JP2021160173A - 臭気吸着性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、製膜性等の製造適性、充填機適性、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類の4種の臭気物質のいずれをも吸着対象とした高い臭気吸着効果を長期間にわたって発揮して、シール強度に優れた積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装体を提供することを目的とする。【解決手段】臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類を吸着することができる臭気吸着性積層体であって、該臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層とを含み、該臭気吸着シーラント層は、臭気吸着剤およびヒートシール性樹脂を含有する臭気吸着シーラントフィルムから形成された層であり、該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、臭気吸着性積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、臭気物質の、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類のいずれをも吸着し得る臭気吸着性積層体、および該臭気吸着性積層体を用いて作製した臭気吸着性包装材料、臭気吸着性包装体に関する。
包装材料において、臭気吸着剤を内包した包装材料が提案されている。このような包装材料には、合成ゼオライトや活性炭といった臭気吸着剤が、樹脂材料中に練り込まれている。(特許文献1)。しかしながら、このような従来の包装材料は、吸着対象の臭気物質が主にアルデヒド類やケトン類であって、カルボン酸類やアルコール類を吸着することを目的としていなかった。そして、臭気だけでなく、大気中の湿気をも吸着し、且つ、一度吸着した臭気を、脱離させてしまうという問題があるため、十分な臭気吸着効果が得られていない。
無機多孔体上に化学吸着剤を担持させてなる臭気吸着剤を含有した包装材料も知られているが(特許文献2)、主な吸着対象物は特定の官能基を有する臭気成分のみであって、樹脂材料を選定しない状況では、官能基を有さない有機物の臭気成分を十分に吸着し得るものではない。
特許第2538487号公報 特開2014−233408号公報
本発明は、上述の問題を解決し、製膜性等の製造適性、充填機適性、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類の4種の臭気物質のいずれをも吸着対象とした高い臭気吸着効果を長期間にわたって発揮して、シール強度に優れた積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装体を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討の結果、特定の臭気吸着シーラント層を有する積層体が、上記の目的を達成することを見出した。
本発明は、以下の点を特徴とする。
1.臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類を吸着することができる臭気吸着性積層体であって、
該臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層とを含み、
該臭気吸着シーラント層は、臭気吸着剤およびヒートシール性樹脂を含有する臭気吸着シーラントフィルムから形成された層であり、
該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、
臭気吸着性積層体。
2.前記臭気吸着剤が、金属担持無機多孔体、アミノ基担持無機多孔体、水酸基担持無機多孔体からなる群から選ばれる1種または2種以上を、さらに含む、上記1に記載の、臭気吸着性積層体。
3.前記ヒートシール性樹脂は、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、C4−LLDPE、C6−LLDPE、C8−LLDPEからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、上記1または2に記載の、臭気吸着性積層体。
4.前記臭気吸着剤が、ヒートシール性樹脂と、臭気吸着剤/ヒートシール性樹脂の質量比が、0.5/99.5〜40/60の割合で、予め溶融混練されている、上記1〜3の何れかに記載の、臭気吸着性積層体。
5.前記臭気吸着シーラント層が、ヒートシール層および臭気吸着層を含み、
該ヒートシール層は、前記ヒートシール性樹脂を含有し、前記臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を含有する層である、
上記1〜4の何れかに記載の、臭気吸着性積層体。
6.前記臭気吸着性積層体が、
基材層/ヒートシール層/臭気吸着層、
基材層/臭気吸着層/ヒートシール層、
基材層/ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層、
からなるいずれかの構成で積層されている、上記5に記載の、臭気吸着性積層体。
7.前記臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、0.3質量%以上、15質量%以下である、上記5または6に記載の、臭気吸着性積層体。
8.上記1〜7の何れかに記載の臭気吸着性積層体を用いて作製された、臭気吸着性包装材料。
9.上記8に記載の臭気吸着性包装材料から作製された、臭気吸着性包装体。
本発明によれば、製膜性等の製造適性、充填機適性、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類の4種の臭気物質のいずれをも吸着対象とした高い臭気吸着効果を長期間にわたって発揮して、シール強度に優れた積層体、及び該積層体を用いた包装材料、包装体を提供することができる。
特に、積層体に含有される樹脂が元から含有しているアルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類の4種の臭気物質のいずれをも吸着できることで、医療器具(手術用ガウン、ドレープ、注射器、ダイアライザー、培養容器、他)や、BIB、動物飼料の包装材料用途に好適に用いることができる。
