JPH1076746A - 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔 - Google Patents
偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔Info
- Publication number
- JPH1076746A JPH1076746A JP8232958A JP23295896A JPH1076746A JP H1076746 A JPH1076746 A JP H1076746A JP 8232958 A JP8232958 A JP 8232958A JP 23295896 A JP23295896 A JP 23295896A JP H1076746 A JPH1076746 A JP H1076746A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- layer
- forgery
- forgery prevention
- multilayer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Credit Cards Or The Like (AREA)
- Printing Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】多層薄膜のカラーシフト効果と、多層薄膜の一
部の膜厚の変化により、目視方向に応じてレインボー状
に色が変化するため、真偽判別が容易なユニークな色調
と色彩を有するとともに偽造・変造・改竄などの不正行
為の防止が可能な偽造防止媒体及び偽造防止シール、並
びに偽造防止転写箔を提供する。 【解決手段】基材上に複数の異なる光学特性を示すセラ
ミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラミックス薄
膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層してなる多層薄
膜層を設け、この多層薄膜層を構成する薄膜の膜厚を部
分的に不均一とし、これをカラーコピー機を用いて偽造
等をすると、多層薄膜層部分が黒く写り、不正行為の発
見が容易であり、貼付する商品券等のデザインを損ねる
ことない、高い偽造防止効果を有する。
部の膜厚の変化により、目視方向に応じてレインボー状
に色が変化するため、真偽判別が容易なユニークな色調
と色彩を有するとともに偽造・変造・改竄などの不正行
為の防止が可能な偽造防止媒体及び偽造防止シール、並
びに偽造防止転写箔を提供する。 【解決手段】基材上に複数の異なる光学特性を示すセラ
ミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラミックス薄
膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層してなる多層薄
膜層を設け、この多層薄膜層を構成する薄膜の膜厚を部
分的に不均一とし、これをカラーコピー機を用いて偽造
等をすると、多層薄膜層部分が黒く写り、不正行為の発
見が容易であり、貼付する商品券等のデザインを損ねる
ことない、高い偽造防止効果を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視角の変化に応じ
て、反射色の変化を生じる多層薄膜層と目視可能なパタ
ーン層とを形成してなる偽造防止媒体及び偽造防止シー
ル、並びに偽造防止転写箔に係り、とくに多層膜の一部
の層の膜厚を不均一にすることにより、目視方向に応じ
てレインボー状に色が変化する偽造防止媒体及び偽造防
止シール、並びに偽造防止転写箔に関する。
て、反射色の変化を生じる多層薄膜層と目視可能なパタ
ーン層とを形成してなる偽造防止媒体及び偽造防止シー
ル、並びに偽造防止転写箔に係り、とくに多層膜の一部
の層の膜厚を不均一にすることにより、目視方向に応じ
てレインボー状に色が変化する偽造防止媒体及び偽造防
止シール、並びに偽造防止転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、偽造を防止する手段は、物品その
ものを真似することが困難なものとするか、或いは真似
することが困難なものを本物であることの証明として物
品に取りつけることにより、本物と偽物を区別できるよ
うにするものがある。この後者の代表的なものとして、
近年多用されているレリーフ型ホログラム、回折格子、
リップマン型ホログラムなどのホログラムがある。この
中で、例えばレリーフ型ホログラムは、画像を微細な凹
凸状に形成したものであり、これにより光の回折と干渉
により見る角度(すなわち、ホログラムを支持している
角度)に応じて、固有のカラーシフト(反射光の色変
化)を生じ、観察する位置により見える色が異なるもの
であるため、その状態の有無を確認することにより、真
正物であるか否かを容易に判定することができる。とこ
ろが、近年では上述のようなホログラムは、ホログラム
原理や層など構成が簡単であるため、偽造されやすくな
りつつあることから、これによる偽造防止効果も薄れて
きている。
ものを真似することが困難なものとするか、或いは真似
することが困難なものを本物であることの証明として物
品に取りつけることにより、本物と偽物を区別できるよ
うにするものがある。この後者の代表的なものとして、
近年多用されているレリーフ型ホログラム、回折格子、
リップマン型ホログラムなどのホログラムがある。この
中で、例えばレリーフ型ホログラムは、画像を微細な凹
凸状に形成したものであり、これにより光の回折と干渉
により見る角度(すなわち、ホログラムを支持している
角度)に応じて、固有のカラーシフト(反射光の色変
化)を生じ、観察する位置により見える色が異なるもの
であるため、その状態の有無を確認することにより、真
正物であるか否かを容易に判定することができる。とこ
ろが、近年では上述のようなホログラムは、ホログラム
原理や層など構成が簡単であるため、偽造されやすくな
りつつあることから、これによる偽造防止効果も薄れて
きている。
【0003】そこで、このホログラムと同様の見る角度
によるカラーシフト(反射光の色変化)の効果を有する
ものとして、例えば特開昭61−105509号公報
や、本出願人による特願平5−244062号、特願平
5−244063号、特願平5−244064号、特開
平7−146649号公報、特開平7−199812号
公報、特開平7−214960号公報、特開平7−14
4500号公報、特開平7−146650号公報等に開
示されているように、基材にセラミックスや金属などの
薄膜で、光学特性の異なるものを積層した多層薄膜があ
る。これらは薄膜の光学特性と膜厚により得られる光の
干渉作用を利用したものであり、特定の波長域に反射・
透過特性を有し、観察する位置により、この反射・透過
特性が変化し、見える色が異なるため、その状態の有無
を確認することにより、真正物であるか否かを容易に判
定することができる。また多層薄膜を形成する基材が透
明フィルムのままでは色の変化が判りづらいこともあっ
て、多層薄膜の下地として黒等の濃色の着色層または金
属反射膜を付加する場合がある。
によるカラーシフト(反射光の色変化)の効果を有する
ものとして、例えば特開昭61−105509号公報
や、本出願人による特願平5−244062号、特願平
5−244063号、特願平5−244064号、特開
平7−146649号公報、特開平7−199812号
公報、特開平7−214960号公報、特開平7−14
4500号公報、特開平7−146650号公報等に開
示されているように、基材にセラミックスや金属などの
薄膜で、光学特性の異なるものを積層した多層薄膜があ
る。これらは薄膜の光学特性と膜厚により得られる光の
干渉作用を利用したものであり、特定の波長域に反射・
透過特性を有し、観察する位置により、この反射・透過
特性が変化し、見える色が異なるため、その状態の有無
を確認することにより、真正物であるか否かを容易に判
定することができる。また多層薄膜を形成する基材が透
明フィルムのままでは色の変化が判りづらいこともあっ
て、多層薄膜の下地として黒等の濃色の着色層または金
属反射膜を付加する場合がある。
【0004】これらのカラーシフト(反射光の色変化)
は、視角による色の変化は偽造物に対して真偽の判定を
可能とし、とくにコピー機、カラーコピー機などにより
不正に複写したものでその特性を再現することが不可能
であるため、偽造・変造を困難とし、偽造・変造された
としても、その使用を諦めさせる効果を有する。
は、視角による色の変化は偽造物に対して真偽の判定を
可能とし、とくにコピー機、カラーコピー機などにより
不正に複写したものでその特性を再現することが不可能
であるため、偽造・変造を困難とし、偽造・変造された
としても、その使用を諦めさせる効果を有する。
【0005】その形態は、例として媒体、シール、また
は転写箔、転写シートとして、多層薄膜層を保持し、こ
れらを貼着、または転写により、所望のものにホログラ
ムを形成するものである。さらにより高いセキュリティ
の付加として、とくに層構成を考慮し、シールを剥離困
難とするか、或いは脆性シールのような剥離後再生困難
となるように構成されており、一度貼り付けた後、これ
を剥離するとホログラムの一部若しくは全体が破壊され
ることで、偽造だけでなく、改竄など物品になんらかの
手が加えられたことが、一目で判別できるとしたもので
ある。
