JP3289475B2 - 積層体 - Google Patents
積層体Info
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- JP3289475B2 JP3289475B2 JP05346294A JP5346294A JP3289475B2 JP 3289475 B2 JP3289475 B2 JP 3289475B2 JP 05346294 A JP05346294 A JP 05346294A JP 5346294 A JP5346294 A JP 5346294A JP 3289475 B2 JP3289475 B2 JP 3289475B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に識別可能な積
層体に係り、とくに特定波長領域に吸収を示す積層体に
関するものである。
層体に係り、とくに特定波長領域に吸収を示す積層体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、偽造を防止する手段は、物品その
ものを真似することが困難なもので、しかも偽造・改竄
などの不正行為の形跡の発見が容易であって、本物と偽
物を確実に識別できるようにするものがある。例えば紙
幣など有価証券のように、そのもの自体に微細な加工を
施するか、真似しにくい色調の彩色を施したり、また素
材を特殊なものとして、模造または印刷技術の不正行
為、或いは複写機による不法な複写による偽造などを困
難にすることで、防止できるようにしている。さらに印
刷複製技術の進歩、または複写機などデジタル技術の進
歩により、上記したような微細な加工を施したり、色彩
を真似しにくくしても容易に再現することが可能とな
り、このような技術に対応して、加工技術を高微細化
し、より複製・偽造を困難とするような方向にある。
ものを真似することが困難なもので、しかも偽造・改竄
などの不正行為の形跡の発見が容易であって、本物と偽
物を確実に識別できるようにするものがある。例えば紙
幣など有価証券のように、そのもの自体に微細な加工を
施するか、真似しにくい色調の彩色を施したり、また素
材を特殊なものとして、模造または印刷技術の不正行
為、或いは複写機による不法な複写による偽造などを困
難にすることで、防止できるようにしている。さらに印
刷複製技術の進歩、または複写機などデジタル技術の進
歩により、上記したような微細な加工を施したり、色彩
を真似しにくくしても容易に再現することが可能とな
り、このような技術に対応して、加工技術を高微細化
し、より複製・偽造を困難とするような方向にある。
【0003】また複製又は偽造が困難なものであるとと
もに、機械による読み取りが可能な識別体がある。例え
ば特開平4−233684号公報、特開平5−5078
8号公報等に記載されるように、特定の情報を表す回折
格子からなるバーコードパターンをカードの表面に形成
し、これをレーザー照射光の反射光の検出によって、そ
の情報を読み取るものがある。またレリーフ型ホログラ
ム・体積位相型ホログラムなどをレーザー光・白色光の
照射により、その反射画像又は透過画像を読み取る方法
があり、実用化されている。これらは、識別しようとす
る媒体・物体に直接形成される場合や、ベースとなる基
材上にホログラム画像を設けたシール、または被転写面
に剥離可能にホログラム画像を設けた転写箔を介して識
別する媒体・物体にホログラム画像を形成する場合があ
る。このようにして光学的に読み取り可能な情報を被識
別体に設け、簡単にその識別情報を読み取ることができ
る。
もに、機械による読み取りが可能な識別体がある。例え
ば特開平4−233684号公報、特開平5−5078
8号公報等に記載されるように、特定の情報を表す回折
格子からなるバーコードパターンをカードの表面に形成
し、これをレーザー照射光の反射光の検出によって、そ
の情報を読み取るものがある。またレリーフ型ホログラ
ム・体積位相型ホログラムなどをレーザー光・白色光の
照射により、その反射画像又は透過画像を読み取る方法
があり、実用化されている。これらは、識別しようとす
る媒体・物体に直接形成される場合や、ベースとなる基
材上にホログラム画像を設けたシール、または被転写面
に剥離可能にホログラム画像を設けた転写箔を介して識
別する媒体・物体にホログラム画像を形成する場合があ
る。このようにして光学的に読み取り可能な情報を被識
別体に設け、簡単にその識別情報を読み取ることができ
る。
【0004】さらに、より簡易で、かつ確実に真偽を判
別する方法として、特開平2−16044号公報、また
本出願人による特願平5−244062号、特願平5−
244063号、特願平5−244064号などがあ
る。これらは見る角度(すなわち、支持している角度)
に応じて固有のカラーシフト(反射光の色変化)が起こ
す多層干渉層を形成してなるもので、観察する位置によ
り、見える色が異なることから、その有無を確認すれ
ば、本物であるか否かを判定できるものである。
別する方法として、特開平2−16044号公報、また
本出願人による特願平5−244062号、特願平5−
244063号、特願平5−244064号などがあ
る。これらは見る角度(すなわち、支持している角度)
に応じて固有のカラーシフト(反射光の色変化)が起こ
す多層干渉層を形成してなるもので、観察する位置によ
り、見える色が異なることから、その有無を確認すれ
ば、本物であるか否かを判定できるものである。
【0005】加えて、これらの積層体は層構成を考慮し
て剥離困難、或いは剥離後再生困難となるように構成さ
れている。これによれば使用対象であるカード、紙幣、
証明書類などに一度貼り付けた後、これを剥離するとホ
ログラムの一部若しくは全体が破壊されることで、偽造
だけでなく、改竄など物品になんらかの手が加えられた
ことが、一目で判別できるとしたものである。
て剥離困難、或いは剥離後再生困難となるように構成さ
れている。これによれば使用対象であるカード、紙幣、
証明書類などに一度貼り付けた後、これを剥離するとホ
ログラムの一部若しくは全体が破壊されることで、偽造
だけでなく、改竄など物品になんらかの手が加えられた
ことが、一目で判別できるとしたものである。
【0006】このような剥離困難、或いは剥離後再生困
難とする先行技術は、実公昭46−4432号公報に記
載されるように、透明なプラスチック基材の裏側に部分
的に剥離層を設け、それがパターン状になっており、そ
の上に粘着層を設けたものがある。また実公平3−73
72号公報に記載されるように、透明なフィルム基材の
裏側に透明な剥離層を部分的に形成し、それに重ねて印
刷表示部層を設けたものがあり、さらには実公平4−1
7554号公報に記載されるように、再粘着防止粘着シ
ートが開示されている。