また、上記の臭気物質を吸着することで、内容物の風味変化を抑制したり、使用者の不快感を抑制したり健康を維持したりすることができる。
さらにまた、上記の臭気物質によって生じる培養容器等における培養機能阻害を抑制できる。
本発明の臭気吸着性積層体の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明の臭気吸着性積層体の層構成について、別態様の一例を示す概略的断面図である。 本発明の臭気吸着性積層体の層構成について、さらに別態様の一例を示す概略的断面図である。 水酸基担持無機多孔体及びアミノ基担持無機多孔体の臭気物質に対する吸着機構を示す図である。
本発明の臭気吸着性積層体及び該臭気吸着性積層体を用いて作製した包装材料、包装体について、以下に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<<臭気吸着性積層体>>
本発明の臭気吸着性積層体は、臭気物質の、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類ま
たはアルコール類を吸着する為の臭気吸着性積層体である。
本発明の臭気吸着性積層体の層構成は、図1に示すように、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層とを含む。臭気吸着シーラント層は臭気吸着性積層体の表面層であり、包装体形成時には、臭気吸着シーラント層は包装体の内容物と接するように用いられる。
臭気吸着シーラント層は、臭気吸着剤およびヒートシール性樹脂を含有する層であり、臭気吸着シーラントフィルムから形成されることが好ましい。
また、本発明の積層体は、用途に応じて、高透明性を有することができる。
また、本発明の臭気吸着性積層体は、必要に応じて種々の性能を有する中間層を、さらに含むことができる。
さらにまた、各層は接着剤層を介して積層されていてもよい。
本発明の臭気吸着性積層体の厚さは、40μm以上、200μm以下が好ましく、45μm以上、190μm以下がより好ましい。上記範囲よりも薄いと破れ易く、上記範囲よりも厚いと剛性が強すぎて、包装用途としての適性に劣り易くなる。
[臭気吸着性]
本発明において臭気吸着性は、吸着対象の臭気物質を吸着する性能を指す。
本発明における吸着対象の臭気物質は、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類である。従来の臭気を吸着する積層体は、主にアルデヒド類やケトン類のみを吸着対象としていたが、本願発明においては、さらに、カルボン酸類とアルコール類も吸着対象とする。
上記の臭気物質は、主に、積層体が含有している臭気性有機物である場合が多く、例えば、積層体を構成する原材料が含有していた臭気性有機物、および積層体を形成する際の熱履歴等によって発生した臭気性有機物、或いは、滅菌処理によって積層体中の樹脂が分解することで発生した臭気性有機物等が挙げられる。
吸着対象の臭気物質となる、アルデヒド類の具体的な化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、2−メチルプロパナール、3−メチルブタナール等が挙げられる。
ケトン類の具体的な化合物としては、アセトン、MEK、MIBK、3,3−ジメチルー2−ブタノン等が挙げられる。
カルボン酸類の具体的な化合物としては、酢酸、2-メチルプロパン酸、2,2−ジメチルプロパン酸、イソ吉草酸(3−メチルブタン酸)等が挙げられる。
アルコール類の具体的な化合物としては、2−メチル−2−プロパノール、2−メチルプロパノール、エタノール、1−プロパノール等が挙げられる。
(充填機適性)
充填機適性とは、臭気吸着性包装体の作製と内容物の充填を連続的に実施する充填機を用いた工程において、ヒートシール不良やピンホール発生等の不良を生じない製造適性のことである。
<臭気吸着シーラント層>
臭気吸着シーラント層は、本発明の臭気吸着性積層体にヒートシール性と臭気吸着性とを付与する層であり、ヒートシール性樹脂と臭気吸着剤とを含有する。また、これら以外の成分を含有してもよい。
本発明の臭気吸着性積層体は、内容物と接する臭気吸着シーラント層に臭気吸着剤を含有することによって、臭気吸着性包装体の内容物収容部内の臭気成分濃度を、効率的に下げることができる。
そして、臭気吸着シーラント層は、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、
溶剤、その他の添加剤を、必要に応じて、さらに少量含むことができる。
臭気吸着シーラント層は、臭気吸着性包装体の内容物収容部および内容物に接する層であることから、臭気吸着シーラント層の厚さによって臭気吸着性を調節することができる。
臭気吸着シーラント層の厚さは、良好なヒートシール性と臭気吸着性とのバランスを有する為に、30μm以上、150μm以下が好ましい。上記範囲よりも薄いとヒートシール性および/または臭気吸着性が不十分になる虞があり、上記範囲よりも厚いと積層体の剛性が強くなり過ぎる虞がある。
臭気吸着シーラント層は、ヒートシール性樹脂と臭気吸着剤とを含有する1層で構成されていてもよく、組成が同一および/または異なる2層以上の多層構成であってもよい。
臭気吸着シーラント層が多層構成の場合には、例えば、臭気吸着剤を含有する層(臭気吸着層)や、ヒートシール性樹脂を含有するが臭気吸着剤を含有しない層(ヒートシール層)があってよい。さらに、臭気吸着剤の種類や含有量が異なる層があってもよい。
例えば、上記のヒートシール層や臭気吸着剤の含有量の低い層を臭気吸着シーラント層の外部表面および/または内部表面に含むことによって、高い層間接着強度および/または高いヒートシール性を得ることができる。
具体的な、臭気吸着性積層体の各層の積層順を示す例としては、基材層/ヒートシール層/臭気吸着層、基材層/臭気吸着層/ヒートシール層、基材層/ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層、等が挙げられる。
臭気吸着シーラント層における、臭気吸着剤を含有する層中の臭気吸着剤の含有量は、0.3質量%以上、15質量%以下が好ましい。上記範囲よりも少ないと、臭気吸着効果が発現され難く、上記範囲よりも多いと、製膜性が悪化する虞がある。
例えば、臭気吸着シーラント層が1層で構成されている場合は、臭気吸着シーラント層中の臭気吸着剤の含有量は、上記の通り、0.3質量%以上、15質量%以下が好ましい。
