JPH0997011A - シール - Google Patents

シール

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Publication number
JPH0997011A
JPH0997011A JP25261595A JP25261595A JPH0997011A JP H0997011 A JPH0997011 A JP H0997011A JP 25261595 A JP25261595 A JP 25261595A JP 25261595 A JP25261595 A JP 25261595A JP H0997011 A JPH0997011 A JP H0997011A
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JP
Japan
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layer
seal
refractive index
films
optical
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Application number
JP25261595A
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English (en)
Inventor
Takahiro Harada
隆宏 原田
Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】偽造・変造が困難な、真偽判別が容易なユニー
クな色調と色彩を有し、さらには不正行為の事実を肉眼
により簡単に判定可能な偽造改竄防止用のシールであ
り、また脆性破壊により不正行為の発見が容易なシール
を提供する。 【解決手段】光学的機能層に異なる光学特性を示すセラ
ミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラミックス薄
膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層してなる多層膜
であり、この多層膜は多種多様な組合せにより異なる層
構成の多層膜として同一基材上に2つ以上設けることに
より、多層膜の光学的干渉作用に起因した特定の特定の
波長領域の光線を反射及び吸収、あるいは透過させると
いう性質を有し、かつ見る角度を変化させることで機能
層の膜厚が変化することから、波長領域がシフトし、色
が異なって見えるというカラーシフト効果を複数の多層
膜の組合せから多彩な色彩効果として得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視角の変化に応じ
て、反射色の変化を生じる多層膜を光学的機能層として
形成してなるシールに係り、とくに目視による真贋の判
定が容易であり、かつ偽造・改竄・変造を困難とし、剥
離後の再利用を防止するシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、偽造を防止する手段は、物品その
ものを真似することが困難なものとするか、或いは真似
することが困難なものを本物であることの証明として物
品に取りつけることにより、本物と偽物を区別できるよ
うにするものがある。後者の代表的なものとして、近年
多用されているホログラムがある。ホログラムにはレリ
ーフ型ホログラム、回折格子、リップマン型ホログラム
などがある。この中で、例えばレリーフ型ホログラム
は、画像を微細な凹凸状に形成したものであり、これに
より光の回折と干渉により見る角度(すなわち、ホログ
ラムを支持している角度)に応じて、固有のカラーシフ
ト(反射光の色変化)を生じ、観察する位置により見え
る色が異なるものであるため、その状態の有無を確認す
ることにより、真正物であるか否かを容易に判定するこ
とができる。また特定の情報を表す微細な回折格子の組
み合わせを用いたバーコードパターンは、上述の視覚に
よる読み取り以外に、回折格子の方向に応じて反射され
る光を光学読み取り装置により検出することにより特定
の情報を読み出すことができる。これらはエンボス加工
により大量生産が可能であるため、製造が容易、かつ低
コストであるという効果を有している。これらは装飾と
しての用途以外で、例えばカード、紙幣、証明書類など
のセキュリティ(安全性)を求められる分野で用いられ
ている。
【0003】また上述のホログラムと同様の見る角度に
よるカラーシフト(反射光の色変化)の効果を有するも
のとして、例えば特開昭61−105509号公報に開
示されているように、基材にセラミックスや金属などの
薄膜で、光学特性の異なるものを積層した多層膜があ
る。これらは薄膜の光学特性と膜厚により得られる光の
干渉作用を利用したものであり、特定の波長域に反射・
透過特性を有し、観察する位置により、この反射・透過
特性が変化し、見える色が異なるため、その状態の有無
を確認することにより、真正物であるか否かを容易に判
定することができる。
【0004】これらカラーシフト(反射光の色変化)
は、視角による色の変化は偽造物に対して真偽の判定を
可能とし、とくにコピー機、カラーコピー機などにより
不正に複写したものでその特性を再現することが不可能
であるため、偽造・変造を困難とし、偽造・変造された
ものの使用を諦めさせる効果を有する。
【0005】その形態は、例としてホログラムを挙げる
と、シール、または転写箔、転写シートとして、ホログ
ラムを保持し、これらを貼着、または転写により、所望
のものにホログラムを形成するものである。さらにより
高いセキュリティの付加として、とくに層構成を考慮
し、シールを剥離困難とするか、或いは剥離後再生困難
となるように構成されており、一度貼り付けた後、これ
を剥離するとホログラムの一部若しくは全体が破壊され
ることで、偽造だけでなく、改竄など物品になんらかの
手が加えられたことが、一目で判別できるとしたもので
ある。上述のセラミックスや金属などの多層膜について
も同様に実施できるものである。
【0006】具体的な先行技術の例として、実公昭46
−4432号公報に記載されるように、透明なプラスチ
ック基材の裏側に部分的に剥離層を設け、それがパター
ン状になっており、その上に粘着層を設けたものがあ
る。また実公平3−7372号公報に記載されるよう
に、透明なフィルム基材の裏側に透明な剥離層を部分的
に形成し、それに重ねて印刷表示部層を設けたものがあ
り、さらには実公平4−17554号公報に記載される
ように、再粘着防止粘着シートが開示されている。な
お、上記した剥離層をパターンニングしたシートや再粘
着防止粘着シートは剥離することにより、その機能を発
現するものであって、これらが偽造を防止しようとする
ものに貼ってある状態では、シートそのものについて判
別しがたいものである。
【0007】また、偽造防止機能を備えたシールにあっ
ては、本物か偽物かを容易に判別できる、シール自体の
構成を見破りにくい、周囲の環境による偽造防止機能が
変化しないなどの要求がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
