JPH08118529A - 偽造防止用光学的多層膜 - Google Patents

偽造防止用光学的多層膜

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JPH08118529A
JPH08118529A JP6255645A JP25564594A JPH08118529A JP H08118529 A JPH08118529 A JP H08118529A JP 6255645 A JP6255645 A JP 6255645A JP 25564594 A JP25564594 A JP 25564594A JP H08118529 A JPH08118529 A JP H08118529A
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multilayer film
optical multilayer
refractive index
functional layer
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JP6255645A
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Haruo Uyama
晴夫 宇山
Takahiro Harada
隆宏 原田
Mitsuru Kano
満 加納
Osahisa Matsudaira
長久 松平
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】層構成や構成材料などの判別が困難であるとと
もに、真偽判別が可能なユニークな色調を有する偽造防
止用光学的多層膜であり、他の偽造防止機能を付設した
偽造防止用光学的多層膜を提供すること。 【構成】基材1上に屈折率の異なる複数のセラミック材
料層4、5からなる機能層を有する偽造防止用光学的多
層膜であって、前記セラミック材料層の層間に他の機能
を有する層2、3を積層してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偽造防止用光学的多層
膜に係り、とくに偽造若しくは改竄を困難とする多層膜
を具備している製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、偽造を防止する手段は、物品その
ものを真似することが困難なものとするか、あるいは真
似することが困難なものを本物であることの証明として
物品に取りつけることにより、本物と偽物を区別できる
ようにするものがある。例えば前者は、紙幣など有価証
券のようにそのもの自体に微細な加工を施すか、真似し
にくい色調の彩色を施したり、また素材を特殊なものと
して、模造または印刷技術の不正利用、あるいは複写機
による不法な複写による偽造などを困難にすることで、
防止できるようにしている。さらに印刷複製技術の進
歩、または複写機などデジタル技術の進歩により、上記
したような微細な加工を施したり、色彩を真似しにくく
しても容易に再現することが可能となり、このような技
術に対応して、加工技術を高微細化し、より複製・偽造
を困難とするような方向にある。
【0003】後者は、物品に取りつけるだけなので、取
扱いやすいため、広く使われるようになり、例えばレリ
ーフ型ホログラムからなる画像が形成されたシールがあ
る。これはホログラム画像を凹凸状に形成し、エンボス
加工により大量生産が可能であるという効果を有してい
る。特に層構成を考慮し、シールを剥離困難とするか、
あるいは剥離後再生困難となるように構成されており、
使用対象としてカード、紙幣、証明書類などに一度貼り
付けた後、これを剥離するとホログラムの一部もしくは
全体が破壊されることで、偽造だけでなく、改竄など物
品になんらかの手が加えられたことが、一目で判別でき
るとしたものである。
【0004】しかしながら、一目で判別できるというこ
と以外に他の機能を付設し、偽造防止効果を高めること
が必要不可欠な状態になってきている。
【0005】高度な微細化による真偽の判別は、微細な
箇所を拡大して見るか、あるいは本物と比較するなど余
程注意して見なければ見逃してしまうため、また、その
場所の明るさや確認時間を十分にとらなければならない
など、現実の取引状態に合わなくなってきている。また
素材を特殊としても、全く特異な素材とすることはでき
ず、またコスト的にも高くなり現実的ではない。また上
記のようなホログラムは、ホログラム原理や層など構成
が簡単であるため、偽造されやすくなりつつあることか
ら、これによる偽造防止効果も薄れてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、層構
成や構成材料などの判別が困難であるとともに、真偽判
別が可能なユニークな色調を有する偽造防止用光学的多
層膜であり、偽造防止用シールや脆性シールに対する要