また、臭気吸着シーラント層が多層で構成され、臭気吸着剤を含有する層(臭気吸着層)を含んでいる場合は、この臭気吸着剤を含有する層(臭気吸着層)中の臭気吸着剤の含有量は、0.3質量%以上、15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上、14質量%以下がより好ましい。
臭気吸着シーラント層は、公知の方法で形成することができる。例えば、臭気吸着シーラント層を構成する樹脂を溶融し、他層の上に(共)押出しによって形成してもよく、共押出しインフレーション法等によって、臭気吸着シーラント層の形成と他層との積層を同時に行ってもよい。あるいは、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等従来から使用されている製膜化法により一旦フィルム化して、接着剤等を介して積層したりして、形成することができる。
フィルムの作製方法は、上記の方法の何れでもよいが、インフレーション法が好ましい。
フィルムは、無延伸でもよいが、例えば、テンター方式、あるいは、チューブラー方式等による1軸ないし2軸方向への延伸によって、強度、寸法安定性、耐熱性を向上して用いることもできる。
例えば、2軸方向に延伸した延伸フィルムは、例えば50〜100℃のロール延伸機により2〜4倍に縦延伸し、更に90〜150℃の雰囲気のテンター延伸機により3〜5倍に横延伸せしめ、引き続いて同テンターにより100〜240℃雰囲気中で熱処理して得ることができる。また、延伸フィルムは、同時二軸延伸、逐次二軸延伸をしても良い。
上記の中でも、無延伸単層フィルムまたは無延伸多層フィルムが特に好ましい。
[臭気吸着剤]
本発明において、臭気吸着剤としては、疎水性ゼオライトを含有することが好ましい。
そして、金属担持無機多孔体、アミノ基担持無機多孔体、水酸基担持無機多孔体からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することがより好ましい。
なお、本発明においては、金属担持無機多孔体、アミノ基担持無機多孔体、水酸基担持無機多孔体等の化学反応によって臭気を吸着する臭気吸着剤の総称として、化学吸着剤担持無機多孔体とも表記する。
(疎水性ゼオライト)
本発明において、疎水性ゼオライトは、臭気物質を主に物理的に吸着する機能を有するものである。
本発明において、臭気吸着剤として用いられる疎水性ゼオライトは、SiO2/Al23モル比が400/1〜10000/1であることがより好ましい。該モル比が上記の範囲であれば、疎水性と細孔サイズのバランスに優れて、より良好な臭気吸着性を有することができる。
疎水性ゼオライトは、本発明の積層体が230℃以上に晒される場合であっても、臭気成分の吸着効果が維持される。
疎水性ゼオライトは、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、樹脂中に分散させた際の、均一な分散性や混練特性、製膜性等の観点から、粉体状が好ましい。
本発明において、疎水性ゼオライトの平均粒子径は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、平均粒子径0.01μm〜15μmのものが好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が上記範囲よりも小さい場合には疎水性ゼオライトの凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。また、平均粒子径が上記範囲よりも大きい場合には、該疎水性ゼオライトを含有する層の製膜性が劣る傾向になる為に、疎水性ゼオライトを多くは添加し難い傾向となり、更に表面積も減少する為、十分な消臭効果が得られない可能性が生じる。
臭気物質と水蒸気とが同一の吸着部位に吸着される非疎水性(親水性)ゼオライトとは異なり、疎水性ゼオライトは、疎水性であることから、極性の高い水分子等は吸着され難く、逆に極性の低い、臭い分子、疎水性ガス、親油性ガス(溶剤系ガスも含む)との親和性が高く、これらは吸着され易い。更に、ゼオライト表面に存在する、Ca、Na、K等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の効果によりゼオライト表面は塩基性を示し、酸性ガスを中和反応によって吸着し易い。
(化学吸着剤担持無機多孔体)
本発明において、化学吸着剤担持無機多孔体とは、無機多孔体に化学吸着剤または金属化合物を担持させたものであり、臭気物質を主に化学的に吸着する機能を有するものであり、アミノ基担持無機多孔体、水酸基担持無機多孔体、金属担持無機多孔体が挙げられる。
本発明において、化学吸着剤担持無機多孔体に用いられる化学吸着剤とは、臭気物質と化学反応を起こして結合する反応性官能基を有し、且つ、上記無機多孔体上に担持され得る化合物である。
より具体的には、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類と結合する反応性を有する官能基を有する化合物であり、このような化合物としては、アミノ基を含有する化合物、水酸基を有する化合物等が挙げられる。
化学吸着剤の担持方法としては、公知または慣用の担持方法を適用することができ、例えば、下記で説明する化学吸着剤を含有する溶液を、無機多孔体に含浸させて、乾燥することにより、担持させることができる。
本発明において、化学吸着剤担持無機多孔体を用いることにより、臭気吸着剤の単位質量当たりの吸着能を大幅に高めることができ、積層体中の臭気吸着剤の含有率を減らすことができる。また無機多孔体またはゼオライトの孔部分に対する物理吸着特性も期待できる。
これらにより、高い接着強度やシール強度が得られ、接着層として求められる優れた接着性及び塗布性や製膜性を保持することができ、シーラント層として求められる優れたヒートシール性及び製膜性を保持することができる。
また、化学吸着剤担持無機多孔体は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、上記製膜性や、均一な分散性や混練特性等の観点から、粉体状が好ましい。