コピー技術の発達により、高度な微細化による真偽の判
別は、微細な箇所を拡大して見るか、或いは本物と比較
するなど余程注意して見なければ見逃してしまうため、
またその場所の明るさや確認時間を十分にとらなければ
ならないなど、現実の取引状態に合わなくなってきてい
る。また素材を特殊としても、全く特異な素材とするこ
とはできず、またコスト的にも高くなり現実てきではな
い。また上述のようなホログラムは、ホログラム原理や
層など構成が簡単であるため、偽造されやすくなりつつ
あることから、これによる偽造防止効果も薄れてきてい
る。
【0009】基材にセラミックスや金属などの薄膜で、
光学特性の異なるものを積層した多層膜は、非常に簡易
な真偽判別が可能であり、多層膜の構成も判りいにくい
ため偽造防止効果が高いものである反面、基材の表面に
一様に、或いはパターンとして一構成の多層膜のみを形
成したため、カラーシフトも単一のものにならざるを得
ず、色彩・デザインに乏しいとする欠点を有している。
さらには比較的単純な構成では偽造の恐れが無いとは言
えず、より高度なセキュリティ技術が求められている。
【0010】そこで本発明は、多層膜のカラーシフト効
果を利用した特定のパターンを用いて、偽造・変造が困
難であり、真偽判別が容易なユニークな色調と色彩を有
し、さらには偽造・変造などの不正行為の事実を肉眼に
より簡単に判定可能な偽造改竄防止用のシールであり、
また脆性破壊により不正行為の発見が容易なシールを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載される発
明は、基材上に、光学的機能層、接着層を積層してなる
シールにおいて、光学的機能層が複数の異なる光学特性
を示すセラミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラ
ミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層して
なる多層膜であり、かつ異なる層構成の多層膜を同一基
材上に2つ以上設けてなるカラーシフト効果による識別
性を有することを特徴とするシールである。
【0012】請求項2に記載される発明は、請求項1に
記載のシールにおいて、光学的機能層の片面または両面
の一部に剥離層を設けてなることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載される発明は、請求項1又
は2に記載のシールにおいて、同一基材上に複数配置さ
れる、異なる層構成からなる多層膜の少なくとも一つに
より文字、数字、模様などの特定のパターンを形成して
なること特徴をとする。
【0014】請求項4に記載される発明は、請求項1〜
3に記載のシールにおいて、光学的機能層の片面または
両面の一部に印刷層を設けてなることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載される発明は、請求項1〜
4記載のシールにおいて、セラミックス薄膜は硫化亜
鉛、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化インジウ
ム、酸化錫、インジウム錫酸化物、酸化タンタル、酸化
セリウム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、二酸化珪
素、フッ化カルシウム、フッ化セリウム、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウムの中から選択さ
れる単体又はそれらの混合物から形成されることを特徴
とする。
【0016】請求項6に記載される発明は、請求項1〜
4に記載のシールにおいて、金属薄膜はクロム、ニッケ
ル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金、銅、珪素、ニ
ッケルの中から選択される単体又はそれらの混合物、合
金から形成されることを特徴とする。
【0017】請求項7に記載される発明は、請求項1〜
6に記載のシールにおいて、多層膜が高屈折率層と低屈
折率層との組み合わせからなることを特徴とする。
【0018】請求項8に記載される発明は、請求項7に
記載のシールにおいて、多層膜が高屈折率層と低屈折率
層との組み合わせを交互に配置してなることを特徴とす
る。
【0019】請求項9に記載される発明は、請求項1〜
6に記載のシールにおいて、光学的機能層の接着層側の
面に着色層を設けたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。
【0021】図1は本発明のシールの構成を示す断面図
であり、図2は本発明の他の実施例のシールの構成を示
す断面図であり、図3は本発明の他の実施例のシールの
剥離前後の状態を示す断面図であり、図4は本発明のシ
ールの光学的機能層である層構成の異なる複数の多層膜
により形成されたパターン形状の一例を示す平面図であ
る。
【0022】図1は本発明のシール1であり、基材2上
に光学的機能層3、接着層4が積層されている。光学的
機能層3は異なる光学特性(屈折率:n−ik、ikは
複屈折であり、iは虚数、kは係数である)を示すセラ
ミックス薄膜、または金属薄膜、或いはセラミックス薄
膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以上積層してなる多層膜
であり、この多層膜を異なる層構成の多層膜3−a、3
−bとして同一平面上に形成したものである。この多層
膜は異なる層構成のものを2種類以上設けることが可能
である。ここで異なる層構成とは多層膜の光学特性が異
なるように、各薄膜の構成及び組成、材料、厚さなどを
任意に設定したものであり、とくに組成、材料の組み合
わせ、薄膜の積層数や厚さなどはとくに制限されるもの
ではなく、得られる多層膜の光学特性がそれぞれ異なる
ものであればよい。本発明の多層膜の形成した例として
図4に示すように特定のパターン10、例えば文字、数
字、模様などを表すことができる。図4では”HIT”
の文字の背景を多層膜3−bにより、また文字を多層膜
3−aにより表現したものであり、それぞれ異なる光学
特性である多種類の多層膜3−X(Xは同一基材面上に
配置される多層膜の種類)を用いて任意のパターンを表
すことができる。
【0023】この光学的機能層3は、それを構成する多
層膜により所定の波長領域の光線を反射あるいは透過さ
せることならびに見る角度を変えることにより薄膜内の
光路長が変化し、透過光或いは反射光の色が変わって見
えるものである。これにより識別性を向上させ、さらに
異なる光学特性を示す複数の多層膜を用いることで、例
えば特定のパターンなどを表示可能にして、高い偽造防
止性を発揮すものである。
【0024】本発明の多層膜を構成する各薄膜には、セ
ラミックスとして硫化亜鉛(屈折率n=2.3)、二酸
化チタン(n=2.4)、二酸化ジルコニウム(n=
2.0)、酸化インジウム(n=2.0)、酸化錫(n
=2.0)、インジウム錫酸化物(n=2.0)、酸化
タンタル(n=2.2)、酸化セリウム(n=2.
