吸湿性アルカリ金属化合物の含有率は、0.5質量%以上、65質量%以下が好ましく、1質量%以上、60質量%以下がより好ましい。
マスターバッチ中の、加水分解抑制性吸湿性アルカリ土類金属化合物の含有率は、0.5質量%以上、65質量%以下が好ましく、1質量%以上、60質量%以下がより好ましい。
マスターバッチ中の、親水性ゼオライトの含有率は、0.5質量%以上、65質量%以下が好ましく、1質量%以上、60質量%以下がより好ましい。
各々について、上記範囲内未満では、層内における消臭剤または加水分解抑制剤の含有率の自由度が小さくなりやすく、上記範囲よりも多いと、優れた分散性を得ることが困難になり易い。
マスターバッチに用いる熱可塑性樹脂としては、汎用のポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。
この際、マスターバッチ中の熱可塑性樹脂は、消臭層、消臭塗布層、加水分解抑制層、加水分解抑制塗布層中のポリオレフィン系樹脂と同一であっても、異なっていてもよく、目的に応じて異なる種類の樹脂を各層のヒートシール性や製膜性に大きな悪影響を与えない範囲内で組み合わせることが可能である。
例えば、消臭層中のポリオレフィン系樹脂と同一の樹脂をマスターバッチに用いていれば、消臭層は均質になり易く、良好な、製膜性、ヒートシール性、層間接着強度、消臭性を、効率的に得ることが可能である。
<原材料>
実施例に用いた原材料の詳細は下記の通りである。
[消臭剤]
(化学臭気吸着剤担持無機多孔体)
・ケスモンNS−241:東亞合成(株)社製、アミノ基含有化合物担持無機多孔体。平均粒子径3.5μm。
・ケスモンNS−80E:東亞合成(株)製、ヒドロキシル基担持ジルコニウム、平均粒子径2μm。
(疎水性ゼオライト]
・ミズカシーブスEX−122:水澤化学工業(株)製。SiO2/AL23モル比=32/1、平均粒子径=2.5〜5.5μm。
・シルトンMT400:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL23モル比=400/1、平均粒子径=5〜7μm。
・シルトンMT−8000:水澤化学工業(株)製。SiO2/AL23モル比=8000/1、平均粒子径=0.8μm。
[加水分解抑制剤]
(吸湿性アルカリ土類金属化合物)
・酸化カルシウム:(株)高純度化学研究所社製。平均粒子径5μm。
・酸化マグネシウム:神島化学工業(株)社製。スターマグPSF−150、平均粒子径=0.6μm。
(親水性ゼオライト)
・ミズカシーブス5AP:水澤化学工業(株)製。SiO2/AL23モル比=2/1、平均粒子径=5μm。
[ヒートシール剤]
・MP−3405:東洋インキ(株)社製。AL/PP用ヒートシール剤。
[その他]
・PVC/PVDCシート1:三菱ケミカル(株)社製F−9459。厚さ240μm。・DL接着剤1:ロックペイント(株)社製ドライラミネート用接着剤、RU004/H1。
・アルミニウム箔1:20μm厚。
<吸着ヒートシール剤の調製>
[吸着ヒートシール剤1の調製]
ヒートシール剤であるMP−3405と化学吸着剤担持無機多孔体であるケスモンNS
−241を下記割合で混合し、吸着ヒートシール剤1(AS1)を得た。
MP−3405 70質量部
ケスモンNS−241 30質量部
[吸着ヒートシール剤2〜11の調製]
表1、表2の配合に従って、吸着ヒートシール剤1と同様に操作して、吸着ヒートシール剤2〜11(AS2〜AS11)を得た。
Figure 2020158141
Figure 2020158141
<マスターバッチの調製>
[マスターバッチ1の調製]
LDPEであるノバテックLC600A(日本ポリエチレン(株)社)と、化学臭気吸着剤担持無機多孔体であるケスモンNS−241とを下記割合でメルトブレンドし、マスターバッチ1(MB1)を得た。
ノバテックLC600A 90質量部
ケスモンNS−241 10質量部
[マスターバッチ2〜11の調製]
表3、表4の配合に従って、マスターバッチ1と同様に、メルトブレンドし、マスターバッチ2〜11(MB2〜11)を得た。
Figure 2020158141
Figure 2020158141
[実施例1]
(ガス吸着バリア蓋材の作製)
吸着ヒートシール剤9(AS9)をアルミニウム箔1へグラビアコートしてシーラント塗布層(加水分解抑制塗布層)を形成し、ガス吸着バリア蓋材を得た。
(ガス吸着底材の作製)
マスターバッチ1(MB1)とLLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー(株)社製、MFR2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)をドライブレンドして、消臭層用の混合物を得た。
マスターバッチ1(MB1) 83.3質量部