化学吸着剤担持無機多孔体は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、本発明においては特に、平均粒子径0.01μm〜15μmのものが好ましく、0.1μm〜13μmのものがより好ましく、1μm〜12μmのものが更に好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が上記範囲よりも小さい場合には、化学吸着剤担持無機多孔体の凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。
また、平均粒子径が上記範囲よりも大きい場合には上記製膜性が劣るために、化学吸着剤担持無機多孔体を多くは含有し難い傾向となり、十分な吸着効果が得られない可能性が生じる。
市販品の具体例としては、東亞合成(株)社製のNS−241、NS−231(アミノ基含有化合物担持無機多孔体)、(株)シナネンゼオミック社製のダッシュライトM(アミノ基含有化合物担持無機多孔体)、ダッシュライトCZU(酸化銅、酸化亜鉛担持無機多孔体)等を本発明において好適な臭気吸着剤として用いることができる。
化学吸着剤担持無機多孔体の、臭気物質に対する吸着機構を、図4(a)〜(b)の具体例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例えば、図4(a)は、カルボン酸類の臭気物質が、水酸基担持無機多孔体に化学的に吸着される場合を示している。カルボン酸類臭気物質のカルボキシル基と水酸基担持無機多孔体の水酸基とが化学反応を起こして結合し、カルボン酸類臭気物質が吸着される。
図4(b)は、アルデヒド類の臭気物質が、アミノ基担持無機多孔体に化学的に吸着される場合を示している。アルデヒド類臭気物質のアルデヒド基とアミノ基担持無機多孔体のアミノ基とが化学反応を起こして結合し、アルデヒド類臭気物質が吸着される。
化学吸着剤担持無機多孔体は、化学吸着であることにより、一旦吸着した臭気物質は脱離され難く、効率的に臭気吸着を行うことができる。
さらに、臭気物質は化学吸着剤の特定の官能基と結合するため、臭気吸着能を低下させる種々の物質、例えば水蒸気等の影響を受けにくい。
(アミノ基担持無機多孔体)
アミノ基担持無機多孔体とは、表面にアミノ基を担持した無機多孔体であり、アミノ基と化学反応する臭気物質を化学的に吸着することができる。
アミノ基担持無機多孔体は、例えばアミノ基を含有する化合物を用いて作製することができる。
アミノ基を含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン類、環状アミン類、ポリアミン類、アルコールアミン類が挙げられる。具体的には、エチレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、エタノールアミン、ピペラジン、ピペリジン等が挙げられる。
アミノ基担持無機多孔体は、アルデヒド類、ケトン類に対する吸着性能に非常に優れている。
アルデヒド類とケトン類は、シッフ反応によってアミノ基と化学反応して、吸着ざれる。
(水酸基担持無機多孔体)
水酸基担持無機多孔体とは、表面に水酸基を担持した無機多孔体であり、水酸基と化学反応する臭気物質を化学的に吸着することができる。
水酸基担持無機多孔体は、例えば水酸基を含有する化合物を用いて作製することができる。
水酸基を含有する化合物としては、例えば、金属水酸化物が挙げられる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等が挙げられる。
水酸基担持無機多孔体は、カルボン酸類、アミン類に対する吸着性能に非常に優れている。
(金属担持無機多孔体)
金属担持無機多孔体は、金属元素を金属、金属イオン、金属酸化物の状態で担持した無機多孔体である。
担持される金属種としては、銅、亜鉛、銀、白金、鉄、コバルトなる群から選択される1種または2種以上を含有することが好ましい。
本発明において、金属担持無機多孔体を用いることにより、臭気吸着剤の単位質量当たりの吸着能を大幅に高めることができ、積層体中の含有率を減らすことができる。また無機多孔体の孔部分に対する物理吸着特性も期待できる。
また、金属担持無機多孔体は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、上記製膜性や、均一な分散性や混練特性等の観点から、粉体状が好ましい。
金属担持無機多孔体は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、本発明においては特に、平均粒子径0.01μm〜15μmのものが好ましく、0.1μm〜13μmのものがより好ましく、1μm〜12μmのものが更に好ましい。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
平均粒子径が上記範囲よりも小さい場合には、金属担持無機多孔体の凝集が生じ易く、分散性が低下する傾向にある。
また、平均粒子径が上記範囲よりも大きい場合には上記製膜性が劣るために、金属担持無機多孔体を多くは含有し難い傾向となり、十分な吸着効果が得られない可能性が生じる。
(化学吸着剤担持無機多孔体に用いられる無機多孔体)
本発明において、化学吸着剤担持無機多孔体に用いられる無機多孔体には、その表面に多数の細孔を有する任意の無機化合物を用いることができ、例えば、ゼオライト、二酸化ケイ素、ケイ酸塩、活性炭、チタニア、燐酸カルシウム等の無機燐酸塩、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられ、特に、吸着対象物質の分子サイズやクラスターサイズに対して有効な孔サイズの多孔状態を有することや安全面の観点から、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイ酸塩を適用することが好ましい。
上記において、ゼオライトは、疎水性であることが好ましく、SiO2/Al23モル比が400/1〜10000/1であることがより好ましい。
特に、吸着対象物質の分子サイズやクラスターサイズに対して有効な孔サイズの多孔状態を有することや安全面の観点から、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイ酸塩を適用することが好ましい。
また、無機多孔体の外形形状は、球状、棒状、楕円状等の任意の外形形状であってよく、粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、化学吸着剤を担持して化学吸着剤担持無機多孔体とした後で、上記製膜性や均一な分散や混練特性等の観点から、粉体状が好ましい。