2)、酸化亜鉛(n=2.0)、フッ化マグネシウム
(n=1.4)、二酸化珪素(n=1.5)、フッ化カ
ルシウム(n=1.4)、フッ化セリウム(n=1.
6)、酸化アルミニウム(n=1.6)、酸化マグネシ
ウム(n=1.6)、酸化ガリウム(n=1.7)等の
中から選択される単体又はそれらの混合物などが挙げら
れ、また金属としてはクロム、ニッケル、アルミニウ
ム、鉄、チタン、銀、金、銅、珪素、ニッケル等の中か
ら選択される単体又はそれらの混合物、合金などが挙げ
られる。なお、金属から構成される薄膜は構成材料の状
態や形成条件などにより、屈折率などの光学特性が変わ
ってくるため、本発明の実施例では一定の条件における
値を用いている。上記した各種材料から屈折率、反射
率、透過率等の光学特性や耐候性、耐薬品性、層間密着
性などに基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層
膜を形成する。形成方法は公知の手法を用いることがで
き、膜厚、成膜速度、積層数、或いは光学膜厚(=n・
d、n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常
の真空蒸着法、スパッタリング法などの物理的気相析出
法やCVD法などの化学的気相析出法を用いることがで
きる。なお、本発明ではセラミックス・金属のみを開示
しているが、セラミックス・金属と同等、或いは類似す
る屈折率と反射率を有するものであれば、用いることが
可能である。
【0025】異なる光学特性を有する多層膜としては、
上記の金属薄膜、セラミックス薄膜又はそれらを併設し
てなる複合薄膜として積層形成されるが、例えば屈折率
の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折
率の薄膜を組み合わせてもよく、また特定の組み合わせ
を交互に積層するようにしてもよい。それらの組み合わ
せにより、所望の多層膜を得ることができる。
【0026】また他の異なる光学特性を有する多層膜を
形成する方法として、薄膜の積層数や膜厚を制御して、
同様の組成の薄膜であっても光学特性に差異を持たせる
ことも可能であり、とくに薄膜の積層数を多層膜によっ
て変える方法では、マスクや防着板等を用いて、つまり
意図的に成膜しない部分を作製すればよく、積層回数、
積層工程の変更せずに多層膜の層構成を異ならせること
ができる。これによれば製造コストを増加させることが
なく、経済性を高めることが可能である。
【0027】この光学的機能層3の例として、その層厚
が50〜2000nmの範囲であり、薄膜の層構成は、
高屈折率の薄膜、例えば硫化亜鉛、二酸化チタン、二酸
化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化錫、インジウム
金属酸化物、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化タンタルな
どと低屈折率の薄膜、例えばフッ化マグネシウム、二酸
化珪素、フッ化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウムなどを組み合わせであり、それらを交互に積
層し、その積層数が2層以上であり、好ましくは2層〜
9層であるものが挙げられるが、なお用いられる材料、
組み合わせにより多層膜の光学特性が異なるため、これ
に限定されるものではない。
【0028】なお、光学的機能層3上の基材2が有機ポ
リマーで低屈折率であるため、この基材2に接する次層
は高屈折率であることが望ましい。一般的に分光特性は
層数に応じて変化する。本実施例のシール1は基材2保
護層3を含め層数は偶数であるが光学的機能層3は奇数
としている。さらに図示しないが、光学的機能層3上に
シール1にセラミックあるいは有色透明のインキにより
着色層を設け、より色変化が多彩になり、かつ見やすく
なることにより、偽造防止効果を向上させることができ
る。
【0029】光学的機能層3の膜厚は合計で1μm以下
が望ましい。1μmを越えると柔軟性に乏しくなり、光
学的機能層3にクラックが生じる場合があるためであ
る。
【0030】基材2は、これを通して機能層4を見るの
で十分な透明性を有することが必要であり、さらにある
程度の剛性および表面の平滑性を有していればよく、と
くに限定されるものではない。例えばポリエステルフィ
ルム、ポリオレフィンフィルム等の高分子フィルムがあ
げられる。また影響の無い範囲で着色剤により着色する
ことも可能である。なお、この他にもその用途によって
は目止め加工した紙や、アルミ箔などの金属箔も基材と
して用いることもできる。また基材2のもう一方の面に
は、障害とならない範囲で絵柄や文字などの印刷層(図
示しない)を設けてもよく、これを保護するために保護
層(図示しない)を必要に応じて設けることができる。
【0031】接着層4は、接する光学的機能層3を変質
させたり、冒すものでなければ、通常、用いられる接着
剤を用いることができる。例えば塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、アクリル系接着剤、ポリエステル系ポリア
ミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0032】次に図2は本発明の他の実施例のシール1
1の構成を示す断面図であり、基材2上に光学的機能層
3、印刷層5、接着層4が積層されている。なお、基材
2、光学的機能層3、接着層4は図1に記載の実施例の
ものと同一であるので、ここでは説明を省略する。印刷