求を満たすとともに、成形体などの立体物への転写を可
能なセラミックを積層してなる光学的な偽造防止用転写
箔などへの応用範囲を拡充することのできる偽造防止用
光学的機能以外に類似した光学的機能範囲を広げ、さら
には他の偽造防止機能を付設した偽造防止用光学的多層
膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するため、基材上に屈折率の異なる複数のセラミック材
料層からなる機能層を有する偽造防止用光学的多層膜で
あって、前記セラミック材料層の層間に少なくとも一層
の金属反射層、印刷層、酸化インジウム、還元状態の酸
化亜鉛、錫をドープした酸化インジウム、3価以上の金
属若しくは半導体半導体(例えばアルミニウム、硼素、
スカンジウム、ガリウム、珪素、イットリウム、イッテ
ルビウム、インジウムあるいはタリウム)をドープして
なる酸化亜鉛、から選ばれる1種の層、鉄あるいはアル
ミニウムをドープした2酸化チタンを有することを特徴
とする偽造防止用光学的多層膜を提供する。
【0008】また、前記基材と機能層の間に着色層を有
することを特徴とする偽造防止用光学的多層膜を提供す
る。
【0009】また、前記機能層が、特定の光学的膜厚で
高屈折率層と低屈折率層との組み合わせからなること、
高屈折率層と低屈折率層との組み合わせを交互に配置し
てなること、低屈折率層がフッ化マグネシウム、フッ化
カルシウム、フッ化セリウム、フッ化アルミニウム、二
酸化珪素、酸化アルミニウムあるいは酸化マグネシウム
から選択され、高屈折率層が硫化亜鉛、二酸化ジルコニ
ウム、二酸化チタン、二酸化セリウム、酸化タンタル、
酸化亜鉛あるいは酸化インジウムから選択されたものの
組み合わせであることを特徴とする偽造防止用光学的多
層膜を提供する。
【0010】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1に本発明の偽造防止用光学的多層膜の一実施例
の断面の構造を示す。基材1上に機能層4と5、場合に
よって着色層6、保護層7が積層されている。機能層は
高屈折率層4と低屈折率層5からなるセラミック層であ
る。さらに機能層中にその他の機能を有する層2か印刷
層か金属反射層3を有する構造となっている。
【0011】基材は、基材を通して機能層を見る場合は
十分な透明性を有することが必要であり、さらにある程
度の剛性および表面の平滑性を有していればよく、とく
に限定されるものではなく、例えばポリエステルフィル
ム、ポリオレフィンフィルム等の高分子フィルムがあげ
られる。
【0012】機能層は屈折率の異なるセラミックを交互
に特定の膜厚で複数層積層したものであり、例えば低屈
折率層として、酸化マグネシウム(屈折率n=1.
6)、二酸化珪素(n=1.5)、フッ化マグネシウム
(n=1.4)フッ化カルシウム(n=1.3〜1.
4)、フッ化セリウム(n=1.6)、フッ化アルミニ
ウム(n=1.3)、酸化アルミニウム(n=1.6)
のうちの一つと、高屈折率層4として、二酸化チタン
(n=2.4)、二酸化ジルコニウム(n=2.0)、
硫化亜鉛(n=2.3)、二酸化セリウム(n=2.
3)、酸化インジウム(n=2.0)、酸化タンタル
(n=2.1)、酸化亜鉛(n=2.1)のうちの一つ
とを所定の膜厚で積層させた複合層である。この機能層
は、上記の組み合わせからなる層を複数設けることもで
きる。本実施例では上記に掲げた以外の材料について
も、構成する層の積層条件を満たすものであれば用いる
ことができる。
【0013】この機能層に所定の波長領域の光線を反射
あるいは透過させることならびに見る角度を変えること
により薄膜内の光路長が変化し、透過光あるいは反射光
の色が変わって見えるものである。これにより偽造防止
性を発揮すものである。
【0014】機能層は膜厚の制御が可能であれば、いか
なる成膜方法も用いることが可能である。なかでも薄膜
の生成には乾式法が優れており、これには通常の真空蒸
着法、スパッタリング等の物理的気相析出法やCVD法
のような化学的気相析出法を用いることができる。
【0015】機能層の膜厚は合計で1μm以下が望まし
い。1μmを越えると柔軟性に乏しくなり、機能層にク
ラックが生じ、機能が低下する場合がある為である。
【0016】保護層は適時設けることができ、機能層に
影響を与えることがなければ、用途、目的に応じて、種
々ある組成物から選択することができ、例えばポリオレ
フィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビ
ニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートなど
のプラスチックなどの光学的に透明なものが積層され
る。
【0017】保護層を設ける場合には、保護層は有機ポ
リマーで低屈折率であるため、これに接する次層は高屈
折率であることが望ましい。一般的に分光特性は層数に
応じて変化する。保護層を含め層数は偶数であるが機能