は転写箔、転写シートとして、多層薄膜層を保持し、こ
れらを貼着、または転写により、所望のものにホログラ
ムを形成するものである。さらにより高いセキュリティ
の付加として、とくに層構成を考慮し、シールを剥離困
難とするか、或いは脆性シールのような剥離後再生困難
となるように構成されており、一度貼り付けた後、これ
を剥離するとホログラムの一部若しくは全体が破壊され
ることで、偽造だけでなく、改竄など物品になんらかの
手が加えられたことが、一目で判別できるとしたもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基材に
セラミックスや金属などの薄膜で、光学特性の異なるも
のを積層した多層薄膜は、極めて真偽判別が簡易であ
り、多層薄膜の構成も判りいにくいため偽造防止効果が
高いものである反面、基材の表面に一様に、或いはパタ
ーンとして一構成の多層薄膜のみを形成したため、カラ
ーシフトも単一のものにならざるを得ず、色彩・デザイ
ンに乏しいとする欠点を有しており、偽造・変造・改竄
などの不正行為を容易に判別可能とする視覚情報が付与
されることが無い場合には、比較的単純な構成で偽造・
改竄・変造の恐れが無い、より高度なセキュリティ技術
が求められている。
セラミックスや金属などの薄膜で、光学特性の異なるも
のを積層した多層薄膜は、極めて真偽判別が簡易であ
り、多層薄膜の構成も判りいにくいため偽造防止効果が
高いものである反面、基材の表面に一様に、或いはパタ
ーンとして一構成の多層薄膜のみを形成したため、カラ
ーシフトも単一のものにならざるを得ず、色彩・デザイ
ンに乏しいとする欠点を有しており、偽造・変造・改竄
などの不正行為を容易に判別可能とする視覚情報が付与
されることが無い場合には、比較的単純な構成で偽造・
改竄・変造の恐れが無い、より高度なセキュリティ技術
が求められている。
【0007】そこで本発明は、多層薄膜のカラーシフト
効果を利用し、かつ多層薄膜の一部の膜厚が不均一とな
るように変化をつけることにより、目視方向に応じてレ
インボー状に色が変化するため、真偽判別が容易なユニ
ークな色調と色彩を有するとともに偽造・変造・改竄な
どの不正行為が困難であり、かつ偽造・変造などの不正
行為の事実を肉眼により簡単に判定可能な偽造防止媒体
及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔を提供する
ことを目的とする。
効果を利用し、かつ多層薄膜の一部の膜厚が不均一とな
るように変化をつけることにより、目視方向に応じてレ
インボー状に色が変化するため、真偽判別が容易なユニ
ークな色調と色彩を有するとともに偽造・変造・改竄な
どの不正行為が困難であり、かつ偽造・変造などの不正
行為の事実を肉眼により簡単に判定可能な偽造防止媒体
及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、請求項1に記載の発明は基材上に
複数の異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、または
金属薄膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄
膜を2層以上積層してなる多層薄膜層を設け、前記セラ
ミックス薄膜および/または前記金属薄膜の膜厚を部分
的に不均一にしてなることを特徴とする。
になされた本発明は、請求項1に記載の発明は基材上に
複数の異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、または
金属薄膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄
膜を2層以上積層してなる多層薄膜層を設け、前記セラ
ミックス薄膜および/または前記金属薄膜の膜厚を部分
的に不均一にしてなることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
偽造防止媒体において多層薄膜層の層間にパターン層を
設けてなることを特徴とする。
偽造防止媒体において多層薄膜層の層間にパターン層を
設けてなることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2に記載の
偽造防止媒体において、パターン層が無色透明インキで
あることを特徴とする。
偽造防止媒体において、パターン層が無色透明インキで
あることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2に記載の
偽造防止媒体において、パターン層が墨色インキである
ことを特徴とする。
偽造防止媒体において、パターン層が墨色インキである
ことを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1に記載の
偽造防止媒体において、基材が可視光を透過可能である
ことを特徴とする。
偽造防止媒体において、基材が可視光を透過可能である
ことを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明は、基材上に複数の異
なる光学特性を示すセラミックス薄膜、または金属薄
膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2
層以上積層してなる多層薄膜層と、基材の積層されてい
ない面に接着層とを設け、セラミックス薄膜および/ま
たは金属薄膜の膜厚を部分的に不均一に形成してなるこ
とを特徴とする偽造防止シールである。
なる光学特性を示すセラミックス薄膜、または金属薄
膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2
層以上積層してなる多層薄膜層と、基材の積層されてい
ない面に接着層とを設け、セラミックス薄膜および/ま
たは金属薄膜の膜厚を部分的に不均一に形成してなるこ
とを特徴とする偽造防止シールである。
【0014】請求項7記載の発明は、光透過可能な基材
上に複数の異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、ま
たは金属薄膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複
合薄膜を2層以上積層してなる多層薄膜層と、接着層と
を設け、セラミックス薄膜および/または金属薄膜の膜
厚を部分的に不均一に形成してなることを特徴とする偽
造防止シールである。
上に複数の異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、ま
たは金属薄膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複
合薄膜を2層以上積層してなる多層薄膜層と、接着層と
を設け、セラミックス薄膜および/または金属薄膜の膜
厚を部分的に不均一に形成してなることを特徴とする偽
造防止シールである。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項6又は7の
いずれかに記載の偽造防止シールにおいて多層薄膜層の
層間にパターン層を設けてなることを特徴とする。
いずれかに記載の偽造防止シールにおいて多層薄膜層の
層間にパターン層を設けてなることを特徴とする。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項6又は7の
いずれかに記載の偽造防止シールにおいて、パターン層
が無色透明インキであることを特徴とする。
いずれかに記載の偽造防止シールにおいて、パターン層
が無色透明インキであることを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項請求項6
又は7のいずれかに記載の偽造防止シールにおいて、パ
ターン層が墨色インキであることを特徴とする。
又は7のいずれかに記載の偽造防止シールにおいて、パ
ターン層が墨色インキであることを特徴とする。
【0018】請求項11記載の発明は、支持体上に、剥
離層、複数の異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、
または金属薄膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の
複合薄膜を2層以上積層してなり、かつ前記セラミック
ス薄膜および/または前記金属薄膜の膜厚を部分的に不
均一にしてなる多層薄膜層、接着層を設けてなることを
特徴とする偽造防止転写箔である。
離層、複数の異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、
または金属薄膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の
複合薄膜を2層以上積層してなり、かつ前記セラミック
ス薄膜および/または前記金属薄膜の膜厚を部分的に不
均一にしてなる多層薄膜層、接着層を設けてなることを
特徴とする偽造防止転写箔である。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項11の偽
造防止転写箔において、多層薄膜層の層間にパターン層
を設けてなることを特徴とする。
造防止転写箔において、多層薄膜層の層間にパターン層
を設けてなることを特徴とする。
【0020】請求項13記載の発明は、請求項12の偽
造防止転写箔において、パターン層が無色透明インキで