層5は光学的機能層3の片面或いは両面に部分的に形成
するか、もしくは実質的にそのような状態となるように
形成されればよい。例えば図3に示す構成のように上面
(基材2側)から光学的機能層3を介して印刷層5の一
部が見えるように構成するものである。印刷層5として
形成されるパターンは任意であり、文字、数字、絵柄、
模様、デザインなどであり、形成方法も公知のグラビア
印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印
刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法
等、またはインクジェット法等の塗布方法などを用いる
ことができる。また基材2のもう一方の面には、障害と
ならない範囲で絵柄や文字などの印刷層(図示しない)
を設けてもよく、これを保護するために保護層(図示し
ない)を必要に応じて設けることができる。
【0033】次に図3は(a)本発明の他の実施例のシ
ール12の構成と、(b)シール12の剥離後の状態を
示す断面図であり、基材2上に光学的機能層3、剥離層
6、接着層4、印刷層5が積層されている。基材2、光
学的機能層3、接着層4は図1に記載のものと同一であ
るので、ここでは説明を省略する。剥離層6は光学的機
能層3の片側、あるいはその両側に設けることができ、
部分的に設けることにより、つまり剥離層6の有無によ
って光学的機能層3の剥離面の状態が異なる。つまり、
図3に示すようにシール12が物品などの一度貼り付け
た後、これが剥離により光学的機能層3の一部若しくは
全体が破壊されることから、なんらかの手がシール12
に加えられたことが、一目で判別できるとしたものであ
る。
【0034】シール12の構成によれば、剥離層6は被
接着物、例えば紙、プラスチック等に対する接着層5の
接着力よりも小さくなければならず、この用件を満た
し、かつ基材2の屈折率に近いものであれば、いかなる
ものであってもよい。有機材料であっても、無機材料で
あっても構わない。したがって、剥離部分(被接着物に
残存する部分)は剥離層6の接着性よりも接着層4の接
着性が大きければよく、さらに基材2に残存する部分は
基材2に対する光学的機能層3の密着性が良好でなけれ
ばならない。例えば熱可塑性アクリル樹脂、塩化ゴム系
樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、セルロース
系樹脂、塩素化ポリプロピレン、あるいはこれらにオイ
ルシリコーン、脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛を添加
したものが挙げられるが、上記した特性を示すものであ
れば、とくに限定されない。この剥離層6により形成さ
れるパターンは、剥離跡から目視して判別がつくもので
あればよく、特定の模様・マーク・文字・絵柄などを用
いることができ、それぞれ用途に応じて任意に選択でき
る。
【0035】(b)のシール12の剥離後状態を示す断
面図では、基材2、パターン状に部分形成された剥離層
6、光学的機能層3、接着層4が順次積層され、この剥
離層6がパターン状に形成されシール12の接着面と被
接着物13の接着面とを接着し、シール12は被接着物
13の面に接着層4とともに剥離層3の形成された部分
のみが残留し、またシール1には光学的機能層3の破壊
された部分のみが残り、これらから剥離層6により形成
される偽造防止パターンが現れる。このパターンとは複
数の多層膜から形成される図4に示すパターン10と同
様、或いは一致した形状としてもよく、またパターン1
0と異なるようにして、剥離層6による多層膜の破壊に
よりパターン10を再生不可能にさせるようにしても、
偽造・変造などの不正行為を発見し易くすることができ
る。
【0036】剥離層3の部分的なパターン状の形成方法
としては、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷
法、オフセット印刷法などの印刷方法やバーコート法、
リップコート法、ロールコート法等の塗布方法などを用
いることができる。
【0037】なお、光学的機能層3の接着層4側の面に
セラミックあるいは有色透明のインキにより着色層(図
示しない)を設け、より色変化が多彩になり、かつ見や
すくなることにより、偽造防止効果を向上させることが
できる。
【0038】本発明のシールによれば、光学的機能層に
異なる光学特性を示すセラミックス薄膜、または金属薄
膜、或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2
層以上積層してなる多層膜であり、この多層膜は多種多
様な組合せにより異なる層構成の多層膜として同一基材
上に2つ以上設けることにより、多層膜の光学的干渉作
用に起因した特定の特定の波長領域の光線を反射、吸
収、あるいは透過させるという性質を有し、かつ見る角
度を変化させることで機能層の膜厚が変化することか
ら、波長領域がシフトし、色が異なって見えるというカ
ラーシフト効果を複数の多層膜の組合せから多彩な色彩
効果として得ることができ、その複数の多層膜による各
種パターンは容易に判別することが可能である。とくに
判別しやすい文字・数字や真似のしにくい複雑な模様・
絵柄・デザインなどを任意に形成することができるた
め、偽造・変造防止効果の高い真偽識別手段を提供する
ことができる。なお、このシールを貼付したのち、剥が
すと接着層と光学的機能層との間で剥離が生じるため、
光学的機能層の多層膜が破壊されるものであり、再使用
が困難となる。
【0039】また層の一部に剥離層を設けることによ