無機多孔体は、用途に応じて、任意の平均粒子径のものを適宜選択することができるが、上記、化学吸着剤担持無機多孔体の平均粒子径を達成するために、平均粒子径0.01μm〜15μmのものが好ましく、0.1μm〜13μmのものがより好ましく、1μm〜12μmのものが更に好ましい。
(臭気吸着剤のマスターバッチ化による分散性向上)
臭気吸着剤をヒートシール性樹脂のような他の臭気吸着シーラント層の構成成分と直接に混合して溶融混練してもよいが、臭気吸着剤を高濃度で熱可塑性樹脂と混合した後に溶融混練(メルトブレンド)してマスターバッチを作製しておき、これを、目標含有率に応じた比率で他の臭気吸着シーラント層の構成成分と混合して溶融混練する、いわゆるマスターバッチ方式によって、臭気吸着剤の臭気吸着シーラント層での分散性を高めることが好ましい。
マスターバッチ方式を採用することで、凝集が発生し易い臭気吸着剤を用いた場合であっても、臭気吸着剤を臭気吸着シーラント層中に、効率的且つ均質に分散させることができる。
マスターバッチ中の、ガス吸着剤/熱可塑性樹脂の質量比は、特に制限は無いが、0.5/99.5〜40/60の割合が好ましく、1/99〜35/65の割合がより好ましい。
臭気吸着剤と熱可塑性樹脂とを混練する方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。
マスターバッチに用いる熱可塑性樹脂は、臭気吸着シーラント層全体のヒートシール性や製膜性や臭気吸着性や低溶出性に大きな悪影響を与えない範囲内の種類および含有量で用いることができる。
該熱可塑性樹脂のMFR(メルトフローレート)は、0.2g/10分以上、10g/10分以下が好ましい。この範囲のMFRであれば、臭気吸着剤との溶融混錬が容易であり、臭気吸着シーラント層中に臭気吸着剤を分散させ易く、臭気吸着シーラント層の製膜性も維持され易い。
該熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、汎用のポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されず、目的に応じた熱可塑性樹脂の種類を選ぶことができる。
また、臭気吸着シーラント層に含有されているヒートシール性樹脂を該熱可塑性樹脂として用いることが可能であり、好ましい。
[ヒートシール性樹脂]
臭気吸着シーラント層に含有されるヒートシール性樹脂としては、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体、オレフィンとビニル化合物との共重合体、オレフィンと各種(メタ)アクリル化合物との共重合体、オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体、アイオノマー樹脂、オレフィンと各種(メタ)アクリル化合物と各種不飽和カルボン酸との三元共
重合体樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記の中でも、ヒートシール性という点では、ポリオレフィン、オレフィン系共重合体が好ましく、オレフィン系共重合体がより好ましい。
(ポリオレフィン)
本発明において、ポリオレフィンとは、主鎖が1種または2種以上のモノマーに由来する繰り返し単位からなる樹脂である。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられ、ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセンポリエチレン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記のポリオレフィンの中でも、LLDPEが特に好ましい。
さらに、LLDPEの中でも、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、C4−LLDPE、C6−LLDPE、C8−LLDPEからなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。密度が上記範囲よりも小さいとフィルム表面がべたつきブロッキングを生じ易くなり製造適性が低下する虞があり、上記範囲よりも大きいとフィルムの柔軟性が低下するためピンホール数が増加する虞がある。
(ビニル化合物)
ビニル化合物は、ビニル基を有する化合物であり、具体的には、酢酸ビニル、ビニルアルコール等が挙げられ、各種(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(不飽和カルボン酸)
不飽和カルボン酸は、不飽和炭素−炭素結合を有するカルボン酸類であり、具体的には、マレイン酸、フマル酸、およびそれらの無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<基材層>
本発明において、基材層は、臭気吸着性積層体に種々の特性を付与する層であり、例えば、臭気吸着性積層体に剛性を付与したり、ガスバリア性、遮光性、強度等を付与したりすることができる。
どのような特性を付与するかは、包装される内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて決定され、種々の材料が適用され得る。
基材層は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、熱可塑性樹脂をフィルム化した樹脂フィルムを用いることがより好ましい。例えば、公知又は市販のガスバリア性、遮光性、高強度を有するフィルムを用いることができる。フィルムは、未延伸であってもよく、1軸延伸あるいは2軸延伸されていてもよい。
また、基材層には、アルミニウム箔等の金属箔等を用いることもできる。
臭気吸着性積層体のガスバリア性を高めたい場合には、シリカ蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム箔を用いることが好ましく、上記樹脂フィルムの少なくとも片面上にシリカ蒸着膜や酸化アルミニウム蒸着膜等を形成して作製することができる。
臭気吸着性積層体の強度を高めたい場合には、高強度を有するフィルムを用いることが
でき、具体的には、PET、ポリブチレンテレフタレートからなるフィルム等を用いることが好ましい。
臭気吸着性積層体の遮光性を高めたい場合には、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