エボリューSP2020 16.7質量部
そして、上記で得た混合物と、ヒートシール層用のLLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー社、MFR:2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)とを、160℃でインフレーション製膜によって積層し、下記3層構成のシーラント層用フィルムを得た。
ヒートシール層(10μm)/消臭層(30μm)/ヒートシール層(10μm)
次に、上記で得たシーラント層用フィルムを、基材層用のPVC/PVDCシート1とDL接着剤1(塗布量3.5g/m2)を介したドライラミネーション(乾燥温度70℃)によって貼り合せ、下記層構成のガス吸着底材を得た。
基材層(240μm)/接着層(3.5g/m2)/消臭シーラント層[ヒートシール層(10μm)/消臭層(30μm)/ヒートシール層(10μm)]
(消臭PTP包装体の作製)
上記で得たガス吸着底材に凹状収容部を形成し、ガス吸着バリア蓋材と、シーラント塗布層とシーラント層とを対向させて重ねて、ヒートシールして、消臭PTP包装体を作製した。
(各種評価)
上記で得たガス吸着底材、ガス吸着バリア蓋材、消臭PTP包装体について、各種評価を実施した。評価結果を表9に示した。
[実施例2〜12]
表5、6の記載に従って、吸着ヒートシール剤(AS)、マスターバッチ(MB)を選択して、実施例1と同様に操作して、ガス吸着バリア蓋材とガス吸着底材とPTP包装体を作製し、同様に評価した。評価結果を表9、10に示した。
[実施例13]
(ガス吸着バリア蓋材の作製)
吸着ヒートシール剤1(AS1)と吸着ヒートシール剤2(AS2)を下記配合で混合し、アルミニウム箔(20μm厚)へグラビアコートしてシーラント塗布層(消臭塗布層)を形成し、ガス吸着バリア蓋材を得た。
吸着ヒートシール剤1(AS1) 50質量部
吸着ヒートシール剤2(AS2) 50質量部
(ガス吸着底材の作製)
マスターバッチ9(MB9)とLLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー(株)社製、MFR2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)をドライブレンドして、加水分解抑制層用の混合物を得た。
マスターバッチ9 66.7質量部
エボリューSP2020 33.3質量部
そして、上記で得た混合物と、ヒートシール層用のLLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー社、MFR:2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)とを、160℃でインフレーション製膜によって積層し、下記3層構成の消臭シーラント層用フィルムを得た。
ヒートシール層(10μm)/加水分解抑制層(30μm)/ヒートシール層(10μm)
次に、上記で得たシーラント層用フィルムを、基材層用のPVC/PVDCシート1とDL接着剤1(塗布量3.5g/m2)を介したドライラミネーション(乾燥温度70℃)によって貼り合せ、下記層構成のガス吸着底材を得た。
基材層(240μm)/接着層(3.5g/m2)/シーラント層[ヒートシール層(10μm)/加水分解抑制層(30μm)/ヒートシール層(10μm)]
(消臭PTP包装体の作製)
上記で得たガス吸着底材に凹状収容部を形成し、ガス吸着バリア蓋材と、シーラント層同士を対向させて重ねて、ヒートシールして、消臭PTP包装体を作製した。
(各種評価)
上記で得たガス吸着底材、ガス吸着バリア蓋材、消臭PTP包装体について、実施例1と同様に各種評価を実施した。評価結果を表11に示した。
[実施例14〜27]
表6〜8の記載に従って、吸着ヒートシール剤(AS)、マスターバッチ(MB)を選
択して、実施例13と同様に操作して、ガス吸着バリア蓋材とガス吸着底材と消臭PTP包装体を作製し、実施例13と同様に評価した。評価結果を表11〜13に示した。
[比較例1]
(蓋材の作製)
ヒートシール剤であるMP−3405のみをアルミニウム箔(20μm厚)へグラビアコートして蓋材を得た。
(底材の作製)
LLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー社、MFR:2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)を、160℃でインフレーション製膜し、1層構成50μm厚のシーラント層用フィルムを得た。
次に、上記で得たシーラント層用フィルムを、基材層用のPVC/PVDCシート1とDL接着剤1(塗布量3.5g/m2)を介したドライラミネーション(乾燥温度70℃)によって貼り合せ、下記層構成の底材を得た。