り、シールを剥がすと、剥離層から他の層が剥離すると
ともに、剥離層に接していない他の層の部分が破壊さ
れ、その一部が被貼付体に残り、他方が剥離したシール
に付着した状態となり、さらに剥離層を部分的にパター
ン状に設けることで、剥離時に破壊された部分が上記光
学的特性を有する特定の模様・マーク・文字などとして
現れる。
【0040】
【実施例】本発明を、具体的な実施例を挙げて詳細に説
明する。 <実施例1>基材2には厚さ25μmの透明ポリエステ
ルフィルムを使用し、光学的機能層3として、多層膜3
−aに屈折率の異なるセラミックスの硫化亜鉛(屈折率
n=2.3)とフッ化マグネシウム(屈折率n=1.
4)を用い、硫化亜鉛(光学膜厚200nm)とフッ化
マグネシウム(光学膜厚400nm)の順に交互にその
薄膜を積層し、積層数は全体で5層とした。多層膜3−
bは、多層膜3−aと同様に屈折率の異なるセラミック
スの硫化亜鉛(屈折率n=2.3)とフッ化マグネシウ
ム(屈折率n=1.4)を用いた。積層の際に2層目の
フッ化マグネシウムを省き、硫化亜鉛(光学膜厚400
nm)とフッ化マグネシウム(光学膜厚400nm)、
硫化亜鉛(光学膜厚200nm)の構成で積層し、積層
数を3層とした。さらに光学的機能層3を形成したあ
と、熱可塑性のアクリル系接着剤からなる接着層4を設
けシールとした。
【0041】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は黄金色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は緑色にカラーシ
フトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対し
て垂直に見た場合は薄い黄緑色に、基材に対して45度
斜めより見た場合は薄い緑色にカラーシフトしており、
これら多層膜3−a、多層膜3−bの色彩の違いは明瞭
であった。
【0042】<実施例2>実施例1と同様の構成によ
り、基材2上に図4に示すようなパターン状に多層膜3
−aを形成し、さらにその周囲に多層膜3−bを設けて
なるシールとした。このパターンを形成した光学的機能
層3の光学特性は実施例1と同様であり、このパターン
は明瞭であり、識別することができた。
【0043】<実施例3>基材2には厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムを使用し,光学的機能層3とし
て、多層膜3−aに屈折率の異なるセラミックスの二酸
化珪素(屈折率n=1.5)と、金属のアルミニウム
(屈折率n=1±0.5の範囲、なお金属アルミニウム
は屈折率分散が大きいため特定値とすることが困難であ
るため、400〜700nmにおける屈折率の範囲を表
示)を用い、アルミニウム(膜厚100nm)と二酸化
珪素(光学膜厚400nm)、アルミニウム(膜厚10
nm)の順にその薄膜を積層し、積層数は全体で3層と
した。多層膜3−bは、多層膜3−aと同様に屈折率の
異なるセラミックスの二酸化珪素(屈折率n=1.5)
と、金属のアルミニウム(同上)を用いた。積層の際に
3層目のアルミニウム(膜厚10nm)を省き、アルミ
ニウム(膜厚100nm)と二酸化珪素(光学膜厚40
0nm)の構成で積層し、積層数を2層とした。さらに
光学的機能層3を形成したあと、熱可塑性のアクリル系
接着剤からなる接着層4を設けシールとした。
【0044】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は黄緑色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は青緑色にカラー
シフトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対
して垂直に見た場合はアルミニウムの金属光沢色に近
く、基材に対して45度斜めより見た場合はアルミニウ
ムの金属光沢色に少し赤色がついており、これら多層膜
3−a、多層膜3−bの色彩の違いはかなり明瞭であっ
た。
【0045】<実施例4>実施例3と同様の構成によ
り、基材2上に図4に示すようなパターン状に多層膜3
−aを形成し、さらにその周囲に多層膜3−bを設けて
なるシールとした。このパターンを形成した光学的機能
層3の光学特性は実施例3と同様であり、このパターン
は明瞭であり、確実に識別することができた。
【0046】<実施例5>基材2には厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムを使用し、光学的機能層3とし
て、図4に示すようなパターン状の多層膜3−aに屈折
率の異なるセラミックスの二酸化ジルコニウム(屈折率
n=2.0)と二酸化珪素(屈折率n=1.5)を用
い、二酸化ジルコニウム(光学膜厚200nm)と二酸
化珪素(光学膜厚400nm)の順に交互にその薄膜を
積層し、積層数は全体で3層とした。その周囲の多層膜
3−bは、多層膜3−aと同様に屈折率の異なるセラミ
ックスの二酸化ジルコニウム(屈折率n=2.0)と二
酸化珪素(屈折率n=1.5)を用いた。積層の際に3
層目の二酸化ジルコニウム(光学膜厚200nm)を省
き、二酸化ジルコニウム(光学膜厚200nm)と二酸
化珪素(光学膜厚400nm)の構成で積層し、積層数
を2層とした。さらに光学的機能層3を形成したあと、
スクリーン印刷により任意の絵柄・デザインからなる印
刷層5を設け、熱可塑性のアクリル系接着剤からなる接
着層4を設けシールとした。