層は奇数としている。
【0018】また、保護層の代わりに接着層を設けても
より。機能層に接する場合はこれを変質させたり、冒す
ものでなければ通常用いられるものでよく、例えば塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系接着剤、ポリ
エステル系ポリアミドなどがあるが、これらに限定され
るものではない。
【0019】他の機能層としては、金属反射層、印刷
層、酸化インジウム、還元状態の酸化亜鉛、錫をドープ
した酸化インジウム、(アルミニウム、硼素、スカンジ
ウムウ、ガリウム、珪素、イットリウム、イッテルビウ
ム、インジウム、あるいはタリウム等の)3価以上の金
属若しくは半導体をドープしてなる酸化亜鉛、鉄あるい
はアルミニウムをドープした二酸化チタン、等がある。
【0020】金属反射層は、金、銀、アルミニウム、ニ
ッケル、またはクロムなど光線反射率の高いものであれ
ばよく、上記したものに限定されることはなく、しかも
金属と同等あるいはそれ以上の良好な反射率を有するも
のであれば用いることができる。形成される膜厚も良好
な反射率が得られるのであれば、特に限定される必要は
ないが、好ましくは、700Å以上である。本発明の多
層膜に入射した光は、この金属反射層で反射される。
【0021】この金属反射層は、通常の真空蒸着法、ス
パッタリング法等の物理的気相析出法やCVD法のよう
な化学的気相析出法を用いることができ、金属反射層を
構成する材料に応じて任意に選択することができる。例
えば、上記金属からなる箔を基材に付けてもよう。また
鱗片状の金属などの微粒子を樹脂の溶媒に分散した溶液
を塗布してもよい。
【0022】印刷層は、形成するパターン形状は、任意
に設定することができ、すくなくとも機能層の一部が通
常の機能を果たせるように構成すればよい。すなわち、
印刷層を機能層の上に部分的に形成するか、もしくは実
質的にそのような状態となるように形成されればよい。
金属反射層を形成した場合も同様である。
【0023】印刷層の形成には、グラビア印刷など従来
公知の印刷方法や塗布方法を用いることができる。特に
本発明においては、印刷層の厚さは特に限定されるもの
ではない。色も限定されるものではない。
【0024】さらにセラミックあるいは有色透明のイン
キにより着色層5を設けることにより色変化が多彩にな
り、かつ見やすくなるため、偽造防止効果が向上する。
【0025】
【作用】本発明の偽造防止用光学的多層膜によれば、通
常の機能範囲においては、機能層に低屈折率と高屈折率
のセラミックを交互に組み合わせることで特定の波長領
域の光線を反射あるいは透過させるという性質を有し、
かつ見る角度を変化させることで機能層の膜厚が変化す
るため、波長領域がシフトし、色が異なって見えること
により、容易に判別可能となる。
【0026】さらには、機能層の層間に部分的に金属反
射層あるいは印刷層を設けることで、部分的に上記色調
の角度依存性をなくすか、あるいは弱めることができ
る。これにより、印刷した文字を明白に認識することが
できる。印刷層はいずれの層間にいれてもかまわない。
【0027】さらには、還元状態の酸化亜鉛、酸化イン
ジウム、3価以上の金属あるいは半導体をドープした酸
化亜鉛、錫をドープした酸化インジウムなどは、透明導
電性のセラミックスであり、膜に導電性を付与すること
ができる。それにより帯電防止機能、さらには他の偽造
防止機能をも付与させるに十分なものである。
【0028】また、鉄、アルミニウムをドープした二酸
化チタンは紫外線遮蔽効果に優れた材料であり、酸化亜
鉛に類するものである。
【0029】さらにいえば、3価以上の金属あるいは半
導体をドープした酸化亜鉛は、1000nmから300
0nmの近赤外領域において吸収を示し、可視領域以外
での得意な光学的特性を有するセラミック材料である。
【0030】これらの材料は、化学量論組成すなわちZ
nO、In2 3 、TiO2 に準じた屈折率を有し、光
学膜厚nd値の制御により光学的多層膜の本来の機能を
損なうことはない。
【0031】また、着色層を形成することにより、透過
光あるいは反射光の色の変化に影響を与えることなく、
光学的多層膜を着色することができ、より見やすくな
り、色調の変化すなわち色の角度依存性が大きくなり、
かつ色の種類を選択することができる。
【0032】
【実施例】
<実施例1>基材には厚さ25μmのポリエステルフィ
ルムを使用し,機能層には低屈折率層として二酸化珪素
を、高屈折率層として酸化亜鉛を使用し、層の数は5層
とした。多機能層として機能層中の基材側より5層目に
高屈折率層の代わりにアルミニウムを2重量%含む酸化
亜鉛を使用した。合計の膜厚は1μmとした。透過スペ
クトルを図3に示す。フィルムに垂直な可視光の吸収の
中心波長は580nmであり、可視光を45度の角度よ
り入射した場合に中心波長は低波長側にシフトし、色変
化を生じた。さらに350nm以下の紫外線および1.