基材層に用いる熱可塑性樹脂の種類としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T、ポリアミド6/66等のポリアミド(ナイロン)系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂を含むことができる。上記の中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)系樹脂が好ましい。
基材層は、上記から選択される1種または2種以上の樹脂を含有することが好ましく、1層で構成されていても、同一組成または異なる組成の2層以上で構成されていてもよい。
本発明における基材層は、臭気吸着性積層体に適度な剛性とガスバリア性を付与できることが好ましく、例えば、アルミナ蒸着PETフィルムが好ましく、さらには、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムがより好ましい。
い。
また、基材層の厚みは、包装用途に応じて当業者が適宜に決定することができるが、6μm以上、150μm以下が好ましく、9μm以上、130μm以下がより好ましい。特に、蒸着層付き樹脂フィルムを用いる場合には、10μm以上、50μm以下が更に好ましい。
また基材層は、臭気吸着性積層体の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々の改質用樹脂やプラスチック配合剤や添加剤等を含有することができる。この場合、これら添加剤を基材層に、極微量〜数10質量%まで、その目的に応じて任意に含有させればよい。本発明においては、一般的な添加剤としては、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸着剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤等を任意に含有させることができる。
本発明において、基材層は、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて単層、又は多層製膜したものを用いることができる。
基材層の表面は、必要ならば、積層を行う前に予め各種の表面処理を施しておくことが好ましい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、オゾン処理等が挙げられる。
<接着剤層>
本発明では、積層体を構成する各層の層間および各層内の層間に、接着剤層を設けて積層することも可能である。
また、接着剤層を形成する前に、接着性を向上する為に、接着対象層表面に予めアンカーコート層を形成しておいてもよい。
接着剤層を形成する接着剤(接着剤組成物)は、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等であってよく、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム/シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。
またこのような接着剤としては、ポリ酢酸ビニルや酢酸ビニル−エチレン共重合体等のポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸とポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル等との共重合体からなるポリアクリル酸系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、尿素樹脂又はメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるエラストマー系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等が挙げられる。
本発明の一態様において、接着剤層は、EC(エクストルージョンコート)用接着剤、ドライラミネート用接着剤、ノンソルベントラミネート用接着剤等の何れからなる層であってよい。
EC用接着剤を用いる場合は、特に限定されないが、例えば、まず、接着剤を加熱溶融して、Tダイス等で必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に押出し、接着対象層上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、接着剤層の形成と接着対象層への接着と積層を同時に行う。
別態様において、接着剤層は、サンドラミネーションにより形成されてもよい。この場合、接着剤層は、加熱溶融させて押出機で適用可能な任意の樹脂を用いることができる。具体的には、上記のヒートシール性を有する熱可塑性樹脂として挙げた樹脂を好ましく用いることができる。
ドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて接着し、積層することができる。
ノンソルベントラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身を接着対象層上に塗布し乾燥させて、もう一方の層を形成するフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
ドライラミネート用接着剤またはノンソルベントラミネート用接着剤は、例えばロールコート、グラビアロールコート、キスコート等でコーティングして用いることができ、そのコーティング量は、0.1〜10g/m2(乾燥状態)が望ましい。該コーティング量を上記範囲とすることで、良好な接着性が得られる。
(アンカーコート層)
アンカーコート層は、任意のアンカーコート剤から形成することができる。
アンカーコート剤としては、例えば、有機チタン系、イソシアネート(ウレタン系)系
、ポリエチレンイミン系、酸変性ポリエチレン系、ポリブタジエン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のアンカーコート剤を用いることができる。
<<臭気吸着性包装材料>>
本発明の臭気吸着性包装材料は、本発明の臭気吸着性積層体から作製された包装材料であり、臭気吸着性積層体と同一物であってもよく、必要に応じて、種々の機能層や、印刷層等をさらに含むこともできる。
また、本発明の臭気吸着性包装材料に、ラミネート加工(ドライラミネートや押し出しラミネート)、製袋加工、およびその他の後処理加工を施すこともできる。