あることを特徴とする。
造防止転写箔において、パターン層が無色透明インキで
あることを特徴とする。
【0021】請求項14記載の発明は、請求項12の偽
造防止転写箔において、パターン層が墨色インキである
ことを特徴とする。
造防止転写箔において、パターン層が墨色インキである
ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して詳細に説明する。
面を参照して詳細に説明する。
【0023】図1(a)は本発明の偽造防止媒体の一実
施例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の偽
造防止媒体のX−X線における断面図であり、図2
(a)は本発明の偽造防止媒体の他の実施例を示す断面
図であり、図2(b)は図2(a)の偽造防止媒体のY
−Y線における断面図であり、図3は本発明の偽造防止
シールの一実施例を示す断面図であり、図4は本発明の
偽造防止シールの他の構成を示す断面図であり、図5は
本発明の偽造防止転写箔の一実施例を示す断面図であ
る。
施例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)の偽
造防止媒体のX−X線における断面図であり、図2
(a)は本発明の偽造防止媒体の他の実施例を示す断面
図であり、図2(b)は図2(a)の偽造防止媒体のY
−Y線における断面図であり、図3は本発明の偽造防止
シールの一実施例を示す断面図であり、図4は本発明の
偽造防止シールの他の構成を示す断面図であり、図5は
本発明の偽造防止転写箔の一実施例を示す断面図であ
る。
【0024】図1(a)の本発明の偽造防止媒体1は、
図1(b)の断面図に示すように、基材11、第1の薄
膜層12・第2の薄膜層13・第3の薄膜層14から構
成される多層薄膜層15、保護層16が順次積層され、
多層薄膜層15の第2の薄膜層13の中央部が凸状に厚
くなっており、膜厚が不均一に形成されている。これに
より偽造防止媒体1を正面からみると、その外観からは
基材11又は保護層16を通して多層薄膜層15の積層
された薄膜の光学特性と膜厚により得られる光の干渉作
用を利用した、特定の波長域に反射・透過特性から、観
察する位置により、この反射・透過特性が変化し、見え
る色が異なるカラーシフト(反射光の色変化)の効果が
見られ、さらにその中央部は赤く見え、両端に向かって
赤、橙、黄、緑、青、紫のように目視方向に応じてレイ
ンボー状に色が変化して見える。このように観察される
色の変化が多層膜膜固有の色変化に加え、多層薄膜層の
膜厚を不均一とした構成による色変化によることで、よ
り多彩な色を偽造防止媒体1に付与することができる。
図1(b)の断面図に示すように、基材11、第1の薄
膜層12・第2の薄膜層13・第3の薄膜層14から構
成される多層薄膜層15、保護層16が順次積層され、
多層薄膜層15の第2の薄膜層13の中央部が凸状に厚
くなっており、膜厚が不均一に形成されている。これに
より偽造防止媒体1を正面からみると、その外観からは
基材11又は保護層16を通して多層薄膜層15の積層
された薄膜の光学特性と膜厚により得られる光の干渉作
用を利用した、特定の波長域に反射・透過特性から、観
察する位置により、この反射・透過特性が変化し、見え
る色が異なるカラーシフト(反射光の色変化)の効果が
見られ、さらにその中央部は赤く見え、両端に向かって
赤、橙、黄、緑、青、紫のように目視方向に応じてレイ
ンボー状に色が変化して見える。このように観察される
色の変化が多層膜膜固有の色変化に加え、多層薄膜層の
膜厚を不均一とした構成による色変化によることで、よ
り多彩な色を偽造防止媒体1に付与することができる。
【0025】このように、部分的に多層薄膜層15を構
成する薄膜層の膜厚を不均一とするのは、多層に積層さ
れた薄膜の一部又は全部でもよく、また部分又は全面で
もよく、その形状は上記の凸状以外にも凹状、弧状、さ
らには連続的な構造とすることができ、適宜設定するこ
とができる。
成する薄膜層の膜厚を不均一とするのは、多層に積層さ
れた薄膜の一部又は全部でもよく、また部分又は全面で
もよく、その形状は上記の凸状以外にも凹状、弧状、さ
らには連続的な構造とすることができ、適宜設定するこ
とができる。
【0026】また、図2(b)に示す偽造防止媒体2
は、図1(b)の偽造防止媒体1の多層薄膜層15の層
間にパターン層17が設けられており、図2(b)に示
すように多層薄膜層15による視覚的効果に加え、パタ
ーン層17による文字などの可視情報Aを確認すること
ができる。
は、図1(b)の偽造防止媒体1の多層薄膜層15の層
間にパターン層17が設けられており、図2(b)に示
すように多層薄膜層15による視覚的効果に加え、パタ
ーン層17による文字などの可視情報Aを確認すること
ができる。
【0027】次に本発明の偽造防止媒体を構成する各層
について詳述する。基材11は、ポリエチレンテレフタ
レートが好ましく、それ以外でもポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂、ガラス等の
材料を、単層あるいは複合体として使用することができ
るが、ある程度の剛性および表面の平滑性を有していれ
ばよい。さらに基材11を通して多層薄膜層15、パタ
ーン層17を見る場合には、光透過可能な透明基材であ
る必要があり、とくに層構成によって光学特性が限定さ
れる場合もあるため、積層する多層薄膜層15や本発明
の偽造防止媒体1、2の用途などに応じて適宜選択され
る。
について詳述する。基材11は、ポリエチレンテレフタ
レートが好ましく、それ以外でもポリ塩化ビニル、ポリ
エステル、ポリカーボネイト、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂、ガラス等の
材料を、単層あるいは複合体として使用することができ
るが、ある程度の剛性および表面の平滑性を有していれ
ばよい。さらに基材11を通して多層薄膜層15、パタ
ーン層17を見る場合には、光透過可能な透明基材であ
る必要があり、とくに層構成によって光学特性が限定さ
れる場合もあるため、積層する多層薄膜層15や本発明
の偽造防止媒体1、2の用途などに応じて適宜選択され
る。
【0028】多層薄膜層15は、上記のように異なる光
学特性を有する薄膜を積層した、多層薄膜からなり金属
薄膜、セラミックス薄膜又はそれらを併設してなる複合
薄膜として積層形成されるが、例えば屈折率の異なる薄
膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を
組み合わせてもよく、また特定の組み合わせを交互に積
層するようにしてもよい。それらの組み合わせにより、
所望の多層薄膜層を得ることができる。例えば屈折率が
おおよそ2以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の
低屈折率材料を所定の膜厚で積層したものであり、具体
的にはセラミックスとしては、Sb2 O3 (屈折率:n
=3.0)、Fe2 O3 (n=2.7)、TiO2 (n
=2.6)、CdS(n=2.6)、CeO2 (n=
2.3)、ZnS(n=2.3)、PbCl2 (n=
2.3)、CdO(n=2.2)、Sb2 O3 (n=
2.0)、WO3 (n=2.0)、SiO(n=2.
0)、Si2 O3 (n=2.5)、In2 O3 (n=
2.0)、PbO(n=2.6)、Ta2 O3 (n=
2.4)、ZnO(n=2.1)、ZrO2 (n=2.
0)、SnO(n=2.0)、ITO(n=2.0)、
MgO(n=1.6)、SiO2 (n=1.5)、Mg
F2 (n=1.4)、CeF3 (n=1.6)、CaF
2 (n=1.3〜1.4)、AlF3 (n=1.6)、
Al2 O3 (n=1.6)、GaO(n=1.7)など
があり、金属単体もしくは合金の薄膜、例えばAl、F
e、Mg、Zn、Au、Ag,Cr、Ni、Ti、C
u、Siなど等がある。これらの高屈折率材料もしくは
30〜60%透過の金属薄膜より少なくとも一種、低屈
折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互
に積層させる事により、特定の波長の可視光に対する吸
収あるいは反射を示すものである。なお、金属から構成
される薄膜は構成材料の状態や形成条件などにより、屈
折率などの光学特性が変わってくるため、本発明の実施
例では一定の条件における値を用いている。
学特性を有する薄膜を積層した、多層薄膜からなり金属
薄膜、セラミックス薄膜又はそれらを併設してなる複合
薄膜として積層形成されるが、例えば屈折率の異なる薄
膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を
組み合わせてもよく、また特定の組み合わせを交互に積
層するようにしてもよい。それらの組み合わせにより、
所望の多層薄膜層を得ることができる。例えば屈折率が
おおよそ2以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の
低屈折率材料を所定の膜厚で積層したものであり、具体
的にはセラミックスとしては、Sb2 O3 (屈折率:n
=3.0)、Fe2 O3 (n=2.7)、TiO2 (n
=2.6)、CdS(n=2.6)、CeO2 (n=
2.3)、ZnS(n=2.3)、PbCl2 (n=
2.3)、CdO(n=2.2)、Sb2 O3 (n=
2.0)、WO3 (n=2.0)、SiO(n=2.