5μm以上の近赤外線を遮蔽する機能を有し、かつ10
kΩ/□の表面抵抗を示した。かつ、導電性を有しない
ものとなった。
【0033】<実施例2>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し,機能層には低屈折率層とし
て二酸化珪素を、高屈折率層として酸化亜鉛を使用し、
層の数は5層とした。多機能層として機能層中の基材側
より5層目に高屈折率層の代わりに還元状態の酸化亜鉛
を使用した。合計の膜厚は1μmとした。透過視スペク
トルを図3に示す。フィルムに垂直な可視光の吸収の中
心波長は580nmであり、可視光を45度の角度より
入射した場合に中心波長は低波長側にシフトし、色変化
を生じた。さらに400nm以下の紫外線を遮蔽する機
能を有し、かつ1MΩ/□の表面抵抗を示した。
【0034】<実施例3>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し,機能層には低屈折率層とし
て二酸化珪素を、高屈折率層として酸化インジウムを使
用し、層の数は5層とした。多機能層として機能層中の
基材側より5層目に高屈折率層の代わりに酸化錫を8重
量%含む酸化インジウムを使用した。透過スペクトルを
図4に示す。フィルムに垂直な可視光の吸収の中心波長
は580nmであり、可視光を45度の角度より入射し
た場合に中心波長は低波長側にシフトし、色変化を生じ
た。10kΩ/□の表面抵抗を示した。また、400n
m以下の紫外線を遮蔽していた。
【0035】<実施例4>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し,機能層には低屈折率層とし
て二酸化珪素を、高屈折率層として二酸化チタンを使用
し、層の数は5層とした。多機能層として機能層中の基
材側より3層目に高屈折率層の代わりに鉄を10ppm
ドープした二酸化チタンを使用した。合計の膜厚は1μ
mとした。本実施例の機能をまとめて表1に示し、透過
スペクトルを図5に示す。フィルムに垂直な可視光の吸
収の中心波長は580nmであり、可視光を45度の角
度より入射した場合に中心波長は低波長側にシフトし、
色変化を生じた。400nm以下の紫外線を遮蔽してい
た。
【0036】<実施例5>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し、機能層には低屈折率層とし
てフッ化マグネシウムを、高屈折率層として硫化亜鉛を
使用し、層の数は5層とした。合計の膜厚1μmとし
た。基材側より1層目と2層目の間に印刷層を設けた。
さらにアルミニウムからなる金属反射層を設けた。本実
施例の多層の反射スペクトルを図5に示すフィルムに垂
直な可視光の吸収の中心波長は580nmであり、可視
光を45度の角度より入射した場合に中心波長は低波長
側にシルトし、色変化を生じた。印刷層の部分では良好
なスペクトルは認められなかった。
【0037】<比較例1>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し,機能層には低屈折率層とし
て二酸化珪素を、高屈折率層として酸化亜鉛を使用し、
層の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとした。透過
スペクトルを図3に示す。フィルムに垂直な可視光の吸
収の中心波長は580nmであり、可視光を45度の角
度より入射した場合に中心波長は低波長側にシフトし、
色変化を生じた。
【0038】<比較例2>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し,機能層には低屈折率層とし
て二酸化珪素を、高屈折率層として酸化インジウムを使
用し、層の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとし
た。透過スペクトルを図4に示す。フィルムに垂直な可
視光の吸収の中心波長は580nmであり、可視光を4
5度の角度より入射した場合に中心波長は低波長側にシ
フトし、色変化を生じた。
【0039】<比較例3>基材には厚さ25μmのポリ
エステルフィルムを使用し,機能層には低屈折率層とし
て二酸化珪素を、高屈折率層6として二酸化チタンを使
用し、層の数は5層とした。合計の膜厚は1μmとし
た。透過スペクトルを図5に示す。フィルムに垂直な可
視光の吸収の中心波長は580nmであり、可視光を4
5度の角度より入射した場合に中心波長は低波長側にシ
フトし、色変化を生じた。
【0040】
【発明の効果】本発明の偽造防止用光学的多層膜は、基
材上に機能層を設け、機能層を構成するセラミック材料
層のうち、少なくとも一層が目的とする可視領域での光
学的機能以外に複数の機能を有するセラミック材料とす
ることで、従来の機能層を屈折率の異なる複数のセラミ
ック材料を特定の厚さに積層することにより、特定の波
長領域の光線を反射あるいは透過させるという性質を示