難とする先行技術は、実公昭46−4432号公報に記
載されるように、透明なプラスチック基材の裏側に部分
的に剥離層を設け、それがパターン状になっており、そ
の上に粘着層を設けたものがある。また実公平3−73
72号公報に記載されるように、透明なフィルム基材の
裏側に透明な剥離層を部分的に形成し、それに重ねて印
刷表示部層を設けたものがあり、さらには実公平4−1
7554号公報に記載されるように、再粘着防止粘着シ
ートが開示されている。
【0007】また、偽造防止機能を備えた積層体にあっ
ては、本物か偽物かを容易に判別できる、積層体自体の
構成を判別しにくい、周囲の環境によりその偽造防止機
能が変化しないなどの要求がある。
ては、本物か偽物かを容易に判別できる、積層体自体の
構成を判別しにくい、周囲の環境によりその偽造防止機
能が変化しないなどの要求がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印刷物
の高度な微細化による真偽の判別は、微細な箇所を拡大
して見るか、或いは本物と比較するなど余程注意して見
なければ見逃してしまうため、またその場所の明るさや
確認時間を十分にとらなければならないなど、現状に合
わなくなってきている。また素材を特殊としても、全く
特異な素材とすることはできず、またコスト的にも高く
なり現実的ではない。また回折格子やホログラムは、情
報の記録や精度の高い真偽判定を行なう場合には必要で
あるが、単なる真偽判定に用いるには安価とは言えず、
それを読み取る装置も同様である。さらに圧縮、曲げ、
引っかきに対する機械的な強度が十分ではなく、このよ
うな悪環境下で使用する場合でも読み取りに影響を受け
ることがある。
の高度な微細化による真偽の判別は、微細な箇所を拡大
して見るか、或いは本物と比較するなど余程注意して見
なければ見逃してしまうため、またその場所の明るさや
確認時間を十分にとらなければならないなど、現状に合
わなくなってきている。また素材を特殊としても、全く
特異な素材とすることはできず、またコスト的にも高く
なり現実的ではない。また回折格子やホログラムは、情
報の記録や精度の高い真偽判定を行なう場合には必要で
あるが、単なる真偽判定に用いるには安価とは言えず、
それを読み取る装置も同様である。さらに圧縮、曲げ、
引っかきに対する機械的な強度が十分ではなく、このよ
うな悪環境下で使用する場合でも読み取りに影響を受け
ることがある。
【0009】さらに上記した剥離層をパターンニングし
たシートや再粘着防止粘着シートは剥離することによ
り、その機能を発現するものであって、これらが偽造を
防止しようとするものに貼ってある状態では、シートそ
のものについて判別しがたいものである。
たシートや再粘着防止粘着シートは剥離することによ
り、その機能を発現するものであって、これらが偽造を
防止しようとするものに貼ってある状態では、シートそ
のものについて判別しがたいものである。
【0010】そこで本発明は、積層体自体の層構成や構
成材料などの判別が困難であり、かつ特定波長の反射光
の機械読み取りから真偽判別を行なうことが可能な光学
的な偽造改竄防止用の積層体を提供することを目的とす
る。
成材料などの判別が困難であり、かつ特定波長の反射光
の機械読み取りから真偽判別を行なうことが可能な光学
的な偽造改竄防止用の積層体を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基材上に金属層、透明セラミック層、保護層が順次
積層されてなる積層体において、透明セラミック層が3
価以上の金属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜
鉛であることを特徴とする積層体である。
は、基材上に金属層、透明セラミック層、保護層が順次
積層されてなる積層体において、透明セラミック層が3
価以上の金属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜
鉛であることを特徴とする積層体である。
【0012】請求項2に記載の発明は、金属箔上に透明
セラミック層、保護層が順次積層されてなる積層体にお
いて、透明セラミック層が3価以上の金属、若しくは半
導体をドープしてなる酸化亜鉛であることを特徴とする
積層体である。
セラミック層、保護層が順次積層されてなる積層体にお
いて、透明セラミック層が3価以上の金属、若しくは半
導体をドープしてなる酸化亜鉛であることを特徴とする
積層体である。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の積層体において、3価以上の金属、若しくは半
導体がアルミニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウ
ム、珪素、イットリウム、イッテルビウム、インジウム
あるいはタリウムであることを特徴とする。
に記載の積層体において、3価以上の金属、若しくは半
導体がアルミニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウ
ム、珪素、イットリウム、イッテルビウム、インジウム
あるいはタリウムであることを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の積層体において、金属層が金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムであることを特徴とする。
の積層体において、金属層が金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムであることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の積層体において、金属箔が金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムであることを特徴とする。
の積層体において、金属箔が金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムであることを特徴とする。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の積層体において、保護層が可視波長領域及び1
000〜3000nmの波長領域において透過性を示す
ことを特徴とする。
に記載の積層体において、保護層が可視波長領域及び1
000〜3000nmの波長領域において透過性を示す
ことを特徴とする。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の積層体において、透明セラミック層上に印刷層
が設けられてなることを特徴とする。
に記載の積層体において、透明セラミック層上に印刷層