0)、Si2 O3 (n=2.5)、In2 O3 (n=
2.0)、PbO(n=2.6)、Ta2 O3 (n=
2.4)、ZnO(n=2.1)、ZrO2 (n=2.
0)、SnO(n=2.0)、ITO(n=2.0)、
MgO(n=1.6)、SiO2 (n=1.5)、Mg
F2 (n=1.4)、CeF3 (n=1.6)、CaF
2 (n=1.3〜1.4)、AlF3 (n=1.6)、
Al2 O3 (n=1.6)、GaO(n=1.7)など
があり、金属単体もしくは合金の薄膜、例えばAl、F
e、Mg、Zn、Au、Ag,Cr、Ni、Ti、C
u、Siなど等がある。これらの高屈折率材料もしくは
30〜60%透過の金属薄膜より少なくとも一種、低屈
折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互
に積層させる事により、特定の波長の可視光に対する吸
収あるいは反射を示すものである。なお、金属から構成
される薄膜は構成材料の状態や形成条件などにより、屈
折率などの光学特性が変わってくるため、本発明の実施
例では一定の条件における値を用いている。
【0029】上記した各種材料から屈折率、反射率、透
過率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性など
に基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層膜を形
成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜
厚、成膜速度、積層数、或いは光学膜厚(=n・d、
n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真
空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法や
CVD法などの化学的気相析出法を用いることができ
る。なお、本発明ではセラミックス・金属のみを開示し
ているが、セラミックス・金属と同等、或いは類似する
屈折率と反射率を有するものであれば、用いることが可
能である。
過率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着性など
に基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層膜を形
成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜
厚、成膜速度、積層数、或いは光学膜厚(=n・d、
n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真
空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出法や
CVD法などの化学的気相析出法を用いることができ
る。なお、本発明ではセラミックス・金属のみを開示し
ているが、セラミックス・金属と同等、或いは類似する
屈折率と反射率を有するものであれば、用いることが可
能である。
【0030】この多層薄膜層15の具体例としては、そ
の層厚が50〜2000nmの範囲であ り、また薄膜
の層構成は上記した高屈折率の材料からなる薄膜、例え
ばZnS、TiO2 、ZrO2 、In2 O3 、SnO、
ITO、CeO2 、ZnO、Ta2 O3 などと、上記し
た低屈折率の材料からなる薄膜、例えばMgF2 、Si
O2 、CaF2 、MgO、Al2 O3 などとを組み合わ
せであり、それらを交互に積層し、その積層数が2層以
上であり、好ましくは2層〜9層であるものが挙げられ
るが、なお用いられる材料、組み合わせにより多層膜の
光学特性が異なるため、これに限定されるものではな
い。
の層厚が50〜2000nmの範囲であ り、また薄膜
の層構成は上記した高屈折率の材料からなる薄膜、例え
ばZnS、TiO2 、ZrO2 、In2 O3 、SnO、
ITO、CeO2 、ZnO、Ta2 O3 などと、上記し
た低屈折率の材料からなる薄膜、例えばMgF2 、Si
O2 、CaF2 、MgO、Al2 O3 などとを組み合わ
せであり、それらを交互に積層し、その積層数が2層以
上であり、好ましくは2層〜9層であるものが挙げられ
るが、なお用いられる材料、組み合わせにより多層膜の
光学特性が異なるため、これに限定されるものではな
い。
【0031】なお、多層薄膜層15上の基材11が低屈
折率の有機ポリマーである場合には、この基材11に接
する次層は高屈折率であることが望ましい。一般的に分
光特性は層数に応じて変化する。さらに図示しないが、
基材11又は多層薄膜層15上に位置するように有色透
明のインキなどにより着色層(図示しない)を設け、よ
り色変化が多彩になり、かつ見やすくなることにより、
偽造防止効果を向上させることができる。
折率の有機ポリマーである場合には、この基材11に接
する次層は高屈折率であることが望ましい。一般的に分
光特性は層数に応じて変化する。さらに図示しないが、
基材11又は多層薄膜層15上に位置するように有色透
明のインキなどにより着色層(図示しない)を設け、よ
り色変化が多彩になり、かつ見やすくなることにより、
偽造防止効果を向上させることができる。
【0032】多層薄膜層15の虹色に変化させる、すな
わち多層薄膜層15を構成する薄膜の膜厚を部分的に不
均一とするには、成膜時に高屈折率材料、低屈折率材料
による薄膜の光学膜厚ndを変化させることによって設
定することができる。この膜圧を部分的に不均一とする
方法は、例えば真空蒸着法では、蒸着装置内に邪魔板を
取り付けることによって、蒸着時に発生するセラミッ
ク、金属の雲を不均一にして、基材11に吸着させるも
のがある。この膜厚を不均一にする方法は、薄膜形成機
器の設計によるところが大きいため、他の機器を用い
て、同様な虹色に変化するパターンを再現することは極
めて困難である。
わち多層薄膜層15を構成する薄膜の膜厚を部分的に不
均一とするには、成膜時に高屈折率材料、低屈折率材料
による薄膜の光学膜厚ndを変化させることによって設
定することができる。この膜圧を部分的に不均一とする
方法は、例えば真空蒸着法では、蒸着装置内に邪魔板を
取り付けることによって、蒸着時に発生するセラミッ
ク、金属の雲を不均一にして、基材11に吸着させるも
のがある。この膜厚を不均一にする方法は、薄膜形成機
器の設計によるところが大きいため、他の機器を用い
て、同様な虹色に変化するパターンを再現することは極
めて困難である。
【0033】多層薄膜層15の膜厚は合計で1μm以下
が望ましい。1μmを越えると柔軟性に乏しくなり、多
層薄膜層15にクラックが生じる場合があるためであ
る。
が望ましい。1μmを越えると柔軟性に乏しくなり、多
層薄膜層15にクラックが生じる場合があるためであ
る。
【0034】パターン層17は、文字、数字、マークや
絵柄などのデザイン等の目視可能な可視情報を多層薄膜
層17の層間に形成したものであり、複数の層からなる
多層薄膜層15の内の一つの層間であっても、二つ以上
の層間にそれぞれ可視情報を、また各層間の可視情報を
組み合わせるようにしてもよい。
絵柄などのデザイン等の目視可能な可視情報を多層薄膜
層17の層間に形成したものであり、複数の層からなる
多層薄膜層15の内の一つの層間であっても、二つ以上
の層間にそれぞれ可視情報を、また各層間の可視情報を
組み合わせるようにしてもよい。
【0035】この可視情報を構成するパターン層17
は、は水または有機溶剤に溶解する一般に用いられる高
分子材料を単体もしくは適量の顔料または染料を混ぜた
インキ状のもので形成され、この高分子材料として、具
体的にはポリビニルアルコール、メチルセルロース、エ
チルセルロース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル樹脂
の単独または共重合物、アクリル系、スチレン系、シリ
コン系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または共重合物
が使用できる。例えばパターン層13は上記高分子材料
に顔料または染料を添加しない無色透明インキや黒色の
顔料または染料を添加した墨色インキを用いて、グラビ
ア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法
等、またはインクジェット法等の塗布方法などの公知の
形成方法により設けられる。なお、パターン層17は上
記の無色透明インキ、墨色インキ以外の色としてもよ
く、また可視光領域以外に吸収又は反射を有する材料を
添加してもよく、偽造防止媒体1、2の用途などに応じ
て適宜選択することができる。
は、は水または有機溶剤に溶解する一般に用いられる高
分子材料を単体もしくは適量の顔料または染料を混ぜた
インキ状のもので形成され、この高分子材料として、具
体的にはポリビニルアルコール、メチルセルロース、エ
チルセルロース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル樹脂
の単独または共重合物、アクリル系、スチレン系、シリ
コン系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または共重合物
が使用できる。例えばパターン層13は上記高分子材料
に顔料または染料を添加しない無色透明インキや黒色の
顔料または染料を添加した墨色インキを用いて、グラビ
ア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの
印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法
等、またはインクジェット法等の塗布方法などの公知の
形成方法により設けられる。なお、パターン層17は上
記の無色透明インキ、墨色インキ以外の色としてもよ
く、また可視光領域以外に吸収又は反射を有する材料を
添加してもよく、偽造防止媒体1、2の用途などに応じ
て適宜選択することができる。
【0036】保護層16は、多層薄膜層を保護するもの
であり、多層薄膜層と接着性の良好な、水または有機溶
剤に溶解する一般に用いられる高分子材料を使用するこ
とができる。このような高分子材料として、具体的には
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセル
ロース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、線状の飽和ポリエステル、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル樹脂の単独
または共重合物、アクリル系、スチレン系、シリコン
系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または共重合物を公
知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロー
ルコート法等などの塗布方法等を用いることができる。
であり、多層薄膜層と接着性の良好な、水または有機溶
剤に溶解する一般に用いられる高分子材料を使用するこ
とができる。このような高分子材料として、具体的には
ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセル
ロース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、線状の飽和ポリエステル、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル樹脂の単独
または共重合物、アクリル系、スチレン系、シリコン
系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または共重合物を公
知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロー
ルコート法等などの塗布方法等を用いることができる。
【0037】次に図3は本発明の偽造防止シール3の構
成例を示す断面図であり、基材11上に多層薄膜層1
5、接着層18が積層されている。なお、各図中の同一
構成の箇所については同一の番号を付与し、詳細な説明
については省略する。
成例を示す断面図であり、基材11上に多層薄膜層1
5、接着層18が積層されている。なお、各図中の同一
構成の箇所については同一の番号を付与し、詳細な説明
については省略する。
【0038】この偽造防止シール3は被帖着物に接着層
18を介して接着固定するものであり、光透過性を有す
る基材11を通して視認できる、膜厚が不均一に形成さ
れた多層薄膜層15が設けられ、また図示しないが必要
に応じて図2と同様に多層薄膜層15の層間にパターン
層を設けることもできる。光透過性を有する基材11を
通してこの多層膜15の積層された薄膜の光学特性と膜
厚により得られる光の干渉作用を利用した、特定の波長
域に反射・透過特性から、観察する位置により、この反
射・透過特性が変化し、見える色が異なるカラーシフト
(反射光の色変化)の効果が見られ、さらにその中央部
は赤く見え、両端に向かって赤、橙、黄、緑、青、紫の
ように目視方向に応じてレインボー状に色が変化して見
える。このように観察される色の変化が多層膜膜固有の
色変化に加え、多層薄膜層の膜厚を不均一とした構成に
よる色変化によることで、より多彩な色を偽造防止シー
ル3に付与することができる。また、多層薄膜層15の
層間にパターン層を設ける場合には、多層薄膜層15に
よる視覚的効果に加え、パターン層による文字などの可
視情報を確認することができる。
18を介して接着固定するものであり、光透過性を有す
る基材11を通して視認できる、膜厚が不均一に形成さ
れた多層薄膜層15が設けられ、また図示しないが必要
に応じて図2と同様に多層薄膜層15の層間にパターン
層を設けることもできる。光透過性を有する基材11を
通してこの多層膜15の積層された薄膜の光学特性と膜
厚により得られる光の干渉作用を利用した、特定の波長
域に反射・透過特性から、観察する位置により、この反
射・透過特性が変化し、見える色が異なるカラーシフト
(反射光の色変化)の効果が見られ、さらにその中央部
は赤く見え、両端に向かって赤、橙、黄、緑、青、紫の
ように目視方向に応じてレインボー状に色が変化して見
える。このように観察される色の変化が多層膜膜固有の
色変化に加え、多層薄膜層の膜厚を不均一とした構成に
よる色変化によることで、より多彩な色を偽造防止シー
ル3に付与することができる。また、多層薄膜層15の
層間にパターン層を設ける場合には、多層薄膜層15に
よる視覚的効果に加え、パターン層による文字などの可
視情報を確認することができる。
【0039】さらに図5に示す本発明の偽造防止シール
4は図4に示す上記偽造防止シール3と構成は異なる
が、用途及び作用効果は同様である。基材11の両面に
多層薄膜層15、接着層18がそれぞれ積層され、被帖
着物に接着層18を介して接着固定するまた図示しない
が必要に応じて図2と同様に多層薄膜層15の層間にパ
ターン層17を設けることもできる。この偽造防止シー
ル4は上記のように観察される色の変化が多層膜膜固有
の色変化に加え、多層薄膜層の膜厚を不均一とした構成
による色変化によることで、より多彩な色が付与され
る。また、多層薄膜層15の層間にパターン層を設ける
場合には、多層薄膜層15による視覚的効果に加え、パ
ターン層による文字などの可視情報を確認することがで
きる。
4は図4に示す上記偽造防止シール3と構成は異なる
が、用途及び作用効果は同様である。基材11の両面に
多層薄膜層15、接着層18がそれぞれ積層され、被帖
着物に接着層18を介して接着固定するまた図示しない
が必要に応じて図2と同様に多層薄膜層15の層間にパ
ターン層17を設けることもできる。この偽造防止シー
ル4は上記のように観察される色の変化が多層膜膜固有
の色変化に加え、多層薄膜層の膜厚を不均一とした構成
による色変化によることで、より多彩な色が付与され
る。また、多層薄膜層15の層間にパターン層を設ける
場合には、多層薄膜層15による視覚的効果に加え、パ
ターン層による文字などの可視情報を確認することがで
きる。
【0040】接着層18は、接する多層薄膜層15又は
基材11を変質させたり、冒すものでなければ、一般的
な接着材料を用いることができる。例えば塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アク
リル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリ
イソブチル系等の粘着材を単独、もしくはアルキルメタ
クリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチ
レン、ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン
酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリル等に
代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬
化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加し
たものを用いることができる。接着層15の形成には公
知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロー
ルコート法等などの塗布方法等を用いることができる。
基材11を変質させたり、冒すものでなければ、一般的
な接着材料を用いることができる。例えば塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アク
リル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリ
イソブチル系等の粘着材を単独、もしくはアルキルメタ
クリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチ
レン、ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン
酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリル等に
代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬
化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加し
たものを用いることができる。接着層15の形成には公
知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印
刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロー
ルコート法等などの塗布方法等を用いることができる。
【0041】次に図5は、本発明の偽造防止転写箔5の
構成例を示す断面図である。偽造防止転写箔5は、支持
体19に剥離層20、多層蒸着層16、接着層21が設