【0047】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は黄金色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は緑色にカラーシ
フトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対し
て垂直に見た場合は薄い赤色に、基材に対して45度斜
めより見た場合は薄い橙色にカラーシフトしており、こ
れら多層膜3−a、多層膜3−bの色彩の違いは明瞭で
あった。また多層膜3−aと多層膜3−bにより形成さ
れたパターンも極めて明瞭に識別することができた。さ
らに印刷層4はセラミックス薄膜層の積層のみのからな
る光学的機能層3を介して容易に認識できた。
【0048】<実施例6>基材2には厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムを使用し、光学的機能層3とし
て、図4に示すようなパターン状の多層膜3−aに屈折
率の異なるセラミックスの二酸化チタン(屈折率n=
2.4)と二酸化珪素(屈折率n=1.5)を用い、二
酸化チタン(光学膜厚137.5nm)と二酸化珪素
(光学膜厚137.5nm)の順に交互にその薄膜を積
層し、積層数は全体で5層とした。その周囲の多層膜3
−bは、多層膜3−aと同様に屈折率の異なるセラミッ
クスの二酸化チタン(屈折率n=2.4)と二酸化珪素
(屈折率n=1.5)を用いた。積層の際に5層目の二
酸化珪素(光学膜厚137.5nm)を省き、二酸化チ
タン(光学膜厚137.5nm)と二酸化珪素(光学膜
厚137.5nm)の構成で積層し、積層数を4層し
た。さらに光学的機能層3を形成したあと、熱可塑性の
アクリル系接着剤からなる接着層4を設けシールとし
た。
【0049】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は青緑色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は紫色にカラーシ
フトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対し
て垂直に見た場合はほぼ無色透明であり、基材に対して
45度斜めより見た場合も無色透明であり、これら多層
膜3−a、多層膜3−bの色彩の違いは明瞭であった。
また多層膜3−aと多層膜3−bにより形成されたパタ
ーンも極めて明瞭に識別することができた。さらに印刷
層4はセラミックス薄膜層の積層のみのからなる光学的
機能層3を介して容易に認識できた。
【0050】<実施例7>基材2には厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムを使用し、熱可塑性アクリル樹
脂からなる剥離層6を部分的にパターン状に形成した。
次に光学的機能層3として、図4に示すようなパターン
状の多層膜3−aに屈折率の異なるセラミックスの二酸
化チタン(屈折率n=2.4)と二酸化珪素(屈折率n
=1.5)を用い、二酸化チタン(光学膜厚200n
m)と二酸化珪素(光学膜厚400nm)の順に交互に
その薄膜を積層し、積層数は全体で5層とした。その周
囲の多層膜3−bは、多層膜3−aと同様に屈折率の異
なるセラミックスの二酸化チタン(屈折率n=2.4)
と二酸化珪素(屈折率n=1.5)を用いた。積層の際
に4層目の二酸化珪素(光学膜厚400nm)を省き、
二酸化チタン(光学膜厚200nm)と二酸化珪素(光
学膜厚400nm)と二酸化チタン(光学膜厚400n
m)の構成で積層し、積層数を3層とした。さらに光学
的機能層3を形成したあと、熱可塑性のアクリル系接着
剤からなる接着層4を設けシールとした。
【0051】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は黄金色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は緑色にカラーシ
フトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対し
て垂直に見た場合は黄緑色であり、基材に対して45度
斜めより見た場合は青紫色にカラーシフトしており、こ
れら多層膜3−a、多層膜3−bの色彩の違いは明瞭で
あった。またこのシールを貼付後、剥がすと、剥離層6
が形成されたパターンの形状に従って、剥離層6のある
部分は被貼付側に、剥離層6の無い部分はシール側にそ
れぞれ光学的機能層3が付着した状態となり、パターン
も極めて明瞭に識別することができた。これからシール
が脆性シールとしての機能を十分に有することが確認さ
れた。
【0052】<実施例8>基材2には厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムを使用し、熱可塑性アクリル樹
脂からなる剥離層6を部分的にパターン状に形成した。
次に光学的機能層3として、図4に示すようなパターン
状の多層膜3−aに屈折率の異なるセラミックスの二酸
化ジルコニウム(屈折率n=2.0)と二酸化珪素(屈
折率n=1.5)を用い、二酸化ジルコニウム(光学膜
厚200nm)と二酸化珪素(光学膜厚400nm)の
順に交互にその薄膜を積層し、積層数は全体で5層とし
た。その周囲の多層膜3−bは、多層膜3−aと同様に
屈折率の異なるセラミックスの二酸化ジルコニウム(屈
折率n=2.0)と二酸化珪素(屈折率n=1.5)を
用い、二酸化ジルコニウム(光学膜厚200nm)と二
酸化珪素(光学膜厚600nm)の順に交互にその薄膜
を積層し、積層数を5層とした。さらに光学的機能層3