が設けられてなることを特徴とする。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項1に記載
の積層体において、金属層上に印刷層が設けられてなる
ことを特徴とする。
の積層体において、金属層上に印刷層が設けられてなる
ことを特徴とする。
【0019】請求項9に記載の発明は、請求項1に記載
の積層体において、金属箔上に印刷層が設けられてなる
ことを特徴とする。
の積層体において、金属箔上に印刷層が設けられてなる
ことを特徴とする。
【0020】請求項10に記載の発明は、請求項7又は
8に記載の積層体において、印刷層は1000〜300
0nmの波長領域の電磁波を吸収してなることを特徴と
する。
8に記載の積層体において、印刷層は1000〜300
0nmの波長領域の電磁波を吸収してなることを特徴と
する。
【0021】請求項11に記載の発明は、請求項1に記
載の積層体において、基材の非積層側に接着層を設けて
なること特徴とする。
載の積層体において、基材の非積層側に接着層を設けて
なること特徴とする。
【0022】
【作用】本発明の積層体によれば、基材上或いは金属箔
上に積層される透明セラミック層を3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛で構成すること
により、透明セラミック層が可視領域で透明であり、か
つ赤外領域で吸収を示し、とくに1000nm以上の波
長領域で、そのドーパント量(キャリア濃度)や膜厚に
応じて吸収を示すため、この波長領域で照射された赤外
線は、透明セラミック層を透過するときに減衰し、この
反射光量を測定することで、積層体を特定することがで
きる。
上に積層される透明セラミック層を3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛で構成すること
により、透明セラミック層が可視領域で透明であり、か
つ赤外領域で吸収を示し、とくに1000nm以上の波
長領域で、そのドーパント量(キャリア濃度)や膜厚に
応じて吸収を示すため、この波長領域で照射された赤外
線は、透明セラミック層を透過するときに減衰し、この
反射光量を測定することで、積層体を特定することがで
きる。
【0023】さらに透明セラミック層上に印刷層に設け
ると、印刷画像による情報と印刷画像の間に露出する透
明セラミック層による上記作用が得られる。
ると、印刷画像による情報と印刷画像の間に露出する透
明セラミック層による上記作用が得られる。
【0024】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
る。
【0025】図1は本発明の積層体の構成を示す断面図
であり、図2は本発明の積層体の他の構成を示す断面図
であり、図3は本発明の積層体の印刷層のパターンとそ
の間に露出する透明セラミック層に対する光学的な読み
取り原理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、
とくに積層体に対して上方向から電磁波を照射した状態
を示し、図4は本発明の積層体の印刷層のパターン上に
設けられた透明セラミック層に対する光学的な読み取り
原理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とく
に積層体に対して上方向から電磁波を照射した状態を示
す。図5は図2の積層体の印刷層のパターンとその間に
露出する透明セラミック層に対する光学的な読み取り原
理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とくに
積層体に対して上方向から電磁波を照射した状態を示
し、図6は図2の積層体の印刷層のパターン上に設けら
れた透明セラミック層に対する光学的な読み取り原理を
示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とくに積層
体に対して上方向から電磁波を照射した状態を示す。図
7は本発明の積層体による透明セラミック層の反射率を
表すグラフである。
であり、図2は本発明の積層体の他の構成を示す断面図
であり、図3は本発明の積層体の印刷層のパターンとそ
の間に露出する透明セラミック層に対する光学的な読み
取り原理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、
とくに積層体に対して上方向から電磁波を照射した状態
を示し、図4は本発明の積層体の印刷層のパターン上に
設けられた透明セラミック層に対する光学的な読み取り
原理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とく
に積層体に対して上方向から電磁波を照射した状態を示
す。図5は図2の積層体の印刷層のパターンとその間に
露出する透明セラミック層に対する光学的な読み取り原
理を示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とくに
積層体に対して上方向から電磁波を照射した状態を示
し、図6は図2の積層体の印刷層のパターン上に設けら
れた透明セラミック層に対する光学的な読み取り原理を
示す(a)断面図及び(b)平面図であり、とくに積層
体に対して上方向から電磁波を照射した状態を示す。図
7は本発明の積層体による透明セラミック層の反射率を
表すグラフである。
【0026】図1の1は本発明の積層体であり、基材2
上に金属層3、透明セラミック層4、保護層5が順次積
層されている。透明セラミック層4は、3価以上の金
属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛である。
保護層5は、積層体1の表面を保護するために設けら
れ、読み取り波長など光学的に影響が少ないことが必要
である。
上に金属層3、透明セラミック層4、保護層5が順次積
層されている。透明セラミック層4は、3価以上の金
属、若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛である。
保護層5は、積層体1の表面を保護するために設けら
れ、読み取り波長など光学的に影響が少ないことが必要
である。
【0027】基材2は、ある程度の剛性および表面の平
滑性を有していればよく、とくに限定されるものではな
く、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィ
ルム等の高分子フィルムがあげられる。また金属、ガラ
ス、目止め加工を施した紙などでもよい。
滑性を有していればよく、とくに限定されるものではな
く、例えばポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィ
ルム等の高分子フィルムがあげられる。また金属、ガラ
ス、目止め加工を施した紙などでもよい。
【0028】金属層3は、金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムなど光線反射率の高いものであればよ
く、上記したものに限定されることはなく、しかも金属
と同等或いはそれ以上の良好な反射率を有するものであ
れば用いることができる。形成される膜厚も良好な反射
率が得られるのであれば、とくに限定されないが、好ま
しくは700Å以上がである。この積層体1に入射した
読み取り用の照射光はこの金属層3で反射される。この
金属層3は、通常の真空蒸着法、スパッタリング等の物
理的気相析出法やCVD法のような化学的気相析出法を
用いることができ、金属層を構成する材料に応じて任意
に選択することができる。例えば上記金属からなる箔を
基材2に貼り付けてもよい。また金属の鱗片状など微粒
子を樹脂等に溶媒に分散した塗液を塗布してもよい。
ル、またはクロムなど光線反射率の高いものであればよ
く、上記したものに限定されることはなく、しかも金属
と同等或いはそれ以上の良好な反射率を有するものであ
れば用いることができる。形成される膜厚も良好な反射
率が得られるのであれば、とくに限定されないが、好ま
しくは700Å以上がである。この積層体1に入射した
読み取り用の照射光はこの金属層3で反射される。この
金属層3は、通常の真空蒸着法、スパッタリング等の物
理的気相析出法やCVD法のような化学的気相析出法を
用いることができ、金属層を構成する材料に応じて任意
に選択することができる。例えば上記金属からなる箔を
基材2に貼り付けてもよい。また金属の鱗片状など微粒
子を樹脂等に溶媒に分散した塗液を塗布してもよい。
【0029】透明セラミック層4は、3価以上の金属、
若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛からなり、こ
の3価以上の金属、半導体は、アルミニウム、ホウ素、
スカンジウム、ガリウム、珪素、イットリウム、イッテ
ルビウム、インジウム、タリウムから選択される。この
透明セラミック層4は、膜厚の制御が可能であれば、い
かなる成膜方法も用いることが可能である。なかでも薄
膜の生成には乾式法が優れており、これには通常の真空
蒸着法、スパッタリング等の物理的気相析出法やCVD
法のような化学的気相析出法を用いることができる。
若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛からなり、こ
の3価以上の金属、半導体は、アルミニウム、ホウ素、
スカンジウム、ガリウム、珪素、イットリウム、イッテ
ルビウム、インジウム、タリウムから選択される。この
透明セラミック層4は、膜厚の制御が可能であれば、い
かなる成膜方法も用いることが可能である。なかでも薄
膜の生成には乾式法が優れており、これには通常の真空
蒸着法、スパッタリング等の物理的気相析出法やCVD
法のような化学的気相析出法を用いることができる。
【0030】透明セラミック層4の膜厚は2000Å以
下が望ましい。とくに基材2が高分子樹脂フィルムであ
る場合に2000Åを越えると1000〜3000nm
の波長範囲で照射光の吸収が100%近くになるため、
反射率が0となることと、薄膜の柔軟性が乏しくなり、
透明セラミック層3にクラックが生じる場合があるため
である。
下が望ましい。とくに基材2が高分子樹脂フィルムであ
る場合に2000Åを越えると1000〜3000nm
の波長範囲で照射光の吸収が100%近くになるため、
反射率が0となることと、薄膜の柔軟性が乏しくなり、
透明セラミック層3にクラックが生じる場合があるため
である。
【0031】保護層5は、特定波長領域の光線透過性を
有し、かつ耐磨耗性を有する樹脂類、例えば外部からの
擦れや傷に対する保護効果を得るもので、とくに可視領
域において透明であり、かつ1000〜3000nmの
波長の範囲において反射・吸収し、3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛の機能を阻害し
ないものであればよい。例えばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアル
コール、デンプン、スチレン−マレイン酸共重合体、ポ
リメタクリル酸メチル・ポリメタクリル酸エチルなどの
メタクリル樹脂の単独または共重合物、ポリスチレン、
アクリル−スチレン共重合物、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、クロマン樹脂、ABS樹脂、ニトロセルロー
ス等の樹脂或いはフッソ系樹脂、ケイ素系樹脂を混入さ
せた樹脂をそのまま、或いはトルエン、キシレン等の溶
剤に溶解又は分散させたものをスピンコート法、ロール
コート法、ナイフエッジ法、オフセット印刷法、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法など塗布・印刷方法を用い
て、保護層5を形成する。また熱硬化型樹脂、紫外線硬
化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの硬化型樹脂、或いは
ガラスなども上記特性を有するものであれば使用するこ
とができるが、屈折率の値によっては厚さ等を考慮する
必要がある。なお透明セラミック層4が機械的強度、外
部環境に対する耐久性を有する場合は、保護層5を省略
することができる。
有し、かつ耐磨耗性を有する樹脂類、例えば外部からの
擦れや傷に対する保護効果を得るもので、とくに可視領
域において透明であり、かつ1000〜3000nmの
波長の範囲において反射・吸収し、3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛の機能を阻害し
ないものであればよい。例えばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアル
コール、デンプン、スチレン−マレイン酸共重合体、ポ
リメタクリル酸メチル・ポリメタクリル酸エチルなどの
メタクリル樹脂の単独または共重合物、ポリスチレン、
アクリル−スチレン共重合物、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、クロマン樹脂、ABS樹脂、ニトロセルロー
ス等の樹脂或いはフッソ系樹脂、ケイ素系樹脂を混入さ
せた樹脂をそのまま、或いはトルエン、キシレン等の溶
剤に溶解又は分散させたものをスピンコート法、ロール
コート法、ナイフエッジ法、オフセット印刷法、グラビ
ア印刷法、スクリーン印刷法など塗布・印刷方法を用い
て、保護層5を形成する。また熱硬化型樹脂、紫外線硬