[臭気吸着性積層体または臭気吸着性包装材料の作製方法]
例えば、基材層/接着剤層/臭気吸着シーラント層[ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層]という層構成を有する臭気吸着性積層体(包装材料)を作製する場合について、一例を説明する。
下記に示した作製方法は1例であって、本発明を限定するものではない。
各層がこの順で積層されてさえいれば、各層の形成や積層の順序は任意でよい。
先ず、ヒートシール性樹脂と臭気吸着層用樹脂組成物とをインフレーション製膜によって積層し、ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層なる層構成の臭気吸着シーラントフィルムを得る。
次に、基材層用樹脂フィルムの一方のコロナ処理された面に、ドライラミネーション用接着剤等を用いて、接着剤層を形成する。
そして、上記で得た基材層用樹脂フィルムとの接着剤層を、臭気吸着シーラントフィルムに対向させて積層する。
次いで、必要に応じてエージング処理を行う。
このようにして、臭気吸着性積層体または臭気吸着性包装材料を作製することができる。
上記における各層の積層は、通常の包装材料を製造するときに使用するラミネートする方法、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他等の任意の方法で行うことができる。
上記で得た臭気吸着性積層体または臭気吸着性包装材料には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、二次加工を施すことも可能である。
二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)等が挙げられる。
<<臭気吸着性包装体>>
本発明の臭気吸着性包装体は、本発明の臭気吸着性包装材料を用いて作製された包装体である。
[臭気吸着性包装体の作製方法]
臭気吸着性包装体の作製方法の一例として、臭気吸着性包装材料を製袋してなる包装袋を作製する方法を挙げる。
まず、臭気吸着性包装材料の臭気吸着シーラント層が対向するように、臭気吸着性包装材料を折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部をヒートシールすることにより作製することができる。
包装袋の形態としては、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シ
ール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等が挙げられる。
ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
<原材料>
実施例に用いた原材料の詳細は下記の通りである。
[基材層用フィルム]
・バリア基材フィルム1:大日本印刷(株)社製IB−PET−PIR。バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム。厚さ12μm。
[ヒートシール性樹脂]
・ヒートシール性樹脂1:(株)プライムポリマー社製、ウルトゼックス1520L。C6−LLDPE、密度0.916g/cm3、MFR2.3g/10分。
・ヒートシール性樹脂2:宇部丸善ポリエチレン(株)社製、ユメリット720FT、C4−LLDPE、密度0.918g/cm3、MFR4g/10分。
・ヒートシール性樹脂3:宇部丸善ポリエチレン(株)社製、ユメリット125NF、HAO−LLDPE(C6、C8等の炭素数6以上のハイヤーαオレフィンをコモノマーの共重合LLDPE)、密度0.924g/cm3、MFR2.2g/10分。
・ヒートシール性樹脂4:(株)プライムポリマー社製、ハイゼックス3300F、密度0.949g/cm3、MFR1.1g/10分。
[臭気吸着剤]
・疎水性ゼオライト1:水澤化学工業(株)社製疎水性ゼオライト、シルトンMT400。SiO2/Al23モル比=400/1、平均粒子径=5〜7μm。
・疎水性ゼオライト2:水澤化学工業(株)製疎水性ゼオライト、シルトンMT−8000。SiO2/Al23モル比=8000/1、平均粒子径=0.8μm。
・汎用ゼオライト1:水澤化学工業(株)社製ゼオライト、ミズカシーブス5AP。SiO2/Al23モル比=2/1、平均粒子径5μm。
・アミノ基担持無機多孔体1:東亞合成(株)社製、ケスモンNS−241。平均粒子径3.5μm。
・水酸基担持無機多孔体1:東亞合成(株)社製、ケスモンNS−80E。平均粒子径2μm。
・金属担持無機多孔体1:(株)シナネンゼオミック社製、ダッシュライトCZU。CuO、ZnO担持ゼオライト、平均粒子径=3〜5μm。
[接着剤]
・DL接着剤1:ロックペイント(株)社製、アドロックRU004/H1。ポリエステル系接着剤
<積層体の作製と評価>
[マスターバッチの調製]
臭気吸着シーラント層に用いるマスターバッチは下記のように調製した。
(マスターバッチ1の調製)
ヒートシール性樹脂1と、疎水性ゼオライト1とを下記の割合でメルトブレンドし、マスターバッチ1(MB1)を得た。
ヒートシール性樹脂1 70質量部
疎水性ゼオライト1 30質量部
[マスターバッチ2〜6の調製]
表1の配合に従って、マスターバッチ1と同様に、メルトブレンドし、マスターバッチ2〜6(MB2〜6)得た。
Figure 2021160173
[臭気吸着シーラント層樹脂組成物の調製]
表2、3に示された配合で各原料をドライブレンドすることによって、臭気吸着シーラント層樹脂組成物1〜18を得た。
Figure 2021160173
Figure 2021160173
<実施例1>
上記で得た臭気吸着シーラント層樹脂組成物1とヒートシール性樹脂1とを、160℃でインフレーション製膜によって積層し、下記3層構成の臭気吸着シーラントフィルム1を得た。
臭気吸着シーラントフィルム1の層構成:ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層=ヒートシール性樹脂1(10μm)/臭気吸着シーラント層樹脂組成物1(30μm)/ヒートシール性樹脂1(10μm)。
次に、上記で得た臭気吸着シーラントフィルム1とバリア基材フィルム1とを、DL接着剤1を介したドライラミネーション(塗布量:3.5g/m2、乾燥温度:70℃)によって張り合わせて、下記層構成の臭気吸着性積層体1を得た。