基材層(240μm)/接着層(3.5g/m2)/シーラント層[ヒートシール層(50μm)]
(PTP包装体の作製)
上記で得た底材に凹状収容部を形成し、蓋材と、グラビアコート層とシーラント層とが対向するように重ねて、ヒートシールして、PTP包装体を作製した。
(各種評価)
上記で得た底材、蓋材、PTP包装体について、実施例1と同様に各種評価を実施した。
[比較例2]
(蓋材の作製)
吸着ヒートシール剤9(AS9)をアルミニウム箔(20μm厚)へグラビアコートして加水分解抑制塗布層を形成し、ガス吸着バリア蓋材を得た。
(底材の作製)
マスターバッチ6、7、8(MB6、7、8)とLLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー(株)社製、MFR2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)とを下記配合でドライブレンドして、消臭層用の混合物を得た。
マスターバッチ6(MB6) 26.7質量部
マスターバッチ7(MB7) 26.7質量部
マスターバッチ8(MB8) 26.7質量部
エボリューSP2020 19.9質量部
次に、マスターバッチ9(MB9)とLLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー(株)社製、MFR2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)とを下記配合でドライブレンドして、加水分解抑制層用の混合物を得た。
マスターバッチ9(MB9) 90.0質量部
エボリューSP2020 10.0質量部
そして、上記で得た消臭層用の混合物と、加水分解抑制層用の混合物と、LLDPE樹脂(エボリューSP2020、プライムポリマー社、MFR:2.3g/10分、密度:0.916g/cm3)とを、160℃でインフレーション製膜によって積層し、下記3層構成の底材を得た。
ヒートシール層(10μm)/消臭層(30μm)/加水分解抑制層(10μm)
次に、上記で得た底材を、基材層用のPVC/PVDCシート1とDL接着剤1(塗布量3.5g/m2)を介したドライラミネーション(乾燥温度70℃)によって貼り合せ
、下記層構成の底材を得た。
基材層(240μm)/接着層(3.5g/m2)/シーラント層[ヒートシール層(10μm)/消臭層(30μm)/加水分解抑制層(10μm)]
(PTP包装体の作製)
上記で得たガス吸着底材に凹状収容部を形成し、蓋材と、シーラント層同士を対向させて重ねて、ヒートシールして、PTP包装体を作製した。
(各種評価)
上記で得た底材、蓋材、PTP包装体について、実施例1と同様に各種評価を実施した。評価結果を表13に示した。
<結果まとめ>
本願発明の実施例のガス吸着底材とガスバリア蓋材、及びこれらから作製したPTP包装体は、良好な製膜性、製袋性、ヒートシール性、消臭効果、相対加湿度低下効果を示した。
一方、蓋材と底材に消臭剤も加水分解抑制剤も含有していない比較例1は、不十分な消臭効果と相対加湿度低下効果を示した。
また、底材の消臭層中の消臭剤の含有量と、底材の加水分解抑制層中の加水分解抑制の含有量とが高過ぎる比較例2は、
ガス吸着バリア蓋材およびガス吸着底材の製膜性と、PTP包装体製袋性と、シール強度が劣った結果を示した為、以降の評価を中断した。
<評価方法>
[製膜性]
各フィルム(ガスバリア蓋材、ガス吸着底材)の外観を観察し、官能的に評価した。評価基準は以下の通りである。
○:フィルムに皺やぶつが生じることなく製膜が可能。
×:フィルムに皺やぶつが多数生じ、製膜が困難。
[PTP包装体製袋性]
○:PTP包装袋が容易に作製できた。
×:PTP包装袋が容易に作製できず、未融着部分や皺が多数生じた。
[ヒートシール性]
ガスバリア蓋材とガス吸着底材のそれぞれを10cm×10cmに切り分け、それぞれのシーラント層面を重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP−701−A)を用いて、1cm×10cmの領域をヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態のサンプルを作製した。
このサンプルを、15mm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して引張強度(N/15mm)を測定して、合否判定した。
(ヒートシール条件)
温度:160℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
(引張強度試験条件)
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
(合否判定基準)
○:10N/15mm以上であり、合格。