化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの硬化型樹脂、或いは
ガラスなども上記特性を有するものであれば使用するこ
とができるが、屈折率の値によっては厚さ等を考慮する
必要がある。なお透明セラミック層4が機械的強度、外
部環境に対する耐久性を有する場合は、保護層5を省略
することができる。
【0032】上記層構成からなる積層体1は、図示しな
いが、特定波長の赤外線を照射し、この赤外線が保護層
5を透過し、透明セラミック層4を経て金属層3で反射
され、再度透明セラミック層4、保護層5を経て反射光
が計測される。このとき透明セラミック層4を通過する
際に赤外線が減衰するため、その光量から予め設定され
ている透明セラミック層4の特性値に比較し真偽を判別
するものである。この減衰の割合は、ドーパントの量
(キャリア濃度)や膜厚によって決定される。
いが、特定波長の赤外線を照射し、この赤外線が保護層
5を透過し、透明セラミック層4を経て金属層3で反射
され、再度透明セラミック層4、保護層5を経て反射光
が計測される。このとき透明セラミック層4を通過する
際に赤外線が減衰するため、その光量から予め設定され
ている透明セラミック層4の特性値に比較し真偽を判別
するものである。この減衰の割合は、ドーパントの量
(キャリア濃度)や膜厚によって決定される。
【0033】また図2に示す積層体6は、金属箔7上に
透明セラミック層4、保護層5を設けてなるものであ
り、透明セラミック層4、保護層5については、図1に
示す積層体1に用いられるものと同一である。金属箔7
は、金属層3と同じように金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムなど光線反射率の高いものであればよ
く、上記したものに限定されることはなく、厚さも強度
及び所定の反射率が得られるものであればよい。
透明セラミック層4、保護層5を設けてなるものであ
り、透明セラミック層4、保護層5については、図1に
示す積層体1に用いられるものと同一である。金属箔7
は、金属層3と同じように金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムなど光線反射率の高いものであればよ
く、上記したものに限定されることはなく、厚さも強度
及び所定の反射率が得られるものであればよい。
【0034】次に図3(a)に示す積層体8は、基材2
上に金属層3、透明セラミック層4、印刷層9、保護層
5が順次積層された構成である。また図4(a)に示す
積層体10は、基材2上に金属層3、印刷層9、透明セ
ラミック層4、保護層5が順次積層された構成である。
なお図中、同一の番号は、同じ層を示す。
上に金属層3、透明セラミック層4、印刷層9、保護層
5が順次積層された構成である。また図4(a)に示す
積層体10は、基材2上に金属層3、印刷層9、透明セ
ラミック層4、保護層5が順次積層された構成である。
なお図中、同一の番号は、同じ層を示す。
【0035】印刷層9は、形成するパターン形状は、任
意に決定することができ、図3に示す積層体8では、少
なくとも透明セラミック層の一部が上面から見えるよう
に構成すればよい。すなわち印刷層9を透明セラミック
層4上に部分的に形成するか、もしくは実質的にそのよ
うな状態となるように形成されればよい。また図4に示
す積層体10では、金属層の一部が上面から見えるよう
に構成すればよい。すなわち印刷層9を金属層3上に部
分的に形成するか、もしくは実質的にそのような状態と
なるように形成されればよい。
意に決定することができ、図3に示す積層体8では、少
なくとも透明セラミック層の一部が上面から見えるよう
に構成すればよい。すなわち印刷層9を透明セラミック
層4上に部分的に形成するか、もしくは実質的にそのよ
うな状態となるように形成されればよい。また図4に示
す積層体10では、金属層の一部が上面から見えるよう
に構成すればよい。すなわち印刷層9を金属層3上に部
分的に形成するか、もしくは実質的にそのような状態と
なるように形成されればよい。
【0036】印刷層9の形成には、グラビア印刷など従
来公知の印刷方法や塗布方法を用いることができる。と
くに本発明においては、印刷層9は1000〜3000
nmの波長の電磁波に対して吸収を示すものであればよ
い。この印刷層を構成するインキ又は塗布剤は、とくに
限定されるものではないが、上記条件を満たすものであ
ればよい。
来公知の印刷方法や塗布方法を用いることができる。と
くに本発明においては、印刷層9は1000〜3000
nmの波長の電磁波に対して吸収を示すものであればよ
い。この印刷層を構成するインキ又は塗布剤は、とくに
限定されるものではないが、上記条件を満たすものであ
ればよい。
【0037】さらに印刷層の色を単色で構成する場合
に、この薄膜を上方向から見たときの色或いは極めてそ
れに近い色としてもよく、また印刷層9の下層に透明な
アンカー層を形成してもよい。
に、この薄膜を上方向から見たときの色或いは極めてそ
れに近い色としてもよく、また印刷層9の下層に透明な
アンカー層を形成してもよい。
【0038】また図3は、本発明の積層体8の垂直方向
から見た印刷層9のパターンとその間に露出する透明セ
ラミック層4に対する光学的な読み取り原理を示す断面
図及び平面図である。印刷層9は、図3(b)に示すよ
うに「TOP」のパターン20を表しており、印刷層9
が形成されていないところから下層の透明セラミック層
4が露出する構成となっている。この積層体8に対して
1000〜3000nmの波長範囲の特定の波長の電磁
波(A)が照射され、金属層3で反射された電磁波
(B)の光量をセンサー(図示しない)により検知す
る。この反射された電磁波(B)の光量は透明セラミッ
ク層4のドーパント量および/まはた膜厚に応じて限定
されるため、これを基に真偽を判定することができる。
ここで印刷層9に照射された電磁波は吸収されるため、
センサーに検知されることはなく、センサーは金属層3
に到達した電磁波の反射波のみ検知する。
から見た印刷層9のパターンとその間に露出する透明セ
ラミック層4に対する光学的な読み取り原理を示す断面
図及び平面図である。印刷層9は、図3(b)に示すよ
うに「TOP」のパターン20を表しており、印刷層9
が形成されていないところから下層の透明セラミック層
4が露出する構成となっている。この積層体8に対して
1000〜3000nmの波長範囲の特定の波長の電磁
波(A)が照射され、金属層3で反射された電磁波
(B)の光量をセンサー(図示しない)により検知す
る。この反射された電磁波(B)の光量は透明セラミッ
ク層4のドーパント量および/まはた膜厚に応じて限定
されるため、これを基に真偽を判定することができる。
ここで印刷層9に照射された電磁波は吸収されるため、
センサーに検知されることはなく、センサーは金属層3