けられた転写箔の構成である。この偽造防止転写箔5は
被転写物(例えばカード、商品券、証券、通帳、パスポ
ート、保証書、証明書など)に接着層21を介して接着
固定し、支持体19を剥離層20より剥離させ、被転写
物上に多層蒸着層16を転写形成するもであり、多層蒸
着層16からなる転写画像を形成することができる。転
写形成された画像は多層薄膜層15が視認され、その外
観からは多層薄膜層15の積層された薄膜の光学特性と
膜厚により得られる光の干渉作用を利用した、特定の波
長域に反射・透過特性を有し、観察する位置により、こ
の反射・透過特性が変化し、見える色が異なるカラーシ
フト(反射光の色変化)の効果が見られ、さらにその中
央部は赤く見え、両端に向かって赤、橙、黄、緑、青、
紫のように目視方向に応じてレインボー状に色が変化し
て見える。このように観察される色の変化が多層膜膜固
有の色変化に加え、多層薄膜層の膜厚を不均一とした構
成による色変化によることで、より多彩な色を呈する。
また、図示しないが、多層薄膜層15の層間にパターン
層を設ける場合には、多層薄膜層15による視覚的効果
に加え、パターン層による文字などの可視情報を確認す
ることができる。
構成例を示す断面図である。偽造防止転写箔5は、支持
体19に剥離層20、多層蒸着層16、接着層21が設
けられた転写箔の構成である。この偽造防止転写箔5は
被転写物(例えばカード、商品券、証券、通帳、パスポ
ート、保証書、証明書など)に接着層21を介して接着
固定し、支持体19を剥離層20より剥離させ、被転写
物上に多層蒸着層16を転写形成するもであり、多層蒸
着層16からなる転写画像を形成することができる。転
写形成された画像は多層薄膜層15が視認され、その外
観からは多層薄膜層15の積層された薄膜の光学特性と
膜厚により得られる光の干渉作用を利用した、特定の波
長域に反射・透過特性を有し、観察する位置により、こ
の反射・透過特性が変化し、見える色が異なるカラーシ
フト(反射光の色変化)の効果が見られ、さらにその中
央部は赤く見え、両端に向かって赤、橙、黄、緑、青、
紫のように目視方向に応じてレインボー状に色が変化し
て見える。このように観察される色の変化が多層膜膜固
有の色変化に加え、多層薄膜層の膜厚を不均一とした構
成による色変化によることで、より多彩な色を呈する。
また、図示しないが、多層薄膜層15の層間にパターン
層を設ける場合には、多層薄膜層15による視覚的効果
に加え、パターン層による文字などの可視情報を確認す
ることができる。
【0042】支持体19は、例えばポリエチレンテレフ
タレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹
脂、天然樹脂、紙、合成紙等が挙げられ、単独或いは組
み合わせてなる複合体として使用することができる。
タレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の合成樹
脂、天然樹脂、紙、合成紙等が挙げられ、単独或いは組
み合わせてなる複合体として使用することができる。
【0043】剥離層20は接着層15の接着力よりも小
さく、水または有機溶剤に溶解する一般に用いられる高
分子材料が使用できる。このような高分子材料としては
具体的には、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のメタク
リル樹脂の単独または共重合物、アクリル系、スチレン
系、シリコン系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または
共重合物が使用できる。剥離層20の形成には公知のグ
ラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法な
どの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコー
ト法等などの塗布方法等を用いることができる。また偽
造防止転写箔5は転写後、剥離層20が最外層になるた
め、保護層として多層薄膜層15を保護する機械的強
度、耐水性、耐薬品性などの耐性を有することが望まし
い。
さく、水または有機溶剤に溶解する一般に用いられる高
分子材料が使用できる。このような高分子材料としては
具体的には、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のメタク
リル樹脂の単独または共重合物、アクリル系、スチレン
系、シリコン系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または
共重合物が使用できる。剥離層20の形成には公知のグ
ラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法な
どの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコー
ト法等などの塗布方法等を用いることができる。また偽
造防止転写箔5は転写後、剥離層20が最外層になるた
め、保護層として多層薄膜層15を保護する機械的強
度、耐水性、耐薬品性などの耐性を有することが望まし
い。
【0044】本発明の偽造防止媒体及び偽造防止シー
ル、並びに偽造防止転写箔は、目視角度によって色が変
化する多層薄膜層の一部の層の膜厚を不均一にすること
により、カラーコピー等による偽造・改竄・変造などの
不正行為を防止することができ、また多層薄膜層の層間
に可視情報として文字等のパターンを透明又は墨色のイ
ンキ等で印刷形成することにより、パターンに重なる多
層薄膜層部分は光の干渉作用が起こらなくなるために目
視角度によって色が変化せず、カラーコピー機を用いて
偽造等をしようとしても、多層薄膜層部分および文字等
のパターン印刷部分は黒く写るため、上記のような不正
行為を発見を容易とし、またこのような不正行為を困難
とするなど、より一層の偽造防止効果を高めることがで
きる。さらに貼付する商品券等のデザインを損ねること
ないなど偽造防止対策を必要とする分野において広く使
用することができる。
ル、並びに偽造防止転写箔は、目視角度によって色が変
化する多層薄膜層の一部の層の膜厚を不均一にすること
により、カラーコピー等による偽造・改竄・変造などの
不正行為を防止することができ、また多層薄膜層の層間
に可視情報として文字等のパターンを透明又は墨色のイ
ンキ等で印刷形成することにより、パターンに重なる多
層薄膜層部分は光の干渉作用が起こらなくなるために目
視角度によって色が変化せず、カラーコピー機を用いて
偽造等をしようとしても、多層薄膜層部分および文字等
のパターン印刷部分は黒く写るため、上記のような不正
行為を発見を容易とし、またこのような不正行為を困難
とするなど、より一層の偽造防止効果を高めることがで
きる。さらに貼付する商品券等のデザインを損ねること
ないなど偽造防止対策を必要とする分野において広く使
用することができる。
【0045】
【実施例】本発明を、具体的な実施例として偽造防止シ
ールを挙げて詳細に説明する。 <実施例1>25μm厚の透明ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)樹脂シートを基材とし、基材上に下記
[薄膜層の組成1]からなる薄膜層をスパッタリング法
により一層形成し、次に下記[薄膜層の組成2]からな
る薄膜層を蒸着装置内に邪魔板を取り付けることによっ
て、蒸着時に発生する蒸着雲を変形させる真空蒸着法に
より中央部が凸状に厚くなるように所定の膜厚に形成
し、さらに下記[薄膜層の組成3]からなる薄膜層をス
パッタリング法により形成し多層薄膜層とした。続いて
下記[接着層の組成]からなる接着層をグラビア法で厚
さ10μmに形成し、離型紙と合わせて偽造防止シール
を得た。 ○[薄膜層の組成1] 金属薄膜層(高屈折率側) Al 20nm ○[薄膜層の組成2] 金属薄膜層(低屈折率側) SiO2 中央部430nm 両端部280nm 中央部から両端部にかけての膜厚は一定の割合で減少させてなる。 ○[薄膜層の組成3] 金属薄膜層 Al 100nm なお、基材/高屈折率側金属薄膜層/低屈折率側金属薄
膜層の順、または基材/高屈折率側金属薄膜層/低屈折
率側金属薄膜層/高屈折率側金属薄膜層/低屈折率側金
属薄膜層の順で設ける。 ○[接着層の組成] アクリル系樹脂 60部 (商品名:BPS5160 東洋インキ製造社製) 溶 剤 トルエン 4部 メチルエチルケトン(MEK) 5部 酢酸エチル 1部
ールを挙げて詳細に説明する。 <実施例1>25μm厚の透明ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)樹脂シートを基材とし、基材上に下記
[薄膜層の組成1]からなる薄膜層をスパッタリング法
により一層形成し、次に下記[薄膜層の組成2]からな
る薄膜層を蒸着装置内に邪魔板を取り付けることによっ
て、蒸着時に発生する蒸着雲を変形させる真空蒸着法に
より中央部が凸状に厚くなるように所定の膜厚に形成
し、さらに下記[薄膜層の組成3]からなる薄膜層をス
パッタリング法により形成し多層薄膜層とした。続いて
下記[接着層の組成]からなる接着層をグラビア法で厚
さ10μmに形成し、離型紙と合わせて偽造防止シール
を得た。 ○[薄膜層の組成1] 金属薄膜層(高屈折率側) Al 20nm ○[薄膜層の組成2] 金属薄膜層(低屈折率側) SiO2 中央部430nm 両端部280nm 中央部から両端部にかけての膜厚は一定の割合で減少させてなる。 ○[薄膜層の組成3] 金属薄膜層 Al 100nm なお、基材/高屈折率側金属薄膜層/低屈折率側金属薄
膜層の順、または基材/高屈折率側金属薄膜層/低屈折