×:10N/15mm未満であり、不合格。
[消臭性、相対湿度変化]
ガスバリア蓋材とガス吸着底材のそれぞれを20×20cmにカットし、相対加湿度80%以上の空気で濃度調整した臭気成分、並びに温度・湿度データロガー((株)ティアンドデイ社、TR−72wf)と共に、1000mlをガスサンプリングバック(IB−PET−PIR12μm/接着層/ONy15μm/接着層/LLDPEフィルム60μm)に入れ、2日放置後の臭気変化を官能評価により、また相対湿度変化を温度・湿度データロガーにより測定した。臭気成分としては、アセトアルデヒドを200ppm、酢酸を30ppmとなる様に調整した。
臭気官能評価の評価基準は以下のとおりである
・1=初期と変化無く臭い
・2=初期から多少臭いが緩和された
・3=初期と比較して大幅に臭いが緩和された
・4=全く臭いがしない
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
Figure 2020158141
1 消臭PTP包装体
2 シール部分
L 断面線
3 ガス吸着バリア蓋材
4 ガスバリア層
5 塗布シーラント層
5a 消臭塗布層
5b 加水分解抑制塗布層
5c ヒートシール性樹脂塗布層
10 ガス吸着底材
11 基材層
12 接着剤層
13 シーラント層
13a 消臭層
13b 加水分解抑制層
13c ヒートシール性樹脂層
20 化学臭気吸着剤担持無機多孔体

Claims (5)

  1. 内容物を収容する複数の凹状収容部を有するガス吸着底材と、該凹状収容部の開口部を閉塞するガス吸着バリア蓋材とからなる消臭PTP包装体であって、
    該ガス吸着底材は、基材層とシーラント層とを有する積層体であり、
    該シーラント層は、消臭層および加水分解抑制層からなる群から選ばれる1種を有し、該基材層よりも該凹状収容部に近い層であり、
    該ガス吸着バリア蓋材は、ガスバリア層とシーラント塗布層とを有する積層体であり、
    該シーラント塗布層は、消臭塗布層および加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種を有し、該ガスバリア層よりも該凹状収容部に近い層であり、
    該消臭PTP包装体は、該消臭層および該消臭塗布層からなる群から選ばれる1種と、加水分解抑制層および加水分解抑制塗布層からなる群から選ばれる1種とを有し、
    該消臭層および該消臭塗布層は、消臭剤とポリオレフィン系樹脂とを含有し、
    該消臭剤は、化学臭気吸着剤、SiO2/Al23モル比が30/1〜10000/1の疎水性ゼオライト、臭気分解性金属化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、
    該加水分解抑制層および加水分解抑制塗布層は、加水分解抑制剤とポリオレフィン系樹脂とを含有し、
    該加水分解抑制剤は、吸湿性アルカリ金属化合物、吸湿性アルカリ土類金属化合物、SiO2/Al23モル比が1/1〜20/1の親水性ゼオライトからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、
    該消臭層中の、該消臭剤の含有量が、0.5質量%〜15質量%であり、
    該加水分解抑制層中の、該加水分解抑制剤の含有量が、1質量%〜50質量%であることを特徴とする、消臭PTP包装体。
  2. 前記シーラント層の基材層から最も遠い層および/または基材層に最も近い層が、ポリオレフィン系樹脂を含有し、前記消臭剤および前記加水分解抑制剤を含有しないことを特徴とする、
    請求項1に記載の、消臭PTP包装体。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂が、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、LDPEおよび/またはLLDPEであることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の、消臭PTP包装体。
  4. 前記消臭塗布層中の、前記消臭剤の含有量が、1質量%〜60質量%であり、
    前記加水分解抑制塗布層中の、前記加水分解抑制剤の含有量が、1質量%〜40質量%であることを特徴とする、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の、消臭PTP包装体。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載された消臭PTP包装体に用いられることを特徴とする、前記ガス吸着底材および/または前記ガス吸着バリア蓋材。
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