を形成したあと、熱可塑性のアクリル系接着剤からなる
接着層4を設けシールとした。
【0053】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は黄金色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は緑色にカラーシ
フトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対し
て垂直に見た場合は青緑色であり、基材に対して45度
斜めより見た場合は青紫色にカラーシフトしており、こ
れら多層膜3−a、多層膜3−bの色彩の違いは明瞭で
あった。またこのシールを貼付後、剥がすと、剥離層6
が形成されたパターンの形状に従って、剥離層6のある
部分は被貼付側に、剥離層6の無い部分はシール側にそ
れぞれ光学的機能層3が付着した状態となり、パターン
も極めて明瞭に識別することができた。これからシール
が脆性シールとしての機能を十分に有することが確認さ
れた。
【0054】<実施例9>基材2には厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムを使用し、熱可塑性アクリル樹
脂からなる剥離層6を部分的にパターン状に形成した。
次に光学的機能層3として、図4に示すようなパターン
状の多層膜3−aに屈折率の異なるセラミックスのイン
ジウム錫化合物(屈折率n=2.0)とフッ化マグネシ
ウム(屈折率n=1.4)を用い、インジウム錫化合物
(光学膜厚200nm)とフッ化マグネシウム(光学膜
厚400nm)の順に交互にその薄膜を積層し、積層数
は全体で3層とした。その周囲の多層膜3−bは、屈折
率の異なるセラミックスに二酸化珪素(屈折率n=1.
5)と金属にアルミニウム(屈折率n=1±0.5の範
囲、なお金属アルミニウムは屈折率分散が大きいため特
定値とすることが困難であるため、400〜700nm
における屈折率の範囲を表示)を用い、アルミニウム
(膜厚100nm)と二酸化珪素(光学膜厚400n
m)、アルミニウム(膜厚10nm)の順にその薄膜を
積層し、積層数を3層とした。さらに光学的機能層3を
形成したあと、熱可塑性のアクリル系接着剤からなる接
着層4を設けシールとした。
【0055】本実施例のシールでは、多層膜3−aの反
射光が、基材に対して垂直に見た場合は黄金色に近く、
基材に対して45度斜めより見た場合は緑色にカラーシ
フトしており、また多層膜3−bの反射光が基材に対し
て垂直に見た場合は黄緑色であり、基材に対して45度
斜めより見た場合は青緑色にカラーシフトしており、こ
れら多層膜3−a、多層膜3−bの色彩の違いは明瞭で
あった。またこのシールを貼付後、剥がすと、剥離層6
が形成されたパターンの形状に従って、剥離層6のある
部分は被貼付側に、剥離層6の無い部分はシール側にそ
れぞれ光学的機能層3が付着した状態となり、パターン
も極めて明瞭に識別することができた。これからシール
が脆性シールとしての機能を十分に有することが確認さ
れた。
【0056】<比較例1>基材には厚さ25μmの透明
ポリエステルフィルムを使用し、光学的機能層として、
セラミックスの硫化亜鉛(屈折率n=2.3、光学膜厚
200nm)の薄膜を図4に示すようなパターン状に形
成した。膜厚は約0.08μmとした。さらに光学的機
能層を形成したあと、熱可塑性のアクリル系接着剤から
なる接着層を設けシールとした。光学的機能層の反射光
が、このシールを基材に対して垂直に見た場合はほぼ無
色透明であり、基材に対して45度斜めより見た場合も
変化なくカラーシフトも生じることなく、光学的機能層
のパターンは不明瞭であった。
【0057】<比較例2>基材には厚さ25μmの透明
ポリエステルフィルムを使用し、光学的機能層として、
金属のアルミニウム(屈折率同上、膜厚200nm)の
薄膜を図4に示すようなパターン状に形成した。膜厚は
0.2μmとした。さらに光学的機能層を形成したあ
と、熱可塑性のアクリル系接着剤からなる接着層を設け
シールとした。光学的機能層の反射光が、このシールを
基材に対して垂直に見た場合はアルミニウム特有の金属
光沢を示し、基材に対して45度斜めより見た場合も変
化なくカラーシフトも生じることなく、光学的機能層の
パターンは不明瞭であった。
【0058】<比較例3>基材には厚さ25μmの透明
ポリエステルフィルムを使用し、光学的機能層として、
屈折率の異なるセラミックスの硫化亜鉛(屈折率n=
2.3)とフッ化マグネシウム(屈折率n=1.4)を
用い、硫化亜鉛(光学膜厚200nm)とフッ化マグネ
シウム(光学膜厚400nm)の順に交互にその薄膜を
積層し、積層数は全体で5層とし、図4に示すようなパ
ターン状に形成した。膜厚は0.3μmとした。さらに
光学的機能層を形成したあと、熱可塑性のアクリル系接
着剤からなる接着層を設けシールとした。光学的機能層
の反射光が、このシールを基材に対して垂直に見た場合
は黄金色に、基材に対して45度斜めより見た場合は緑
色にカラーシフトし、色の変化が明瞭であったが、単一
のカラーシフト(色の変化)であるため、パターンはや
や不明瞭であった。
【0059】
【発明の効果】本発明のシールは、光学的機能層に異な
る光学特性を示すセラミックス薄膜、または金属薄膜、
或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以
上積層してなる多層膜であり、この多層膜は多種多様な
組合せにより異なる層構成の多層膜として同一基材上に
2つ以上設けることにより、多層膜の光学的干渉作用に