に到達した電磁波の反射波のみ検知する。
【0039】図4は、本発明の積層体10の垂直方向か
ら見た印刷層9のパターンとその間に露出する透明セラ
ミック層4に対する光学的な読み取り原理を示す断面図
及び平面図である。印刷層9は、図4(b)に示すよう
に「TOP」のパターン20を表しており、印刷層9が
形成されていないところから下層の金属層3が露出する
構成となっている。図3の積層体8と同様にこの積層体
8に対して1000〜3000nmの波長範囲の特定の
波長の電磁波(A)が照射され、金属層3で反射された
電磁波(B)の光量をセンサー(図示しない)により検
知する。この反射された電磁波(B)の光量は透明セラ
ミック層4のドーパント量および/まはた膜厚に応じて
限定されるため、これを基に真偽を判定することができ
る。ここで印刷層9に到達した電磁波は吸収されるた
め、センサーに検知されることはなく、センサーは金属
層3に到達した電磁波の反射波のみ検知する。
ら見た印刷層9のパターンとその間に露出する透明セラ
ミック層4に対する光学的な読み取り原理を示す断面図
及び平面図である。印刷層9は、図4(b)に示すよう
に「TOP」のパターン20を表しており、印刷層9が
形成されていないところから下層の金属層3が露出する
構成となっている。図3の積層体8と同様にこの積層体
8に対して1000〜3000nmの波長範囲の特定の
波長の電磁波(A)が照射され、金属層3で反射された
電磁波(B)の光量をセンサー(図示しない)により検
知する。この反射された電磁波(B)の光量は透明セラ
ミック層4のドーパント量および/まはた膜厚に応じて
限定されるため、これを基に真偽を判定することができ
る。ここで印刷層9に到達した電磁波は吸収されるた
め、センサーに検知されることはなく、センサーは金属
層3に到達した電磁波の反射波のみ検知する。
【0040】上記のように透明セラミック層4と印刷層
9が、上方向から見たときの色或いは極めてそれに近い
色とすることで、一見同色に見えるようにするこによ
り、同一の層であると判断され、印刷層9を隠し文字の
ように秘匿性を持たせ、より偽造防止効果を上げること
も可能である。
9が、上方向から見たときの色或いは極めてそれに近い
色とすることで、一見同色に見えるようにするこによ
り、同一の層であると判断され、印刷層9を隠し文字の
ように秘匿性を持たせ、より偽造防止効果を上げること
も可能である。
【0041】この印刷層9は上記したような文字以外
に、文字や数字、模様などデザインのように任意のパタ
ーンを形成することができる。
に、文字や数字、模様などデザインのように任意のパタ
ーンを形成することができる。
【0042】また図5及び図6に示す積層体11・12
は、図3に示す積層体8及び図4に示す積層体10と同
様に印刷層9を形成してもよく、少なくとも同一の作用
効果を有するものである。
は、図3に示す積層体8及び図4に示す積層体10と同
様に印刷層9を形成してもよく、少なくとも同一の作用
効果を有するものである。
【0043】次に本発明を、実施例を挙げて詳細に説明
する。
する。
【0044】なお、作製した本発明の積層体の反射率を
測定した。
測定した。
【0045】<実施例1>基材2に厚さ12μmの透明
ポリエステルフィルムを使用し,金属層3にはアルミニ
ウムを真空蒸着法により800Åの膜厚に蒸着した。次
にスパッタリング法によりアルミニウムを2重量%含む
酸化亜鉛層4とし、この酸化亜鉛層4をそれぞれ50
0、800、1000、1500Åの膜厚のものを形成
した。さらに酸化亜鉛層4上に保護層5を形成した。こ
の反射率を測定し、その結果を図7に示す。約1000
nm以上の波長において、酸化亜鉛層4の膜厚に応じて
反射量に変化を生じた。
ポリエステルフィルムを使用し,金属層3にはアルミニ
ウムを真空蒸着法により800Åの膜厚に蒸着した。次
にスパッタリング法によりアルミニウムを2重量%含む
酸化亜鉛層4とし、この酸化亜鉛層4をそれぞれ50
0、800、1000、1500Åの膜厚のものを形成
した。さらに酸化亜鉛層4上に保護層5を形成した。こ
の反射率を測定し、その結果を図7に示す。約1000
nm以上の波長において、酸化亜鉛層4の膜厚に応じて
反射量に変化を生じた。
【0046】<実施例2>基材として厚さ12μmのア
ルミニウム箔7を使用し、スパッタリング法によりアル
ミニウムを2重量%含む酸化亜鉛層4とし、この酸化亜
鉛層4をそれぞれ500、800、1000、1500
Åの膜厚のものを形成した。さらに酸化亜鉛層4上に保
護層5を形成した。この反射率を測定し、その結果を図
7に示す。約1000nm以上の波長において、酸化亜
鉛層4の膜厚に応じて反射量に変化を生じた。
ルミニウム箔7を使用し、スパッタリング法によりアル
ミニウムを2重量%含む酸化亜鉛層4とし、この酸化亜
鉛層4をそれぞれ500、800、1000、1500
Åの膜厚のものを形成した。さらに酸化亜鉛層4上に保
護層5を形成した。この反射率を測定し、その結果を図
7に示す。約1000nm以上の波長において、酸化亜
鉛層4の膜厚に応じて反射量に変化を生じた。
【0047】<実施例3>基材2に厚さ12μmの透明
ポリエステルフィルムを使用し,金属層3にはアルミニ
ウムを真空蒸着法により800Åの膜厚に蒸着した。次
に反応性蒸着法により硼素を1.5重量%含む酸化亜鉛
層4とし、この酸化亜鉛層4をそれぞれ500、80
0、1000、1500Åの膜厚のものを形成した。さ
らに酸化亜鉛層4上にグラビア印刷法により図3に示す
「TOP」のパターン20を印刷形成し、保護層5を形
成した。このパターン20の形成されない部分の反射率
を測定し、その結果を図7に示す。約1000nm以上
の波長において、酸化亜鉛層4の膜厚に応じて反射量に
変化を生じた。パターン20の形成された部分ではほと
んど反射は認めれなかった。
ポリエステルフィルムを使用し,金属層3にはアルミニ
ウムを真空蒸着法により800Åの膜厚に蒸着した。次
に反応性蒸着法により硼素を1.5重量%含む酸化亜鉛
層4とし、この酸化亜鉛層4をそれぞれ500、80
0、1000、1500Åの膜厚のものを形成した。さ
らに酸化亜鉛層4上にグラビア印刷法により図3に示す
「TOP」のパターン20を印刷形成し、保護層5を形
成した。このパターン20の形成されない部分の反射率
を測定し、その結果を図7に示す。約1000nm以上
の波長において、酸化亜鉛層4の膜厚に応じて反射量に
変化を生じた。パターン20の形成された部分ではほと
んど反射は認めれなかった。
【0048】<実施例4>基材2に厚さ12μmの透明
ポリエステルフィルムを使用し,金属層3にはアルミニ
ウムを真空蒸着法により800Åの膜厚に蒸着した。次
にグラビア印刷法により図4に示す「TOP」のパター
ン20を印刷形成した。反応性蒸着法により硼素を1.