率側金属薄膜層/高屈折率側金属薄膜層/低屈折率側金
属薄膜層の順で設ける。 ○[接着層の組成] アクリル系樹脂 60部 (商品名:BPS5160 東洋インキ製造社製) 溶 剤 トルエン 4部 メチルエチルケトン(MEK) 5部 酢酸エチル 1部
【0046】上記偽造防止シールを商品券等の被帖着物
に添付してカラーコピーを行なったところ、偽造防止シ
ールのパターン層の部分は再現されるものの、真正品は
目視角度によって色が変化(カラーシフト)して見える
とともに、多層薄膜層の中央部が赤く見え、その両端に
向かって赤、橙、黄、緑、青、紫のように目視方向に応
じてレインボー状に色が変化して見えるのに対して、複
製品は多層薄膜層の部分が黒く写るため、偽造行為を容
易に発見することができた。
に添付してカラーコピーを行なったところ、偽造防止シ
ールのパターン層の部分は再現されるものの、真正品は
目視角度によって色が変化(カラーシフト)して見える
とともに、多層薄膜層の中央部が赤く見え、その両端に
向かって赤、橙、黄、緑、青、紫のように目視方向に応
じてレインボー状に色が変化して見えるのに対して、複
製品は多層薄膜層の部分が黒く写るため、偽造行為を容
易に発見することができた。
【0047】<実施例2>25μm厚の透明ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)樹脂シートを支持体とし、
基材上に実施例1と同様に[薄膜層の組成1]からなる
薄膜層、[薄膜層の組成2]からなる薄膜層を形成した
後、下記[パターン層の組成1]からなる文字等のパタ
ーン層をグラビア法で厚さ1μmに形成した。さらに実
施例1と同様に[薄膜層の組成3]からなる薄膜層を形
成した。続いて下記[接着層の組成]からなる接着層を
グラビア法で厚さ2μmに形成し、離型紙と合わせて偽
造防止シールを得た。 ○[パターン層の組成1] アクリル系樹脂 20部 (商品名:BR−80 三菱レーヨン社製) 溶 剤 トルエン 40部 メチルエチルケトン(MEK) 35部 酢酸エチル 5部 ○[接着層の組成] 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 30部 ポリエステル樹脂 20部 50部 トルエン 50部
ンテレフタレート(PET)樹脂シートを支持体とし、
基材上に実施例1と同様に[薄膜層の組成1]からなる
薄膜層、[薄膜層の組成2]からなる薄膜層を形成した
後、下記[パターン層の組成1]からなる文字等のパタ
ーン層をグラビア法で厚さ1μmに形成した。さらに実
施例1と同様に[薄膜層の組成3]からなる薄膜層を形
成した。続いて下記[接着層の組成]からなる接着層を
グラビア法で厚さ2μmに形成し、離型紙と合わせて偽
造防止シールを得た。 ○[パターン層の組成1] アクリル系樹脂 20部 (商品名:BR−80 三菱レーヨン社製) 溶 剤 トルエン 40部 メチルエチルケトン(MEK) 35部 酢酸エチル 5部 ○[接着層の組成] 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 30部 ポリエステル樹脂 20部 50部 トルエン 50部
【0048】上記偽造防止シールを140℃の熱プレス
機を用いて商品券等の被帖着物に添付してカラーコピー
を行なったところ、真正品は目視角度によって色が変化
(カラーシフト)して見えるとともに、多層薄膜層の中
央部が赤く見え、その両端に向かって赤、橙、黄、緑、
青、紫のように目視方向に応じてレインボー状に色が変
化して見えるのに対して、複製品は偽造防止シールのパ
ターン層の部分および多層薄膜層の部分の両方が黒く写
るため、偽造行為を容易に発見することができた。
機を用いて商品券等の被帖着物に添付してカラーコピー
を行なったところ、真正品は目視角度によって色が変化
(カラーシフト)して見えるとともに、多層薄膜層の中
央部が赤く見え、その両端に向かって赤、橙、黄、緑、
青、紫のように目視方向に応じてレインボー状に色が変
化して見えるのに対して、複製品は偽造防止シールのパ
ターン層の部分および多層薄膜層の部分の両方が黒く写
るため、偽造行為を容易に発見することができた。
【0049】
【発明の効果】本発明の偽造防止媒体及び偽造防止シー
ル、並びに偽造防止転写箔は、目視角度によって色が変
化する多層薄膜層を備え、かつ部分的に多層薄膜層を構
成する薄膜層の膜厚を不均一とすることにより、観察す
る位置により、この反射・透過特性が変化し、見える色
が異なるカラーシフト(反射光の色変化)の効果が見ら
れ、さらにその中央部は赤く見え、両端に向かって赤、
橙、黄、緑、青、紫のように目視方向に応じてレインボ
ー(虹)状に色が変化して見えるように、観察される色
の変化が多層膜膜固有の色変化に加え、多層薄膜層の膜
厚を不均一とした構成による色変化から、目視による偽
造・変造・改竄などの不正行為の事実を肉眼により簡単
に判定することができ、偽造防止シール、偽造防止転写
箔により商品券などの金券、有価証券等に貼付した場
合、そのデザインを損ねることなく、カラーコピー等に
よる不正行為を防止することが可能となる。
ル、並びに偽造防止転写箔は、目視角度によって色が変
化する多層薄膜層を備え、かつ部分的に多層薄膜層を構
成する薄膜層の膜厚を不均一とすることにより、観察す
る位置により、この反射・透過特性が変化し、見える色
が異なるカラーシフト(反射光の色変化)の効果が見ら
れ、さらにその中央部は赤く見え、両端に向かって赤、
橙、黄、緑、青、紫のように目視方向に応じてレインボ
ー(虹)状に色が変化して見えるように、観察される色
の変化が多層膜膜固有の色変化に加え、多層薄膜層の膜
厚を不均一とした構成による色変化から、目視による偽
造・変造・改竄などの不正行為の事実を肉眼により簡単
に判定することができ、偽造防止シール、偽造防止転写
箔により商品券などの金券、有価証券等に貼付した場
合、そのデザインを損ねることなく、カラーコピー等に
よる不正行為を防止することが可能となる。
【0050】また、多層薄膜層の層間に文字等のパター
ン層を設けると、この多層薄膜層の有する、観察する位
置によって反射・透過特性が変化し、見える色が異なる
カラーシフト(反射光の色変化)の効果が、パターン層
の部分により多層薄膜層と異なる色の変化を示すため、
より目視による偽造・変造・改竄などの不正行為の事実
を肉眼により簡単に判定することができ、カラーコピー
等による不正行為を防止することが可能となる。
ン層を設けると、この多層薄膜層の有する、観察する位
置によって反射・透過特性が変化し、見える色が異なる
カラーシフト(反射光の色変化)の効果が、パターン層
の部分により多層薄膜層と異なる色の変化を示すため、
より目視による偽造・変造・改竄などの不正行為の事実
を肉眼により簡単に判定することができ、カラーコピー
等による不正行為を防止することが可能となる。
【0051】さらに本発明では多層薄膜層を構成する薄
膜の膜厚を不均一にする方法は、薄膜形成機器の設計に
よるところが大きいため、他の機器を用いて、同様なレ
インボー(虹)状に変化するパターンを再現することは
極めて困難である。
膜の膜厚を不均一にする方法は、薄膜形成機器の設計に
よるところが大きいため、他の機器を用いて、同様なレ
インボー(虹)状に変化するパターンを再現することは
極めて困難である。
【図1】(a)は本発明の偽造防止媒体の一実施例を示
す平面図であり、(b)は(a)の偽造防止媒体のX−
X線における断面図である。
す平面図であり、(b)は(a)の偽造防止媒体のX−
X線における断面図である。
【図2】(a)は本発明の偽造防止媒体の他の実施例を
示す断面図であり、(b)は(a)の偽造防止媒体のY
−Y線における断面図である。
示す断面図であり、(b)は(a)の偽造防止媒体のY
−Y線における断面図である。
【図3】本発明の偽造防止シールの一実施例を示す断面
図である。
図である。
【図4】本発明の偽造防止シールの他の構成例を示す断
面図である。
面図である。
【図5】本発明の偽造防止転写箔の一実施例を示す断面
図である。
図である。
1、2 偽造防止媒体 3、4 偽造防止シール 5 偽造防止転写箔 A 可視情報 11 基材 12 第1の薄膜層 13 第2の薄膜層 14 第3の薄膜層 15 多層薄膜層 16 保護層 17 パターン層 18、21 接着層 19 支持体 20 剥離層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 3/02 G09F 3/02 A 3/03 3/03 Z
Claims (14)
- 【請求項1】基材上に複数の異なる光学特性を示すセラ
ミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラミックス薄
膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層してなる多層薄
膜層を設け、前記セラミックス薄膜および/または前記
金属薄膜の膜厚を部分的に不均一にしてなることを特徴
とする偽造防止媒体。 - 【請求項2】前記多層薄膜層の層間にパターン層を設け
てなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒
体。 - 【請求項3】前記パターン層が無色透明インキであるこ
とを特徴とする請求項2記載の偽造防止媒体。 - 【請求項4】前記パターン層が墨色インキであることを
特徴とする請求項2記載の偽造防止媒体。 - 【請求項5】前記基材が光透過性を有することを特徴と
する請求項1に記載の偽造防止媒体。 - 【請求項6】基材上に複数の異なる光学特性を示すセラ
ミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラミックス薄
膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層してなる多層薄
膜層と、前記基材の積層されていない面に接着層とを設
け、前記セラミックス薄膜および/または前記金属薄膜
の膜厚を部分的に不均一に形成してなることを特徴とす
る偽造防止シール。 - 【請求項7】光透過可能な基材上に複数の異なる光学特
性を示すセラミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセ
ラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層し
てなる多層薄膜層と、接着層とを設け、前記セラミック
ス薄膜および/または前記金属薄膜の膜厚を部分的に不
均一に形成してなることを特徴とする偽造防止シール。 - 【請求項8】前記多層薄膜層の層間にパターン層を設け
てなることを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記
載の偽造防止シール。 - 【請求項9】前記パターン層が無色透明インキであるこ
とを特徴とする請求項8記載の偽造防止シール。 - 【請求項10】前記パターン層が墨色インキであること
を特徴とする請求項8記載の偽造防止シール。 - 【請求項11】支持体上に、剥離層、複数の異なる光学
特性を示すセラミックス薄膜、または金属薄膜、或いは
セラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層
してなり、かつ前記セラミックス薄膜および/または前
記金属薄膜の膜厚を部分的に不均一にしてなる多層薄膜
層、接着層を設けてなることを特徴とする偽造防止転写
箔。 - 【請求項12】前記多層薄膜層の層間にパターン層を設
けてなることを特徴とする請求項11に記載の偽造防止
転写箔。 - 【請求項13】前記パターン層が無色透明インキである
ことを特徴とする請求項12記載の偽造防止転写箔。 - 【請求項14】前記パターン層が墨色インキであること
を特徴とする請求項12記載の偽造防止転写箔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8232958A JPH1076746A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8232958A JPH1076746A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1076746A true JPH1076746A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16947541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8232958A Pending JPH1076746A (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1076746A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002137600A (ja) * | 2000-11-07 | 2002-05-14 | Toppan Printing Co Ltd | 貼り替え防止シール |
JP2003500665A (ja) * | 1999-05-25 | 2003-01-07 | キネティック リミテッド | 特殊用途の表面 |
JP2008119909A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-05-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 偽造防止材及びこれを備えた印刷基材 |
JP2012152980A (ja) * | 2011-01-25 | 2012-08-16 | Toppan Printing Co Ltd | 金属薄膜層を有する偽造防止媒体及び偽造防止用紙 |
JP2012153013A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙 |
JP2014215383A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 凸版印刷株式会社 | 表示体、表示体付き物品およびそれらの真偽判定方法 |
WO2019100291A1 (zh) * | 2017-11-23 | 2019-05-31 | 深圳市矩阵多元科技有限公司 | 一种防伪标签的制作方法及防伪标签 |
-
1996
- 1996-09-03 JP JP8232958A patent/JPH1076746A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003500665A (ja) * | 1999-05-25 | 2003-01-07 | キネティック リミテッド | 特殊用途の表面 |
JP2002137600A (ja) * | 2000-11-07 | 2002-05-14 | Toppan Printing Co Ltd | 貼り替え防止シール |
JP2008119909A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-05-29 | Dainippon Printing Co Ltd | 偽造防止材及びこれを備えた印刷基材 |
JP2012152980A (ja) * | 2011-01-25 | 2012-08-16 | Toppan Printing Co Ltd | 金属薄膜層を有する偽造防止媒体及び偽造防止用紙 |
JP2012153013A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙 |
JP2014215383A (ja) * | 2013-04-24 | 2014-11-17 | 凸版印刷株式会社 | 表示体、表示体付き物品およびそれらの真偽判定方法 |
WO2019100291A1 (zh) * | 2017-11-23 | 2019-05-31 | 深圳市矩阵多元科技有限公司 | 一种防伪标签的制作方法及防伪标签 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR0169517B1 (ko) | 투명 홀로그램 시일 | |
EP1198357B1 (en) | Diffractive surfaces with color shifting backgrounds | |
EP1849621B1 (en) | Optically variable security devices | |
US4930866A (en) | Thin film optical variable article and method having gold to green color shift for currency authentication | |
AU2001211949A1 (en) | Optically variable security devices | |
JP2009134094A (ja) | 回折構造転写箔及びそれを用いた偽造防止媒体 | |
JP3601144B2 (ja) | 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔 | |
RU2419550C2 (ru) | Структура защиты данных | |
JPH10100573A (ja) | 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 | |
JPH11224050A (ja) | 偽造防止媒体、シール及び転写箔 | |
JPH1076746A (ja) | 偽造防止媒体及び偽造防止シール、並びに偽造防止転写箔 | |
JP4487521B2 (ja) | 偽造防止媒体および偽造防止シール | |
JP5633391B2 (ja) | 金属薄膜層を有する偽造防止媒体及び偽造防止用紙 | |
JP4816895B2 (ja) | 磁気転写シート及び磁気記録媒体 | |
JPH1158581A (ja) | 偽造防止用積層材料 | |
JPH0997011A (ja) | シール | |
JPH07146650A (ja) | 脆性シール | |
JP2005091699A (ja) | 偽造防止媒体および偽造防止シール | |
JP5304109B2 (ja) | 表示体及び光学効果機能の発現方法 | |
JP2797944B2 (ja) | 透明ホログラムシール | |
JP2002046339A (ja) | Ovd形成体、それを用いた真偽判定方法、及びovd転写箔 | |
JP3387320B2 (ja) | 複写偽造防止が施された有価証券 | |
JP2011002749A (ja) | セキュリティフィルムおよび転写箔 | |
JPH0895491A (ja) | 脆性シール | |
JPH1049647A (ja) | 偽造防止媒体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050412 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050802 |