し、かつ見る角度によって、機能層の膜厚が変化するた
め薄膜内の光路長が変化し、透過光あるいは反射光の色
が変わって見えるものである。これにより色が異なって
見えるため判別が容易であるということ以外に、導電
性、近赤外線遮蔽成、紫外線遮蔽成などの機能を有させ
ることができ、従来にない偽造防止性を発揮すものであ
る。
【0041】また基材と機能層の間に着色層を形成する
ことにより、透過光あるいは反射光の色の変化に悪影響
を与えることなく、着色でき、より見やすく、かつ色の
種類を選択することができる。
【0042】以上のような極めて偽造防止効果の高い、
従来の偽造防止用光学的薄膜に無い優れた効果を奏する
ものである。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止用光学的薄膜の一例の構成を
示す断面図である。
【図2】本発明の偽造防止用光学的薄膜の一例の構成を
示す断面図である。
【図3】実施例1、2および比較例1における透過スペ
クトルである。
【図4】実施例3および比較例2における透過スペクト
ルである。
【図5】実施例4および比較例3における透過スペクト
ルである。
【図6】実施例5における透過スペクトルである。
【符号の説明】
1…基材 2…その他の機能を有する層 3…印刷層、金属反射層 4…高屈折率層 5…低屈折率層 6…着色層 7…保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松平 長久 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に屈折率の異なる複数のセラミック
    材料層からなる機能層を有する偽造防止用光学的多層膜
    であって、前記セラミック材料層の層間に少なくとも一
    層の金属反射層を有することを特徴とする偽造防止用光
    学的多層膜。
  2. 【請求項2】基材上に屈折率の異なる複数のセラミック
    材料層からなる機能層を有する偽造防止用光学的多層膜
    であって、前記セラミック材料層の層間に少なくとも一
    層の印刷層を有することを特徴とする偽造防止用光学的
    多層膜。
  3. 【請求項3】基材上に屈折率の異なる複数のセラミック
    材料層からなる機能層を有する偽造防止用光学的多層膜
    であって、前記セラミック材料層が層間に少なくとも一
    層の酸化インジウム、還元状態の酸化亜鉛、錫をドープ
    した酸化インジウム、3価以上の金属若しくは半導体を
    ドープしてなる酸化亜鉛、から選ばれる1種の層がであ
    ることを特徴とする偽造防止用光学的多層膜。
  4. 【請求項4】前記3価以上の金属若しくは半導体が、ア
    ルミニウム、硼素、スカンジウム、ガリウム、珪素、イ
    ットリウム、イッテルビウム、インジウムあるいはタリ
    ウムであることを特徴とする請求項4記載の偽造防止用
    光学的多層膜。
  5. 【請求項5】基材上に屈折率の異なる複数のセラミック
    材料層からなる機能層を有する偽造防止用光学的多層膜
    であって、前記セラミック材料層の層間のうち、少なく
    とも一層が鉄あるいはアルミニウムをドープした2酸化
    チタンであることを特徴とする偽造防止用光学的多層
    膜。
  6. 【請求項6】前記基材と機能層の間に着色層を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜5記載の偽造防止用光学的多
    層膜。
  7. 【請求項7】前記機能層が、特定の光学的膜厚で高屈折
    率層と低屈折率層との組み合わせからなることを特徴と
    する請求項1〜6記載の偽造防止用光学的多層膜。
  8. 【請求項8】前記機能層が、屈折率の異なるセラミック
    材料の積層体であり、かつ高屈折率層と低屈折率層との
    組み合わせを交互に配置してなることを特徴とする請求
    項1〜7記載の偽造防止用光学的多層膜。
  9. 【請求項9】前記機能層が、低屈折率層がフッ化マグネ
    シウム、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、フッ化ア
    ルミニウム、二酸化珪素、酸化アルミニウムあるいは酸
    化マグネシウムから選択され、高屈折率層が硫化亜鉛、
    二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、二酸化セリウム、
    酸化タンタル、酸化亜鉛あるいは酸化インジウムから選
    択されたものの組み合わせであることを特徴とする請求
    項8記載の偽造防止用光学的多層膜。
JP6255645A 1994-10-20 1994-10-20 偽造防止用光学的多層膜 Pending JPH08118529A (ja)

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