5重量%含む酸化亜鉛層4とし、この酸化亜鉛層4をそ
れぞれ500、800、1000、1500Åの膜厚の
ものを形成した。さらに酸化亜鉛層4上に保護層5を形
成した。このパターン20の形成されない部分の反射率
を測定し、その結果を図7に示す。約1000nm以上
の波長において、酸化亜鉛層4の膜厚に応じて反射量に
変化を生じた。パターン20の形成された部分ではほと
んど反射は認めれなかった。
ポリエステルフィルムを使用し,金属層3にはアルミニ
ウムを真空蒸着法により800Åの膜厚に蒸着した。次
にグラビア印刷法により図4に示す「TOP」のパター
ン20を印刷形成した。反応性蒸着法により硼素を1.
5重量%含む酸化亜鉛層4とし、この酸化亜鉛層4をそ
れぞれ500、800、1000、1500Åの膜厚の
ものを形成した。さらに酸化亜鉛層4上に保護層5を形
成した。このパターン20の形成されない部分の反射率
を測定し、その結果を図7に示す。約1000nm以上
の波長において、酸化亜鉛層4の膜厚に応じて反射量に
変化を生じた。パターン20の形成された部分ではほと
んど反射は認めれなかった。
【0049】<実施例5>基材として厚さ12μmのア
ルミニウム箔7を使用し、反応性蒸着法により硼素を
1.5重量%含む酸化亜鉛層4とし、この酸化亜鉛層4
をそれぞれ500、800、1000、1500Åの膜
厚のものを形成した。さらに酸化亜鉛層4上にグラビア
印刷法により図5に示す「TOP」のパターン20を印
刷形成し、保護層5を形成した。このパターン20の形
成されない部分の反射率を測定し、その結果を図7に示
す。約1000nm以上の波長において、酸化亜鉛層4
の膜厚に応じて反射量に変化を生じた。パターン20の
形成された部分ではほとんど反射は認めれなかった。
ルミニウム箔7を使用し、反応性蒸着法により硼素を
1.5重量%含む酸化亜鉛層4とし、この酸化亜鉛層4
をそれぞれ500、800、1000、1500Åの膜
厚のものを形成した。さらに酸化亜鉛層4上にグラビア
印刷法により図5に示す「TOP」のパターン20を印
刷形成し、保護層5を形成した。このパターン20の形
成されない部分の反射率を測定し、その結果を図7に示
す。約1000nm以上の波長において、酸化亜鉛層4
の膜厚に応じて反射量に変化を生じた。パターン20の
形成された部分ではほとんど反射は認めれなかった。
【0050】<実施例6>基材として厚さ12μmのア
ルミニウム箔7を使用し、グラビア印刷法により図6に
示す「TOP」のパターン20を印刷形成した。次に反
応性蒸着法により硼素を1.5重量%含む酸化亜鉛層4
とし、この酸化亜鉛層4をそれぞれ500、800、1
000、1500Åの膜厚のものを形成した。さらに酸
化亜鉛層4上に保護層5を形成した。このパターン20
の形成されない部分の反射率を測定し、その結果を図7
に示す。約1000nm以上の波長において、酸化亜鉛
層4の膜厚に応じて反射量に変化を生じた。パターン2
0の形成された部分ではほとんど反射は認めれなかっ
た。
ルミニウム箔7を使用し、グラビア印刷法により図6に
示す「TOP」のパターン20を印刷形成した。次に反
応性蒸着法により硼素を1.5重量%含む酸化亜鉛層4
とし、この酸化亜鉛層4をそれぞれ500、800、1
000、1500Åの膜厚のものを形成した。さらに酸
化亜鉛層4上に保護層5を形成した。このパターン20
の形成されない部分の反射率を測定し、その結果を図7
に示す。約1000nm以上の波長において、酸化亜鉛
層4の膜厚に応じて反射量に変化を生じた。パターン2
0の形成された部分ではほとんど反射は認めれなかっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明の積層体は、基材上或いは金属箔
上に積層される透明セラミック層を3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛で構成すること
により、外部から電磁波が入射し、金属層又は金属箔に
より反射される過程において、透明セラミック層が可視
領域で透明であり、かつ赤外領域で吸収を示し、とくに
1000nm以上の波長領域で、そのドーパント量(キ
ャリア濃度)や膜厚に応じて吸収を示すため、この波長
領域で照射された赤外線は、透明セラミック層を透過す
るときに減衰し、この反射光量の測定により、検査対象
が、本物の積層体を有するものであるか否かを判別する
ことができる。これにより従来の回折格子などの光学的
読み取りパターンを有する機械読み取り可能な積層体に
比べ、簡素な構造であり、かつ真偽判定を容易に行なう
ことができ、極めて高い偽造防止効果を発揮するもので
ある。
上に積層される透明セラミック層を3価以上の金属、若
しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛で構成すること
により、外部から電磁波が入射し、金属層又は金属箔に
より反射される過程において、透明セラミック層が可視
領域で透明であり、かつ赤外領域で吸収を示し、とくに
1000nm以上の波長領域で、そのドーパント量(キ
ャリア濃度)や膜厚に応じて吸収を示すため、この波長
領域で照射された赤外線は、透明セラミック層を透過す
るときに減衰し、この反射光量の測定により、検査対象
が、本物の積層体を有するものであるか否かを判別する
ことができる。これにより従来の回折格子などの光学的
読み取りパターンを有する機械読み取り可能な積層体に
比べ、簡素な構造であり、かつ真偽判定を容易に行なう
ことができ、極めて高い偽造防止効果を発揮するもので
ある。
【0052】また印刷層を透明セラミック層の前または
後の層に形成しても、その露出面の反射光を測定するこ
とで、同様の真偽判定を行なうことができる。
後の層に形成しても、その露出面の反射光を測定するこ
とで、同様の真偽判定を行なうことができる。
【0053】以上のような極めて偽造防止効果の高い、
従来の識別用の媒体に無い優れた効果を奏するものであ
る。
従来の識別用の媒体に無い優れた効果を奏するものであ
る。
【図1】本発明の積層体の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の積層体の他の構成を示す断面図であ
る。
る。
【図3】本発明の積層体の上方向から電磁波を照射した
状態を示し、印刷層のパターンとその間に露出する透明
蒸着層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)断面
図及び(b)平面図である。
状態を示し、印刷層のパターンとその間に露出する透明
蒸着層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)断面
図及び(b)平面図である。