起因した特定の特定の波長領域の光線を反射及び吸収、
あるいは透過させるという性質と見る角度を変化させる
ことで機能層の膜厚が変化することから、波長領域がシ
フトし、色が異なって見えるというカラーシフト効果を
複数の多層膜の組合せから多彩な色彩効果が得られるも
のであり、その複数の多層膜により形成される各種パタ
ーンは容易に判別することが可能である。とくに判別し
やすい文字・数字や真似のしにくい複雑な模様・絵柄・
デザインなどを任意に形成できるため、高い識別性によ
り真偽判定が極めて容易となる。したがって偽造・変造
防止効果を大きく向上させることができ、従来のカラー
シフト効果を利用した光学的機能層を利用したシールと
比較しても、セイキュリティ、識別性、経済性など高い
付加価値を有するものである。
【0060】複数の多層膜の構成のうち、多層膜の積層
工程で、積層回数を増やすこと無く積層数の異なる多層
膜を作製することで、製造コストを上げることなく簡易
に複数の多層膜からなる光学的機能層を形成すことがで
き、経済性のも優れる。
【0061】また剥離層によって、一旦貼付されたシー
ルを剥がすと、剥離層から他の層が剥離するとともに、
剥離層に接していない他の層の部分が破壊され、その一
部が被貼付側に残り、他方が剥離したシールに付着した
状態となるため、再度剥離されたシールを貼付しても、
一度剥離されシールであることが容易に判り、再使用が
不可能な脆性シールとして用いることもできる。
【0062】また、印刷層を設けることにより、任意の
情報をシール上に付加することで偽造・変造防止効果と
ともに可視情報を提供でき、シールの利便性を向上させ
ることが可能となる。
【0063】さらに剥離層を特定の模様・マーク・文字
などのパターン状とすることにより、偽造・変造防止効
果を向上させることができる。
【0064】以上のような極めて偽造・変造などの不正
行為に対して防止効果及びその抑止効果の高い、従来の
セキュリティ用のシールに無い優れた効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例のシールの構成を示す断面
図である。
【図3】本発明の他の実施例のシールの剥離前後の状態
を示す断面図である。
【図4】本発明のシールの光学的機能層である層構成の
異なる複数の多層膜により形成されたパターン形状の一
例を示す平面図である。
【符号の説明】
1、11、12 脆性シール 2 基材 3 光学的機能層 4 接着層 5 印刷層 6 剥離層 10 パターン 13 被接着物

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、光学的機能層、接着層を積層し
    てなるシールにおいて、前記光学的機能層が複数の異な
    る光学特性を示すセラミックス薄膜、または金属薄膜、
    或いはセラミックス薄膜と金属薄膜の複合薄膜を2層以
    上積層してなる多層膜であり、かつ異なる層構成の多層
    膜を同一基材上に2つ以上設けてなるカラーシフト効果
    による識別性を有することを特徴とするシール。
  2. 【請求項2】前記光学的機能層の片面または両面の一部
    に剥離層を設けてなることを特徴とする請求項1記載の
    シール。
  3. 【請求項3】同一基材上に複数配置される、異なる層構
    成からなる多層膜の少なくとも一つにより文字、数字、
    模様などの特定のパターンを形成してなること特徴をと
    する請求項1又は2記載のシール。
  4. 【請求項4】前記光学的機能層の片面または両面の一部
    に印刷層を設けてなることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のシール。
  5. 【請求項5】前記セラミックス薄膜は硫化亜鉛、二酸化
    チタン、二酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化
    錫、インジウム錫酸化物、酸化タンタル、酸化セリウ
    ム、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、二酸化珪素、フッ
    化カルシウム、フッ化セリウム、酸化アルミニウム、酸
    化マグネシウム、酸化ガリウムの中から選択される単体
    又はそれらの混合物から形成されることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のシール。
  6. 【請求項6】前記金属薄膜はクロム、ニッケル、アルミ
    ニウム、鉄、チタン、銀、金、銅、珪素、ニッケルの中
    から選択される単体又はそれらの混合物、合金から形成
    されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のシール。
  7. 【請求項7】前記多層膜が高屈折率層と低屈折率層との
    組み合わせからなることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載のシール。
  8. 【請求項8】前記多層膜が高屈折率層と低屈折率層との
    組み合わせを交互に配置してなることを特徴とする請求
    項7に記載のシール。
  9. 【請求項9】 前記光学的機能層の接着層側の面に着色
    層を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載のシール。
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