得られた臭気吸着性積層体1に対して、各種評価を実施した。
臭気吸着性積層体1の構成:基材層/接着剤層/臭気吸着シーラント層[ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層]=バリア基材フィルム1(12μm)/DL接着剤1(塗布量:3.5g/m2)/臭気吸着シーラント層(50μm)[ヒートシール性樹脂1(10μm)/臭気吸着層樹脂組成物1(30μm)/ヒートシール性樹脂1(10μm)]
<実施例2〜18、比較例1〜3>
表4〜7に示された各原料を用いて、実施例1と同様に操作して、臭気吸着性積層体を得て、同様に評価した。
Figure 2021160173
Figure 2021160173
Figure 2021160173
Figure 2021160173
<結果まとめ>
本発明の全ての臭気吸着性積層体は、ヒートシール性と、臭気物質に対する良好な吸着性と、良好な低臭気性のバランスを示した。
疎水性ゼオライトの代わりに汎用ゼオライトを含有した比較例1の積層体は、不十分なにおい吸着性能を示した。臭気吸着シーラント層を含まない比較例2の積層体は、臭気物質に対する吸着性および低臭気性が悪く、臭気吸着剤を高濃度添加した比較例3では、臭気物質に対する吸着性および低臭気性は良好だが、製膜性が劣る結果を示した。
<評価方法>
[製膜性]
臭気吸着性積層体の外観を観察し、官能的に評価した。評価基準は以下の通りである。
○:臭気吸着性積層体に皺やぶつが生じることなく製膜が可能。
×:臭気吸着性積層体に皺やぶつが多数生じ、製膜が困難。
[ヒートシール性]
臭気吸着性積層体を10cm×10cmに切り分け、臭気吸着シーラント層面を重ね合
せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP−701−A)を用いて、1cm×10cmの領域を下記条件でヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態の引き剥がし強度の試験片を作製した。
この試験片を、15mm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して下記条件で引き剥がし強度(N/15mm)を測定して、下記合否判定基準で合否判定した。
ヒートシール条件
温度:160℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
試験条件
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
合否判定基準
○:30N/15mm以上であり、合格。
×:30N/15mm未満であり、不合格。
[臭気吸着性]
臭気吸着性積層体を20×20cmに切り分けて、ガスサンプリングバック(ジーエルサイエンス(株)社、SMART BAG PA AKK−10、パウチ面積A4サイズ)に入れ、さらに、該ガスサンプリングバック内に、アセトアルデヒド:100ppm、酢酸:50ppm、エタノール200ppmに調製された試験用混合ガス1000mlを充填し、封じた。
そして、常温環境下で48時間放置後の各ガス成分の濃度を測定した。
アセトアルデヒド濃度:検知管((株)ガステック社製、No.92M)
酢酸濃度:検知管((株)ガステック社製、No.81)
エタノール:検知管((株)ガステック社製、No.112L)
1 臭気吸着性積層体
2 基材層
3 臭気吸着シーラント層
3a ヒートシール層
3b 臭気吸着層
4 接着剤層
10 化学吸着剤担持無機多孔体

Claims (9)

  1. 臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類またはアルコール類を吸着することができる臭気吸着性積層体であって、
    該臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層とを含み、
    該臭気吸着シーラント層は、臭気吸着剤およびヒートシール性樹脂を含有する臭気吸着シーラントフィルムから形成された層であり、
    該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、
    臭気吸着性積層体。
  2. 前記臭気吸着剤が、金属担持無機多孔体、アミノ基担持無機多孔体、水酸基担持無機多孔体からなる群から選ばれる1種または2種以上を、さらに含む、請求項1に記載の、臭気吸着性積層体。
  3. 前記ヒートシール性樹脂は、密度が0.90g/cm3以上、0.94g/cm3以下の、C4−LLDPE、C6−LLDPE、C8−LLDPEからなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載の、臭気吸着性積層体。
  4. 前記臭気吸着剤が、ヒートシール性樹脂と、臭気吸着剤/ヒートシール性樹脂の質量比が、0.5/99.5〜40/60の割合で、予め溶融混練されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の、臭気吸着性積層体。
  5. 前記臭気吸着シーラント層が、ヒートシール層および臭気吸着層を含み、
    該ヒートシール層は、前記ヒートシール性樹脂を含有し、前記臭気吸着剤を含有しない層であり、
    該臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を含有する層である、
    請求項1〜4の何れか1項に記載の、臭気吸着性積層体。
  6. 前記臭気吸着性積層体が、
    基材層/ヒートシール層/臭気吸着層、
    基材層/臭気吸着層/ヒートシール層、
    基材層/ヒートシール層/臭気吸着層/ヒートシール層、
    からなるいずれかの構成で積層されている、請求項5に記載の、臭気吸着性積層体。
  7. 前記臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、0.3質量%以上、15質量%以下である、請求項5または6に記載の、臭気吸着性積層体。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の臭気吸着性積層体を用いて作製された、臭気吸着性包装材料。
  9. 請求項8に記載の臭気吸着性包装材料から作製された、臭気吸着性包装体。
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