【図4】本発明の積層体の上方向から電磁波を照射した
状態を示し、印刷層のパターン上に設けられた透明蒸着
層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)断面図及
び(b)平面図である。
状態を示し、印刷層のパターン上に設けられた透明蒸着
層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)断面図及
び(b)平面図である。
【図5】図2の積層体の上方向から電磁波を照射した状
態を示し、印刷層のパターンとその間に露出する透明セ
ラミック層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)
断面図及び(b)平面図である。
態を示し、印刷層のパターンとその間に露出する透明セ
ラミック層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)
断面図及び(b)平面図である。
【図6】図2の積層体の上方向から電磁波を照射した状
態を示し、印刷層のパターン上に設けられた透明セラミ
ック層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)断面
図及び(b)平面図である。
態を示し、印刷層のパターン上に設けられた透明セラミ
ック層に対する光学的な読み取り原理を示す(a)断面
図及び(b)平面図である。
【図7】本発明の積層体による透明セラミック層の反射
率を表すグラフである。
率を表すグラフである。
1 積層体 2 基材 3 金属層 4 透明セラミック層 5 保護層 6 積層体 7 金属箔 8 積層体 9 印刷層 10 積層体 11 積層体 12 積層体 20 パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−43810(JP,A) 特開 平6−40189(JP,A) 特開 平3−272897(JP,A) 特開 平3−118198(JP,A) 特開 平2−288009(JP,A) 特開 平1−198339(JP,A) 特開 昭62−299380(JP,A) 特開 昭61−297192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G03H 1/02 - 1/34 G09F 3/00 - 3/20 C01G 9/00 - 9/03
Claims (11)
- 【請求項1】基材上に金属層、透明セラミック層、保護
層が順次積層されてなる積層体において、前記透明セラ
ミック層が3価以上の金属、若しくは半導体をドープし
てなる酸化亜鉛であることを特徴とする積層体。 - 【請求項2】金属箔上に透明セラミック層、保護層が順
次積層されてなる積層体において、前記透明セラミック
層が3価以上の金属、若しくは半導体をドープしてなる
酸化亜鉛であることを特徴とする積層体。 - 【請求項3】前記3価以上の金属、若しくは半導体がア
ルミニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウム、珪素、
イットリウム、イッテルビウム、インジウムあるいはタ
リウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の積
層体。 - 【請求項4】前記金属層が金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムであることを特徴とする請求項1記載
の積層体。 - 【請求項5】前記金属箔が金、アルミニウム、ニッケ
ル、またはクロムであることを特徴とする請求項2記載
の積層体。 - 【請求項6】前記保護層が可視波長領域及び1000〜
3000nmの波長領域において透過性を示すことを特
徴とする請求項1又は2記載の積層体。 - 【請求項7】前記透明セラミック層上に印刷層が設けら
れてなることを特徴とする請求項1又は2記載の積層
体。 - 【請求項8】前記金属層上に印刷層が設けられてなるこ
とを特徴とする請求項1記載の積層体。 - 【請求項9】前記金属箔上に印刷層が設けられてなるこ
とを特徴とする請求項2記載の積層体。 - 【請求項10】前記印刷層は1000〜3000nmの
波長領域の電磁波を吸収してなることを特徴とする請求
項7又は8記載の積層体。 - 【請求項11】前記基材の非積層側に接着層を設けてな
ること特徴とする請求項1記載の積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05346294A JP3289475B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05346294A JP3289475B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07256824A JPH07256824A (ja) | 1995-10-09 |
JP3289475B2 true JP3289475B2 (ja) | 2002-06-04 |
Family
ID=12943534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05346294A Expired - Fee Related JP3289475B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3289475B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7349771B2 (ja) | 2016-12-27 | 2023-09-25 | 大日本印刷株式会社 | 保冷容器および生鮮物の輸送方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3536661B2 (ja) * | 1998-04-23 | 2004-06-14 | 凸版印刷株式会社 | 回折格子パターンを有するラベル |
-
1994
- 1994-03-24 JP JP05346294A patent/JP3289475B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7349771B2 (ja) | 2016-12-27 | 2023-09-25 | 大日本印刷株式会社 | 保冷容器および生鮮物の輸送方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07256824A (ja) | 1995-10-09 |
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